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JP6116501B2 - 画像読取装置、画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、イメージセンサーが搭載されたキャリッジをガイドレールに沿って移動可能な画像読取装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
従来、複写機やファクシミリ装置などの画像形成装置には、コンタクトガラスなどの原稿載置面に載置された原稿の画像を読み取る画像読取装置が設けられている。この種の画像読取装置は、内部に設けられたガイドレールに沿ってイメージセンサーが移動可能に構成されている。例えば、イメージセンサーを保持するキャリッジの底部に凹形状のガイド部(スライダー)を一体に形成して、当該ガイド部を前記ガイドレールに引っ掛けることにより、イメージセンサーをガイドレールに沿って移動可能にする構成が知られている(特許文献1参照)。また、シャフトが挿入される別部材としてのガイド部(ベアリング)が前記キャリッジの底部に固定され、前記シャフトに対する位置決め部材がキャリッジに一体に形成された構成が知られている(特許文献2参照)。
特開2007−28487号公報 特開2005−3778号公報
しかしながら、ガイド部がキャリッジに一体に形成された構成では、ガイド部自体を摺動性の高い部材で構成する必要がある。この場合、キャリッジの剛性が低下してキャリッジの移動時に撓みや振動を生じさせることになる。また、キャリッジ全体を摺動性の高い部材で構成することは、部品コストがアップするという問題もある。また、キャリッジに前記位置決め部材を設ける構成では、キャリッジを抵抗なく移動させるためのクリアランスが前記位置決め部材とシャフトとの間に必要であるため、シャフトに対して前記クリアランスによるガタが生じる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、別部材のガイド部材をキャリッジに確実に固定するとともに、ガイドレールにガイド部材を高精度に取り付けることが可能な画像読取装置及びこれを備える画像形成装置を提供することにある。
本発明の一の局面に係る画像読取装置は、透明板部材と、ガイドレールと、キャリッジと、イメージセンサーと、ガイド部材と、切り欠き部と、を含む。前記透明板部材は、原稿が載置される原稿載置面を有し、透光性のある部材である。前記ガイドレールは、前記透明板部材の下方に設けられ、一方向に延出する凸状の形状のものである。前記キャリッジは、前記透明板部材に沿って前記一方向へ移動可能に支持されている。前記イメージセンサーは、前記キャリッジに搭載され、前記キャリッジの移動方向に直交する方向を読取ラインとして原稿からの反射光を読み取る。前記ガイド部材は、前記キャリッジの底部に形成された被取付部に取り付けられ、前記ガイドレールが挿入されることにより前記キャリッジを前記ガイドレールに沿う方向へ案内するガイド溝を有する。前記切り欠き部は、前記ガイド部材において前記キャリッジの底部に対向する上壁に形成されている。前記切り欠き部は、前記上壁において、前記ガイド溝を構成する一対の側壁のうち一方の側壁に寄せて形成されている。
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記画像読取装置と、前記画像読取装置により読み取られた画像を形成する画像形成部と、を備える。
本発明によれば、別部材のガイド部材をキャリッジに確実に固定することが可能であり、且つ、ガイドレールにガイド部材を高精度に取り付けることが可能である。
図1(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係る画像形成装置及び画像読取装置を示す図である。 図2は、画像読取装置を示す斜視図である。 図3は、図2における切断線III−IIIの断面を示す模式図である。 図4は、画像読取装置に搭載される読取ユニットの上面側を示す斜視図である。 図5は、読取ユニットの底部側を示す斜視図である。 図6は、読取ユニットが備えるガイド取付部及びガイド部材を示す部分拡大図である。 図7(A)及び(B)は、ガイド部材を示す斜視図である。 図8(A)は、ガイド取付部を示す図であり、図8(B)は、ガイド取付部に取り付けられたガイド部材を示す図である。 図9は、図3における要部IXの部分拡大図である。 図10は、図8(A)における切断線X−Xの断面図である。
以下、添付図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置10(本発明の画像形成装置の一例)及び画像読取装置20(本発明の画像読取装置の一例)の構成について説明する。なお、図1(A)は画像形成装置10の正面模式断面図であり、図1(B)は画像読取装置20の斜視図である。
図1に示されるように、画像形成装置10は、画像読取装置20、ADF(自動原稿送り装置)2、原稿カバー7、画像形成部3(本発明の画像形成部の一例)、給紙カセット4、及び操作表示部8などを備えている。なお、本実施形態では、本発明の画像形成装置の一例として画像形成装置10を例示して説明するが、これに限られず、例えば画像読取装置20を備えたプリンター、ファクシミリ装置、複写機なども本発明の画像形成装置に該当する。また、本実施形態では、画像形成装置10について例示して説明するが、画像形成装置10とは独立した画像読取装置20、つまり、画像読取装置20単体として本発明の画像読取装置が実現されてもよい。
画像読取装置20は、原稿から画像データを読み取る画像読取処理を実行する。図1(A)に示されるように、画像読取装置20は、筐体9、コンタクトガラス11(本発明の透明板部材の一例)、読取ユニット12などを備えている。
コンタクトガラス11は、画像読取装置20の筐体9の上面に設けられている。筐体9の上面に開口が形成されており、コンタクトガラス11は、この開口を覆うように筐体9に取り付けられている。これにより、コンタクトガラス11の上面が露出される。コンタクトガラス11は、原稿が載置される原稿載置面を有する矩形状の平板部材である。コンタクトガラス11の上面が前記原稿載置面である。コンタクトガラス11は、透明性を有するものであり、例えば、ガラス板や透明樹脂板などで構成されている。
読取ユニット12は、コンタクトガラス11に沿って画像読取装置20の左右方向(以下、副走査方向とも言う)D1へ移動されることにより、コンタクトガラス11に載置された原稿の画像を読み取る。ここで、本実施形態では、画像形成装置10において操作表示部8が設けられている側の面を正面(前面)とし、この正面を基準に左側及び右側を定めて前記左右方向D1が定義される。なお、読取ユニット12の構成については後述する。
原稿カバー7は、画像読取装置20の後方側を支点として回動可能に筐体9に取り付けられている(図1(B)参照)。原稿カバー7は、画像読取装置20の後方側に設けられた支軸(不図示)を中心にして、コンタクトガラス11の上面を覆って密着する閉姿勢と、コンタクトガラス11の上面から上方へ離反して開けられた開姿勢との間で開閉される。
図1(A)に示されるように、原稿カバー7の左側にはADF2が設けられている。ADF2は、原稿セット部21、複数の搬送ローラー22、原稿ガイド23、及び排紙部24などを備えている。ADF2は、搬送ローラー22各々を不図示のモーターで駆動させることにより、原稿セット部21にセットされた原稿をコンタクトガラス11上の読取位置を通過させて排紙部24まで搬送させる。
操作表示部8は、筐体9の側面に設けられており、前記側面から側方へ突出している。操作表示部8の上面には画像読取や画像形成などの指示を入力するための各種操作ボタンが配置されている。
画像読取装置20による原稿画像の読み取りは、以下の手順で行われる。まず、原稿がコンタクトガラス11上に載置され、その後、原稿カバー7が閉姿勢にされる。そして、操作表示部8から画像読取指示が入力されると、読取ユニット12は、副走査方向D1の右向きへ移動されつつ、連続して順次1ライン分の光を原稿へ照射し、その原稿からの反射光を受光する。そして、その反射光の光量に応じたレベルの電気信号(電圧信号)を画像情報として制御部(不図示)に出力する。前記制御部では、入力された電気信号に基づいて、光が照射された領域(例えばコンタクトガラス11の全面)における光量分布を示す光量分布データを生成し、その光量分布データを画像処理することによって、前記光量分布データから原稿の画像データを生成する。
画像形成部3は、給紙カセット4から供給される印刷用紙に画像を形成する画像形成処理を実行する。画像形成部3は、画像読取装置20で読み取られた画像データ、又は外部のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置から入力された画像データに基づいて画像形成処理(印刷処理)を実行する電子写真方式の画像形成手段である。図1(A)に示されるように、画像形成部3は、感光体ドラム31、帯電装置32、現像装置33、トナーコンテナ34、転写ローラー35、除電装置36、定着ローラー37、加圧ローラー38などを備えている。
画像形成部3による画像形成は、以下の手順で行われる。まず、帯電装置32によって感光体ドラム31が所定の電位に一様に帯電される。次に、不図示のレーザスキャナユニットにより感光体ドラム31の表面に画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム31の表面に静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム31上の静電潜像は現像装置33によってトナー像として現像(可視像化)される。なお、現像装置33には、トナーコンテナ34からトナー(現像剤)が補給される。続いて、感光体ドラム31に形成されたトナー像は転写ローラー35によって印刷用紙に転写される。その後、印刷用紙に転写されたトナー像は、その印刷用紙が定着ローラー37及び加圧ローラー38の間を通過して排出される際に定着ローラー37で加熱されて溶融定着する。なお、感光体ドラム31の電位は除電装置36で除電される。
以下、図1に加えて、図2乃至図10を参照して、読取ユニット12の構成について説明する。読取ユニット12は、CISなどのイメージセンサー13(本発明のイメージセンサーの一例)と、キャリッジ14(本発明のキャリッジの一例)とを有する。
イメージセンサー13は、LED光源131、及び複数の撮像素子132などが一体に組み込まれたものである。イメージセンサー13としては、密着型のイメージセンサー(CIS: Contact Image Sensor)が用いられる。図2及び図3に示されるように、イメージセンサー13は、画像読取装置20の前後方向D2(主走査方向)に長い形状である。ここで、本実施形態では、画像形成装置10において操作表示部8が設けられている側の面を正面(前面)とし、この正面を基準に前記前後方向D2が定義される。イメージセンサー13は、前記前後方向D2へ長くて細幅な直方体形状のケースの内部に、LED光源131、及び複数の撮像素子132(図1参照)などを備えている。複数の撮像素子132は、イメージセンサー13の内部において、前記前後方向D2に一列に並んで設けられている。各撮像素子132は、光電変換素子であって、受光した光の強度(光量)に応じたレベルの電気信号(電圧信号など)を出力する。
LED光源131は、LEDなどの発光素子を備えている。LED光源131から出射された光は、不図示の導光レンズによってイメージセンサー13の長手方向の全体に導かれ、長手方向の全体に均等に分散されてから、コンタクトガラス11上の原稿に照射される。イメージセンサー13は、キャリッジ14の移動方向(左右方向D1)に直交する方向(前後方向D2)を読取ラインとして原稿からの反射光を読み取る。イメージセンサー13によって、コンタクトガラス11に載置された原稿の画像が光学的に読み取られる。具体的には、イメージセンサー13は、LED光源131からコンタクトガラス11へ向けて1ライン分の光が照射されたときに原稿から反射した1ライン分の反射光を受光すると、その反射光に基づいて、1ライン分の光量データを生成し、それを電気信号にして1ライン分ずつ制御部(不図示)へ出力する。
図2及び図3に示されるように、キャリッジ14は、筐体9の内部であって、コンタクトガラス11の下方に設けられている。具体的には、筐体9の内部には、コンタクトガラス11と平行であって水平な平板状のベースフレーム9Aが設けられており、このベースフレーム9Aの上面を左右方向D1(副走査方向)へ移動可能なように筐体9やベースフレーム9Aによって支持されている。ベースフレーム9A上を移動することによって、キャリッジ14は、コンタクトガラス11の表面に沿って前記左右方向D1へ移動可能である。つまり、キャリッジ14は、コンタクトガラス11に沿って移動可能なようにベースフレーム9Aなどに支持されている。
ベースフレーム9Aには、前記左右方向D1へ延出するガイドレール26が形成されている。ガイドレール26は、ベースフレーム9Aと一体に形成されており、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ABSなどの樹脂部材によって形成されている。ガイドレール26は、ベースフレーム9Aにおいて前記前後方向D2の中央に配置されており、ベースフレーム9Aの左端部から右端部まで延在している。図3に示されるように、ガイドレール26は、ベースフレーム9Aから上方へ突出した凸状の形状であり、その頂部27は上向きに湾曲した曲面に形成されている。
キャリッジ14は、樹脂部材によって前記前後方向D2に長尺な形状に形成されている。キャリッジ14は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ABSなどの汎用樹脂で構成されており、後述のガイド部材40よりも強度が大きい材質が適用される。本実施形態では、キャリッジ14が後述のガイド部材40を介してガイドレール26に支持されつつ位置決めされることにより、読取ユニット12が高精度にガイドレール26に取り付けられている。なお、キャリッジ14の支持機構については後述する。
図4に示されるように、キャリッジ14にはイメージセンサー13が搭載されている。キャリッジ14の上面における左右方向D1の中央部には、凹んだ形状の凹陥部141が形成されている。その凹陥部141はキャリッジ14の長手方向(前記前後方向D2)に長い形状である。この凹陥部141にイメージセンサー13が搭載されている。イメージセンサー13と凹陥部141との間にコイルバネなどの弾性部材(不図示)が介在されている。イメージセンサー13は、凹陥部141に対して上方へ前記弾性部材によって弾性付勢可能なように、凹陥部141に搭載されている。
図5に示されるように、キャリッジ14の底部142にガイド部材40(本発明のガイド部材の一例)が設けられている。ガイド部材40は、キャリッジ14と一体に形成された部材ではなく、キャリッジ14とは別の部材である。ガイド部材40は、底部142に形成されたガイド取付部143(本発明の被取付部の一例)に取り付けられている。図6に示されるように、ガイド取付部143は、底部142における前記前後方向D2の中央に位置しており、前記左右方向D1に延びる溝状の凹陥部144を有する。ガイド取付部143は、底部142の前記左右方向D1の端部から左側へ延出されており、キャリッジ14における他の部分よりも前記左右方向D1へ長い形状に形成されている。また、ガイド取付部143は、凹陥部144の溝幅(前記前後方向D2の幅)よりも前記左右方向D1へ長い形状に形成されており、例えば、前記溝幅の概ね3倍の長さに形成されている。
図5及び図6に示されるように、ガイド部材40は、ガイド取付部143に取り付けられて用いられる。ガイド部材40は、樹脂部材によって左右方向D1に長い形状に形成されている。ガイド部材40は、例えば、POM(ポリアセタール)などのように摺動性が高い合成樹脂で構成されている。本実施形態では、ガイド部材40は、キャリッジ14よりも強度が小さい材料で形成されている。換言すると、ガイド部材40の強度は、ガイド取付部143の強度よりも小さい。なお、図6では、ガイド取付部143からガイド部材40が取り外された状態が示されている。
図7は、ガイド部材40を示す斜視図であり、図7(A)は、ガイド部材40を前方斜め上方から見た斜視図であり、図7(B)は、ガイド部材40を後方斜め上方から見た斜視図である。なお、図7においては、ガイド部材40がガイド取付部143に取り付けられた状態に基づいて前記左右方向D1及び前記前後方向D2が定義されている。
図6及び7に示されるように、ガイド部材40は、底側が開放されたガイド溝41を有する。ガイド溝41は、キャリッジ14をベースフレーム9Aのガイドレール26(図3参照)に沿う方向へ案内するものである。ガイド溝41は、ガイドレール26が挿入される部分である。ガイド部材40は、ガイド部材40の外壁を構成する前壁40A、後壁40B、及び上壁40Cを有する。上壁40Cは、ガイド取付部143の凹陥部144に圧入される際に凹陥部144の底部を構成する外壁143Aに対向する部分である。ガイド溝41は、前壁40A、後壁40B、及び上壁40Cによって囲まれた空間である。
ガイド溝41の前記左右方向D1の両端部には、ガイドレール26に当接される当接部42A,42B(本発明の摺接部の一例)が設けられている。当接部42A,42Bは、ガイドレール26の頂部27(図3参照)の湾曲形状に対応して、アーチ状に形成されている。当接部42A,42Bの当接面は、上壁40Cからガイド部材40の底側へ隔てられた位置にある。つまり、当接部42A,42Bと上壁40Cとの間には、高さ方向の段差がある。また、当接部42A,42Bの当接面は、前壁40A及び後壁40Bそれぞれよりもガイド溝41の中央側へ隔てられた位置にある。つまり、当接部42A,42Bと前壁40A及び後壁40Bそれぞれとの間には、前記前後方向D2の段差がある。そのため、ガイド溝41にガイドレール26が挿入されても、当接部42A,42B以外の部分である前壁40A、後壁40B、及び上壁40Cがガイドレール26に接触することはない。言い換えると、当接部42A,42Bだけが、ガイド溝41にガイドレール26が挿入されたときにガイドレール26の頂部27の湾曲形状の面に接触する。なお、当接部42A,42Bとガイドレール26との摩擦を軽減して円滑な移動を実現するために、ベアリングやローラーなどが当接部42A,42Bに設けられていてもよい。
図7に示されるように、ガイド部材40の外周面には位置決め溝43が形成されている。位置決め溝43は、ガイド部材40の右端部に形成されており、ガイド溝41における当接部42Bの裏面に設けられている。位置決め溝43は、ガイド部材40がガイド取付部143の凹陥部144に取り付けられたときに、凹陥部144の内壁面に形成された縦リブ145(図6参照)が入り込む部分である。縦リブ145は、凹陥部144において互いに対向する内壁面144A,144Bそれぞれに形成されている。凹陥部144にガイド部材40が取り付けられたときに縦リブ145が位置決め溝43に入り込むことによって、凹陥部144に対する前記左右方向D1へのガイド部材40のずれが防止される。これにより、ガイド部材40が前記左右方向D1へずれることなく確実に凹陥部144に取り付けることができる。
ガイド部材40は、凹陥部144に対して嵌合によって取り付けられる。ガイド部材40及び凹陥部144それぞれは、ガイド部材40が凹陥部144に対して、日本工業規格JISB0401で定められた中間嵌めに属する嵌め合い公差に基づく寸法に形成されている。具体的には、ガイド部材40の上壁40Cの前記前後方向D2の幅寸法及び凹陥部144の前記前後方向D2の溝幅寸法が、前記中間嵌めに属する嵌め合い公差に基づく寸法に形成されている。本実施形態では、ガイド部材40及び凹陥部144は、軽圧入による中間嵌めが可能な公差に基づく寸法に形成されており、ガイド部材40は、圧入によって凹陥部144に嵌め込まれている。これにより、ガイド部材40は凹陥部144から容易に外れることなく強固に取り付けられる。なお、ガイド部材40には後述する突起51,52が形成されており、また、凹陥部144の内壁面144A,144Bには当接部151,152が形成されているため、実質的には、突起51と突起52との間隔(寸法)、及び当接部151と当接部152との間隔(寸法)が前記中間嵌め可能な公差に基づく寸法に形成されている。
ところで、ガイド部材40が凹陥部144に圧入によって嵌合される場合、ガイド取付部143よりも強度の低い材料でガイド部材40が形成されていると、圧入時にガイド部材40が微小変形する。例えば、上述したように、ガイド部材40の幅寸法及び凹陥部144の溝幅寸法が、前記嵌め合い公差に基づく寸法に形成されている場合、ガイド部材40を構成する前壁40A及び後壁40Bの両方がガイド溝41側へ撓まされる。この場合の各壁40A,40Bの撓み量は、必ずしも一定ではなく、撓み量にばらつきが生じる。取り付けられるガイド部材40の個体差や取り付け方如何によって各壁40A,40Bの撓み量がばらつくと、ガイドレール26に対してガイド部材40を前記前後方向D2に高精度に位置決めすることができなくなる。つまり、読取ユニット12がガイドレール26に高精度に取り付けることができなくなる。
上述した撓み量のばらつきを無くすために、本実施形態では、ガイド部材40に切り欠き50(本発明の切り欠き部の一例)が設けられている。具体的には、図7に示されるように、ガイド部材40を構成する外壁のうち、凹陥部144の底部を構成する外壁143Aに対向される上壁40Cに切り欠き50が形成されている。切り欠き50は、上壁40Cにおいて前壁40A寄りに形成されている。本実施形態では、切り欠き50は、上壁40Cにおいて前壁40A側の端部に形成されている。また、切り欠き50は、上壁40Cにおいて右端部寄りに設けられている。
また、前壁40Aには、前壁40Aから前方へ突出する突起51(本発明の突起の一例)が形成されている。突起51は、前壁40Aの前方側の外面において、切り欠き50に対応する位置に形成されている。具体的には、突起51は、前壁40Aの上端に形成されている。凹陥部144の内壁面144Aには、突起51に対応する位置に当接部151が形成されている。一方、突起51が設けられた位置とは反対側の後壁40Bに突起52が形成されている。突起52は、後壁40Bにおいて、突起51が設けられた位置に対応する位置に形成されている。突起52は、突起51よりも幅が長く、後述の当接部152に当接される領域も広く形成されている。凹陥部144の内壁面144Bには、突起52に対応する位置に当接部152が形成されている。このため、凹陥部144にガイド部材40が圧入されて嵌合されると、突起51は当接部151に当接され、突起52は当接部152に当接される。
なお、切り欠き50のサイズは、前記嵌め合い公差やガイド部材40の材質などによって決定される要素である。例えば、前記嵌め合い公差やガイド部材40の材質如何によって撓み量が大きくなる場合は切り欠き50のサイズを大きくし、撓み量が小さくなる場合は切り欠き50のサイズを小さくすることが考えられる。
このような切り欠き50がガイド部材40に設けられているため、切り欠き50から前方側の前壁40Aは、局部的に前後方向D2へ撓みやすくなる。このため、ガイド部材40の上壁40Cが凹陥部144に圧入されて嵌合されると、突起51が当接部151に当接することにより、当接部151が突起51を後方へ押す力を突起51に加える。これにより、切り欠き50から前方側の前壁40Aが矢印29(図8(B)及び図9参照)に示す方向へ撓まされる。一方、ガイド部材40の突起52も当接部152に当接して当接部152から前方への力が加えられるが、突起152側には切り欠き50が形成されてないため、突起52が変位することはない。また、上述したように、突起52は、突起51よりも当接面が広いため、受けた力が分散されるので、突起52が前方は撓まされるほどの力を受けない。
このように、ガイド部材40は、凹陥部144に嵌合されたときに、前壁40A側だけが撓まされることになる。したがって、凹陥部144の内壁面144B及びガイド部材40の後壁40Bを設計公差の基準側として、ガイド部材40のガイド溝41におけるガイドレール26の位置を定めることにより、ガイド部材40に対してガイドレール26を常に一定の位置に位置決めすることができる。これにより、キャリッジ14とともにガイド部材40を高精度にガイドレール26に取り付けることができる。また、ガイド部材40をキャリッジ14の凹陥部144に確実に固定することができる。
また、ガイド部材40は、その左端部の上端から左側へ突出する鍔部44を有する。鍔部44は、前記左端部から左側へ垂直に突出している。この鍔部44は、ガイド部材40がガイド取付部143に取り付けられたときに、凹陥部144が有する収容部146(図10参照)に挿入される部分である。図10に示されるように、収容部146は、凹陥部144の左端部に設けられている。収容部146は、凹陥部144の底部を構成する外壁143Aの左端部から下方へ屈曲されて、更に凹陥部144の内部側へ屈曲された断面L字形状の鉤状部材147によって区画されている。収容部146は、鉤状部材147と外壁143亜とによって囲まれた空間である。ガイド部材40が凹陥部144に圧入される際に、鍔部44が収容部146に挿入され、その後にガイド部材40が凹陥部144に圧入されることにより、ガイド部材40が凹陥部144から落下することなく強固に取り付けられる。
なお、外壁143Aの左端部における鉤状部材147の上方に位置する部分には開口148(図4及び図10参照)が形成されている。このため、凹陥部144にガイド部材40が装着される際に鍔部44側が収容部146へ向けて斜めに挿入されて、鍔部44が外壁143Aに当接する位置まで押し込まれても、鍔部44は開口148を抜けて上方へ突き抜けて外壁143Aの外側へ露出する。そして、ガイド部材40において鍔部44とは反対側の右端部が凹陥部144に嵌め入れられると、鍔部44は、開口148から収容部146に戻り、収容部146に収容される。このような開口148が形成されているため、ガイド部材40を凹陥部144に容易に取り付けることができる。
上述の実施形態では、切り欠き50を前壁40A寄りに形成した例について説明したが、もちろん、後壁40B寄りに形成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、上壁40Cに一つの切り欠き50が形成された例について説明したが、左右方向D1に隔てられた複数の位置(例えば2箇所)に切り欠き50が形成されていてもよい。つまり、複数の切り欠き50が、上壁40Cにおいてガイドレール26に沿う方向と同じ左右方向D1へ隔てられた位置に形成されていてもよい。
なお、上述の実施形態では、ガイド部材40に突起52が形成され、凹陥部144に当接部152が形成された例について説明したが、突起52及び当接部152が形成されていない構成にも本発明は適用可能である。また、突起51及び当接部151のうちのいずれか一方を備えた構成やいずれも備えていない構成にも本発明は適用可能である。
3:画像形成部
9A:ベースフレーム
10:画像形成装置
11:コンタクトガラス
13:イメージセンサー
14:キャリッジ
20:画像読取装置
26:ガイドレール
40:ガイド部材
41:ガイド溝
42A,42B:当接部
50:切り欠き
51,52:突起
144:凹陥部

Claims (5)

  1. 原稿が載置される原稿載置面を有する透光性のある透明板部材と、
    前記透明板部材の下方に設けられ、一方向に延出する凸状のガイドレールと、
    前記透明板部材に沿って前記一方向へ移動可能に支持されたキャリッジと、
    前記キャリッジに搭載され、前記キャリッジの移動方向に直交する方向を読取ラインとして原稿からの反射光を読み取るイメージセンサーと、
    前記キャリッジの底部に形成された被取付部に取り付けられ、前記ガイドレールが挿入されることにより前記キャリッジを前記ガイドレールに沿う方向へ案内するガイド溝を有し、前記キャリッジよりも強度が小さい材料で形成されているガイド部材と、
    前記ガイド部材において前記被取付部に対向する上壁に、前記ガイド溝を構成する一対の側壁のうち一方の側壁に寄せて形成された切り欠き部と、を備え
    前記一方の側壁の外面における前記切り欠き部に対応する位置に前記外面から外側へ突出する突起が形成されており、
    前記被取付部は、凹状に形成された凹陥部であり、
    前記ガイド部材は、前記凹陥部に嵌合により固定されている画像読取装置。
  2. 前記切り欠き部は、前記上壁において前記一方の側壁側の端部に形成されている請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 複数の前記切り欠き部が、前記上壁において前記ガイドレールに沿う方向へ隔てられた位置に形成されている請求項1又は2に記載の画像読取装置。
  4. 前記ガイド部材は、前記ガイドレールに沿う方向の両端部それぞれに前記ガイドレールに摺接する摺接部を有している請求項1からのいずれかに記載の画像読取装置。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の画像読取装置と、
    前記画像読取装置により読み取られた画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
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