JP6115587B2 - 多段自動変速機付車両の制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、電動式オイルポンプを備えた多段自動変速機付車両の制御に関する。
一般に、多段自動変速機には、エンジンの回転によって駆動される機械式オイルポンプが設けられ、該機械式オイルポンプから供給された油圧によって自動変速機の摩擦締結要素が選択的に締結されることで、車両の運転状態に応じた変速段が形成される。
ところで、近年のエンジンの制御では、アクセルペダルが離されたとき、燃焼室への燃料供給をカットして燃焼を停止させることで、燃費性能の向上を図ることがある。燃焼停止が行われている状態で、車両が極低車速まで減速されると、エンジンストールを回避するために、アイドリングに必要な程度の燃料供給が再開される。このように、車両走行中、エンジンは、燃焼の停止と再開を適宜繰り返しつつ、基本的には、アイドル回転以上の回転数で回転し続けるため、機械式オイルポンプが適切に作動することで、自動変速機の油圧制御が適切に行われる。
また、燃費性能を向上させるために、停車中にエンジンを自動停止させるアイドルストップ制御が行われることがある。アイドルストップ制御システムを備えた車両には、次の発進時に発進用摩擦締結要素を速やかに締結するための電動式オイルポンプが搭載されるのが通例である。この場合、エンジンと共に停止している機械式オイルポンプの代わりに、電動式オイルポンプによって発進用摩擦締結要素への油圧の供給等により変速機を1速等の発進変速段に設定し、又は発進変速段での発進準備状態に設定することができ、これにより、発進時に良好な発進応答性が得られる。
さらに、近年、燃費性能の更なる向上のために、停車前の減速中にエンジンの燃焼停止を行うことが考えられている。この場合、そのまま停車すれば、燃焼を再開することなく前記の停車中のアイドルストップ制御に移行するので、燃焼を再開させる場合に比べて燃費性能が向上する。
そして、この減速中の燃焼停止状態で、エンジンの回転が停止し又は低回転状態となり、前記機械式オイルポンプによっては摩擦締結要素の締結が困難となる場合には、停車前に再加速要求があった場合に備えて、前記停車中のアイドルストップ時と同様、電動式オイルポンプによって再加速のための変速段を形成しておくことが考えられる。
これに関連して、特許文献1には、エンジン、無段自動変速機、及び、エンジンのクランクシャフトに巻掛け伝動機構を介して駆動連結されたモータジェネレータを備えた車両において、前進用及び後退用摩擦締結要素を解放することによりエンジンと駆動輪との連結を遮断した状態でエンジンの燃焼を停止させて、一定車速又は緩やかに減速して走行を行うコースティング制御中であって、燃料カット、駆動輪とエンジンとの間の動力伝達を遮断した状態において、クランクシャフトにベルトを介して連結されたモータジェネレータによりエンジン回転数を再加速後と同等の回転数に維持し、機械式オイルポンプで生成した油圧で変速機構を所定の減速状態に維持することが開示されており、これによれば、コースティング状態からの加速要求時に、良好な応答性が得られる。
ところで、減速中の燃焼停止状態で、電動式オイルポンプによって再加速のための変速段を形成する場合、再加速要求があったときに、そのときの車速等の運転状態に応じた変速段を形成しようとすると、減速中の燃焼停止状態から再加速される可能性があるすべての変速段で所定の摩擦締結要素が締結されるように油圧回路を構成する必要が生じると共に、電動オイルポンプを大容量化する必要が生じ、そのための電力消費が増大することになる。
また、再加速時の変速段が比較的低変速段側の変速段であると、高変速段に設定されている場合に比べて変速機の入力回転数が高く、そのため、エンジンの再始動後、その出力が駆動力として駆動輪に伝達されて車両が加速し始めるまでに時間がかかる。
なぜなら、エンジンと変速機との間にトルクコンバータが介在する場合、エンジン回転数が変速機の入力回転数(タービン回転数)を上回るまで変速機乃至駆動輪を駆動する駆動力が発生しないためである。また、エンジンと変速機との間にクラッチが介在する場合、加速要求後、直ちにクラッチの締結制御を行っても、エンジン回転数が変速機入力回転数まで上昇しないと駆動力が発生しないためである。
その結果、減速時にエンジンが燃焼停止した状態から燃焼を再開して再加速するときに、良好な加速応答性が得られないのである。
また、特許文献1に記載の制御技術では、コースティング中、モータジェネレータによってエンジン回転数を比較的高い回転数に維持する必要があるため、モータジェネレータの電力消費が大きく、この場合も、燃費性能が十分に向上しない。
そこで、本発明は、油圧回路の複雑化や電動オイルポンプの大容量化による燃料消費の増大を抑えながら、再加速が要求されたときの良好な応答性を実現することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る多段自動変速機付車両の制御装置は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
車両減速状態でエンジンの燃焼停止を行う多段自動変速機付車両の制御装置であって、
前記多段自動変速機は、電動式オイルポンプにより形成不可能な第1変速段と、前記電動式オイルポンプにより形成可能な前記第1変速段より高変速段側の第2変速段とを備え、
車両減速時において前記多段自動変速機の変速段が前記第1変速段にあるときに、前記エンジンを燃焼停止させると共に、その燃焼停止のときに又は燃焼停止されている状態で、前記変速段を前記電動式オイルポンプによって前記第2変速段に変速させる
ことを特徴とする。
車両減速状態でエンジンの燃焼停止を行う多段自動変速機付車両の制御装置であって、
前記多段自動変速機は、電動式オイルポンプにより形成不可能な第1変速段と、前記電動式オイルポンプにより形成可能な前記第1変速段より高変速段側の第2変速段とを備え、
車両減速時において前記多段自動変速機の変速段が前記第1変速段にあるときに、前記エンジンを燃焼停止させると共に、その燃焼停止のときに又は燃焼停止されている状態で、前記変速段を前記電動式オイルポンプによって前記第2変速段に変速させる
ことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記第2変速段は、発進変速段で締結される摩擦締結要素が締結される変速段のうちの最も高変速段側の変速段である
ことを特徴とする。
前記第2変速段は、発進変速段で締結される摩擦締結要素が締結される変速段のうちの最も高変速段側の変速段である
ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、
前記多段自動変速機はロックアップクラッチ付トルクコンバータを備え、
前記ロックアップクラッチが非解放状態にあり、かつ前記エンジンが燃焼停止されている状態で、所定条件成立時に前記ロックアップクラッチを非解放状態から解放状態に切り換えると共に、前記多段自動変速機の前記第1変速段から前記第2変速段への変速を行う
ことを特徴とする。
前記多段自動変速機はロックアップクラッチ付トルクコンバータを備え、
前記ロックアップクラッチが非解放状態にあり、かつ前記エンジンが燃焼停止されている状態で、所定条件成立時に前記ロックアップクラッチを非解放状態から解放状態に切り換えると共に、前記多段自動変速機の前記第1変速段から前記第2変速段への変速を行う
ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、
前記エンジンを回転させるモータを備え、
前記ロックアップクラッチが解放状態にあるときに、前記モータにより前記エンジンを所定の低回転状態に維持する
ことを特徴とする。
前記エンジンを回転させるモータを備え、
前記ロックアップクラッチが解放状態にあるときに、前記モータにより前記エンジンを所定の低回転状態に維持する
ことを特徴とする。
さらに、請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の発明において、
前記ロックアップクラッチが非解放状態にあり、かつ前記エンジンが燃焼停止されている状態で前記ロックアップクラッチを非解放状態から解放状態に切り換えるときに、その切り換えを起点として、前記エンジンの燃焼停止状態を続行しながら、前記多段自動変速機の前記第1変速段から前記第2変速段への変速と、前記モータによる前記エンジンを所定の低回転状態に維持する制御とを行う
ことを特徴とする。
前記ロックアップクラッチが非解放状態にあり、かつ前記エンジンが燃焼停止されている状態で前記ロックアップクラッチを非解放状態から解放状態に切り換えるときに、その切り換えを起点として、前記エンジンの燃焼停止状態を続行しながら、前記多段自動変速機の前記第1変速段から前記第2変速段への変速と、前記モータによる前記エンジンを所定の低回転状態に維持する制御とを行う
ことを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明に係る多段自動変速機付車両の制御装置によれば、車両の減速状態で、多段自動変速機の変速段が、電動式オイルポンプにより形成不可能な、換言すればエンジンに駆動される機械式オイルポンプによって形成される第1変速段である状態で、例えば車速が所定車速以下となるなどの条件が成立してエンジンの燃焼が停止されたときに、その燃焼停止のとき又は燃焼停止状態で、前記変速段が電動式オイルポンプにより形成可能な第2変速段に変速されることになる。
したがって、エンジンの燃焼停止により、仮に機械式オイルポンプによる変速段の形成が不能となった場合にも、電動式オイルポンプによって第2変速段が形成されるから、運転者の加速要求があったときに、既に形成されている第2変速段によって直ちに加速することが可能となる。
その場合に、再加速時のための変速段は第2変速段だけであるから、例えば停車時のアイドルストップ制御中に電動式オイルポンプによって発進変速段が形成される車両の場合、その発進変速段に加えて前記第2変速段の形成を可能とするだけで足り、油圧回路の複雑化や電動式オイルポンプの容量の大型化等が抑制される。
また、前記第2変速段は第1変速段よりも高変速段側に設定されているから、燃焼停止に伴ってエンジンが回転停止し又は回転数が低下している場合、再加速要求時に、自動変速機の入力回転が第1変速段の場合より低回転となっており、したがって回転停止したエンジンが再始動し、或いは低下したエンジン回転数が上昇して駆動力が発生するまでのエンジン回転数の上昇量が少なくて済む、すなわち、自動変速機側に駆動力が伝達されるエンジン回転数が低くなるので、再加速要求時の加速応答性が向上する。
また、請求項2に記載の発明によれば、電動式オイルポンプにより形成可能な第2変速段が、発進変速段で締結される摩擦締結要素と他の摩擦締結要素の締結によって形成されるから、例えば停車時のアイドルストップ制御中に電動式オイルポンプによって発進変速段が形成される車両の場合、発進変速段で締結される摩擦締結要素を兼用して第2変速段が形成されることになる。したがって、電動式オイルポンプで生成される油圧で第2変速段を形成するすべての摩擦締結要素が締結されるように構成する場合に比べて、油圧回路の複雑化や電動式オイルポンプの大容量化が効果的に抑制されることになる。
また、第2変速段は、発進変速段で締結される摩擦締結要素が締結される最も高変速段側の変速段であるから、エンジンの燃焼停止に伴い、エンジンが回転停止し又は回転数が低下している場合に、油圧回路の複雑化や電動式オイルポンプの大容量化等を抑制しながら、再加速要求時に自動変速機側に駆動力が伝達されるエンジン回転数を最も低くすることができ、電動式オイルポンプの大容量化等の抑制と加速応答性の向上とを両立させることができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、エンジンが燃焼停止された状態で、ロックアップクラッチが非解放状態、即ち締結状態又はスリップ状態から解放状態に切り換えられると、車両の走行によってエンジンを駆動するいわゆる逆駆動力が低下するため、エンジンが回転停止し或いは回転数が極低回転数に低下することになるが、このとき、自動変速機は電動式オイルポンプによって第1変速段より高変速段である第2変速段が形成されるから、再加速要求時に、エンジンが燃焼開始すれば、車両は第2変速段で直ちに加速することが可能となる。
また、請求項4に記載の発明によれば、エンジンが燃焼停止され、かつ、ロックアップクラッチが解放状態にあって、エンジン回転が停止する可能性があるときに、前記モータにより、エンジン回転数が所定の低回転状態に維持されるので、エンジンの再始動に要するモータの出力トルクが、エンジンが完全に停止した状態から始動する場合に比べて小さくて済み、回転維持のために消費する電力と始動時に要する消費電力との差を考慮して、トータルとしてエンジン始動に要するモータの消費電力を少なくすることが可能となる。
さらに、請求項5に記載の発明によれば、エンジンが燃焼停止された状態でロックアップクラッチが非解放状態から解放状態に切り換えられるときに、前記エンジンの燃焼停止状態が続行されるから、車両が減速状態から停車する場合には、そのまま停車時のエンジンのアイドルストップ制御に移行することになり、車速が所定車速まで低下したときに燃焼を再開する従来の燃料カット制御を行う場合に比べて、燃費が向上する。
また、車両が停車する前に再加速要求があったときには、前記自動変速機の前記第1変速段から前記第2変速段への変速と、前記モータによるエンジンを所定の低回転状態に維持する制御とにより、車両を応答性良く再加速できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[全体構成]
図1に示すように、本実施形態に係る制御装置を備えた多段自動変速機付車両は、駆動源としてのエンジン1と、該エンジン1の出力を変速して駆動輪側に伝達するための多段自動変速機2(以下、単に「自動変速機2」という)と、エンジン1に動力を伝達可能なモータジェネレータ90と、を備えている。
図1に示すように、本実施形態に係る制御装置を備えた多段自動変速機付車両は、駆動源としてのエンジン1と、該エンジン1の出力を変速して駆動輪側に伝達するための多段自動変速機2(以下、単に「自動変速機2」という)と、エンジン1に動力を伝達可能なモータジェネレータ90と、を備えている。
[自動変速機の構成]
図2の骨子図を参照しながら、自動変速機2の構成について以下に詳細に説明する。
図2の骨子図を参照しながら、自動変速機2の構成について以下に詳細に説明する。
自動変速機2は、エンジン1のクランクシャフト1aに連結されたトルクコンバータ3と、該トルクコンバータ3からの動力が入力される変速機構4とを有し、これらは変速機ケース5内にその軸心方向に並んで収容されている。
トルクコンバータ3は、クランクシャフト1aに連結されたケース3aと該ケース3a内に固設されたポンプ3bと、該ポンプ3bに対向配置されて該ポンプ3bにより作動油を介して駆動されるタービン3cと、該ポンプ3bとタービン3cとの間に介設され、かつ、変速機ケース5にワンウェイクラッチ3dを介して支持されてトルク増大作用を行うステータ3eと、ケース3aとタービン3cとの間に設けられ、該ケース3aを介してクランクシャフト1aとタービン3cとを直結するロックアップクラッチ3fとを備えている。そして、タービン3cの回転は、入力軸7を介して変速機構4に伝達されるようになっている。
変速機構4とトルクコンバータ3との間には、該トルクコンバータ3を介してエンジン1により駆動される機械式オイルポンプ(以下、「機械ポンプ」という)6が配置されている。機械ポンプ6は、クランクシャフト1aの回転によって駆動されるように設けられており、エンジン1の駆動中において、該機械ポンプ6によって、変速機構4を制御するための油圧回路に油圧が供給される。
変速機構4の入力軸7上には、エンジン1側(トルクコンバータ3側)から、第1、第2、第3プラネタリギヤセット(以下、「第1、第2、第3ギヤセット」という)10,20,30が配置されている。
また、入力軸7上には、ギヤセット10,20,30で構成される動力伝達経路を切り換えるための摩擦締結要素として、入力軸7からの動力をギヤセット10,20,30側へ選択的に伝達するロークラッチ40及びハイクラッチ50が配置されている。さらに、入力軸7上には、各ギヤセット10,20,30の所定の回転要素を固定するLR(ローリバース)ブレーキ60、26ブレーキ70、及び、R35ブレーキ80が、エンジン1側からこの順序で配置されている。
前記第1〜第3ギヤセット10,20,30のうち、第1ギヤセット10と第2ギヤセット20はシングルピニオン型のプラネタリギヤセットであって、サンギヤ11,21と、これらのサンギヤ11,21に噛み合った各複数のピニオン12,22と、これらのピニオン12,22をそれぞれ支持するキャリヤ13,23と、ピニオン12,22に噛み合ったリングギヤ14,24とで構成されている。
また、第3ギヤセット30はダブルピニオン型のプラネタリギヤセットであって、サンギヤ31と、該サンギヤ31に噛み合った複数の第1ピニオン32aと、該第1ピニオン32aに噛み合った第2ピニオン32bと、これらのピニオン32a,32bを支持するキャリヤ33と、第2ピニオン32bに噛み合ったリングギヤ34とで構成されている。
そして、第3ギヤセット30のサンギヤ31には入力軸7が直接連結されている。第1ギヤセット10のサンギヤ11と第2ギヤセット20のサンギヤ21とは、互いに結合されて、ロークラッチ40の出力部材41に連結されている。第2ギヤセット20のキャリヤ23にはハイクラッチ50の出力部材51が連結されている。
また、第1ギヤセット10のリングギヤ14と第2ギヤセット20のキャリヤ23とは、互いに結合されており、LRブレーキ60を介して変速機ケース5に断接可能に連結されている。第2ギヤセット20のリングギヤ24と第3ギヤセット30のリングギヤ34とは、互いに結合されており、26ブレーキ70を介して変速機ケース5に断接可能に連結されている。第3ギヤセット30のキャリヤ33は、R35ブレーキ80を介して変速機ケース5に断接可能に連結されている。そして、第1ギヤセット10のキャリヤ13には、変速機構4の出力を駆動輪側へ出力する出力ギヤ8が連結されている。
以上の構成により、変速機構4は、上述の摩擦締結要素(ロークラッチ40、ハイクラッチ50、LRブレーキ60、26ブレーキ70及びR35ブレーキ80)の締結状態の組み合わせにより、図3の締結表に示すように、Dレンジでの1〜6速と、Rレンジでの後退速とが形成されるようになっている。
[モータジェネレータの構成]
図1に示すように、モータジェネレータ90は、固定されたステータ(図示しない)と、該ステータの内周側に回転自在に設けられたロータ(図示しない)と、該ロータに連結され、その回転駆動力を外部へ出力するための出力軸91と、を有し、該出力軸91は、巻掛け伝動機構92を介してエンジン1のクランクシャフト1aに連結されている。
図1に示すように、モータジェネレータ90は、固定されたステータ(図示しない)と、該ステータの内周側に回転自在に設けられたロータ(図示しない)と、該ロータに連結され、その回転駆動力を外部へ出力するための出力軸91と、を有し、該出力軸91は、巻掛け伝動機構92を介してエンジン1のクランクシャフト1aに連結されている。
巻掛け伝動機構92は、エンジン1のクランクシャフト1aの他端部に設けられたプーリ94と、モータジェネレータ90の出力軸91の先端に設けられたプーリ96と、これらのプーリ94,96間に巻き掛けられたベルト98とを備えている。この巻掛け伝動機構92を介してクランクシャフト1aと出力軸91とが連結されていることにより、クランクシャフト1aと出力軸91は常時共に回転する。
モータジェネレータ90が電動機として駆動されると、モータジェネレータ90の動力は、巻掛け伝動機構92を介してエンジン1のクランクシャフト1aに伝達される。そのため、モータジェネレータ90によって停止中のエンジン1のクランクシャフト1aを回転駆動したり、駆動中のエンジン1のクランクシャフト1aにモータジェネレータ90の動力が加わることで、エンジン1から駆動輪側へ出力されるトルクを増大させるトルクアシストを行ったりすることができる。
モータジェネレータ90の駆動は、例えば、停車時アイドルストップ制御中にエンジン1を再始動するとき、及び、車両の発進時や加速時にトルクアシストを行うときなどに行われるが、本実施形態では、減速時アイドルストップ制御中にも行われる。この減速時アイドルストップ制御中においてモータジェネレータ90は、エンジン回転数をエンジン始動回転数より低い所定回転数(例えば、50〜100rpm)に維持するように制御される。
一方、エンジン1の駆動中においてモータジェネレータ90の駆動が停止されているときには、エンジン1の動力によってモータジェネレータ90のロータが回転駆動されることで、モータジェネレータ90が発電機として作動する。特に、車両減速時には、モータジェネレータ90の発電によって、駆動輪側からクランクシャフト1aを介してモータジェネレータ90に伝達された運動エネルギを電気エネルギに変換するエネルギ回生が行われる。
[自動変速機の油圧制御]
自動変速機2は、上述の摩擦締結要素40,50,60,70,80に締結用の油圧を選択的に供給して前記変速段を実現するための油圧回路を備えており、該油圧回路の油圧制御によって自動変速機2の変速が制御される。
自動変速機2は、上述の摩擦締結要素40,50,60,70,80に締結用の油圧を選択的に供給して前記変速段を実現するための油圧回路を備えており、該油圧回路の油圧制御によって自動変速機2の変速が制御される。
エンジン1の駆動中には、該エンジン1の回転によって駆動される機械ポンプ6で生成された油圧が、上述の摩擦締結要素40,50,60,70,80に選択的に供給されるが、エンジン1のアイドルストップ中には、エンジン1と共に機械ポンプ6が停止するため、モータ86によって駆動される電動式オイルポンプ(以下、「電動ポンプ」という)84で生成された油圧を用いて、自動変速機2の油圧制御が行われる。以下、自動変速機2の油圧回路について実施形態毎に説明する。
[第1実施形態]
図4は、第1実施形態における自動変速機2の油圧回路200において、エンジン1のアイドルストップ中の油圧制御に関連する部分を示す回路図である。
図4は、第1実施形態における自動変速機2の油圧回路200において、エンジン1のアイドルストップ中の油圧制御に関連する部分を示す回路図である。
図4に示すように、油圧回路200は、エンジン1の停止中にモータ86によって駆動されて油圧を生成する電動ポンプ84からの油圧と、エンジン1に駆動されて油圧を生成する機械ポンプ6からの油圧の供給を受けるように構成されている。
油圧制御ユニット82は、機械ポンプ6又は電動ポンプ84から油圧回路200に供給された油圧により、制御装置100から出力された変速制御信号に応じて、各摩擦締結要素40、50、60を締結することができるように構成されている。
ここで、本実施形態のLRブレーキ60は、いわゆるタンデムピストン式のブレーキであり、締結時の応答性向上のためのクラッチクリアランス調整機能を有する複動式の油圧アクチュエータ(図示しない)と、クリアランス調整用油圧室(以下、「クリアランス調整室」という)64と、締結用油圧室(以下、「締結室」という)65と、を備えている。
LRブレーキ60は、クリアランス調整室64のみに油圧を供給すると、この油圧アクチュエータの作動によって、クラッチクリアランスが減少してLRブレーキ60が締結準備状態となり、さらに、締結室65にも油圧を供給すると、LRブレーキ60が締結状態となるように構成されている。このLRブレーキ60によれば、締結準備状態で締結室65に油圧を供給するので、緻密で応答性の良い締結制御が可能となる。また、LRブレーキ60は、発進時に締結されるため、発進時の応答性向上及びショックの抑制を図ることができる。
油圧回路200には、運転者のレンジ選択操作によって作動するマニュアルバルブ212と、電動ポンプ84又は機械ポンプ6のいずれを油圧源とするかを切り換える油圧源切換バルブ214と、LRブレーキ60のクリアランス調整室64に接続されたクリアランス調整ライン242を開閉する開閉バルブ216と、LRブレーキ60の締結室65に作動油を供給する第1状態と、ハイクラッチ50に作動油を供給する第2状態との間での切り換えを行う供給先切換バルブ218と、が設けられている。
クリアランス調整ライン242上には油圧スイッチ270が設けられており、該油圧スイッチ270によって、LRブレーキ60のクリアランス調整室64における油圧の給排状態が検出される。
また、油圧回路200には、油圧制御弁として、ロークラッチ40の油圧室に接続されたロークラッチライン242上に設けられた第1リニアソレノイドバルブ(以下、「第1LSV」と記す)201と、前記開閉バルブ216を制御するノーマルオープンタイプのオンオフソレノイドバルブ(以下、「オンオフSV」と記す)210と、が設けられている。第1LSV201は、出力圧を制御可能な電磁弁であり、オンオフSV210は、開閉のみを制御可能な電磁弁である。
油圧源切換バルブ214の両端には、スプール215の位置を切り換えるための第1、第2切換ポートA1,A2が設けられている。第1切換ポートA1には、機械ポンプ6からライン圧が供給される第1メインライン220が接続され、第2切換ポートA2には、電動ポンプ84で生成された油圧が供給される第2メインライン230が接続されている。
機械ポンプ6の作動時には、該機械ポンプ6から第1メインライン220を経由して第1切換ポートA1に油圧が導入され、電動ポンプ84の作動時には、該電動ポンプ84から第2メインライン230を経由して第2切換ポートA2に油圧が導入される。
スプール215の位置は、これら第1、第2切換ポートA1,A2の入力圧によって作用する力と、第1切換ポートA1の入力圧による力と同方向に作用するスプリングの弾性力との関係によって決まる。つまり、両者の力のうち、第1切換ポートA1の入力圧によって作用する力とスプリングの弾性力との合力が、第2切換ポートA2の入力圧によって作用する力よりも大きいとき、スプール215は図中左側の第1位置に位置し、第2切換ポートA2の入力圧によって作用する力が、第1切換ポートA1の入力圧によって作用する力とスプリングの弾性力との合力よりも大きいとき、スプール215は図中右側の第2位置に位置する。
また、油圧源切換バルブ214は、第1〜第4入力ポートB1〜B4と、第1及び第2出力ポートC1,C2を更に備えている。
第1入力ポートB1には、機械ポンプ6から第1メインライン220及びDレンジ位置のマニュアルバルブ212を介してライン圧が供給される第1入力ライン222が接続され、第2入力ポートB2には、マニュアルバルブ212よりも下流側において第1メインライン220から分岐した第2入力ライン223が接続されている。また、第3、第4入力ポートB3,B4には、第2メインライン230からそれぞれ分岐した第3、第4入力ライン231,232が接続されている。
第1出力ポートC1にはロークラッチライン242が接続されており、第2出力ポートC2には、開閉バルブ216の開放状態においてLRブレーキライン241に作動油を供給するベースライン240が接続されている。
油圧源切換バルブ214のスプール215が第1位置(図中左側の位置)にあるとき、第1、第2出力ポートC1,C2には、機械ポンプ6側に接続された第1、第2入力ポートB1,B2がそれぞれ連通し、機械ポンプ6で生成された油圧が第1、第2出力ポートC1,C2からそれぞれロークラッチライン242及びベースライン240に供給される。
一方、油圧源切換バルブ214のスプール215が第2位置(図中右側の位置)にあるとき、第1、第2出力ポートC1,C2には、電動ポンプ84側に接続された第3、第4入力ポートB3,B4がそれぞれ連通し、電動ポンプ84で生成された油圧が第1、第2出力ポートC1,C2からそれぞれロークラッチライン242及びベースライン240に供給される。
開閉バルブ216の図中左側の端部には、スプール217の位置を切り換えるための切換ポートD1が設けられている。切換ポートD1には、オンオフSV210を介して、ベースライン240から分岐した開閉制御ライン244が接続されている。
オンオフSV210はノーマルオープンタイプであるため、オンオフSV210がオンされて閉じているとき、開閉バルブ216の切換ポートD1に油圧が導入されないことにより、スプール217は図中左側の第1位置に位置することになる。一方、オンオフSV210がオフであり開かれているとき、開閉制御ライン244から切換ポートD1に油圧が導入されることにより、スプール217は図中右側の第2位置に位置する。
また、開閉バルブ216は、入力ポートE1及び出力ポートF1を備えている。入力ポートE1にはベースライン240が接続され、出力ポートF1にはロークラッチライン242が接続されている。
開閉バルブ216のスプール217が第1位置(図中左側の位置)にあるとき、入力ポートE1は出力ポートF1に連通し、開閉バルブ216が開かれた状態となる。一方、スプール217が第2位置(図中右側の位置)にあるとき、入力ポートE1と出力ポートF1との間はスプール217によって遮断され、開閉バルブ216は閉じた状態となる。
ロークラッチライン242上には、油圧スイッチ270が設けられており、該油圧スイッチ270によって、LRブレーキ60のクリアランス調整室64における油圧の給排状態が検出される。
供給先切換バルブ218の一端には、スプール219の位置を切り換えるための切換ポートG1が設けられている。切換ポートG1には、クリアランス調整ライン242から分岐した第1分岐ライン251が接続されている。
また、供給先切換バルブ218は、第1分岐ライン251から更に分岐した第2分岐ライン252が接続された第1入力ポートH1と、クリアランス調整ライン242、第1分岐ライン251及び第2分岐ライン252とは独立した油圧供給経路である独立ライン243が接続された第2入力ポートH2と、を備えている。独立ライン243は、第1LSV201よりも上流側においてロークラッチライン242から分岐しており、独立ライン243には、油圧源切換バルブ214の第1出力ポートC1からロークラッチライン242を介して作動油が供給される。
さらに、供給先切換バルブ218は、第1入力ポートH1又は第2入力ポートH2から導入された作動油を一旦排出する第1出力ポートI1と、再入力ライン253を介して第1出力ポートI1に接続された第3入力ポートH3と、締結ライン254を介してLRブレーキ60の締結室65に接続された第2出力ポートI2と、ハイクラッチライン255を介してハイクラッチ50の油圧室に接続された第3出力ポートI3とを備えている。再入力ライン253上には、第2リニアソレノイドバルブ(以下、「第2LSV」と記す)202が設けられている。第2LSV202は、開閉のみならず、出力圧を制御可能な電磁弁である。
以上の油圧回路200の構成によれば、エンジン1の駆動中に1速を形成するときには、オンオフSV210をオンにして閉じることで開閉バルブ216を開くと共に、第1LSV201及び第2LSV202を開くことによって、機械ポンプ6で生成された油圧が、ロークラッチ40及びLRブレーキ60のクリアランス調整室64及び締結室65に供給され、これにより、1速を実現可能となる。
そして、油圧回路200では、ハイクラッチライン243が、第1LSV201よりも上流側においてロークラッチライン242から分岐している。これにより、ハイクラッチライン243は、ロークラッチライン242を介して油圧源切換バルブ214の第1出力ポートC1に接続されており、油圧源切換バルブ214の第1出力ポートC1から出力された油圧をハイクラッチ50の油圧室に供給することが可能となっている。
そのため、エンジン1の駆動中には機械ポンプ6で生成された油圧が、アイドルストップ中には電動ポンプ84で生成された油圧が、油圧源切換バルブ214の第1出力ポートC1からロークラッチライン242及びハイクラッチライン243を経由してハイクラッチ50へ供給され得る構成となっている。
かかる油路構成により、油圧回路200は、アイドルストップ中に電動ポンプ84を作動させると共に第1LSV201及び第2LSV202を開くことによって、電動ポンプ84で生成された油圧を、ロークラッチ40及びハイクラッチ50の油圧室に供給することが可能になる。これにより、従来は1速しか実現できなかったアイドルストップ状態において、ロークラッチ40及びハイクラッチ50の締結により4速を実現することが可能になる。
また、1速と4速のいずれにおいてもロークラッチ40が締結されるため、アイドルストップ中に4速を実現可能な油路構成を構築するために追加された油路は、電動ポンプ84で生成された油圧をハイクラッチ50に導く部分のみである。具体的には、ロークラッチライン242からハイクラッチライン243を分岐させるという簡素な構成により、電動ポンプ84からハイクラッチ50へ油圧を供給可能な油路が形成されている。
したがって、電動ポンプ84からロークラッチ40及びハイクラッチ50までの各油路を短く簡素に形成することができるため、電動ポンプ84の容量の増大を抑制できる。そのため、電動ポンプ84の小型化が図られることで、エンジンルーム等への電動ポンプ84の搭載性が向上すると共に、アイドルストップ中における電力消費を抑制できる。
[制御システム]
図1に戻って、エンジン1、トルクコンバータ3、変速機構4及びモータジェネレータ90の各動作を制御する制御システムについて説明する。
図1に戻って、エンジン1、トルクコンバータ3、変速機構4及びモータジェネレータ90の各動作を制御する制御システムについて説明する。
これらの動作を制御する制御装置100は、例えば、エンジン1の燃料供給装置88を制御するエンジン用コントロールユニット、変速機構4の変速制御及びトルクコンバータ3のロックアップクラッチ3fの制御(ロックアップ制御)を行う自動変速機用コントロールユニット、及び、モータジェネレータ90の電動機としての動作を制御するモータジェネレータ用コントロールユニットで構成される。
制御装置100には、車両の速度を検出する車速センサ101、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ102、ブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキスイッチ103、運転者によって選択されている変速機構4のレンジを検出するレンジセンサ104、エンジン1の冷却水の温度を検出するエンジン水温センサ105、及び、エンジン1の排気通路に設置された触媒装置の温度を検出する触媒温度センサ106からの信号が入力される。
なお、これら以外にも、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転数センサ、トルクコンバータ3のタービン3cの回転数を検出するタービン回転数センサ、エンジン1の始動させるために運転者によって操作されるエンジンスイッチ、変速機構4及びトルクコンバータ3の潤滑及び油圧制御に用いられるオイルの温度を検出する油温センサ、変速機構4及びトルクコンバータ3の油圧制御に用いられる油圧回路の異常を検出する異常検出センサ(例えば油圧スイッチ)等の各種機器からの信号が制御装置100に入力されるようにしてもよい。
制御装置100は、各種入力信号に基づき、エンジン1の燃料供給装置88に制御信号を出力して、エンジン1の燃焼を制御する。
[燃料カット制御]
燃料供給装置88は、所定車速よりも高車速での車両走行中にアクセルペダルが離されたとき、所定車速以下での減速走行中に減速時アイドルストップ制御が行われるとき、及び、停車時アイドルストップ制御が行われるとき、燃料供給が停止(燃料カット)されるように制御され、これにより、エンジン1の燃焼が停止する。このように、駆動力が不要な車両走行中又は停車中においてエンジン1の燃焼停止が実行されることで、燃料の浪費が抑制され、燃費性能の向上が図られる。
燃料供給装置88は、所定車速よりも高車速での車両走行中にアクセルペダルが離されたとき、所定車速以下での減速走行中に減速時アイドルストップ制御が行われるとき、及び、停車時アイドルストップ制御が行われるとき、燃料供給が停止(燃料カット)されるように制御され、これにより、エンジン1の燃焼が停止する。このように、駆動力が不要な車両走行中又は停車中においてエンジン1の燃焼停止が実行されることで、燃料の浪費が抑制され、燃費性能の向上が図られる。
また、制御装置100は、各種入力信号に基づき、変速機構4の摩擦締結要素40,50,60,70,80及びロックアップクラッチ3fへの油圧供給を制御するソレノイドバルブ等の油圧制御ユニット82に制御信号を出力する。油圧制御ユニット82によって、変速機構4の各摩擦締結要素40,50,60,70,80及びロックアップクラッチ3fへの油圧供給が制御されることで、選択されたレンジや車両の走行状態に応じて、図3の締結表に従った変速制御及びロックアップ制御が行われる。
[変速制御]
変速制御は、車両の運転状態に対応する変速段を形成するように、例えば、車速とアクセル開度に基づいて定められた変速線図(図示せず)、及びその他の種々の条件に従って行われる。
変速制御は、車両の運転状態に対応する変速段を形成するように、例えば、車速とアクセル開度に基づいて定められた変速線図(図示せず)、及びその他の種々の条件に従って行われる。
変速制御に用いられる油圧は、上述のように電動ポンプ84によって供給される場合もあるが、基本的には、エンジン1のクランクシャフト1aと共に回転する前記機械ポンプ6によって供給される。変速機構4の摩擦締結要素40,50,60,70,80の動力伝達に必要な油圧は、摩擦締結要素毎に異なると共に、同じ摩擦締結要素でも変速段毎に異なることから、変速段毎に締結又は締結準備のために各摩擦締結要素に供給すべき油圧は異なるが、いずれの変速段を形成するときも、エンジン1がアイドル回転数以上の回転数で回転している限り、機械ポンプ6によって必要な油圧が吐出される。
[ロックアップ制御]
ロックアップ制御は、例えば、車速及びその他の種々の条件に従って行われる。その他の条件としては、例えば、冷間時か否か、ロックアップ制御用油圧回路の異常の有無又はその診断の実行の有無等が挙げられる。したがって、基本的に、ロックアップクラッチ3fは所定車速未満では解放され、所定車速以上で作動(締結又はスリップ)するように制御されるが、冷間時に作動が規制されたり、油圧回路の異常時又は異常診断中に作動が規制されたりすることがある。ロックアップ制御に用いられる油圧は、エンジン1の回転によって駆動される前記機械ポンプ6によって供給される。
ロックアップ制御は、例えば、車速及びその他の種々の条件に従って行われる。その他の条件としては、例えば、冷間時か否か、ロックアップ制御用油圧回路の異常の有無又はその診断の実行の有無等が挙げられる。したがって、基本的に、ロックアップクラッチ3fは所定車速未満では解放され、所定車速以上で作動(締結又はスリップ)するように制御されるが、冷間時に作動が規制されたり、油圧回路の異常時又は異常診断中に作動が規制されたりすることがある。ロックアップ制御に用いられる油圧は、エンジン1の回転によって駆動される前記機械ポンプ6によって供給される。
[停車時アイドルストップ制御]
制御装置100は、車両が停車したと判定すると、停車時アイドルストップ制御を開始し、モータジェネレータ90の駆動を停止する。これにより、エンジン1の回転は完全に停止する。このとき、電動ポンプ84の駆動は継続され、LRブレーキ60のクリアランス調整室64への油圧供給は継続され、停車中もLRブレーキ60の締結準備状態が継続される。これにより、発進要求があった時に速やかに発進変速段である1速を形成することができ、良好な発進応答性が得られる。
制御装置100は、車両が停車したと判定すると、停車時アイドルストップ制御を開始し、モータジェネレータ90の駆動を停止する。これにより、エンジン1の回転は完全に停止する。このとき、電動ポンプ84の駆動は継続され、LRブレーキ60のクリアランス調整室64への油圧供給は継続され、停車中もLRブレーキ60の締結準備状態が継続される。これにより、発進要求があった時に速やかに発進変速段である1速を形成することができ、良好な発進応答性が得られる。
[減速時アイドルストップ制御]
制御装置100は、減速が要求された状態で所定車速以下になるまで減速され、所定の燃焼停止条件が成立したとき、減速時アイドルストップ制御を実行する。減速時アイドルストップ制御中は、エンジン1の再始動条件が成立しない限り、エンジン1の燃焼停止状態が維持される。また、減速時アイドルストップ制御は、車両停止時以外の車両走行中に繰り返し実行される。
制御装置100は、減速が要求された状態で所定車速以下になるまで減速され、所定の燃焼停止条件が成立したとき、減速時アイドルストップ制御を実行する。減速時アイドルストップ制御中は、エンジン1の再始動条件が成立しない限り、エンジン1の燃焼停止状態が維持される。また、減速時アイドルストップ制御は、車両停止時以外の車両走行中に繰り返し実行される。
以下に、図5のフローチャートに沿って、減速時アイドルストップ制御について詳細に説明する。なお、前記所定車速よりも高車速での車両走行中の燃料カットに関する制御は、図5に示す制御動作とは別の制御によって行われる。したがって、図5に示す減速時アイドルストップ制御が開始されるとき、そのような高車速での車両走行中に行われる燃料カット等によって既にエンジン1の燃焼が停止している場合もあるし、エンジン1の燃焼が通常通り行われている場合もある。
まず、制御装置100は、車両走行中における運転者による減速要求及び加速要求の有無を判定するため、ステップS1で、アクセル開度センサ102からの入力信号に基づいて、アクセルペダルが踏み込まれているか否かが判定する。ステップS1の判定の結果、アクセルペダルが踏み込まれている場合、ステップS2で、燃料カットを行い、エンジン1の燃焼を停止させる。次に、ステップS3で、ブレーキスイッチ103からの入力信号に基づいて、ブレーキペダルが踏み込まれているか否かを判定する。なお、停車中の場合は、ステップS1,S3によって発進要求の有無を判定する。
車両走行中において、ステップS1の判定の結果、アクセルペダルが踏み込まれている場合、ステップS13において、エンジン1の燃焼が続行又は再開される。また、ステップS3の判定の結果、アクセルペダルは踏み込まれていないがブレーキペダルも踏み込まれていない場合、ステップS14において、減速時アイドルストップ制御が実行されることなく通常の走行が行われる。
ステップS14では、エンジン1の燃焼が通常通り行われているので、特段の指令がない限り、モータジェネレータ90及び電動ポンプ84の駆動は停止するように制御されると共に、変速機構4の変速制御は、車両の運転状態に応じて通常通り行われる。
一方、ステップS1及びステップS3の判定の結果、減速要求がある場合、すなわち、アクセルペダルが踏み込まれておらず、ブレーキペダルが踏み込まれている場合、ステップS4で、車速センサ101の信号に基づいて、所定車速V0未満で走行中か否かを判定する。ここで、ステップS4は、ロックアップクラッチ3fが解放される条件を満たすか否かを判定するものであり、このステップS4での所定車速V0には、現在の変速段においてロックアップクラッチ3fが解放されるようにロックアップ制御される車速の上限値が設定される。
なお、ステップS4のロックアップクラッチ3fが解放される条件は、現在の車速が所定車速未満であることだけではなく、例えば、冷間時でないこと(具体的には、例えば、エンジン1の冷却水の温度が所定温度以上であること、及び/又は、エンジン1の排気通路に設置された触媒装置の温度が所定温度以上であること)、冷間時であるか否かを検出するためのセンサ(例えば、エンジン水温センサ105及び/又は触媒温度センサ106)が正常に作動していること、エンジン1がディーゼルエンジンである場合においてDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)の再生が実行されていないこと、バッテリの残容量が所定量以上であること等をさらに必要な条件としてもよい。
ステップS4の判定の結果、現在の車速が所定車速V0以上であると判定されると、ステップS14で、通常の走行が行われる。
一方、ステップS4の判定の結果、所定車速V0未満で走行中であると判定されると、次に、ステップS5で、ロックアップクラッチ3fが解放され、減速時アイドルストップ状態となる。
なお、請求項3の記載の「所定条件」は、上述のステップS4に相当する。
ステップS5で、ロックアップクラッチ3fが解放されると、次に、ステップS6で、電動ポンプ84が駆動され、ロークラッチ40及びハイクラッチ50に油圧が供給される。これにより、ステップS7で、変速機構4が現在の変速段から4速に変速される。
次のステップS8で、エンジン1が回転を停止しない程度の低回転数(例えば50〜100rpm)で回転するように、モータジェネレータ90が電動機(スタータモータ)として駆動される。
次に、ステップS9で、車速センサ101の信号に基づいて、現在の車速が1速へのシフトダウン車速V1以下か否かが判定され、ステップS9の判定の結果、現在の車速が1速へのシフトダウン車速V1以下であると判定されると、ステップS10で、LRブレーキのクリアランス室のみに油圧が供給されて、変速機構4が1速の締結準備状態になる。
次に、ステップS11で、車速センサ101の信号に基づいて、現在停車しているか否かが判定され、ステップS11の判定の結果、現在停車していると判定されると、ステップS12で、モータジェネレータ90の駆動が停止され、停車時アイドルストップ状態となる。
以下、図6〜図8に示すタイムチャートを参照しながら、図5に示す減速時アイドルストップ制御が異なる運転状態で実行された際の各種装置の経時的変化について具体的に説明する。
[第1の動作例]
図6は、減速時アイドルストップ制御が停車するまで継続される例を示すタイムチャートである。なお、減速時アイドルストップ制御を実行しなかった場合の変速段の変化を二点鎖線で示している。
図6は、減速時アイドルストップ制御が停車するまで継続される例を示すタイムチャートである。なお、減速時アイドルストップ制御を実行しなかった場合の変速段の変化を二点鎖線で示している。
図6に示す例において、時刻t0では、アクセルペダルが踏み込まれずに、ブレーキペダルが踏み込まれていることにより車両が減速走行しており、ロークラッチ40とR35ブレーキ80が締結されることで、変速機構4の変速段は3速となっている。このとき、燃料カットによるエンジン1の燃焼停止は既に開始されているが、ロックアップクラッチ3fは非解放状態(締結状態又はスリップ状態)であり、エンジン回転数は、車速と共に緩やかに低下している。
その後、時刻t1に車速が所定車速V0未満となると、ロックアップクラッチ3fが解放され、エンジン1と駆動輪との連結が遮断される。これにより、符号a1に示すようにエンジン回転数が急激に低下する回転低下状態となり、機械ポンプ6によるロークラッチ40及びR35ブレーキ80(符号b1)への油圧供給が停止される。
このとき、電動ポンプ84の駆動が開始されることで、電動ポンプ84によってロークラッチ40及びハイクラッチ50に油圧が供給され、変速機構4が3速から4速へ変速される。なお、ロークラッチ40への油圧供給源が機械ポンプ6から電動ポンプ84に切り換わる際、符号c1に示すように、ロークラッチ40の締結状態が維持されるように、電動ポンプ84を駆動するモータ86が制御される。
また、このとき、符号e1に示すように、モータジェネレータ90を低出力で駆動することで、符号f1に示すように、エンジン1が極低回転数で回転し続ける。これにより、エンジン1が再始動するときのクランキング抵抗が低減され、エンジン1が完全に停止する場合に比べて、再始動時におけるエンジン回転の立ち上がり応答性が向上する。
なお、減速時アイドルストップ制御を実行しなかった場合、通常の変速制御が実行されこの例では、減速中の時刻t2において、その車速とアクセル開度に応じて変速機構4が3速から2速に変速されるが、本実施形態の場合、4速を維持する。
その後、時刻t3において、現在の車速が1速へのシフトダウン車速V1以下になると、変速機構4が4速から1速の締結準備状態に変速される。具体的には、符号c1に示すように、ロークラッチ40の締結状態が維持されると共に、符号d1に示すように、LRブレーキ60のクリアランス調整室64に油圧が供給されることでLRブレーキ60が締結準備状態となる。これにより、この状態で減速要求が解除されたり、再加速が要求されたりした場合に、直ちに1速を形成することが可能になる。
ただし、このとき、LRブレーキ60の締結室65にも油圧を供給することで、ロークラッチ40とLRブレーキ60の両方を締結させるようにしてもよい。また、ロークラッチ40とLRブレーキ60の両方を締結準備状態としたり、LRブレーキ60を締結してロークラッチ40を締結準備状態としたりしてもよい。
その後、減速要求が解除されることなく時刻t4で停車すると、モータジェネレータ90の駆動は停止され、これにより、エンジン1の回転は停止し、停車時アイドルストップ状態となる。
上述のように、直ちに1速を形成可能な燃焼停止状態は、車両の減速中において、2速に対応する車速域まで減速する時刻t2や、1速に対応する車速域まで減速する時刻t3を経過しても継続され、さらに、時刻t4に停車した後も継続される。
したがって、停車してから停車時アイドルストップ制御が終了するまでの間だけではなく、それ以前の、車両の減速走行中に燃料カットが開始されたときから停車するまでの間も、終始、燃料カットが継続されることになるため、燃費性能を効果的に向上させることができる。
また、時刻t1以降において駆動される電動ポンプ84は、ロークラッチ40及びハイクラッチ50のみに油圧供給可能であればよく、小型で小容量の電動ポンプを採用できるので電力消費が少なくて済む。また、時刻t1から時刻t4までの減速走行中に駆動されるモータジェネレータ90の出力は非常に低いため、電力消費の最小化が図られる。
[第2の動作例]
図7は、減速時アイドルストップ制御中にブレーキペダルが離され、クリープ現象による低速走行が行われる例を示すタイムチャートである。
図7は、減速時アイドルストップ制御中にブレーキペダルが離され、クリープ現象による低速走行が行われる例を示すタイムチャートである。
図7に示す例において、時刻t10では、アクセルペダルが踏み込まれずに、ブレーキペダルが踏み込まれていることにより車両が減速走行しており、変速機構4の変速段は3速となっている。このとき、燃料カットによるエンジン1の燃焼停止が既に開始されている。
その後、時刻t11に車速が所定車速V0未満となると、ロックアップクラッチ3fが解放され、符号a2に示すように、エンジン回転数が急激に低下する回転低下状態となり、機械ポンプ6によるロークラッチ40及びR26ブレーキ70への油圧供給が停止される。
このとき、電動ポンプ84の駆動が開始されることで、電動ポンプ84によってロークラッチ40及びハイクラッチ50に油圧が供給され、変速機構4が3速から4速へ変速される。なお、ロークラッチ40への油圧供給源が機械ポンプ6から電動ポンプ84に切り換わる際に、符号c2に示すように、ロークラッチ40の締結状態が維持される。
また、このとき、符号e2に示すように、モータジェネレータ90を低出力で駆動することで、符号f2に示すように、エンジン1が極低回転数で回転し続ける。これにより、エンジン1が再始動するときのクランキング抵抗が低減され、エンジン1が完全に停止する場合に比べて、再始動時におけるエンジン回転の立ち上がり応答性が向上する。
この状態で、時刻t12にブレーキペダルが離されると、符号g2に示すように、エンジン1の燃焼が再開されると共に、符号h2に示すように、モータジェネレータ90がスタータモータとして駆動されることで、エンジン1が再始動される。このとき、エンジン1は極低回転数で予め回転されているため、回転停止状態で再始動される場合に比べてクランキング抵抗が低減され、符号i2に示すようにエンジン1の回転を通常の回転数まで速やかに立ち上げることができる。
ここで、仮にエンジン1が再始動した後もモータジェネレータ90の駆動を継続すると、エンジン1に回転抵抗がかかることになるため、符号k2に示すように、エンジン回転数が十分に上昇するタイミングで、モータジェネレータ90の駆動が停止される。また、エンジン回転数の上昇によって機械ポンプ6の吐出圧が立ち上がると、機械ポンプ6からの油圧供給によって通常の変速制御を再開できるため、符号l2に示すように適当なタイミングで電動ポンプ84の駆動も停止される。
その後、車両が2速に対応する車速域まで加速する時刻t13になると、電動ポンプ84が停止してハイクラッチ50の油圧供給が停止され、通常の制御が再開される。このとき、機械ポンプ6によってR26ブレーキ70に油圧が供給され、変速機構4が2速に変速される。
さらに、時刻t14において、符号j2に示すように、機械ポンプ6によってLRブレーキ60のクリアランス調整室64及び締結室65に油圧が供給されることで、直ちに1速が形成される。
以降、ブレーキペダル又はアクセルペダルが踏み込み操作されるまで、クリープ現象での低速走行が継続される。
[第3の動作例]
図8は、減速時アイドルストップ制御中にアクセルペダルが踏み込まれ、車両が再加速される例を示すタイムチャートである。図9は、図8のエンジン回転数に関するタイムチャートにタービン回転数に関するタイムチャートを重ねて図示した拡大図である。
図8は、減速時アイドルストップ制御中にアクセルペダルが踏み込まれ、車両が再加速される例を示すタイムチャートである。図9は、図8のエンジン回転数に関するタイムチャートにタービン回転数に関するタイムチャートを重ねて図示した拡大図である。
図8に示す例において、時刻t20では、アクセルペダルが踏み込まれずに、ブレーキペダルが踏み込まれていることにより車両が減速走行しており、変速機構4の変速段は3速となっている。このとき、燃料カットによるエンジン1の燃焼停止は既に開始されている。
時刻t20では、アクセルペダルが踏み込まれておらず、ブレーキペダルが踏み込まれていることにより車両が減速走行しており、変速機構4の変速段は3速となっている。このとき、燃料カットによるエンジン1の燃焼停止は既に開始されている。
その後、時刻t21に車速が所定車速V0未満となると、ロックアップクラッチ3fが解放され、符号a3に示すようにエンジン回転数が急激に低下する回転低下状態となり、機械ポンプ6によるロークラッチ40及びR26ブレーキ70への油圧供給が停止される。
このとき、電動ポンプ84の駆動が開始されることで、電動ポンプ84によってロークラッチ40及びハイクラッチ50に油圧が供給され、変速機構4が3速から4速へ変速される。
また、このとき、符号e3に示すようにモータジェネレータ90を低出力で駆動することで、符号f3に示すようにエンジン1が極低回転数で回転し続ける。
なお、上述のような減速時アイドルストップ状態は、通常の制御で車両が2速に対応する車速域まで減速する時刻を経過しても継続される。
この状態で、時刻t22にブレーキペダルが離されると共にアクセルペダルが踏み込まれると、符号g3に示すように、エンジン1の燃焼が再開されると共に、符号h3に示すように、モータジェネレータ90がスタータモータとして駆動されることで、エンジン1が再始動される。このとき、エンジン1は極低回転数で予め回転されているため、回転停止状態で再始動される場合に比べてクランキング抵抗が低減され、符号i3に示すように、エンジン1の回転を通常の回転数まで速やかに立ち上げることができる。
そして、仮にエンジン1が再始動した後もモータジェネレータ90の駆動を継続すると、エンジン1に回転抵抗がかかることになるため、符号k3に示すように、エンジン回転数が十分に上昇するタイミングで、モータジェネレータ90の駆動が停止される。また、符号l3に示すように、機械ポンプ6の吐出圧が十分に立ち上がる時刻t23で電動ポンプ84の駆動も停止される。
上述のように、時刻t22にエンジン1の燃焼が再開されると、エンジン回転数は直ちに上昇し、これに応じて機械ポンプ6の吐出圧も直ちに立ち上がるため、運転状態に応じた通常の変速制御を速やかに再開することができる。したがって、以降、車両の加速に応じた変速が円滑に行われ、この例では、3速に対応する車速域まで加速された時刻t23で3速への変速が応答性よく確実に行われる。
また、時刻t23に変速機構4が4速から3速に変速される際、ロークラッチ40への油圧供給は維持されているので、速やかに3速が形成され、再加速時の良好な応答性が得られる。
ここで、図9を参照しながら、減速時アイドルストップ制御で4速にシフトアップしたことによる再加速時の応答性の向上について詳細に説明する。
図9に示すように、時刻t22にエンジン1の燃焼が再開されると、エンジン回転数は直ちに上昇するが、エンジン回転数がそのときのタービン回転数を上回るまではエンジン1によって変速機構4を駆動する駆動力が発生しないので、タービン回転数はしばらくは下降を続ける。
やがて、時刻tpにおいて、エンジン回転数が4速時のタービン回転数と同じ回転数Npとなり、さらに、エンジン回転数がタービン回転数を上回ると、変速機構4を駆動する駆動力が発生する。これにより、タービン回転数が徐々に上昇し始める。
ここで、仮に、変速機構4がより低速段の3速にある場合、低速段ほど減速比が小さくなるので、図9に破線で示すように、同じ車速において、3速時のタービン回転数は、4速時のタービン回転数よりも大きい。
そのため、エンジン回転数が4速時よりもより大きい3速時のタービン回転数と同じ回転数Nqとなる時刻tqは、4速時の時刻tpよりも遅くなる。すなわち、4速の方が3速の場合よりも、エンジン回転数がタービン回転数を上回り、駆動力が発生し始める時刻が(tq−tp)の時間分だけ早くなる。通常の変速制御時の変速段が1速、2速であれば、駆動力の発生開始がさらに早くなることとなる。
したがって、本実施形態によれば、変速機構4を通常の変速制御時の変速段よりも高速段の4速にシフトアップすることで、上述のように、エンジン回転数がタービン回転数を上回り、エンジン1によって変速機構4を駆動する駆動力が発生し始めるのが早くなり、再加速時の応答性が向上することとなる。
[第2実施形態]
次に、図10を参照しながら、第2実施形態に係る油圧回路300について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、説明を省略すると共に、図面に同一の符号を付している。
次に、図10を参照しながら、第2実施形態に係る油圧回路300について説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と共通する構成については、説明を省略すると共に、図面に同一の符号を付している。
図10に示す油圧回路300において、機械ポンプ6及び電動ポンプ84で生成された油圧を油圧源切換バルブ214の各切換ポートA1,A2及び各入力ポートB1〜B4に導く油路構成は、第1実施形態における油圧回路200と同様である。
また、油圧源切換バルブ214の第1出力ポートC1からロークラッチ40へ作動油を供給する油路構成、並びに、油圧源切換バルブ214の第2出力ポートC2から開閉バルブ216の切換ポートD1及び入力ポートE1へ作動油を供給する油路構成も、第1実施形態の油圧回路200と同様である。
以下、油圧回路300において、第1実施形態の油圧回路200と異なる構成について説明する。
第2実施形態のLRブレーキ60は、他の摩擦締結要素40、50と同様に、シングルピストン式のブレーキであり、1つの油圧室が設けられている。
油圧回路300には、油圧制御弁として、LRブレーキ60の油圧室に接続されたLRブレーキライン241を開閉する開閉バルブ216と、該開閉バルブ216よりも下流側においてLRブレーキライン241上に設けられた第3リニアソレノイドバルブ(以下、「第3LSV」と記す)203と、ハイクラッチ50の油圧室に接続されたハイクラッチライン243上に設けられた第4リニアソレノイドバルブ(以下、「第4LSV」と記す)204と、が設けられている。第3LSV203及び第4LSV204は、開閉だけではなく、出力圧を制御可能な電磁弁である。
LRブレーキライン241上には油圧スイッチ270が設けられており、該油圧スイッチ270によって、LRブレーキ60の油圧室における油圧の給排状態が検出される。
かかる油路構成により、油圧回路300は、アイドルストップ中に電動ポンプ84を作動させると共に、第1LSV201及び第4LSV204を開くことによって、電動ポンプ84で生成された油圧を、ロークラッチ40及びハイクラッチ50の油圧室に供給することが可能になる。これにより、従来は1速しか実現できなかったアイドルストップ状態において、ロークラッチ40及びハイクラッチ50の締結により4速を実現することが可能になる。
以上、上述の実施形態によれば、車両の減速状態で、自動変速機2の変速段が、電動ポンプ84により形成不可能な、換言すればエンジン1に駆動される機械ポンプ6によって形成される3速である状態で、例えば車速が所定車速以下となるなどの条件が成立してエンジン1の燃焼が停止されたときに、その燃焼停止のとき又は燃焼停止状態で、変速段が電動ポンプ84により形成可能な4速に変速されることになる。
したがって、エンジン1の燃焼停止により、仮に機械ポンプ6による変速段の形成が不能となった場合にも、電動ポンプ84によって4速が形成されるから、運転者の加速要求があったときに、既に形成されている4速によって直ちに加速することが可能となる。
その場合に、再加速時のための変速段は4速だけであるから、例えば停車時のアイドルストップ制御中に電動ポンプ84によって1速が形成される車両の場合、その1速に加えて4速の形成を可能とするだけで足り、油圧回路200(300)の複雑化や電動ポンプ84の容量の大型化等が抑制される。
また、4速は3速よりも高変速段側に設定されているから、燃焼停止に伴ってエンジン1が回転停止し又は回転数が低下している場合、再加速要求時に、自動変速機2の入力回転が3速の場合より低回転となっており、したがって回転停止したエンジン1が再始動し、或いは低下したエンジン回転数が上昇して駆動力が発生するまでのエンジン回転数の上昇量が少なくて済む、すなわち、自動変速機2側に駆動力が伝達されるエンジン回転数が低くなるので、再加速要求時の加速応答性が向上する。
また、上述の実施形態によれば、電動ポンプ84により形成可能な4速が、1速で締結されるロークラッチ40とLRブレーキ60の締結によって形成されるから、本実施形態のように、停車時のアイドルストップ制御中に電動ポンプ84によって1速が形成される車両の場合、1速で締結されるロークラッチ40を兼用して4速が形成されることになる。したがって、電動ポンプ84で生成される油圧で4速を形成するすべての摩擦締結要素が締結されるように構成する場合に比べて、油圧回路200(300)の複雑化や電動ポンプ84の大容量化が効果的に抑制されることになる。
また、4速は、1速で締結されるロークラッチ40が締結される最も高変速段側の変速段であるから、エンジン1の燃焼停止に伴い、エンジン1が回転停止し又は回転数が低下している場合に、油圧回路200(300)の複雑化や電動ポンプ84の大容量化等を抑制しながら、再加速要求時に自動変速機2側に駆動力が伝達されるエンジン回転数を最も低くすることができ、電動ポンプ84の大容量化等の抑制と加速応答性の向上とを両立させることができる。
また、上述の実施形態によれば、エンジン1が燃焼停止された状態で、ロックアップクラッチ3fが非解放状態、即ち締結状態又はスリップ状態から解放状態に切り換えられると、車両の走行によってエンジン1を駆動するいわゆる逆駆動力が低下するため、エンジン1が回転停止し或いは回転数が極低回転数に低下することになるが、このとき、自動変速機2は電動ポンプ84によって3速より高変速段である4速が形成されるから、再加速要求時に、エンジン1が燃焼開始すれば、車両は4速で直ちに加速することが可能となる。
また、上述の実施形態によれば、エンジン1が燃焼停止され、かつ、ロックアップクラッチ3fが解放状態にあって、エンジン回転が停止する可能性があるときに、モータジェネレータ90により、エンジン回転数が所定の低回転状態に維持されるので、エンジン1の再始動に要するモータジェネレータ90の出力トルクが、エンジン1が完全に停止した状態から始動する場合に比べて小さくて済み、回転維持のために消費する電力と始動時に要する消費電力との差を考慮して、トータルとしてエンジン始動に要するモータジェネレータ90の消費電力を少なくすることが可能となる。
さらに、上述の実施形態によれば、エンジン1が燃焼停止された状態でロックアップクラッチ3fが非解放状態から解放状態に切り換えられるときに、エンジン1の燃焼停止状態が続行されるから、車両が減速状態から停車する場合には、そのまま停車時のエンジン1のアイドルストップ制御に移行することになり、車速が所定車速まで低下したときに燃焼を再開する従来の燃料カット制御を行う場合に比べて、燃費が向上する。
また、車両が停車する前に再加速要求があったときには、自動変速機2の3速から4速への変速と、モータジェネレータ90によるエンジン1を所定の低回転状態に維持する制御とにより、車両を応答性良く再加速できる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、ロークラッチ40及びハイクラッチ50に油圧を供給可能な電動ポンプ84を用いて変速機構4を4速に変速したが、これに限定されるものではなく、例えば、ロークラッチ40及びR35ブレーキ80に油圧を供給可能な電動ポンプ84を用いて変速機構4を3速に変速してもよい。この場合も、応答性の向上という効果がある程度得られる。
また、上述の実施形態では、1速を発進変速段とする自動変速機2について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、2速を発進変速段とするものであってもよい。
また、上述の実施形態では、多段自動変速機2として、Dレンジで1〜6速が形成可能なものを用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、Dレンジで1〜8速が形成可能な自動変速機を用いてもよい。
また、上述の実施形態では、1速を形成するためにLRブレーキ60を用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、LRブレーキ60の代わりにワンウェイクラッチを用いてもよい。これによれば、自動変速機2にLRブレーキ60へ油圧を供給するための油路が不要となり、油圧回路がより簡素化される。
また、上述の実施形態では、LRブレーキ60がシングルピストン式又はタンデムピストン式であり、その他の摩擦締結要素40,50,70,80はシングルピストン式である例を説明したが、本発明において、その他の摩擦締結要素40,50,70,80の一部又は全部をダブルピストン式としてもよい。
また、上述の実施形態では、エンジン1と変速機構4との間にロックアップクラッチ付きトルクコンバータ3を備え、図5のステップS3において、ロックアップクラッチ3fの解放を起点として減速時アイドルストップ状態とする例を説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、エンジン1と変速機構4との間にクラッチが介在する場合、該クラッチの解放を起点として減速時アイドルストップ状態としてもよい。
以上のように、本発明によれば、油圧回路の複雑化や電動ポンプの大容量化による燃料消費の増大を抑えながら、再加速が要求されたときの良好な応答性を確保することが可能となるから、電動ポンプとを備えた多段自動変速機付車両の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 エンジン
2 自動変速機(多段自動変速機)
3 トルクコンバータ
3f ロックアップクラッチ
40 ロークラッチ(発進変速段で締結される摩擦締結要素)
84 電動ポンプ(電動式オイルポンプ)
90 モータジェネレータ(モータ)
100 制御装置(制御手段)
2 自動変速機(多段自動変速機)
3 トルクコンバータ
3f ロックアップクラッチ
40 ロークラッチ(発進変速段で締結される摩擦締結要素)
84 電動ポンプ(電動式オイルポンプ)
90 モータジェネレータ(モータ)
100 制御装置(制御手段)
Claims (5)
- 車両減速状態でエンジンの燃焼停止を行う多段自動変速機付車両の制御装置であって、
前記多段自動変速機は、電動式オイルポンプにより形成不可能な第1変速段と、電動式オイルポンプにより形成可能な前記第1変速段より高変速段側の第2変速段とを備え、
車両減速時において前記多段自動変速機の変速段が前記第1変速段にあるときに、前記エンジンを燃焼停止させると共に、その燃焼停止のときに又は燃焼停止されている状態で、前記変速段を前記電動式オイルポンプによって前記第2変速段に変速させる
ことを特徴とする多段自動変速機付車両の制御装置。 - 前記第2変速段は、発進変速段で締結される摩擦締結要素が締結される変速段のうちの最も高変速段側の変速段である
ことを特徴とする請求項1に記載の多段自動変速機付車両の制御装置。 - 前記多段自動変速機はロックアップクラッチ付トルクコンバータを備え、
前記ロックアップクラッチが非解放状態にあり、かつ前記エンジンが燃焼停止されている状態で、所定条件成立時に前記ロックアップクラッチを非解放状態から解放状態に切り換えると共に、前記多段自動変速機の前記第1変速段から前記第2変速段への変速を行う
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多段自動変速機付車両の制御装置。 - 前記エンジンを回転させるモータを備え、
前記ロックアップクラッチが解放状態にあるときに、前記モータにより前記エンジンを所定の低回転状態に維持する
ことを特徴とする請求項3に記載の多段自動変速機付車両の制御装置。 - 前記ロックアップクラッチが非解放状態にあり、かつ前記エンジンが燃焼停止されている状態で前記ロックアップクラッチを非解放状態から解放状態に切り換えるときに、その切り換えを起点として、前記エンジンの燃焼停止状態を続行しながら、前記多段自動変速機の前記第1変速段から前記第2変速段への変速と、前記モータによる前記エンジンを所定の低回転状態に維持する制御とを行う
ことを特徴とする請求項4に記載の多段自動変速機付車両の制御装置。
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