Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP6110093B2 - インバータ装置、および制御方法 - Google Patents

インバータ装置、および制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6110093B2
JP6110093B2 JP2012194668A JP2012194668A JP6110093B2 JP 6110093 B2 JP6110093 B2 JP 6110093B2 JP 2012194668 A JP2012194668 A JP 2012194668A JP 2012194668 A JP2012194668 A JP 2012194668A JP 6110093 B2 JP6110093 B2 JP 6110093B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
state
current
power
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012194668A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014053975A (ja
Inventor
彰大 大堀
彰大 大堀
将之 服部
将之 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihen Corp filed Critical Daihen Corp
Priority to JP2012194668A priority Critical patent/JP6110093B2/ja
Publication of JP2014053975A publication Critical patent/JP2014053975A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6110093B2 publication Critical patent/JP6110093B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Inverter Devices (AREA)

Description

本発明は、インバータ装置、および制御方法に関する。
従来、太陽電池などによって生成される直流電力を交流電力に変換して、電力系統に供給する系統連系インバータシステムが開発されている。
図9は、従来の一般的な系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。
系統連系インバータシステムA100は、直流電源1が生成した直流電力を交流電力に変換して、電力系統Bに供給するものである。インバータ回路2は、制御回路300から入力されるPWM信号に基づいてスイッチング素子(図示しない)のスイッチングを行うことで、直流電源1から入力される直流電圧を交流電圧に変換する。制御回路300は、インバータ回路2を制御するためのPWM信号を生成して出力する。制御回路300は、直流電源1からインバータ回路2に入力される直流電圧が所定の電圧になるように制御している。すなわち、直流電圧センサ6が検出した直流電圧eを目標値e*に一致させるように、直流電圧制御部31がフィードバック制御を行っている。また、制御回路300は、インバータ回路2から出力される電流が所定の電流になるように制御している。すなわち、電流センサ4が検出した電流iを目標値に一致させるように、電流制御部38がフィードバック制御を行っている。当該目標値には、直流電圧制御部31が出力する補償値が用いられている。
電力系統Bで瞬時電圧低下(以下では、「瞬低」とする。)が発生した場合、系統電圧とインバータ回路2の出力電圧との電圧差や位相差の拡大により、インバータ回路2の出力電流が急上昇する。出力電流が所定の電流値を超えた場合、保護機構により過電流と判断されて、インバータ回路2の運転が停止される。また、系統連系インバータシステムA100では、直流電源1の電力−電圧特性(図2参照)を利用して、最大電力点追従(MPPT:Maximum Power Point Tracking)制御が行われている。MPPT制御は、出力電力が最大になるように出力電圧を制御するものである。瞬低により系統電圧が低下しても、MPPT制御が行われるので、インバータ回路2の入力電力は低下せず、インバータ回路2の場合の出力電流が大きくなる。この場合も、出力電流が所定の電流値を超えると過電流と判断されて、インバータ回路2の運転が停止される。
インバータ回路2が停止して系統連系インバータシステムA100が電力系統Bから解列すると、電力系統Bに供給される電力が低下することで、電力系統Bに連系している他の分散形電源の解列も引き起こす場合がある。これを防ぐために、過電流の発生を抑制するための方法が開発されている。例えば、インバータ回路2の出力電流が所定の値を超えた場合にパルスバイパルス過電流制御を行い、系統電圧に応じて直流電源1の出力電流を制限する方法がある(特許文献1参照)。また、電流制御部38の制御ゲインを高くして電流制御を高速化し、出力電流の上昇を抑制する方法もある。
特開2008−228494号公報
パルスバイパルス過電流制御や電流制御の高速化で過電流を抑制した場合、インバータ回路2の出力電流が抑制されるので、インバータ回路2の出力電力Poutが小さくなる。そうすると、直流電源1の出力電圧が大きくなって出力電力が小さくなる(図2参照)ので、インバータ回路2の入力電力Pinが減少して、出力電力Poutと釣り合う状態になる。また、系統電圧に応じて直流電源1の出力電流を制限する場合も、入力電力Pinを減少させて、出力電力Poutと釣り合う状態にするものである。
その後、瞬低から回復して、系統電圧が復帰した場合、出力電力Poutが回復する。しかし、出力電力Poutの回復が遅れると、電力系統Bに供給される電力が回復されず、電力系統Bに連系している他の分散形電源の解列を引き起こす場合がある。これを回避するために、系統連系インバータシステムA100の電圧低下耐量を規定する要件が、FRT(Fault Ride Through)要件として、世界的に規定され始めている。現在、日本でのFRT要件は、暫定の要件であるが、電圧復帰後0.1秒以内に電圧低下前の80%以上に出力を回復させることが規定されている。
瞬低から回復して系統電圧が復帰すると、出力電力Poutの増加に応じて、直流電源1の出力電圧が小さくなって出力電力が大きくなる(図2参照)ので、入力電力Pinが増加して、出力電力Poutと釣り合う状態になる。しかし、瞬低中も直流電圧制御部31が制御を行っており、電流の目標値が変化しているので、インバータ回路2の出力電流は変化している。瞬低から回復したときに当該出力電流が瞬低前の出力電流より小さかった場合、出力電力Poutは瞬低前より小さくなる。この場合、MPPT制御によって入力電力Pinが増加することで、出力電力Poutが増加し、瞬低前のレベルに戻る。しかし、MPPT制御は直流電圧目標値e*を増減させて最大電力点を探索するものなので、入力電力Pinの増加に時間がかかる。したがって、出力電力Poutが瞬低前の80%に達するまでに0.1秒を経過する場合があり、FRT要件を満たせなくなる。
一方、瞬低から回復したときにインバータ回路2の出力電流が瞬低前の出力電流より大きかった場合、出力電力Poutは瞬低前より大きくなる。しかし、入力電力Pinは瞬低前より大きくならないので、入力電力Pinが不足して、インバータ回路2が停止される場合がある。
本発明は上述した事情のもとで考え出されたものであって、瞬低から回復したときに、出力電力Poutを瞬低前のレベルに高速に復帰させることができる、インバータ回路の制御回路を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供されるインバータ装置は、太陽電池が出力する直流電力を直接入力され、交流電力に変換して電力系統に供給するインバータ回路と、前記インバータ回路を制御する制御回路とを備えているインバータ装置であって、前記制御回路は、前記インバータ回路の入力電圧を制御するための直流電圧補償値を生成する直流電圧制御手段と、前記インバータ回路の出力電流を制御するための電流補償値を生成する電流制御手段と、前記電流制御手段の電流目標値として、前記直流電圧補償値を用いる第1の状態と、固定値を用いる第2の状態とを切り替える切替手段とを備え、前記切替手段は、前記電力系統で瞬時電圧低下が発生した場合に、前記第1の状態から前記第2の状態に切り替え、前記直流電圧制御手段は、前記第2の状態においては、前記インバータ回路の入力電圧の制御を行わないことを特徴とする。
本発明の第2の側面によって提供されるインバータ装置は、太陽電池が出力する直流電圧を昇降圧するDC/DCコンバータ回路と、前記DC/DCコンバータ回路から出力される直流電力を交流電力に変換して電力系統に供給するインバータ回路と、前記インバータ回路を制御する制御回路とを備えているインバータ装置であって、前記制御回路は、前記インバータ回路の入力電圧を制御するための直流電圧補償値を生成する直流電圧制御手段と、前記インバータ回路の出力電流を制御するための電流補償値を生成する電流制御手段と、 前記電流制御手段の電流目標値として、前記直流電圧補償値を用いる第1の状態と、固定値を用いる第2の状態とを切り替える切替手段とを備え、前記切替手段は、前記電力系統で瞬時電圧低下が発生した場合に、前記第1の状態から前記第2の状態に切り替え、前記制御回路は、前記切替手段によって第2の状態に切り替えられている間、前記DC/DCコンバータ回路の昇圧比を固定することを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記切替手段は、前記直流電圧制御手段から入力される前記直流電圧補償値を前記電流目標値として前記電流制御手段に出力することで前記第1の状態とし、前記固定値を前記電流目標値として前記電流制御手段に出力することで前記第2の状態とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記切替手段は、前記インバータ回路の入力電圧とその目標値との偏差を前記直流電圧制御手段に出力することで前記第1の状態とし、ゼロを前記直流電圧制御手段に出力することで前記第2の状態とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記固定値は、前記第1の状態から前記第2の状態に切り替えた時の前記直流電圧補償値である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記切替手段は、瞬時電圧低下から回復した後に、前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記切替手段は、前記インバータ回路の入力電圧が所定値以下になった場合に、前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記切替手段は、前記瞬時電圧低下から回復したときから所定時間経過後に、前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える。
本発明の第3の側面によって提供される制御方法は、太陽電池が出力する直流電力を直接入力され、交流電力に変換して電力系統に供給するインバータ回路を制御する制御方法であって、前記インバータ回路の入力電圧を制御するための直流電圧補償値を生成する第1の工程と、前記電力系統で瞬時電圧低下が発生したことを検出する第2の工程と、前記第2の工程で発生したことが検出されるまでの第1の状態では、前記直流電圧補償値を電流目標値として電流補償値を生成し、前記第2の工程で発生したことが検出された後の第2の状態では、前記直流電圧補償値に代えて固定値を前記電流目標値として前記電流補償値を生成する第3の工程とを備え、前記第2の状態においては、前記インバータ回路の入力電圧の制御を行わないことを特徴とする。
本発明によると、第1の状態においては、直流電圧補償値を電流目標値として出力電流が制御されるので、インバータ回路の入力電圧に応じて出力電流が変化する。一方、第2の状態においては、固定値を電流目標値として出力電流が制御されるので、出力電流が一定に保たれる。瞬低からの回復時に第2の状態になっていると、出力電流は変化せず、出力電圧は大きくなるので、出力電力をすぐに大きくすることができる。また、瞬低が発生した時に第1の状態から第2の状態に切り替え、このときの直流電圧補償値を固定値として用いる場合、瞬低から回復したときに、出力電力を瞬低前のレベルに高速に復帰させることができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る制御回路を備えた系統連系インバータシステムを説明するための図である。 太陽電池の電力−電圧特性を説明するための図である。 第1実施形態に係る制御回路の内部構成を説明するための機能ブロック図である。 切替部が行う切替処理を説明するためのフローチャートである。 瞬低が発生した時のインバータ回路の入力電力および出力電力の状態を説明するためのタイムチャートである。 第2実施形態に係る制御回路の内部構成を説明するための機能ブロック図である。 第3実施形態に係る系統連系インバータシステムを説明するための図である。 第3実施形態に係るDC/DCコンバータ回路の制御回路の内部構成を説明するための機能ブロック図である。 従来の一般的な系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を、本発明に係る制御回路を系統連系インバータシステムに用いた場合を例として、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る制御回路を備えた系統連系インバータシステムを説明するための図である。
系統連系インバータシステムAは、分散形電源であり、直流電源1、インバータ回路2、制御回路3、電流センサ4、電圧センサ5、および直流電圧センサ6を備えている。系統連系インバータシステムAは、三相の電力系統Bに連系している。なお、以下では3つの相をU相、V相およびW相とする。系統連系インバータシステムAは、直流電源1が出力する直流電力をインバータ回路2によって交流電力に変換し、図示しない負荷に供給する。負荷には、電力系統Bからも電力が供給される。また、系統連系インバータシステムAは、逆潮流ありのシステムであり、交流電力を電力系統Bにも供給する。なお、図示しないが、インバータ回路2の出力側には、交流電圧を昇圧(または降圧)するための変圧器が設けられている。インバータ回路2、制御回路3、電流センサ4、電圧センサ5、および直流電圧センサ6をまとめたものがインバータ装置であり、いわゆるパワーコンディショナと呼ばれるものである。
電力系統Bには瞬低検出装置Cが設けられていて、電力系統Bで瞬低が発生したことを検出し、検出信号を制御回路3に出力する。なお、系統連系インバータシステムAが瞬低検出装置Cを備えるようにしてもよい。
直流電源1は、直流電力を出力するものであり、太陽電池を備えている。太陽電池は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換することで、直流電力を生成する。直流電源1は、生成された直流電力を、インバータ回路2に出力する。
図2は、太陽電池の電力−電圧特性を説明するための図である。
同図において、横軸は太陽電池の出力電圧であり、縦軸は太陽電池の出力電力である。同図に示すように、太陽電池の出力電力は、最大出力動作電圧Vpmのときに最大出力Pmaxになる。出力電圧が電圧Vpm以下の場合、出力電圧が上昇するに応じて出力電力も上昇し、出力電圧が低下するに応じて出力電力も低下する。一方、出力電圧が電圧Vpm以上の場合、出力電圧が上昇するに応じて出力電力は低下し、出力電圧が低下するに応じて出力電力は上昇する。開放電圧Vocは出力電力がゼロになる電圧であり、太陽電池の出力電圧は開放電圧Vocより大きくならない。直流電源1の電力−電圧特性も同様の特性になる。
図1に戻って、インバータ回路2は、直流電源1から入力される直流電力を交流電力に変換して出力するものである。インバータ回路2は、図示しないPWM制御インバータとフィルタとを備えている。PWM制御インバータは、図示しない3組6個のスイッチング素子を備えた三相インバータであり、制御回路3から入力されるPWM信号に基づいて各スイッチング素子のオンとオフとを切り替えることで直流電力を交流電力に変換する。フィルタは、スイッチングによる高周波成分を除去する。インバータ回路2の入力側の正極および負極は、直流電源1の正極および負極にそれぞれ接続されているので、インバータ回路2の入力電圧は直流電源1の出力電圧に一致する。
電流センサ4は、インバータ回路2の三相の出力電流の瞬時値をそれぞれ検出するものである。電流センサ4は、検出した瞬時値をディジタル変換して、電流信号iu,iv,iw(3つの電流信号をまとめて「電流信号i」と記載する場合がある。)として制御回路3に出力する。電圧センサ5は、インバータ回路2の三相の出力電圧の瞬時値をそれぞれ検出するものである。電圧センサ5は、検出した瞬時値をディジタル変換して、電圧信号vu,vv,vw(3つの電圧信号をまとめて「電圧信号v」と記載する場合がある。)として制御回路3に出力する。
直流電圧センサ6は、インバータ回路2の入力電圧(すなわち、直流電源1の出力電圧)の瞬時値を検出するものである。直流電圧センサ6は、検出した瞬時値をディジタル変換して、直流電圧信号eとして制御回路3に出力する。直流電圧センサ6は、インバータ回路2の入力側の正極と負極との間に設けられた電解コンデンサ(図示しない)の端子間電圧を検出している。直流電圧制御を行っている間は直流電圧が一定の電圧に制御され、電解コンデンサに蓄えられる電力も一定になっているので、インバータ回路2に入力される電力は、直流電源1が出力する電力に一致する。
制御回路3は、インバータ回路2を制御するものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御回路3は、電流センサ4より入力される電流信号i、電圧センサ5より入力される電圧信号v、および、直流電圧センサ6より入力される直流電圧信号eに基づいてPWM信号を生成して、インバータ回路2に出力する。
図3は、制御回路3の内部構成を説明するための機能ブロック図である。
制御回路3は、直流電圧制御部31、切替部32、無効電力算出部34、無効電力制御部35、切替部36、電流制御部38、および、PWM信号生成部39を備えている。なお、図示しないが、制御回路3には、直流電圧センサ6から入力される直流電圧信号eに基づいて過電圧を検出する過電圧検出部、電流センサ4から入力される電流信号iに基づいて過電流を検出する過電流検出部が備えられている。そして、過電圧または過電流が検出された場合に、PWM信号生成部39によるPWM信号の生成が停止され、系統連系インバータシステムAと電力系統Bとの接続が遮断されることで、系統連系インバータシステムAが電力系統Bから解列するようになっている。
直流電圧制御部31は、インバータ回路2の入力電圧の制御を行うためのものである。直流電圧制御部31は、直流電圧センサ6より出力される直流電圧信号eと直流電圧目標値e*との偏差Δe(=e*−e)を入力されて、当該偏差をゼロにするための直流電圧補償値を切替部32に出力する。直流電圧制御部31は、例えば、PI制御(比例積分制御)を行っている。
系統連系インバータシステムAでは、直流電源1の電力−電圧特性(図2参照)を利用して、MPPT制御が行われている。本実施形態では、直流電圧目標値e*を微小変動させて直流電圧制御を行うことで、直流電源1の出力電圧を変化させ、直流電源1の出力電力がより大きくなるように直流電圧目標値e*を変更する。これにより、直流電圧目標値e*が最大出力動作電圧Vpmになり、直流電源1から出力される電力が最大になるようにしている。
切替部32は、電流制御部38が用いるd軸電流目標値を切り替えるものである。後述するように、電流制御部38は、電流信号iu,iv,iwをd軸電流信号idおよびq軸電流信号iqに変換して制御を行う。d軸電流目標値は、d軸電流信号idの目標値として用いられる。切替部32は、直流電圧制御部31から入力される直流電圧補償値と固定値とを切り替えて、d軸電流目標値として電流制御部38に出力する。切替部32が直流電圧補償値をd軸電流目標値として出力する状態を「第1の状態」とする。また、切替部32が固定値をd軸電流目標値として出力する状態を「第2の状態」とする。
切替部32は、直流電圧制御部31から入力される直流電圧補償値を記録するための記録部33を備えている。第1の状態とする場合、切替部32は、入力される直流電圧補償値を記録部33に上書き記録し、当該上書きされた直流電圧補償値を出力する。これにより、直流電圧制御部31から入力される直流電圧補償値が、d軸電流目標値として電流制御部38に出力される。一方、第2の状態とする場合、切替部32は、入力される直流電圧補償値を記録部33に上書き記録することなく、記録部33に記録されている直流電圧補償値を出力する。これにより、固定値が、d軸電流目標値として電流制御部38に出力される。
切替部32は、瞬低検出装置Cより入力される瞬低検出信号と直流電圧センサ6より入力される直流電圧信号eとに基づいて、第1の状態と第2の状態とを切り替える。切替部32は、瞬低が発生するまでは第1の状態を継続しており、瞬低が発生した場合に第1の状態から第2の状態に切り替える。本実施形態では、瞬低検出信号を、電力系統Bで瞬低が発生した時にローレベルからハイレベルに切り替わり、瞬低から回復した時にハイレベルからローレベルに切り替わるパルス信号としている。したがって、切替部32は、瞬低検出信号がローレベルからハイレベルに切り替わった時に、第1の状態から第2の状態に切り替えるようになっている。また、切替部32は、瞬低から回復して、直流電源1の出力電圧が瞬低の発生直前のレベルに戻った時に、第2の状態から第1の状態に切り替える。すなわち、切替部32は、瞬低検出信号がハイレベルからローレベルに切り替わった後、直流電圧信号eの値が閾値以下になった場合に、第2の状態から第1の状態に切り替える。本実施形態では、閾値を、瞬低の発生直前の直流電圧目標値に検出誤差を加えた値にしている。
図4は、切替部32が行う切替処理を説明するためのフローチャートである。切替処理は、インバータ回路2が電力変換動作を行っている間、すなわち、制御回路3がPWM信号を出力している間、常に実行されている。
まず、瞬低が発生したか否かが判別される(S1)。具体的には、瞬低検出装置Cより入力される瞬低検出信号がローレベルからハイレベルに切り替わったか否かが判別される。瞬低が発生していない場合(S1:NO)、直流電圧制御部31から直流電圧補償値が入力され(S2)、記録部33に上書き記録される(S3)。そして、上書き記録された直流電圧補償値が電流制御部38に出力されて(S4)、ステップS1に戻る。つまり、瞬低が発生する(S1:YES)まで、直流電圧制御部31から入力される直流電圧補償値の出力(S2〜S4)が継続される(第1の状態)。
ステップS1において、瞬低が発生した場合(S1:YES)、すなわち、瞬低検出信号がローレベルからハイレベルに切り替わった場合、瞬低が継続しているか否かが判別される(S5)。具体的には、瞬低検出信号がハイレベルであるか否かが判別される。瞬低が継続している場合(S5:YES)、記録部33に記録されている直流電圧補償値が電流制御部38に出力されて(S6)、ステップS5に戻る。ステップS5において、瞬低から回復した場合(S5:NO)、直流電圧センサ6より入力される直流電圧信号eの値が閾値以下であるか否かが判別される(S7)。閾値以下の場合(S7:YES)、すなわち、瞬低前のレベルに戻った場合、ステップS2に進んで、第1の状態に戻る。一方、閾値より大きい場合(S7:NO)、すなわち、まだ瞬低前のレベルに戻っていない場合、ステップS6に進んで、ステップS5に戻る。すなわち、瞬低から回復して(S5:NO)、直流電圧信号eの値が瞬低前のレベルに戻る(S7:YES)まで、固定値の出力(S6)が継続される(第2の状態)。
なお、切替部32が行う切替処理は、上述したものに限定されず、瞬低が発生した時に第1の状態から第2の状態に切り替え、瞬低の回復後、直流電源1の出力電圧が瞬低前のレベルに戻った時に、第2の状態から第1の状態に切り替えるものであればよい。例えば、第1の状態の間は直流電圧制御部31から入力される直流電圧補償値をそのまま出力し、第1の状態から第2の状態に切り替える時に直流電圧補償値を記録部33に記録し、第2の状態の間は記録部33に記録された値を出力するようにしてもよい。
無効電力算出部34は、インバータ回路2が出力する無効電力を算出するものである。無効電力算出部34は、電流センサ4より入力される電流信号iと電圧センサ5より入力される電圧信号vとに基づいて、無効電力値Qを算出して出力する。
無効電力制御部35は、インバータ回路2が出力する無効電力の制御を行うためのものである。無効電力制御部35は、無効電力算出部34より出力される無効電力値Qと無効電力目標値Q*との偏差ΔQ(=Q*−Q)を入力されて、当該偏差をゼロにするための無効電力補償値を切替部36に出力する。無効電力制御部35は、例えば、PI制御を行っている。
切替部36は、電流制御部38が用いるq軸電流目標値を切り替えるものである。q軸電流目標値は、q軸電流信号iqの目標値として電流制御部38で用いられる。切替部36は、無効電力制御部35から入力される無効電力補償値と固定値とを切り替えて、q軸電流目標値として電流制御部38に出力する。切替部36は、切替部32と同様の構成であり、無効電力制御部35から入力される無効電力補償値を記録するための記録部37を備えている。また、切替部36は、切替部32と同様に、図4に示す切替処理を行う。
つまり、切替部36は、瞬低が発生する(S1:YES)までは、第1の状態として、無効電力制御部35から入力される無効電力補償値をq軸電流目標値として電流制御部38に出力する(S2〜S4)。瞬低が発生した場合(S1:YES)は、瞬低から回復して(S5:NO)、直流電圧信号eの値が瞬低前のレベルに戻る(S7:YES)まで、第2の状態として、上書きされずに記録部37に記録されている無効電力補償値をq軸電流目標値として電流制御部38に出力する(S6)。
なお、瞬低回復時のq軸電流目標値が瞬低前と異なっていたとしても、インバータ回路2の出力電流の無効成分が変化するだけで、出力電力Poutにあまり影響を与えないので、q軸電流目標値を固定値に切り替えないようにしてもよい。つまり、切替部36を設けないようにしてもよい。
電流制御部38は、インバータ回路2の出力電流の制御を行うためのものである。電流制御部38は、電流センサ4より入力される三相の電流信号iu,iv,iwをd軸電流信号idおよびq軸電流信号iqに変換して制御を行い、補償信号xdおよびxqを三相の補償信号xu,xv,xwに変換して、PWM信号生成部39に出力する。
電流制御部38は、まず、三相の電流信号iu,iv,iwを下記(1)式に示す三相二相変換(αβ変換)によって、α軸電流信号iαおよびβ軸電流信号iβに変換し、さらに、下記(2)式に示す回転座標変換(dq変換)によって、d軸電流信号idおよびq軸電流信号iqに変換する。
次に、電流制御部38は、d軸電流信号idと切替部32より入力されるd軸電流目標値との偏差に基づいてPI制御を行って補償信号xdを生成し、q軸電流信号iqと切替部36より入力されるq軸電流目標値との偏差に基づいてPI制御を行って補償信号xqを生成する。
そして、電流制御部38は、補償信号xd, xqを下記(3)式に示す静止座標変換(逆dq変換)によって、補償信号xα, xβに変換し、さらに、下記(4)式に示す二相三相変換(逆αβ変換)によって、三相の補償信号xu,xv,xwに変換する。
PWM信号生成部39は、PWM信号を生成するものである。PWM信号生成部39は、電流制御部38より入力される三相の補償信号xu,xv,xwに基づいて、インバータ回路2の各相の出力電圧の波形を指令するための指令信号を生成し、指令信号とキャリア信号とに基づいて、三角波比較法によりPWM信号を生成する。例えば、指令信号がキャリア信号より大きい場合にハイレベルとなり、指令信号がキャリア信号以下の場合にローレベルとなるパルス信号が、PWM信号として生成される。生成されたPWM信号は、インバータ回路2に出力される。なお、PWM信号生成部39は、三角波比較法によりPWM信号を生成する場合に限定されず、例えば、ヒステリシス方式でPWM信号を生成するようにしてもよい。
なお、制御回路3の構成は上記に限られず、直流電圧補償値をd軸電流目標値にする場合と、固定値をd軸電流目標値にする場合とを切り替えられるものであればよい。
本実施形態では、系統連系インバータシステムAが三相のシステムである場合について説明したが、単相のシステムであってもよい。この場合、電流制御部38が、電流センサ4から入力される単相の電流信号の目標値として、切替部32から出力されるd軸電流目標値を用いるようにすればよい。また、ヒルベルト変換などで単相の電流信号を直交する2つの電流信号に変換して、α軸電流信号iαおよびβ軸電流信号iβとして用いるようにしてもよい。
本実施形態では、制御回路3をディジタル回路として実現した場合について説明したが、アナログ回路として実現してもよい。また、各部が行う処理をプログラムで設計し、当該プログラムを実行させることでコンピュータを制御回路3として機能させてもよい。また、当該プログラムを記録媒体に記録しておき、コンピュータに読み取らせるようにしてもよい。
次に、本発明の作用と効果を、図2および図5を用いて説明する。
図5は、瞬低が発生した時のインバータ回路2の入力電力および出力電力の状態を説明するためのタイムチャートである。
同図(a)は、瞬低検出装置Cが出力する瞬低検出信号を示しており、時刻t=t1の時に瞬低が発生して、ローレベルからハイレベルに切り替わっている。同図(b)は、切替部32,36の切り替え状態を示しており、ローレベルが第1の状態、ハイレベルが第2の状態を示している。時刻t=t1の時に瞬低の発生によって第1の状態から第2の状態に切り替わっている。同図(c)は、インバータ回路2の入力電圧Vdc、すなわち、直流電源1の出力電圧を示している。同図(d)は、インバータ回路2の入力電力Pinを示しており、同図(e)はインバータ回路2の出力電力Poutを示している。
時刻t=t1より前は、直流電圧制御が行われているので(第1の状態)、入力電圧Vdcは、一定の電圧(最大出力動作電圧Vpm:図2参照)に制御されている。このとき、入力電力Pinと出力電力Poutとが釣り合った状態になっている。
時刻t=t1において瞬低が発生したことにより、出力電力Poutが急減して、Pin>Poutになる。この時、第1の状態から第2の状態に切り替えられるので(図5(b)参照)、d軸電流目標値およびq軸電流目標値が固定され、直流電圧制御部31が出力する直流電圧補償値に関係なく、インバータ回路2の出力電流が一定となるように制御される。したがって、直流電圧制御が機能しないので、MPPT制御も機能しない。よって、直流電源1の出力電圧は、電力−電圧特性(図2参照)に応じて、自由に変化する。直流電源1の出力電圧が上昇すると、動作点が最適動作点より右側に移動して、直流電源1の出力電力は低下する。したがって、入力電圧Vdcの上昇に応じて、入力電力Pinが低下する(図5(c)および(d)参照)。
時刻t=t2において、入力電力Pinと出力電力Poutとが一致して、入力電力Pinの低下が止まり、入力電圧Vdcの上昇も止まる。その後は、瞬低時の低出力のまま、入力電力Pinと出力電力Poutとが釣り合って、入力電圧Vdcも一定になる。入力電圧Vdcは、直流電源1の開放電圧Voc以上にならないので、過電圧の判定のための閾値が開放電圧Voc以上であれば、過電圧と判定されることはない。
時刻t=t3において、瞬低から回復したので(図5(a)参照)、インバータ回路2の出力電圧は上昇する。また、インバータ回路2の出力電流は、一定に制御されている。したがって、出力電力Poutは上昇して(図5(e)参照)、Pin<Poutになる。これにより、入力電圧Vdcが低下する(図5(c)参照)。直流電源1の電力−電圧特性(図2参照)により、直流電源1の出力電圧が低下すると、動作点が左側に移動して、直流電源1の出力電力は上昇する。したがって、入力電圧Vdcの低下に応じて、入力電力Pinが上昇する(図5(d)参照)。
時刻t=t4において、入力電圧Vdcが瞬低の発生直前のレベルになったので、第2の状態から第1の状態に切り替わっている(図5(b)参照)。瞬低は1秒以内の瞬間的な現象であり、瞬低の発生直前と瞬低からの回復直後とで、気温や日射強度は変わらないので、このときの入力電力Pinも瞬低の発生直前のレベルになっている。したがって、瞬低の発生直前と同様の状態で、直流電流制御を再開することができる。
なお、第2の状態から第1の状態に切り替えるタイミングは、入力電圧Vdcが瞬低の発生直前のレベルに戻った時に限定されない。例えば、入力電力Pinが瞬低の発生直前のレベルに戻った時としてもよい。また、瞬低の回復後であれば、入力電圧Vdcや入力電力Pinに関係なく、所定の時間(例えば、0.1秒)の経過後に切り替えるようにしてもよい。しかし、瞬低からの回復後すぐに第1の状態に切り替えた場合、直流電源1の出力電圧が大きい状態でMPPT制御が開始されるので、最大電力を出力するようになるまでに時間がかかる。したがって、瞬低からの回復後の早い時間にインバータ回路2の出力電力を回復させることが難しい。また、瞬低からの回復後いつまでも第2の状態を継続すると、MPPT制御が機能しないので、気温や日射強度が変化して最大電力点が変化しても追従できない。したがって、入力電圧Vdcが瞬低の発生直前のレベルに戻った時に切り替えるのが望ましい。
本実施形態によると、第2の状態の間のd軸電流目標値およびq軸電流目標値は固定されているので、瞬低からの回復時のインバータ回路2の出力電流は瞬低前と同じである。したがって、出力電力Poutを、瞬低前のレベルに高速に復帰させることができる。また、出力電力Poutが瞬低前より大きくなって、入力電力Pinが不足することもない。
なお、直流電圧補償値(無効電力補償値)を固定値に切り替える方法は、上述した方法に限定されない。例えば、直流電圧制御部31(無効電力制御部35)に偏差Δe(偏差ΔQ)に代えてゼロを入力することにより、直流電圧補償値(無効電力補償値)を固定させるようにしてもよい。この場合を第2実施形態として、以下に説明する。
図6は、第2実施形態に係る制御回路の内部構成を説明するための機能ブロック図である。同図において、第1実施形態に係る制御回路3(図3参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
図6に示す制御回路3’は、切替部32’が直流電圧制御部31の前段に配置され、切替部36’が無効電力制御部35の前段に配置されている点で、第1実施形態に係る制御回路3と異なる。
切替部32’は、直流電圧センサ6より出力される直流電圧信号eと直流電圧目標値e*との偏差Δe(=e*−e)を入力されて、当該Δeをそのまま出力することで第1の状態とし、Δeに代えてゼロを出力することで第2の状態とする。直流電圧制御部31は、偏差Δeを入力された場合、当該偏差をゼロにするための直流電圧補償値をd軸電流目標値として電流制御部38に出力する。一方、ゼロを入力された場合、ゼロが入力される直前の直流電圧補償値をd軸電流目標値として電流制御部38に出力する。つまり、ゼロが入力されている間、d軸電流目標値として固定値が電流制御部38に入力される。
切替部36’も、切替部32’と同様であり、偏差ΔQ(=Q*−Q)を入力されて、当該ΔQをそのまま出力することで第1の状態とし、ΔQに代えてゼロを出力することで第2の状態とする。無効電力制御部35は、偏差ΔQを入力された場合、当該偏差をゼロにするための無効電力補償値をq軸電流目標値として電流制御部38に出力する。一方、ゼロを入力された場合、ゼロが入力される直前の無効電力補償値をq軸電流目標値として電流制御部38に出力する。つまり、ゼロが入力されている間、q軸電流目標値として固定値が電流制御部38に入力される。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1の状態と第2の状態とを切り替えることができる。したがって、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
本発明は、直流電源1とインバータ回路2との間にDC/DCコンバータ回路が設けられている場合にも適用することができる。DC/DCコンバータ回路が設けられている場合を第3実施形態として、以下に説明する。
図7は、第3実施形態に係る系統連系インバータシステムを説明するための図である。同図において、第1実施形態に係る系統連系インバータシステムA(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。なお、図7においては、電流センサ4および電圧センサ5の記載を省略している。
図7に示す系統連系インバータシステムA’は、直流電圧センサ6の前段にDC/DCコンバータ回路7および直流電圧センサ9が設けられており、DC/DCコンバータ回路7を制御するための制御回路8が設けられている点で、第1実施形態に係る系統連系インバータシステムAと異なる。
DC/DCコンバータ回路7は、直流電源1の出力電圧を昇圧または降圧して、インバータ回路2に出力するものである。DC/DCコンバータ回路7は、制御回路8から入力されるPWM信号に基づいて、図示しないスイッチング素子のオンとオフとを切り替えることで、入力電圧を昇圧または降圧して出力する。DC/DCコンバータ回路7の入力側の正極および負極は、直流電源1の正極および負極にそれぞれ接続されているのでDC/DCコンバータ回路7の入力電圧は直流電源1の出力電圧に一致する。
インバータ回路2は、DC/DCコンバータ回路7から入力される直流電力を交流電力に変換する。インバータ回路2の入力側の正極および負極は、DC/DCコンバータ回路7の出力側の正極および負極にそれぞれ接続されているので、インバータ回路2の入力電圧はDC/DCコンバータ回路7の出力電圧に一致する。
直流電圧センサ9は、DC/DCコンバータ回路7の入力電圧(すなわち、直流電源1の出力電圧)の瞬時値を検出するものである。直流電圧センサ9は、検出した瞬時値をディジタル変換して、直流電圧信号e’として制御回路8に出力する。直流電圧センサ9は、DC/DCコンバータ回路7の入力側の正極と負極との間に設けられた電解コンデンサ(図示しない)の端子間電圧を検出している。直流電圧制御を行っている間は直流電圧が一定の電圧に制御され、電解コンデンサに蓄えられる電力も一定になっているので、DC/DCコンバータ回路7に入力される電力は、直流電源1が出力する電力に一致する。
制御回路8は、DC/DCコンバータ回路7を制御するものであり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御回路8は、直流電圧センサ9より入力される直流電圧信号e’に基づいてPWM信号を生成して、DC/DCコンバータ回路7に出力する。
図8は、制御回路8の内部構成を説明するための機能ブロック図である。制御回路8は、直流電圧制御部81、切替部82、および、PWM信号生成部84を備えている。
直流電圧制御部81は、DC/DCコンバータ回路7の入力電圧の制御を行うためのものである。直流電圧制御部81は、直流電圧センサ9より出力される直流電圧信号e'と直流電圧目標値e'*との偏差Δe'(=e'*−e')を入力されて、当該偏差をゼロにするための直流電圧補償値を切替部82に出力する。直流電圧制御部81は、例えば、PI制御(比例積分制御)を行っている。系統連系インバータシステムA’においては、DC/DCコンバータ回路7がMPPT制御を行っている。本実施形態では、直流電圧目標値e'*を微小変動させて直流電圧制御を行うことで、直流電源1の出力電圧を変化させ、直流電源1の出力電力がより大きくなるように直流電圧目標値e'*を変更する。これにより、直流電圧目標値e'*が最大出力動作電圧Vpmになり、直流電源1から出力される電力が最大になるようにしている。
切替部82は、PWM信号生成部84に入力する信号を切り替えるものである。切替部82は、第1の状態のときには、直流電圧制御部81から入力される直流電圧補償値を出力し、第2の状態のときには、固定値を出力する。切替部82は、切替部32と同様の構成であり、直流電圧制御部81から入力される直流電圧補償値を記録するための記録部83を備えている。また、切替部82は、切替部32と同様に、図4に示す切替処理を行う。
つまり、切替部82は、瞬低が発生する(S1:YES)までは、第1の状態として、直流電圧制御部81から入力される直流電圧補償値をPWM信号生成部84に出力する(S2〜S4)。瞬低が発生した場合(S1:YES)は、瞬低から回復して(S5:NO)、直流電圧信号e'の値が瞬低前のレベルに戻る(S7:YES)まで、第2の状態として、上書きされずに記録部83に記録されている直流電圧補償値をPWM信号生成部84に出力する(S6)。
PWM信号生成部84は、DC/DCコンバータ回路7に出力するPWM信号を生成するものである。PWM信号生成部84は、切替部82より入力される信号とキャリア信号とに基づいて、三角波比較法によりPWM信号を生成する。生成されたPWM信号は、DC/DCコンバータ回路7に出力される。なお、PWM信号生成部84は、三角波比較法によりPWM信号を生成する場合に限定されず、例えば、ヒステリシス方式でPWM信号を生成するようにしてもよい。
なお、制御回路8の構成は上記に限られない。例えば、第2実施形態の場合と同様に、切替部82を直流電圧制御部81の前段に配置する構成としてもよい。また、本実施形態では、制御回路8をディジタル回路として実現した場合について説明したが、アナログ回路として実現してもよい。また、各部が行う処理をプログラムで設計し、当該プログラムを実行させることでコンピュータを制御回路8として機能させてもよい。また、当該プログラムを記録媒体に記録しておき、コンピュータに読み取らせるようにしてもよい。
第1の状態のとき、DC/DCコンバータ回路7は、直流電圧制御部81から出力される直流電圧補償値に基づいて生成されたPWM信号を入力されるので、入力電圧(すなわち、直流電源1の出力電圧)を直流電圧目標値に制御する。この時、インバータ回路2は、インバータ回路2の入力電圧(すなわち、DC/DCコンバータ回路7の出力電圧)を一定にする制御を行う。一方、第2の状態のとき、DC/DCコンバータ回路7は、第1の状態から第2の状態に切り替えた時の直流電圧補償値(固定値)に基づいて生成されたPWM信号を入力されるので、DC/DCコンバータ回路7の昇圧比は、第1の状態から第2の状態に切り替えた時の昇圧比に固定される。したがって、DC/DCコンバータ回路7は、固定された昇圧比で、入力電圧を昇圧または降圧して、インバータ回路2に出力する。これにより、インバータ回路2の入力電圧の変化に応じて、DC/DCコンバータ回路7の入力電圧(すなわち、直流電源1の出力電圧)も同様に変化する。したがって、本実施形態においても、瞬低が発生した時のインバータ回路2の入力電力および出力電力の状態は、第1実施形態の場合のタイムチャート(図5参照)と同様になり、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、系統連系インバータシステムA’において、第2の状態への切り替えを行わない場合、瞬低発生時にインバータ回路2の出力電力Poutが小さくなって、インバータ回路2の入力電圧が大きくなる。この入力電圧が所定の電圧値を超えると過電圧と判断されて、インバータ回路2の運転が停止される。しかし、瞬低発生時に第2の状態に切り替えることにより、DC/DCコンバータ回路7の昇圧比が固定されるので、インバータ回路2の入力電圧は抑制される。すなわち、DC/DCコンバータ回路7の入力電圧は直流電源1の開放電圧Voc以上にならないので、DC/DCコンバータ回路7の出力電圧(インバータ回路2の入力電圧)は、開放電圧Vocに固定された昇圧比を乗算した電圧以上にならない。したがって、第3実施形態の場合、インバータ回路2の入力電圧の過電圧を抑制するという効果も奏することができる。
なお、本実施形態では、制御回路8が直流電圧補償値を固定することでDC/DCコンバータ回路7の昇圧比を固定する場合について説明したが、これに限られない。第2の状態のときにDC/DCコンバータ回路7の昇圧比を固定することができればよいので、例えば、PWM信号生成部84がPWM信号のパルス幅を固定するようにしてもよい。
また、本実施形態では、直流電圧センサ6が出力する直流電圧信号e(図7参照)に基づいて第2の状態から第1の状態に切り替えているが、直流電圧センサ9が出力する直流電圧信号e’に基づいて切り替えるようにしてもよい。また、DC/DCコンバータ回路7の入力電力に基づいて切り替えるようにしてもよいし、瞬低の回復後、所定の時間(例えば、0.1秒)の経過後に切り替えるようにしてもよい。
本発明に係るインバータ装置、および制御方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るインバータ装置、および制御方法の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A 系統連系インバータシステム
1 直流電源
2 インバータ回路
3,3’ 制御回路
31 直流電圧制御部
32,32’ 切替部
33 記録部
34 無効電力算出部
35 無効電力制御部
36,36’ 切替部
37 記録部
38 電流制御部
39 PWM信号生成部
4 電流センサ
5 電圧センサ
6 直流電圧センサ
7 DC/DCコンバータ回路
8 制御回路
81 直流電圧制御部
82 切替部
83 記録部
84 PWM信号生成部
9 直流電圧センサ
B 電力系統
C 瞬低検出装置

Claims (9)

  1. 太陽電池が出力する直流電力を直接入力され、交流電力に変換して電力系統に供給するインバータ回路と、前記インバータ回路を制御する制御回路とを備えているインバータ装置であって、
    前記制御回路は、
    前記インバータ回路の入力電圧を制御するための直流電圧補償値を生成する直流電圧制御手段と、
    前記インバータ回路の出力電流を制御するための電流補償値を生成する電流制御手段と、
    前記電流制御手段の電流目標値として、前記直流電圧補償値を用いる第1の状態と、固定値を用いる第2の状態とを切り替える切替手段と、
    を備え、
    前記切替手段は、前記電力系統で瞬時電圧低下が発生した場合に、前記第1の状態から前記第2の状態に切り替え
    前記直流電圧制御手段は、前記第2の状態においては、前記インバータ回路の入力電圧の制御を行わない、
    ことを特徴とするインバータ装置。
  2. 太陽電池が出力する直流電圧を昇降圧するDC/DCコンバータ回路と、前記DC/DCコンバータ回路から出力される直流電力を交流電力に変換して電力系統に供給するインバータ回路と、前記インバータ回路を制御する制御回路とを備えているインバータ装置であって、
    前記制御回路は、
    前記インバータ回路の入力電圧を制御するための直流電圧補償値を生成する直流電圧制御手段と、
    前記インバータ回路の出力電流を制御するための電流補償値を生成する電流制御手段と、
    前記電流制御手段の電流目標値として、前記直流電圧補償値を用いる第1の状態と、固定値を用いる第2の状態とを切り替える切替手段と、
    を備え、
    前記切替手段は、前記電力系統で瞬時電圧低下が発生した場合に、前記第1の状態から前記第2の状態に切り替え、
    前記制御回路は、前記切替手段によって第2の状態に切り替えられている間、前記DC/DCコンバータ回路の昇圧比を固定する、
    ことを特徴とするインバータ装置
  3. 前記切替手段は、
    前記直流電圧制御手段から入力される前記直流電圧補償値を前記電流目標値として前記電流制御手段に出力することで前記第1の状態とし、
    前記固定値を前記電流目標値として前記電流制御手段に出力することで前記第2の状態とする、
    請求項1または2に記載のインバータ装置。
  4. 前記切替手段は、
    前記インバータ回路の入力電圧とその目標値との偏差を前記直流電圧制御手段に出力することで前記第1の状態とし、
    ゼロを前記直流電圧制御手段に出力することで前記第2の状態とする、
    請求項1または2に記載のインバータ装置。
  5. 前記固定値は、前記第1の状態から前記第2の状態に切り替えた時の前記直流電圧補償値である、
    請求項1ないし4のいずれかに記載のインバータ装置。
  6. 前記切替手段は、瞬時電圧低下から回復した後に、前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える、
    請求項ないし5のいずれかに記載のインバータ装置。
  7. 前記切替手段は、前記インバータ回路の入力電圧が所定値以下になった場合に、前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える、
    請求項6に記載のインバータ装置。
  8. 前記切替手段は、前記瞬時電圧低下から回復したときから所定時間経過後に、前記第2の状態から前記第1の状態に切り替える、
    請求項6に記載のインバータ装置。
  9. 太陽電池が出力する直流電力を直接入力され、交流電力に変換して電力系統に供給するインバータ回路を制御する制御方法であって、
    前記インバータ回路の入力電圧を制御するための直流電圧補償値を生成する第1の工程と、
    前記電力系統で瞬時電圧低下が発生したことを検出する第2の工程と、
    前記第2の工程で発生したことが検出されるまでの第1の状態では、前記直流電圧補償値を電流目標値として電流補償値を生成し、前記第2の工程で発生したことが検出された後の第2の状態では、前記直流電圧補償値に代えて固定値を前記電流目標値として前記電流補償値を生成する第3の工程と、
    を備え、
    前記第2の状態においては、前記インバータ回路の入力電圧の制御を行わない、
    ことを特徴とする制御方法。
JP2012194668A 2012-09-05 2012-09-05 インバータ装置、および制御方法 Active JP6110093B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012194668A JP6110093B2 (ja) 2012-09-05 2012-09-05 インバータ装置、および制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012194668A JP6110093B2 (ja) 2012-09-05 2012-09-05 インバータ装置、および制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014053975A JP2014053975A (ja) 2014-03-20
JP6110093B2 true JP6110093B2 (ja) 2017-04-05

Family

ID=50611949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012194668A Active JP6110093B2 (ja) 2012-09-05 2012-09-05 インバータ装置、および制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6110093B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7180258B2 (ja) * 2018-10-04 2022-11-30 富士電機株式会社 無効電力補償装置及びその制御回路

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3311424B2 (ja) * 1993-05-24 2002-08-05 三洋電機株式会社 太陽光発電システムの電力制御方法および電力制御装置
JP3441634B2 (ja) * 1997-10-02 2003-09-02 株式会社日立製作所 発電電動機の制御装置及びこれを用いた発電システム
JP2000152650A (ja) * 1998-11-10 2000-05-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 系統連系インバータ
JP4870539B2 (ja) * 2006-12-12 2012-02-08 三菱電機株式会社 二重給電同期機の制御システム
JP5579540B2 (ja) * 2010-08-31 2014-08-27 一般財団法人電力中央研究所 パワーコンディショナの瞬低回復時の運転安定化方法、これを実施するパワーコンディショナ、及びパワーコンディショナの瞬低回復時の運転安定化用プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014053975A (ja) 2014-03-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6031609B2 (ja) 太陽光発電用インバータの制御装置
JP5226540B2 (ja) インバータ制御回路、このインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステム
JP5829053B2 (ja) 系統連系インバータ装置
JP4766005B2 (ja) 高調波電流補償装置
JP6059757B2 (ja) 系統電圧抑制制御装置及び系統電圧抑制制御方法
JP5589141B2 (ja) 太陽光発電システムの運転制御装置
JP6762680B2 (ja) 太陽光発電システム
JP5398233B2 (ja) インバータの単独運転検出装置および単独運転検出方法
JP5659290B2 (ja) 太陽光発電システム
WO2016113838A1 (ja) インバータの制御装置
JP2014192992A (ja) 無効電力比率制御器、無効電力比率制御方法、およびこれを用いた発電システム
JP6437807B2 (ja) インバータ回路を制御する制御回路、および、当該制御回路を備えたインバータ装置
JP5580377B2 (ja) 静止型無効電力補償装置及び電圧制御方法
JP5331399B2 (ja) 電源装置
JP6110093B2 (ja) インバータ装置、および制御方法
JP6456195B2 (ja) 電力変動抑制装置
JP6308618B2 (ja) Pvパワーコンディショナ
JP6849546B2 (ja) 系統連系用電力変換装置
JP2004120820A (ja) 電力変換装置
JP6463976B2 (ja) 電力変換装置およびその太陽光発電システム
JP6181402B2 (ja) 電力変換回路を制御する制御回路、および、当該制御回路を備えた電力変換装置
JP5616412B2 (ja) 単相電圧型交直変換装置
JP5630580B2 (ja) 系統連系装置
Shireen et al. A reliable low cost power electronics interface for photovoltaic energy systems
JP6327033B2 (ja) 電力変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150709

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170309

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6110093

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250