以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図22は、本発明の撮像ユニット、測色装置、画像形成装置、測色システム及び測色方法の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の撮像ユニット、測色装置、画像形成装置、測色システム及び測色方法の一実施例を適用した画像形成装置1の概略斜視図である。
図1において、画像形成装置1は、本体筐体2が、本体フレーム3上に配設されており、本体筐体2内には、図1に両矢印Aで示す主走査方向に主ガイドロッド4と副ガイドロッド5が張り渡されている。主ガイドロッド4は、キャリッジ6を移動可能に支持しており、キャリッジ6には、副ガイドロッド5に係合してキャリッジ6の姿勢を安定化させる連結片6aが設けられている。
画像形成装置1は、主ガイドロッド4に沿って無端ベルト状のタイミングベルト7が配設されており、タイミングベルト7は、駆動プーリ8と従動プーリ9との間に張り渡されている。駆動プーリ8は、主走査モータ10によって回転駆動され、従動プーリ9は、タイミングベルト7に対して所定の張りを与える状態で配設されている。駆動プーリ8は、主走査モータ10によって回転駆動されることで、その回転方向に応じて、タイミングベルト7を主走査方向に回転移動させる。
キャリッジ6は、タイミングベルト7に連結されており、タイミングベルト7が駆動プーリ8によって主走査方向に回転移動されることで、主ガイドロッド4に沿って主走査方向に往復移動する。
画像形成装置1は、本体筐体2内の主走査方向両端部位置に、カートリッジ部11と維持機構部12が収納されており、カートリッジ部11は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各インクをそれぞれ収納するカートリッジが、交換可能に収納されている。カートリッジ部11の各カートリッジは、キャリッジ6が搭載する記録ヘッド20の対応する色の記録ヘッド20y、20m、20c、20k(図2参照)と、図示しないパイプで連結されている。カートリッジは、パイプを通して記録ヘッド20y、20m、20c、20kに対してインクを供給する。なお、以下の説明において、記録ヘッド20y、20m、20c、20kを総称するときには、記録ヘッド20という。
画像形成装置1は、後述するように、キャリッジ6を主走査方向に移動させながら、プラテン14(図2参照)上を、主走査方向と直交する副走査方向(図1の矢印B方向)に間欠的に搬送される記録媒体Pにインクを吐出することで、記録媒体Pに画像を記録出力する。
すなわち、本実施例の画像形成装置1は、記録媒体Pを副走査方向に間欠的に搬送し、記録媒体Pの副走査方向の搬送が停止している間に、キャリッジ6を主走査方向に移動させながら、キャリッジ6に搭載された記録ヘッド20のノズル列からプラテン14上の記録媒体P上にインクを吐出して、記録媒体Pに画像を形成する。
維持機構部12は、記録ヘッド20の吐出面の清掃、キャッピング、不要なインクの吐出等を行って、記録ヘッド20からの不要なインクの排出や、記録ヘッド20の信頼性の維持を図っている。
画像形成装置1は、記録媒体Pの搬送部分を開閉可能に、カバー13が設けられており、画像形成装置1のメンテナンス時やジャム発生時に、カバー13を開けることで、本体筐体2内部のメンテナンス作業やジャム記録媒体Pの除去等の作業を行うことができる。
キャリッジ6は、図2に示すように、記録ヘッド20y、20m、20c、20kを搭載している。記録ヘッド20y、20m、20c、20kは、それぞれ上記カートリッジ部11の対応する色のカートリッジにパイプで連結されて、それぞれ対応する色のインクを、対向する記録媒体Pに吐出する。すなわち、記録ヘッド20yは、イエロー(Y)インクを、記録ヘッド20mは、マゼンタ(M)インクを、記録ヘッド20cは、シアン(C)インクを、記録ヘッド20kは、ブラック(K)インクを、それぞれ吐出する。
記録ヘッド20は、その吐出面(ノズル面)が、図1の下方(記録媒体P側)に向くように、キャリッジ6に搭載されており、記録媒体Pにインクを吐出する。
画像形成装置1は、タイミングベルト7、すなわち、主ガイドロッド4に平行に、少なくともキャリッジ6の移動範囲に亘ってエンコーダシート15が配設されている。一方、キャリッジ6には、エンコーダシート15を読み取るエンコーダセンサ21が取り付けられている。画像形成装置1は、エンコーダセンサ21によるエンコーダシート15の読み取り結果に基づいて主走査モータ10の駆動を制御することで、キャリッジ6の主走査方向の移動を制御する。
キャリッジ6に搭載されている記録ヘッド20は、図3に示すように、それぞれの記録ヘッド20y、20m、20c、20kが、複数のノズル列で構成されている。記録ヘッド20は、プラテン14上を搬送される記録媒体P上にノズル列からインクを吐出することで、記録媒体Pに画像を形成する。画像形成装置1では、キャリッジ6の1回の走査で記録媒体Pに形成できる画像の幅を広く確保するため、キャリッジ6に、上流側の記録ヘッド20と下流側の記録ヘッド20とを搭載している。また、ブラックのインクを吐出する記録ヘッド20kは、黒の印字速度を向上させるために、カラーのインクを吐出する記録ヘッド20y、6m、6cの2倍の数がキャリッジ6に搭載されている。さらに、記録ヘッド20y、6mは、キャリッジ6の往復動作で色の重ね順を合わせて、往路と復路とで色が変わらないようにするために、主走査方向に分割されて隣接する状態で配置されている。なお、記録ヘッド20の各記録ヘッド20y、20m、20c、20kの配置は、図3に示す配置に限るものではない。
キャリッジ6には、図2に示したように、撮像ユニット30が取り付けられており、撮像ユニット30は、後述する色調整処理時に被写体(測色対象物)を測色するために、被写体を撮像する。
撮像ユニット30は、平面図である図4、図4のA−A矢視断面図である図5及び図5のB−B矢視断面図である図6に示すように、基板31に、基板31側の面が開放されている四角の箱形状の筐体32が、締結部材33によって固定されている。
基板31は、図1に示したキャリッジ6に固定されている。なお、筐体32は、四角の箱形状に限るものではなく、例えば、開口部32b、32cの形成されている底面部32aを有する円筒形状や楕円筒形状等であってもよい。
撮像ユニット30は、基板31の筐体32側の面であってその中央部に、イメージセンサ部34が配設されており、イメージセンサ部(センサ手段)34は、CCD(Charge Coupled Device )センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )センサ等の2次元イメージセンサ35とレンズ36を備えている。
撮像ユニット30は、筐体32が、その基板31とは反対側の面部(以下、底面部という。)32aの下面が、所定の間隔dを有してプラテン14上の記録媒体Pと対向する状態で、キャリッジ6に取り付けられている。底面部(対向面)32aには、中心線Loを中心として、主走査方向にそれぞれ略長方形状の開口部32bと開口部32cが、所定幅の底面部32aを挟んで並んで形成されている。間隙dは、後述するように、2次元イメージセンサ35に対する焦点距離を考慮して、小さい方が好ましいが、記録媒体Pの平面性との関係から、筐体32の下面と記録媒体Pとが接触しない大きさ、例えば、1mm〜2mm程度に設定されている。なお、この開口部32bと開口部32cの間の底面分32aは、後述する照明光源37からの正反射光を吸収する所定の表面処理等が施されていてもよい。
筐体32は、その底面部32a側の外側面に、開口部32bと開口部32cの双方を含む状態で凹部32dが形成されており、この凹部32dよりもさらに筐体32の外側面側に凹部32dよりも大きな凹部32eが形成されている。
凹部32bに、開口部32bと開口部32cの双方を覆う状態で基準チャート板(板状部材)38が着脱可能に嵌め込まれており、この基準チャート板38を覆って保持する状態で、保持板39が凹部32eに着脱可能に嵌め込まれている。
開口部32b及び開口部32cは、基準チャート板38と保持板39によって塞がれた状態となっている。基準チャート板38の開口部32cに対向する位置には、図5及び図6に示すように、撮像ユニット30の移動方向に所定幅を有し、該移動方向と直交する方向に所定長さをするスリット(開口部)38aが形成されている。また、保持板39には、該スリット38aに対応する位置に該スリット38aよりも大きな開口部39aが形成されている。
スリット38aは、後述するように、記録媒体Pに形成されている撮像対象(被写体)である基準シートKS(図12参照)の基準色パッチKP(図12参照)及び測色調整シートCS(図5、図15参照)の測色調整色パッチCP(図5、図15参照)を撮像するのに用いられる。スリット38aは、少なくとも、撮像対象のパッチ画像を全て撮像可能な大きさであればよいが、筐体32と撮像対象との間に間隙dがあるため、スリット38aの周辺に発生する影を考慮して、撮像対象の撮像領域の大きさよりも若干大きめに形成されている。
この基準チャート板38の筐体32側の面であって、スリット38aの周囲には、図6に示すように、反射抑制部(反射抑制手段)40が設けられており、反射抑制部40は、本実施例の画像形成装置1では、所定幅の黒色に施されていることで、反射を抑制している。なお、基準チャート板38は、開口部32cに面している部分であって、黒色に施されている反射抑制部40以外の部分が、反射率の少ない色、例えば、グレー色(灰色)に施されていてもよい。また、このグレー色のデータ値は、基準チャートKCの色のカラーデータの最大値を超えるカラーデータ値であってもよい。
そして、基準チャート板38は、その筐体32の内方側の面であって、開口部32bに対向する位置に、基準チャートKCが形成されている。
基準チャートKCは、上記基準シートKSの基準色パッチKP及び色調整処理における撮像対象である測色調整シートCSの測色調整色パッチCPの撮像測色値との比較対象として、撮像ユニット30により基準色パッチKPや測色調整色パッチCPと一緒に撮影される。すなわち、撮像ユニット30は、筐体32の底面部32aに設けられた開口部32cのスリット38aを通して筐体32の外部に位置する基準シートKSの基準色パッチKPや測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを撮像する。そして、撮像ユニット30は、これらの基準色パッチKPや測色調整色パッチCPの撮像とともに、筐体32の底面部32aの開口部32bに位置する基準チャートKC上の色パッチを、比較対象として撮像する。
なお、撮像ユニット30は、2次元イメージセンサ35が画素を順次走査して画像を読み取る。したがって、厳密には、基準シートKSの基準色パッチKPや測色調整シートCSの測色調整色パッチCPと基準チャートKCを一緒には読み取らないが、1フレーム内に基準色パッチKPや測色調整色パッチCPと基準チャートKCの画像を取得することができることから、適宜、「ともに取得」または「一緒に取得」と表現する。
この基準チャートKCは、その筐体32内部側の面(上面)に、図7に示すように、測色用の複数の基準色パッチ列Pa〜Pd、ドット径計測用パターン列Pe、距離計測用ラインlk及びチャート位置特定用マーカmkが形成されている。
測色用のパッチ列Pa〜Pdは、YMCの1次色の色パッチを階調順に配列したパッチ列Paと、RGBの2次色の色パッチを階調順に配列したパッチ列Paと、グレースケールのパッチを階調順に配列したパッチ列(無彩色の階調パターン)Pcと、3次色のパッチを配列したパッチ列Pdと、がある。ドット径計測用パターン列Peは、大きさが異なる円形パターンを大きさ順に配列された幾何学形状測定用のパターン列である。
距離計測用ラインlkは、測色用のパッチ列Pa〜Pdやドット径計測用パターン列Peを囲む矩形の枠線として形成されている。チャート位置特定用マーカmkは、距離計測用ラインlkの四隅の位置に設けられていて、各パッチ位置を特定するためのマーカである。
後述する測色制御部106(図8及び図9参照)は、撮像ユニット30から取得した基準チャートKCの画像データから距離計測用ラインlkとその四隅のチャート位置特定用マーカmkを特定することで、基準チャートKCの位置及び各パターンの位置を特定する。
測色用の基準色パッチ列Pa〜Pdを構成する各パッチは、後述する基準チャートKCの基準パッチKPと同様に、分光器BS(図10参照)を用いて、標準色空間であるL*a*b*色空間における表色値(L*a*b*値)が予め計測されている。これらの各パッチは、後述する測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを測色する際の基準値となる。
なお、基準チャートKCに配置されている測色用のパッチ列Pa〜Pdの構成は、図7に示す配置例に限定されるものではなく、任意のパッチ列を用いることができる。例えば、パッチ列Pa〜Pdは、可能な限り色範囲を広く特定することのできるパッチを用いてもよいし、YMCKの1次色のパッチ列Paや、グレースケールのパッチ列Pcは、画像形成装置1に使用されるインクの測色値のパッチで構成されていてもよい。また、基準チャートKCのRGBの2次色パッチ列Paは、画像形成装置1で使用されるインクで発色可能な測色値のパッチで構成されていてもよく、さらに、JapanColor等の測色値が定められた基準色票を用いてもよい。
この基準チャートKCの形成されている基準チャート板38は、筐体32の底面部32aに形成されている開口部32b及び開口部32cの記録媒体P側の面の外周に形成されている凹部32dに配設されている。したがって、基準チャートKCは、記録媒体P等の撮像対象と同様の焦点距離で、イメージセンサ部34の2次元イメージセンサ35によって撮像される。
また、基準チャートKCは、筐体32の底面部32aに形成されている開口部32b及び開口部32cの記録媒体P側の面の外周に形成されている凹部32dに、着脱可能にセットされている。また、基準チャートKCは、該凹部32dよりも外側の凹部32eに着脱可能に嵌め込まれている保持板39によって着脱可能に保持されている。したがって、筐体32内に侵入したゴミ等が基準チャートKC表面に付着しても、保持板32eと基準チャート板38を取り外して、基準チャート板38の基準チャートKC側の面を清浄に清掃することができる。そして、基準チャート板38は、清掃後に、再度、取り付けることができ、基準チャートKCの測定精度を向上させることができる。
再び、図4から図6に戻って説明する。撮像ユニット30は、図4に示すように、イメージセンサ部34の中心を通る副走査方向の中心線Lo上であって、イメージセンサ部34の中心からそれぞれ副走査方向に所定量だけ等間隔で離れた位置の基板31に、1対の照明光源37が配設されている。照明光源37としては、LED(Light Emitting Diode)等が用いられている。
さらに、撮像ユニット30は、撮像領域の開口部32cと基準チャートKCの配置条件が、レンズ36の中心と照明光源37を結ぶ中心線Loに対して、略対称に配置されている。したがって、撮像ユニット30は、2次元イメージセンサ35の撮像条件を線対称で同一にすることができ、基準チャートKCを用いた2次元イメージセンサ35の色調整処理や測色処理の精度を向上させることができる。
そして、レンズ36は、被写体と基準チャートKCから2次元イメージセンサ35への反射光の光路中に配設されており、該反射光を該2次元イメージセンサ35に集光させる。レンズ36は、1枚の結像レンズが用いられていてもよいし、複数枚のレンズが組み合わされて用いられていてもよい。
また、筐体32は、該筐体32内の開口部32cを塞ぐ状態で、底面部32a上に光路長変更部材50が配設されており、光路長変更部材50は、開口部32cの周囲の筐体32上に固定または保持されている。
光路長変更部材50は、屈折率nを有して、光透過方向に長さ(以下、光路長変更部材の長さという。)Lpを有した光透過部材が用いられており、屈折率nと光透過方向の長さLpによって、次式(1)で決定される光路長変更量(画像の浮き上がり量)Cを有している。
C=Lp(1−1/n)・・・(1)
そして、記録媒体Pの撮像面からイメージセンサ部34の2次元イメージセンサ35への光路長(焦点距離)Lは、次式(2)で与えられる。
L=Lt+Lp(1−1/n)・・・(2)
ここで、Ltは、レンズ36の撮像対象側の頂部と記録媒体Pの撮像面との間の距離である。
そして、撮像ユニット30は、記録媒体Pの撮像面から2次元イメージセンサ35への光路長(焦点距離)Lと基準チャートKCから2次元イメージセンサ35への光路長(焦点距離)が一致するように、光路長変更部材50の屈折率nと長さLpが設定されている。このように設定することで、イメージセンサ部34の2次元イメージセンサ35に対する基準チャートKCの焦点位置と被写体(撮像面)の焦点位置を一致させることができる。
また、撮像ユニット30は、光路長変更部材50及び開口部32cのスリット38aを通して記録媒体Pの撮像面に照射する照明光と、基準チャートKCを照射する照明光とは、同一の照明光源37からの照明光である。したがって、撮像ユニット30は、同じ照明条件で基準チャートKCと記録媒体Pの撮像面を一緒に撮像することができる。また、照明光源37は、基準チャートKCと記録媒体Pの略中間位置である中心線Lo上に配置され、かつ、レンズ36に対して中心線Lo上において対象に2個配置されている。したがって、撮像ユニット30は、基準チャートKCと記録媒体Pの撮像領域を略同じ照明条件で、均一に照明することができる。
さらに、撮像ユニット30は、撮像領域の開口部32cのスリット38aと基準チャートKCの配置条件が、レンズ36の中心と照明光源37を結ぶ中心線Loに対して、略対称に配置されている。したがって、撮像ユニット30は、2次元イメージセンサ35の撮像条件を線対称で同一にすることができ、基準チャートKCを用いた2次元イメージセンサ35の色調整処理や測色処理の精度を向上させることができる。
そして、本実施例の画像形成装置1は、図8に示すようにブロック構成されており、CPU(Central Processing Unit )101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、主走査ドライバ104、記録ヘッドドライバ105、測色制御部106、紙搬送部107及び副走査ドライバ108等を備えているとともに、上述のようにキャリッジ6に搭載されている記録ヘッド20、エンコーダセンサ21及び撮像ユニット30等を備えている。
ROM102は、画像形成装置1としての基本プログラム及び色調整処理プログラム等のプログラム及び必要なシステムデータ等を記憶する。
CPU101は、ROM102内のプログラムに基づいて、RAM103をワークメモリとして利用しつつ、画像形成装置1の各部を制御して、画像形成装置1としての基本処理を実行する。また、CPU101は、撮像ユニット30が撮像したRGB値に基づいて、測色制御部106での測色処理で求められた測色値に基づいて、画像形成時における色調整処理を実行する。
CPU101は、キャリッジ6及び紙搬送部107の制御においては、エンコーダセンサ21からのエンコーダ値に基づいて主走査ドライバ104の駆動を制御して、キャリッジ6の主走査方向の移動を制御する。また、CPU101は、副走査ドライバ108を介して、図示しない副走査モータや搬送ローラ等の紙搬送部107の駆動を制御する。さらに、CPU101は、記録ヘッドドライバ105を介して、記録ヘッド20によるインクの吐出タイミング及びインク吐出量を制御する。
撮像ユニット30は、上述したように、画像を記録出力する際の画像データの色を、ユーザの意図する色に正確に再現する色調整用の測色値を生成するために、後述するように、測色時に記録媒体Pに記録ヘッド20によって形成された測色調整色パッチCPを撮像して、撮像したRGB値をCPU101に出力する。
そして、撮像ユニット30及び測色制御部106は、図9に示すようにブロック構成されている。撮像ユニット30は、上記照明光源37、イメージセンサ部34を備えているとともに、画像処理部110及びインターフェイス部120等を備えている。画像処理部110は、黒レベル補正回路111、A/D変換部112、シェーディング補正部113、ホワイトバランス補正部114、γ補正部115及び画像フォーマット変換部116を備えている。この撮像ユニット30及び測色制御部106は、全体として、測色装置として機能している。
撮像ユニット30は、イメージセンサ部34が被写体と基準チャートKCを一緒に撮像したアナログのRGB画像データを画像処理部110に出力する。画像処理部110は、イメージセンサ部34から送られてくるアナログのRGB画像データに対して必要な画像処理を施して測色制御部106に出力する。
黒レベル補正回路111は、イメージセンサ部34の出力するアナログの画像信号が、図示しない交流結合コンデンサを介して入力される。黒レベル補正回路111は、イメージセンサ部34がスリット38aの周辺に形成されている反射抑制部40の黒色を読み取ったときの画像信号を、黒オフセットレベルとして所定の電位にクランプし、適当なオフセット電圧を印加して、サンプルホールドする。黒レベル補正回路111は、画像信号をサンプルパルスによってサンプリングして保持することによって画像信号を連続したアナログ信号にした後、各色信号の画素の出力を一定レベル、特に、A/D変換部112の基準電圧のレベルに増幅して、A/D変換部112に出力する。
すなわち、黒レベル補正回路111は、反射抑制部40の黒色をラインクランプすることで、黒オフセットレベルを所定の電位にクランプして、A/D変換部112でのデジタル変換後の反射抑制部40の出力を、ほぼ狙いの黒オフセットレベルとしている。
A/D変換部112は、黒レベル補正回路111から入力されるアナログの画像信号を基準電圧と比較して、例えば、8bitのデジタルデータに変換し、シェーディング補正部113に出力する。
シェーディング補正部113は、A/D変換部112からのRGB画像データに対して、イメージセンサ部34の撮像範囲に対する照明光源37からの照明光の照度ムラに起因する画像データの誤差の補正を行って、ホワイトバランス補正部114に出力する。
ホワイトバランス補正部114は、シェーディング補正後のRGB画像データに対してホワイトバランスを補正して、γ補正部115に出力する。
γ補正部115は、ホワイトバランス補正部114から入力される画像データに対して、イメージセンサ部34の感度のリニアリティを補償するように補正して、画像フォーマット変換部116に出力する。
画像フォーマット変換部116は、γ補正後の画像データを任意のフォーマットに変換して、インターフェイス部120を介して測色制御部106に出力する。
インターフェイス部120は、測色制御部106から送られた各種設定信号、タイミング信号及び光源駆動信号を撮像ユニット30が取得し、また、撮像ユニット30から測色制御部106へ画像データを送るためのインターフェイスである。
そして、シェーディング補正部113は、スリット38aの撮像領域に白色基準板を配置して、撮像ユニット30が、基準シートKSとともに該白色基準板を読み取ってシェーディング補正を行なってもよい。この場合、撮像ユニット30によって撮像された白基準板の画像データは、図10に示すように3次元的に表すことができる。なお、撮像ユニット30が出力する画像データはRGBの画像データであるが、図10では、1色分のみを示している。また、図10では、簡単のために、基準チャートKCに4つのパッチのみが形成されている場合の画像データを例示している。
シェーディング補正部113は、イメージセンサ部34から出力される画像データから、補正データのベースとなる所定色の周辺領域の画像データを抽出する。具体的には、シェーディング補正部113は、まず、シェーディング補正部113から出力される画像データから、予め記憶している領域(イメージセンサ部34の撮像範囲の所定の領域)の画像データを除去する。なお、図10において、底面部領域は、開口部32bと開口部32cとの間に位置する筐体32の底面部32aである。図10では、この底面部32aに、照明光源37からの照明光を拡散させる拡散処理が施されている場合が示されているが、拡散処理が施されていなくてもよい。
そして、シェーディング補正部113は、基準チャートKCのチャート位置特定用マーカmkなどを用いて、基準チャートKCに設けられている各パッチ(ドット径計測用パターン列Pe、距離計測用ラインlkも含む)の位置を特定する。シェーディング補正部113は、イメージセンサ部34から出力される画像データから、これら各パッチの領域の画像データを除去する。シェーディング補正部113は、基準チャート板38のスリット38aの周囲に設けられている黒色の反射抑制部40を検出する。イメージセンサ部34から出力される画像データから、この黒色の反射抑制部40及びその外側の領域の画像データを除去して、白基準板の画像データを取得する。また、シェーディング補正部113は、基準チャートKCの所定色の領域のみからなる周辺領域の画像データを、図11に示すように、抽出する。なお、シェーディング補正部113は、イメージセンサ部34から出力される撮像範囲全ての領域の画像データを所定の閾値と比較し、画像データが閾値以下の領域を除去することで、周辺領域の画像データを抽出するようにしてもよい。
シェーディング補正部113は、抽出した周辺領域の画像データに基づいて、基準チャートKCの各パッチの領域、反射抑制部40及びその内側の白基準板の画像データを補間してシェーディング補正データを生成する。具体的には、シェーディング補正部113は、例えば、抽出した周辺領域の画像データを低次(2〜3次程度)の多項式で近似した近似式を求め、この近似式を基準チャートKCの各パッチの領域、黒色の反射抑制部40及びその内側の領域(白基準板)に当てはめて、これらの領域の画像データを補間する。また、シェーディング補正部113は、例えば、2次元のスプライン補間等を用いて、基準チャートKCの各パッチの領域、反射抑制部40及びその内側の白基準板領域の画像データを補間するようにしてもよい。
そして、シェーディング補正部113は、画像データの補間により、図11に示すようなシェーディング補正データを生成し、内部記憶部に格納する。シェーディング補正部113は、基準色パッチKPの撮像時、測色シートCSの撮像時及び被写体の撮像時に、該内部記憶部のシェーディング補正データを用いてイメージセンサ部34の出力する画像データのシェーディング補正を行う。
なお、上記説明では、イメージセンサ部34から出力される画像データから、基準チャートKCに設けられている各パッチの領域の画像データを除去して、周辺領域の画像データを抽出している。しかし、基準チャートKCに設けられている各パッチ間の間隔が狭く、パッチ間の領域の画像データを適切に抽出できない場合には、イメージセンサ部34から出力される画像データから、距離計測用ラインlkによって囲まれた基準チャートKC全体の領域の画像データを除去して、周辺領域の画像データを抽出してもよい。
このように、被写体として白基準板を撮像することで、正確にかつ容易にシェーディング補正を行うことができる。
また、スリット38aの周囲に黒色の反射抑制部40を設け、この黒色の反射抑制部40を読み取ることで、黒レベル補正回路111による黒基準補正を容易かつ適切に行うことができる。
さらに、シェーディング補正部113が、イメージセンサ部34から出力される画像データのうち、白基準板周辺の画像データを除外した白基準板のみの画像データを用いてシェーディング補正に用いる補正データを生成している。したがって、精度の高い補正データを取得することができ、シェーディング補正の補正精度を向上させることができる。
測色制御部(算出手段)106は、フレームメモリ121、タイミング信号発生部122、光源駆動制御部123、演算部124及び不揮発性メモリ125を備えており、演算部124は、測色値算出部126を備えている。
フレームメモリ121は、撮像ユニット30から送られてきた画像データを一時的に記憶するメモリであり、保管した画像データを演算部124に出力する。
不揮発性メモリ125は、図12に示すように、分光器(測色装置)BSによって、基準シートKSに配列形成されている複数の基準色パッチKPの測色結果の測色値であるL*a*b*値とXYZ値のうち、少なくともいずれか(図12では、L*a*b*値とXYZ値の双方)が、基準測色値として、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1にパッチ番号に対応して格納されている。
さらに、画像形成装置1は、メモリテーブルTb1に基準測色値が不揮発性メモリ125に格納されている状態で、かつ、画像形成装置1の初期状態において、上記基準シートKSを画像形成装置1のプラテン14上にセットする。画像形成装置1は、キャリッジ6の移動を制御して撮像ユニット30によって基準シートKSのうち、分光器BSで読み取ったのと同じ基準パッチKPを読み取った撮像基準RGB値を、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1に、パッチ番号に対応させて、すなわち、基準測色値に対応させて格納する。さらに、画像形成装置1は、撮像ユニット30の基準チャートKCの各パッチを、該基準シートKSとともに撮像してRGB値を取得する。画像形成装置1は、該基準チャートKCの各パッチのRGB値を初期基準RGB値RdGdBdとして、演算部124の制御下で不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1に格納する。
画像形成装置1は、基準測色値と撮像基準RGB値及び初期基準RGB値RdGdBdを不揮発性メモリ125に格納すると、測色値算出部126が、不揮発性メモリ125に格納されている基準測色値のXYZ値と撮像基準RGB値の対、すなわち、同じパッチ番号のXYZ値と撮像基準RGB値の対に対して、相互に変換する基準値線形変換マトリックスを算出して、算出した基準値線形変換マトリックスを不揮発性メモリ125に格納する。
画像形成装置1においては、上記処理を画像形成装置1の初期状態で実行して、実行結果である基準測色値と撮像基準RGB値及び初期基準RGB値RdGdBdを不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1に登録した後、基準値線形変換マトリックスを算出して、不揮発性メモリ125に格納する。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、後述するように、色調整処理時に、経時変化等している記録ヘッド20によって記録媒体Pに形成された被写体としての測色調整色パッチCPと筐体32の内部に配置された基準チャートKCとをイメージセンサ部34で一緒に撮像して、測色調整色パッチCP及び基準チャートKCを含む画像データを測色制御部106に出力する。測色制御部106は、撮像ユニット30から取得した色調整処理時にイメージセンサ部34が撮像した測色調整色パッチCPを、基準シートKSの基準色パッチ(以下、初期基準色パッチという。)を撮像ユニット30で読み取ったときに、一緒に読み取って記憶した基準チャートKCのパッチPa〜Peの初期基準RGB値RdGdBdに変換した後に、該初期基準RGB値RdGdBdに対して、測色調整色パッチCPのうち線形性を有する部分を取り出して線形変換して測色値を求める測色処理を行なう。
すなわち、演算部124は、測色制御部106の動作を制御するとともに、測色値算出部126が、測色処理を実行して、測色処理の処理結果である測色値をCPU101に出力する。CPU101は、該測色値を用いて画像データを色調整処理して、色調整処理した画像データに基づいて記録ヘッド20を制御することで、色再現性を向上させた状態で画像形成する。
タイミング信号発生部122は、撮像ユニット30のイメージセンサ部34による撮像のタイミングを制御するタイミング信号を発生して、撮像ユニット30に供給する。
光源駆動制御部123は、撮像ユニット30の照明光源37を駆動するための光源駆動信号を生成して、撮像ユニット30に供給する。
そして、上記撮像ユニット30と測色制御部106は、全体として、測色装置として機能している。
本実施例の画像形成装置1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )(登録商標)、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Versatile Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本実施例の測色方法を実行する測色プログラムを読み込んでROM102または不揮発性メモリ125等に導入することで、照明光源37の被写体への照明光の反射による影響を防止しつつ、被写体と基準チャートを常に安定した位置関係で精度よく撮像する測色方法を実行する測色ユニットを備えた測色装置を搭載する画像形成装置1として構築されている。この測色プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置1は、被写体周辺の乱反射の影響を受けることなく、被写体の撮像品質を向上させる。
本実施例の画像形成装置1は、図12に示したように、基準シートKSに配列形成されている複数の基準色パッチの分光器BSによる測色結果を、L*a*b*値とXYZ値のうち、少なくともいずれかが、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1にパッチ番号に対応して基準測色値として格納されている。
また、画像形成装置1は、メモリテーブルTb1に基準測色値が不揮発性メモリ125に格納されている状態であって、画像形成装置1が製造またはオバーフォール等によって初期状態のときに、基準シートKSが画像形成装置1のプラテン14上にセットされる。画像形成装置1は、キャリッジ6の移動を制御して撮像ユニット30によって該基準シートKSの分光器BSで読み取ったのと同じ基準パッチを撮像する。また、画像形成装置1は、基準シートKSの該基準パッチとともに、図12に示すように、筐体32の内部に配置された基準チャートKCの各パッチ(初期基準色パッチ)を撮像する。
画像形成装置1は、上記基準シートKSの基準パッチを撮像した画像データを画像処理部110で処理したRGB値である撮像基準RGB値、すなわち、デバイスに依存するデバイス依存信号を、測色制御部106の演算部124が、図12に示したように、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1に、パッチ番号に対応させて、すなわち、基準測色値に対応させて格納する。演算部124は、さらに、基準チャートKCの初期基準色パッチを読み取って画像処理部110で処理したRGB値である初期基準RGB値RdGdBdを、図13(a)に示すように、不揮発性メモリ125に格納する。
なお、演算部124は、撮像ユニット30が読み取った基準チャートKCの初期基準色バッチの画像データのうち、スリット38aを通して撮像される撮像領域の所定領域、例えば、図14に破線で示す領域(測色対象領域)毎に平均値を算出して、初期基準RGB値RdGdBdとしている。このように測色対象領域の多数の画素を平均化して初期基準RGB値RdGdBdを算出すると、ノイズの影響を低減させることができるとともに、bit分解能を向上させることができる。また、図13(b)は、初期基準RGB値RdGdBdをプロットした散布図である。図13(a)は、初期基準RGB値RdGdBdをL*a*b*値に変換した基準L*a*b*値Ldadbd及びXYZ値に変換した基準XYZ値xdydzdも不揮発性メモリ125に登録されている状態を示している。
画像形成装置1は、基準測色値と撮像基準RGB値及び初期基準RGB値RdGdBdを不揮発性メモリ125に格納すると、演算部124の測色値算出部126が、基準値線形変換マトリックスを算出して、不揮発性メモリ125に格納する。すなわち、測色値算出部126は、不揮発性メモリ125に格納されている基準測色値のXYZ値と撮像基準RGB値の対、すなわち、同じパッチ番号のXYZ値と撮像基準RGB値の対に対して、相互に変換する基準値線形変換マトリックスを算出して、不揮発性メモリ125に格納する。
この状態で、画像形成装置1は、外部から入力される画像データや印刷設定等に基づいて、CPU101が、キャリッジ6の主走査移動制御、紙搬送部107による記録媒体Pの搬送制御及び記録ヘッド20の駆動制御を行って、記録媒体Pを間欠的に搬送させつつ、記録ヘッド20の各記録ヘッド20y、20m、20c、20kからのインク吐出を制御して、画像を記録媒体Pに記録出力する。
このとき、記録ヘッド20y、20m、20c、20kからのインクの吐出量が、機器固有の特性や経時変化等によって変化することがある。画像形成装置1は、このインクの吐出量が変化すると、ユーザが意図する画像の色とは異なった色で画像形成されることとなって、色再現性が劣化する。
そこで、画像形成装置1は、所定の色調整処理タイミングで、測色値を求めて該測色値に基づいて色調整を行なう色調整処理を実行する。
すなわち、画像形成装置1は、色調整処理タイミングになると、複数の色パッチ(測色調整色パッチ)CPを、図15に示すように、記録ヘッド20によって記録媒体Pに形成して測色調整シートCSとして記録出力する。この測色調整シートCSは、複数の測色調整用の色パッチである測色調整色パッチCPが、記録ヘッド20によって形成出力されたものである。測色調整シートCSは、画像形成装置1の色調整処理タイミングにおける出力特性、特に、記録ヘッド20の出力特性を反映した測色調整色パッチCPが形成されている。なお、測色調整色パッチCPの色パッチデータは、予め不揮発性メモリ125等に格納されている。
そして、画像形成装置1は、後述するように、この測色調整シートCSの複数の測色調整色パッチCPを撮像したRGB値を測色対象RGB値(測色用RGB値)として、この測色対象RGB値を初期基準RGB値RdGdBdに変換する。画像形成装置1は、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1に登録されている基準測色値のうち、該初期基準RGB値RdGdBdを変換した測色値に対して距離的に近い基準測色値(近傍基準測色値)を選択する。画像形成装置1は、測色対象RGB値を、選択した近傍基準測色値に変換する測色値を求め、該測色値に基づいて色変換を行った後の画像データに基づいて、記録ヘッド20によって画像を出力する。画像形成装置1は、このようにすることで、形成画像の色再現性を向上させる。
そこで、画像形成装置1は、図15に示すように測色処理を行う。すなわち、画像処理装置1は、上記測色調整シートCSがプラテン14上にセットされるか、測色調整シートCSを記録した段階で排紙することなくプラテン14上に保持した状態とする。画像形成装置1は、このプラテン14上の測色調整シートCSにおける複数の測色調整色パッチCPを、キャリッジ6の移動を制御して撮像ユニット30によって撮像すると一緒に、撮像ユニット30によって基準チャートKCのパッチを撮像する。画像形成装置1は、測色調整シートCSの測色調整色パッチCPと基準チャートKCのパッチを撮像ユニット30によって一緒に撮像すると、撮像ユニット30の画像処理部110で、測色調整シートCSの測色調整色パッチCPの画像データと基準チャートKCのパッチの画像データに対して、必要な画像処理を行う。画像処理部110は、測色調整シートCSの測色調整色パッチCPの画像データ(RGB値)を測色対象RGB値、すなわち、デバイスに依存するデバイス依存信号として測色制御部106に送る。また、画像処理部110は、基準チャートKCのパッチの画像データ(RGB値)を、測色時基準RGB値RdsGdsBdsとして、測色制御部106に送る。測色制御部106は、図15に示すように、これら測色対象RGB値及び測色時基準RGB値RdsGdsBdsをフレームメモリ121に一時保管する(ステップS11)。
測色制御部106は、演算部124の測色値算出部126が、フレームメモリ121に保管された測色対象RGB値を、後述する基準RGB間線形変換マトリックスを用いて、初期化測色対象RGB値RsGsBsに変換する(ステップS12、S13)。
測色制御部106の演算部124は、変換した初期化測色対象RGB値RsGsBsを、測色対象RGB値として(ステップS14)、後述する基本測色処理を実行して、L*a*b*測色値を取得する(ステップS15)。
そして、本実施例の画像形成装置1は、演算部124の測色値算出部126が、上記基準RGB間線形変換マトリックスを、図16及び図17に示すように処理することで求める。
すなわち、演算部124の測色値算出部126は、図16に示すように、初期時に撮像ユニット30で基準シートKSの基準色パッチKPを撮像したときに一緒に基準チャートKCのパッチを撮像して不揮発性メモリ125に格納されている初期基準RGB値RdGdBdと、測色時に撮像ユニット30で測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを撮像したときに、一緒に、基準チャートKCのパッチを撮像して不揮発性メモリ125に格納されている測色時基準RGB値RdsGdsBdsを、不揮発性メモリ125から読み出する。測色値算出部126は、測色時基準RGB値RdsGdsBdsを初期基準RGB値RdGdBdに変換する基準RGB間線形変換マトリックスを求め、求めた基準RGB間線形変換マトリックスを不揮発性メモリ125に格納する。
すなわち、図17において、図17(a)に白抜き点で示されている点が初期基準RGB値RdGdBdをrgb空間でプロットした点であり、塗りつぶし点が、測色時基準RGB値RdsGdsBdsをrgb空間でプロットした点である。図17(a)から分かるように、測色時基準RGB値RdsGdsBdsの値が初期基準RGB値RdGdBdの値から変動している。これらのrgb空間上での変動方向は、図17(b)に矢印で示すように、概ね同じであるが、色相によってずれの方向が異なる。このように同じ基準チャートKCのパッチを撮像してもRGB値が変動する原因としては、照明光源37の経時変化、2次元イメージセンサ35の経時変化等がある。
このように、同じ基準チャートKCのパッチを撮像したときに変動している状態で、測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを撮像したときの測色対象RGB値を用いて測色値を求めると、変動分だけ測色値に誤差が発生するおそれがある。
そこで、本実施例の画像形成装置1は、初期基準RGB値RdGdBdと、測色時基準RGB値RdsGdsBdsとの間で最小2乗法等の推定法を用いて、測色時基準RGB値RdsGdsBdsを初期基準RGB値RdGdBdに変換する基準RGB間線形変換マトリックスを求める。画像形成装置1は、この基準RGB間線形変換マトリックスを用いて、撮像ユニット30で測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを撮像して不揮発性メモリ125に格納されている測色対象RGB値を、初期化測色対象RGB値RsGsBsに変換する。画像形成装置1は、変換した初期化測色対象RGB値RsGsBsを、測色対象RGB値として、後述する基本測色処理を実行して、L*a*b*測色値を取得する。
この基準RGB間線形変換マトリックスは、1次だけでなく、さらに高次の非線形マトリックスであってもよく、rgb空間とXYZ空間間で非線形性が高い場合には、高次のマトリックスとすることで、変換精度を向上させることができる。
そして、上記撮像ユニット30は、被写体としての基準シートKSの基準色パッチKPと測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを、底面部32aに形成されている開口部32cを通して撮像する。撮像ユニット30は、このとき、一緒に、筐体32の底面部32aの開口部32bに配置されている基準シートKSのパッチを撮像する。したがって、撮像ユニット30は、常に、同じ位置関係で、基準シートKSのパッチを被写体としての基準シートKSの基準色パッチKPと測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを撮像することができ、安定した状態で撮像することができる。
さらに、撮像ユニット30は、開口部32cを通した被写体としての基準シートKSの基準色パッチKP及び測色調整シートCSの測色調整色パッチCPと2次元イメージセンサ35との光路中に光路長変更部材50が配設されている。この光路長変更部材50は、被写体である測色調整シートCSの測色調整色パッチCPからイメージセンサ部34への光路長(焦点距離)Lと基準チャートKCからイメージセンサ部34への光路長(焦点距離)Lcが一致するように、屈折率nと長さLpが設定されている。したがって、イメージセンサ部34に対する基準チャートKCの焦点位置と被写体(基準シートKSの基準色パッチKP及び測色調整シートCSの測色調整色パッチCP)の焦点位置を一致させることができる。その結果、基準シートKSの基準色パッチKPと測色調整シートCSの測色調整色パッチCPとこれらの比較対象である基準チャートKCを、常に、高精度にかつ同じ精度で安定して撮像することができる。
また、撮像ユニット30は、光路長変更部材50及びスリット38aを通して記録媒体Pの撮像面に照射する照明光と、基準チャートKCを照射する照明光とは、同一の照明光源37からの照明光である。したがって、撮像ユニット30は、同じ照明条件で基準チャートKCと記録媒体Pの撮像面を一緒に撮像することができる。また、照明光源37は、基準チャートKCと記録媒体Pの略中間位置である中心線Lo上に配置され、かつ、レンズ36に対して中心線Lo上において対象に2個配置されている。したがって、撮像ユニット30は、基準チャートKCと記録媒体Pの撮像領域を略同じ照明条件で、均一に照明することができる。
さらに、撮像ユニット30は、撮像領域のスリット38aと基準チャートKCの配置条件が、レンズ36の中心と照明光源37を結ぶ中心線Loに対して、略対称に配置されている。したがって、撮像ユニット30は、2次元イメージセンサ35の撮像条件を線対称で同一にすることができ、基準チャートKCを用いた2次元イメージセンサ35の色調整処理や測色処理の精度を向上させることができる。
また、撮像ユニット30は、スリット38aの周囲に、反射抑制部40が形成されている。したがって、撮像ユニット30は、測色対象へ照明光源37から照射される照明光の乱反射による影響を抑制しつつ撮像することができ、撮像品質を向上させて色調整処理や測色処理の精度をより一層向上させることができる。
さらに、上述のように、撮像ユニット30は、反射抑制部40が、黒色に施されている。したがって、撮像ユニット30は、照明光の乱反射による影響をより一層抑制することができるとともに、反射抑制部40の黒色を利用して、黒基準補正を容易かつ安価に行うことができる。
そして、画像形成装置1は、上述のようにして初期測色対象RGB値RsGsBsを求めて、測色対象RGB値とすると、図18及び図19に示すように基本測色処理を実行する。すなわち、画像形成装置1は、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1に登録されている基準測色値のうち、該測色対象RGB値に変換した測色値に対して距離的に近い近傍の基準測色値(近傍基準測色値)を選択して、測色対象RGB値を、選択した近傍基準測色値に変換する測色値を求める基本測色処理を実行する。画像形成装置1は、該測色値に基づいて色変換を行った後の画像データに基づいて、記録ヘッド20によって画像を出力することで、画像形成装置1による形成画像の色再現性を向上させる。
すなわち、画像形成装置1は、図18に示すように、測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを撮像して上述のように初期測色対象RGB値RsGsBsを求めて、測色対象RGB値として、不揮発性メモリ125に格納する(ステップS21)。画像形成装置1は、次に、上記基準値線形変換マトリックスを用いて(ステップS22)、第1XYZ値に変換して(ステップS23)、不揮発性メモリ125に格納する(ステップS24)。例えば、図18では、測色値算出部126は、撮像ユニット30の測色対象RGB値(3、200、5)を、(20、80、10)の第1XYZ値(第1測色値)に変換して、不揮発性メモリ125に格納している。
測色値算出部126は、第1XYZ値を、不揮発性メモリ125のメモリテーブルTb1を参照して、または、既知の変換式を用いて、第1L*a*b*値(第1測色値)に変換して(ステップS25)、不揮発性メモリ125に格納する(ステップS26)。例えば、図16では、測色値算出部126は、第1XYZ値(20、80、10)を、撮像測色値である第1L*a*b*値(75、−60、8)に変換している。
次に、測色値算出部126は、図18にL*a*b*空間で示すように、不揮発性メモリ125に格納されているメモリテーブルTb1に登録されている複数色の色パッチの基準測色値(L*a*b*値)を検索する。測色値算出部126は、該基準測色値(L*a*b*値)のうち、L*a*b*空間上において第1L*a*b*値に対して距離の近い色パッチ(近傍色パッチ)の組みを選択する(ステップS27)。例えば、図18のL*a*b*空間の図では、60個の色パッチを選択してL*a*b*空間上にプロットしている図が示されている。測色値算出部126は、距離の近いパッチを選択する方法としては、例えば、第1L*a*b*値と、複数の色パッチの基準測色値(L*a*b*値)における全点との距離を算出する。測色値算出部126は、距離を算出すると、第1測色値である第1L*a*b*値に対して距離の近い色パッチの基準L*a*b*値(図18では、ハッチングの施されている基準L*a*b*値)を選択する。
次に、測色値算出部126は、図19に示すように、メモリテーブルTb1を参照して、選択組の第1L*a*b*値と対になっている撮像基準RGB値、すなわち、選択組の第1L*a*b*と同じパッチ番号の撮像基準RGB値(選択RGB値)と基準XYZ値の組み合わせを選択する(ステップS28)。測色値算出部126は、選択した組み合わせ(選択組)の撮像基準RGBと基準XYZの組同士で変換するための選択RGB値線形変換マトリックスを、最小二乗法を用いて求める。測色値算出部126は、求めた選択RGB値線形変換マトリックスを不揮発性メモリ125に格納する(ステップS29)。
測色値算出部126は、測色対象である測色調整シートCSの各測色調整色パッチCPを撮像ユニット30で撮像してデジタル変換された測色対象RGB値を、該選択RGB値線形変換マトリックスを用いて第2測色値である第2XYZ値を求める(ステップS30)。測色値算出部126は、求めた第2XYZ値を既知の変換式を用いて第2L*a*b*値に変換して(ステップS31)、最終的な測色値として取得する(ステップS32)。
測色値算出部126は、この求めた測色値を用いて色変換を行った画像データに基づいて画像調整し、画像調整した画像データに基づいて記録ヘッド20を駆動させて画像形成する。
すなわち、本実施例の画像形成装置1は、色調整処理タイミングにおける記録ヘッド20の出力特性を反映している測色調整シートCSの複数の測色調整色パッチCPを撮像して取得したときの測色対象RGB値を、基準値線形変換マトリックスを用いて初期状態で基準シートKSを撮像したときの第1L*a*b*値を求める。画像形成装置1は、メモリテーブルTb1に登録されている複数色のパッチの基準L*a*b*のうち、L*a*b*空間上において第1L*a*b*値に対して距離の近い基準L*a*b*値とのパッチの組みを選択する。画像形成装置1は、選択した基準L*a*b*値に対応する測色対象RGB値を、選択RGB値線形変換マトリックスを用いてL*a*b*値に変換することで、L*a*b*測色値を求めている。そして、測色値算出部126は、この求めた測色値を用いて色変換を行った画像データに基づいて画像調整し、画像調整した画像データに基づいて記録ヘッド20を駆動させて画像形成する。
このように、本実施例の画像形成装置1の撮像ユニット30は、スリット(開口部)38aを有する筐体32と、スリット38aを通して該筐体32外部の被写体を撮像するイメージセンサ部(センサ手段)34と、筐体32内に配置され、被写体とともにイメージセンサ部34によって撮像される複数の色からなる基準チャートKCと、筐体32のスリット38aの周囲であってイメージセンサ部34側の面に設けられている反射抑制部(反射抑制手段)40と、を備えている。
したがって、イメージセンサ部34の照明光源37から被写体へ照射される照明光の乱反射による影響を抑制することができ、被写体を高精度に撮像して、被写体の撮像品質を向上させることができる。
また、本実施例の画像形成装置1は、任意の被写体を複数の色からなる基準チャートKCとともに撮像する撮像手段と、該撮像手段の撮像した被写体と基準チャートKCの撮像データに基づいて、該被写体の測色値を算出する測色制御部(算出手段)106と、を備えた測色装置であって、該撮像手段として、上記撮像ユニット30を備えている。
したがって、イメージセンサ部34の照明光源37から被写体へ照射される照明光の乱反射による影響を抑制して、被写体を高精度に撮像することができ、被写体の撮像品質を向上させて、高精度に測色することができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1は、測色装置で測色された測色値に基づいて色調整した画像データを用いて画像形成する画像形成装置であって、該測色装置として、上記測色装置を備えている。
したがって、イメージセンサ部34の照明光源37から被写体へ照射される照明光の乱反射による影響を抑制して、被写体を高精度に撮像することができ、高精度に測色して、高品質の画像を形成することができる。
また、本実施例の画像形成装置1の測色装置は、複数の色からなる基準チャートKCとともに、基準チャート板(所定の板部材)38に形成され周囲に反射抑制部40によって反射抑制処理の施されているスリット(開口部)38aを通して任意の被写体を撮像して、該基準チャートKCのRGB値と該被写体のRGB値を取得する撮像処理ステップと、複数の色からなる基準色パッチの各色のデバイスに非依存の所定の色空間における測色値である基準測色値及び該基準色パッチを前記被写体として前記撮像処理ステップで撮像されて取得された該基準色パッチの各色のRGB値である撮像基準RGB値と該基準色パッチとともに該撮像処理ステップで撮像されて取得された前記基準チャートKCのRGB値である初期基準RGB値を関連付けて不揮発性メモリ(基準値記憶手段)125に記憶する基準値記憶処理ステップと、前記撮像処理ステップで所定の測色用被写体を撮像されて取得された測色用RGB値と、該測色用被写体の撮像とともに撮像された前記基準チャートKCのRGB値である測色時基準RGB値を不揮発性メモリ(測色時RGB値記憶手段)125に記憶する測色時RGB値記憶処理ステップと、前記測色時基準RGB値を前記初期基準RGB値に変換する基準RGB間線形変換マトリックスを生成する基準RGB間線形変換マトリックス生成処理ステップと、前記基準RGB間線形変換マトリックスを用いて、前記測色用RGB値を初期化測色用RGB値に変換するRGB値変換処理ステップと、前記撮像基準RGB値を前記基準測色値に変換する基準値線形変換マトリックスを算出する基準値線形変換マトリックス算出処理ステップと、前記基準値線形変換マトリックスを用いて、前記RGB値変換処理ステップで変換された前記初期化測色用RGB値を測色値に変換して撮像測色値とする撮像測色値算出処理ステップと、前記基準色パッチから前記撮像測色値と前記所定の色空間において距離の近い所定数の該基準色パッチを選択するパッチ選択処理ステップと、選択された所定数の前記基準色パッチに対応する前記測色用RGB値を選択RGB値として選択するRGB選択処理ステップと、前記選択RGB値を前記基準測色値に変換する選択RGB値線形変換マトリックスを算出する選択RGB値線形変換マトリックス算出処理ステップと、前記選択RGB値線形変換マトリックスを用いて、前記撮像処理ステップで取得された前記測色用被写体のRGB値を、測色値に変換する測色値変換処理ステップと、を有する測色方法を実行している。
したがって、イメージセンサ部34の照明光源37から被写体へ照射される照明光の乱反射による影響を抑制して、被写体を高精度に撮像することができ、被写体の撮像品質を向上させて、高精度に測色することができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1の撮像ユニット30は、前記反射抑制部40が、スリット38aの周囲のイメージセンサ部34側の面に施された黒色面である。
したがって、イメージセンサ部34の照明光源37から被写体へ照射される照明光の乱反射による影響を簡単かつ安価に抑制して、被写体を安価に高精度に撮像することができるとともに、該黒色面を黒基準補正に用いることで、黒基準補正を容易かつ適切に行うことができる。
また、本実施例の画像形成装置1の撮像ユニット30は、筐体32が、反射抑制部40の外周が所定範囲にわたって灰色に施されている。
したがって、スリット38a周辺からの反射光をより一層削減することができ、より一層高精度に被写体を撮像することができる。
さらに、本実施例の画像形成装置1の撮像ユニット30は、前記反射抑制部40の外周の灰色が、基準チャートKCの色のカラーデータの最大値を越えるカラーデータ値である。
したがって、灰色と基準チャートKCとスリット38a周辺の黒色の領域を、カラーデータの閾値で、分割することができ、灰色領域でのシェーディング補正を行うことができる。その結果、この撮像ユニット30を用いて測色を行う場合に測色精度をより一層向上させることができる。
また、本実施例の画像形成装置1の撮像ユニット30は、スリット38aと基準チャートKCが、筐体32に着脱可能に取り付けられる基準チャート板(板状部材)38に所定間隔を空けて並べて設けられている。
したがって、基準チャートKC及びスリット38a周辺を、常に正常な状態に保つことができ、より一層高精度に被写体を撮像することができる。
なお、この場合、撮像ユニット30は、基準チャートKCと記録媒体P等の被写体のイメージセンサ部34への焦点距離が、精度上無視できるときには、図20及び図21に示すように、光路長変更部材50を備えていなくてもよい。この場合においても、図21に示すように、基準チャート板38に形成されているスリット38aの周囲に、黒色等の反射抑制部40が設けられている。なお、図20及び図21では、図4〜図6の構成と同様の構成部分には、同一の符号を付与して、その説明を省略する。
このようにすると、スリット38a周辺の反射光の撮像画像への影響をより一層安価かつ確実に防止することができる。
また、光路変更部材は、開口部32c(スリット38a)側にのみ設けられているものに限るものではなく、開口32b側にも設けられていてもよい。
さらに、上記実施例においては、開口部であるスリット38aが、基準チャートKCの施されている基準チャート板38に形成されているが、スリット38aは、基準チャート板38に形成されている必要はない。例えば、スリット38aは、基準チャート板38とは、独立して筐体32の底面部32aに直接形成されていてもよいし、開口部32cに設けられた板部材に形成されていてもよい。
また、上記説明においては、測色処理を、画像形成装置1の測色制御部106が行なっているが、測色処理は、画像形成装置1内部で実行する必要はなく、例えば、図22に示すように、画像形成システム(測色システム)200として、画像形成装置210が、外部装置220に接続されていて、画像形成装置210で撮像した画像データを、該外部装置220に出力し、該外部装置220が測色処理を伴う色調整処理を行って、色調整後の画像データを画像形成装置210に出力して、画像形成装置210が、外部装置220からの画像データに基づいて画像形成してもよい。
すなわち、画像形成装置210は、エンジン211、操作表示部212、I/F部213及びその他のI/F部214等を備えており、各部は、バス215により接続されている。また、外部装置220は、例えば、通常のハードウェア構成とソフトウェア構成のコンピュータ等を用いることができ、ソフトウェアとして本発明の測色処理を伴う色調整処理を実行する測色プログラムを含む色調整プログラムを導入することで、測色処理を伴う色調整処理を実行する。外部装置220は、CPU221、メモリ部222、画像処理部223、通信I/F部224及びI/F部225等を備えており、各部は、バス226により接続されている。メモリ部222は、ROM227、RAM228及びハードディスク(HDD)229等を備えている。
画像形成装置210は、I/F部213により回線230により外部装置220に接続されており、回線230は、専用線、LAN(Local Area Network)等のネットワーク、インターネット等であって、有線であっても、無線であってもよい。
画像形成装置210は、外部装置220の制御下で、外部装置220から送られてくる画像データに基づいてエンジン211で、記録媒体に画像を形成出力する。エンジン211は、インク噴射方式等で記録媒体に画像を形成し、操作表示部212は、各種操作キー及びLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ等を備えていて、画像形成装置210の動作に必要な各種操作が操作キーによって行われるとともに、画像形成装置210からユーザに通知する各種情報をディスプレイに表示出力する。その他I/F部214は、拡張ユニットの接続等に使用される。
エンジン211は、上記実施例で説明したと同様の主走査方向に移動するキャリッジを備えており、該キャリッジに、上記撮像ユニット30が取り付けられている。画像形成装置210は、外部装置220のCPU221の制御下で、外部装置220から送られてくる測色調整色パッチCPの色パッチデータに基づいて記録媒体に、該測色調整色パッチCPを形成して測色調整シートCSを生成する。画像形成装置210は、生成した測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを撮像ユニット30で読み取って、I/F部213を介して外部装置220に送信する。
外部装置(算出手段)220は、画像形成装置210の動作制御を行う画像形成制御プログラムや本発明の測色処理を伴う色調整処理を行なう色調整プログラム及び必要なデータがハードディスク229またはROM227に格納されている。外部装置220は、CPU221がROM227またはハードディスク229内のプログラムに基づいて画像形成装置210を制御することで、画像形成装置210としての基本処理を実行させるとともに、本発明の測色処理を伴う色調整処理を実行する。
ハードディスク229は、上記プログラムを格納するとともに、色調整処理を実行するのに必要な各種データを格納している。ハードディスク229は、特に、上記実施例で説明した基準シートKSに配列形成されている複数の基準色パッチKPの測色結果のL*a*b*値とXYZ値のうち、少なくともいずれか、該基準シートKSの基準パッチKPを画像形成装置210の撮像ユニット30で読み取ったときの撮像基準RGB値、基準値線形変換マトリックス、近傍点のテーブルと選択RGB値線形変換マトリックス、基準シートKSと一緒に読み取った基準チャートKCの各色パッチの初期基準RGB値RdGdBd、測色調整シートCSの測色調整色パッチCPを読み取ったときに一緒に読み取った基準チャートKCの基準パッチの測色時基準RGB値RdsGdsBds及び測色時基準RGB値RdsGdsBdsを初期基準RGB値RdGdBdに変換する基準RGB間線形変換マトリックスが格納される。
通信I/F部224は、ネットワーク等の回線を介してスキャナ装置、複合装置、他の外部装置等の画像処理装置に接続されており、画像形成装置210に画像出力させる画像データを受信する。上記I/F部213、I/F部224及び回線230は、全体として通信手段として機能している。
画像処理部223は、画像データに対して画像形成装置210のエンジン211で形成出力するのに必要な各種画像処理を施す。
CPU221は、上述のように、画像形成装置210の動作を制御するとともに、測色制御部106の演算部124、特に、測色値算出部126が実行する測色処理を実行して測色値を求める。CPU221は、求めた該測色値に基づいて画像データに対して色調整を施して、画像形成装置210に出力する。
なお、図22の画像形成システム200では、画像形成装置210の動作を外部装置220が制御しているが、画像形成システム200の形態としては、この形態に限るものではない。例えば、画像形成システム200は、画像形成装置210自体がCPU等のコントローラを備えて、画像形成動作自体については、該コントローラが制御を行い、測色値を求める測色処理のみ、または、測色処理を含む色調整処理についてのみ外部装置220が実行してもよい。
このように、少なくとも画像形成装置210の外部装置で測色処理または測色処理を含む色調整処理を実行すると、安価な画像形成装置210においても安価にかつ適切に色再現性を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。