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JP6191224B2 - 配線基板及びこれを用いた発光装置 - Google Patents

配線基板及びこれを用いた発光装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、フレキシブルな絶縁性の基材と、この基材上に設けられた配線パターンと、を備えた配線基板及びこれを用いた発光装置に関する。
従来から発光装置に用いられているフレキシブル配線基板上の配線パターンにメッキ処理を施すために、フレキシブル配線基板は電気メッキ用電極を接続するための接続パッド部を有し、配線パターンと接続している。さらに、フレキキシブル配線基板は通常一つの配線パターンが連続して形成されており、所定の位置で切断され使用されるため、切断部には配線導体が剥き出しの状態となっている。(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−6003号公報
前記特許文献1に記載されているような従来のフレキシブル配線基板は、配線パターンの縁部が絶縁基材の端部と同一平面に露出しているので、絶縁基材の裏面側から配線パターンまでの距離(沿面距離と呼ばれている)が非常に短くなっている。このため、従来のフレキシブル配線基板は、例えば、発光素子を配線パターンに実装して筐体内に収納した場合に、配線パターンに印加した駆動電力が配線パターンの縁部を通って金属筐体へと流れ、使用者が感電するおそれがあるなどの問題や、外部からの静電気等のノイズが金属筐体を介し配線パターンの縁部を通って侵入して、発光素子の輝度にムラが発生し、安定した状態に発光駆動させることが困難である等の問題があった。
そこで、本発明は、沿面距離を確保することで絶縁が確保できる配線基板及びこれを用いた発光装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る配線基板は、幅方向を短手方向とする形状の絶縁性の基材と、当該基材上に設けられた配線パターンと、を備えた配線基板であって、前記配線パターンは、前記基材の前記幅方向に延伸して設けられ、前記基材の幅方向の端部に露出してなる露出部を有し、前記露出部が設けられた部分において、前記基材及び前記配線パターンが前記配線基板の表面側の内側方向に折畳まれた折畳部を有することを特徴とする。
また、本発明に係る発光装置は、前記配線基板と、前記配線基板上に配置された発光素子と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る配線基板は、沿面距離を確保して駆動電力の漏れ及びノイズの侵入を防止することができる。また、本発明に係る配線基板を用いた発光装置は、発光素子の輝度にムラがなく安定した状態で発光させることができる。
本発明の実施形態に係る配線基板を示す概略要部拡大斜視図である。 レジストを設けた状態の配線基板及びこれを用いた発光装置を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は矢視線Y2−Y2方向拡大断面図である。 配線基板を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)はX2部の拡大斜視図である。 図3の矢視線X1−X1方向拡大断面図である。 図2の矢視線Y1−Y1方向拡大断面図である。 図5の要部拡大図である。 (a)は折畳部が形成される前の配線基板を示す要部拡大斜視図、(b)は折畳部が形成された後の配線基板の状態を示す要部拡大斜視図である。 本発明の実施形態に係る配線基板の変形例を示す図であり、折畳部が形成される前の状態を示す拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る配線基板及びこれを用いた発光装置の変形例を示す概略平面図である。 本発明の実施形態に係る配線基板及びこれを用いた発光装置の変形例を示す図であり、配線基板の取り付け状態を示す拡大断面図である。
以下、図1〜図7を参照して本発明の実施形態に係る配線基板及びこれを用いた発光装置を説明する。
ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための配線基板1及び発光装置Sを例示するものであって、実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。なお、各図に示す部材の大きさや厚さや位置関係等は、説明を明確にするため一部誇張して記載してある。また、実施形態の説明において、配線基板1は、幅方向(短手方向)の中央部を挟んで略対称形状に各部材が形成されているので、その一方側を主に説明して、他方側の説明を適宜省略する。
図1に示すように、配線基板1は、例えば、絶縁性の基材2上に配線パターン3を有し、電子素子等を実装するフレキシブル回路基板であり、発光素子6を実装可能なものである。以下、発光素子6を実装した発光装置S用の配線基板1を例に挙げて本発明の一実施形態を説明する。
ここで、後記する発光素子6とは、発光ダイオードやレーザダイオードなど、発光装置Sの光源となり得るものであれば特に限定されない。また、発光素子6の組成や発光色、大きさや、個数などは目的に応じて適宜選択することができる。
≪発光装置の構成≫
図2(a)、(b)に示すように、発光装置Sは、電力が供給されることによって、発光部Saの発光素子6から光を発する装置である。この発光装置Sは、例えば、照明装置の光源として利用することができる。発光装置Sは、配線基板1と、この配線基板1上に載置された発光素子6と、配線基板1上に形成されるレジスト5(反射部材)を有している。この発光装置Sは、配線基板1を保持する筐体Scに搭載されている。(図5及び図6参照)。
図5に示すように、発光装置Sの配線基板1は、長手方向と短手方向を有する細長い矩形であり、また、図2(a)に示すように、発光素子6が配線基板1の長手方向に複数配置されている。従って、発光装置Sの発光領域である発光部Saは、配線基板1の長手方向に沿った領域となる。
≪配線基板の構成≫
図1に示すように、配線基板1は、表面2c上に複数の発光素子6等を実装して電気的に接続するための回路基板である。配線基板1は、基材2に配線パターン3が形成され、その配線パターン3の実装部3bが露出するようにレジスト5が設けられている。また、配線基板1は、筐体Sc(図5参照)上の所定位置に、例えば、両面テープにより接着されて搭載される。
≪基材の構成≫
基材2は、配線基板1の本体基材(ベースフィルム)を構成する可撓性を有する(フレキシブルな)薄板状の長尺の絶縁性部材から形成される。基材2の材料は、例えば、ポリイミドやポリエチレンテレフタレート等を用いることができる。基材2は、薄いフィルム状に形成されており、厚みは、可撓性を損なわない程度であればよく、例えば、10μm〜100μmの物を用いることができる。また、基材2は、幅方向(短手方向)の両端部に折畳まれて基材2の中央領域よりも厚く形成された折畳部2dを備えている。
図2(a)、(b)に示すように、折畳部2dは、元々平板状であった基材2の幅方向における両端部を、所定の折曲線Lに沿って内側に折畳むことで形成された部位である。この折畳部2dは、配線基板1の沿面距離Dを稼ぎ、駆動電力の漏れ及びノイズの侵入を低減するために形成されている。すなわち、図7(a)に示すように、折畳部2dが形成される前の配線基板1は、全体が平板状の基材2上にメッキで配線パターン3が形成されており、当該配線パターン3が基材2の幅方向の両端に露出しているため、駆動電力の漏れや、外部からノイズの侵入が発生し易くなっている。従って、図7(b)に示すように、本発明では、基材2の幅方向の両端部と配線パターン3の一部を内側に折畳んで折畳部2dを形成することで、配線パターン3の基材2の幅方向の切断面となる露出部3aが露出しないようにしている。
以下、折畳部2dの形成方法について簡単に説明する。
まず、基材2となるシートを用意し、表面2c上にメッキで配線パターン3を形成する。続いて、プレス機、スリッター、カッター等で基材2の材料を打抜加工し、図3(a)に示すように、幅方向を短手方向とする矩形の形状に形成する。この打抜加工で切断された基材2の幅方向の両端の端部(エッジ部)2aには、配線パターン3の露出部3aが形成される。
次に、図3(a)、(b)に示すように、プレス機等で配線パターン3の露出部3aが設けられた部分において、基材2の幅方向の両端部を予め定めた折曲線Lに沿って折畳む折曲加工を行う。すると、図2(a)、(b)に示すように、基材2の幅方向の両端部には、基材2及び配線パターン3が配線基板1の表面側の内側方向に折畳まれた折畳部2dが形成される。そして、折畳部2dの内面(下面)側を、接着剤4によって基材2の表面2c上に接着することによって、折畳部2dが折畳んだ状態に維持される。このようにして設けられた折畳部2dは、基材2の幅方向の両端部に沿って長手方向に帯状に形成される。
次に、図7(a)、(b)を参照しながら、基材2に形成された折曲部2b及び折畳部2dについてさらに詳述する。
前記折畳部2dは、配線基板1の表面(例えば、基材2の表面2c等)上に重ねるように折畳まれることにより、露出部3aの位置を、基材2の幅方向の両端から基材2の中央部側寄りの位置に移動させることができるため、沿面距離Dを確保することができる。
なお、沿面距離Dの長さは、日本工業規格の「JIS C 6950」で規定されている。沿面距離Dの長さは、電圧及び材料により異なるが、1〜2mm程度あればよい。
また、配線基板1は、このような折畳部2dを備えることで、図2(b)に示すように、当該配線基板1の幅方向における両縁部が複数層の厚みを持った構造となるため、当該両縁部における強度及び曲げ剛性が向上する。
なお、図2(b)に示す例では、配線基板1の幅方向における両縁部は、上から折畳部2dからなる層、折畳まれた配線パターン3の延伸部3cからなる層、接着剤4からなる層、折畳まれていない配線パターン3の延伸部3cからなる層、折畳まれている基材2からなる層、の全5層で構成されている。
また、接着剤4は、折畳んだ折畳部2dを配線基板1の表面2c上に接着することができるものであればよく、特に、その材料には限定されない。なお、接着剤4は、絶縁材料が好ましく、さらに、電気的な問題が生じ難い樹脂がより好ましい。また、この接着剤4は、反射率の高い白色の材料であることが好ましい。また、この場合、折畳部2dの上面にも塗布されることが好ましい。これにより、発光装置Sの発光面側に現れる折畳部2dの反射率を高めることができ、発光装置Sの光取出しを高めることができる。
≪配線パターンの構成≫
図2(a)、(b)に示すように、配線パターン3は、基材2上に設けられた導電箔(導体パターン)であり、それぞれ多数の発光素子6が実装ないし電気的に接続される。配線パターン3は、後記する実装部3bが、例えば、表面2c上の長手方向に適宜な間隔で一列に複数組配置されてなる。
配線パターン3は、基材2の中央に配置される複数の実装部3bと、各実装部3bから露出部3aに亘って配置された延伸部3cと、から形成されている。
なお、発光装置Sにおいて、配線パターン3の形状及び厚みは、発光素子6の個数、種類、大きさなどにより、適宜変更することができる。配線パターン3の材料は、導電性を有していれば特に限定されず、高い熱伝導性を有していることが好ましい。このような材料として、金、銀、銅、アルミ二ウムやこれらの合金などの導電材料が挙げられる。また、配線パターン3の形成方法は張り合わせ後のエッチング方法に限られず、メッキや導電性ペーストの塗布、印刷などでもよい。
配線パターン3は、折り曲げ時に容易に破断しないように設けられることが好ましい。例えば、Auなどの金属の薄膜が好適に用いられる。折り曲げ時に配線が破断すると同時にフレキシブル基板そのものが破断し、配線パターン3が剥き出しとなって、沿面距離Dの確保ができなくなるおそれがあるためである。
配線パターン3の厚みは、配線基板1の可撓性を損なわず、また、折畳部2dを形成するために折曲げられる程度であればよく、例えば、10〜200μm程度であればよい。
配線パターン3は、基材2の略全面を被覆するように形成されることが好ましい。これにより、発光装置Sの放熱性を高めることができる。
図3(a)、(b)に示すように、配線パターン3の露出部3aは、配線パターン3を電解メッキする際に電気メッキ用電極として使用され、その後切断された配線パターン3の切断面である。
図2(a)、(b)に示すように、配線パターン3の実装部3bは、各発光素子6が実装される素子載設面であり、延伸部3cと連続して形成され、レジスト5から露出して配置された配線パターン3の露出部分である。実装部3bは、基材2の表面2c上において、幅方向の両縁部の延伸部3c,3c間に、溝を挟んで対向配置された略L字形状の一対一組の複数組の導電部である。発光素子6は、実装部3b,3b間に形成された溝を跨ぐようにして一対の実装部3b上にフリップチップ実装される。各組の実装部3bは、例えば、対称形状、同一面積で形成された導電箔が対称に配置されている。各実装部3bは、基材2の長手方向に向けて一列に多数(例えば、8組)配置されている。
なお、各配線パターン3の実装部3bは、筐体Sc(図6参照)の長手方向の両端部に形成されたコネクタ部Sdに内設された端子等に接続されるリードSeが設けられる。このように、実装部3bは、リードSeが設置されるリード接続部としての機能も果たす。
延伸部3cは、各実装部3bから基材2の幅方向の両端部の露出部3aに亘って帯状に延設された配線部位である。延伸部3cは、基材2の端部2aと同一平面上に配置された露出部3aと、折畳まれる折曲線L上に形成された幅狭部3dと、を有している。
幅狭部3dは、延伸部3cの幅方向の両縁部にV字状に形成した部位である。この幅狭部3dを形成する目的は、延伸部3cの幅を狭く形成することにより、折曲線Lを折曲した際に、延伸部3cが折曲線Lに沿って折れ曲がり易くするためである。この幅狭部3dは、メッキ等で配線パターン3を形成する際に、延伸部3cと一緒に形成される。なお、延伸部3cの一部に厚みが他より薄い領域を設けてもよい。これにより、延伸部3cが折曲線Lに沿って折れ曲がり易くすることができる。
≪レジストの構成≫
図6に示すように、レジスト5は、配線パターン3上に設けられ、電気的絶縁を確保する部材である。また、配線パターン3及び基材2を外力や水分などから保護する。レジスト5には、実装部3bに対応して開口部5aが形成されており、この開口部5a内に実装部3bがある。図2(a)、(b)に示すように、レジスト5は、折畳部2dを折畳んだ状態の配線基板1において、実装部3bを除いた配線基板1の表面全体に塗布されている。なお、レジスト5は、接着剤4と同じ部材であってもよい。また、レジスト5は、配線パターン3上に形成されたレジストと同じ材質でもよいし、相違する材質のものでもよい。
レジスト5は、反射部材としても用いられる。例えば、発光素子6から発せられる光の色と同色の部材(例えば、青色に光る発光素子6の場合は、青色のレジスト5)、発光素子6や波長変換部材の発光波長に応じた反射領域を持つ材料、あるいは白色の材料等を用いることができる。これにより、発光装置Sの光出力を高めることができる。このような材料として、例えば、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーン樹脂、変性エポキシ樹脂、変性シリコーン樹脂、ポリアミド等に酸化チタンあるいは酸化ケイ素を混合した材料などが挙げられる。特に、シリコーン樹脂のような耐光性の高い樹脂に光を反射する材料である酸化チタンあるいは酸化ケイ素などが混ぜたものが好適である。
図6に示すレジスト5は、折畳部2dの表面2c上と、配線パターン3の露出部3aと、を被覆するように塗布されているが、これに限られず、折畳部2dの形成前に設けられていてもよい。これにより、反射部材を印刷等で容易に形成することができる。その場合、露出部3aは異なる反射部材やレジストで被覆されることが好ましい。折畳部2dを形成する前に反射部材を設ける場合には、反射部材は、絶縁性であり、延伸部3cを被覆していることが好ましい。これにより、折り曲げる際に、延伸部3cの損傷を防止することでき、電気的な不良を防止することができる。
≪発光素子の構成≫
発光素子6は、発光装置Sに載置され、基材2の表面2cに長手方向に一列に配置された各組の実装部3b上にそれぞれダイボンド部材等によって固定されている。
発光素子6は、発光半導体素子であり、例えば、窒化ガリウム系化合物半導体から成るLEDチップ等を用いることができる。発光素子6は、例えば、適宜な間隔で一列に多数並設されて広範囲に亘って照明できるように配置されている。なお、発光素子6は、光を発する素子であればよく、輝度や発光色や材料や形状や個数やその種類等は特に限定されず、使用する用途等によって適宜に選定して使用すればよい。
発光素子6と基材2上に形成された正負の電極との電気的接続は、発光素子6のp側の電極とn側の電極とが対面するようにフリップチップ実装の方法で行われてもよく、また、ワイヤボンディングを用いて行われてもよい。
なお、発光素子6とほぼ同等のサイズを有するパッケージ、いわゆるCSP(Chip Scale Package)の場合は、フリップチップ接続方式(フェースダウンボンディング法)を用いた高密度実装が可能である。
封止部材(図示省略)は、少なくとも発光素子6と配線パターン3が露出しないよう(例えば、反射部材の上に端部がかかるように)形成され、その形状として、例えば、縦断面視して半球状に形成されている。また、封止部材は、波長変換部材(蛍光体)や光散乱材を含有していてもよい。波長変換部材及び光散乱材は、封止部材等の中に設けてもよく、また、後述のカバー部材Sb等に設けてもよい。
≪筐体の構成≫
図5に示すように、筐体Scは、配線基板1の裏面2e側に貼り付け等によって配置され、配線基板1の裏面2e側や側部側を保持する部材である。例えば、放熱性の良好な金属部材によって形成されていれば、ヒートシンクの機能も果たすことができる。筐体Scは、例えば、長手方向の両端部に、外部電源と各配線パターン3とを接続するための装置側のコネクタ部Sdが設けられ、上部に、カバー部材Sbが配置されている。
図2(a)に示すように、カバー部材Sbは、発光部Saを覆う平面視において矩形の透明あるいは半透明の樹脂部材またはガラス部材等である。
なお、この発光装置Sのカバー部材Sb内には、発光素子6の上部に蛍光体層(図示省略)や、光を散乱反射させる散乱板等が設置されていてもよい。筐体Sc及びカバー部材Sbは、一体形成したものであってもよく、また、発光装置Sや配線基板1等の形状に合わせて適宜変更しても構わない。
≪配線基板及びこれを用いた発光装置の製造方法≫
次に、図1〜図7を参照しながら本発明の実施形態に係る配線基板1及びこれを用いた発光装置Sの製造方法を説明する。
図3(a)に示すように、配線基板1を形成する場合は、まず、接着部材により配線材料を基材2上の一面に貼り合わせた後、エッチング等で配線パターン3の形状に形成する。この場合、基材2の片方の表面2cにそれぞれ一対を1組とするCuの配線パターン3を、例えば、基材2の長手方向に一列に8組形成する。その後、配線パターン3にAuを電解メッキする。基材2の周辺部位をプレス機で切断して図3(a)に示すような矩形の基材2を形成する。
なお、配線材料は、導電性を有していればよく、金属が好ましい。特に、銅、アルミなどは展性が高く薄くすることができるため、可撓性を有するのでより好ましい。さらには、アルミは光反射率が高いためより好ましい。また、メッキ材料としては、Ni,Au,Sn,Cuが好ましく、その中で、Au,Snは半田との相性がよいため、より好ましい。
配線基板1の切断は、発光素子6の載置後や封止樹脂の形成後でも構わない。特に、配線基板1をロール・ツー・ロール方式で製造する場合などにおいては、配線基板1上に設けられる部材がすべて形成・載置された後に切断する方が作業性が良好となるため好ましい。
基材2の表面2c上に露出して形成された配線パターン3は、電解メッキして被覆することにより、金属膜の層(図示省略)によって覆われるため、配線パターン3を補強し、発光装置Sの劣化を抑制することができる。
次に、図3(a)に示す状態の基材2の折曲線L及び配線パターン3の幅狭部3dを、図2(a)に示すように折曲げ機によって折曲加工して表面2c上に重ねるように折畳んで、折畳部2dを形成する。また、その際に折畳部2dと表面2cと内面に接着剤4を注入して、折畳部2dを折畳んだ状態に固定する。
図7(a)、(b)に示すように、基材2に折畳部2dを形成する場合、仮想の折曲線L上に、配線パターン3の延伸部3cの幅を狭くしたV字状の各幅狭部3dが形成されている。そのため、基材2において、折曲線Lは、各幅狭部3dが各延伸部3cの幅を狭くした分だけ、強度が局部的に弱くなっているので、基材2が幅狭部3dにガイドされながら折曲されて折畳まれる。
幅狭部3dの幅は、特に限定されず、例えば、延伸部3cの幅の1/3〜4/5程度とすることができる。
このため、基材2と配線パターン3を折畳んで折畳部2dを形成するときは、それぞれの幅狭部3dが折畳むときの目印となると共に、各幅狭部3d付近を折曲げれば、自動的に折曲部2bが折曲線Lを稜線として折曲形成される。その結果、折曲線Lを折曲げる折曲作業が簡素化されて、容易にかつ正確に折畳部2dを形成することができる。
また、折畳部2dを形成したことにより、端部2a、露出部3aの位置を、基材2の幅方向の両端部から中央部側に沿面距離Dだけ寄った位置にすることができる。配線基板1は、このようにして図1に示す状態に形成されて完成される。
このように形成された配線基板1は、沿面距離Dが確保されているので、配線パターン3に印加した駆動電力が配線パターン3の露出部3aを通って金属筐体へと流れ、使用者が感電するおそれがあるなどの問題や、露出部3aから配線パターン3内に静電気等のノイズが入り込むのを阻止することができる。
次に、その配線基板1を備えた発光装置Sの組み付け方法を説明する。
まず、初めに、図2(a)に示すように、配線基板1の両側の折畳部2dから実装部3bの周辺位置に亘って基材2及び配線パターン3上にレジスト5を塗布して覆う。すると、配線基板1は、実装部3b及びその周辺のみがレジスト5から露出し、それ以外がレジスト5で被覆された状態になる。次に、各実装部3bに発光素子6を実装する。
続いて、図6に示すように、配線基板1を両面テープ(図示省略)等の固定部材にて筐体Scに固定し、カバー部材Sbで覆って収納させることにより、発光装置Sの組み付けが完了する。
そして、筐体Scの長手方向の一端部のコネクタ部Sdを照明装置本体に取り付けて、リードSeを電源に接続して電流を流すと、各発光素子6が発光する。発光素子6から発せられた光は、基材2の表面2c上の配線パターン3やレジスト5(反射部材)によって反射されるので、明るく広範囲に照明することができる。発光装置Sは、その発光素子6が、一列に多数位置されていることにより、直管型蛍光灯に対応した形状のLED照明装置として利用することが可能である。
このように組み付けられた配線基板1の露出部3aは、発光装置Sにおいて、配線基板1の幅方向の両縁部から中央部側に寄った位置に配置されると共に、レジスト5によって覆われているため、露出部3aから配線パターン3内に静電気等のノイズが入り込んで発光素子6の発光にムラ等の障害がでるのを防止することができる。また、配線基板1は、発光装置Sに使用した際に発生するマイグレーション等のおそれも低減することができる。
また、レジスト5は、発光素子6から発せられた光を反射する材料で形成されると共に、各発光素子6の周辺を覆うように配置されている。このため、光取り出し効率の高い発光装置Sとすることができる。
≪第1変形例≫
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論であり、図8〜図10を主に参照して説明する。なお、すでに説明した構成は同じ符号を付してその説明を省略する。
図8は、本発明の実施形態に係る配線基板の変形例を示す図であり、折畳部が形成される前の状態を示す拡大断面図である。図9は、本発明の実施形態に係る配線基板及びこれを用いた発光装置の変形例を示す概略平面図である。図10は、本発明の実施形態に係る配線基板及びこれを用いた発光装置の変形例を示す図であり、配線基板の取り付け状態を示す拡大断面図である。
図6に示すように、前記実施形態では、レジスト5の一例として、折畳んで形成された折畳部2dの表面上にレジスト5を塗布した場合を説明したが、これに限定されるものではない。
図8〜図10に示すように、レジスト50(反射部材)は、基材2の裏面2e全体に設けて、折畳部2dが形成される前に基材2の裏面2e側にあったレジスト50を、折曲線Lを折曲して折畳部2dが基材2の表面2cに折畳んだ状態に形成されたときに、基材2の表面2c側に配置されるようにしてもよい。このようにすれば、折畳部2d上にレジスト50を容易に設けることができる。
また、前記実施形態は、図6に示すように、折畳部2dを基材2の表面2c上の接着剤4によって接着し、発光装置Sを両面テープ等で筐体Sc上に固定する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
図9及び図10に示すように、基材2の折畳部2dは、単に折畳んで曲げただけのものでもよく、接着剤4(図7(b)参照)で折畳部2dを表面2c側に接着しなくてもよい。
この場合、基材2は、基材2の幅方向の両縁部を表面2c側に折畳んで折畳部2dを形成して、折曲部2bを筐体Scの基板保持部(図示省略)に係合させて折畳部2dの形状を保持させると共に、発光装置Sを筐体Scに固定することができる。基板保持部は、上記のような構成を実現できるよう筐体Scに設けられた構造であればよく、例えば、溝や突起やレールなどが挙げられる。基材2は、基材2の両縁部を折畳んで折畳部2dを形成したことにより、基材2の両縁部の強度が向上されると共に、折畳部2d及び基材2自体に弾性があるため、折畳部2dを基板保持部(図示省略)にしっかりと弾性保持させることができる。その結果、接着剤4や両面テープ等の固定部材がない分だけ、組立作業の作業工数及び接着剤4の乾燥時間を削減することができるため、作業効率及び量産性を向上させることができる。
≪その他の変形例≫
例えば、前記実施形態では、配線基板1を平面的に配置した状態で筐体Scに接着する液晶バックライト用の発光装置Sを説明したが、発光装置Sはこれに限定されるものではない。
発光装置Sは、例えば、細長い矩形の配線基板1を透光性のケースやカバーに収容することによって直管型蛍光灯に対応した形状とすることができる。また、フレキシブルな配線基板1を、表面2cを外周側にして側面視して円形に曲げ、円環状(ドーナツ形状)に形成されたカバー部材Sb及び筐体Scに収納すれば、丸型蛍光灯に対応した形状の照明装置にすることが可能である。
また、発光装置Sは、配線基板1を曲げることができるので、円弧状に曲げたり、V字状、U字状、半円状などに曲げたりして、その形状に適合した形のカバー部材Sb及び筐体Scに収納すれば、種々の形状の装置に適宜変更することが可能である。
前記実施形態では、矩形の配線基板1の長手方向に一列に発光素子6を配置した場合を例に挙げて発光装置Sを説明したが、発光装置Sはこれに限定されるものではない。発光装置Sは、例えば、矩形の配線基板1の長手方向に一列に配置した複数の発光素子6を1組として、複数組の発光素子6を長手方向に複数列に配置しても構わない。
また、発光装置Sに発光部Saには、発光素子6以外の電子素子を設けてもよい。発光素子6以外の電子素子としては、例えば、発光装置Sのサージ等を吸収して電気回路を保護するツェナーダイオードや、トランジスタ、IC等の半導体が挙げられる、これらは配線パターン3を介して発光素子6と接続されていてもよい。なお、発光素子6以外の電子素子は、必要に応じて適宜に設置すればよい。また、発光素子6の代わりにLDチップを設けてもよい。
また、基材2の裏面2e側に配置される筐体Scは、発光素子6から発せられた熱を放熱するための熱伝導性に優れた材料から形成することで、ヒートシンクの機能を果たすようにすることができる。この場合、ヒートシンクの材料としては、熱伝導性が良好な材料であれば特に限定されず、セラミックなどの絶縁材料、あるいは、銅、亜鉛鋼板、アルミニウム、マグネシウム等の金属でもよい。
また、幅狭部3dは、基材2の幅方向の両端の端部2aから所定距離だけ離間された位置にある折曲部2bを、折曲線Lに沿って正確に容易に折曲形成することができるものであれば、V字形状の切欠部に限定されるものではなく、適宜変更しても構わない。例えば、幅狭部3dは、延伸部3cの両縁を凹部形状に形成したり、段差状にしたり、延伸部3c及び基材2に点線のように孔を連続形成したり、さらに、スリット孔を形成したものであっても構わない。
また、基材2には、表面側だけ配線パターン3を設けた場合を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、基材2の裏面2eにも、配線パターン3を設けると共に、表面側と裏面2e側とに連通するビアホールを形成し、そのビアホール内に導電部材を内設して表裏を繋いでもよい。
このようにすれば、発光素子6を多数設けても容易に接続配線して電気的に接続することができる。
また、前記実施形態では、レジスト5の一例として、基材2上に段差状に配置した折畳部2dを段差状に覆うように配置したレジスト5を説明したがこれに限定されるものではない。レジスト5(反射部材)は、基材2の中央部に配置された発光素子6から発せられた光を基材2の表面2c側の前方方向へ反射するように、発光素子6に対して傾斜した状態の反射面を構成するように形成してもよい。
レジスト5をこのように形成すれば、さらに高効率の発光装置Sとすることができる。
折畳部2dは一度の折曲だけでなく、二度以上折り曲げて形成してもよい。また、露出部3aを基材2でくるむように折り曲げてもよい。これにより、露出部3aから静電気等のノイズが侵入するのを防止することができる。
折畳部2dは、長手方向の全体に設けられる必要はなく、例えば、露出部3aがある部分のみに設けることができる。また、折畳部2dは、一様の幅である必要は無く、例えば、露出部3aがある部分のみをない部分より幅広にすることができる。
また、前記実施形態では、複数の発光素子6が直列接続されている場合を示したが、これに限定されるものではない。例えば、並列、直並列、並直列接続されていてもよい。
1 配線基板
2 基材
2a 端部
2c 表面
2d 折畳部
3 配線パターン
3a 露出部
3b 実装部
3c 延伸部
3d 幅狭部
4 接着剤
5,50 レジスト(反射部材)
6 発光素子
D 沿面距離
L 折曲線
S 発光装置

Claims (12)

  1. 幅方向を短手方向とする形状の絶縁性の基材と、当該基材上に設けられた配線パターンと、を備えた発光素子載置用の配線基板であって、
    前記配線パターンは、前記基材の長手方向に延伸する端面と一致する端面と、前記基材の前記幅方向に延伸して設けられ、前記基材の幅方向の端部に露出してなる露出部とを有し、
    前記露出部が設けられた部分において、前記基材及び前記配線パターンが前記配線基板の表面側の内側方向に折畳まれた折畳部を有し、
    折畳部は上面が絶縁性であり、かつ、反射性の白色の材料によって構成される接着剤によって接着されている配線基板。
  2. 幅方向を短手方向とする形状の絶縁性の基材と、当該基材上に設けられた配線パターンと、を備えた発光素子載置用の配線基板であって、
    前記配線パターンは、前記基材の長手方向に延伸する端面と一致する端面と、前記基材の前記幅方向に延伸して設けられ、前記基材の幅方向の端部に露出してなる露出部と、該露出部を有する延伸部と、該延伸部と連続し、発光素子が搭載される実装部とを有し、
    前記延伸部は、前記基材の長手方向に沿って複数配置され、折畳まれる折曲線上に幅狭部を形成し、該幅狭部において、前記基材と共に折畳まれており、
    前記露出部が設けられた部分において、前記基材及び前記配線パターンが前記配線基板の表面側の内側方向に折畳まれた折畳部を有し、当該折畳部は上面が絶縁性である配線基板。
  3. 前記折畳部は、接着剤によって接着されている請求項に記載の配線基板。
  4. 前記接着剤は、反射性の白色の材料によって形成されている請求項に記載の配線基板。
  5. 前記折畳部は、前記基材の幅方向の両端部に位置し、前記基材の両端部は、前記基材の中央領域よりも厚い請求項1〜のいずれか1つに記載の配線基板。
  6. 前記露出部は、前記基材の幅方向の両端から前記基材の中央部側寄りに配置されている請求項1〜のいずれか1つに記載の配線基板。
  7. 前記折畳部を被覆する反射部材が設けられている請求項1〜のいずれか1つに記載の配線基板。
  8. 前記配線パターンは、前記露出部を有する延伸部と、前記延伸部と連続し、発光素子が搭載される実装部とを有し、
    前記延伸部は、前記基材の長手方向に沿って複数配置されている請求項1及び請求項1に従属する請求項5〜7のいずれか1つに記載の配線基板。
  9. 前記延伸部は、折畳まれる折曲線上に幅狭部を形成し、前記幅狭部において、前記基材と共に折畳まれている請求項に記載の配線基板。
  10. 基材の幅方向における両縁部は、
    折畳部からなる層、
    折畳まれた配線パターンの延伸部からなる層、
    接着剤からなる層、
    折畳まれていない配線パターンの延伸部からなる層及び
    折畳まれている基材からなる層の全5層で構成されている請求項1〜のいずれか1つに記載の配線基板。
  11. 基材の幅方向における両縁部は、
    反射部材、
    折畳部からなる層、
    折畳まれた配線パターンの延伸部からなる層及び
    接着剤からなる層、
    折畳まれていない配線パターンの延伸部からなる層及び
    折畳まれている基材からなる層の全6層で構成されている請求項1〜のいずれか1つに記載の配線基板。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の前記配線基板と、
    前記配線基板上に配置された発光素子と、を備えている発光装置。
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