JP6187405B2 - 光偏向器 - Google Patents
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Description
特許文献1には、MEMS技術を用いた光偏向器の一例が記載されている。
そこで、特許文献1に記載されている光偏向器は、ミラーの裏面にシリコンからなる補強リブを設けることによって、ミラーの撓みを低減している。
そこで、ミラーが偏向駆動する領域にざぐり等による凹部が形成された基台を準備する必要がある。光偏向器の他に、基台等の部材が必要になると、装置の小型化が困難になったり、コストが高くなったりする要因となる。
図1及び図2を用いて、第1の実施形態の光偏向器を説明する。図1(a)は第1の実施形態の光偏向器をミラーの反射面側から見た平面図である。図1(b)は光偏向器をミラーの裏面側から見た平面図である。図2は図1(a)及び図1(b)のA−A線における断面図である。
ミラー11は、円板形状を有する。図1(a)において、ミラー11の紙面手前側の面が、外部から照射されたレーザ光を反射する反射面となっている。
アーム4は、一端側がフレーム2に固定され、他端側がトーションバー8の一端側に接続されている。
アーム5は、一端側がフレーム2に固定され、他端側がトーションバー9の一端側に接続されている。
アーム6は、一端側がフレーム2に固定され、他端側がトーションバー10の一端側に接続されている。
アーム5及びアーム6は、一対のアームを構成し、ミラー11の重心C11を通る中心線A−Aを線対称として対向配置されている。
アーム4とアーム6は、ミラー11の重心C11を通る中心線B−Bを線対称として対向配置されている。
トーションバー8は、一端側がアーム4に接続され、他端側がミラー11に接続されている。
トーションバー9は、一端側がアーム5に接続され、他端側がミラー11に接続されている。
トーションバー10は、一端側がアーム6に接続され、他端側がミラー11に接続されている。
補強リブ12は、その重心C12の位置がミラー11の重心C11の位置と一致するように、ミラー11における反射面とは反対側の面(裏面)に形成されている。
補強リブ12は、ミラー11が往復回転駆動しているときに、ミラー11の撓みを低減する機能を有する。
圧電素子14は、アーム5上の領域及びアーム6上の領域を含んで形成されている。本実施形態では、アーム5上の領域及びアーム6上の領域を含むコ字状の領域に、圧電素子14を形成している。
圧電素子14は、シリコン層20の上層に形成されている絶縁層40上に、下電極41と圧電体層42と上電極43とが積層された積層構造を有する。
圧電体層32の変形の影響を受け、アーム3及びアーム4は、フレーム2に固定された一端側を支点として、それぞれの他端側が図1(a)及び図1(b)における紙面手前奥方向に振動する。
アーム3及びアーム4の振動がトーションバー7,8を介してミラー11に伝達することによって、ミラー11は、その重心C11を通る中心軸B−Bを回転軸として、往復回転駆動する。ミラー11に固定されている補強リブ12もミラー11と共に往復回転駆動する。
また、交流電圧値に応じてミラー11の偏向角を設定または調整することができる。すなわち、交流電圧値を大きくすることでミラー11の偏向角を大きくすることができ、交流電圧値を小さくすることでミラー11の偏向角を小さくすることができる。
なお、本実施形態では、ミラーを偏向駆動させる手段として圧電素子を形成したが、これに限定されるものではない。ミラー11を偏向駆動するための駆動部として、圧電素子の他に、静電力を利用してミラーを偏向駆動させる静電アクチュエータなどを用いることもできる。
また、補強リブ12と、フレーム2の中間層とは、シリコン層20と常温接合または陽極接合された共通のガラス層21を加工して形成されている。そのため、補強リブ12と、フレーム2の中間層とは、同一平面状に位置し、かつ、補強リブ12の厚さと、フレーム2の中間層の厚さとは、ほぼ同じ厚さになっている。
また、フレーム2の下層は、ガラス層21と常温接合または陽極接合されたシリコン層22を加工して形成されている。
すなわち、補強リブ12の底面は、フレームの底面に対して、少なくともシリコン層22の厚さ分、高い位置に配置されている。
なお、説明をわかりやすくするために、同じ構成部には同じ符号を付して説明する。
まず、ガラスウエハをシリコンウエハで挟み、常温接合または陽極接合する。
図3及び図4に示すように、接合されたガラスウエハは前述のガラス層21となる。ガラス層21の一面側に接合されたシリコンウエハは前述のシリコン層20となり、他面側に接合されたシリコンウエハは前述のシリコン層22となる。
次に、図5及び図6に示すように、シリコン層20上に絶縁膜60を成膜する。成膜した絶縁膜60は、前述の絶縁層30,40となる。本実施形態では、絶縁膜60(絶縁層30,40)として、二酸化ケイ素(SiO2)膜を成膜している。
金属膜61は、前述の下電極31,41及び引き出し電極52,53となる。本実施形態では、金属膜61(下電極31,41及び引き出し電極52,53)として、チタン(Ti)膜と白金(Pt)膜を順次成膜している。
圧電体膜62は、前述の圧電体層32,42となる。本実施形態では、圧電体膜62(圧電体層32,42)として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜を成膜している。
金属膜63は、前述の上電極33,43及び引き出し電極51,54となる。本実施形態では、金属膜63(上電極33,43及び引き出し電極51,54)として、チタン(Ti)膜と金(Au)膜を順次成膜している。
さらに、上電極33,43、及び、引き出し電極51,54が形成されている領域以外の圧電体膜62をエッチングし、圧電体層32,42を形成する。
なお、金属膜61をエッチングする際、下電極31,41、及び、引き出し電極52,53が形成される領域以外の絶縁膜60もエッチングされる。上記エッチングで残った下電極31及び引き出し電極51,52の下層の絶縁膜60は、絶縁層30となる。また、上記エッチングで残った下電極41及び引き出し電極53,54の下層の絶縁膜60は、絶縁層40となる。
図11及び図12に示すように、シリコン層20を、フォトリソグラフィを用いてエッチングし、それぞれパターン化されたアーム3,4,5,6、トーションバー7,8,9,10、及び、ミラー11を形成する。
図13及び図14に示すように、シリコン層22の裏面(図14における下側の面)側に、ハードマスク層70を成膜する。本実施形態では、ハードマスク層70として、二酸化ケイ素(SiO2)膜を成膜している。また、ハードマスク層70として、ニッケル(Ni)膜等の金属膜を成膜してもよい。
さらに、ハードマスク層70を覆うようにレジスト71を形成する。
本実施形態では、シリコン層22が170μmと厚いため、レジスト71のみではシリコン層22に対する十分なエッチング選択比を取ることが難しい。そのため、本実施形態では、レジスト71及びハードマスク23のダブルマスクを用いているが、ハードマスク23のみで十分なエッチング選択比が取れるようであれば、レジスト71を除去した後にシリコン層22をエッチングしてもよい。
また、ガラス層21(ガラスウエハ)の厚さは、ミラー11の撓みを低減可能な厚さであり、かつ、ミラー11の共振条件を鑑みて決定される。
また、シリコン層22(シリコンウエハ)の厚さは、ミラー11及び補強リブ12が往復回転駆動しているときの動作範囲を鑑みて決定される。
例えば、ガラスウエハ(ガラス層21)の一面側にシリコンウエハ(シリコン層22)を常温接合または陽極接合し、ガラスウエハの他面側を研磨して所望の厚さとした後に、ガラスウエハの他面側にシリコンウエハ(シリコン層20)を常温接合または陽極接合してもよい。
図29及び図30を用いて、第2の実施形態の光偏向器を説明する。図29(a)は第2の実施形態の光偏向器をミラーの反射面側から見た平面図である。図29(b)は光偏向器をミラーの裏面側から見た平面図である。図30は図29(a)及び図29(b)のA−A線における断面図である。
また、図29(a)及び図29(b)は、第1の実施形態の図1(a)及び図1(b)にそれぞれ対応する。図30は、第1の実施形態の図2に対応する。
補強リブ112の重心C112の位置がミラー11の重心C11の位置と一致するように、補強リブ112がミラー11の反射面とは反対側の面に形成されている点は、第1の実施形態と同じである。
本実施形態では、金属膜として、ニッケル(Ni)膜を成膜している。
なお、本実施形態では、ガラスウエハに金属膜を成膜しているが、これに限定されるものではない。例えば、シリコンウエハが常温接合または陽極接合されたガラスウエハと、他のシリコンウエハに成膜された金属膜とを常温接合するようにしてもよい。
パターン化された金属層123は、ガラス層21をエッチングする際のエッチングマスクとして機能する。
なお、本実施形態では、レジスト72及び金属層123のダブルマスクを用いているが、金属層123のみで十分なエッチング選択比が取れるようであれば、レジスト72を除去した後にガラス層21をエッチングしてもよい。
図39及び図40を用いて、第3の実施形態の光偏向器を説明する。図39(a)は第3の実施形態の光偏向器をミラーの反射面側から見た平面図である。図39(b)は光偏向器をミラーの裏面側から見た平面図である。図40は図39(a)及び図39(b)のA−A線における断面図である。
また、図39(a)及び図39(b)は、第1の実施形態の図1(a)及び図1(b)にそれぞれ対応する。図40は、第1の実施形態の図2に対応する。
補強リブ212の重心C212の位置がミラー11の重心C11の位置と一致するように、補強リブ212がミラー11の反射面とは反対側の面に形成されている点は、第1の実施形態と同じである。
パターン化された金属層223は、ガラス層21をエッチングする際のエッチングマスクとして機能する。
なお、本実施形態では、レジスト72及び金属層223のダブルマスクを用いているが、金属層223のみで十分なエッチング選択比が取れるようであれば、レジスト72を除去した後にガラス層21をエッチングしてもよい。
2,102,202 フレーム
3,4,5,6 アーム
7,8,9,10 トーションバー
11 ミラー
12,112,212 補強リブ
13,14 圧電素子(駆動部)
20,22 シリコン層
21 ガラス層
Claims (3)
- フレームと、
前記フレームに一端側がそれぞれ固定された複数のアームと、
前記複数のアームの他端側に一端側がそれぞれ対応して接続された複数のトーションバーと、
前記複数のトーションバーの他端側が接続され、照射される光を反射する反射面を有するミラーと、
前記ミラーの前記反射面とは反対側の面に形成された補強リブと、
前記複数のアームを駆動させることにより、前記複数のトーションバーを介して、前記ミラーを前記補強リブと共に駆動させる駆動部と、
を備え、
前記複数のアーム、前記複数のトーションバー及び前記ミラーは、第1のシリコン層で構成され、
前記補強リブは、前記第1のシリコン層に対して積層されたガラス層で構成され、
前記フレームは、前記第1のシリコン層と、前記ガラス層と、前記ガラス層に対して積層された第2のシリコン層とを有して構成されていることを特徴とする光偏向器。 - 前記第2のシリコン層は、前記ミラー及び前記補強リブの駆動範囲よりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1記載の光偏向器。
- 前記第1のシリコン層と前記ガラス層とは常温接合または陽極接合されており、前記ガラス層と前記第2のシリコン層とは常温接合または陽極接合されていることを特徴とする請求項1記載の光偏向器。
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