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JP6187405B2 - 光偏向器 - Google Patents

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JP6187405B2
JP6187405B2 JP2014139542A JP2014139542A JP6187405B2 JP 6187405 B2 JP6187405 B2 JP 6187405B2 JP 2014139542 A JP2014139542 A JP 2014139542A JP 2014139542 A JP2014139542 A JP 2014139542A JP 6187405 B2 JP6187405 B2 JP 6187405B2
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Description

本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた光偏向器に関する。
光偏向器は、プロジェクタやヘッドマウントディスプレイ等の投射型のディスプレイ分野に用いられている。光偏向器は、偏向駆動するミラーにレーザ光が照射されることで、レーザ光をミラーの偏向方向に走査する。
光偏向器の一形態として、MEMS技術を用いたものがある。MEMS技術を用いた光偏向器は、一般的に、SOI(Silicon on Insulator)ウエハを半導体製造技術を用いて微細加工することで作製される。そのため、MEMS技術を用いた光偏向器は、ポリゴンミラーやガルバノミラー等の他の形態と比較して小型化が容易である。
特許文献1には、MEMS技術を用いた光偏向器の一例が記載されている。
特開2014−85409号公報
MEMS技術を用いた光偏向器は、一般的に、ミラーの偏向角(振れ角ともいう)を増大させるほど、ミラーの撓みが大きくなる傾向を有する。ミラーの撓みが大きくなると、レーザ光の走査精度が悪化するため、光偏向器を投射型のディスプレイに用いた場合、画像の解像度を悪化させる要因となる。
そこで、特許文献1に記載されている光偏向器は、ミラーの裏面にシリコンからなる補強リブを設けることによって、ミラーの撓みを低減している。
しかしながら、特許文献1に記載されている光偏向器は、補強リブの厚さがフレームの厚さと同じであるので、光偏向器を平坦面に設置すると、フレームと共に補強リブも平坦面に接触する。従って、光偏向器を平坦面に設置した状態でミラーを偏向駆動させることはできない。
そこで、ミラーが偏向駆動する領域にざぐり等による凹部が形成された基台を準備する必要がある。光偏向器の他に、基台等の部材が必要になると、装置の小型化が困難になったり、コストが高くなったりする要因となる。
そこで、本発明は、ミラーの撓みを低減し、かつ、ミラーを偏向駆動させるための光偏向器以外の構成部材を必要とせずにミラーを偏向駆動させる光偏向器を提供することを目的とする。
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、フレームと、前記フレームに一端側がそれぞれ固定された複数のアームと、前記複数のアームの他端側に一端側がそれぞれ対応して接続された複数のトーションバーと、前記複数のトーションバーの他端側が接続され、照射される光を反射する反射面を有するミラーと、前記ミラーの前記反射面とは反対側の面に形成された補強リブと、前記複数のアームを駆動させることにより、前記複数のトーションバーを介して、前記ミラーを前記補強リブと共に駆動させる駆動部とを備え、前記複数のアーム、前記複数のトーションバー及び前記ミラーは、第1のシリコン層で構成され、前記補強リブは、前記第1のシリコン層に対して積層されたガラス層で構成され、前記フレームは、前記第1のシリコン層と、前記ガラス層と、前記ガラス層に対して積層された第2のシリコン層とを有して構成されていることを特徴とする光偏向器を提供する。
本発明の光偏向器によれば、ミラーの撓みを低減し、かつ、ミラーを偏向駆動させるための光偏向器以外の構成部材を必要とせずにミラーを偏向駆動させることができる。
第1の実施形態の光偏向器を示す平面図である。 図1のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図3のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図5のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図7のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図9のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図11のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図13のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図15のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図17のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図19のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図21のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図23のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図25のA−A線における断面図である。 第1の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図27のA−A線における断面図である。 第2の実施形態の光偏向器を示す平面図である。 図29のA−A線における断面図である。 第2の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図31のA−A線における断面図である。 第2の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図33のA−A線における断面図である。 第2の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図35のA−A線における断面図である。 第2の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図37のA−A線における断面図である。 第3の実施形態の光偏向器を示す平面図である。 図39のA−A線における断面図である。 第3の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図41のA−A線における断面図である。 第3の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図43のA−A線における断面図である。 第3の実施形態の光偏向器の製造方法を説明するための平面図である。 図45のA−A線における断面図である。
<第1の実施形態>
図1及び図2を用いて、第1の実施形態の光偏向器を説明する。図1(a)は第1の実施形態の光偏向器をミラーの反射面側から見た平面図である。図1(b)は光偏向器をミラーの裏面側から見た平面図である。図2は図1(a)及び図1(b)のA−A線における断面図である。
図1及び図2に示すように、光偏向器1は、フレーム2と、アーム3,4,5,6と、トーションバー7,8,9,10と、ミラー11と、補強リブ12と、圧電素子13,14と、を有して構成されている。
フレーム2は、枠状の平面形状を有する。
ミラー11は、円板形状を有する。図1(a)において、ミラー11の紙面手前側の面が、外部から照射されたレーザ光を反射する反射面となっている。
アーム3,4,5,6、トーションバー7,8,9,10、及びミラー11は、フレーム2の枠内の空隙部に配置されている。
アーム3は、一端側がフレーム2に固定され、他端側がトーションバー7の一端側に接続されている。
アーム4は、一端側がフレーム2に固定され、他端側がトーションバー8の一端側に接続されている。
アーム5は、一端側がフレーム2に固定され、他端側がトーションバー9の一端側に接続されている。
アーム6は、一端側がフレーム2に固定され、他端側がトーションバー10の一端側に接続されている。
アーム3及びアーム4は、一対のアームを構成し、ミラー11の重心C11を通る中心線A−Aを線対称として対向配置されている。
アーム5及びアーム6は、一対のアームを構成し、ミラー11の重心C11を通る中心線A−Aを線対称として対向配置されている。
アーム3とアーム5は、ミラー11の重心C11を通る中心線B−Bを線対称として対向配置されている。
アーム4とアーム6は、ミラー11の重心C11を通る中心線B−Bを線対称として対向配置されている。
トーションバー7は、一端側がアーム3に接続され、他端側がミラー11に接続されている。
トーションバー8は、一端側がアーム4に接続され、他端側がミラー11に接続されている。
トーションバー9は、一端側がアーム5に接続され、他端側がミラー11に接続されている。
トーションバー10は、一端側がアーム6に接続され、他端側がミラー11に接続されている。
ミラー11における反射面とは反対側の面(図1(b)における紙面手前側の面)には、ミラー11の外周に沿うリング状の補強リブ12が形成されている。
補強リブ12は、その重心C12の位置がミラー11の重心C11の位置と一致するように、ミラー11における反射面とは反対側の面(裏面)に形成されている。
補強リブ12は、ミラー11が往復回転駆動しているときに、ミラー11の撓みを低減する機能を有する。
また、図2に示すように、光偏向器1は、シリコン層20とガラス層21とシリコン層22とが常温接合または陽極接合された積層構造を有する。
アーム3,4,5,6と、トーションバー7,8,9,10と、ミラー11と、フレーム2の上層とは、共通のシリコン層20を加工して形成されている。そのため、アーム3,4,5,6と、トーションバー7,8,9,10と、ミラー11と、フレーム2の上層とは、同一平面状に位置している。また、アーム3,4,5,6の厚さと、トーションバー7,8,9,10の厚さと、ミラー11の厚さと、フレーム2の上層の厚さとは、ほぼ同じ厚さになっている。
補強リブ12とフレーム2とは、シリコン層20と常温接合または陽極接合された共通のガラス層21を加工して形成されている。そのため、補強リブ12と、フレーム2の中間層を形成するガラス層21とは、同一平面状に位置し、かつ、補強リブ12の厚さと、フレーム2の中間層の厚さとは、ほぼ同じ厚さになっている。
フレーム2は、さらに、ガラス層21と常温接合または陽極接合されたシリコン層22を加工することによって、下層が形成されている。なお、フレーム2にはハードマスク23が形成されているが、ハードマスク23は、光偏向器1を製造する過程で用いるものであり、フレーム2の構成上、なくてもよい。
圧電素子13は、アーム3上の領域及びアーム4上の領域を含んで形成されている。本実施形態では、アーム3上の領域及びアーム4上の領域を含むコ字状の領域に、圧電素子13を形成している。
圧電素子14は、アーム5上の領域及びアーム6上の領域を含んで形成されている。本実施形態では、アーム5上の領域及びアーム6上の領域を含むコ字状の領域に、圧電素子14を形成している。
圧電素子13は、シリコン層20の上層に形成されている絶縁層30上に、下電極31と圧電体層32と上電極33とが積層された積層構造を有する。
圧電素子14は、シリコン層20の上層に形成されている絶縁層40上に、下電極41と圧電体層42と上電極43とが積層された積層構造を有する。
本実施形態では、絶縁層30,40の材料として二酸化ケイ素(SiO)を用い、圧電体層32,42の材料としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いている。また、下電極31,41をチタン(Ti)と白金(Pt)の積層構造とし、上電極33,43をチタン(Ti)と金(Au)の積層構造としている。
フレーム2のシリコン層20上には、圧電素子13の上電極33から延伸する引き出し電極51、及び、圧電素子13の下電極31から延伸する引き出し電極52が、それぞれ形成されている。また、フレーム2のシリコン層20上には、圧電素子14の下電極41から延伸する引き出し電極53、及び、圧電素子14の上電極43から延伸する引き出し電極54が、それぞれ形成されている。
圧電素子13は、外部から、引き出し電極51及び引き出し電極52を介して、上電極33及び下電極31に、所定の周波数または調整された周波数の交流電圧を印加すると、交流電圧値に応じた圧電効果によって圧電体層32が変形を繰り返す。
圧電体層32の変形の影響を受け、アーム3及びアーム4は、フレーム2に固定された一端側を支点として、それぞれの他端側が図1(a)及び図1(b)における紙面手前奥方向に振動する。
アーム3及びアーム4の振動がトーションバー7,8を介してミラー11に伝達することによって、ミラー11は、その重心C11を通る中心軸B−Bを回転軸として、往復回転駆動する。ミラー11に固定されている補強リブ12もミラー11と共に往復回転駆動する。
また、外部から、引き出し電極53及び引き出し電極54を介して、圧電素子14の下電極41及び上電極43に、所定の周波数または調整された周波数の交流電圧を印加することで、圧電素子13と同様にミラー11を往復回転駆動させることができる。
交流電圧の周波数は、ミラー11、トーションバー7,8,9,10、及び、アーム3,4,5,6からなる振動系の共振周波数であり、共振による往復回転駆動するように設定または調整される。
また、交流電圧値に応じてミラー11の偏向角を設定または調整することができる。すなわち、交流電圧値を大きくすることでミラー11の偏向角を大きくすることができ、交流電圧値を小さくすることでミラー11の偏向角を小さくすることができる。
また、圧電素子13と圧電素子14の両方に互いに逆位相の交流電圧を印加することで、一方の圧電素子に交流電圧を印加する場合よりもミラー11の偏向角を大きくすることができる。
上述したように、圧電素子13及び圧電素子14の少なくともいずれかは、ミラー11を補強リブ12と一緒に偏向駆動するための駆動部である。
なお、本実施形態では、ミラーを偏向駆動させる手段として圧電素子を形成したが、これに限定されるものではない。ミラー11を偏向駆動するための駆動部として、圧電素子の他に、静電力を利用してミラーを偏向駆動させる静電アクチュエータなどを用いることもできる。
往復回転駆動するミラー11の反射面にレーザ光等の光を照射することにより、照射光をミラーの偏向角に応じて偏向させることができる。
前述したように、ミラー11と、フレーム2の上層とは、共通のシリコン層20を加工して形成されているので、ミラー11と、フレーム2の上層とは、同一平面状に位置し、かつ、ミラー11の厚さと、フレーム2の上層の厚さとは、ほぼ同じ厚さになっている。
また、補強リブ12と、フレーム2の中間層とは、シリコン層20と常温接合または陽極接合された共通のガラス層21を加工して形成されている。そのため、補強リブ12と、フレーム2の中間層とは、同一平面状に位置し、かつ、補強リブ12の厚さと、フレーム2の中間層の厚さとは、ほぼ同じ厚さになっている。
また、フレーム2の下層は、ガラス層21と常温接合または陽極接合されたシリコン層22を加工して形成されている。
すなわち、補強リブ12の底面は、フレームの底面に対して、少なくともシリコン層22の厚さ分、高い位置に配置されている。
従って、上述した光偏向器1によれば、少なくともシリコン層22の厚さを、ミラー11及び補強リブ12が往復回転駆動しているときの動作範囲よりも厚くなるように設計しておけば、ミラー11の撓みを低減し、かつ、ざぐり等による凹部が形成された基台などの他の部材を必要とせずにミラー11を偏向駆動させることができる。
次に、図1から図28を用いて、上述した光偏向器1の製造方法を説明する。図3,図5,図7,図9,図11,図13,図15,図17,図19,図21,図23,図25,図27における(a)及び(b)は、図1の(a)及び(b)にそれぞれ対応する。また、図4,図6,図8,図10,図12,図14,図16,図18,図20,図22,図24,図26,図28は、図2にそれぞれ対応する。
なお、説明をわかりやすくするために、同じ構成部には同じ符号を付して説明する。
[接合工程]
まず、ガラスウエハをシリコンウエハで挟み、常温接合または陽極接合する。
図3及び図4に示すように、接合されたガラスウエハは前述のガラス層21となる。ガラス層21の一面側に接合されたシリコンウエハは前述のシリコン層20となり、他面側に接合されたシリコンウエハは前述のシリコン層22となる。
一般的に、MEMS技術を用いた光偏向器には、SOIウエハが用いられる。通常、SOIウエハは、各層がそれぞれ決まった厚さで作製された積層構造のウエハである。そのため、SOIウエハを外部から入手することで積層工程を省略できるメリットがある一方、高価であり、かつ、各層がそれぞれ決まった厚さで作製されているため、各層をそれぞれ所望の厚さにすることは現実的に難しい。
それに対して、本実施形態では、それぞれ所望の厚さのガラスウエハとシリコンウエハを準備し、これらを常温接合または陽極接合するため、ガラス層21、シリコン層20、シリコン層22の各厚さをそれぞれ目的の厚さにすることができる。
シリコン層20(シリコンウエハ)の厚さは、ミラー11が往復回転駆動しているときのアーム3,4,5,6、トーションバー7,8,9,10、及びミラー11の機械的強度や共振条件等を鑑みて設定される。本実施形態では、シリコン層20の厚さを50μmとしている。
ガラス層21(ガラスウエハ)の厚さは、ミラー11の撓みを低減可能な厚さであり、かつ、ミラー11の共振条件を鑑みて設定される。本実施形態では、ガラス層21の厚さを180μmとしている。
シリコン層22(シリコンウエハ)の厚さは、ミラー11及び補強リブ12が往復回転駆動しているときの動作範囲よりも厚くなるように設定される。本実施形態では、シリコン層22の厚さを170μmとしている。
[圧電素子形成工程]
次に、図5及び図6に示すように、シリコン層20上に絶縁膜60を成膜する。成膜した絶縁膜60は、前述の絶縁層30,40となる。本実施形態では、絶縁膜60(絶縁層30,40)として、二酸化ケイ素(SiO)膜を成膜している。
さらに、絶縁膜60上に、金属膜61、圧電体膜62、金属膜63を順次成膜する。
金属膜61は、前述の下電極31,41及び引き出し電極52,53となる。本実施形態では、金属膜61(下電極31,41及び引き出し電極52,53)として、チタン(Ti)膜と白金(Pt)膜を順次成膜している。
圧電体膜62は、前述の圧電体層32,42となる。本実施形態では、圧電体膜62(圧電体層32,42)として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜を成膜している。
金属膜63は、前述の上電極33,43及び引き出し電極51,54となる。本実施形態では、金属膜63(上電極33,43及び引き出し電極51,54)として、チタン(Ti)膜と金(Au)膜を順次成膜している。
次に、図7及び図8に示すように、金属膜63を、フォトリソグラフィを用いてエッチングし、それぞれパターン化された上電極33,43、及び、引き出し電極51,54を形成する。
さらに、上電極33,43、及び、引き出し電極51,54が形成されている領域以外の圧電体膜62をエッチングし、圧電体層32,42を形成する。
その後、図9及び図10に示すように、金属膜61を、フォトリソグラフィを用いてエッチングし、それぞれパターン化された下電極31,41、及び、引き出し電極52,53を形成する。
なお、金属膜61をエッチングする際、下電極31,41、及び、引き出し電極52,53が形成される領域以外の絶縁膜60もエッチングされる。上記エッチングで残った下電極31及び引き出し電極51,52の下層の絶縁膜60は、絶縁層30となる。また、上記エッチングで残った下電極41及び引き出し電極53,54の下層の絶縁膜60は、絶縁層40となる。
上述した一連のエッチングにより、絶縁層30上に下電極31と圧電体層32と上電極33とが積層された積層構造を有する圧電素子13と、絶縁層40上に下電極41と圧電体層42と上電極43とが積層された積層構造を有する圧電素子14とが、一度に形成される。
[アーム・トーションバー・ミラー形成工程]
図11及び図12に示すように、シリコン層20を、フォトリソグラフィを用いてエッチングし、それぞれパターン化されたアーム3,4,5,6、トーションバー7,8,9,10、及び、ミラー11を形成する。
[フレーム・補強リブ形成工程]
図13及び図14に示すように、シリコン層22の裏面(図14における下側の面)側に、ハードマスク層70を成膜する。本実施形態では、ハードマスク層70として、二酸化ケイ素(SiO)膜を成膜している。また、ハードマスク層70として、ニッケル(Ni)膜等の金属膜を成膜してもよい。
さらに、ハードマスク層70を覆うようにレジスト71を形成する。
次に、図15及び図16に示すように、レジスト71を、フォトリソグラフィを用いてパターン化する。レジスト71は、前述のフレーム2に対応する領域にパターン形成される。
さらに、図17及び図18に示すように、パターン化されたレジスト71をマスクとして、ハードマスク層70をエッチングし、ハードマスク23を形成する。従って、ハードマスク23もレジスト71と同様に、前述のフレーム2に対応する領域に形成される。
次に、図19及び図20に示すように、パターン化されたレジスト71及びハードマスク23のダブルマスクを用いて、シリコン層22をエッチングする。シリコン層22のエッチングは、ガラス層21の表面で終点検出される。
本実施形態では、シリコン層22が170μmと厚いため、レジスト71のみではシリコン層22に対する十分なエッチング選択比を取ることが難しい。そのため、本実施形態では、レジスト71及びハードマスク23のダブルマスクを用いているが、ハードマスク23のみで十分なエッチング選択比が取れるようであれば、レジスト71を除去した後にシリコン層22をエッチングしてもよい。
次に、図21及び図22に示すように、レジスト71を除去する。
次に、図23及び図24に示すように、ハードマスク23及びガラス層21を覆うようにレジスト72を形成する。レジスト72は、スプレーコート法等を用いることで形成される。
さらに、図25及び図26に示すように、レジスト72を、フォトリソグラフィを用いてパターン化する。レジスト72は、ハードマスク23に対応する領域、及び、前述の補強リブ12に対応する領域にパターン形成される。
次に、図27及び図28に示すように、パターン化されたレジスト72をマスクとして、ガラス層21をエッチングする。本実施形態では、ICP−RIE(Inductive Coupled Plasma - Reactive Ion Etching)にてエッチングを行っている。なお、ガラス層21をエッチングする際、ICP−RIEに加えて、深堀り補助のため、イオンミリングを併用してもよい。
ガラス層21のエッチングにより、ガラス層21からなる単層構造を有する補強リブ12、及び、シリコン層20とガラス層21とシリコン層22とハードマスク23とが積層された積層構造を有するフレーム2が形成される。
その後、レジスト71を除去することで、図1及び図2に示す光偏向器1が作製される。
なお、ハードマスク23は、光偏向器1の製造過程で用いるものであり、フレーム2の構成上、なくてもよい。従って、ハードマスク23は、レジスト71またはレジスト72を除去した後に除去してもよい。
上述した光偏向器1によれば、補強リブ12の底面が、フレーム2の底面に対して、少なくともシリコン層22の厚さ分、高い位置に配置されている。そのため、少なくともシリコン層22の厚さを、ミラー11及び補強リブ12が往復回転駆動しているときの動作範囲よりも厚くなるように設計しておけば、ミラー11の撓みを低減し、かつ、ざぐり等による凹部が形成された基台などの他の部材を必要とせずにミラー11を偏向駆動させることができる。
また、上述した光偏向器1によれば、高価で、かつ、各層が決まった厚さで作製されているSOIウエハを使用せずに、それぞれ所望の厚さのガラスウエハとシリコンウエハを準備し、これらを常温接合または陽極接合することにより、ガラス層21、シリコン層20、シリコン層22の各厚さをそれぞれ目的の厚さにすることができる。即ち、SOIウエハを使用した場合と比較して、各層の厚さの設計の自由度が向上する。
例えば、シリコン層20(シリコンウエハ)の厚さは、ミラー11が往復回転駆動しているときのアーム3,4,5,6、トーションバー7,8,9,10、及びミラー11の機械的強度や共振条件等を鑑みて決定される。
また、ガラス層21(ガラスウエハ)の厚さは、ミラー11の撓みを低減可能な厚さであり、かつ、ミラー11の共振条件を鑑みて決定される。
また、シリコン層22(シリコンウエハ)の厚さは、ミラー11及び補強リブ12が往復回転駆動しているときの動作範囲を鑑みて決定される。
なお、本実施形態では、それぞれ所望の厚さのガラスウエハとシリコンウエハを準備し、これらを常温接合または陽極接合することにより、ガラス層21、シリコン層20、シリコン層22の各厚さをそれぞれ目的の厚さとしているが、これに限定されるものではない。
例えば、ガラスウエハ(ガラス層21)の一面側にシリコンウエハ(シリコン層22)を常温接合または陽極接合し、ガラスウエハの他面側を研磨して所望の厚さとした後に、ガラスウエハの他面側にシリコンウエハ(シリコン層20)を常温接合または陽極接合してもよい。
<第2の実施形態>
図29及び図30を用いて、第2の実施形態の光偏向器を説明する。図29(a)は第2の実施形態の光偏向器をミラーの反射面側から見た平面図である。図29(b)は光偏向器をミラーの裏面側から見た平面図である。図30は図29(a)及び図29(b)のA−A線における断面図である。
また、図29(a)及び図29(b)は、第1の実施形態の図1(a)及び図1(b)にそれぞれ対応する。図30は、第1の実施形態の図2に対応する。
図29及び図30に示すように、第2の実施形態の光偏向器101は、第1の実施形態の光偏向器1と比較して、光偏向器101自体の層構成、フレーム102及び補強リブ112の層構成が異なり、他の構成については第1の実施形態の光偏向器1と同じである。
具体的には、第1の実施形態の光偏向器1は、シリコン層20とガラス層21とシリコン層22とが常温接合または陽極接合された積層構造を有する。それに対して、第2の実施形態の光偏向器101は、シリコン層20とガラス層21と金属層123とシリコン層22とが積層された積層構造を有する点で相違する。
また、第1の実施形態の光偏向器1におけるフレーム2は、シリコン層20とガラス層21とシリコン層22とハードマスク23と積層された積層構造を有する。それに対して、第2の実施形態の光偏向器101におけるフレーム102は、シリコン層20とガラス層21と金属層123とシリコン層22とハードマスク23とが積層された積層構造を有する点で相違する。
また、第1の実施形態の光偏向器1における補強リブ12は、ガラス層21からなる単層構造を有する。それに対して、第2の実施形態の光偏向器101における補強リブ112は、ガラス層21と金属層123とが積層された積層構造を有する点で相違する。
第2の実施形態の光偏向器101において、アーム3,4,5,6と、トーションバー7,8,9,10と、ミラー11と、フレーム102の上層とは、共通のシリコン層20を加工して形成されている。そのため、アーム3,4,5,6と、トーションバー7,8,9,10と、ミラー11と、フレーム102の上層とは、同一平面状に位置する。また、アーム3,4,5,6の厚さと、トーションバー7,8,9,10の厚さと、ミラー11の厚さと、フレーム102の上層の厚さとは、ほぼ同じ厚さになっている。
補強リブ112の上層と、フレーム102のシリコン層20の下層とは、シリコン層20と常温接合または陽極接合された共通のガラス層21を加工して形成されている。そのため、補強リブ112の上層と、フレーム102のシリコン層20の下層とは、同一平面状に位置し、かつ、補強リブ112の上層の厚さと、フレーム102のシリコン層20の下層の厚さとは、ほぼ同じ厚さになっている。
また、補強リブ112のガラス層21の下層と、フレーム102のガラス層21の下層とは、ガラス層21にスパッタリングやめっき等によって形成された共通の金属層123を加工して形成されている。そのため、補強リブ112のガラス層21の下層と、フレーム102のガラス層21の下層とは、同一平面状に位置し、かつ、補強リブ112のガラス層21の下層の厚さと、フレーム102のガラス層21の下層の厚さとは、ほぼ同じ厚さになっている。
フレーム102の金属層123の下層は、金属層123と常温接合されたシリコン層22を加工して形成されている。なお、フレーム102にはハードマスク23が形成されているが、ハードマスク23は、光偏向器101を製造する過程で用いるものであり、フレーム102の構成上、なくてもよい。
フレーム102が、枠状の平面形状を有する点は、第1の実施形態と同じである。
補強リブ112の重心C112の位置がミラー11の重心C11の位置と一致するように、補強リブ112がミラー11の反射面とは反対側の面に形成されている点は、第1の実施形態と同じである。
次に、図29から図38を用いて、光偏向器101の製造方法を説明する。図31,図33,図35,図37における(a)及び(b)は、図29の(a)及び(b)にそれぞれ対応する。また、図32,図34,図36,図38は、図30にそれぞれ対応する。なお、説明をわかりやすくするために、同じ構成部には同じ符号を付して説明する。
ガラスウエハの一面側に金属膜を成膜し、金属膜とシリコンウエハとを常温接合し、ガラスウエハの他面側とシリコンウエハとを、常温接合または陽極接合する。
図31及び図32に示すように、接合されたガラスウエハはガラス層21となる。ガラス層21の一面側に成膜された金属膜は金属層123となる。金属層123と常温接合されたシリコンウエハはシリコン層22となる。ガラス層21の他面側に常温接合または陽極接合されたシリコンウエハはシリコン層20となる。
本実施形態では、金属膜として、ニッケル(Ni)膜を成膜している。
なお、本実施形態では、ガラスウエハに金属膜を成膜しているが、これに限定されるものではない。例えば、シリコンウエハが常温接合または陽極接合されたガラスウエハと、他のシリコンウエハに成膜された金属膜とを常温接合するようにしてもよい。
次に、第1の実施形態で図5から図10を用いて説明した圧電素子形成工程と同様の工程を行う。
次に、第1の実施形態で図11及び図12を用いて説明したアーム・トーションバー・ミラー形成工程と同様の工程を行う。
次に、第1の実施形態で図13から図20を用いて説明したフレーム・補強リブ形成工程と同様の工程を行う。即ち、フレーム・補強リブ形成工程において、シリコン層22のエッチングまでの工程を行う。なお、第2の実施形態では、シリコン層22のエッチングは、金属層123の表面で終点検出される。
次に、第1の実施形態で図21から図24を用いて説明したフレーム・補強リブ形成工程と同様の工程を行う。即ち、フレーム・補強リブ形成工程において、レジスト71の除去からレジスト72の形成までの工程を行う。
次に、図33及び図34に示すように、レジスト72を、フォトリソグラフィを用いてパターン化する。レジスト72は、ハードマスク23に対応する領域、及び、前述の補強リブ112に対応する領域にパターン形成される。
さらに、図35及び図36に示すように、パターン化されたレジスト72をマスクとして、金属層123をエッチングし、金属層123をパターン化する。従って、金属層123もレジスト72と同様に、ハードマスク23に対応する領域、及び、前述の補強リブ112に対応する領域にパターン形成される。
パターン化された金属層123は、ガラス層21をエッチングする際のエッチングマスクとして機能する。
次に、図37及び図38に示すように、パターン化されたレジスト72及び金属層123のダブルマスクを用いて、ガラス層21をエッチングする。
第1の実施形態では、レジスト72のみで180μmと厚いガラス層21をエッチングしている。それに対して、第2の実施形態では、レジスト72及び金属層123のダブルマスクを用いて、ガラス層21をエッチングするため、第1の実施形態よりもエッチングマスクとしての耐性が向上する。これにより、ガラス層21のエッチング条件の自由度が増すので、歩留まりの向上やエッチング時間の短縮等、第1の実施形態よりも生産性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、レジスト72及び金属層123のダブルマスクを用いているが、金属層123のみで十分なエッチング選択比が取れるようであれば、レジスト72を除去した後にガラス層21をエッチングしてもよい。
ガラス層21のエッチングにより、ガラス層21と金属層123とが積層された積層構造を有する補強リブ112が形成される。また、ガラス層21のエッチングにより、シリコン層20とガラス層21と金属層123とシリコン層22とハードマスク23とが積層された積層構造を有するフレーム102が形成される。
その後、レジスト72を除去することで、図29及び図30に示す光偏向器101が作製される。
上述した光偏向器101によれば、補強リブ112の底面が、フレーム102の底面に対して、少なくともシリコン層22の厚さ分、高い位置に配置されている。そのため、少なくともシリコン層22の厚さを、ミラー11及び補強リブ112が往復回転駆動しているときの動作範囲よりも厚くなるように設計しておけば、ミラー11の撓みを低減し、かつ、ざぐり等による凹部が形成された基台などの他の部材を必要とせずにミラー11を偏向駆動させることができる。
また、上述した光偏向器101によれば、高価で、かつ、各層が決まった厚さで作製されているSOIウエハを使用せずに、それぞれ所望の厚さのガラスウエハとシリコンウエハを準備し、これらを常温接合または陽極接合することにより、ガラス層21、シリコン層20、シリコン層22の各厚さをそれぞれ目的の厚さにすることができる。即ち、SOIウエハを使用した場合と比較して、各層の厚さの設計の自由度が向上する。
例えば、シリコン層20(シリコンウエハ)の厚さは、ミラー11が往復回転駆動しているときのアーム3,4,5,6、トーションバー7,8,9,10、及びミラー11の機械的強度や共振条件等を鑑みて決定される。
また、ガラス層21(ガラスウエハ)の厚さは、ミラー11の撓みを低減可能な厚さであり、かつ、ミラー11の共振条件を鑑みて決定される。
また、シリコン層22(シリコンウエハ)の厚さは、ミラー11及び補強リブ112が往復回転駆動しているときの動作範囲を鑑みて決定される。
<第3の実施形態>
図39及び図40を用いて、第3の実施形態の光偏向器を説明する。図39(a)は第3の実施形態の光偏向器をミラーの反射面側から見た平面図である。図39(b)は光偏向器をミラーの裏面側から見た平面図である。図40は図39(a)及び図39(b)のA−A線における断面図である。
また、図39(a)及び図39(b)は、第1の実施形態の図1(a)及び図1(b)にそれぞれ対応する。図40は、第1の実施形態の図2に対応する。
図39及び図40に示すように、第3の実施形態の光偏向器201は、第1の実施形態の光偏向器1と比較して、光偏向器201自体の層構成、フレーム202及び補強リブ212の層構成が異なり、他の構成については第1の実施形態の光偏向器1と同じである。
具体的には、第1の実施形態の光偏向器1は、シリコン層20とガラス層21とシリコン層22とが常温接合または陽極接合された積層構造を有する。それに対して、第3の実施形態の光偏向器201は、シリコン層20とガラス層21とシリコン層22と金属層223とが積層された積層構造を有する点で相違する。
また、第1の実施形態の光偏向器1におけるフレーム2は、シリコン層20とガラス層21とシリコン層22とハードマスク23と積層された積層構造を有する。それに対して、第3の実施形態の光偏向器201におけるフレーム202は、シリコン層20とガラス層21とシリコン層22とハードマスク23と金属層223とが積層された積層構造を有する点で相違する。
また、第1の実施形態の光偏向器1における補強リブ12は、ガラス層21からなる単層構造を有する。それに対して、第3の実施形態の光偏向器201における補強リブ212は、ガラス層21と金属層223とが積層された積層構造を有する点で相違する。
第3の実施形態の光偏向器201において、アーム3,4,5,6と、トーションバー7,8,9,10と、ミラー11と、フレーム202の上層とは、共通のシリコン層20を加工して形成されている。そのため、アーム3,4,5,6と、トーションバー7,8,9,10と、ミラー11と、フレーム202の上層とは、同一平面状に位置する。また、アーム3,4,5,6の厚さと、トーションバー7,8,9,10の厚さと、ミラー11の厚さと、フレーム202の上層の厚さとは、ほぼ同じ厚さになっている。
補強リブ212の上層と、フレーム202のシリコン層20の下層とは、シリコン層20と常温接合または陽極接合された共通のガラス層21を加工して形成されている。そのため、補強リブ212の上層と、フレーム202のシリコン層20の下層とは、同一平面状に位置し、かつ、補強リブ212の上層の厚さと、フレーム202のシリコン層20の下層の厚さとは、ほぼ同じ厚さになっている。
フレーム202のガラス層21の下層は、ガラス層21と常温接合または陽極接合されたシリコン層22を加工して形成されている。なお、フレーム202にはハードマスク23が形成されているが、ハードマスク23は、光偏向器201を製造する過程で用いるものであり、フレーム102の構成上、なくてもよい。
補強リブ212のガラス層21の下層と、フレーム202のハードマスク23の下層とは、共通の金属層223を加工して形成されている。そのため、補強リブ212のガラス層21の下層の厚さと、フレーム202のハードマスク23の下層の厚さとは、ほぼ同じ厚さになっている。
フレーム202が、枠状の平面形状を有する点は、第1の実施形態と同じである。
補強リブ212の重心C212の位置がミラー11の重心C11の位置と一致するように、補強リブ212がミラー11の反射面とは反対側の面に形成されている点は、第1の実施形態と同じである。
次に、図39から図46を用いて、光偏向器201の製造方法を説明する。図41,図43,図45における(a)及び(b)は、図39の(a)及び(b)にそれぞれ対応する。また、図42,図44,図46は図40にそれぞれ対応する。なお、説明をわかりやすくするために、同じ構成部には同じ符号を付して説明する。
まず、第1の実施形態で図3及び図4を用いて説明した接合工程と同様の工程を行う。
次に、第1の実施形態で図5から図10を用いて説明した圧電素子形成工程と同様の工程を行う。
次に、第1の実施形態で図11及び図12を用いて説明したアーム・トーションバー・ミラー形成工程と同様の工程を行う。
次に、第1の実施形態で図13から図22を用いて説明したフレーム・補強リブ形成工程と同様の工程を行う。即ち、フレーム・補強リブ形成工程において、レジスト71の除去までの工程を行う。
次に、図41及び図42に示すように、ハードマスク23及びガラス層21を覆うように金属膜を成膜する。金属膜は、前述の金属層223となる。本実施形態では、金属膜としてニッケル(Ni)膜を成膜した。
その後、金属層223の表面上に、フォトリソグラフィを用いてパターン化されたレジスト72を形成する。レジスト72は、ハードマスク23に対応する領域、及び、前述の補強リブ212に対応する領域にパターン形成される。
次に、図43及び図44に示すように、パターン化されたレジスト72をマスクとして、金属層223をエッチングする。金属層223もレジスト72と同様に、ハードマスク23に対応する領域、及び、前述の補強リブ212に対応する領域にパターン形成される。
パターン化された金属層223は、ガラス層21をエッチングする際のエッチングマスクとして機能する。
次に、図45及び図46に示すように、パターン化されたレジスト72及び金属層223のダブルマスクを用いて、ガラス層21をエッチングする。
第1の実施形態では、レジスト72のみで180μmと厚いガラス層21をエッチングしている。それに対して、第3の実施形態では、レジスト72及び金属層223のダブルマスクを用いて、ガラス層21をエッチングするため、第1の実施形態よりもエッチングマスクとしての耐性が向上する。これにより、ガラス層21のエッチング条件の自由度が増すので、歩留まりの向上やエッチング時間の短縮等、第1の実施形態よりも生産性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、レジスト72及び金属層223のダブルマスクを用いているが、金属層223のみで十分なエッチング選択比が取れるようであれば、レジスト72を除去した後にガラス層21をエッチングしてもよい。
ガラス層21のエッチングにより、ガラス層21と金属層223とが積層された積層構造を有する補強リブ212が形成される。また、ガラス層21のエッチングにより、シリコン層20とガラス層21とシリコン層22とハードマスク23と金属層223とが積層された積層構造を有するフレーム202が形成される。
その後、レジスト72を除去することで、図39及び図40に示す光偏向器201が作製される。
上述した光偏向器201によれば、補強リブ212の底面が、フレーム202の底面に対して、少なくともシリコン層22の厚さ分、高い位置に配置されている。そのため、少なくともシリコン層22の厚さを、ミラー11及び補強リブ212が往復回転駆動しているときの動作範囲よりも厚くなるように設計しておけば、ミラー11の撓みを低減し、かつ、ざぐり等による凹部が形成された基台などの他の部材を必要とせずにミラー11を偏向駆動させることができる。
また、上述した光偏向器101によれば、高価で、かつ、各層が決まった厚さで作製されているSOIウエハを使用せずに、それぞれ所望の厚さのガラスウエハとシリコンウエハを準備し、これらを常温接合または陽極接合することにより、ガラス層21、シリコン層20、シリコン層22の各厚さをそれぞれ目的の厚さにすることができる。即ち、SOIウエハを使用した場合と比較して、各層の厚さの設計の自由度が向上する。
例えば、シリコン層20(シリコンウエハ)の厚さは、ミラー11が往復回転駆動しているときのアーム3,4,5,6、トーションバー7,8,9,10、及びミラー11の機械的強度や共振条件等を鑑みて決定される。
また、ガラス層21(ガラスウエハ)の厚さは、ミラー11の撓みを低減可能な厚さであり、かつ、ミラー11の共振条件を鑑みて決定される。
また、シリコン層22(シリコンウエハ)の厚さは、ミラー11及び補強リブ212が往復回転駆動しているときの動作範囲を鑑みて決定される。
なお、本発明に係る実施形態は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
1,101,201 光偏向器
2,102,202 フレーム
3,4,5,6 アーム
7,8,9,10 トーションバー
11 ミラー
12,112,212 補強リブ
13,14 圧電素子(駆動部)
20,22 シリコン層
21 ガラス層

Claims (3)

  1. フレームと、
    前記フレームに一端側がそれぞれ固定された複数のアームと、
    前記複数のアームの他端側に一端側がそれぞれ対応して接続された複数のトーションバーと、
    前記複数のトーションバーの他端側が接続され、照射される光を反射する反射面を有するミラーと、
    前記ミラーの前記反射面とは反対側の面に形成された補強リブと、
    前記複数のアームを駆動させることにより、前記複数のトーションバーを介して、前記ミラーを前記補強リブと共に駆動させる駆動部と、
    を備え、
    前記複数のアーム、前記複数のトーションバー及び前記ミラーは、第1のシリコン層で構成され、
    前記補強リブは、前記第1のシリコン層に対して積層されたガラス層で構成され、
    前記フレームは、前記第1のシリコン層と、前記ガラス層と、前記ガラス層に対して積層された第2のシリコン層とを有して構成されていることを特徴とする光偏向器。
  2. 前記第2のシリコン層は、前記ミラー及び前記補強リブの駆動範囲よりも厚く形成されていることを特徴とする請求項1記載の光偏向器。
  3. 前記第1のシリコン層と前記ガラス層とは常温接合または陽極接合されており、前記ガラス層と前記第2のシリコン層とは常温接合または陽極接合されていることを特徴とする請求項1記載の光偏向器。
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