JP6186755B2 - 車体構造 - Google Patents
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Description
さらに、車幅方向の剛性や強度を確保すべく、サイドメンバとサイドシルとを接続する部材を備えた車体構造が開発されている。サイドメンバとサイドシルとを部材で接続することで、車両の前面衝突時にサイドメンバがサイドシルに対して相対変位するのを抑制し、車室の変形を抑制している。例えば特許文献1にかかる構造が開示されている。
一方、特許文献1には、サイドメンバの接合部周辺にかかる着目がされておらず、もちろん接合部周辺の折れ曲がりにかかる着目もされていない。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
なお、下記の実施形態では、車両の進行方向を前方とし、この逆方向を後方とし、重力の作用方向を下方とし、この逆方向を上方とし、これらの前後方向及び上下方向の何れにも直交する方向を車幅方向とする。また、車両の前進方向に向いたときの左方を単に左方といい、この逆方向を単に右方という。
〔構成〕
はじめに、図1を参照して、車体構造の概要を説明する。
この車体構造には、前後に延びる左右一対の骨格構造として、サイドメンバ10,20,30とサイドシル40と(何れも左方にのみ符号を付す)が設けられている。
サイドメンバ10,20,30は、車幅方向に所定の間隔をおいてそれぞれ設けられ、前方から順にフロントサイドメンバ10,フロントフロアサイドメンバ20,リヤフロアサイドメンバ30が配置される。
フロントサイドメンバブレース48は、サイドシル40の前部とフロントサイドメンバ10とを接続しており、左右にそれぞれ設けられている。
サイドメンバ20は、第一サイドメンバ21と、この後方に配置された第二サイドメンバ22と、第一サイドメンバ21と第二サイドメンバ22とが接合された部位である接合部23とを有する。
各サイドメンバ21,22のメンバフランジ部21a,22aは、例えばスポット溶接によりフロアパネル2に結合される。
図2に示すように、サイドシル40は、車幅方向内側のフロントサイドシルインナ41と、車幅方向外側のサイドパネルアウタ42と、これらの間に設けられたサイドシルリンフォース43とを有する。
ブレース50は、サイドメンバ20(接合縁部の一部を二点鎖線で示す)に結合される第一フランジ部51と、サイドシル40(接合縁部の一部を二点鎖線で示す)に結合される第二フランジ部52と、これらのフランジ部51,52を接続するとともにフロアパネル2に結合される本体部53とを有する。このブレース50は、一枚のパネルを折り曲げることにより形成することができる。
本体部53は、ブレース50を取り付けたときの前後方向に沿った断面がハット形状であり、このハットの開口を上方に向けて配置される。この本体部53は、上方から順に、本体フランジ部53a,立面部53b,下面部53cを有する。なお、図3では、本体フランジ部53a,立面部53bについて一方にのみ符号を付す。
本体フランジ部53aは、立面部53bの上端から前後方向に突設された面部であり、上述のようにフロアパネル2に結合される。
立面部53bは、上記の本体フランジ部53aと下面部53cとを上下に接続する面部であり、下面部53cは、各立面部53bの下端部を前後に接続する面部である。
第一下面フランジ部51aは、サイドメンバ20の接合部23における第一サイドメンバ21の下面部21c(図2参照)に結合され、第一立面フランジ部51bは、第一サイドメンバ21の立面部21b(図2参照)に結合される。なお、第一下面フランジ部51aおよび第一立面フランジ部51bの結合箇所は、上記に例示したものに限らず、第一下面フランジ部51aが第一サイドメンバ21の下面部21cと第二サイドメンバ22の下面部22cの両方、第一立面フランジ部51bが第一サイドメンバ21の立面部21bと第二サイドメンバ22の立面部22bの両方に跨って結合されてもよい。
第二下面フランジ部52aは、サイドシル40においてフロントサイドシルインナ41の下面部41c(図2参照)に結合され、第二立面フランジ部52bは、フロントサイドシルインナ41の立面部41b(図2参照)に結合される。
本実施形態の車体構造は上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
従来のサイドメンバは、例えば板材をプレス加工したり折り曲げ加工して形成されるため、一部材のなかで板厚を変化させることは困難であり、一定の板厚で形成されていることが一般的である。この板厚は、サイドメンバにおいて最も強度が必要とされる部位の板厚に設定される。したがって、従来のサイドメンバには必要以上に厚い板厚の部位が設けられてしまう。
一部材のサイドメンバの板厚を変化させるためには、特殊な工法で製造された板材を用いたり、サイドメンバを部分的に削ることなどが必要となるため、製造コストが嵩んでしまう。
第一サイドメンバ21と第二サイドメンバ22とが接合される接合部23周辺は車両の衝突時のような外力を受けると折れ曲がりの起点となり易いが、この接合部23にはブレース50が結合されているため、接合部23周辺をブレース50により補強することができる。これにより、サイドメンバ20の折れ曲がりを防止又は抑制することができる。
一方、サイドメンバ20とサイドシル40とを接続するブレース50がその上方のフロアパネル2に結合されているため、サイドメンバ20を下方へ折り曲げる荷重が作用したとしても、ブレース50はこの荷重に抗することができる。したがって、サイドメンバ20の下方への折れ曲がりも回避又は抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の一実施形態では、ブレース50がフロアパネル2に結合されたものを示したが、ブレース50がフロアパネル2に結合されていなくてもよい。例えば、上述の本体部53から本体フランジ部53aを省略したものや、本体部における前後方向の断面形状が閉断面形状や溝型断面形状のブレースなどを用いることができる。この場合、フロアパネル2に結合されたブレース50に比較してサイドメンバ20の補強は弱いものとなるが、ブレースの組み付け工数を低減することができる。また、ブレースの形状に依っては、形成コストを抑えることができる。
20 フロントフロアサイドメンバ(サイドメンバ)
21 第一サイドメンバ
21a メンバフランジ部
21b 立面部
21c 下面部
22 第二サイドメンバ
22a メンバフランジ部
22b 立面部
22c 下面部
23 接合部
40 サイドシル
41 フロントサイドシルインナ
41a インナフランジ部
41b 立面部
41c 下面部
42 サイドパネルアウタ
42a アウタフランジ部
42b クラウン部
43 サイドシルリンフォース
43a リンフォースフランジ部
49 リヤサイドシルインナ
50 フロントフロアブレース(接続部材)
51 第一フランジ部
51a 第一下面フランジ部
51b 第一立面フランジ部
52 第二フランジ部
52a 第二下面フランジ部
52b 第二立面フランジ部
53 本体部
53a 本体フランジ部
53b 立面部
53c 底面部
Claims (2)
- 車両前後方向に延設されたサイドメンバと、
前記サイドメンバの車幅方向外側に設けられたサイドシルと、
前記サイドメンバと前記サイドシルとを接続する接続部材とを備え、
前記サイドメンバは、
第一サイドメンバと、
前記第一サイドメンバの後方に配置された第二サイドメンバと、
前記第一サイドメンバと前記第二サイドメンバとが接合された部位である接合部とを有し、
前記接続部材は、前記接合部のみにおいて前記サイドメンバに結合され、
前記接合部では、
前記第一サイドメンバと前記第二サイドメンバとが重ね合わされた状態で接合され、
前記第二サイドメンバの下側に前記第一サイドメンバが接合され、
前記第一サイドメンバの下面部に前記接続部材が結合され、
前記第一サイドメンバの板厚は、前記第二サイドメンバの板厚よりも厚い
ことを特徴とする、車体構造。 - 前記サイドメンバ及び前記接続部材の上方に設けられたフロアパネルをさらに備え、
前記接続部材は、前記フロアパネルに結合される
ことを特徴とする、請求項1に記載の車体構造。
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