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JP6186755B2 - 車体構造 - Google Patents

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JP6186755B2 JP2013042051A JP2013042051A JP6186755B2 JP 6186755 B2 JP6186755 B2 JP 6186755B2 JP 2013042051 A JP2013042051 A JP 2013042051A JP 2013042051 A JP2013042051 A JP 2013042051A JP 6186755 B2 JP6186755 B2 JP 6186755B2
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Description

本発明は、前後の部材を接合して構成されたサイドメンバを有する車体の構造に関するものである。
車体構造には、車両前後に延びる左右一対の骨格部材としてサイドメンバ及びサイドシルを備えたものがある。サイドメンバは車幅方向に所定の間隔をおいてそれぞれ設けられ、各サイドメンバの車幅方向外側には各サイドシルが設けられる。
さらに、車幅方向の剛性や強度を確保すべく、サイドメンバとサイドシルとを接続する部材を備えた車体構造が開発されている。サイドメンバとサイドシルとを部材で接続することで、車両の前面衝突時にサイドメンバがサイドシルに対して相対変位するのを抑制し、車室の変形を抑制している。例えば特許文献1にかかる構造が開示されている。
特許文献1には、サイドフレーム(サイドメンバ)とサイドシルとの間を接続するアウトリガが設けられた構造が示されている。このサイドフレームでは、その前方にフロントサイドフレームが設けられ、その後方にリアサイドフレームが設けられて、互いが接合されている。
特開2006−213176号公報
ところで、前後に分割された部材を接合したサイドメンバ(以下、「接合サイドメンバ」という)によれば、成形性やアセンブリ時の取り回しを向上させることができる。さらに、各部材毎に異なる板厚のものを用いれば、サイドメンバの部位毎に最適な板厚を設定することができる。これにより、軽量化を図ることができ、材料コストを低減させることができる。
また、接合サイドメンバの接合部は、前後の各部材が重ね合わされた状態で接合されていれば、他の部位と比べて厚みが厚く強度が高くなっている。そのため、接合部の前後端部とその周辺部(以下、単に「接合部周辺」という)は、部材強度が変化する部位となり、他の部位と比較して折れ曲がりの起点となり易い。さらに、接合サイドメンバの接合部において各部材が突き合わされて接合されている場合にも、接合部周辺が折れ曲がりの起点となり易い。これらより、例えば車両の前面衝突時など接合サイドメンバに大きな負荷が作用した際には、接合部周辺を起点として接合サイドメンバが折れ曲がってしまうおそれがある。
一方、特許文献1には、サイドメンバの接合部周辺にかかる着目がされておらず、もちろん接合部周辺の折れ曲がりにかかる着目もされていない。
本発明の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、前後に配置された部材を接合したサイドメンバの折れ曲がりを防止又は抑制することができるようにした、車体構造を提供することである。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の車体構造は、車両前後方向に延設されたサイドメンバと、前記サイドメンバの車幅方向外側に設けられたサイドシルと、前記サイドメンバと前記サイドシルとを接続する接続部材とを備え、前記サイドメンバは、第一サイドメンバと、前記第一サイドメンバの後方に配置された第二サイドメンバと、前記第一サイドメンバと前記第二サイドメンバとが接合された部位である接合部とを有し、前記接続部材は、例えば車幅方向に沿って設けられ、前記接合部のみにおいて前記サイドメンバに結合される。そのうえ、前記接合部では、前記第一サイドメンバと前記第二サイドメンバとが重ね合わされた(ラップした)状態で接合され、前記第二サイドメンバの下側に前記第一サイドメンバが接合され、前記第一サイドメンバの下面部に前記接続部材が結合される。また、前記第一サイドメンバの板厚は、前記第二サイドメンバの板厚よりも厚いことを特徴としている。なお、前記接合部はスポット溶接などの溶接により接合された部分である。
)前記サイドメンバ及び前記接続部材の上方に設けられたフロアパネルをさらに備え、前記接続部材は、前記フロアパネルに結合されることが好ましい。
本発明の車体構造によれば、第一サイドメンバとこの後方に配置された第二サイドメンバとが接合部で接合されたサイドメンバを備えた車両において、第一サイドメンバと第二サイドメンバとの接合部にサイドメンバとサイドシルとを接続する接続部材を結合したので、接合部周辺を接続部材により補強することができる。このため、例えば、車両が前面衝突した際、接続部材によってサイドシルに対するサイドメンバの車両前後方向での相対変位が抑制されるとともに、サイドメンバの接合部周辺での折れ曲がりを防止又は抑制することができる。したがって、衝突時における車室の変形をより確実に抑制することができる。しかもサイドメンバが第一サイドメンバと第二サイドメンバとに分割された構造とされているため、サイドメンバの成形性やアセンブリ時の取り回しを向上させることができる。さらに、第一サイドメンバ及び第二サイドメンバの各板厚を個別に設定すれば、サイドメンバの部位毎に板厚を最適化することができる。これにより、軽量化を図ることができ、材料コストを低減させることができる。
本発明の一実施形態にかかる車体構造を示す下面図である。 図1のA−A矢視断面図である。この図2では、図面の上下方向を車両の上下方向に合わせて示している。 本発明の一実施形態にかかるブレース(接続部材)を取り出して示す斜視図である。
以下、本発明の車体構造にかかる実施の形態について図面を参照して説明する。この車体構造は、自動車などの車両に適用される。
なお、下記の実施形態では、車両の進行方向を前方とし、この逆方向を後方とし、重力の作用方向を下方とし、この逆方向を上方とし、これらの前後方向及び上下方向の何れにも直交する方向を車幅方向とする。また、車両の前進方向に向いたときの左方を単に左方といい、この逆方向を単に右方という。
〔一実施形態〕
〔構成〕
はじめに、図1を参照して、車体構造の概要を説明する。
この車体構造には、前後に延びる左右一対の骨格構造として、サイドメンバ10,20,30とサイドシル40と(何れも左方にのみ符号を付す)が設けられている。
サイドメンバ10,20,30は、車幅方向に所定の間隔をおいてそれぞれ設けられ、前方から順にフロントサイドメンバ10,フロントフロアサイドメンバ20,リヤフロアサイドメンバ30が配置される。
フロントサイドメンバ10の上方にはダッシュパネル1が設けられ、フロントフロアサイドメンバ20の上方にはフロントフロアパネル2が設けられ、リヤフロアサイドメンバ30の上方にはリヤフロアパネル3が設けられている。これらのパネル1,2,3により、車室内と車室外とが区画されている。
フロントフロアサイドメンバ20の車幅方向外側には、それぞれサイドシル40が設けられている。このサイドシル40は、ドア(図示略)開口時の敷居部分にあたり、ドア開口の下方に設けられる。なお、詳細は後述するが、サイドシル40は、車幅方向外側に設けられたサイドパネルアウタ42と、車幅方向内側に設けられたフロントサイドシルインナ41及びリヤサイドシルインナ49(左方にのみ符号を付す)とを有している。このリヤサイドシルインナ49により、リヤフロアサイドメンバ30とサイドパネルアウタ42とが接続されている。
一方、車幅方向に延びる骨格構造としては、前方から順に、フロントサイドメンバブレース48,フロントフロアブレース(接続部材)50,リヤシートクロスメンバ60,リヤフロアクロスメンバ61が設けられている。
フロントサイドメンバブレース48は、サイドシル40の前部とフロントサイドメンバ10とを接続しており、左右にそれぞれ設けられている。
フロントフロアブレース50は、サイドシル40の前後方向中間部とフロントフロアサイドメンバ20とを車幅方向に接続しており、左右にそれぞれ設けられている。リヤシートクロスメンバ60は、各サイドシル40の後部を接続するとともに、各フロントフロアサイドメンバ20の後部及び各リヤフロアサイドメンバ30の前部に接続されている。すなわち、フロントフロアサイドメンバ20とリヤフロアサイドメンバ30とは、リヤシートクロスメンバ60を介してそれぞれ接続されている。
リヤフロアクロスメンバ61は、リヤフロアサイドメンバ30を相互に接続している。なお、図1では、二つのリヤフロアクロスメンバ61を例示しているが、これに替えて、一つのリヤフロアクロスメンバ61を設けてもよいし、三つ以上のリヤフロアクロスメンバ61を設けてもよい。
本車体構造は、車両中心を挟んで左右対称に設けられているため、次の説明では、一方(ここでは左方)の構成を挙げて説明し、他方(ここでは右方)の構成の説明は省略する。ここでは、フロントフロアサイドメンバ20(以下、単に「サイドメンバ20」という)とフロントフロアブレース50(以下、単に「ブレース50」という)とサイドシル40とフロントフロアパネル2(以下、単に「フロアパネル2」という)とに着目して説明する。
以下、サイドメンバ20,サイドシル40,ブレース50の順に説明する。
サイドメンバ20は、第一サイドメンバ21と、この後方に配置された第二サイドメンバ22と、第一サイドメンバ21と第二サイドメンバ22とが接合された部位である接合部23とを有する。
図2に示すように、第一サイドメンバ21は、車幅方向に沿った断面がハット形状であり、このハットの開口を上に向けて配置される。この第一サイドメンバ21は、上方から順に、メンバフランジ部21a,立面部21b,下面部21cを有する。メンバフランジ部21aはフロアパネル2に結合されており、立面部21bはメンバフランジ部21aと下面部21cとを上下方向に接続し、下面部21cには後述するブレース50が結合されている。なお、接合部23では、第一サイドメンバ21のメンバフランジ部21aが、下記の第二サイドメンバ22のメンバフランジ部22aを介してフロアパネル2に結合される。
同様に、第二サイドメンバ22は、車幅方向に沿った断面がハットの開口を上に向けて配置された形状であり、上方から順に、メンバフランジ部22a,立面部22b,下面部22cを有する。
各サイドメンバ21,22のメンバフランジ部21a,22aは、例えばスポット溶接によりフロアパネル2に結合される。
図1に示すように、接合部23では、第一サイドメンバ21の後部と第二サイドメンバ22の前部とが重ね合わされて(ラップして)いる。この接合部23では、図2に示すように、第一サイドメンバ21が第二サイドメンバ22の外側(下側)に配置される。したがって、接合部23の板厚は、第一サイドメンバ21の板厚と第二サイドメンバ22の板厚とを合わせた厚みとなっている。なお、接合部23では、スポット溶接などの溶接やボルト及びナットによる締結などにより両サイドメンバ21,22が互いに接合されている。
第一サイドメンバ21の板厚は、第二サイドメンバ22の板厚よりも厚く形成されている。このように板厚を異なる厚みに設定する理由は、サイドメンバ20において、その前部とその後部とで要求される強度が異なるからである。例えば、前面衝突では、サイドメンバ20の前部に配置される第一サイドメンバ21の方が後部に配置される第二サイドメンバ22よりも強度が要求される。
図2に示すように、サイドシル40は、車幅方向内側のフロントサイドシルインナ41と、車幅方向外側のサイドパネルアウタ42と、これらの間に設けられたサイドシルリンフォース43とを有する。
フロントサイドシルインナ41は、車幅方向に沿った断面がハット形状であり、このハットの開口を車幅方向外側に向けて配置される。このフロントサイドシルインナ41は、車幅方向外側に位置して上下端部に形成されたインナフランジ部41a(図2では下方にのみ符号を付す)と、車幅方向内側に位置して上下方向中央部に形成された立面部41bと、下方のインナフランジ部41aと立面部41bとを接続する下面部41cとを有する。立面部41bの上下方向中間部には、フロアパネル2の車幅方向外端部が結合され、下面部41cには、後述するブレース50が結合される。
サイドパネルアウタ42は、その上下端部に形成されたアウタフランジ部42a(図2では下方にのみ符号を付す)と、上下のアウタフランジ部42aの間に位置するクラウン部42bとを有する。このサイドパネルアウタ42は、そのクラウン部42bの特に上面形状がドア下縁部(図示略)に沿うように形成されたハット形状であり、このハットの開口を車幅方向内側に向けて配置される。
上記のフロントサイドシルインナ41とサイドパネルアウタ42とは、それぞれのフランジ部41a,42aが接合されて閉断面を有するサイドシル40を構成するが、このサイドシル40を補強するために、フロントサイドシルインナ41とサイドパネルアウタ42との間にはサイドシルリンフォース43が介装されている。詳細には、サイドシルリンフォース43の上下端部にリンフォースフランジ部43a(図2では下方のみ符号を付す)が形成されており、各リンフォースフランジ部43aが、上記のインナフランジ部41aとアウタフランジ部42aとの間に挟まれて接合される。なお、図2では、サイドシルリンフォース43の車幅方向に沿った断面がハット形状に形成され、そのハットの開口を車幅方向内側に向けて配置されたものを例示しているが、これに替えて、サイドシルリンフォース43が、そのハット断面のハットの開口を車室方向外側に向けて配置されてもよく、その他の断面形状に形成されていてもよい。
ブレース50は、サイドメンバ20の接合部23とサイドシル40とを接続するものである。このブレース50は、その車幅方向内側がサイドメンバ20の接合部23と結合され、その車幅方向外側がサイドシル40と結合され、その上方に設けられたフロアパネル2と結合されている。
以下、ブレース50を取り出して示す図3を参照して説明する。なお、ブレース50と他の部材との結合にはスポット溶接が用いられ、図3には溶接箇所を*印で示す。
ブレース50は、サイドメンバ20(接合縁部の一部を二点鎖線で示す)に結合される第一フランジ部51と、サイドシル40(接合縁部の一部を二点鎖線で示す)に結合される第二フランジ部52と、これらのフランジ部51,52を接続するとともにフロアパネル2に結合される本体部53とを有する。このブレース50は、一枚のパネルを折り曲げることにより形成することができる。
ここでは、ブレース50について、本体部53,第一フランジ部51,第二フランジ部52の順に説明する。
本体部53は、ブレース50を取り付けたときの前後方向に沿った断面がハット形状であり、このハットの開口を上方に向けて配置される。この本体部53は、上方から順に、本体フランジ部53a,立面部53b,下面部53cを有する。なお、図3では、本体フランジ部53a,立面部53bについて一方にのみ符号を付す。
本体フランジ部53aは、立面部53bの上端から前後方向に突設された面部であり、上述のようにフロアパネル2に結合される。
立面部53bは、上記の本体フランジ部53aと下面部53cとを上下に接続する面部であり、下面部53cは、各立面部53bの下端部を前後に接続する面部である。
第一フランジ部51は、本体部53の下面部53cを車幅方向内側に延設するように形成された第一下面フランジ部51aと、本体部53の立面部53bの車幅方向内端から前後方向に突設された第二立面フランジ部51b(一方にのみ符号を付す)とを有する。
第一下面フランジ部51aは、サイドメンバ20の接合部23における第一サイドメンバ21の下面部21c(図2参照)に結合され、第一立面フランジ部51bは、第一サイドメンバ21の立面部21b(図2参照)に結合される。なお、第一下面フランジ部51aおよび第一立面フランジ部51bの結合箇所は、上記に例示したものに限らず、第一下面フランジ部51aが第一サイドメンバ21の下面部21cと第二サイドメンバ22の下面部22cの両方、第一立面フランジ部51bが第一サイドメンバ21の立面部21bと第二サイドメンバ22の立面部22bの両方に跨って結合されてもよい。
また、第二フランジ部52は、本体部53の下面部53cを車幅方向外側に延設するように形成された第二下面フランジ部52aと、本体部53の立面部53bの車幅方向外端から前後方向に突設された第二立面フランジ部52b(一方にのみ符号を付す)とを有する。
第二下面フランジ部52aは、サイドシル40においてフロントサイドシルインナ41の下面部41c(図2参照)に結合され、第二立面フランジ部52bは、フロントサイドシルインナ41の立面部41b(図2参照)に結合される。
なお、図2及び図3には、ブレース50を取り付けたときに、その下面部53cが車幅方向外側から車幅方向内側へ向けて下降傾斜するように形成されたものを例示する。ただし、下面部53cの形状は、第一下面フランジ部51aと第二下面フランジ部52aとを接続する形状であるため、第一下面フランジ部51aが結合されるサイドメンバ20の下面部21cの上下方向位置と、第二下面フランジ部52aが結合されるサイドシル40の下面部41cの上下方向位置とに依って種々の形状を採りうる。
例えば、サイドメンバ20における下面部21cの上下方向位置よりもサイドシル40における下面部41cの上下方向位置の方が低ければ、ブレース50の下面部53cは、車幅方向内側から車幅方向外側へ向けて下降傾斜するように形成される。また、サイドメンバ20における下面部21cの上下方向位置とサイドシル40における下面部41cの上下方向位置とが同じであれば、ブレース50の下面部53cは、フロアパネル2の延在するフロア面(水平面)に沿って形成される。
〔作用及び効果〕
本実施形態の車体構造は上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
従来のサイドメンバは、例えば板材をプレス加工したり折り曲げ加工して形成されるため、一部材のなかで板厚を変化させることは困難であり、一定の板厚で形成されていることが一般的である。この板厚は、サイドメンバにおいて最も強度が必要とされる部位の板厚に設定される。したがって、従来のサイドメンバには必要以上に厚い板厚の部位が設けられてしまう。
一部材のサイドメンバの板厚を変化させるためには、特殊な工法で製造された板材を用いたり、サイドメンバを部分的に削ることなどが必要となるため、製造コストが嵩んでしまう。
一方、本実施形態にかかるサイドメンバ20は、第一サイドメンバ21と第二サイドメンバ22との二部材が接合されて形成されているため、各サイドメンバ21,22の各板厚を個別に設定することにより、製造コストの上昇を抑制しつつサイドメンバ20の部位毎に板厚を最適化することができる。言い換えれば、サイドメンバ20では、その前側と後側とで必要な強度が異なるのが一般的であるため、必要な強度に応じて第一サイドメンバ21及び第二サイドメンバ22のそれぞれの板厚を設定することができる。このように、必要以上に厚い板厚の部位を削減することにより、サイドメンバ20の軽量化を図ることができ、材料コストを低減させることができる。
また、サイドメンバ20が第一サイドメンバ21と第二サイドメンバ22との二部材が接合されて形成されているため、サイドメンバ20の成形性やアセンブリ時の取り回しを向上させることができる。
第一サイドメンバ21と第二サイドメンバ22とが接合される接合部23周辺は車両の衝突時のような外力を受けると折れ曲がりの起点となり易いが、この接合部23にはブレース50が結合されているため、接合部23周辺をブレース50により補強することができる。これにより、サイドメンバ20の折れ曲がりを防止又は抑制することができる。
ブレース50が設けられていない車体構造では、前面衝突時に、サイドメンバが前後に変位する量に対して、サイドシルが前後に変位する量が小さいものがある。この場合、サイドメンバが前後方向に大きく変位するのに対してサイドシルの変位は小さい。すなわち、サイドメンバのサイドシルに対する前後方向での相対変位(位相差)が大きい。一方、本実施形態の車体構造によれば、サイドメンバ20をサイドシル40に接続するブレース50が設けられているため、サイドシル40をサイドメンバ20とともに前後へ変位させることができ、サイドメンバ20のサイドシル40に対する前後方向での相対変位、すなわちサイドメンバ20とサイドシル40との位相差を抑制することができる。延いては、車体構造(車室)のねじれや変形を防止又は抑制することができる。
接合部23では第一サイドメンバ21と第二サイドメンバ22とが重ね合わされているため、接合部23の板厚が第一サイドメンバ21の板厚と第二サイドメンバ22の板厚とを合わせた厚みとなり、サイドメンバ20における接合部23の強度は十分に確保されている。この接合部23にブレース50が結合されているため、サイドメンバ20を折り曲げようとする荷重を確実にブレース50に伝達することができる。これにより、サイドメンバ20の変形を確実に防止又は抑制することができる。
前面衝突時の荷重は、第一サイドメンバ21,第二サイドメンバ22の順に伝達される。両サイドメンバ21,22が接合される接合部23にはブレース50が接合されるため、第一サイドメンバ21から伝達された荷重は、ブレース50及び第二サイドメンバ22の双方に分岐して伝達される。つまり、前面衝突時には、荷重の多くが第一サイドメンバ21からブレース50に伝達され、荷重の一部が第二サイドメンバ22に伝達される。そして、この第一サイドメンバ21の板厚を第二サイドメンバ22の板厚よりも厚く設定することで衝突時の荷重を確実に支持してブレース50に伝えるとともに、第二サイドメンバ22の板厚を薄くすることで軽量化に貢献している。このように、第一サイドメンバ21の板厚を第二サイドメンバ22の板厚よりも厚くすることで前面衝突時におけるサイドメンバ20の部位毎に必要な強度を適切に確保することができる。
サイドメンバ20は、その上方にフロアパネル2が設けられているため、前面衝突時などにおける上方への折れ曲がり(変位)が規制され、サイドメンバ20の上方への折れ曲がりを回避することができる。
一方、サイドメンバ20とサイドシル40とを接続するブレース50がその上方のフロアパネル2に結合されているため、サイドメンバ20を下方へ折り曲げる荷重が作用したとしても、ブレース50はこの荷重に抗することができる。したがって、サイドメンバ20の下方への折れ曲がりも回避又は抑制することができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の一実施形態では、ブレース50がフロアパネル2に結合されたものを示したが、ブレース50がフロアパネル2に結合されていなくてもよい。例えば、上述の本体部53から本体フランジ部53aを省略したものや、本体部における前後方向の断面形状が閉断面形状や溝型断面形状のブレースなどを用いることができる。この場合、フロアパネル2に結合されたブレース50に比較してサイドメンバ20の補強は弱いものとなるが、ブレースの組み付け工数を低減することができる。また、ブレースの形状に依っては、形成コストを抑えることができる。
上述の一実施形態では、第一サイドメンバ21の板厚が第二サイドメンバ22の板厚よりも厚いものを示したが、サイドメンバ20において前部よりも後部の方に要求される強度が大きい場合には、第二サイドメンバ22の板厚が第一サイドメンバ21の板厚よりも厚く形成されたものを用いる。この場合も、上述のようにサイドメンバ20の部位毎に板厚を最適化することができる。さらに言えば、サイドメンバ20の何れの箇所においても要求される強度が同じ場合には、両サイドメンバ21,22の板厚が同じ厚みに形成されたものを用いる。この場合であってもサイドメンバ20の成形性やアセンブリ時の取り回しを向上させることができる。
上述の一実施形態では、接合部23で第一サイドメンバ21と第二サイドメンバ22とが重ね合わされたサイドメンバ20を示したが、第一サイドメンバ21と第二サイドメンバ22とを突き合わせて接合部が形成されるサイドメンバを用いてもよい。例えば、第一サイドメンバ21の後端部と第二サイドメンバ22の前端部とが隅肉溶接で接合されたサイドメンバを用いてもよいし、テーラードブランク(差厚結合)のように予め接合された材料を成形したサイドメンバを用いてもよい。これらの場合、両サイドメンバ21,22が重ね合わされたものよりも接合部の強度は小さくなるが、ブレース50により接合部が補強され、サイドメンバの折れ曲がりが防止又は抑制される。
2 フロントフロアパネル(フロアパネル)
20 フロントフロアサイドメンバ(サイドメンバ)
21 第一サイドメンバ
21a メンバフランジ部
21b 立面部
21c 下面部
22 第二サイドメンバ
22a メンバフランジ部
22b 立面部
22c 下面部
23 接合部
40 サイドシル
41 フロントサイドシルインナ
41a インナフランジ部
41b 立面部
41c 下面部
42 サイドパネルアウタ
42a アウタフランジ部
42b クラウン部
43 サイドシルリンフォース
43a リンフォースフランジ部
49 リヤサイドシルインナ
50 フロントフロアブレース(接続部材)
51 第一フランジ部
51a 第一下面フランジ部
51b 第一立面フランジ部
52 第二フランジ部
52a 第二下面フランジ部
52b 第二立面フランジ部
53 本体部
53a 本体フランジ部
53b 立面部
53c 底面部

Claims (2)

  1. 車両前後方向に延設されたサイドメンバと、
    前記サイドメンバの車幅方向外側に設けられたサイドシルと、
    前記サイドメンバと前記サイドシルとを接続する接続部材とを備え、
    前記サイドメンバは、
    第一サイドメンバと、
    前記第一サイドメンバの後方に配置された第二サイドメンバと、
    前記第一サイドメンバと前記第二サイドメンバとが接合された部位である接合部とを有し、
    前記接続部材は、前記接合部のみにおいて前記サイドメンバに結合され、
    前記接合部では、
    前記第一サイドメンバと前記第二サイドメンバとが重ね合わされた状態で接合され、
    前記第二サイドメンバの下側に前記第一サイドメンバが接合され、
    前記第一サイドメンバの下面部に前記接続部材が結合され
    前記第一サイドメンバの板厚は、前記第二サイドメンバの板厚よりも厚い
    ことを特徴とする、車体構造
  2. 前記サイドメンバ及び前記接続部材の上方に設けられたフロアパネルをさらに備え、
    前記接続部材は、前記フロアパネルに結合される
    ことを特徴とする、請求項1に記載の車体構造。
JP2013042051A 2013-03-04 2013-03-04 車体構造 Active JP6186755B2 (ja)

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