JP6153286B2 - 床用化粧材の製造方法 - Google Patents
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Description
1. 比重が0.55以下である木質基材上に、樹脂含浸紙、並びに基材シート上に絵柄層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有する化粧シートが順に積層された床用化粧材の製造方法であって、
(1)紙坪量が300〜900g/m 2 である原紙に熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂含浸率が30〜100%である未硬化の樹脂含浸紙を、熱圧成形によって当該樹脂含浸紙に含まれる熱硬化性樹脂が完全に硬化するように熱硬化させる工程1、及び
(2)前記木質基材上に、前記工程1で得られた樹脂含浸率が30〜100%である樹脂含浸紙、及び化粧シートを積層する工程2、
を含み、前記工程2の木質基材上に樹脂含浸紙を積層する際に水系接着剤を使用し、自然乾燥又は冷圧プレス成型により木質基材と樹脂含浸紙とを貼り合わせ、並びに、樹脂含浸紙上に化粧シートを積層する際に水系接着剤を使用し、自然乾燥により樹脂含浸紙と化粧シートとを貼り合わせる、
床用化粧材の製造方法。
2. 前記化粧シートの最下層に合成樹脂層を有する、上記項1に記載の製造方法。
3. 前記木質基材が、早成樹合板又は針葉樹合板である、上記項1又は2に記載の製造方法。
工程1では、原紙に熱硬化性樹脂を含浸させた未硬化の樹脂含浸紙(樹脂含浸紙A)を熱圧成形によって熱硬化させる。これにより、熱硬化後の樹脂含浸紙を使用できるとともに、樹脂を熱硬化させた場合に発生する樹脂含浸紙の硬化収縮が木質基材に対して影響を及ぼすことを回避することができる。そのため、優れた耐傷性能を有し、且つ、反り等の寸法安定性に優れた床用化粧材を作製することができる。
工程2では、木質基材上に、前記工程1で得られた樹脂含浸紙(樹脂含浸紙A)、及び化粧シートを積層する。これにより、優れた耐傷性能(耐キャスター性及び耐衝撃性)を有し、且つ、表面外観品質及び寸法安定性に優れた床用化粧材を得ることができる。以下、木質基材、化粧シート及び積層方法について詳細に説明する。
≪木質基材≫
木質基材としては、比重が0.55g/cm3以下という低比重木質基材(以下、単に木質基材ともいう)を用いる。
≪化粧シート≫
化粧シートの構造は限定的ではないが、例えば、基材シート上に絵柄層(ベタインキ層・柄インキ層)、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有するものが好ましい。以下、この化粧シートを例示的に説明する。
≪積層方法≫
木質基材上に、前記工程1で得られた樹脂含浸紙(樹脂含浸紙A)、及び化粧シートを積層する。
本発明の製造方法によって得られた床用化粧材は、比重が0.55g/cm3以下である木質基材上に、樹脂含浸紙及び化粧シートが順に積層されている。樹脂含浸紙は、事前に熱圧成形された樹脂含浸紙を用いるため、比重が0.55g/cm3以下という低比重木質基材を使用した場合においても優れた耐傷性能(耐キャスター性及び耐衝撃性)を有し、且つ、表面外観品質及び寸法安定性に優れた床用化粧材が得られる。
≪化粧シートの作製≫
両面にコロナ放電処理を施した60μm厚さのポリプロピレンフィルムの一方の面に2液硬化型アクリルウレタン樹脂からなる印刷インキで2μm厚さの絵柄印刷層を形成した。次に、当該絵柄印刷層の上に、ウレタン樹脂系接着剤を固形分量が3g/m2となるように塗布して、接着剤層を形成した。当該接着剤層上に、Tダイ押出機でポリプロピレン系樹脂を加熱溶融押出しして80μm厚さの透明性樹脂層を形成した。次に、透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、当該コロナ放電処理を行った面に対して、固形分量が1g/m2となるようにアクリルウレタン系樹脂を塗工することによりプライマー層を形成した。
≪床用化粧材の作製≫
紙坪量が500g/m2であるクラフト紙(含浸用原紙)に対してフェノール系樹脂を含浸させた未硬化の樹脂含浸紙(樹脂含浸率:50%)に対し、熱圧プレス機にて140℃、7kg/cm2、4分間の条件にて熱圧成形した。これにより、樹脂含浸紙に含まれるフェノール系樹脂が熱硬化した。
未硬化の樹脂含浸紙として、原紙の紙坪量が900g/m2で樹脂含浸率が50%である未硬化の樹脂含浸紙を用いる以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
実施例1によって得られた化粧シートの裏面(ポリプロピレンフィルム面)に、ウレタン樹脂系接着剤を介して250μmのポリプロピレン系樹脂フィルム(PP)を貼り合わせ、これを化粧シート(総厚さ:410μm)として用いた。その他については、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
未硬化の樹脂含浸紙として、原紙の紙坪量が500g/m2で樹脂含浸率が100%である未硬化の樹脂含浸紙を用いる以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
11.4mm厚のファルカタ合板にフェノール系接着剤を10g/尺角塗布し、さらにその上に、原紙の紙坪量が900g/m2であって、フェノール系樹脂を含浸させた未硬化の樹脂含浸紙(樹脂含浸率:50%)を置き、熱圧プレス機にて140℃、7kg/cm2、4分間の条件にて熱圧成形した。その他については、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
実施例1〜4及び比較例1で作製した床用化粧材を、以下の手順によって評価した。即ち、双輪式キャスターに25kgの荷重を加えて、試験体表面を25000回往復させた後の表面の凹み深さを評価した。評価基準は次の通りとした。
×:凹み深さが100μmよりも大きい
試験例2(耐衝撃性評価試験)
JIS K5600のデュポン衝撃試験に従って、実施例1〜4及び比較例1で作製した床用化粧材の表面上に、半径6.35mmの半球形状の先端を有した撃ち型を静置させ、前記撃ち型上に500g荷重のおもりを高さ30cmから落下させることにより評価した。評価基準は次の通りとした。なお、△評価及び○評価を合格と判断した。
△:凹み深さが300μmよりも大きく、400μm以下
×:凹み深さが400μmよりも大きい
試験例3(反り量評価試験)
実施例1〜4及び比較例1で作製した床用化粧材の経時的な変形(反り量)を測定した。詳細には、各床用化粧材をフロア用として施行を完成させた後の反り矢高量を測定した。評価基準は次の通りとした。なお、△評価及び○評価を合格と判断した。
△:長手方向の反り量が10mmよりも大きく、15mm以下
×:長手方向の反り量が15mmよりも大きい
結果を表1に示す。なお、耐キャスター性評価と耐衝撃性評価を合わせた耐傷総合評価を、併せて表1に示す。耐傷総合評価の評価基準は、以下の次の通りとした。なお、△評価及び○評価を合格と判断した。
△:耐キャスター性評価が○評価で、かつ耐衝撃性評価が△評価
×:耐キャスター性評価、耐衝撃性評価の少なくとも一つが×評価
Claims (3)
- 比重が0.55以下である木質基材上に、樹脂含浸紙、並びに基材シート上に絵柄層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有する化粧シートが順に積層された床用化粧材の製造方法であって、
(1)紙坪量が300〜900g/m 2 である原紙に熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂含浸率が30〜100%である未硬化の樹脂含浸紙を、熱圧成形によって当該樹脂含浸紙に含まれる熱硬化性樹脂が完全に硬化するように熱硬化させる工程1、及び
(2)前記木質基材上に、前記工程1で得られた樹脂含浸率が30〜100%である樹脂含浸紙、及び化粧シートを積層する工程2、
を含み、前記工程2の木質基材上に樹脂含浸紙を積層する際に水系接着剤を使用し、自然乾燥又は冷圧プレス成型により木質基材と樹脂含浸紙とを貼り合わせ、並びに、樹脂含浸紙上に化粧シートを積層する際に水系接着剤を使用し、自然乾燥により樹脂含浸紙と化粧シートとを貼り合わせる、
床用化粧材の製造方法。 - 前記化粧シートの最下層に合成樹脂層を有する、請求項1に記載の製造方法。
- 前記木質基材が、早成樹合板又は針葉樹合板である、請求項1又は2に記載の製造方法。
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