JP6140270B2 - 移動通信システム、基地局、及びユーザ端末 - Google Patents
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Description
本発明は、D2D通信をサポートする移動通信システムに関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、リリース12以降の新機能として、端末間(Device to Device:D2D)通信の導入が検討されている(非特許文献1参照)。
D2D通信では、近接する複数のユーザ端末が、コアネットワークを介さずに直接的な通信を行う。すなわち、D2D通信のデータパスはコアネットワークを経由しない。一方、移動通信システムの通常の通信(セルラ通信)のデータパスはコアネットワークを経由する。
3GPP技術報告 「TR 22.803 V1.1.0」 2012年11月
ところで、D2D通信とセルラ通信との間の干渉を防止するためには、D2D通信のために専用の周波数帯を確保することが考えられる。
しかしながら、D2D通信のために専用の周波数帯を確保する場合には、セルラ通信に利用可能な周波数帯が相対的に少なくなるなど、移動通信システム移動通信システムにおける周波数利用効率が低下する虞がある。
そこで、本発明は、D2D通信を導入しても周波数利用効率の低下を抑制できる移動通信システム、基地局、及びユーザ端末を提供する。
第1の特徴に係る移動通信システムは、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする。前記移動通信システムは、特定周波数帯を使用して所定の無線通信を行う基地局と、前記基地局のセルに在圏するユーザ端末と、を備える。前記基地局は、前記所定の無線通信を停止する期間において、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を前記ユーザ端末に許可する。
第2の特徴に係る基地局は、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおいて、セルを管理する。前記基地局は、特定周波数帯を使用して所定の無線通信を行う通信部と、前記所定の無線通信を停止する期間において、前記セルに在圏するユーザ端末に対して、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を許可する制御部と、を備える。
第3の特徴に係るユーザ端末は、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記ユーザ端末は、特定周波数帯を使用して所定の無線通信を行う基地局から、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を許可するための制御情報を受信する受信部と、前記制御情報に基づいて、前記基地局が前記所定の無線通信を停止する期間において、前記特定周波数帯を使用して前記D2D通信を行う制御部と、を備える。
[実施形態の概要]
実施形態に係る移動通信システムは、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする。前記移動通信システムは、特定周波数帯を使用して所定の無線通信を行う基地局と、前記基地局のセルに在圏するユーザ端末と、を備える。前記基地局は、前記所定の無線通信を停止する期間において、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を前記ユーザ端末に許可する。
実施形態に係る移動通信システムは、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする。前記移動通信システムは、特定周波数帯を使用して所定の無線通信を行う基地局と、前記基地局のセルに在圏するユーザ端末と、を備える。前記基地局は、前記所定の無線通信を停止する期間において、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を前記ユーザ端末に許可する。
実施形態では、前記特定周波数帯は、バックホール通信用の周波数帯である。前記所定の無線通信は、隣接基地局又は上位装置との前記バックホール通信である。前記基地局は、前記隣接基地局又は前記上位装置との前記バックホール通信を停止する期間において、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を前記ユーザ端末に許可する。
実施形態では、前記基地局は、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を許可するための制御情報を前記ユーザ端末に送信する。前記制御情報は、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を許可する期間に関する時間情報、前記特定周波数帯を示す周波数情報、及び前記D2D通信を許可することを示す許可情報のうち、少なくとも1つを含む。
実施形態では、前記基地局は、前記制御情報をブロードキャストで前記ユーザ端末に送信する。
実施形態では、前記ユーザ端末は、自端末が前記D2D通信をサポートするか否かを示す情報を前記基地局に送信する。前記基地局は、前記D2D通信をサポートする前記ユーザ端末に対して、前記制御情報をユニキャストで送信する。
その他の実施形態では、前記特定周波数帯は、MBMS配信用の周波数帯である。前記所定の無線通信は、前記MBMS配信である。前記基地局は、前記MBMS配信を停止する期間において、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を前記ユーザ端末に許可する。
実施形態に係る基地局は、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記基地局は、特定周波数帯を使用して所定の無線通信を行う通信部と、前記所定の無線通信を停止する期間において、自セルに在圏するユーザ端末に対して、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を許可する制御部と、を備える。
実施形態に係るユーザ端末は、直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおいて用いられる。前記ユーザ端末は、特定周波数帯を使用して所定の無線通信を行う基地局から、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を許可するための制御情報を受信する受信部と、前記制御情報に基づいて、前記基地局が前記所定の無線通信を停止する期間において、前記特定周波数帯を使用して前記D2D通信を行う制御部と、を備える。
[実施形態]
以下、図面を参照して、3GPP規格に準拠して構成される移動通信システムの一つであるLTE(Long Term Evolution)システムにD2D通信を導入する場合の実施形態を説明する。
以下、図面を参照して、3GPP規格に準拠して構成される移動通信システムの一つであるLTE(Long Term Evolution)システムにD2D通信を導入する場合の実施形態を説明する。
(LTEシステム)
図1は、本実施形態に係るLTEシステムの構成図である。図1に示すように、LTEシステムは、複数のUE(User Equipment)100と、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10と、EPC(Evolved Packet Core)20と、を含む。E−UTRAN10は無線アクセスネットワークに相当し、EPC20はコアネットワークに相当する。E−UTRAN10及びEPC20は、LTEシステムのネットワークを構成する。
図1は、本実施形態に係るLTEシステムの構成図である。図1に示すように、LTEシステムは、複数のUE(User Equipment)100と、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10と、EPC(Evolved Packet Core)20と、を含む。E−UTRAN10は無線アクセスネットワークに相当し、EPC20はコアネットワークに相当する。E−UTRAN10及びEPC20は、LTEシステムのネットワークを構成する。
UE100は、移動型の通信装置であり、接続先のセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100はユーザ端末に相当する。
E−UTRAN10は、複数のeNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は基地局に相当する。eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。なお、「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
eNB200は、例えば、無線リソース管理(RRM)機能と、ユーザデータのルーティング機能と、モビリティ制御及びスケジューリングのための測定制御機能と、を有する。
EPC20は、複数のMME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行うネットワークノードであり、制御局に相当する。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行うネットワークノードであり、交換局に相当する。MME/S−GW300により構成されるEPC20は、eNB200を収容する。
eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。また、eNB200は、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。
次に、UE100及びeNB200の構成を説明する。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、アンテナ101と、無線送受信機110と、ユーザインターフェイス120と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130と、バッテリ140と、メモリ150と、プロセッサ160と、を有する。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160によって実行されるプログラムと、プロセッサ160による処理に使用される情報と、を記憶する。プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、アンテナ201と、無線送受信機210と、ネットワークインターフェイス220と、メモリ230と、プロセッサ240と、を有する。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。また、メモリ230をプロセッサ240と一体化してもよい。
アンテナ201及び無線送受信機210は、UE100との無線信号の送受信に用いられる。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
本実施形態では、X2インターフェイスは、無線バックホール回線として構成される。すなわち、ネットワークインターフェイス220は、隣接eNB200との無線通信(すなわち、バックホール通信)を行う通信部に相当する。なお、ネットワークインターフェイス220は、無線送受信機210と一体化されてもよい。
メモリ230は、プロセッサ240によって実行されるプログラムと、プロセッサ240による処理に使用される情報と、を記憶する。プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルのレイヤ1乃至レイヤ3に区分されており、レイヤ1は物理(PHY)レイヤである。レイヤ2は、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、を含む。レイヤ3は、RRC(Radio Resource Control)レイヤを含む。
物理レイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理レイヤとeNB200の物理レイヤとの間では、物理チャネルを介してデータが伝送される。
MACレイヤは、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMACレイヤとeNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータが伝送される。eNB200のMACレイヤは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))、及び割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
RLCレイヤは、MACレイヤ及び物理レイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとeNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータが伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRCレイヤは、制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRCレイヤとeNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のための制御メッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100は接続状態(RRC connected state)であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態(RRC idle state)である。
RRCレイヤの上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)レイヤは、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ適用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成され、各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームの残りの区間は、主にユーザデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームにおける周波数方向の中央部は、主にユーザデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。
(D2D通信)
本実施形態に係るLTEシステムは、直接的なUE間通信であるD2D通信をサポートする。ここでは、D2D通信を、LTEシステムの通常の通信(セルラ通信)と比較して説明する。
本実施形態に係るLTEシステムは、直接的なUE間通信であるD2D通信をサポートする。ここでは、D2D通信を、LTEシステムの通常の通信(セルラ通信)と比較して説明する。
セルラ通信は、コアネットワークであるEPC20をデータパスが経由する。データパスとは、ユーザデータ(ユーザプレーン)の通信経路である。これに対し、D2D通信は、UE間に設定されるデータパスがEPC20を経由しない。よって、EPC20のトラフィック負荷を削減できる。
UE100は、近傍UE発見(Discovery)処理により、近傍に存在する他のUE100を発見し、eNB200の管理下でD2D通信を開始する。D2D通信には、直接通信モード及び局所中継(Locally Routed)モードが存在する。
図6は、直接通信モードを説明するための図である。図6に示すように、直接通信モードは、データパスがeNB200を経由しない。相互に近接する複数のUE100からなるUE群は、eNB200のセルにおいて、低送信電力で直接的に無線通信を行う。よって、UE100の消費電力の削減、及び隣接セルへの干渉の低減といったメリットを得られる。
これに対し、局所中継モードは、データパスがeNB200を経由するもののEPC20を経由しない。局所中継モードは、EPC20のトラフィック負荷を削減できるものの、直接通信モードに比べてメリットが少ない。よって、本実施形態では、直接通信モードのD2D通信を主として想定するが、局所中継モードのD2D通信であってもよい。
(実施形態に係る動作)
次に、本実施形態に係る動作について説明する。図7は、本実施形態に係る動作環境を示す図である。
次に、本実施形態に係る動作について説明する。図7は、本実施形態に係る動作環境を示す図である。
図7に示すように、本実施形態に係る動作環境では、MeNB200−1と、PeNB200−2乃至200−4と、が設けられる。MeNB200−1は、送信電力の高いeNBであり、大型のセル(マクロセル)を構成する。これに対し、PeNB200−2乃至200−4のそれぞれは、送信電力の低いeNBであり、小型のセル(ピコセル)を構成する。PeNB200−2乃至200−4のそれぞれは、MeNB200−1のセル・カバレッジ内に設けられている。このようなヘテロジーニアスネットワークは、MeNB200−1の負荷をPeNB200−2乃至200−4に分散させることが可能である。
PeNB200−2のセルには、UE100−1及び100−2が在圏する。すなわち、PeNB200−2のセルは、UE100−1及び100−2のそれぞれのサービングセルである。また、PeNB200−3のセルには、UE100−3が在圏する。すなわち、PeNB200−3のセルは、UE100−3のサービングセルである。さらに、PeNB200−4のセルには、UE100−4及び100−5が在圏する。すなわち、PeNB200−4のセルは、UE100−4及び100−5のそれぞれのサービングセルである。なお、UE100−1乃至100−5のそれぞれは、アイドル状態であってもよく、接続状態であってもよい。
PeNB200−2はMeNB200−1のセル・カバレッジ内に設けられるため、MeNB200−1は、PeNB200−2の隣接eNBに相当する。同様に、PeNB200−3及び200−4のそれぞれはMeNB200−1のセル・カバレッジ内に設けられるため、MeNB200−1は、PeNB200−3及び200−4のそれぞれの隣接eNBに相当する。
PeNB200−2乃至200−4のそれぞれは、MeNB200−1とのeNB間通信を無線で行う。
MeNB200−1及びPeNB200−2は、互いに指向性を向けて無線通信を行う。以下において、MeNB200−1及びPeNB200−2が互いに指向性を向けて無線通信を行う状態を、MeNB200−1とPeNB200−2との間に無線バックホール回線B1が確立された状態という。
また、MeNB200−1及びPeNB200−3は、互いに指向性を向けて無線通信を行う。以下において、MeNB200−1及びPeNB200−3が互いに指向性を向けて無線通信を行う状態を、MeNB200−1とPeNB200−3との間に無線バックホール回線B2が確立された状態という。
さらに、MeNB200−1及びPeNB200−4は、互いに指向性を向けて無線通信を行う。以下において、MeNB200−1及びPeNB200−4が互いに指向性を向けて無線通信を行う状態を、MeNB200−1とPeNB200−4との間に無線バックホール回線B3が確立された状態という。
eNB間通信には、eNB間通信用の周波数帯(以下、「特定周波数帯」という)が割り当てられている。本実施形態では、バックホール回線B1乃至B3における干渉を避けるために、バックホール回線B1乃至B3は時分割で確立される。すなわち、PeNB200−2乃至200−4のうち一つのPeNB200がMeNB200−1との無線通信を行う期間では、残りのPeNB200はMeNB200−1との無線通信を停止する。MeNB200−1との無線通信を行うPeNB200は順次切り替えられる。
PeNB200−2乃至200−4のそれぞれは、MeNB200−1との無線通信を停止する期間において、特定周波数帯を使用したD2D通信をUE100に許可する。これにより、特定周波数帯をD2D通信に転用できるため、LTEシステムの周波数利用効率の低下を抑制できる。
本実施形態では、PeNB200−2乃至200−4のそれぞれは、特定周波数帯を使用したD2D通信を許可するためのD2D制御情報を配下のUE100(自セルに在圏するUE100)に送信する。D2D制御情報は、特定周波数帯を使用したD2D通信を許可する期間(以下、「D2D許可期間」という)に関する時間情報、特定周波数帯を示す周波数情報、及びD2D通信を許可することを示す許可情報のうち、少なくとも1つを含む。PeNB200−2乃至200−4のそれぞれは、D2D制御情報をブロードキャストで送信してもよく、ユニキャストで送信してもよい。
図8乃至図10は、本実施形態に係る動作を説明するための図である。
図8に示すように、第1の期間において、MeNB200−1及びPeNB200−2との間に無線バックホール回線B1が確立され、MeNB200−1及びPeNB200−2は無線バックホール回線B1を介してeNB間通信を行う。
一方、第1の期間において、無線バックホール回線B2及びB3は確立されない。PeNB200−4は、特定周波数帯を使用したD2D通信をUE100−4及び100−5に許可する。UE100−4及び100−5は、特定周波数帯を使用して、D2D通信を行う。
図9に示すように、第2の期間において、MeNB200−1及びPeNB200−3との間に無線バックホール回線B2が確立され、MeNB200−1及びPeNB200−3は無線バックホール回線B2を介してeNB間通信を行う。
一方、第2の期間において、無線バックホール回線B1及びB3は確立されない。PeNB200−2は、特定周波数帯を使用したD2D通信をUE100−1及び100−2に許可する。UE100−1及び100−2は、特定周波数帯を使用して、D2D通信を行う。また、PeNB200−4は、特定周波数帯を使用したD2D通信をUE100−4及び100−5に許可する。UE100−4及び100−5は、特定周波数帯を使用して、D2D通信を行う。
図10に示すように、第3の期間において、MeNB200−1及びPeNB200−4との間に無線バックホール回線B3が確立され、MeNB200−1及びPeNB200−4は無線バックホール回線B3を介してeNB間通信を行う。
一方、第3の期間において、無線バックホール回線B1及びB2は確立されない。PeNB200−2は、特定周波数帯を使用したD2D通信をUE100−1及び100−2に許可する。UE100−1及び100−2は、特定周波数帯を使用して、D2D通信を行う。
図11は、本実施形態に係る動作を示すシーケンス図である。ここでは、PeNB200−2に関連する動作シーケンスを説明する。
図11に示すように、ステップS101において、UE100−1は、自身の能力を示すUE能力情報をPeNB200−2に送信する。UE能力情報は、D2D通信をサポートするか否かを示すD2D能力情報を含む。ここでは、UE100−1がD2D通信をサポートすると仮定して説明を進める。
ステップS102において、PeNB200−2は、バックホール回線B1をMeNB200−1との間に確立する期間(第1の期間)を把握する。バックホール回線B1をMeNB200−1との間に確立する期間は、予め設定されていてもよく、MeNB200とのネゴシエーションにより設定されてもよい。
例えば、バックホール回線B1を確立する期間をMeNB200−1が指定し、指定した期間を示す通知情報をMeNB200−1からPeNB200−2に送信してもよい。或いは、バックホール回線B1を確立する期間をPeNB200−2が指定し、指定した期間を示す要求情報をPeNB200−2からMeNB200−1に送信してもよい。
PeNB200−2は、バックホール回線B1をMeNB200−1との間に確立する期間(第1の期間)を把握すると、D2D許可期間を第1の期間以外の期間(第2の期間、第3の期間)の中で決定する。
ステップS103において、PeNB200−2は、特定周波数帯を使用したD2D通信を許可するためのD2D制御情報をUE100−1に送信する。PeNB200−2は、D2D通信をサポートしないUE100に対してD2D制御情報を送信しなくてもよい。
PeNB200−2は、D2D許可期間の開始時点よりも前の時点でD2D制御情報を送信してもよく、D2D許可期間が開始されてから終了するまでD2D制御情報を周期的に送信してもよい。後者の場合、D2D許可期間に関する時間情報をD2D制御情報に含めなくてもよい。
また、PeNB200−2は、D2D制御情報を特定周波数帯で送信してもよく、特定周波数帯以外の周波数帯で送信してもよい。前者の場合、特定周波数帯を示す周波数情報をD2D制御情報に含めなくてもよい。
UE100−1は、PeNB200−2から受信したD2D制御情報に基づいて、D2D許可期間において、特定周波数帯を使用してD2D通信を行う。
図12は、本実施形態に係る動作を示すタイミング図である。ここでは、PeNB200−2に関連する動作シーケンスを説明する。
図12に示すように、期間T1において、PeNB200−2は、特定周波数帯をeNB間通信に使用する。期間T1において、UE100−1は、特定周波数帯を使用したD2D通信を行わない。
期間T2において、PeNB200−2は、特定周波数帯を使用したeNB間通信を停止する。期間T2において、UE100−1は、特定周波数帯を使用したD2D通信を行う。
期間T3において、PeNB200−2は、特定周波数帯をeNB間通信に使用する。期間T3において、UE100−1は、特定周波数帯を使用したD2D通信を行わない。以降、同様の動作が繰り返される。
上述したように、PeNB200−2乃至200−4のそれぞれは、MeNB200−1との無線通信を停止する期間において、特定周波数帯を使用したD2D通信をUE100に許可する。これにより、特定周波数帯をD2D通信に転用できるため、LTEシステムの周波数利用効率の低下を抑制できる。
[実施形態の変更例]
上述した実施形態では、eNB間通信用の特定周波数帯を使用してMeNB200−1との無線通信を行うPeNB200−2乃至200−4のそれぞれは、MeNB200−1との無線通信を停止する期間において、自セル内のUE100に対して、当該特定周波数帯を使用したD2D通信を許可していた。
上述した実施形態では、eNB間通信用の特定周波数帯を使用してMeNB200−1との無線通信を行うPeNB200−2乃至200−4のそれぞれは、MeNB200−1との無線通信を停止する期間において、自セル内のUE100に対して、当該特定周波数帯を使用したD2D通信を許可していた。
しかしながら、PeNB200−2乃至200−4のそれぞれは、特定周波数帯を上位装置との無線通信に使用してもよい。ここで「上位装置」とは、MME/S−GW300であってもよく、基地局制御装置(BSC)であってもよい。この場合、PeNB200−2乃至200−4のそれぞれは、かかる上位装置との無線通信を停止する期間において、自セル内のUE100に対して、当該特定周波数帯を使用したD2D通信を許可してもよい。尚、上記実施形態の変更例において、PeNBは、HeNB(Home eNB)であってもよく、その場合の「上位装置」とは、HeNB−GW(HeNB-Gateway)であってもよい。
[その他の実施形態]
上述した実施形態では、eNB間通信における特定周波数帯のキャリア構造について特に触れなかったが、次のようなキャリア構造とすることができる。具体的には、eNB間通信では、モビリティ制御情報及び多重アクセス制御情報といった制御情報の送受信を不要とすることができる。よって、特定周波数帯は、制御チャネルを設けないキャリア構造であってもよい。また、eNB間通信は良好な通信状態(見通し範囲内など)で行うことが可能であることから、高次の変調及び低符号化率が適用できる。
上述した実施形態では、eNB間通信における特定周波数帯のキャリア構造について特に触れなかったが、次のようなキャリア構造とすることができる。具体的には、eNB間通信では、モビリティ制御情報及び多重アクセス制御情報といった制御情報の送受信を不要とすることができる。よって、特定周波数帯は、制御チャネルを設けないキャリア構造であってもよい。また、eNB間通信は良好な通信状態(見通し範囲内など)で行うことが可能であることから、高次の変調及び低符号化率が適用できる。
また、上述した実施形態では、ヘテロジーニアスネットワークに本発明を適用する一例を説明したが、ヘテロジーニアスネットワークに限定されるものではなく、例えばMeNBのみによって構成されるネットワークに本発明を適用してもよい。
また、上述した実施形態では、特定周波数帯がバックホール通信用の周波数帯であり、eNB200は、バックホール通信を停止する期間において、特定周波数帯を使用したD2D通信を許可していた。
しかしながら、特定周波数帯は、MBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)配信用の周波数帯であってもよい。eNB200は、特定周波数帯を使用したMBMS配信を停止する期間において、特定周波数帯を使用したD2D通信を許可してもよい。この場合、上述した実施形態においてeNB間通信(バックホール通信)をMBMS配信と読み替えることにより、上述した実施形態に係るD2D制御情報を適用できる。なお、MBMSは、eNB200がマルチキャスト又はブロードキャストでMBMS(MBMSデータ)を配信するサービスである。例えばMBMS配信専用の周波数帯(キャリア)が導入される場合に、MBMSを配信しない時間において当該周波数帯でD2D通信を可能にすることにより、当該周波数帯を有効活用できる。
或いは、特定周波数帯は、免許不要で利用できる周波数帯(いわゆる、アンライセンスドバンド)であってもよい。eNB200は、アンライセンスドバンドを使用してUE100との無線通信(下りリンク通信及び/又は上りリンク通信)を行う。eNB200は、特定周波数帯を使用した無線通信を停止する期間において、特定周波数帯を使用したD2D通信を許可する。なお、このような特定周波数帯の一種として、「ホワイトスペース」が挙げられる。ホワイトスペースは、デジタルテレビ放送などの一の目的を持つ利用者(「周波数の一次利用者」と称される)のために割り当てられている周波数帯ではあるものの、地理的条件・技術的条件によっては他の目的を持つ利用者(「周波数の二次利用者」と称される)も利用可能な周波数帯である。例えば、eNB200は、特定周波数帯を使用した(二次利用の)無線通信を実行中に、一次利用者の通信の開始を検知した場合に、特定周波数帯を使用した(二次利用の)無線通信を停止する。
さらに、上述した実施形態では、本発明をLTEシステムに適用する一例を説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
米国仮出願第61/805777号(2013年3月27日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
本発明は、移動通信分野において有用である。
Claims (8)
- 直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムであって、
特定周波数帯を使用して所定の無線通信を行う基地局と、
前記基地局のセルに在圏するユーザ端末と、を備え、
前記基地局は、前記所定の無線通信を停止する期間において、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を前記ユーザ端末に許可することを特徴とする移動通信システム。 - 前記特定周波数帯は、バックホール通信用の周波数帯であり、
前記所定の無線通信は、隣接基地局又は上位装置との前記バックホール通信であり、
前記基地局は、前記隣接基地局又は前記上位装置との前記バックホール通信を停止する期間において、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を前記ユーザ端末に許可することを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。 - 前記基地局は、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を許可するための制御情報を前記ユーザ端末に送信し、
前記制御情報は、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を許可する期間に関する時間情報、前記特定周波数帯を示す周波数情報、及び前記D2D通信を許可することを示す許可情報のうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の移動通信システム。 - 前記基地局は、前記制御情報をブロードキャストで前記ユーザ端末に送信することを特徴とする請求項3に記載の移動通信システム。
- 前記ユーザ端末は、自端末が前記D2D通信をサポートするか否かを示す情報を前記基地局に送信し、
前記基地局は、前記D2D通信をサポートする前記ユーザ端末に対して、前記制御情報をユニキャストで送信することを特徴とする請求項3に記載の移動通信システム。 - 前記特定周波数帯は、MBMS配信用の周波数帯であり、
前記所定の無線通信は、前記MBMS配信であり、
前記基地局は、前記MBMS配信を停止する期間において、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を前記ユーザ端末に許可することを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。 - 直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおいて、セルを管理する基地局であって、
特定周波数帯を使用して所定の無線通信を行う通信部と、
前記所定の無線通信を停止する期間において、前記セルに在圏するユーザ端末に対して、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を許可する制御部と、を備えることを特徴とする基地局。 - 直接的な端末間通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおいて用いられるユーザ端末であって、
特定周波数帯を使用して所定の無線通信を行う基地局から、前記特定周波数帯を使用した前記D2D通信を許可するための制御情報を受信する受信部と、
前記制御情報に基づいて、前記基地局が前記所定の無線通信を停止する期間において、前記特定周波数帯を使用して前記D2D通信を行う制御部と、を備えることを特徴とするユーザ端末。
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