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JP6020348B2 - 金属帯の圧延方法及び圧延装置 - Google Patents

金属帯の圧延方法及び圧延装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数の圧延スタンドを有する圧延ラインを利用して仕上厚が異なる先行材と後行材とを一つの連続した金属帯として連続的に圧延する金属帯の圧延方法及び圧延装置に関する。
一般に、冷間連続圧延工程では、複数の圧延スタンドを有するタンデム圧延機の入側で先行材の尾端部と後行材の先端部とを溶接し、先行材と後行材とを一つの連続した金属帯としてタンデム圧延機で連続的に圧延する。そして、タンデム圧延機の出側において圧延が完了した金属帯を製品単位の位置で切断し、切断された金属帯をテンションリールで順次巻き取る。このような冷間連続圧延工程において、硬度、母板厚、及び仕上厚のうちのいずれかが先行材と後行材とで異なる場合、先行材と後行材とがそれぞれ目標の板厚に圧延されるように各圧延スタンドの圧延ロールのギャップ(ロールギャップ)及び周速(ロール速度)を制御する、いわゆる走間板厚変更制御が行われている。
特開2003−260505号公報 特開2009−90348号公報
ところで、従来の走間板厚変更制御では、制御実行前及び制御実行後の定常状態におけるロール速度を利用して各圧延スタンドの圧延荷重を算出し、算出された圧延荷重を用いて各圧延スタンドのロールギャップの設定値を算出する。そして、板厚変更点が通過するタイミングで各圧延スタンドのロールギャップを算出された設定値に設定する。すなわち、従来の走間板厚変更制御では、板厚変更点がタンデム圧延機内に存在し、ロール速度が定常速度に到達していない過渡状態にあるのにも係わらず、圧延スタンドのロールギャップを定常状態におけるロール速度から算出された設定値に設定している。
しかしながら、一般に、圧延ロールと金属帯との間の摩擦係数はロール速度に依存し、定常状態と過渡状態とでは摩擦係数の大きさが異なる。このため、板厚変更点が通過するタイミングで圧延スタンドのロールギャップを定常状態のロール速度から算出された設定値に設定した場合、摩擦係数の違いによって圧延荷重が変動することにより圧延スタンド出側の板厚が変動し、金属帯の張力が変動する。特に板厚の変更量が大きい場合には、ロール速度の変更量が大きくなるために、張力変動が大きくなる。張力変動が大きくなると、金属帯の絞りや蛇行といったトラブルが発生しやすくなる。
なお、このような問題点を解決するために、特許文献1には、仕上厚より厚い中間板厚目標値に先行材を圧延した後、後行材との溶接部の前後で先行材の板厚をさらに厚くする2段階の走間板厚変更制御が開示されている。しかしながら、このような走間板厚変更制御によれば、板厚が仕上厚より厚い部分がオフゲージ部として圧延工程後に切り捨てられるために、歩留まり悪化の要因になる。
また、特許文献2には、実績の圧延速度から圧延ロールと被圧延材との間の摩擦係数及び被圧延材の変形抵抗を算出し、摩擦係数及び変形抵抗から各圧延スタンドの圧延荷重及び先進率を算出し、圧延スタンド間の張力変動を抑制して所望の板厚が得られるように圧延荷重及び先進率からロールギャップ及びロール速度を制御する技術が開示されている。しかしながら、特許文献2に記載の技術は、圧延状態が不安定になる走間板厚変更制御時の加減速過程における制御であって、走間板厚変更制御実行中の制御ではない。
このため、板厚変更量が大きい場合であっても歩留まりを低下させることなく張力変動を抑制可能な技術の提供が期待されていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、板厚変更量が大きい場合であっても歩留まりを低下させることなく張力変動を抑制可能な金属帯の圧延方法及び圧延装置を提供することにある。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る金属帯の圧延方法は、複数の圧延スタンドを有する圧延ラインを利用して仕上厚が異なる先行材と後行材とを一つの連続した金属帯として連続的に圧延する金属帯の圧延方法であって、前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドのロール周速を算出するロール周速算出ステップと、前記ロール周速算出ステップにおいて算出された各圧延スタンドのロール周速を用いて、前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドの圧延ロールと金属帯との間の摩擦係数を算出する摩擦係数算出ステップと、前記摩擦係数算出ステップにおいて算出された摩擦係数を用いて、前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドのロールギャップを算出するロールギャップ算出ステップと、前記ロール周速算出ステップ及び前記ロールギャップ算出ステップにおいて算出されたロール周速及びロールギャップに従って、板厚変更点の位置に応じて各圧延スタンドのロール周速及びロールギャップを制御する制御ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る金属帯の圧延方法は、上記発明において、前記ロールギャップ算出ステップが、前記摩擦係数算出ステップにおいて算出された摩擦係数を用いて前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドの圧延荷重を算出し、算出された圧延荷重を用いて前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドのロールギャップを算出するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る金属帯の圧延方法は、上記発明において、前記摩擦係数算出ステップが、実操業データを解析することによって求められた各圧延スタンドにおけるロール周速と摩擦係数との関係を示す関数や各圧延スタンドにおけるロール周速と摩擦係数とが組になったテーブルを用いて、ロール周速から摩擦係数を算出するステップを含むことを特徴とする。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る金属帯の圧延装置は、複数の圧延スタンドを有する圧延ラインを利用して仕上厚が異なる先行材と後行材とを一つの連続した金属帯として連続的に圧延する金属帯の圧延装置であって、前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドのロール周速を算出するロール周速算出手段と、前記ロール周速算出手段によって算出された各圧延スタンドのロール周速を用いて、前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドの圧延ロールと金属帯との間の摩擦係数を算出する摩擦係数算出手段と、前記摩擦係数算出手段によって算出された摩擦係数を用いて、前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドのロールギャップを算出するロールギャップ算出手段と、前記ロール周速算出手段及び前記ロールギャップ算出手段によって算出されたロール周速及びロールギャップに従って、板厚変更点の位置に応じて各圧延スタンドのロール周速及びロールギャップを制御する制御手段と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る金属帯の圧延方法及び圧延装置によれば、板厚変更量が大きい場合であっても歩留まりを低下させることなく張力変動を抑制できる。
図1は、本発明の一実施形態である金属帯の圧延ラインの構成を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態である走間板厚変更処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、板厚変更点の位置の変化を示す図である。 図4は、各スタンドにおけるロール周速と摩擦係数との関係を示す関数の一例を示す図である。 図5は、本発明及び従来の走間板厚変更処理における各スタンドのロールギャップの変化の一例を示す図である。 図6は、板厚変更点に応じた各スタンドにおけるロール周速の変化の一例を示す図である。 図7は、本発明及び従来の走間板厚変更処理におけるスタンド間の張力変動の一例を示す図である。 図8は、本発明及び従来の走間板厚変更処理における金属帯の仕上厚の変化の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である金属帯の圧延方法及び圧延装置について説明する。
〔圧延ラインの構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態である金属帯の圧延ラインの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である金属帯の圧延ラインの構成を示す模式図である。図1(a)に示すように、本発明の一実施形態である金属帯の圧延ラインは、本発明に係る圧延スタンドとしての第1スタンド1a、第2スタンド1b、第3スタンド1c、及び第4スタンド1dを備えている。この圧延ラインでは、図1(b)に示すように、板厚変更点Ptにおいて溶接された仕上厚(最終板厚)が異なる先行材と後行材とを一つの連続した金属帯Stとして第1スタンド1a、第2スタンド1b、第3スタンド1c、及び第4スタンド1dの順に通板することにより、先行材と後行材とを連続的に圧延する。第1スタンド1a、第2スタンド1b、第3スタンド1c、及び第4スタンド1dのロールギャップ及びロール周速は制御装置2によって制御される。
〔金属帯の圧延方法〕
このような圧延ラインでは、制御装置2が以下に示す走間板厚変更処理を実行することによって、スタンド間の張力変動を抑制する。以下、図2に示すフローチャートを参照して、この走間板厚変更処理を実行する際の制御装置2の動作について説明する。
図2は、本発明の一実施形態である走間板厚変更処理の流れを示すフローチャートである。図2に示すフローチャートは、板厚変更点Ptが第1スタンド1aの入側の位置P1(図3参照)に到達したタイミングで開始となり、走間板厚変更処理はステップS1の処理に進む。
ステップS1の処理では、制御装置2が、板厚変更点Ptの位置に応じた第1スタンド1a、第2スタンド1b、第3スタンド1c、及び第4スタンド1dのロール周速を算出して設定する。具体的には、制御装置2は、全スタンド間のマスフローに整合性が取れるように各スタンドのロール周速を算出して設定する。すなわち、走間板厚変更処理の実行前までは、各スタンド出側のマスは全スタンド間で一致し、以下に示す数式(1)が成り立つことから、制御装置2は以下に示す数式(1)を用いて各スタンドのロール周速VR1 ,VR2 ,VR3 ,VR4 を算出して設定する。
Figure 0006020348
数式(1)中、Vはロール周速を示し、Vの右下の添字Ri(i=1,2,3,4)は第iスタンドのロール周速であることを示し、Vの右上の添字Iは走間板厚変更処理の実行前のロール周速であることを示している。また、hは、各スタンド出側の板厚を示し、hの右下の添字i(i=1,2,3,4)は第iスタンド出側の板厚であることを示し、hの右上の添字Iは走間板厚変更処理の実行前の板厚であることを示している。また、fは先進率を示し、fの右下及び右上の添字の意味はhの右下及び右上の添字の意味と同じである。また、先進率はBland & Fordの式等の計算式によって算出できる。
次に、板厚変更点Ptが図3に示す第1スタンド1aと第2スタンド1bとの間の位置P2に到達すると、制御装置2は、以下に示す数式(2)を用いて第1スタンド1aのロール周速VR1 を算出して設定する。なお、数式(2)中、先進率fの右上の添字tは遷移状態の先進率であることを示している。すなわち、第1スタンド1aの先進率f は、前方張力として走間板厚変更処理の実行前の全張力、後方張力として走間板厚変更処理の実行後の全張力を用いて計算されたものである。
Figure 0006020348
次に、板厚変更点Ptが図3に示す第2スタンド1bと第3スタンド1cとの間の位置P3に到達すると、制御装置2は、以下に示す数式(3)及び数式(4)をそれぞれ用いて第2スタンド1b及び第1スタンド1aのロール周速VR2 ,VR1 を算出して設定する。なお、板厚h及び先進率fの右上の添字IIは走間板厚変更処理の実行後の板厚、先進率であることを示している。
Figure 0006020348

Figure 0006020348
次に、板厚変更点Ptが図3に示す第3スタンド1cと第4スタンド1dとの間の位置P4に到達すると、制御装置2は、以下に示す数式(5)〜数式(7)をそれぞれ用いて第3スタンド1c、第2スタンド1b、及び第1スタンド1aのロール周速VR3 ,VR2 ,VR1 を算出して設定する。
Figure 0006020348

Figure 0006020348

Figure 0006020348
最後に、板厚変更点Ptが図3に示す第4スタンド1dの出側の位置P5に到達すると、制御装置2は、以下に示す数式(8)〜数式(11)をそれぞれ用いて第4スタンド1d、第3スタンド1c、第2スタンド1b、及び第1スタンド1aのロール周速VR4 ,VR3 ,VR2 ,VR1 を算出して設定する。以上の処理によって、表1に示すように、板厚変更点Ptの位置に応じた第1スタンド1a、第2スタンド1b、第3スタンド1c、及び第4スタンド1dのロール周速が設定される。これにより、ステップS1の処理は完了し、走間板厚変更処理はステップS2の処理に進む。
Figure 0006020348

Figure 0006020348

Figure 0006020348

Figure 0006020348
Figure 0006020348
ステップS2の処理では、制御装置2が、ステップS1の処理によって算出された板厚変更点Ptの位置に応じた第1スタンド1a、第2スタンド1b、第3スタンド1c、及び第4スタンド1dのロール周速から圧延ロールと金属帯Stとの間の摩擦係数を算出する。具体的には、制御装置2は、図4に示すような実操業データを解析することによって求められた各スタンドにおけるロール周速と摩擦係数との関係を示す関数や各スタンドにおけるロール周速と摩擦係数とが組になったテーブルを用いて、ロール周速から圧延ロールと金属帯Stとの間の摩擦係数を算出する。なお、ロール周速と摩擦係数とが組になったテーブルに対応する摩擦係数の値がない場合、制御装置2は補間処理によって摩擦係数を算出するとよい。これにより、ステップS2の処理は完了し、走間板厚変更処理はステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、制御装置2が、ステップS2の処理によって算出された摩擦係数を用いて板厚変更点Ptの位置に応じた各スタンドの圧延荷重を算出する。具体的には、圧延荷重は以下の数式(12)に示すHillの式に張力補正項を加えた式から算出できる。なお、数式(12)中、Pは圧延荷重[tonf]、bは板幅[mm]、kmiは平均変形抵抗[kgf/mm2]、Qpiは圧下力関数、Kは張力補正関数、R’は扁平ロール半径[mm]、hinは入側板厚[mm]、houtは出側板厚[mm]を示している。
Figure 0006020348
圧下力関数Qpiは、摩擦係数をパラメータとして有する関数である。従って、制御装置2は、ステップS2の処理によって算出された摩擦係数を圧下力関数Qpiに代入することによって、ステップS2の処理によって算出された摩擦係数を用いて板厚変更点Ptの位置に応じた圧延荷重を算出する。これにより、ステップS3の処理は完了し、走間板厚変更処理はステップS4の処理に進む。
ステップS4の処理では、制御装置2が、ステップS3の処理によって算出された圧延荷重を用いて板厚変更点Ptの位置に応じた各スタンドのロールギャップを算出する。具体的には、目標の板厚に圧延するためのロールギャップは、以下の数式(13)に示すゲージメータ式によって算出できる。そこで、制御装置2は、以下に示す数式(13)にステップS3の処理によって算出された圧延荷重を代入することによって、板厚変更点Ptの位置に応じた各スタンドのロールギャップを算出する。なお、数式(13)中、Sはロールギャップ[mm]、PはステップS3の処理によって算出された圧延荷重[tonf]、Mはミル定数[tonf/mm]、houtは出側板厚[mm]を示している。
Figure 0006020348
以上の処理によって、表2に示すように、板厚変更点Ptの位置に応じた各スタンドのロールギャップが設定される。比較のために、従来の走間板厚変更処理におけるロールギャップの設定値を表3に示す。表2と表3との比較から明らかなように、従来の走間板厚変更処理では、表3に示すように、板厚変更点が到達したスタンドしかロールギャップを変化させない。これに対して、本発明の一実施形態である走間板厚変更処理では、板厚変更点Ptが各スタンドを通過するタイミングでの速度変更を考慮してロールギャップを設定している。これにより、ステップS4の処理は完了し、走間板厚変更処理はステップS5の処理に進む。
Figure 0006020348
Figure 0006020348
ステップS5の処理では、制御装置2が、ステップS1及びステップS4の処理によって設定されたロール周速及びロールギャップに従って、板厚変更点Ptの位置に応じてロール周速及びロールギャップを制御する。これにより、ステップS5の処理は完了し、一連の走間板厚変更処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である走間板厚変更処理によれば、制御装置2が、板厚変更点Ptの位置に応じた各スタンドのロール周速を算出し、各スタンドのロール周速を用いて板厚変更点Ptの位置に応じた各スタンドの圧延ロールと金属帯Stとの間の摩擦係数を算出し、算出された摩擦係数を用いて板厚変更点Ptの位置に応じた各スタンドのロールギャップを算出し、算出されたロール周速及びロールギャップに従って板厚変更点Ptの位置に応じて各スタンドのロール周速及びロールギャップを制御する。すなわち、本発明の一実施形態である走間板厚変更処理では、制御装置2が、全てのロール周速変更点において各スタンドのロールギャップの設定値を算出する。このような走間板厚変更処理によれば、摩擦係数のロール周速依存性を各スタンドのロールギャップに反映させることができるので、板厚変更量が大きい場合であっても歩留まりを低下させることなく張力変動を抑制することができる。
〔実施例〕
本実施例では、仕上厚1.7[mm]の鋼板をタンデム圧延機で仕上厚0.8[mm]に圧延する冷間連続圧延処理に対し本発明及び従来の走間板厚変更処理を適用した際のロールギャップ、ロール周速、スタンド間張力、及び仕上厚を評価した。なお、本実施例では、第4スタンド1dの周速は85[mpm]で一定であり、全張力の設定は、第1スタンド1aと第2スタンド1bとの間で28.56[tonf]、第2スタンド1bと第3スタンド1cとの間で20.1[tonf]、第3スタンド1cと第4スタンド1dとの間で16.74[tonf]としている。また、摩擦係数とロール周速との関係を表す関数は実際の操業結果の解析結果である図4に示す特性を表現する関数を用いた。
図5は、本発明及び従来の走間板厚変更処理における各スタンドのロールギャップの変化の一例を示す図である。図中点線で示す従来の走間板厚変更処理(従来法)では、板厚変更点が各スタンドに到達したタイミングでロールギャップ位置を定常状態のロールギャップ位置まで設定している。これに対して、図中実線で示す本発明の走間板厚変更処理(発明法)では、図6に示すロール周速に応じてロールギャップ位置を設定している。
図7は、本発明及び従来の走間板厚変更処理におけるスタンド間の張力変動の一例を示す図である。図中点線で示す従来の走間板厚変更処理(従来法)では、第1スタンド1aと第2スタンド1bとの間の張力(第1−第2)が低下している。これに対して、図中実線で示す本発明の走間板厚変更処理(発明法)では、この張力低下は見られない。このことから、発明法は、張力変動を抑制できるため、金属帯Stの通板にとって望ましいといえる。
なお、第2スタンド1bと第3スタンド1cとの間の張力(第2−第3)及び第3スタンド1cと第4スタンド1dとの間の張力(第3−第4)については、従来法と発明法とでは大差がない。これは、摩擦係数のロール周速依存性がスタンドによって異なるためである。すなわち、本実施例では、摩擦係数として図4に示す摩擦係数を用いたため、特に摩擦係数のロール周速依存性が強い第2スタンド1bの影響が、第1スタンド1aと第2スタンド1bとの間の張力に現れたが、他のスタンドはそれほど摩擦係数のロール周速依存性が強くないと言える。仕上厚の比較を図8に示す。従来法及び発明法のどちらでも目標の仕上厚に金属帯Stを圧延できていることが確認された。しかしながら、発明法に比べて従来法では、第1スタンド1aと第2スタンド1bとの間の張力変動が大きいため、絞りという操業トラブル等が発生する。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者などによりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範疇に含まれる。
1a,1b,1c,1d 圧延スタンド
2 制御装置
Pt 板厚変更点
St 金属帯

Claims (4)

  1. 複数の圧延スタンドを有する圧延ラインを利用して仕上厚が異なる先行材と後行材とを一つの連続した金属帯として連続的に圧延する金属帯の圧延方法であって、
    前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドのロール周速を算出し、前記各圧延スタンドのロール周速のうち、前記板厚変更点が到達した第1の圧延スタンドのロール周速を、前記各圧延スタンド間のマスフローに整合性が取れるように算出し、前記第1の圧延スタンドより前に前記板厚変更点が到達した第2の圧延スタンドのロール周速を、前記第1の圧延スタンドと前記第2の圧延スタンドとの間のマスフローに整合性が取れるように算出するロール周速算出ステップと、
    前記ロール周速算出ステップにおいて算出された各圧延スタンドのロール周速を用いて、前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドの圧延ロールと金属帯との間の摩擦係数を算出する摩擦係数算出ステップと、
    前記摩擦係数算出ステップにおいて算出された摩擦係数を用いて、前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドのロールギャップを算出するロールギャップ算出ステップと、
    前記ロール周速算出ステップ及び前記ロールギャップ算出ステップにおいて算出されたロール周速及びロールギャップに従って、板厚変更点の位置に応じて各圧延スタンドのロール周速及びロールギャップを制御する制御ステップと、
    を含むことを特徴とする金属帯の圧延方法。
  2. 前記ロールギャップ算出ステップは、前記摩擦係数算出ステップにおいて算出された摩擦係数を用いて前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドの圧延荷重を算出し、算出された圧延荷重を用いて前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドのロールギャップを算出するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の金属帯の圧延方法。
  3. 前記摩擦係数算出ステップは、実操業データを解析することによって求められた各圧延スタンドにおけるロール周速と摩擦係数との関係を示す関数や各圧延スタンドにおけるロール周速と摩擦係数とが組になったテーブルを用いて、ロール周速から摩擦係数を算出するステップを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属帯の圧延方法。
  4. 複数の圧延スタンドを有する圧延ラインを利用して仕上厚が異なる先行材と後行材とを一つの連続した金属帯として連続的に圧延する金属帯の圧延装置であって、
    前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドのロール周速を算出し、前記各圧延スタンドのロール周速のうち、前記板厚変更点が到達した第1の圧延スタンドのロール周速を、前記各圧延スタンド間のマスフローに整合性が取れるように算出し、前記第1の圧延スタンドより前に前記板厚変更点が到達した第2の圧延スタンドのロール周速を、前記第1の圧延スタンドと前記第2の圧延スタンドとの間のマスフローに整合性が取れるように算出するロール周速算出手段と、
    前記ロール周速算出手段によって算出された各圧延スタンドのロール周速を用いて、前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドの圧延ロールと金属帯との間の摩擦係数を算出する摩擦係数算出手段と、
    前記摩擦係数算出手段によって算出された摩擦係数を用いて、前記圧延ライン上の板厚変更点の位置に応じた各圧延スタンドのロールギャップを算出するロールギャップ算出手段と、
    前記ロール周速算出手段及び前記ロールギャップ算出手段によって算出されたロール周速及びロールギャップに従って、板厚変更点の位置に応じて各圧延スタンドのロール周速及びロールギャップを制御する制御手段と、
    を含むことを特徴とする金属帯の圧延装置。
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