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JP6019597B2 - 着色感光性樹脂組成物 - Google Patents

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JP6019597B2
JP6019597B2 JP2012021777A JP2012021777A JP6019597B2 JP 6019597 B2 JP6019597 B2 JP 6019597B2 JP 2012021777 A JP2012021777 A JP 2012021777A JP 2012021777 A JP2012021777 A JP 2012021777A JP 6019597 B2 JP6019597 B2 JP 6019597B2
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Description

本発明は、着色感光性樹脂組成物に関する。
着色感光性樹脂組成物は、液晶表示パネル、エレクトロルミネッセンスパネル、プラズマディスプレイパネルなどのディスプレイ装置に使用されるカラーフィルタの製造用に用いられている。この着色感光性樹脂組成物としては、樹脂として、メタクリル酸と3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレートとの共重合体を含む着色感光性樹脂組成物が知られている(特許文献1及び2)。
特開2010−211198号公報 特開2010−224204号公報
フォトリソグラフ法によりパターンを形成する際、現像時に、基板上の着色感光性樹脂組成物層が剥離して現像液へ除去されると、その剥離片がパターン上に異物として付着したり、現像後の現像液が流れる配管を閉塞させたりする恐れがある。従来から知られる上記の着色感光性樹脂組成物は、上記のような現像性が必ずしも十分に満足できない場合があった。
本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1]着色剤、バインダー樹脂、重合性化合物、重合開始剤及び溶剤を含み、
着色剤が、染料を含む着色剤であり、
バインダー樹脂が、下記(B1)と(B2)とを含む樹脂である着色感光性樹脂組成物。
(B1)重量平均分子量が3,000以上15,000未満で、かつ酸価が20mg−KOH/g以上200mg−KOH/g以下である樹脂
(B2)重量平均分子量が15,000以上100,000以下で、かつ酸価が20mg−KOH/g以上200mg−KOH/g以下である樹脂
[2](B1)が、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体に由来する構造単位とを含む共重合体である[1]記載の着色感光性樹脂組成物。
[3]重合開始剤が、オキシム化合物を含む重合開始剤である[1]又は[2]記載の着色感光性樹脂組成物。
[4]着色剤が、染料と顔料とを含む着色剤である[1]〜[3]のいずれか一項記載の着色感光性樹脂組成物。
[5][1]〜[4]のいずれか一項記載の着色感光性樹脂組成物により形成されるカラーフィルタ。
[6][5]記載のカラーフィルタを含む表示装置。
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、現像後の現像液中に、着色感光性樹脂組成物由来の剥離片発生が少ない。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を含み、
バインダー樹脂(B)が、下記(B1)と(B2)とを含む樹脂である着色感光性樹脂組成物である。
(B1)重量平均分子量が3,000以上15,000未満で、かつ酸価が20mg−KOH/g以上200mg−KOH/g以下である樹脂
(B2)重量平均分子量が15,000以上100,000以下で、かつ酸価が20mg−KOH/g以上200mg−KOH/g以下である樹脂
本発明の着色感光性樹脂組成物は着色剤(A)を含み、着色剤(A)は染料(A1)を含む。染料(A1)としては、油溶性染料、酸性染料、酸性染料のアミン塩や酸性染料のスルホンアミド誘導体などの染料が挙げられ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)で染料、すなわちピグメント以外で色相を有するものに分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。また、化学構造によれば、アゾ染料、アントラキノン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料及びフタロシアニン染料等が挙げられる。これらの染料は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのうち、有機溶剤可溶性染料が好ましい。
具体的には、C.I.ソルベントイエロー4(以下、C.I.ソルベントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、117、162、163、167、189;
C.I.ソルベントレッド45、49、111、125、130、143、145、146、150、151、155、168、169、172、175、181、207、218、222、227、230、245、247;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56、77、86;
C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60;
C.I.ソルベントブルー4、5、14、18、35、36、37、45、58、59、59:1、63、67、68、69、70、78、79、83、90、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139;
C.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35;等のC.I.ソルベント染料、
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、66、73、76、80、87、88、91、92、94、95、97、98、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、182、183、195、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、289、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、388、394、401、412、417、418、422、426;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;
C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、17、19、30、34、102;
C.I.アシッドブルー1、7、9、15、18、22、23、25、27、29、40、41、42、43、45、51、54、59、60、62、70、72、74、78、80、82、83、86、87、90、92、93、96、100、102、103、104、112、113、117、120、126、127、129、130、131、138、140、142、143、147、150、151、154、158、161、166、167、168、170、171、175、182、183、184、187、192、199、203、204、205、210、229、234、236、242、243、256、259、267、278、280、285、290、296、315、324:1、335、340;
C.I.アシッドグリーン1、3、5、9、16、25、27、28、41、50、58、63、65、80、104、105、106、109;等のC.I.アシッド染料、
C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250;
C.I.ダイレクトオレンジ34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;
C.I.ダイレクトブルー1、2、6、8、15、22、25、40、41、57、71、76、77、78、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、120、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、195、196、198、199、200、201、202、203、207、209、210、212、213、214、222、225、226、228、229、236、237、238、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293;
C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82;等のC.I.ダイレクト染料、
C.I.ディスパースイエロー51、54,76;
C.I.ディスパースバイオレット26、27;
C.I.ディスパースブルー1、14、56、60;
C.I.ベーシックレッド1、10;
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、19、21、22、24、25、26、28、29、40、41、45、47、54、58、59、60、64、65、66、67、68;
C.I.ベーシックグリーン1;等のC.I.ベーシック染料、
C.I.リアクティブイエロー2,76,116;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.リアクティブレッド36;等のC.I.リアクティブ染料、
C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、27、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58;
C.I.モーダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83、84;
C.I.モーダントグリーン1、3、4、5、10、15、19、26、29、33、34、35、41、43、53;等のC.I.モーダント染料、及び
C.I.バットグリーン1等のC.I.バット染料等が挙げられる。
染料(A1)としては、キサンテン染料(Aa)が好ましい。
キサンテン染料(Aa)は、キサンテン骨格を有する化合物を含む染料である。
キサンテン染料(Aa)としては、例えば、C.I.アシッドレッド51、52、87、92、94、289、388、C.I.アシッドバイオレット9、30、102、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6G)、2、3、4、8、C.I.ベーシックレッド10(ローダミンB)、11、C.I.ベーシックバイオレット10、11、25、C.I.ソルベントレッド218、C.I.モーダントレッド27、C.I.リアクティブレッド36(ローズベンガルB)、スルホローダミンG、特開2010−32999号公報記載のキサンテン染料及び特許第4492760号記載のキサンテン染料等が挙げられる。
キサンテン染料(Aa)としては、式(1)で表される化合物(以下「化合物(1)」という場合がある)を含む染料が好ましい。化合物(1)は、その互変異性体であってもよい。化合物(1)を用いる場合、キサンテン染料(Aa)の総量に対する化合物(1)の含有量は50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。特に、キサンテン染料(Aa)として、実質的に化合物(1)のみを用いることが好ましい。
Figure 0006019597
[式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、−R、−OH、−OR、−SO 、−SOH、−SO 、−COH、−CO2 -+、−CO、−SR8、−SO28、−SO又は−SONR10で置換されていてもよい。前記飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜3のアルコキシ基で置換されていてもよく、前記飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−CO−又は−NR11−で置き換わっていてもよい。R1及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R及びRは、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
は、−OH、−SO 、−SOH、−SO 、−COH、−CO 、−CO、−SO又は−SONR10を表す。
mは、0〜5の整数を表す。mが2以上である場合、複数のRは同一であるか相異なる。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
は、N(R11、Na又はKを表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
aは、0又は1の整数を表す。
は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−CO−、−NH−又は−NR−で置き換っていてもよく、R及びR10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。]
〜Rにおける炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基等が挙げられる。
〜Rにおける炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基は、置換基として、−SO 、−SOH、−SO 及び−SONR10からなる群から選ばれる少なくとも1種を有していることが好ましく、−SO 及び−SONR10からなる群から選ばれる少なくとも1種を有していることがより好ましい。この場合の−SO としては、−SO −+N(R11が好ましい。R〜Rがこれらの基であると、化合物(1)を含む本発明の着色感光性樹脂組成物から、異物の発生が少なく、かつ耐熱性に優れるカラーフィルタを形成できる。
1及びRが一緒になって形成する環、並びにR及びRが一緒になって形成する環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0006019597
〜R及びR〜R11における炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の炭素数1〜20のアルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基が挙げられる。
−OR8としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基及びイコシルオキシ基等が挙げられる。
−CO28としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
−SR8としては、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、デシルスルファニル基及びイコシルスルファニル基等が挙げられる。
−SO28としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等が挙げられる。
−SO38としては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert−ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等が挙げられる。
−SO2NR910としては、例えば、スルファモイル基;
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルスルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN−1置換スルファモイル基;
N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)スルファモイル基、N,N−ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N−2置換スルファモイル基等が挙げられる。
またR9及びR10を表す炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基は、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子が、−OH又はハロゲン原子で置換されていてもよく、該飽和炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−、−NH−又は−NR8−で置き換っていてもよい。
9及びR10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3〜10員環の複素環を形成していてもよい。該複素環としては、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 0006019597
は、−COH、−CO、−SO 、−SO 、−SOH又はSONHRが好ましく、SO 、−SO 、−SOH又はSONHRがより好ましい。
mは、1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
及びRにおける炭素数1〜6のアルキル基としては、上記で挙げたアルキル基のうち、炭素数1〜6のものが挙げられる。
11における炭素数7〜10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
は、N(R11、Na又はKであり、好ましくはN(R11である。
N(R11としては、4つのR11のうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR11の合計炭素数は20〜80が好ましく、20〜60がより好ましい。化合物(1)中にN(R11が存在する場合、R11がこれらの基であると、化合物(1)を含む本発明の着色感光性樹脂組成物から、異物が少ないカラーフィルタを形成できる。
化合物(1)は、式(2)で表される化合物(以下「化合物(2)」という場合がある)が好ましく、キサンテン染料(Aa)としては、化合物(2)を含む染料がより好ましい。化合物(2)は、その互変異性体であってもよい。化合物(2)を用いる場合、キサンテン染料(Aa)中の化合物(2)の含有量は50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。特に、キサンテン染料(Aa)として、化合物(2)のみを用いることが好ましい。
Figure 0006019597
[式(2)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、−R26又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−SO 、−SO a+、−SOH、−SO26又は−SONHR26で置換されていてもよい。
は、ハロゲン原子を表す。
は、0又は1の整数を表す。
m1は、0〜5の整数を表す。m1が2以上の整数である場合、複数のR25は同一であるか相異なる。
a+は、N(R27、Na又はKを表す。
25は、−SO 、−SO a+、−SOH又はSONHR26を表す。
26は、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表す。
27は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基又はベンジル基を表す。]
21〜R24における炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基としては、R〜Rにおける芳香族炭化水素基として挙げたものと同様の基が挙げられる。
中でも、R21〜R24の組合せとしては、好ましくは、R21及びR23が水素原子であり、かつR22及びR24が炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基であり、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−SO 、−SO 、−SOH、−SO26又は−SONHR26で置換されていてもよいものである。より好ましくは、R21及びR23が水素原子であり、かつR22及びR24が炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基であり、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−SO 又は−SONHR26で置換されていてもよいものである。R21〜R24がこれらの基であると、化合物(2)を含む本発明の着色感光性樹脂組成物から、耐熱性に優れるカラーフィルタを形成できる。
26及びR27における炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基としては、R〜R11における飽和炭化水素基として挙げたものと同様の基が挙げられる。
21〜R24が−R26である場合、−R26は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
−SO26及び−SONHR26におけるR26としては、炭素数3〜20の分枝鎖状アルキル基が好ましく、炭素数6〜12の分枝鎖状アルキル基がより好ましく、2−エチルヘキシル基がさらに好ましい。R26がこれらの基であると、化合物(2)を含む着色感光性樹脂組成物は、異物の発生が少ないカラーフィルタを形成できる。
a+は、N(R27、Na又はKであり、好ましくはN(R27である。
N(R27としては、4つのR27のうち、少なくとも2つが炭素数5〜20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのR27の合計炭素数は20〜80が好ましく、20〜60がより好ましい。化合物(2)中にN(R27が存在する場合、R27がこれらの基である化合物(2)を含む本発明の着色感光性樹脂組成物から、異物の発生が少ないカラーフィルタを形成できる。
化合物(1)としては、例えば、式(1−1)〜式(1−30)で表される化合物が挙げられる。尚、下記式中、Raは炭素数1〜20の1価の飽和炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6〜12の分枝鎖状アルキル基、さらに好ましくは2−エチルヘキシル基を表す。これらの中でも、C.I.アシッドレッド289のスルホンアミド化物、C.I.アシッドレッド289の4級アンモニウム塩、C.I.アシッドバイオレット102のスルホンアミド化物又はC.I.アシッドバイオレット102の4級アンモニウム塩が好ましい。このような化合物としては、例えば、式(1−1)〜式(1−8)、式(1−11)又は式(1−12)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006019597
Figure 0006019597
Figure 0006019597
Figure 0006019597
Figure 0006019597
Figure 0006019597
また、キサンテン染料(Aa)としては、式(3)で表される化合物(以下「化合物(3)」という場合がある)を含む染料もより好ましい。化合物(3)は、その互変異性体であってもよい。化合物(3)を使用する場合、キサンテン染料(Aa)中の化合物(3)の含有量は50質量%以上が好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
Figure 0006019597
[式(3)中、R31及びR32は、互いに独立に、炭素数1〜10のアルキル基を表す。R33及びR34は、互いに独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基または炭素数1〜4のアルキルスルホニル基を表す。R31及びR33は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R32及びR34は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
p及びqは、互いに独立に、0〜5の整数を表す。pが2以上である場合、複数のR33は同一であっても異なっていてもよく、qが2以上である場合、複数のR34は同一であっても異なっていてもよい。]
31及びR32を表す炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。R33及びR34を表す炭素数1〜4のアルキル基としては、これらのうち、炭素数4までの基が挙げられる。
33及びR34を表す炭素数1〜4のアルキルスルファニル基としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基及びイソプロピルスルファニル基等が挙げられる。
33及びR34を表す炭素数1〜4のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基及びイソプロピルスルホニル基等が挙げられる。
31及びR32は、互いに独立に、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基であることが好ましい。R33及びR34は、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
p及びqは、互いに独立に、0〜2の整数が好ましく、1又は2がよりが好ましい。
化合物(3)としては、例えば、それぞれ、式(1−31)〜式(1−43)で表される化合物が挙げられる。中でも、有機溶媒への溶解性に優れる点で、式(1−31)〜式(1−40)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006019597
Figure 0006019597
Figure 0006019597
キサンテン染料(Aa)としては、市販されているキサンテン染料(例えば、中外化成(株)製の「Chugai Aminol Fast Pink R-H/C」、田岡化学工業(株)製の「Rhodamin 6G」等)を用いることもできる。また、市販されているキサンテン染料を出発原料として、特開2010−32999号公報を参考にして合成することもできる。
着色剤(A)は、さらに顔料(A2)を染料(A1)とともに含むことが好ましい。
顔料としては、特に限定されず公知の顔料を使用することができ、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている化合物、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73などのオレンジ色の顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265などの赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60などの青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38などのバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58などの緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25などのブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7などの黒色顔料等が挙げられる。
中でも、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、C.I.ピグメントレッド177、209、242、254、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントブルー15:3、15:6及びC.I.ピグメントグリーン7、36、58が好ましい。本発明の着色感光性樹脂組成物に用いられる顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントイエロー150及びC.I.ピグメントイエロー138からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む顔料がより好ましい。前記の顔料を含むことで、透過スペクトルの最適化が容易であり、耐薬品性が良好になる。
これらの顔料は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、又は不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。
顔料は、粒径が均一であることが好ましい。顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで、顔料が溶液中で均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
前記の顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの顔料分散剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(CIBA社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)などが挙げられる。
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料(A2)100質量部に対して、好ましくは100質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上50質量部以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲内にあると、均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向がある。
顔料(A2)を含む場合、染料(A1)と顔料(A2)との含有割合〔(A1):(A2)〕は質量基準で、1:99〜99:1が好ましく、3:97〜90:10がより好ましい。このような比率とすることにより、透過スペクトルの最適化が容易となり、得られるカラーフィルタは、コントラスト、明度、耐熱性、耐薬品性に優れる傾向がある。
特に、本発明の着色感光性樹脂組成物を青色着色感光性樹脂組成物として調製する場合、着色剤(A)としては、キサンテン染料と青色顔料とを含む着色剤が好ましく、キサンテン染料とC.I.ピグメントブルー15:6とを含む着色剤がより好ましい。キサンテン染料と青色顔料との含有量比率は質量基準で、3:97〜90:10が好ましく、3:97〜70:30がより好ましく、3:97〜50:50がさらに好ましく、5:95〜30:70がさらに好ましい。これらの着色剤を前記の含有量で含むことにより、高明度な青色カラーフィルタを得ることができる。
着色剤(A)の含有量は、着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して、好ましくは5〜60質量%であり、より好ましくは8〜55質量%であり、さらに好ましくは10〜50質量%であり、とりわけ好ましくは12〜30質量%である。着色剤(A)の含有量が前記の範囲にあると、カラーフィルタとしたとき所望する分光や色濃度を得ることができ、かつ組成物中にバインダー樹脂や重合性化合物を必要量含有させることができるので、機械強度が十分なカラーフィルタを形成することができる。ここで、固形分とは、本発明の着色感光性樹脂組成物から溶剤を除いた成分の合計量をいう。固形分及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂(B)を含み、バインダー樹脂(B)は、下記(B1)と(B2)とを含む。このような樹脂を組み合わせることにより、現像後の現像液中に、着色感光性樹脂組成物由来の剥離片発生を抑制することができる。
(B1)重量平均分子量が3,000以上15,000未満で、かつ酸価が20mg−KOH/g以上200mg−KOH/g以下である樹脂
(B2)重量平均分子量が15,000以上100,000以下で、かつ酸価が20mg−KOH/g以上200mg−KOH/g以下である樹脂
本明細書中、重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算の重量平均分子量として求められる値を表す。また、酸価は、樹脂1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求められる値である。
(B1)の重量平均分子量は、3,000以上15,000未満であり、好ましくは4,000以上11,000以下であり、より好ましくは5,000以上10,000以下である。(B1)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
(B1)の酸価は、20mg−KOH/g以上200mg−KOH/g以下であり、好ましくは40mg−KOH/g以上170mg−KOH/g以下であり、より好ましくは60mg−KOH/g以上150mg−KOH/g以下であり、さらに好ましくは80mg−KOH/g以上120mg−KOH/g以下である。
(B2)の重量平均分子量は、15,000以上100,000以下であり、好ましくは18,000以上50,000以下であり、より好ましくは20,000以上3,000以下である。(B2)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
(B2)の酸価は、20mg−KOH/g以上200mg−KOH/g以下であり、好ましくは40mg−KOH/g以上170mg−KOH/g以下であり、より好ましくは80mg−KOH/g以上160mg−KOH/g以下であり、さらに好ましくは100mg−KOH/g以上150mg−KOH/g以下である。(B2)の酸価は、ともに用いる(B1)の酸価より高いことが好ましい。
(B1)及び(B2)の化学構造は、特に限定されるものではないが、例えば、以下の樹脂[K1]〜[K6]等が挙げられる。
[K1]不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)と、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)との共重合体。
[K2](a)と(b)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)との共重合体
[K3](a)と(c)との共重合体
[K4](a)と(c)との共重合体に(b)を反応させて得られる樹脂。
[K5](b)と(c)との共重合体に(a)を反応させて得られる樹脂。
[K6](b)と(c)との共重合体に(a)を反応させ、さらにカルボン酸無水物を反応させて得られる樹脂。
(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
(b)は、例えば、炭素数2〜4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2〜4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
(b)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(a1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)等が挙げられる。
(b1)は、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造とエチレン性不飽和結合と構造を有する単量体(b1−1)(以下「(b1−1)」という場合がある)、及び脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造とエチレン性不飽和結合と構造を有する単量体(b1−2)(以下「(b1−2)」という場合がある)が挙げられる。
(b1−1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、α−メチル−p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6−ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6−トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
(b1−2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーA400;ダイセル化学工業(株)製)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;ダイセル化学工業(株)製)、式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006019597
[式(I)及び式(II)中、R及びRは、互いに独立に、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
及びXは、互いに独立に、単結合、−R−、*−R−O−、*−R−S−、*−R−NH−を表す。
は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
及びRとしては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基等が挙げられる。
及びXとしては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH−O−(*はOとの結合手を表す)基、*−CHCH−O−基が挙げられ、より好ましくは単結合、*−CHCH−O−基が挙げられる。
式(I)で表される化合物としては、式(I−1)〜式(I−15)で表される化合物等が挙げられる。好ましくは式(I−1)、式(I−3)、式(I−5)、式(I−7)、式(I−9)又は式(I−11)〜式(I−15)で表される化合物が挙げられる。より好ましくは式(I−1)、式(I−7)、式(I−9)又は式(I−15)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006019597
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式(II)で表される化合物としては、式(II−1)〜式(II−15)で表される化合物等が挙げられる。好ましくは式(II−1)、式(II−3)、式(II−5)、式(II−7)、式(II−9)又は式(II−11)〜式(II−15)で表される化合物が挙げられる。より好ましくは式(II−1)、式(II−7)、式(II−9)又は式(II−15)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006019597
Figure 0006019597
式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物は、それぞれ単独で用いることができる。また、それらは、任意の比率で混合することができる。混合する場合、その混合比率はモル比で、好ましくは式(I):式(II)で、5:95〜95:5、より好ましくは10:90〜90:10、さらに好ましくは20:80〜80:20である。
オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b2)としては、3−メチル−3−メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−メチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−アクリロイルオキシエチルオキセタン等が挙げられる。
テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
(b)としては、得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、(b1)であることが好ましい。さらに、着色感光性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、(b1−2)がより好ましい。
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートといわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートといわれている。)、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が好ましい。
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;2〜50モル%(より好ましくは10〜40モル%)
(b)に由来する構造単位;50〜98モル%(より好ましくは60〜90モル%)
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記の範囲内にあると、着色感光性樹脂組成物の保存安定性、現像性、及びカラーフィルタの耐溶剤性に優れる傾向がある。
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
具体的には、(a)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に入れて、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にして、攪拌しながら、加熱及び保温する方法が挙げられる。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているもののいずれをも使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、本発明の着色感光性樹脂組成物の溶剤(E)として後述する溶剤等を用いることができる。
なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、本発明の着色感光性樹脂組成物に含まれる溶剤を使用することにより、反応後の溶液をそのまま本発明の着色感光性樹脂組成物の調製に使用することができるため、本発明の着色感光性樹脂組成物の製造工程を簡略化することができる。
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;4〜45モル%(より好ましくは10〜30モル%)
(b)に由来する構造単位;2〜95モル%(より好ましくは5〜80モル%)
(c)に由来する構造単位;1〜65モル%(より好ましくは5〜60モル%)
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲内にあると、着色感光性樹脂組成物の保存安定性、現像性、及びカラーフィルタの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
樹脂[K2]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
具体的には、(a)、(b)及び(c)の所定量、重合開始剤及び溶剤を反応容器中に入れて、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にして、攪拌しながら、加熱及び保温する方法が挙げられる。得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま本発明の着色感光性樹脂組成物の調製に使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)2〜50モル%、より好ましくは5〜40モル%
(c)50〜98モル%、より好ましくは60〜95モル%
樹脂[K3]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
樹脂[K4]は、(a)と(c)との共重合体を得て、(b)を付加させることにより製造することができる。
まず(a)と(c)との共重合体を、[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、(a)と(c)との共重合体を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)5〜50モル%、より好ましくは10〜45モル%
(c)50〜95モル%、より好ましくは55〜90モル%
次に、前記共重合体中の(a)に由来する構造単位に含まれるカルボキシ基及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2〜4の環状エーテルを反応させる。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)を(a)、(b)及び(c)の合計使用量に対して0.001〜5質量%、及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等を(a)、(b)及び(c)の合計量に対して0.001〜5質量%をフラスコ内に入れて、例えば、60〜130℃で、1〜10時間反応することにより、樹脂[K4]を得ることができる。仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
この場合の(b)の使用量は、(a)の使用量100モルに対して、5〜80モルが好ましく、より好ましくは10〜75モルである。この範囲とすることにより、着色感光性樹脂組成物の保存安定性、現像性、並びに、カラーフィルタの耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。
環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]の製造に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1−1)が好ましい。
樹脂[K5]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)及び(c)に由来する構造単位の比率は、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、以下の範囲にあることが好ましい。
(b)に由来する構造単位;5〜95モル%(より好ましくは10〜90モル%)
(c)に由来する構造単位;5〜95モル%(より好ましくは10〜90モル%)
さらに、樹脂[K4]の製造方法と同様の条件で、(b)と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテルに、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を反応させることにより、樹脂[K5]を得ることができる。環状エーテルとカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、さらにカルボン酸無水物を反応させてもよい。
前記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)の使用量100モルに対して、5〜80モルが好ましい。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K5]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1−1)が好ましい。
樹脂[K6]は、樹脂[K5]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。環状エーテルとカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等が挙げられる。カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.5〜1モルが好ましい。
バインダー樹脂(B)としては、具体的に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/メタクリル酸/ビニルトルエン共重合体、3−メチル−3−(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、ビニルトルエン/メタクリル酸共重合体等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4];ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K5];ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K6]等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(B1)としては、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体に由来する構造単位とを含む共重合体、すなわち、樹脂[K1]及び樹脂[K2]からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、(b1)に由来する構造単位を含む樹脂[K1]、及び(b1)に由来する構造単位を含む樹脂[K2]からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、(b1−2)に由来する構造単位を含む樹脂[K1]、及び(b1−2)に由来する構造単位を含む樹脂[K2]からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがさらに好ましい。具体的には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/メタクリル酸/ビニルトルエン共重合体及び3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(B2)としては、樹脂[K1]、樹脂[K2]及び樹脂[K3]からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、樹脂[K3]がより好ましい。具体的には、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体及びビニルトルエン/メタクリル酸共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体がより好ましい。
(B1)の含有量は、バインダー樹脂(B)の含有量に対して、好ましくは5〜95質量%であり、より好ましくは15〜80質量%であり、さらに好ましくは20〜70質量%であり、とりわけ好ましくは25〜55質量%である。
(B2)の含有量は、バインダー樹脂(B)の含有量に対して、好ましくは5〜95質量%であり、より好ましくは20〜85質量%であり、さらに好ましくは、30〜80質量%であり、とりわけ好ましくは45〜75質量%である。
(B1)と(B2)とを上記の含有量用いることにより、現像後の現像液中に、着色感光性樹脂組成物由来の剥離片発生が少なく、かつ形状に優れる着色パターンを形成できる。
バインダー樹脂(B)の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは7〜65質量%であり、より好ましくは13〜55質量%であり、さらに好ましくは17〜50質量%である。バインダー樹脂(B)の含有量が、前記の範囲にあると、未露光部の現像液に対する溶解性が高く、かつ現像後の現像液中に着色感光性樹脂組成物由来の剥離片発生が少ない傾向がある。
本発明の着色感光性樹脂組成物は重合性化合物(C)を含む。重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸等によって重合しうる化合物であって、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられる。
中でも、重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。これらの重合性化合物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
重合性化合物(C)の含有量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して、7〜65質量%であることが好ましく、より好ましくは13〜60質量%であり、さらに好ましくは17〜55質量%である。前記の重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲にあると、硬化が十分におこり、現像での残膜率が向上し、着色パターンにアンダーカットが入りにくくなって密着性が良好になる傾向があるため好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は重合開始剤(D)を含む。重合開始剤(D)としては、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(D)としては、光の作用により活性ラジカルを発生する化合物が好ましく、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む重合開始剤がより好ましく、オキシム化合物を含む重合開始剤がさらに好ましい。
前記アルキルフェノン化合物は、式(d2)で表される部分構造又は式(d3)で表される部分構造を有する化合物である。これらの部分構造中、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。
Figure 0006019597

式(d2)で表される部分構造を有する化合物としては、例えば、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]ブタン−1−オン等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)369、907及び379(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
式(d3)で表される部分構造を有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロペニルフェニル)プロパン−1−オンのオリゴマー、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
感度の点で、前記アルキルフェノン化合物としては、式(d2)で表される部分構造を有する化合物が好ましく、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン及び2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オンがより好ましい。
前記トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
前記アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)819(BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
前記オキシム化合物は、式(d1)で表される部分構造を有する化合物である。以下、*は結合手を表す。
Figure 0006019597
前記オキシム化合物としては、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(3,3−ジメチル−2,4−ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン、N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミン等が挙げられる。イルガキュア(登録商標)OXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N−1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。中でも、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)ブタン−1−オン−2−イミン、N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン及びN−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)−3−シクロペンチルプロパン−1−オン−2−イミンが好ましい。これらのオキシム化合物であると、特に、本発明の着色感光性樹脂組成物を青色着色感光性樹脂組成物として調製する場合に、高明度なカラーフィルタが得られる傾向にある。
前記ビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2,3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6−75372号公報、特開平6−75373号公報等参照。)、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48−38403号公報、特開昭62−174204号公報等参照。)、4,4’5,5’−位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7−10913号公報等参照。)等が挙げられる。好ましくは2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、3−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(2、4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールが挙げられる。
さらに重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10−フェナンスレンキノン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。これらは、後述の重合開始助剤(D1)(特にアミン類)と組み合わせて用いることが好ましい。
光により酸を発生する酸発生剤としては、例えば、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホナート、4−アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等のオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類等を挙げることができる。
重合開始剤(D)の含有量は、バインダー樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部であり、より好ましくは1〜20質量部である。光重合開始剤の含有量が、前記の範囲内にあると、高感度で着色パターンを形成することができるため、露光時間が短縮され生産性が向上する。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、さらに重合開始助剤(D1)を含んでいてもよい。重合開始助剤(D1)を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。
重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物、カルボン酸化合物等が挙げられ、好ましくはチオキサントン化合物である。
前記チオキサントン化合物としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
前記アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
前記アルコキシアントラセン化合物としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジブトキシアントラセン等が挙げられる。
前記カルボン酸化合物としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N−フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N−ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等が挙げられる。
これらの重合開始助剤(D1)を用いる場合、その使用量は、バインダー樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。重合開始助剤(D1)の量がこの範囲内にあると、高感度で着色パターンを形成することができ、着色パターンの生産性が向上する傾向がある。
本発明の着色感光性樹脂組成物は溶剤(E)を含むことが好ましい。
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、−O−、−CO−及び−COO−を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等の中から選択して用いることができる。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
ケトン溶剤としては、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、アセトン、2−ブタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロンなどが挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
これらの溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の点から、1atmにおける沸点が120℃以上180℃以下である有機溶剤が好ましい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、N,N−ジメチルホルムアミド等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシ−1−ブタノール、3−エトキシプロピオン酸エチル等がより好ましい。
着色感光性樹脂組成物における溶剤(E)の含有量は、本発明の着色感光性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは70〜95質量%であり、より好ましくは75〜92質量%である。言い換えると、着色感光性樹脂組成物の固形分は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは8〜25質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、さらに、界面活性剤(F)を含んでいてもよい。界面活性剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーン(商品名)DC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
前記のフッ素系界面活性剤としては、フルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS−718−K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477、同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
界面活性剤(F)の含有量は、本発明の着色感光性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下、より好ましくは0.01質量%以上0.05質量%以下である。尚、この含有量に、前記顔料分散剤の含有量は含まれない。界面活性剤(F)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の種々の添加剤(以下「その他の成分」という場合がある)を含んでもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、例えば、着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)、並びに必要に応じて用いられる重合開始助剤(D1)、溶剤(E)、界面活性剤(F)及びその他の成分を混合することにより調製できる。
顔料(A2)を含む場合、顔料(A2)を予め溶剤(E)の一部又は全部と混合し、顔料の平均粒子径が0.2μm以下程度となるまで、ビーズミルなどを用いて分散させることが好ましい。この際、必要に応じて前記顔料分散剤、バインダー樹脂(B)の一部又は全部を配合してもよい。得られた顔料分散液に、残りの成分等を、所定の濃度となるように混合することにより、目的の着色感光性樹脂組成物を調製できる。
染料(A1)は、予め溶剤(E)の一部又は全部に溶解させて溶液を調製することが好ましい。該溶液を、孔径0.01〜1μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
上記のとおり混合して調製された着色感光性樹脂組成物を、孔径0.01〜10μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルタの着色パターンを形成する方法としては、例えば、フォトリソグラフ法、インクジェット法等が挙げられる。フォトリソグラフ法で着色パターンを形成するには、本発明の着色感光性樹脂組成物を基板又は別の樹脂層(例えば、基板の上に先に形成された別の着色感光性樹脂組成物層等)の上に塗布し、溶剤等の揮発成分を除去(乾燥)して乾燥後塗膜を形成し、フォトマスクを介して該着色層を露光して、現像すればよい。上記のフォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、乾燥後塗膜の硬化物である着色塗膜を形成できる。これらの着色パターン及び着色塗膜をカラーフィルタとすることができる。
作製するカラーフィルタの膜厚は、特に限定されず、用いる材料、用途等によって適宜調整することができ、例えば、0.1〜30μm、好ましくは0.5〜20μm、さらに好ましくは0.5〜6μmである。
着色感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して、平滑な乾燥後塗膜を得る。
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。
塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット・アンド・スピンコート法等が挙げられる。
加熱乾燥を行う場合の温度は、30〜120℃が好ましく、50〜110℃がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間〜60分間であることが好ましく、30秒間〜30分間であることがより好ましい。
減圧乾燥を行う場合は、50〜150Paの圧力下、20〜25℃の温度範囲で行うことが好ましい。
乾燥後塗膜の膜厚は、特に限定されず、用いる材料、用途等によって適宜調整することができる。
乾燥後塗膜は、目的のパターンを形成するためのフォトマスクを介して、露光される。この際のフォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたものが用いられる。
露光に用いられる光源としては、250〜450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。
露光面全体に均一に平行光線を照射したり、マスクと乾燥後塗膜が形成された基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ、ステッパ等の装置を使用することが好ましい。
露光後、現像液に接触させて未露光部を溶解させて除去(すなわち、現像)することにより、着色パターンを得ることができる。現像液としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のようなアルカリ性化合物の水溶液が挙げられる。これらのアルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。さらに、現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法、スプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後は、水洗することが好ましい。
さらに必要に応じて、ポストベークを行ってもよい。ポストベーク温度は、150〜250℃が好ましく、160〜235℃がより好ましい。ポストベーク時間は、1〜120分間が好ましく、10〜60分間がより好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、特に高い生産性でカラーフィルタを作製することができる。該カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
〔合成例1〕
冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、式(A0−1)で表される化合物及び式(A0−2)表される化合物の混合物(中外化成製)を15部、クロロホルム150部及びN,N−ジメチルホルムアミド8.9部を投入し、攪拌下20℃以下を維持しながら、塩化チオニル10.9部を滴下して加えた。滴下終了後、50℃に昇温し、同温度で5時間維持して反応させ、その後20℃に冷却した。冷却後の反応溶液を、攪拌下20℃以下に維持しながら、2−エチルヘキシルアミン12.5部及びトリエチルアミン22.1部の混合液を滴下して加えた。その後、同温度で5時間攪拌して反応させた。次いで得られた反応混合物をロータリーエバポレーターで溶媒留去した後、メタノールを少量加えて激しく攪拌した。この混合物を、イオン交換水375部の混合液中に攪拌しながら加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を濾別し、イオン交換水でよく洗浄し、60℃で減圧乾燥して、染料A1(染料A1)(式(A1−1)〜式(A1−8)で表される化合物の混合物)11.3部を得た。
Figure 0006019597
Figure 0006019597
〔合成例2〕
式(1x)で表される化合物20部とN−エチル−o−トルイジン(和光純薬工業(株)製)200部とを遮光条件下混合し、得られた溶液を110℃で6時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、水800部、35%塩酸50部の混合液中に添加し室温で1時間攪拌したところ、結晶が析出した。析出した結晶を吸引濾過の残渣として取得後乾燥し、式(1−31)で表される化合物24部を得た。収率は80%であった。
Figure 0006019597
式(1−31)で表される化合物の構造は、質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]603.4
Exact Mass: 602.2
〔合成例3〕
N−エチル−o−トルイジンに代えてN−プロピル−2,6−ジメチルアニリンを用いる以外は合成例1と同様にして、式(1−39)で表される化合物を得た。
Figure 0006019597
式(1−39)で表される化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]659.9
Exact Mass: 658.9
〔合成例4〕
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、乳酸エチル220部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸84部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物及び式(II−1)で表される化合物を、モル比で、50:50で混合)336部を、乳酸エチル140部に溶解して溶液を調製し、この溶解液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。
Figure 0006019597
一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部を乳酸エチル95部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、重量平均分子量Mwが8.0×10、分子量分布が2.5、固形分が48%、溶液酸価が50mg−KOH/gの樹脂B1溶液を得た。上記の固形分と溶液酸価とから固形分酸価を計算すると、104mg−KOH/gである。樹脂B1は下記に示す構造単位を有する。
Figure 0006019597
合成例で得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
実施例1〜6及び比較例1
表1に示す組成となるように各成分を混合して着色感光性樹脂組成物を得た。
Figure 0006019597
なお、表1中、各成分は以下のものを表す。また、バインダー樹脂(B)は、固形分換算の質量部を示す。
着色剤(A);(A−1);C.I.ピグメントブルー15:6
着色剤(A);(A−2);染料A1
着色剤(A);(A−3);式(1−39)で表される化合物
バインダー樹脂(B);(B1−1);樹脂B1
バインダー樹脂(B);(B2−1);メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体溶液〔メタクリル酸単位とベンジルメタクリレート単位との比(モル比)は35:65、酸価は135mg−KOH/g、ポリスチレン換算重量平均分子量は25,000、分子量分布は2.2、固形分34%、溶媒はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〕
重合性化合物(C);(C−1);ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製)
重合開始剤(D);(D−1);N−ベンゾイルオキシ−1−(4−フェニルスルファニルフェニル)オクタン−1−オン−2−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製)
溶剤(E);(E−1);プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E);(E−2);プロピレングリコールモノメチルエーテル
溶剤(E);(E−3);乳酸エチル
界面活性剤(F);(F−1);ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レダウコーニング(株)製)
<着色パターンの作製>
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、に、着色感光性樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして乾燥後塗膜を形成した。放冷後、この乾燥後塗膜が形成された基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を80μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、60mJ/cmの露光量(365nm基準)で光照射した。フォトマスクとしては、100μmラインアンドスペースパターンが形成されたものを使用した。光照射後の乾燥後塗膜を、現像液(質量分率で水酸化カリウムを0.05%およびブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムを0.2%それぞれ含む水溶液)に25℃で60秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、230℃で30分間ポストベークを行い、着色パターンを得た。
<剥離片の観察>
着色パターンの作製において、現像後の現像液を目視で観察した。現像液中に着色感光性樹脂組成物由来の剥離片が認められない場合は○、剥離片が認められた場合は×とした。現像液中に着色感光性樹脂組成物由来の剥離片が認められると、パターン上に異物として付着して、不良の原因となる恐れがあるため好ましくない。結果を表2に示す。
<膜厚測定>
得られた着色パターンについて、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製))を用いて膜厚を測定した。結果を表2に示す。
<色度評価>
得られた着色パターンについて、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の特性関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)と三刺激値Yとを測定した。Yの値が大きいほど明度が高いことを表す。結果を表2に示す。
<着色パターン形状評価>
得られた着色パターンについて、走査型電子顕微鏡(S−4000;(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、形状を観察した。下記(p1)で示す形状(いわゆる順テーパ形状)であれば○とし、(p2)で示す形状であれば△とし、(p3)で示す形状であれば×とした。(p1)で示す形状であると、着色パターン上に無機膜を積層した際、無機膜に亀裂や剥離が発生しにくい傾向がある。結果を表2に示す。
Figure 0006019597
Figure 0006019597
実施例7〜9
染料A1に代えて式(1−31)で表される化合物を用いる以外は、実施例1〜3と同様にして、それぞれ着色感光性樹脂組成物を得る。上記と同じ操作を行い、剥離片が発生していないことが確認される。さらに、明度や形状に優れる着色パターンを得る。
上記の結果から、本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、現像後の現像液に剥離片は認められなかった。このことから、本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、高い歩留まりでカラーフィルタを製造することが可能であることがわかる。
本発明の着色感光性樹脂組成物によれば、現像後の現像液中に、着色感光性樹脂組成物由来の剥離片発生が少ない。

Claims (5)

  1. 着色剤、バインダー樹脂、重合性化合物、重合開始剤及び溶剤を含み、
    着色剤が、染料を含む着色剤であり、
    染料がキサンテン染料を含み、キサンテン染料が式(3)で表される化合物を含み、
    バインダー樹脂が、下記(B1)と(B2)とを含む樹脂であり、
    (B1)の含有量が、バインダー樹脂(B)の含有量に対して、15〜80質量%である着色感光性樹脂組成物。
    Figure 0006019597
    [式(3)中、R 31 及びR 32 は、互いに独立に、炭素数1〜10のアルキル基を表す。R 33 及びR 34 は、互いに独立に、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルスルファニル基または炭素数1〜4のアルキルスルホニル基を表す。R 31 及びR 33 は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、R 32 及びR 34 は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
    p及びqは、互いに独立に、0〜5の整数を表す。pが2以上である場合、複数のR 33 は同一であっても異なっていてもよく、qが2以上である場合、複数のR 34 は同一であっても異なっていてもよい。]
    (B1)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、炭素数2〜4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体に由来する構造単位とを含む共重合体であり、重量平均分子量が3,000以上15,000未満で、かつ酸価が20mg−KOH/g以上200mg−KOH/g以下である樹脂
    (B2)重量平均分子量が15,000以上100,000以下で、かつ酸価が20mg−KOH/g以上200mg−KOH/g以下である樹脂
  2. 重合開始剤が、オキシム化合物を含む重合開始剤である請求項1記載の着色感光性樹脂組成物。
  3. 着色剤が、染料と顔料とを含む着色剤である請求項1又は2記載の着色感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の着色感光性樹脂組成物により形成されたカラーフィルタ。
  5. 請求項4記載のカラーフィルタを含む表示装置。
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