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JP6019372B2 - 発光素子及び発光パネル - Google Patents

発光素子及び発光パネル Download PDF

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Description

本発明は、有機EL発光素子はじめとする発光素子及び発光パネルに関する。
近年、発光型のディスプレイとして、基板上に有機EL素子を行列方向に複数配列した有機EL発光パネルが実用化されている。
有機EL発光パネルは、基板の上に駆動回路(例えば、TFT(Thin Film Transistor)素子を含む)が設けられ、その駆動回路の上に絶縁層が設けられ、さらに複数の有機EL素子が配列されてなる構成が知られている。各有機EL素子は、絶縁層の上に第1電極(例えば陽極)、第1電極の上に有機発光材料からなる発光層を含む機能層が設けられ、その機能層を鋏んで第2電極(例えば陰極)が設けられた基本構造を有している。
機能層には、発光層に加えて、必要に応じて、ホール(正孔)注入層、ホール(正孔)輸送層、電子注入層、電子輸送層が積層される。
有機EL素子は、駆動時には、第1電極と第2電極との間に電圧が印加され、発光層に注入されるホール(正孔)と電子との再結合に伴って発光する電流駆動型の発光素子である。このように、各素子が自発光を行うため、視認性に優れる。
フルカラー表示の有機EL発光パネルにおいて、このような有機EL素子が、RGB各色のサブピクセルを形成し、隣り合うRGBのサブピクセルが合わさって一画素が形成されている。
一般に、基板上に形成された複数の有機EL素子同士は、絶縁材料からなる隔壁(バンク)で仕切られていて、絶縁層上の第1電極は、有機EL素子ごとに独立した電極(画素電極)となっている。隔壁の形状は、特許文献1に記載されているように、格子状(ボックス状)とストライプ状とがあり、基板上に配列された複数の第1電極同士の間に隔壁が配置されている。
第1電極の上に機能層を形成する方法の一つとして、基板上に隔壁を形成しておいて、機能層を構成する正孔輸送層、電子ブロック層、発光層等の材料及びインク溶媒を含む溶液を、インクジェット等で塗布するウェット方式がある(例えば、特許文献1)。このウェット方式によれば、大型のパネルの製造において、材料利用効率が良い点、または真空装置が不要な点などからコストを抑えることができると考えられている。
隔壁が格子状(ボックス状)の場合、画素単位でインクが塗布されることにより、塗布量のばらつきに起因し、画素単位毎に機能層の膜厚がばらつくことがある。そこで、ストライプ状の隔壁では、同じストライプ内での塗布量のばらつきを抑制することで、同じストライプ内での機能層の膜厚のばらつきを抑えられることが特許文献1に記載されている。
また特許文献1には、第1電極同士が隣接する箇所を画素規制層で覆い、この画素規制層の上を覆うように機能層を形成することも開示されている。なお、「隔壁」と「画素規制層」とは、隣接する画素を仕切る点で似ているが、隔壁は隣接する画素の機能層同士を分離する機能があるのに対して、画素規制層にはそのような機能層同士を分離する機能はない。
特開2011−90910号公報
ここで、発光素子の第1電極の縁端領域において、隔壁又は画素規制層と第1電極とが重なる領域を有しない場合、異常に発光するエッジ発光が生じることがある。特に、第1電極が画素電極の場合、その画素電極のエッジ部分(画素電極がテーパを有する場合、画素電極の平坦部と傾斜部の境)で発光層が局所的に薄くなる(図9において符号Aで示す部分)。その結果、その薄くなった領域に電流が集中して流れることにより、エッジ発光が生じることがある。隔壁が格子状の場合は、第1電極の縁端部を全体的に隔壁で覆うことによって上記エッジ発光を抑えることができる場合もある。しかしながら、隔壁がストライプ状の場合は、第1電極の縁端部の中で、隔壁で覆われない箇所において上記のようなエッジ発光が発生し得る。
このようにエッジ発光が発生すると、画素内に輝度ムラが生じ、表示特性の悪化につながるため、改善することが望まれる。
ここで、エッジ発光を抑制するには、第1電極の縁端部を絶縁層などで覆うことも有効であるが、新たに絶縁層を設けると、製造工程において、その絶縁層をパターン形成する必要もあり、製造上の負担となる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、基板と、基板の上に設けられた絶縁層と、絶縁層の上に設けられた第1電極と、第1電極上に設けられた機能層と、機能層を介して第1電極に対向して設けられた第2電極と、を備える発光素子において、その製造上の負担を増やすことなく、エッジ発光を抑えることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様における発光素子は、基板と、当該基板の上に設けられた絶縁層と、当該絶縁層の上に設けられた第1電極と、当該第1電極上に設けられた機能層と、機能層を介して第1電極に対向して設けられた第2電極と、を含み、機能層における第1電極と第2電極で挟まれた領域は、中央部と当該中央部の外側にある周辺部とを有し、機能層の中央部は、第1電極と第2電極との間に電圧を印加するときに発光する膜厚で平坦に形成され、機能層において、第1電極と第2電極との間に電圧印加する際の発光強度が中央部における発光強度の1/2となる膜厚をDとするとき、周辺部では、機能層の膜厚が、中央部側から外方に向かってDになるまで増加し、機能層の膜厚がDになる箇所よりも外側では、第1電極と前記機能層とが重なる領域の縁端に到るまで機能層の膜厚が常にD以上であるように設定し、前記絶縁層には、前記周辺部が存在する領域に、前記基板に対して傾斜する傾斜面が形成され、前記第1電極は、前記傾斜面上に沿って設けられた電極傾斜部分を有する。
ここで、「機能層の中央部が平坦に形成されている」というのは、機能層の中央部では膜厚が全体的にほぼ一定であることを意味する。すなわち機能層の中央部の中で領域ごとに膜厚の変動がある程度あっても、周辺部と比べてその変動幅は小さいことを意味する。
これに対して機能層の周辺部では、上記のように膜厚が中央部側から外方に向かって大きくなっている。
上記態様の発光素子において、機能層における第1電極と第2電極とで挟まれた領域は、第1電極と第2電極との間に電圧を印加するとき、電界がかかり電流が流れる領域である。ここで、その中央部は膜厚が平坦であって、発光する領域に含まれる。また周辺部は、中央部側から外方に向かって、機能層の膜厚が増加しているので、第1電極と第2電極との間に電圧を印加するときの発光強度が外側で低下し、中央部側は発光領域、膜厚Dとなる箇所の外側では、常に発光強度が中央部における発光強度の1/2以下の非発光領域となる。
従って、電極の縁端部を絶縁層などで覆わなくても、周辺部の縁端部側には縁端に到るまで非発光領域となるので、エッジ発光が抑制され、製造工程の負担が増えることもない。
実施の形態1に係る表示パネル100の構成を模式的に示す断面図である。 表示パネル100の概略構成を示す斜視図である。 表示パネル100におけるコンタクトホールの近傍を拡大した部分斜視図である。 表示パネル100における有機EL素子20のY−Z断面構造を模式的に示す図、並びに機能層7の膜厚及び発光量の分布を示す図である。 表示パネル100の製造方法を説明するための図である。 変形例にかかる表示パネル100の構成を示す断面図である。 実施の形態にかかる表示装置200の全体構成を示す図である。 表示装置200を用いたテレビシステムの一例を示す外観形状である。 従来例にかかる有機EL素子において、エッジ発光が生ずる機構を説明する図である。
<本発明に到った経緯>
発光素子のエッジ発光を抑える方法としては、例えば、特許文献1に開示されているように、ライン状の隔壁に沿って並ぶ画素電極同士が隣接する箇所を画素規制層で覆うことも有効と考えられる。
しかし、画素規制層を基板上に形成するには、画素規制層の材料で成膜する成膜工程と、形成した膜をパターニングする工程が必要となり製造工程が増えることになる。従って、このような画素規制層を形成する工程を設けることなく、エッジ発光を抑えることが望まれる。
そのような背景のもとで、本発明者は、機能層における第1電極と第2電極とに挟まれた領域の周辺部で、機能層の膜厚を漸次大きくすることによって、周辺部の外端部に近いところの発光強度を低下させて非発光領域にできることを見出し、本発明に到った。
なお、本発明では、機能層において、発光量が、中央部における発光強度の1/2となる膜厚Dを基準とし、有機EL素子において、発光量が本来の素子の発光量に対して発光強度が1/2以下となる領域を「非発光領域」とみなしている。
<発明の態様>
本発明の一態様における表示素子においては、基板と、当該基板の上に設けられた絶縁層と、当該絶縁層の上に設けられた第1電極と、当該第1電極上に設けられた機能層と、機能層を介して第1電極に対向して設けられた第2電極と、を含み、機能層における第1電極と第2電極で挟まれた領域は、中央部と当該中央部の外側にある周辺部とを有し、機能層の中央部は、第1電極と第2電極との間に電圧を印加するときに発光する膜厚で平坦に形成され、機能層において、第1電極と第2電極との間に電圧印加する際の発光強度が中央部における発光強度の1/2となる膜厚をDとするとき、周辺部では、機能層の膜厚が、中央部側から外方に向かってDになるまで増加し、機能層の膜厚がDになる箇所よりも外側では、第1電極と前記機能層とが重なる領域の縁端に到るまで機能層の膜厚が常にD以上であるように設定した。なお、機能層は、発光層だけで形成してもよいし、発光層とホール輸送層などを積層して形成してもよい。
上記態様の発光素子において、機能層における第1電極と第2電極とで挟まれた領域は、第1電極と第2電極との間に電圧を印加するとき、第1電極と第2電極との間に電界がかかり電流が流れる領域である。ここで、その中央部は膜厚が平坦であって、その膜厚は発光するように薄く形成されているので、中央部は発光領域に含まれる。一方、周辺部は、中央部側から外方に向かって、機能層の膜厚が増加しているので、第1電極と第2電極との間に電圧を印加するときの発光強度が外側で低下し、中央部側は発光領域、膜厚Dとなる箇所の外側では、常に発光強度が中央部における発光強度の1/2以下の非発光領域となる。
従って、電極の縁端部を絶縁層などで覆わなくても、周辺部の縁端部側には縁端に到るまで機能層の膜厚が薄くなる部分が存在せず、非発光領域となるので、エッジ発光が抑制される。また、エッジ発光を抑えるための画素規制層を形成する必要もないので、製造工程の負担が増えることもない。
なお、機能層において、第1電極と第2電極との間に電圧印加する際の発光強度が中央部における発光強度の1/2となる膜厚は、中央部の平均膜厚のほぼ2倍である。すなわち、中央部の平均膜厚は、ほぼDの1/2である。
上記表示素子において、以下のようにしてもよい。
上記機能層の周辺部において、中央部側から外方に向かって、機能層の膜厚を単調増加させれば、中央部側から外方に向かって発光強度が漸次低下し、発光領域から非発光領域に漸次移行する。
ここで「中央部側から外方に向かって膜厚が単調増加する」というのは、「中央部側から外方に向かって膜厚は減少する部分がない」こと、すなわち機能層上の位置x1における膜厚d(x1)と、位置x1よりも外側にある位置x2における膜厚d(x2)とが、d(x1)≦d(x2)の関係にあることを意味している。ただし、平坦な基板上に形成した場合においても生じてしまう膜厚ムラは、誤差の範囲内とし、その誤差の範囲とは、膜厚に対して10%以内である。なお、ここでいう膜厚は設定された膜厚、または平均膜厚のことである。
また、本発明の一態様における表示パネルにおいては、基板と、当該基板の上に設けられた絶縁層と、当該絶縁層の表面に沿って一方向に列設された複数の第1電極と、列設された複数の第1電極の両側に沿って設けられた一対のライン隔壁と、1対のライン隔壁間において複数の第1電極上に設けられた機能層と、機能層を介して複数の第1電極に対向して設けられた第2電極と、を含み、機能層における前記各第1電極と第2電極で挟まれた各領域は、一方向における中央部と当該中央部の両外側にある周辺部とを有し、機能層の中央部は、第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加するときに発光する膜厚で平坦に形成され、機能層において、第1電極と前記第2電極との間に電圧印加する際の発光強度が中央部における発光強度の1/2となる膜厚をDとするとき、周辺部では、機能層の膜厚が、中央部側から外方に向かってDになるまで増加し、膜厚がDになる箇所よりも外側では、第1電極と前記機能層とが重なる領域の縁端に到るまで記機能層の膜厚は常にD以上であるように設定した。
この態様の発光パネルにおいても、上記発光素子と同様に、電極の縁端部を絶縁層などで覆わなくても、周辺部の縁端部側には縁端に到るまで非発光領域が形成され、機能層における第1電極と第2電極で挟まれた領域の縁端部におけるエッジ発光が抑制され、製造工程の負担が増えることもない。
この発光パネルにおいて、絶縁層には、周辺部が存在する領域に、基板に対して傾斜する傾斜面を形成し、第1電極が、傾斜面上に沿って設けられた電極傾斜部分を有するようにしてもよい。
さらに、この発光パネルにおいて、絶縁層に、各第1電極とTFTとを接続するための窪みであるコンタクトホールを形成した場合、コンタクトホールの側壁面をテーパ状に傾斜させて、各第1電極は、両縁端の各々が対応するコンタクトホールの側壁面の上に存在するようにしてもよい。
これによって、機能層をウェット方式で形成するときに、周辺部における機能層の膜厚を上記のように設定することが容易にできる。
ここで、コンタクトホールには、ライン隔壁を形成する材料と同じ材料を埋め込んでもよい。
それによって、機能層をウェット方式で形成するときに、コンタクトホール内に塗布するインク量が少なくても、コンタクトホールにインクが充満するので、レベリングが良好になる。また、コンタクトホール内への上記ライン隔壁材料の埋め込みは、ライン隔壁を形成する工程において同時に行うことができるので、工程が増えることもない。
<実施の形態>
[表示パネル100の全体構成]
表示パネル100は、有機材料の電界発光現象を利用した有機ELパネルである。
図1(a)は、表示パネル100の構成を模式的に示す部分断面図、図1(b)は表示パネル100の部分平面図である。図2は、表示パネル100の概略構成を示す斜視図である。
表示パネル100は、基板4上に複数の有機EL素子20が形成されたトップエミッション型である。図1(a)は、配列された有機EL素子20…を縦方向(Y方向)に切断した断面を示している。
図1(b)に示すように、この表示パネル100において、青色のサブピクセルを形成する有機EL素子20a,緑色のサブピクセルを形成する有機EL素子20b,赤色のサブピクセルを形成する有機EL素子20cが、横・縦方向(X−Y方向)にマトリック状に配列されている。
同じ色の有機EL素子20は縦方向(Y方向)にライン状に配列されている。そして、横方向(X方向)に隣接する3つの有機EL素子20a,20b,20cで一画素が形成される。
各有機EL素子20には、1つの陽極板5が配置されている。各陽極板5は縦方向に長い矩形状であって、層間絶縁膜3上において各サブピクセルに相当する領域に形成されている。従って、表示パネル100において、色ごとに複数の陽極板5が、縦方向(Y方向)に間隔をあけて列設されている。
図1(b)において、斜線で塗り潰した領域は陽極板5を示している。
そして、縦方向に列設された複数の陽極板5の両側に沿って、ライン状の隔壁6が形成されている。
表示パネル100における各層の積層構造について、図1(a)に示す。
TFT基板1は、ベース基板の主面上に、各有機EL素子20a〜20cをアクティブマトリクス方式で駆動するためのTFT及び配線(図示せず)などからなる。そのTFTは、陽極5に電流を供給する電極(ソース―ドレイン電極)2を含んでいる。
TFT基板1におけるTFTの層の上に、層間絶縁膜3が形成されている。なお、図1(a)において、TFTや配線は図示せず、TFTのSD電極2だけ図示している。
TFT基板1のベースとなる基板は、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーン系樹脂、又はアルミナ等の絶縁性材料で形成されている。
層間絶縁膜3は、絶縁性に優れる有機材料、例えばポリイミド、ポリアミド、アクリル、シロキサン系樹脂材料からなり、TFT基板1の上記TFT層を全体的に被覆している。
基板4は、TFT基板1に層間絶縁膜3が形成されたものであって、この基板4の上に、陽極板5及び隔壁6が形成され、陽極板5上に、機能層7(ホール輸送層7a、発光層7b)、陰極層8、封止層9が順に積層されて、有機EL素子20a、20b、20cが形成されている。
なお、図1(b),図2においては、機能層7、陰極層8、封止層9を省略している。
[陽極板5,隔壁6、機能層7の構成]
陽極板5は、光反射性を有していることが好ましく、Ag(銀)の他、例えば、Al(アルミニウム)またはAl合金、APC(銀−パラジウム−銅の合金)、ARA(銀−ルビジウム−金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)等の金属材料をベースとする。そして、その金属層の上面には、無機系材料であるモリブデン、タングステン、ニッケル、クロム又はこれら金属の合金の酸化物、もしくは有機系材料であるPEDOTなどの材料で、ホール注入層が形成されている。
隔壁6は、絶縁性の有機材料(例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等)からなり、少なくとも表面が撥液性を持つように形成されている。なお、隔壁6に撥液性を持たせる手法として、上記有機材料のうち撥液性を有する材料を用いる方法と、撥液性を有しない材料を用いて隔壁6を形成した後、フッ素プラズマ等の表面処理を施す方法とがある。各隔壁6は、隣接する有機EL素子20a,20b,20c同士の間を通過するように縦方向(Y方向)に長いライン状であって、複数の隔壁6の横方向(X方向)のピッチは等ピッチである。
各隔壁6の横方向(X方向)の隔壁幅は均一である。各隔壁6は、縦方向に列設された複数の陽極板5の両側の縁端部、すなわち陽極板5の縦方向(Y方向)に伸長する縁端部を覆うように形成されている。
隣接する隔壁6同士で挟まれた領域に、陽極板5の上を覆うように機能層7が形成されている。この機能層7は、上記の陽極板5の直上に配設されたホール注入層(不図示)と、ホール輸送層7aと、ホール輸送層7aの上に配設された発光層7bからなる。
ホール輸送層7aの材料の具体例としては、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)などのトリアリールアミン系化合物を挙げることができる。
なお、陽極板5、ホール輸送層7aは、3色の有機EL素子20a,20b,20cで共通の材料が用いられている構成を好適としている。しかしながら、これに限定されることはなく、陽極板5、ホール輸送層7aは、3色の有機EL素子20a,20b,20cで共通の材料でなくてもよい。発光層7bは、3色の有機EL素子20a,20b,20cで、青色,緑色,赤色を発光する発光材料で形成されている。
発光層7bの材料としては、例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、アンスラセン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質等を挙げることができる。
陰極層8は、光透過性の材料、例えばITO、IZO(酸化インジウム亜鉛)等で形成され、3色の有機EL素子20a,20b,20cの発光層7bを覆うように形成されている。
陰極層8の上には、封止層9が設けられている。この封止層9は、例えばSiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)等の光透過性の材料で形成される。
このような構成の表示パネル100では、各有機EL素子20a,20b,20cにおいて、機能層7が、陽極板5と陰極層8との間に介在している。
[層間絶縁膜3,陽極板5,機能層7の形状]
上記表示パネル100における層間絶縁膜3,陽極板5,機能層7の特徴について詳細に説明する。
層間絶縁膜3は、パネル全体にわたって表面が平坦な膜であるが、陽極板5同士が縦方向(Y方向)に隣接する箇所、すなわち隣接する有機EL素子20同士の間には、コンタクトホール15が形成されている。
各コンタクトホール15は、各有機EL素子20に対応してTFT基板1に設けられたTFTと陽極板5とを電気接続するためのものである。
図3は、表示パネル100におけるコンタクトホール15の近傍を拡大した部分斜視図である。当図において、機能層7,陰極層8などは省略している。
図3に示すように、コンタクトホール15は、図1(b)に示すようにその開口部が矩形状であって、図1(a),図3に示すように、その内壁面が順テーパ状に傾斜した傾斜面15a,15cであって、底面15bよりも開口側で孔径の大きい角錐台形状となっている。コンタクトホール15の底面15bは、TFTのSD電極2に面している。
傾斜面15a,15cのTFT基板1に対する傾斜角度α1,α2は、90°未満の順テーパであればよく、傾斜角度α1,α2は20°〜45°程度であることが好適である。
陽極板5は、縦方向(Y方向)の中央部分にある中央部51と、当該中央部51から縦方向(Y方向)の一方に伸長する部分(傾斜部52及び端部53)と他方に伸長する部分(傾斜部54)とを有している。
一方の傾斜部52は、コンタクトホール15の傾斜面15aに沿って形成され、それに続く端部53は、コンタクトホール15の底面15bで、対応するTFTのSD電極2と接続され、それによって陽極板5とSD電極2との電気接続がなされている。
そして、端部53の縁端は、コンタクトホール15の中に存在している。
他方の傾斜部54は、隣のコンタクトホール15の傾斜面15cに沿って形成されているが、SD電極2には接続されていない。
そして、傾斜部54の縁端も、コンタクトホール15の中に存在している。
コンタクトホール15は、上記のように平面視で矩形状に形成されているので、傾斜面15a,15c及び底面15bの形状も矩形状であり、それによって、陽極板5における傾斜部52,端部53及び傾斜部54の幅を確保することができる。
なお、コンタクトホール15の形状は、平面視で矩形以外、例えば、楕円形、円形などの形状であってもよいが、その場合、コンタクトホール15の底面側で傾斜面15a,15cの幅は狭くなる。
機能層7は、上記のような形状の陽極板5の上に湿式法で形成され、機能層7の厚みは縦方向(Y方向)において以下のように設定されている。
図4は、表示パネル100における有機EL素子20のY−Z断面構造を模式的に示す図、及び機能層7の膜厚、発光量を示す図である。
図4を参照しながら、機能層7の形状及び機能について説明する。
上記のように機能層7は、陽極板5と陰極層8との間に配置している。
1つの有機EL素子20には、機能層7が1つの陽極板5と陰極層8とで挟まれた1つの領域70が存在している。この領域70は、陽極板5と陰極層8との間に電圧印加がされると、電圧が加わる領域である。
この1つの領域70の中には、機能層7が陽極板5の中央部51(TFT基板1と平行な平坦部分)と接触している中央部71と、上記中央部71を縦方向に挟んで一方に周辺部72、他方に周辺部73が存在する。
一方の周辺部72は、陽極板5の傾斜部52及び端部53に接触している部分であり、他方の周辺部73は、陽極板5の傾斜部54に接触している部分である。
機能層7の中央部71における膜厚は平坦である。すなわち中央部71の中で領域ごとに膜厚に多少の変動があっても、中央部71の全体で膜厚d1は略一定に保たれている。
また、中央部71における平均膜厚d1は、駆動時に陽極板5と陰極層8との間に電圧が印加されるときに発光するだけの電流が流れるように、比較的小さい膜厚である。
一方、周辺部72において、傾斜部52に接する機能層7の膜厚は、中央部71側から外側(矢印Yと反対方向)にかけて漸次増加して中央部71における膜厚d1のおよそ2倍以上となっている。
図4中における点P1は、機能層7の膜厚d2が、中央部71における機能層7の平均膜厚d1の2倍となっている点である。この点P1は、発光強度が中央部71における発光強度のとなる点、即ち膜厚がおよそ中央部71の平均膜厚d1の2倍になる点に相当する。
駆動時において陽極板5と陰極層8との間に電圧が印加されると、陽極板5と陰極層8とで挟まれた領域70の中で、膜厚が大きい箇所で電流密度が小さくなり、発光強度も小さくなる。これは、機能層7における発光強度(面積当たりの発光量)が、電流密度にほぼ比例し、この電流密度は機能層7の膜厚に逆相関するからである。
また周辺部72において、陽極板5の端部53に接する部分の膜厚は、常に、中央部71における膜厚d1のおよそ2倍以上であって、陽極板5の縁端部55における機能層7の膜厚d3も膜厚d1のおよそ2倍以上である。
従って、表示パネル100の駆動時において、陽極板5と陰極層8との間に電圧が印加されると、周辺部72において、傾斜部52と接する領域では、中央部71側よりも外側(矢印Yと反対方向)で発光強度が小さくなり、点P1より外側の領域はすべて発光強度が中央部71における発光強度の1/2以下の非発光領域となる。
一方、周辺部73においても、陽極板5の傾斜部54に接する機能層7の膜厚d4は、中央部71側から外側(矢印Y方向)にかけて漸次増加している。
そして、陽極板5の縁端部56上での機能層7の膜厚は、中央部71における機能層7の膜厚d1の2倍以上となっている。
図4中、点P2は、機能層7の膜厚d4が、中央部71における機能層7の膜厚d1の2倍となっている点、すなわち、発光強度が中央部71における発光強度の1/2となる点(発光領域と非発光領域との境界)、即ち膜厚がおよそ平均膜厚d1の2倍になる点に相当する。
この周辺部73においても、傾斜部54と接する領域で、中央部71側から外方(矢印Y方向)に向かって発光強度が小さくなり、点P2より外側では常に、発光強度が中央部71における発光強度の1/2以下の非発光領域となる。
なお、上記内容から明らかであるが、周辺部72において、中央部71における機能層7の平均膜厚d1と、発光領域から非発光領域となる境界(点P1)における機能層7の膜厚d2と、縁端部55における機能層7の膜厚d3とは、d1<d2<d3の関係となる。また、中央部71における機能層7の平均膜厚d1と、発光領域から非発光領域となる境界(点P2)における機能層7の膜厚d4と、外側の縁端部56における機能層7の膜厚d5とは、d1<d4<d5の関係となる。
[表示パネル100による効果]
まず従来例にかかる有機EL素子において、エッジ発光が生ずる機構について、図9を参照しながら説明する。当図は、表示パネルを画素電極が列設された方向(縦方向)に切断した断面を示している。
図9に示す例では、層間絶縁膜103上に画素電極である陽極板105が形成され、陽極板105を覆うように、機能層107(ホール輸送層107a、発光層107bなど)、陰極層108が順に積層されている。この場合、陽極板105のエッジ部分105aの上(図中Aで示す部分)では、機能層107の厚みが局所的に薄くなることがある。その結果、陽極板105と陰極層108との間に電圧が印加されたときに機能層107の膜厚が薄くなった領域に電流が集中して流れることにより、エッジ発光が生じることがある。
このようなエッジ発光は、陽極板105同士が隣接する箇所を、絶縁材料からなる画素規制層で覆うことによって電流の集中を抑えることができる。しかし、このような画素規制層110を形成するには、画素規制層110の材料を成膜する成膜工程と、形成した膜をパターニングするパターニング工程が必要となり、製造工程が増えることになる。
これに対して、実施の形態にかかる表示パネル100においては、上記のように縦方向に列設された複数の陽極板5の両側に沿って、ライン状の隔壁6が形成されて、各有機EL素子20において、陽極板5の縁端部の中、隔壁6に沿って縦方向に伸長する縁端部、すなわち図1(b)においてY方向に伸長する縁端部は隔壁6で覆われるので、当該縁端部におけるエッジ発光は隔壁6によって抑制される。
そして、各陽極板5の縁端部の中、隔壁6に沿って横方向に伸長する縁端部、すなわち図1(b)においてX方向に伸長する縁端部は、隔壁6で覆うことはできないが、機能層7の膜厚が上記のように設定されているので、この縁端部におけるエッジ発光は抑えられる。
すなわち、機能層7は、陽極板5と陰極層8とで挟まれた領域70において、縦方向(X方向)に対する中央部71が発光領域であり、周辺部72,73は、中央部側から外方にかけて膜厚が漸次増加し、発光領域から非発光領域に移行している。そして、その外側の領域は、縁端部も含めてすべて、発光領域と非発光領域との境界よりも膜厚が大きく、非発光領域となっている。
従って、陽極板5の縁端部55,56が存在する箇所を画素規制層などで覆わなくても、機能層7の周辺部72,73にエッジ発光が発生しない。
以上より、表示パネル100においては、各有機EL素子20において陽極板5の縁端部全周にわたってエッジ発光が抑えられ、画素規制層を形成する工程を設ける必要もない。
さらに、表示パネル100においては、機能層7の周辺部72,73が、コンタクトホール15の傾斜面15a,15c及び底面の上に形成され、発光領域が隣接するコンタクトホール15同士にまたがるように形成されるので、発光領域の面積割合を大きく確保することができる。
また、表示パネル100においては、各有機EL素子20において、機能層7の周辺部72,73において、中央部71側から外方に向かって、機能層7の膜厚は単調増加しているので、中央部71側から外方に向かって発光強度が漸次低下し、発光領域から非発光領域に滑らかに移行する。
[表示パネル100を用いた表示装置の構成例]
図7は、上記表示パネル100を用いた表示装置200の構成を示す図である。
表示装置200は、表示パネル100と、これに接続された駆動制御部120とから構成されている。駆動制御部120は、4つの駆動回路121〜124と制御回路125とから構成されている。
図8は、表示装置200を用いたテレビシステムの一例を示す外観形状である。
表示パネル100が駆動される時には、各有機EL素子20a,20b,20cにおいて、陽極板5と陰極層8との間に電圧が印加され、機能層7において、陽極板5側から供給されるホールと陰極層8側から供給される電子とが結合して発光し、それによって表示パネル100全体で画像表示がなされる。
[表示パネル100の製造方法]
表示パネル100の製造方法について、以下に、図5を参照しながらその一例を説明する。
まず、図5(a)に示すTFT基板1を作製し、以下のように層間絶縁膜3をパターン形成する。
層間絶縁膜3形成工程:
TFT基板1のTFT層を覆うように、TFT基板1上に厚み約4μmで層間絶縁膜3を形成する(図5(b))。このとき、層間絶縁膜3には、SD電極2上にコンタクトホール15を形成する。このようなコンタクトホール15を有する層間絶縁膜3は、公知の感光性有機材料(例えばシロキサン共重合型感光性ポリイミド)をスピンコートし、パターンマスクを用いたフォトリソグラフィー法でパターニングすることによって形成できる。
ここで、コンタクトホール15の開口形状は、パターンマスクに形成された開口形状に基づく形状に形成されるので、パターンマスクの開口形状を調整することによって、コンタクトホール15の開口形状も調整することができる。
またコンタクトホール15の傾斜面15a,15cの傾斜角度α1,α2は、例えば、使用する感光性有機材料の選択、露光量の調整、使用するパターンマスクの選択、ベーク温度の設定などによって調整することができる。
この他に、一様な層間絶縁膜を形成した後、コンタクトホールを形成しようとする箇所をエッチングで除去する方法によっても、コンタクトホール15を形成することもできる。
すなわち、一様な層間絶縁膜上にフォトレジストを塗布し、フォトマスクを用いて露光してから現像することによって、所望のレジストパターンを作成する。その後、層間絶縁膜をウェットエッチング、または、ドライエッチングでパターニングした後、剥離液を用いてレジストを取り除くことによって、コンタクトホール15を形成できる。
コンタクトホール15のサイズは、一例を挙げると、コンタクトホール15における傾斜面15a及び傾斜面15cはそれぞれ、高さが約4μm、縦方向(Y方向)の長さが約4μmである。また、コンタクトホール15の底面15bは、縦方向(Y方向)の長さが約8μmである。
このようにTFT基板1に層間絶縁膜3を形成した後、以下に説明するように、有機EL素子を構成する各層を形成する。
陽極板5、ホール注入層形成工程:
層間絶縁膜3の上に、陽極板5の金属材料を、スパッタ法で例えば50nm〜400nmの所定の厚みに薄膜成形して、ウェットエッチングでパターニングすることにより金属電極からなる陽極板5を形成する。
この金属電極の上に、モリブデンやタングステンの酸化物を代表的な製法(例えばスパッタリング法)で成膜し、フォトリソグラフィーとウェットエッチングでパターニングしてホール注入層を形成する。
このとき金属電極層はコンタクトホール15の中にも形成されるので、陽極板5の傾斜部52、端部53、傾斜部54がコンタクトホール15の中に形成され、端部53はSD電極2に接触して電気接続される(図5(c))。
隔壁6形成工程:
隔壁材料として、例えば、感光性のレジスト材料、もしくはフッ素系やアクリル系材料を含有するレジスト材料を、層間絶縁膜3上に塗布し、フォトリソグラフィー法でパターニングすることによって隔壁6を形成する。隔壁6の高さは約1μmとする。
なお、この隔壁形成工程では、次に塗布するインクに対する隔壁6の接触角を調節する、または表面に撥液性を付与するために、プラズマ処理を施してもよい。
機能層7形成工程:
ホール注入層の上に、次のようにホール輸送層7aを形成し、次に発光層7bを形成することによって機能層7を形成する。
ホール輸送層7aを、ウェット方式で形成する(図5(d))。
すなわち、ホール輸送層7aの材料である有機材料と溶媒を所定比率で混合してインクを作製し、そのインクを、インクジェット方式で隣り合う隔壁6同士の間に塗布する。
塗布されたインクは、縦方向(Y方向)に配列された複数の陽極板5の上を全体的に被覆し、コンタクトホール15の中にも入り込み、コンタクトホール15の中では、傾斜部52、54に接する領域では、中央部側から外方にかけてインク層の厚みが漸増する。
このように形成されたインク層を乾燥させることによってホール輸送層7aが形成される(図5(e))。その膜厚は、中央部(層間絶縁膜3の平坦面上)では均一的に薄くなるが、周辺部の傾斜部52に接する領域では、中央部側から外方にかけて増大する。周辺部の傾斜部54に接する領域でも、中央部側から外方にかけて膜厚が滑らかに増大する。
また、乾燥後のホール輸送層7aの厚みは、図5(d)のインク塗布工程において各領域に塗布されるインク層の厚みにほぼ比例するので、コンタクトホール15内におけるインク層の厚みを、層間絶縁膜3上のインク層の厚みに対して2倍以上の適度な厚みとなるように設定すれば、乾燥後におけるホール輸送層7aの厚みも、コンタクトホール15内で層間絶縁膜3上に対してほぼ2倍以上の適度な厚みとなる。
例えば、0.5〜1%の濃度のインクを使って、インクの膜厚を5〜6μmで塗布した箇所では、乾燥後には50nm〜100nm程度の膜厚が得られる。
次に、ホール輸送層7aの上に、ウェット方式で発光層7bを形成する。この工程は、上記有機層形成工程と同様であって、発光層形成用の材料を溶解させたインクを、隣り合う隔壁6同士の間に塗布し、乾燥することによって形成する。ただし、用いる発光層材料は発光色ごとに異なっている。
このように形成されたインク層を乾燥させることによって発光層7bが形成される。この発光層7bの膜厚も、各有機EL素子20における中央部では均一的になるが、周辺部の傾斜部52に接する領域では中央部側から外方にかけて膜厚が漸次増大する。周辺部の傾斜部54に接する領域でも、中央部側から外方にかけて膜厚が漸次増大する。
機能層7は、上記のホール輸送層7aと発光層7bとが積層されたものなので、その膜厚は、各有機EL素子20における中央部71では均一的になるが、周辺部72の傾斜部52に接する領域では中央部71側から外方にかけて膜厚が漸次大きくなり、中央部71における膜厚の2倍以上の適度な厚みとなる。また、周辺部73の傾斜部54に接する領域でも、中央部71側から外方にかけて膜厚が漸次大きくなり、中央部71における膜厚の2倍以上の適度な厚みとなる。
以上ようにして機能層7をウェット方式で形成すれば、各有機EL素子20において、周辺部における機能層7の膜厚の設定を容易に行うことができる。
また、層間絶縁膜3形成工程でコンタクトホール15の傾斜面15a,15cを形成するときにテーパ角α1,α2を調整することによって、傾斜面15a,15c上における機能層7の膜厚の変化率も調整することができる。
なお、ホール輸送層7a及び発光層7bを形成するインクを隔壁6同士の間に充填する方法として、インクジェット方式の他に、ディスペンサー法、ノズルコート法、スピンコート法、凹版印刷、凸版印刷等を用いてもよい。
陰極層8、封止層9形成工程:
次に、発光層7bの表面上に、ITO、IZO等の材料を、真空蒸着法で成膜する。これにより陰極層8を形成する。さらに、陰極層8の表面上に、SiN(窒化シリコン)、SiON(酸窒化シリコン)等の材料をCVD法、またはスパッタ法で成膜することにより、封止層9を形成する。
以上の工程により表示パネル100が作製される。
[変形例など]
(1)図6は、上記表示パネル100の一変形例を示す断面図である。
この表示パネルは、表示パネル100と同様であるが、図6に示すように、コンタクトホール15の底面15bに、陽極板5の端部53を覆うように、隔壁6aを形成している。この隔壁6aは、隔壁6を形成する工程において、隔壁6と同じ材料をコンタクトホール15にも塗布して形成したものである。
この変形例にかかる表示パネルにおいては、各有機EL素子20における陽極板5の端部53上には機能層7が形成されていないが、陽極板5の傾斜部52及び傾斜部54の上には機能層7が形成され、その部分の機能層7の膜厚は、中央部側から隔壁6aに接触する縁端部にかけて増大し、機能層7の縁端部近傍は非発光領域となっている。
従って、各有機EL素子20において、機能層7における陽極板5及び陰極層8で挟まれた領域の端部にエッジ発光が発生しない。
また、コンタクトホール15内に隔壁6aを設けることによって、以下の効果も奏する。
コンタクトホール15の深さが深い場合(例えば4μm程度)、そのコンタクトホール15を覆って機能層を形成するインクを塗布すると、コンタクトホール15の上で塗布したインク層の表面が凹んで、インクのレベリング性が悪くなる可能性がある。特に、粘度の高いインクを用いて機能層7を形成する場合、レベリング性が悪くなりやすい。
これに対して、コンタクトホール15の底面上に隔壁6aを形成しておけば、コンタクトホール15内に塗布するインク量が少なくても、コンタクトホール15にインクが充満するので、レベリングが良好になる。
なお、隔壁6aの形成は、隔壁6を形成する工程において同時に行うことができるので、工程が増えることもない。
(2)上記表示パネル100では、1画素が3色のサブピクセル(3つの有機EL素子)で構成されていたが、1画素が1つの有機EL素子で構成される場合でも、同様に実施可能である。
(3)上記表示パネル100では、陽極板5の上に、機能層7としてホール輸送層7a及び発光層7bを形成する場合を示したが、機能層7を発光層だけで形成する場合、機能層7を発光層と電子輸送層で形成する場合、機能層7を、ホール輸送層と発光層と電子輸送層で形成する場合、あるいは、さらにホール注入層、ホール注入兼輸送層などが形成される場合も、各有機EL素子20における機能層7の膜厚の形状を同様に設定することによって、同様の効果を奏する。
(4)上記表示パネル100では、機能層7をウェット方式で形成したが、必ずしもウェット方式でなくてもよく、ウェット方式以外の方式でも、領域ごとに機能層7の膜厚を変えて形成すればよい。
(5)上記表示パネル100では、各有機EL素子20における陽極板5の傾斜部52及び傾斜部54を、コンタクトホール15内の傾斜面上に形成したが、傾斜部52及び傾斜部54は、コンタクトホールでなくても、層間絶縁膜3の表面に傾斜面を形成して、その上に陽極板5の傾斜部52及び傾斜部54を形成しても、同様に実施できる。
(6)上記表示パネル100では、層間絶縁膜3の直上にある第1電極が陽極板、機能層を挟んで対向する第2電極が陰極層であったが、第1電極が陰極、第2電極が陽極であるインバーテッド構造のEL素子においても、同様に実施することができる。
(7)上記実施の形態では、基板上に、ライン状の隔壁に沿って複数の有機EL素子が配列された有機ELパネルについて示したが、隔壁を設けない場合にも適用可能であって、機能層における第1電極と第2電極に挟まれた領域の中央部を囲む周辺部全体において、同様に第1電極に傾斜部を形成し、機能層の膜厚を中央部側から外方にかけて増大するよう設定することによって、周辺部全体において縁端部に非発光領域を形成してエッジ発光を抑えることができる。
また、基板上に複数のEL素子が配列されている場合に限らず、1つのEL素子が単独で形成されている表示素子においても同様に実施可能であり、同様の効果を奏する。
本発明にかかる発光パネルは、携帯電話用やテレビなどのディスプレイとして適している。
1 TFT基板
2 SD電極
3 層間絶縁膜
4 基板
5 陽極板
6 隔壁
7 機能層
7a ホール輸送層
7b 発光層
8 陰極層
9 封止層
15 コンタクトホール
15a,15c 傾斜面
15b 底面
20 有機EL素子
51 中央部
52 傾斜部
53 端部
54 傾斜部
55,56 縁端部
70 陽極板5と陰極層8とで挟まれた領域
71 中央部
72,73 周辺部
100 表示パネル

Claims (6)

  1. 基板と、当該基板の上に設けられた絶縁層と、当該絶縁層の上に設けられた第1電極と、当該第1電極上に設けられた機能層と、前記機能層を介して前記第1電極に対向して設けられた第2電極と、を含み、
    前記機能層における前記第1電極と前記第2電極で挟まれた領域は、
    中央部と当該中央部の外側にある周辺部とを有し、
    前記機能層の中央部は、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加するときに発光する膜厚で平坦に形成され、
    前記機能層において、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧印加する際の発光強度が前記中央部における発光強度の1/2となる膜厚をDとするとき、
    前記周辺部では、
    前記機能層の膜厚が、前記中央部側から外方に向かってDになるまで増加し、
    前記機能層の膜厚がDになる箇所よりも外側では、前記第1電極と前記機能層とが重なる領域の縁端に到るまで前記機能層の膜厚が常にD以上であり、
    前記絶縁層には、前記周辺部が存在する領域に、前記基板に対して傾斜する傾斜面が形成され、
    前記第1電極は、前記傾斜面上に沿って設けられた電極傾斜部分を有する、
    発光素子。
  2. 前記周辺部では、
    前記中央部側から外方に向かって、前記機能層の膜厚が単調増加している、
    請求項1記載の発光素子。
  3. 前記中央部における前記機能層の膜厚は、
    前記Dよりも常に小さい、
    請求項1又は2に記載の発光素子。
  4. 基板と、当該基板の上に設けられた絶縁層と、当該絶縁層の表面に沿って一方向に列設された複数の第1電極と、前記列設された複数の第1電極の両側に沿って設けられた一対のライン隔壁と、
    前記1対のライン隔壁間において前記複数の第1電極上に設けられた機能層と、前記機能層を介して前記複数の第1電極に対向して設けられた第2電極と、を含み、
    前記機能層における前記各第1電極と第2電極で挟まれた各領域は、
    前記一方向における中央部と当該中央部の両外側にある周辺部とを有し、
    前記機能層の中央部は、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加するときに発光する膜厚で平坦に形成され、
    前記機能層において、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧印加する際の発光強度が前記中央部における発光強度の1/2となる膜厚をDとするとき、
    前記周辺部では、
    前記機能層の膜厚が、前記中央部側から外方に向かってDになるまで増加し、
    膜厚がDになる箇所よりも外側では、前記第1電極と前記機能層とが重なる領域の縁端に到るまで前記機能層の膜厚は常にD以上であり、
    前記絶縁層には、前記周辺部が存在する領域に、前記基板に対して傾斜する傾斜面が形成され、
    前記第1電極は、前記傾斜面上に沿って設けられた電極傾斜部分を有する、
    発光パネル。
  5. 前記絶縁層には、各第1電極とTFTとを接続するための窪みであるコンタクトホールが形成され、
    前記コンタクトホールはその側壁面がテーパ状に傾斜し、
    前記各第1電極は、両縁端の各々が対応するコンタクトホールの前記側壁面の上に存在している、
    請求項4記載の発光パネル。
  6. 前記コンタクトホールには、
    前記ライン隔壁を形成する材料と同じ材料が埋め込まれている、
    請求項5記載の発光パネル。
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