JP6017180B2 - 車載用環境認識装置 - Google Patents
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Description
図1は、車載環境認識装置の構成図である。
車載環境認識装置10は、例えば車両に搭載された専用のハードウエアとソフトウエアにより実現され、内部機能として、図1に示すように、撮像部100と、レーンマーク認識部200と、路外状態判定部300と、アプリ制御部400と、アプリ実行部500を有している。
レーンマーク認識部200は、撮像部100で撮像された画像を用いて、路面を区画するレーンマークを認識する。レーンマーク認識部200は、例えば、図7に示すように自車両1が走行している自車走行車線21の左右両側にある左レーンマーク22および右レーンマーク23を認識し、更に、その外側の左隣接車線31の隣接左レーンマーク32および右隣接車線41の隣接右レーンマーク42をも認識する。認識結果は、路外状態判定部300により路外状態の判定に利用される。図7(a)は、自車両1から前方を撮像した画像を模式的に示す図、図7(b)は、自車両1の走行状態を示す平面図である。
路外状態判定部300は、レーンマークの認識結果を基にして、路外状態を判定するための路外判定領域を設定する(路外判定領域設定部310)。路外判定領域は、レーンマークに基づいて、自車走行車線の左右の少なくとも一方に設定される。
ただし、自車走行レーン21の左レーン31が、そもそも路外であれば、レーンマーク22は存在するが、更にその左にレーンマーク32は存在しない。このため路外を判定する領域を設定するために、もしそもそもレーンマーク32が存在しなければ、自車走行レーン21の左側が路外である可能性は高いが、これを路外であるか確認するための処理領域は、デフォルト車線幅を利用して設定する。自車走行レーンの左側レーンマーク22をベースとして、この左側に基本車線幅4.0mとマージン幅1mの計5mの幅の処理領域を設定し、この処理領域内が路外かどうかを判定する。国によっては基本車線幅を変更しても良い。マージン幅は、路外であることを示す構造物や、路肩などが入りやすいように設定する。
また、自車走行レーン21自体が、うまく検知できないレーンマーク22,23のような場合には、自車走行レーンの中心を自車両が走行していることを仮定し、基本車線幅の自車走行レーン21の領域と、その左右の走行レーン31,41に関しては基本車線幅とマージン幅の幅を持たせた領域で、路外判定を実施する。
ステップS4の路外種別判定処理では、路外判定用に設定された処理領域内で、画像処理を実施し、種別判定を実施する。路外種別の判定内容には、走行路を示すものとして、(A1)走行車線、(A2)最左車線、(A3)最右車線、(A4)対向車線のいずれかに判定する。日本等の左側通行の地域では、最左車線は、その左側の領域が路外であり、高速道路であれば最も平均車速が遅い車線となり、最右車線は、追越車線となる。そして、最右車線よりも右側の領域は、対向車線もしくは、中央分離帯、ガードレールとなる。ただし、例えば米国などの右側通行の地域では、最左車線と最右車線の扱いは逆となる。
(A1−1)<優先度へ反映の考え方>自車両1の左右に隣接車線がある場合には、隣接車線を他の車両が走行すると考え、車両検知を実施し、夜間であれば配光制御の優先度も高める。そして、自車走行車線の側方に歩行者がいる可能性は低いと考え、歩行者検知の優先度を低下させる。また、自車両1が自車走行車線から隣接車線へ車線変更しようとする際に、自車両1の走行を妨げる、もしくは自車両1が他車両の走行を妨げると予想されるような場合には、自車両1が車線逸脱制御を実施しても良い。より安全性を確保するためのアプリの選定に利用する。
(A2−1)<優先度へ反映の考え方>自車両1が最も左側の車線(最左車線)を走行していると判断した場合には、自車両1の左隣の路外判定領域RoLは路外であるため、複数のアプリケーションの中から歩行者の飛び出しや標識検知のアプリケーションの優先度を高める。また、路外判定領域RoLが路外であれば、他の車両が存在しないことが明らかであるため、路外判定領域RoLにおいては車両検知のアプリケーションの優先度を低下させる。自車両1の左側の隣接車線が最左車線である場合には、自車両1は通常の走行車線を走行していることに変わりないので、基本的には、走行車線と同様のアプリケーションの優先度で問題ない。
(A3−1)<優先度へ反映の考え方>自車両1が最も右側の車線(最右車線)を走行していると判断した場合には、自車両1の右側は、対向車線であるか、もしくは、ガードレールや分離帯などが存在する路外である可能性が高い。路外判定領域RoRが対向車線ではなく、路外である場合には、標識検知のアプリケーションの優先度を高め、車両検知のアプリケーションの優先度を低下させる。
(A4−1)<優先度へ反映の考え方>自車走行車線より右側が対向車線である場合には、右側への車線逸脱は、対向車両との正面衝突など重大な事故につながる恐れが大きい。このため、右側への車線逸脱時には、より安全を確保すべく車線逸脱制御を利用し、反対に自車走行車線の左側に車線が存在するような場合には車線逸脱警報を利用し、ドライバーの意思をできる限り妨げないようにする。また、車両検知等と組み合わせて、車線変更による危険性が伴うような場合には、車線逸脱制御へ変更することで安全性を高めても良い。
(321−1)<優先度へ反映の考え方>歩行者が歩いている可能性が高く、また、歩行者が走行路に飛び出しやすい環境にある。標識が存在する可能性が高い、車両は走行しない、路面標識は存在しない。
まず、段差特徴量抽出部321Aにおいて白線のように路面と比較して白いといった基準はないものの、段差部分では路面と同じ高さから垂直方向に立ち上がる部分のエッジと、立ち上がった部分から路面と同じ平らな向きに変化する2つの2つのエッジ部分を画像上横方向に探索しながら抽出する。もし歩道の段差が画像上に映るような場合には、同じ高さの段差が自車両近傍から遠方にまで続くことが想定されるために、画像上では消失点で交わり、実距離空間においては平行かつ、幅5〜30cm程度の直線を段差直線抽出部321Bにおいて抽出する。そもそも画像上での幅がばらばらな2つのエッジペアが見つかった場合や、直線にならない場合には、凸路肩でないと判定し、画像上での幅がある程度大きさのものが集まり、かつ実空間においてその幅が等しく、直線性が認められる場合に、凸路肩と判定する。
(322−1)<優先度へ反映の考え方>歩行者が見えない。車両は走行しない、路面標識は存在しない。車両が近づくと脱輪などの危険がある。
側溝や畑などの凹みが走行方向に沿って続くかで判定する。路面の高さをステレオカメラで認識しても良い。
(323−1)<優先度へ反映の考え方>歩行者が見えない。手前に標識が存在する可能性が高い、車両は走行しない、路面標識は存在しない。車両が近づくと衝突の危険がある。
立体物特徴量抽出部323Aにおいて、路面に対して鉛直上向きに立つ人工物(立体物)のエッジを見つけるために、立体物特徴量抽出部323Aにて、鉛直上向きに延びるエッジの探索を横方向に実施する。次に立体物下端直線抽出部323Bにおいては、まずは鉛直方向に延びるエッジ群をみつけてその長さを図る。短すぎる直線としてしかとらえられないものはノイズ要因として排除し、途中かすれていても鉛直方向においてある程度以上のエッジが確認できるものに関しては立体物のエッジ群であると判定する。鉛直方向に直線的に並ぶエッジ群のみを対象として、路面上のどの位置から鉛直方向に立ちあがっているかを判定するために、図17に示すように立体物の下端が自車両進行方向に対してどのように立ち並んでいるか、直線抽出を実施する。
下端が求められた場合には、人工構造物が道路に沿って並んでいる可能性があるとして流動性判定部323Cにおいて立体構造物の解析を実施する。過去数フレームにわたって立体物下端直線抽出部323Bの結果と今frmの結果の位置がほぼ等しいかをチェックする。更に,1frmの鉛直方向に直線的並ぶエッジの位置と、現在のフレームから1frm間の自車速移動距離を用いて1frm前の画面上の位置に予測した場合に、鉛直上の直線位置がほぼ一致するかどうかを立体物流動性判定部323Cにおいて解析する。
(324−1)<優先度へ反映の考え方>歩行者が歩いている可能性は高いが、直接飛び出してくる可能性は低い。標識が存在する可能性が高い、車両は走行しない、路面標識は存在しない。車両が近づくと衝突の危険性がある。
立体物特徴量抽出部323Aの結果と、立体物下端直線抽出部323Bの結果を、構造物判定部323においても流用するので、図16には323Aはすなわち324Aでもあるため、番号だけを共通して複数つけている。実際には、処理は一つで、結果のデータを他、構造物判定部324や非人工物判定部325、走行可路外判定部326においても流用するためである。ここでは、構造物判定部323における前処理として、立体物抽出部324A(323A)と立体物下端直線抽出部324B(323B)、立体物流動性判定部324C(323C)の結果を利用する。
これらの結果を利用し、周期性判定部324Dでは、鉛直上の直線位置の間隔が、距離空間的に、時間的に一致しているかどうかを判定し、構造物でありかつ周期性有の場合には周期物と判定し、構造物ではあるが周期性はない場合には、構造物であるとだけ判定する。
(325-1)<優先度へ反映の考え方>非人工構造物がある場合には車速が低い場所では、路肩もなく白線外が歩行者の歩く場所である可能性が残る。車両が走行しない。路面標識は存在する可能性があり、路外側には路面標識は存在しない。
(326−1)<優先度へ反映の考え方>走行車線は存在しないものの、路肩まで十分に車両が走行可能なスペースが準備されている。この場合、自車走行車線から多少はみ出して走行しても、自車両が何かに衝突する可能性は低い。
構造物判定部323、周期物判定部324、走行可路外判定部326、の結果よりいずれも構造物が存在しないと判定された場合にのみ判定を実施する。立体物特徴量抽出部においてエッジ成分が存在するが、立体物下端直線抽出部において鉛直方向への直線性が認められないような場合において、エッジ成分は存在するが立体物ではない可能性が高いとして、路面にあるテクスチャが自車速で遠方に遠ざかっていくかどうかを路面流動性解析部326Cにおいて判定し、走行可路外であるかの判定を実施する。
(327−1)<優先度へ反映の考え方>進行方向の走行路車線が事故や工事、などで車線が統合されて、1つの車線になる。
路外種別判定部320の構成要素、凸路肩判定部321、凹路肩判定部322、周期物判定部323、構造物判定部324、非人工物判定部325、走行可路外判定部326、車線減少判定部327は、それぞれの判定部において画面上での直線抽出を既に実施しており、凸路肩判定部などにおいてはあらかじめ3次元の世界座標においる直線を求めている。横位置解析部330では、路外の種別判定が実施された場合に、過去からの結果をも利用しながら、現フレームでの路外物の鉛直方向への立ち上がり横位置、図11の例で示すと距離dを推定する。場合によっては、レーン認識同様に横位置だけでなく、ヨー角を求めても良い。
図11は、路外横位置解析によるアプリ変更(車線逸脱警報と車線逸脱制御)を説明する図である。図11(a)に示すように、例えばガードレール51が自車両1の左側に存在する場合に、自車走行車線21からどれだけ離れた位置にガードレール51が存在するかを解析する。具体的には、自車走行車線21からガードレール51までの道路幅方向の距離dを検出する。
例えば、図11のアプリケーション切り替えの実施例について説明すると、図11(a)では、自車両1の右隣接車線41は、通常の走行車線である。そして、自車両1の左側は路外(ガードレール)であり、自車走行車線の左レーンマークから道路幅方向左側に20センチメートル離れた横位置にガードレール51が存在する。このように路外の障害物など車線から近距離に存在する場合、自車両1が車線逸脱するとすぐにガードレール51に接触する可能性が高く事故につながりかねない。
図12は、左側路肩時のアプリ変更(車両検知と歩行者検知)を説明する図である。図12(a)に示すように自車走行車線21の左右両側に左レーンマーク22と右レーンマーク23が認識され、更にその外側に隣接左レーンマーク32および隣接右レーンマーク42が認識された場合には、自車走行車線21の左右両側も走行車線(隣接車線)である可能性が高い。このため自車走行レーンの左右のレーンそれぞれにおいて車両検知を実施する。一方、図12(b)に示すように左側が路肩であることを認識した場合には、車両検知は必要なくなる。ただし、走行可路外をどのように扱うかという問題や、車線減少手前の合流を走っている際には、合流してくる接近車両は検知するなどの例外はある。路外であることの信頼性が高ければ、完全に車両検知自体をストップし、その側は歩行者検知などを実施しても良い。特に、凸路肩などは歩道などを人が歩いている可能性が高いため、歩行者検知の優先度を高くし、車両検知は優先度を低くする。反対に、車速が低い状態で、非人工物の路肩であった場合には、歩道用の段差などは存在せず白線の外側がそのまま歩行者用の道路となっている可能性も高く、歩行者検知の優先度はある程度高くする必要がある。反対に、車速が高く周期物や構造物があるような場合には、高速道路などを走行している可能性が高く、歩行者検知の優先度を必ずしも高くする必要はない。北米などでは凹路肩に関してもFreeWayである可能性が高く、歩行者検知は必ずも優先度を高くする必要はない。
隣接レーンの後側方接近車両検知において、隣接車線を路肩かどうか判定することで、誤検知抑制に利用する。車両検知の手法において、特徴点の動きをとらえるオプティカルフローを利用した手法では、路外判定の種別の内、特に、周期物判定及び非人工物判定の場合に誤検知する可能性が高い。このため路外であることが判定された場合において、上記2つの周期物、及び非人工物の判定の場合には、車両検知処理自体は止めないものの誤検知した場合には、ユーザに提示する情報は不検知だった場合の結果と同一とする。つまり接近車両がいた場合に警報を鳴らすようなシステムでは誤警報を抑制する。他、路外判定の場合には、車両検知が誤検知する可能性は低いため、路外判定の結果を受けて車両を検知したと判定するための車両検知の閾値を高くし、確度の高い車両のみを検知対象とし、路外判定自体の誤検知も考慮した対応方法とする。車両検知については、隣接車線に路外の障害物などが存在する場合には、立体物を車両と誤検知する確率が高くなる。このためそもそも路外であることが認識できた場合には、路外側の車両検知処理は、車線変更支援などの目的で利用される警報を抑制する。
100 撮像部
200 レーンマーク認識部
210 レーンマーク認識領域設定部
220 白線特徴量算出部
230 白線抽出部
240 3次元位置解析部
300 路外状態判定部
310 路外判定領域設定部
320 路外種別判定部
330 横位置解析部
400 アプリ制御部
410 優先度決定部
420 処理時間予測部
430 アプリ設定部
500 アプリ実行部
520 車線逸脱警報部
530 車線逸脱制御部
540 車線変更支援部
550 歩行者検知部
560 車両検知部
570 標識検知部
580 配光制御部
590 路面標識検知部
Claims (3)
- 車載カメラで撮像した画像に基づいて自車の車外環境を認識する車載用環境認識装置であって、
前記画像から路面を区画するレーンマークを認識するレーンマーク認識部と、
該レーンマークに基づいて前記自車の走行レーンと該走行レーンの左右にそれぞれ路外判定領域を設定する路外判定領域設定部と、
該路外判定領域の種別が隣接レーンと路外のいずれであるかを判定し、該路外判定領域の種別が前記路外であると判定された場合に前記路外の種別を判定する路外状態判定部と、
複数のアプリケーションの中から前記路外判定領域の種別及び路外の種別に適応する少なくとも一以上のアプリケーションを前記路外判定領域ごとに選択し、該選択されたアプリケーションの優先度を設定するアプリ設定部と、
該アプリ設定部により選択された複数のアプリケーションを前記優先度に基づいて実行するアプリ実行部と、
を有することを特徴とする車載用環境認識装置。 - 前記アプリ設定部は、前記路外状態判定部により前記自車の左右の路外判定領域の種別が隣接レーンであると判定された場合に、複数のアプリケーションの中から、左右のレーンマークに対する車線逸脱警報と、前記自車の走行レーン及び左右の隣接レーンに対する車両検知のアプリケーションを選択し、各アプリケーションの優先度を高い方から、車線逸脱警報、車両検知の順番に設定することを特徴とする請求項1に記載の車載用環境認識装置。
- 前記アプリ設定部は、前記路外状態判定部により前記自車の左側の路外判定領域の種別が路外であると判定された場合であって、前記路外の種別が路肩であると判定された場合に、複数のアプリケーションの中から、左のレーンマークに対する車線逸脱制御と、右のレーンマークに対する車線逸脱警報と、前記自車の走行レーン及び右隣接レーンに対する車両検知と、路肩に対する歩行者検知の各アプリケーションを選択し、各アプリケーションの優先度を高い方から、車線逸脱制御、車線逸脱警報、車両検知、歩行者検知の順番に設定することを特徴とする請求項1に記載の車載用環境認識装置。
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