JP6016595B2 - 充電器 - Google Patents
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Description
多段定電流充電方式は、蓄電池の寿命を延ばし、充電の時間を短縮し、充電の効率を高めるための充電方式である。上記の目的のため、各段の定電流値(Iz、Imax)、充電電圧規制値(Vreg)、最大充電電圧(Vmax)が、蓄電池固有の値として予め設定されている。
尚、最大充電電圧(Vmax)は充電電圧規制値(Vreg)よりも大きな値として設定されている。
尚、定電流充電においては、この充電電圧規制値Vregを目安に定電流値の切換を行っている。
V0=Vmax=n0・D・Vin――(I)
但し、
V0 :充電器の出力電圧
Vmax:最大充電電圧
n0 :最大充電電圧Vmaxを出力できるトランスの巻数比(二次巻線の巻線数/一次巻線の巻線数)
D :メインスイッチのデューティ(メインスイッチのオン時間/メインスイッチのスイッチング周期)
Vin :入力電圧
尚、一次側回路のメインスイッチの各素子の損失や二次側回路のダイオードの損失については無視するものとする。
すなわち、従来の充電器は、設計としては、最大充電電流Imaxで最大充電電圧Vmaxを出力することが可能な構成となっている。つまり、トランスの二次巻線の巻数は最大充電電圧Vmaxの出力が可能な巻数となっており、又、線径は最大充電電流Imaxの出力が可能な線径となっている。その為、トランスひいては充電器が大型化してしまいコストも上昇してしまうという問題があった。
又、二次側の整流ダイオードや転流ダイオードの逆印加電圧が高くなってしまい、その為、順方向降下電圧が大きくて逆方向耐圧が高い整流ダイオードや転流ダイオードを使用しなければならず、効率が悪いという問題もあった。
又、請求項2による充電器は、請求項1記載の充電器において、上記平滑コイルのインダクタンス(L)が次の式を満足するものであることを特徴とするものである。
L≦T・Vreg(Vreg−D・Vmax)/2Vmax・Iz
L>0
Vreg−D・Vmax>0
但し、
L :平滑コイルのインダクタンス
T :メインスイッチのスイッチング周期
Vreg :充電電圧規制値
D :メインスイッチのデューティ(メインスイッチのオン時間/メイン
スイッチのスイッチング周期)
Vmax :最大充電電圧
Iz :最終段充電電流
又、請求項2による充電器は、請求項1記載の充電器において、上記平滑コイルのインダクタンス(L)が次の式を満足するように構成されているので、上記効果を確実なものとすることができる。
L≦T・Vreg(Vreg−D・Vmax)/2Vmax・Iz
L>0
Vreg−D・Vmax>0
但し、
L :平滑コイルのインダクタンス
T :メインスイッチのスイッチング周期
Vreg :充電電圧規制値
D :メインスイッチのデューティ(メインスイッチのオン時間/メイン
スイッチのスイッチング周期)
Vmax :最大充電電圧
Iz :最終段充電電流
図1に示すように、充電器1は、交流電源3からの電力を蓄電池5に充電するためのものである。又、上記充電器1は、力率改善部7と直流電圧変換部9とから構成されている。
尚、図中電源17による入力電圧を符号Vinで示す。
V0=Vreg=n1・D・Vin――(II)
但し、
V0 :充電器1の出力電圧
Vreg:充電電圧規制値
n1 :充電電圧規制値Vregを出力できるトランス15の巻数比(二次巻線
33の巻線数/一次巻線31の巻線数)
D :メインスイッチ19のデューティ(メインスイッチ19のオン時間
/メインスイッチ19のスイッチング周期)
Vin :電源17による入力電圧
Icrit=Vreg(n1・Vin−Vreg)・T/n1・Vin・2L
―――(III)
但し、
Icrit:出力電圧がVreg以上になる出力電流の臨界値
Vreg :充電電圧規制値
n1 :充電電圧規制値Vregを出力できるトランス15の巻数比(二次巻線33の巻線数/一次巻線31の巻線数)
Vin :電源17による入力電圧
L :平滑コイル25のインダクタンス
T :メインスイッチ19のスイッチング周期
尚、臨界状態とは、図3に示すように、メインスイッチ19のターンオンの時点で、平滑コイル25を流れる電流が「0」Aとなる状態を意味している。
V0=Vdcm=Vreg 2/(D・Vreg+2LIo/T)
―――(IV)
但し、
V0 :充電器1の出力電圧
Vdcm :デューティが一定で、出力電流I0が出力電流の臨界値Icrit以下
のときの出力電圧
Vreg :充電電圧規制値
D :メインスイッチ19のデューティ(メインスイッチ19のオン時間
/メインスイッチ19のスイッチング周期)
L :平滑コイル25のインダクタンス
Io :直流電圧変換部9の出力電流
T :メインスイッチ19のスイッチング周期
したがって、多段定電流充電の最終段に求められる定電流値をIz、最大充電電圧をVmaxとしたとき、充電器の出力電流がIzのときの出力電圧V0 が最大充電電圧Vmax以上であればよく、つまり、次の式(V)が成立すればよい。
Vmax ≦ Vreg 2/(D・Vreg+2LIz/T)
―――(V)
但し、
Vmax :最大充電電圧
Vreg :充電電圧規制値
D :メインスイッチ19のデューティ(メインスイッチ19のオン時間
/メインスイッチ19のスイッチング周期)
L :平滑コイル25のインダクタンス
Iz :最終段充電電流
T :メインスイッチ19のスイッチング周期
例えば、充電電圧規制値Vreg(入力電圧Vin、トランス15の巻数比n1、メインスイッチ19のデューティDから決まる。)とメインスイッチ19のスイッチング周期Tが決まれば、次の式(VI)、(VII)、(VIII)によって、平滑コイル25のインダクタンスLが決定される。
L≦T・Vreg(Vreg−D・Vmax)/2Vmax・Iz
―――(VI)
L>0 ―――(VII)
Vreg−D・Vmax>0 ―――(VIII)
但し、
L :平滑コイル25のインダクタンス
T :メインスイッチ19のスイッチング周期
Vreg :充電電圧規制値
D :メインスイッチ19のデューティ(メインスイッチ19のオン時間
/メインスイッチ19のスイッチング周期)
Vmax :最大充電電圧
Iz :最終段充電電流
T
:154μS(f=65Hz)
D :0.41
n1 :0.18
Vin :390V
Vreg :28.8V
Vmax :35V
Iz :8A
Vreg−D・Vmax:144V>0
よって、
L< :14.4μH
となる。
尚、図4に示す場合には、出力電流が13Aのときにのみ臨界状態となる。つまり、Icrit=13Aとなり、出力電流Izをそれより小さな8Aとすることによって、最大充電電圧Vmax(35V)以上の電圧を出力することが可能になったものである。
まず、充電能力を低下させることなく、直流電圧変換部9ひいては充電器1の小型化と高効率化を図ることができる。すなわち、本実施の形態によるトランス15の巻数比n1は、最大充電電圧Vmaxではなく、充電電圧規制値Vregを目安に決定されているので、従来の場合の巻数比n0に比べて小さくなり、その結果、トランス15の二次巻線33の巻線数が減少することになる。
又、最大充電電流Imaxは変わらないので二次巻線33の線径は従来と同じである。よって、巻線数が減少した分だけトランス15の小型化、低コスト化を図ることができる。
具体例でみると、一例として、トランス15の二次巻線33の巻線数を19%だけ減少させることができる。
又、その際、平滑コイル25のインダクタンスLを所定の値に設定しているので、多段定電流最終段の出力電流Iz(8A)で最大充電電圧Vmax(35V)以上の電圧を出力することができる等、充電能力は担保されている。
又、トランス15の二次巻線33の巻線数を減少させたことにより損失を低減させることができる。
又、二次側回路11の整流ダイオード21と転流ダイオード23の逆方向電圧を低くすることができる。
具体例でみると、一例として、整流ダイオード21と転流ダイオード23の逆方向電圧を19%だけ低くすることができる。
又、充電能力についてはこれを何ら低下させることもない。
例えば、直流電圧変換部9の回路構成としては、フォワード方式のものを例に挙げて説明したが、それに限定されず、ブリッジ方式のものでもよい。
又、前記一実施の形態の場合には、多段定電流充電方式の一例として、初段、中段、最終段の3段階の場合を例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、2段、4段以上の場合も想定される。
その他、図示した構成はあくまで一例である。
3 交流電源
5 蓄電池
7 力率改善部
9 直流電圧変換部
11 一次側回路
13 二次側回路
19 メインスイッチ
25 平滑コイル
Claims (2)
- 力率改善部と直流電圧変換部とからなり多段定電流充電方式によって充電する充電器において、
上記直流電圧変換部は、メインスイッチを備えた一次側回路と、平滑コイルを備えた二次側回路と、これら一次側回路及び二次側回路の間に介挿され一次巻線と二次巻線とからなるトランスと、から構成されていて、
上記トランスの巻数比(n1:二次巻線の巻線数/一次巻線の巻線数)は充電電圧規制値(Vreg)を目安に決定され、
上記平滑コイルは、最終段の充電電流(Iz)より大きな電流で臨界状態となり、最終段の充電電流(Iz)で最大充電電圧(Vmax)以上の電圧を出力できるように、その仕様が決定されているものであることを特徴とする充電器。 - 請求項1記載の充電器において、
上記平滑コイルのインダクタンス(L)が次の式を満足するものであることを特徴とする充電器。
L≦T・Vreg(Vreg−D・Vmax)/2Vmax・Iz
L>0
Vreg−D・Vmax>0
但し、
L :平滑コイルのインダクタンス
T :メインスイッチのスイッチング周期
Vreg :最終段以前の充電電圧規制値
D :メインスイッチのデューティ(メインスイッチのオン時間
/メインスイッチのスイッチング周期)
Vmax :最大充電電圧
Iz :最終段充電電流
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