JP6009390B2 - レンズデータ処理方法、レンズ加工方法、レンズデータ処理プログラムおよびデータ処理装置 - Google Patents
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Description
この目的達成のために、本願発明者は、眼鏡レンズの縁摺り加工にあたって抽出すべき大まかな概略形状について検討した。そして、抽出すべき大まかな概略形状については、眼鏡レンズの周縁形状を包含し、かつ、凹状湾曲部分を有さずに構成される外形形状を抽出するのがよいとの知見を得るに至った。凹状湾曲部分を有さずに構成されていれば、使用可能な最大径の加工ツールを用いて効率的に加工を行えるからである。
このことを踏まえつつ、本願発明者は、さらに鋭意検討を重ね、凹状湾曲部分を有さずに構成される外形形状を、予め設定した一定の基準に則して幾何的に抽出すれば、抽出結果に対する加工代を最低限確保したサイズの未加工レンズの選定が可能となり、その結果として眼鏡レンズの薄型化等の実現が可能となるという、従来技術には無い新たな着想を得るに至った。
本発明は、上述した本願発明者による新たな着想に基づいてなされたものである。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載のレンズデータ処理方法によって決定した外形サイズの未加工レンズに対して縁摺り加工を行う加工ステップを備えることを特徴とするレンズ加工方法である。
本発明の第3の態様は、眼鏡レンズの三次元形状データを処理するコンピュータに、前記三次元形状データに基づき当該眼鏡レンズの周縁の投影形状についてのデータを投影形状データとして取得する投影形状取得ステップと、前記投影形状データで特定される投影形状に外接する所定の外接図形形状を、当該投影形状と当該外接図形形状との相対角度を変えながら所定角度毎に求めるとともに、求めた各外接図形形状の全てに共通する内側領域の形状についてのデータを加工最外形データとして抽出する最外形抽出ステップと、前記加工最外形データに基づいて前記眼鏡レンズの元になる未加工レンズの外形サイズを決定するサイズ決定ステップと、を実行させることを特徴とするレンズデータ処理プログラムである。
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載のレンズデータ処理プログラムを実行するコンピュータを備えて構成されていることを特徴とするデータ処理装置である。
本実施形態では、以下の順序で項分けをして説明を行う。
1.レンズ加工システム全体の概略構成
2.レンズ加工システムにおける機能構成
3.レンズ加工システムにおける処理動作例
3−1.処理動作の概要
3−2.形状分割処理の手順
3−3.外形サイズ決定処理の手順
3−4.加工ツール割り当て処理の手順
3−5.レンズ加工処理の手順
4.本実施形態の効果
5.変形例等
先ず、本実施形態におけるレンズ加工システム全体の概略構成を説明する。
図1は、本実施形態におけるレンズ加工システム全体の概略構成例を示すブロック図である。
レンズ加工システムは、眼鏡レンズの周縁部を眼鏡フレームに枠入れ可能な形状に縁摺り加工するものである。
各レンズ周縁加工装置1は、いずれも、眼鏡レンズの縁摺り加工を行うものである。縁摺り加工は、所定外形形状(例えば円形状)を有したアンカットレンズ(未加工レンズ)に対して行う。縁摺り加工を行うと、アンカットレンズの周縁部は、眼鏡フレームに枠入れ可能な形状に加工される。このような縁摺り加工を、レンズ周縁加工装置1は、複数種類の加工ツールを選択的に用いて行う。なお、本実施形態では、眼鏡レンズの縁摺り加工の生産性向上を図るべく複数のレンズ周縁加工装置1を備えている場合を例に挙げているが、システム内には少なくとも一つのレンズ周縁加工装置1があればよい。
加工制御装置3は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、通信I/F(interface)部等を有して構成されたコンピュータ装置からなるもので、各レンズ周縁加工装置1に縁摺り加工を行わせるために必要な処理を行うものである。縁摺り加工のために必要な処理としては、様々な処理が挙げられるが、その一例として加工後のレンズ形状を特定するデータに基づきレンズ周縁加工装置1に加工動作を行わせるための加工データを生成する処理がある。このようなデータ処理を行う加工制御装置3については、以下「データ処理装置」とも称す。
レンズ発注側端末装置5は、例えば眼鏡店に設置されたパーソナルコンピュータ等の端末装置からなるもので、眼鏡レンズの縁摺り加工をデータ処理装置3およびこれと接続するレンズ周縁加工装置1に対して発注するものである。この発注により、レンズ発注側端末装置5からは、発注情報が発信される。発注情報には、眼鏡レンズが枠入れされる眼鏡フレームのフレーム型番、その眼鏡レンズの処方値を特定する処方データ、その眼鏡レンズのメーカーや材質等を特定するレンズ情報、その他の各種情報が含まれているものとする。このような発注情報は、データ処理装置3の側で受信すると、受注情報として取り扱われる。
データ記憶装置6は、HDD(Hard Disk Drive)等の大容量記憶装置からなるもので、データ処理装置3でのデータ処理に必要となるデータを記憶保持するものである。データ処理装置3でのデータ処理に必要なデータとしては、レンズ発注側端末装置5から受信した受注情報をはじめとする様々なデータが挙げられるが、その一つの例として加工後の立体的なレンズ形状を特定する三次元CAD(Computer Aided Design)データがある。なお、データ記憶装置6は、データ処理装置3がアクセス可能であれば、通信回線2上ではなく、広域通信回線網4上に存在していてもよい。
続いて、上述した構成のレンズ加工システムにおける機能構成について説明する。
図2は、本実施形態のレンズ加工システムにおける機能構成例を示すブロック図である。
レンズ加工システムを構成するレンズ周縁加工装置1は、複数種類の加工ツール11を選択的に用いて眼鏡レンズの縁摺り加工を行う周縁加工部12と、この周縁加工部12における加工処理動作を制御する加工制御部13としての機能を備えている。これら周縁加工部12および加工制御部13の詳細については、公知技術を利用して構成されたものであればよく、ここではその説明を省略する。
このようなレンズ周縁加工装置1と接続するデータ処理装置3は、以下のような機能構成を備えている。すなわち、データ処理装置3は、データ取得部31、形状分割処理部32、サイズ決定部33、ツール割当部34、加工指示部35、および、データベース部36としての機能を備えて構成されている。
データ処理装置3におけるこれらの各部31〜36は、コンピュータ装置としての機能を有するデータ処理装置3が、所定のソフトウエアプログラムを実行することによって実現される。その場合に、所定のソフトウエアプログラムは、データ処理装置3にインストールされて用いられることになるが、そのインストールに先立ち、データ処理装置3と接続する広域通信回線網4を通じて提供されるものであってもよいし、あるいはデータ処理装置3で読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよい。
次に、上述した構成のレンズ加工システムにおける処理動作例について説明する。
先ず、レンズ加工システムでの処理動作の手順の概要を説明する。
図3は、本実施形態のレンズ加工システムでの処理動作の手順の概要を示すフローチャートである。
先ず、データ処理装置3で行う形状分割処理(S20)について説明する。
図例のように、形状分割処理(S20)は、大別すると、外形形状取得ステップ(S210)と、投影形状取得ステップ(S220)と、最外形抽出ステップ(S230)と、貫通加工形状抽出ステップ(S240)と、非貫通加工形状抽出ステップ(S250)と、を順に経て行われる。
外形形状取得ステップ(S210)において、形状分割処理部32は、先ず、依頼されたジョブの識別番号を基に、当該ジョブで加工すべき眼鏡レンズが枠入れされる眼鏡フレームのフレーム型番を認識する(S211)。このフレーム型番は、レンズ発注側端末装置5からの受注情報に含まれているものとする。そして、形状分割処理部32は、認識したフレーム型番に対応して記憶保持されている三次元CADデータで、そのフレームに装着される状態に加工された眼鏡レンズの外形形状についてのものを、データ記憶装置6から読み出す。このとき、形状分割処理部32は、データ記憶装置6内における眼鏡レンズ全体形状の三次元CADデータのうち、眼鏡レンズの凸面側における外形形状についての三次元CADデータを凸面側形状データとして取得するとともに(S212)、眼鏡レンズの凹面側における外形形状についての三次元CADデータを凹面側形状データとして取得する(S213)。これらの各取得データは、それぞれが別レイヤーのデータとして管理される。以下、凸面側形状データを「凸面レイヤーデータ」といい、その管理レイヤーを「凸面レイヤー」という。また、凹面側形状データを「凹面レイヤーデータ」といい、その管理レイヤーを「凹面レイヤー」という。
外形形状取得ステップ(S210)の次に行う投影形状取得ステップ(S220)において、形状分割処理部32は、外形形状取得ステップ(S210)で取得した凸面レイヤーデータで特定される凸面側外形形状と、同じく外形形状取得ステップ(S210)で取得した凹面レイヤーデータで特定される凹面側外形形状とを合成することで、眼鏡レンズの周縁の投影形状についてのデータを投影形状データとして取得する(S221)。このとき、形状分割処理部32は、凸面レイヤーと凹面レイヤーの二次元極座標値から投影形状を生成し、その生成結果を投影形状データとする。この投影形状データについても、凸面レイヤーおよび凹面レイヤーとは別レイヤーのデータとして管理される。以下、投影形状データを「投影レイヤーデータ」といい、その管理レイヤーを「投影レイヤー」という。
投影形状取得ステップ(S220)の次に行う最外形抽出ステップ(S230)において、形状分割処理部32は、投影形状取得ステップ(S220)で取得した投影レイヤーデータを基に、眼鏡レンズの周縁形状を包含し、かつ、凹状湾曲部分を有さずに構成される外形形状を抽出する。このような外形形状を抽出するのは、凹状湾曲部分を有さずに構成されていれば、その後に行う縁摺り加工の際に、レンズ周縁加工装置1で使用可能な最大径の加工ツール11を用いて効率的に加工を行えるからである。
このようにして所定角度毎の各外接四角形を求めたら、形状分割処理部32は、続いて、各外接四角形の全てに共通する内側領域の形状を抽出する。つまり、形状分割処理部32は、投影レイヤー上で投影形状に重ねられた各外接四角形に囲まれた内側領域の形状を抽出する。そして、形状分割処理部32は、外形レイヤーで抽出した内側領域の形状についてのデータを加工最外形データとして抽出する(S235)。この加工最外形データについても、凸面レイヤー、凹面レイヤーおよび投影レイヤーとは別レイヤーのデータとして管理される。以下、加工最外形データを「外形レイヤーデータ」といい、その管理レイヤーを「外形レイヤー」という。この外形レイヤーデータで特定される加工最外形形状は、凹状湾曲部分を有さずに構成される外形形状に相当するものである。
これらの手順を経ることで、最外形抽出ステップ(S230)では、投影レイヤーデータで特定される投影形状から、外形レイヤーデータで特定される加工最外形形状を、その投影形状に外接する四角形を利用しつつ幾何的に抽出するのである。なお、加工最外形形状の抽出にあたり、投影形状と外接四角形とは、互いの相対角度を変えるようにすれば、どちらを変位させても構わない。
最外形抽出ステップ(S230)の次に行う貫通加工形状抽出ステップ(S240)において、形状分割処理部32は、最外形抽出ステップ(S230)にて抽出した外形レイヤーデータで特定される加工最外形形状と、投影形状取得ステップ(S220)にて取得した投影レイヤーデータで特定される投影形状との差分領域を求め、求めた差分領域の形状部分についてのデータを貫通加工形状データとして抽出する。このとき、形状分割処理部32は、離れた位置に複数の差分領域が存在する場合には、各差分領域について個別に貫通加工形状データとしての抽出を行う。
このような抽出および割り当てを行ったら、形状分割処理部32は、求めた差分領域の全てについての処理が終了したか否かを判断し(S243)、未処理の差分領域が存在する場合には、x1=x1+1にインクリメントした後に(S244)、再び上述した抽出および割り当ての処理を行う(S242)。そして、全ての差分領域についての処理が終了するまで、上述の処理を繰り返し行う(S242〜S243)。
これらの手順を経ることで、貫通加工形状抽出ステップ(S240)では、加工最外形形状(すなわち凹状湾曲部分を有さずに構成される外形形状)を投影形状にするための被加工部位を、レンズ表裏にわたり貫通して加工すべき貫通加工形状部分として、離れた位置に存在するものがあればそれぞれを個別に、抽出することになる。
このようにして抽出された各貫通加工形状データについても、上述した各レイヤーとは別レイヤーのデータとして管理される。以下、貫通加工形状データを「投影加工レイヤーデータ」といい、その管理レイヤーを「投影加工レイヤー」という。投影加工レイヤーには、複数の差分領域を個別に抽出した場合であれば、それぞれに対応する複数の投影加工レイヤーデータが存在することになる。
貫通加工形状抽出ステップ(S240)の次に行う非貫通加工形状抽出ステップ(S250)において、形状分割処理部32は、投影形状取得ステップ(S220)にて取得した投影レイヤーデータで特定される投影形状と、外形形状取得ステップ(S210)にて取得した凸面レイヤーデータで特定される凸面側外形形状との差分領域を求め、求めた差分領域の形状部分についてのデータを凸面側加工形状データとして抽出する。このとき、形状分割処理部32は、離れた位置に複数の差分領域が存在する場合には、各差分領域について個別に凸面側加工形状データとしての抽出を行う。
さらに、非貫通加工形状抽出ステップ(S250)において、形状分割処理部32は、投影形状取得ステップ(S220)にて取得した投影レイヤーデータで特定される投影形状と、外形形状取得ステップ(S210)にて取得した凹面レイヤーデータで特定される凹面側外形形状との差分領域を求め、求めた差分領域の形状部分についてのデータを凹面側加工形状データとして抽出する。このとき、形状分割処理部32は、凹面側についても凸面側と同様に、離れた位置に複数の差分領域が存在する場合には、各差分領域について個別に凹面側加工形状データとしての抽出を行う。
このような抽出および割り当てを行ったら、形状分割処理部32は、求めた差分領域の全てについての処理が終了したか否かを判断し(S253)、未処理の差分領域が存在する場合には、x2=x2+1にインクリメントした後に(S254)、再び上述した抽出および割り当ての処理を行う(S252)。そして、全ての差分領域についての処理が終了するまで、上述の処理を繰り返し行う(S252〜S254)。
これらの手順を経ることで、非貫通加工形状抽出ステップ(S250)では、投影形状における凸面側を凸面側外形形状にするための被加工部位を、レンズ凸面側から加工すべきであるがレンズ凹面側には貫通しない凸面側非貫通加工形状部分として、離れた位置に存在するものがあればそれぞれを個別に、抽出することになる。
このようにして抽出された各凸面側加工形状データについても、上述した各レイヤーとは別レイヤーのデータとして管理される。以下、凸面側加工形状データを「凸面加工レイヤーデータ」といい、その管理レイヤーを「凸面加工レイヤー」という。凸面加工レイヤーには、複数の被加工部位を個別に抽出した場合であれば、それぞれに対応する複数の凸面加工レイヤーデータが存在することになる。
このような抽出および割り当てを行ったら、形状分割処理部32は、求めた差分領域の全てについての処理が終了したか否かを判断し(S257)、未処理の差分領域が存在する場合には、x3=x3+1にインクリメントした後に(S258)、再び上述した抽出および割り当ての処理を行う(S256)。そして、全ての差分領域についての処理が終了するまで、上述の処理を繰り返し行う(S256〜S258)。
これらの手順を経ることで、非貫通加工形状抽出ステップ(S250)では、投影形状における凹面側を凹面側外形形状にするための被加工部位を、レンズ凹面側から加工すべきであるがレンズ凸面側には貫通しない凹面側非貫通加工形状部分として、離れた位置に存在するものがあればそれぞれを個別に、抽出することになる。
このようにして抽出された各凹面側加工形状データについても、上述した各レイヤーとは別レイヤーのデータとして管理される。以下、凹面側加工形状データを「凹面加工レイヤーデータ」といい、その管理レイヤーを「凹面加工レイヤー」という。凹面加工レイヤーには、複数の被加工部位を個別に抽出した場合であれば、それぞれに対応する複数の凹面加工レイヤーデータが存在することになる。
ここで、上述した一連の手順によって行われる形状分割処理(S20)の具体例を説明する。
図6〜図9は、本実施形態における形状分割処理の処理内容の具体例を示す説明図である。
外形レイヤーデータの抽出にあたって、形状分割処理部32は、先ず、眼鏡レンズの周縁の投影形状54に対して、傾き量θを0°に設定した外接四角形55を求め、その外接四角形55を投影レイヤー上で投影形状54に重ねる(図8(a)参照)。さらに、形状分割処理部32は、設定した傾き量θに所定角度を加算した後に、その所定角度加算後の傾き量θの外接四角形55を求め、その外接四角形55を投影レイヤー上で投影形状54に重ねる(図8(b)参照)。これを、傾き量θが90°以上となるまで繰り返し行う。つまり、形状分割処理部32は、投影レイヤーデータで特定される投影形状54に対する外接四角形55を、当該投影形状54と当該外接四角形55との相対角度を変えながら所定角度毎に求めるのである(図8(c)参照)。なお、投影形状54と外接四角形55との相対角度を変える際の所定角度については、例えば1°毎とすることが考えられるが、図例では図示簡略化のために5°毎に相対角度を変えている場合を示している。
そして、少なくとも1/4周分にわたり所定角度毎の各外接四角形55を求めたら(図8(c)参照)、その後、形状分割処理部32は、各外接四角形55の全てに共通する内側領域の形状、すなわち投影形状54に重ねられた各外接四角形55によって囲まれた内側領域の形状を、加工最外形形状56として抽出する(図8(d)参照)。この加工最外形形状56を特定するデータが外形レイヤーデータとなる。
凸面加工レイヤーデータについては、投影レイヤーデータで特定される投影形状54と凸面レイヤーデータで特定される凸面側外形形状52との差分領域である凸面側非貫通加工形状部分58を求め、その凸面側非貫通加工形状部分58についてのデータを凸面側加工形状データとする(図9(b)参照)。なお、図例では、一つの凸面側非貫通加工形状部分58を抽出した場合を示している(図中ハッチング部分参照)。
また、凹面加工レイヤーデータについては、投影レイヤーデータで特定される投影形状54と凹面レイヤーデータで特定される凹面側外形形状53との差分領域である凹面側非貫通加工形状部分59を求め、その凹面側非貫通加工形状部分59についてのデータを凹面側加工形状データとする(図9(c)参照)。なお、図例では、一つの凹面側非貫通加工形状部分59を抽出した場合を示している(図中ハッチング部分参照)。
次に、データ処理装置3で行う外形サイズ決定処理(S30)について説明する。
外形サイズ決定処理(S30)において、サイズ決定部33は、先ず、形状分割処理(S20)にて求めた外形レイヤーデータと、レンズ発注側端末装置5からの受注情報に含まれるレイアウト情報(眼鏡フレームに眼鏡レンズをどのように配置するかを指定する情報)とに基づき、その外形レイヤーデータで特定される加工最外形形状について、レンズ凸面の光学中心(OC)の位置を中心とした場合の最大半径を求める(S310)。そして、最大半径を求めたら、次いで、サイズ決定部33は、レンズ発注側端末装置5からの受注情報を基に、加工対象となる眼鏡レンズが特注レンズであるか否かを判断する(S320)。
外形サイズ決定処理(S30)において、サイズ決定部33は、先ず、外形レイヤーデータで特定される加工最外形形状56について、レンズ凸面のOC位置を中心とした最大半径Rを求める。そして、加工対象となる眼鏡レンズが特注レンズであれば、サイズ決定部33は、所定の必要最小コバ厚を確保しつつレンズコバ厚t1が最小(最薄)となるような、OC位置(累進屈折力レンズの場合は自由曲面の設計基準位置)での最小肉厚t2を求める。このようにして特定されたアンカットレンズは、その外形が図中で破線によって示したようなものとなり、同図中の実線で示されるアンカットレンズに比べると薄型化されたものとなる(図中ハッチング部分参照)。
図12は、従来の加工最外形形状の抽出結果の具体例を示す説明図である。
オペレータ等の経験則に基づいて当該オペレータ等が手作業で加工最外形形状62を抽出する場合、抽出された加工最外形形状62は、その精度が十分なものであるとは言えない。したがって、その加工最外形形状62の抽出結果を基準にしてアンカットレンズの外形サイズを決定すると、後の修正にも対応し得るように、抽出結果に対して十分な加工代を確保した上でアンカットレンズの外形サイズを選定する必要が生じるため、眼鏡レンズの薄型化が困難となり得る。つまり、従来の手法では、最終形状に見合った最薄レンズを作成することが困難である(図中A参照)。
また、抽出された加工最外形形状62は、その精度が十分とは言えないことから、その基になる投影形状61と対比すると、それぞれのフレームセンタ位置がずれたものとなるおそれがある。このような位置ずれが生じた場合には、レンズ周縁部においてレンズの生地切れ(レンズ材が足りなくなる状態)が発生してしまう可能性がある(図中B参照)。つまり、従来の手法では、正確な最終形状を再現できないといったことも生じ得る。
さらに、抽出された加工最外形形状62は、その精度が十分とは言えないことから、その基になる投影形状61と対比すると、装用時に鼻側となる端縁位置がずれてしまうおそれがある。このような形状のずれが生じた場合には、そのずれ分×2の量が眼鏡レンズの瞳孔間距離(PD)のずれとして表れるため、PDの調整が必要になるといったことも生じ得る。
次に、データ処理装置3で行う加工ツール割り当て処理(S40)について説明する。
加工ツール割り当て処理(S40)において、ツール割当部34は、先ず、依頼されたジョブの識別番号を基に、眼鏡レンズの処方情報、レンズ情報等を取得する(S410)。眼鏡レンズの処方情報、レンズ情報等は、レンズ発注側端末装置5からの受注情報に含まれているものとする。さらに、ツール割当部34は、その眼鏡レンズについて形状分割処理(S20)で取得または抽出された全てのレイヤーのデータを、ジョブの識別番号を基に、データベース部36内から取得する(S420)。
また、ツール割当部34は、データベース部36内から取得した各データに投影加工レイヤーについてのものがあれば(S450a)、投影加工レイヤーデータで特定される貫通加工形状部分についての加工条件作成処理を行う(S450b)。
また、ツール割当部34は、データベース部36内から取得した各データに凸面加工レイヤーについてのものがあれば(S460a)、凸面加工レイヤーデータで特定される凸面側非貫通加工形状部分についての加工条件作成処理を行う(S460b)。
また、ツール割当部34は、データベース部36内から取得した各データに凹面加工レイヤーについてのものがあれば(S470a)、凹面加工レイヤーデータで特定される凹面側非貫通加工形状部分についての加工条件作成処理を行う(S470b)。
図14は、本実施形態における外形レイヤー荒加工条件作成処理の手順を示すフローチャートである。
外形レイヤー荒加工条件作成処理(S430)において、ツール割当部34は、先ず、外形レイヤーデータで特定される加工最外形形状について、これを荒加工によって形成する場合の荒加工形状を、演算によって求める(S4301)。荒加工形状は、加工最外形形状に対して仕上げ加工代を加味した形状である。
荒加工形状を求めたら、ツール割当部34は、外形サイズ決定処理(S30)で決定したアンカットレンズの外形サイズ(レンズ外径およびレンズ厚みについてのサイズを含む。)を基に、荒加工によって加工する部分(すなわちアンカットレンズと荒加工形状との差分となる部分)の加工体積を計算する(S4302)。さらに、ツール割当部34は、外形サイズ決定処理(S30)で決定したアンカットレンズを構成するレンズ材料を基に、そのレンズ材料に対して荒加工を行う加工ツール11を、レンズ周縁加工装置1が備える複数種類の中から選択する(S4303)。このときのツール選択は、レンズ周縁加工装置1について予め設定されたツールリストを用いて行う。ツールリストには、複数種類の加工ツール11と加工対象となるレンズ材料との対応関係が予め規定されているものとする。
そして、加工体積計算およびツール選択を行ったら、ツール割当部34は、加工体積の計算結果と選択した加工ツール11の加工能力とから、その加工ツール11を用いて荒加工を行う際のツール送り速度を計算によって求める(S4304)。さらに、ツール割当部34は、求めたツール送り速度と荒加工形状とから、荒加工に要する加工時間を計算によって求める(S4305)。
このようにして求めたそれぞれの結果を、ツール割当部34は、荒加工条件として、データベース部36内に登録して、そのデータベース部36に記憶保持させておく(S4306)。
図15は、本実施形態における外形レイヤー仕上げ加工条件作成処理の手順を示すフローチャートである。
外形レイヤー仕上げ加工条件作成処理(S440)において、ツール割当部34は、先ず、外形レイヤーデータで特定される加工最外形形状について、これを仕上げ加工によって形成する場合の仕上げ加工形状を、演算によって求める(S4401)。仕上げ加工形状は、荒加工形状に対して仕上げ加工(研磨加工等)を行った後の外形形状で、加工最外形形状と略一致することになる形状である。
仕上げ加工形状を求めたら、ツール割当部34は、荒加工形状と仕上げ加工形状との差分と、レンズの厚みデータとから、仕上げ加工によって加工する部分の加工体積を計算する(S4402)。さらに、ツール割当部34は、加工対象となるレンズ材料を基に、そのレンズ材料に対して仕上げ加工を行う加工ツール11を、レンズ周縁加工装置1が備える複数種類の中から選択する(S4403)。このときのツール選択は、荒加工の場合と同様に、レンズ周縁加工装置1について予め設定されたツールリストを用いて行う。なお、ツールリスト中に適用可能な加工ツール11が複数種類存在する場合には、ツール径の最も大きいものを選択することが考えられる。
そして、加工体積計算およびツール選択を行ったら、ツール割当部34は、加工体積の計算結果と選択した加工ツール11の加工能力とから、その加工ツール11を用いて仕上げ加工を行う際のツール送り速度を計算によって求める(S4404)。さらに、ツール割当部34は、求めたツール送り速度と仕上げ加工形状とから、仕上げ加工に要する加工時間を計算によって求める(S4405)。
このようにして求めたそれぞれの結果を、ツール割当部34は、仕上げ加工条件として、データベース部36内に登録して、そのデータベース部36に記憶保持させておく(S4406)。
図16は、本実施形態における投影加工レイヤー加工条件作成処理の手順を示すフローチャートである。
そして、ツール割当部34は、求めたそれぞれの結果を、変数x1で特定される投影加工レイヤーデータについての加工条件として、データベース部36内に登録して、そのデータベース部36に記憶保持させておく(S4511)。
図17は、本実施形態における凸面加工レイヤー加工条件作成処理の手順を示すフローチャートである。
そして、ツール割当部34は、求めたそれぞれの結果を、変数x2で特定される凸面加工レイヤーデータについての加工条件として、データベース部36内に登録して、そのデータベース部36に記憶保持させておく(S4611)。
図18は、本実施形態における凹面加工レイヤー加工条件作成処理の手順を示すフローチャートである。
そして、ツール割当部34は、求めたそれぞれの結果を、変数x3で特定される凹面加工レイヤーデータについての加工条件として、データベース部36内に登録して、そのデータベース部36に記憶保持させておく(S4711)。
各レイヤー加工順決定処理(S480)において、ツール割当部34は、上述したそれぞれの加工条件作成処理(S430〜S470b)で生成した加工条件に基づき、複数種類の加工ツール11を用いてレンズ加工を行う際における各加工ツール11についての最終的な加工順を決定する。具体的には、ツール割当部34は、先ず、外形レイヤー荒加工条件作成処理(S430)で生成した荒加工条件による加工を行い、次いで、外形レイヤー仕上げ加工条件作成処理(S440)で生成した仕上げ加工条件による加工を行うことを決定する。そして、ツール割当部34は、その後に行うべき加工である、投影加工レイヤー加工条件作成処理(S450b)、凸面加工レイヤー加工条件作成処理(S460b)および凹面加工レイヤー加工条件作成処理(S470b)で生成した加工条件による加工について、以下に述べるような手順で加工順を決定する。
また、ツール割当部34は、凸面加工レイヤーにおける各凸面加工レイヤーデータについての加工条件から、各凸面加工レイヤーデータに対して割り当てられた加工ツール11を識別するためのツール番号を読み出す(S4802)。複数の凸面加工レイヤーデータが存在する場合には、ツール割当部34は、それぞれに割り当てられた全種類の加工ツール11について、ツール番号の読み出しを行う。
さらに、ツール割当部34は、凹面加工レイヤーにおける各凹面加工レイヤーデータについての加工条件から、各凹面加工レイヤーデータに対して割り当てられた加工ツール11を識別するためのツール番号を読み出す(S4803)。複数の凹面加工レイヤーデータが存在する場合には、ツール割当部34は、それぞれに割り当てられた全種類の加工ツール11について、ツール番号の読み出しを行う。
このようにしてデータベース部36内に記憶保持される内容は、その後、データ処理装置3の加工指示部35がレンズ周縁加工装置1に対して眼鏡レンズの縁摺り加工を指示する際に用いられる。すなわち、加工指示部35は、データベース部36内における記憶保持内容に従いつつ、ツール割当部34が割り当てた各加工ツール11を同じくツール割当部34が決定した使用順で用いるように、レンズ周縁加工装置1に縁摺り加工の加工指示を行う(S50)。なお、加工指示部35による加工指示の具体的な手法については、公知技術を利用して行えばよいため、ここではその詳細な説明を省略する。
次に、データ処理装置3からの加工指示に応じてレンズ周縁加工装置1で行う眼鏡レンズの縁摺り加工について説明する(S60)。
なお、眼鏡レンズの縁摺り加工にあたり、レンズ周縁加工装置1に対しては、データ処理装置3での形状分割処理(S20)および加工ツール割り当て処理(S40)の処理結果(すなわち事前処理の処理結果)が加工指示として当該データ処理装置3から通知されているとともに、そのデータ処理装置3での外形サイズ決定処理(S30)により外形サイズが決定されたアンカットレンズが周縁加工部12にセットされているものとする。
本実施形態によれば、以下に述べるような効果が得られる。
また、本実施形態の形状分割処理(S20)では、一定の分割規則に従いつつ大まかな概略形状を抽出した後に細かな部分形状を抽出するが、その大まかな概略形状の一つとして加工最外形形状56を抽出するとともに、その抽出を投影形状54に対する外接四角形55を利用しつつ幾何的に行う。そのため、その抽出結果である加工最外形形状56は、眼鏡レンズの投影形状54を確実に包含し、かつ、凹状湾曲部分を有することなく構成されており、しかも投影形状54を包含する上で必要十分なもの(すなわち不必要な領域部分等を含まないもの)となる。つまり、形状分割処理(S20)では、外接四角形55を利用した幾何的な抽出を行うことで、必要十分な加工最外形形状56を精度良く効率的に抽出することができる。このことは、形状分割処理(S20)の高精度化や高効率化等に寄与するだけではなく、その後に行う外形サイズ決定処理(S30)および加工ツール割り当て処理(S40)の高精度化や高効率化等にも非常に有効である。
したがって、本実施形態の形状分割処理(S20)によれば、凸面側外形形状52と凹面側外形形状53とが互いに相違する三次元形状の眼鏡レンズであっても、ザグリ加工を必要とする被加工部位の抽出が予め設定した一定の分割規則に則して行われることになるので、特に加工対象となる眼鏡レンズが主にサングラス用として使用される高カーブ(湾曲の度合いが強い)フレームに枠入れするためのものである場合に非常に有効である。高カーブフレーム用の縁摺り加工を行う場合には、レンズ周縁部を複雑な形状に加工することが殆どであるが、その場合であっても凸面側および凹面側のそれぞれについて被加工部位となる形状部分が精度良く効率的に抽出されるようになるからである。
したがって、本実施形態の外形サイズ決定処理(S30)によれば、加工代を最低限確保した外形サイズのアンカットレンズ71の選定が可能となるので、レンズ周縁加工装置1のオペレータ等の経験則に基づいて加工最外形形状を抽出する場合とは異なり、最終形状に見合った最薄レンズの作成が容易であり、正確なレンズ最終形状を確実に再現でき、さらにはPDの調整が必要になることもない。つまり、本実施形態の外形サイズ決定処理(S30)によれば、加工最外形形状56の抽出の高精度化等を通じて、眼鏡レンズの薄型化等を容易に実現することが可能になる。
これらのうちの形状分割処理(S20)では、複数の形状要素部分として、投影形状54、加工最外形形状56、貫通加工形状部分57a〜57d、凸面側非貫通加工形状部分58および凹面側非貫通加工形状部分59を抽出する。さらに、貫通加工形状部分57a〜57d、凸面側非貫通加工形状部分58および凹面側非貫通加工形状部分59については、互いに離れた位置に存在するものがあれば、それぞれを個別に抽出する。そして、その後に行う加工ツール割り当て処理(S40)では、抽出した各形状要素部分に対して、その加工に最も適切と考えられる加工ツール11a〜11dを個別に割り当てる。ただし、同一種類の加工ツール11a〜11dで加工可能な形状要素部分に対しては、互いに離れた位置に存在していても、同一種類の加工ツール11a〜11dを割り当てる。
つまり、本実施形態のレンズ加工システムでは、形状分割処理(S20)および加工ツール割り当て処理(S40)を経る事前処理において、例えば「凸面側ザグリ加工部位」や「凹面側ザグリ加工部位」等についても各々が別個の形状要素部分として分割した上で、各形状要素部分に最適と考えられる加工ツール11a〜11dを割り当てているのである。したがって、レンズ周縁加工装置1のオペレータ等が経験則に基づいて被加工部位と選択可能な加工ツールとのマッチングを判断しながらツール割り当てを行う場合とは異なり、事前処理の処理結果が必ず一定の基準に則したものとなるので、確実にツール割り当ての最適化が図れるようになる。しかも、オペレータ等が経験則に基づく場合とは異なり、事前処理の処理結果に対して修正が必要になるといったことが生じるおそれがなく、その精度が十分なものとなる。さらには、その手順に試行錯誤の要素等が加わることがないので、非常に効率的に行うことも可能性となる。
このように、本実施形態のレンズ加工システムでは、事前処理において確実にツール割り当ての最適化が図れるので、その事前処理の結果に基づいて行う縁摺り加工処理(S60)について、複数種類の加工ツールを選択的に用いて行う場合であっても、効率的に高精度で行うことが可能となる。
以上に本発明の実施形態を説明したが、上述した開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものに過ぎず、本発明の技術的範囲が上述の例示的な実施形態に限定されるものではない。
以下に、上述した実施形態以外の変形例について説明する。
ツール選択基準の他の例としては、加工すべき形状要素部分の加工体積の計算結果を用いるものが挙げられる。例えば、加工ツール11が小径のエンドミルツールである場合、その加工ツール11を用いて円形状からラフな外形形状へ荒加工を行う際には、以下の二通りの手法のいずれかを採ることが考えられる。その一つは、周縁側から内側へ徐々に加工し、切り屑の大きさが略一定になるようにする手法である。他の一つは、小径ツールで型取りのようなシェープを行うように、そのツールサイズ分だけ大きな軌跡で加工する手法である、この手法の場合は、切り屑に大きなレンズ片が含まれる。このような二通りの手法のいずれかを選択するときには、加工により切り取る体積を加味して選択を行うと、加工時間の効率化、ツールの効率的選択によるツール摩耗の抑制化を図ることができる。具体的には、加工体積が大であれば小径ツールで型取りのようなシェープを行い、加工体積が小であれば周縁側から大径ツールで加工したほうが、加工効率が良いことがある。このように、同じシェープの外形形状でも、シェープがプラスレンズの場合とマイナスレンズの場合とではツール負荷が異なるため、加工面積や加工体積等を考慮してスール選択基準を設定することは、効率的な加工をするための選択基準として非常に有効である。
また、加工ツールの属性と加工すべき形状要素部分の加工体積計算結果とを組み合わせて用いることも考えられる。
つまり、加工ツール割り当て処理(S40)で用いるツール選択基準は、加工ツールの属性(ツール径、ツール回転速度、ツール移動速度等)または加工すべき形状要素部分の加工体積計算結果の少なくとも一つに基づいて設定されているものであればよい。
ツール使用優先順の他の例としては、加工すべき形状要素部分の加工体積の計算結果を用いるものが挙げられる。例えば、形状要素部分の加工体積を計算すると、その計算結果を用いつつ、その形状要素部分の加工に要する加工時間を計算することができる。そして、加工時間を計算すると、その形状要素部分の加工終了を予測することができる。この終了予測により、次工程の準備(現工程の次に使うツール準備等)のための工程間の待ち時間を最短にし得ることが考えられる。つまり、加工体積の計算結果に基づく加工終了予測により、工程間待ち時間が最短となるようなツール使用順を採用することで、複数種類の加工ツール11による縁摺り加工のトータルでの加工時間を必要最小限に抑えることが考えられる。
ツール使用優先順のさらに他の例としては、レンズ周縁加工装置1のツール装着構造を用いるものが挙げられる。例えば、レンズ周縁加工装置1がツールチェンジャー等を持つ構成の場合、工程毎で用いる加工ツール11の装置内での配置状態によっては、ツール選択のための移動効率が変化する。そこで、ツール選択のための移動効率が最適となるように、装置内での各加工ツール11の配置順を考慮したツール使用順を採用することも考えられる。
また、ここで挙げた各例を組み合わせて用いることも考えられる。
つまり、加工ツール割り当て処理(S40)の各レイヤー加工順決定処理(S480)で用いるツール使用の優先順は、加工ツールの属性(ツール径、ツール回転速度、ツール移動速度等)、加工すべき形状要素部分の加工時間計算結果またはレンズ周縁加工装置1のツール装着構造(ツール配置順等)の少なくとも一つに基づいて設定されているものであればよい。
Claims (4)
- 眼鏡レンズの三次元形状データに基づき当該眼鏡レンズの周縁の投影形状についてのデータを投影形状データとして取得する投影形状取得ステップと、
前記投影形状データで特定される投影形状に外接する所定の外接図形形状を、当該投影形状と当該外接図形形状との相対角度を変えながら所定角度毎に求めるとともに、求めた各外接図形形状の全てに共通する内側領域の形状についてのデータを加工最外形データとして抽出する最外形抽出ステップと、
前記加工最外形データに基づいて前記眼鏡レンズの元になる未加工レンズの外形サイズを決定するサイズ決定ステップと、
を備えることを特徴とするレンズデータ処理方法。 - 請求項1に記載のレンズデータ処理方法によって決定した外形サイズの未加工レンズに対して縁摺り加工を行う加工ステップ
を備えることを特徴とするレンズ加工方法。 - 眼鏡レンズの三次元形状データを処理するコンピュータに、
前記三次元形状データに基づき当該眼鏡レンズの周縁の投影形状についてのデータを投影形状データとして取得する投影形状取得ステップと、
前記投影形状データで特定される投影形状に外接する所定の外接図形形状を、当該投影形状と当該外接図形形状との相対角度を変えながら所定角度毎に求めるとともに、求めた各外接図形形状の全てに共通する内側領域の形状についてのデータを加工最外形データとして抽出する最外形抽出ステップと、
前記加工最外形データに基づいて前記眼鏡レンズの元になる未加工レンズの外形サイズを決定するサイズ決定ステップと、
を実行させることを特徴とするレンズデータ処理プログラム。 - 請求項3に記載のレンズデータ処理プログラムを実行するコンピュータを備えて構成されている
ことを特徴とするデータ処理装置。
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