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JP6006801B2 - ヒドロキシアルキルアクリレートの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシアルキルアクリレートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、保存安定性に優れたヒドロキシアルキルアクリレート、および、不純物であるアクリル酸二量体と酸化アルキレンから生成するエステルの生成を抑制しつつ保存安定性に優れたヒドロキシアルキルアクリレートを効率的に製造する方法に関するものである。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂を製造するためのモノマーなどとして利用され、一般的な(メタ)アクリル酸系モノマーの中でも水酸基を有するという特徴を有する。よって、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを原料化合物の一つとして使用するポリ(メタ)アクリル酸系樹脂は、側鎖に水酸基を有することになる。
この水酸基は、アルキレン基を介して主鎖に結合していることから良好な反応性を示すので、側鎖に水酸基を有するポリ(メタ)アクリル酸系樹脂は、架橋反応やその他の官能基の導入が可能である。
例えば、側鎖に水酸基を有する上記ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂は、架橋などにより耐キズ性や耐酸性が向上するので、高機能塗料の成分として用いることができる。また、水酸基を有することに由来して高接着性や高親水性などの特性が発現することにより、接着剤やコンタクトレンズの材料、また、セルロースを含む紙や布の加工剤としても利用可能である。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、一般的に、触媒の存在下、(メタ)アクリル酸と酸化アルキレンとを反応させることにより製造される(特許文献1等)。
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを工業的に製造する場合には不純物が生成する場合があり、不純物を抑制するための技術が開発されている。例えば特許文献2には、不純物であるジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの生成を抑制するために、触媒に対する(メタ)アクリル酸の量を調節しながら反応を行う方法が記載されている。
特開2000−297062号公報 特開2004−10602号公報
上述したように、ヒドロキシアルキルアクリレートは工業原料として重要な化合物である。
しかし、ヒドロキシアルキルアクリレートは反応性の高い易重合性化合物であることに加えて、本発明者らは、保存中に不純物であるアルキレングリコールジアクリレートの量が増加してしまうことを見出した。アルキレングリコールジアクリレートはアルキレングリコールの2つの水酸基のそれぞれにアクリル酸がエステル結合した構造を有し、架橋剤として働くため、ヒドロキシアルキルアクリレートの保存中などに不所望の架橋重合反応が起こり、濁りやゲル化を引き起こすという問題がある。
そこで本発明は、保存中におけるアルキレングリコールジアクリレートの生成量が抑制されており、保存安定性の高いヒドロキシアルキルアクリレートを提供することを目的とする。
また、不純物を抑制しながらヒドロキシアルキルアクリレートを製造する方法としては様々なものが開発されている。しかしアクリル酸には、その保存中などにおいて二量体が発生するという問題がある。このようなアクリル酸二量体を含む原料アクリル酸を使ってヒドロキシアルキルアクリレートを製造すると、アクリル酸二量体と酸化アルキレンからエステルが生成することがある。ところが従来、このエステルを不純物として認識し、これを低減する技術はなかった。
そこで本発明は、アクリル酸二量体と酸化アルキレンから生成するエステルの生成を抑制しつつ、保存安定性に優れたヒドロキシアルキルアクリレートを効率的に製造する方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、ヒドロキシアルキルアクリレートの保存中におけるアルキレングリコールジアクリレートの生成の原因は、不純物として混入するアクリル酸二量体と酸化アルキレンから生成するエステルであることを実験により突き止めた。その理由は必ずしも明らかではないが、上記エステルが保存中にアクリル酸とヒドロキシアルキルアクリレートに分解し、かかるアクリル酸とヒドロキシアルキルアクリレートが反応してアルキレングリコールジアクリレートになると考えられる。
また、本発明者らは、上記エステルが混入すると、ヒドロキシアルキルアクリレートの品質を著しく低下させることを見出した。詳しくは、ヒドロキシアルキルアクリレートはアクリル酸系樹脂を製造するためのモノマーの一つとして主に用いられ、その側鎖水酸基が架橋反応や官能基導入反応に有用である。ところが、ヒドロキシアルキルアクリレートに上記エステルが混入していると、重合反応中の熱により、例えばアクリル酸1分子とヒドロキシアルキルアクリレート1分子に分解し、反応液中のヒドロキシアルキルアクリレートなどの割合が変わってしまう。その結果、水酸基を利用して架橋反応や官能基導入を行う際、所望の特性が得られなくなるおそれがある。その一方で、ヒドロキシアルキルアクリレートを製造するための原料アクリル酸を保管していると、その二量体が不可避的に生成する。かかる二量体が酸化アルキレンと反応して生成するエステルは、目的化合物であるヒドロキシアルキルアクリレートから完全に除去することが難しいという問題がある。
さらに本発明者らは、アクリル酸二量体と酸化アルキレンから生成するエステルは原料化合物に含まれるアクリル酸二量体を原因とするものであり、当該二量体が所定量まで低減された原料化合物を用いることにより上記エステルの生成を顕著に低減できることを見出して、本発明を完成した。
本発明を以下に示す。
[1]アクリル酸二量体と酸化アルキレンから生成するエステルの含有量が0.10質量%以下であることを特徴とするヒドロキシアルキルアクリレート。
[2]アルキレングリコールジアクリレートの含有量が1.0質量%以下である上記[1]に記載のヒドロキシアルキルアクリレート。
[3]ヒドロキシアルキルアクリレートを製造するための方法であって、
触媒の存在下、アクリル酸と酸化アルキレンとを反応させる工程を含み、
原料アクリル酸として、アクリル酸二量体の含有濃度が3.00質量%以下であるものを用いることを特徴とする製造方法。
[4]さらに、原料アクリル酸におけるアクリル酸二量体の含有濃度が3.00質量%超である場合、当該濃度を3.00質量%以下に調整する工程を含む上記[3]に記載の製造方法。
[5]さらに、下記式から計算される、アクリル酸に対する酸化アルキレンのモル比を、1.000以上、10.00以下にする上記[3]または[4]に記載の製造方法。
AO/AAモル比=(AO質量/AO分子量)/({原料AA質量×[(100−AA二量体濃度)/100]}/AA分子量)
[式中、AOは酸化アルキレンを示し、AAはアクリル酸を示し、AO/AAモル比はアクリル酸に対する酸化アルキレンのモル比を示し、AO質量とAA質量の単位はgであり、AA二量体濃度の単位は質量%である]
[6]原料アクリル酸の初期仕込み量を全使用量の90質量%以下とし、酸化アルキレンの全部または一部の供給後、原料アクリル酸の残部を供給する上記[3]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]酸化アルキレンとして、酸化エチレンまたは酸化プロピレンを用いる上記[3]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートは、保存安定性に優れている。具体的には、保存中におけるアルキレングリコールジアクリレートの生成量が抑制されている。このアルキレングリコールジアクリレートは架橋剤として働くため、ヒドロキシアルキルアクリレートの保存中などに濁りやゲル化を引き起こす。本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートはアルキレングリコールジアクリレートの含有量が低減されているため、かかる濁りやゲル化が抑制されており、保存安定性が高い。
また、上記アルキレングリコールジアクリレートは、ヒドロキシアルキルアクリレートを重合する際にも架橋剤として働き、反応液の濁りや不所望なゲル化の原因となる。よって、本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートは、モノマー原料として高品質なものであるといえる。
さらに本発明方法によれば、適切な原料化合物を選択するか或いは原料化合物を事前調整するのみで、不純物であるアクリル酸二量体と酸化アルキレンとのエステルの生成を抑制しつつヒドロキシアルキルアクリレートを簡便に製造することができる。例えば、本発明者らは、上記エステルはヒドロキシアルキルアクリレートの保存安定性を損なうことを見出している。また、かかるエステルが混入したヒドロキシアルキルアクリレートをポリアクリル酸系樹脂の原料として使用する場合、所望の特性が得られなくなるおそれがある。その一方で、上記エステルは、目的化合物であるヒドロキシアルキルアクリレートから蒸留などの精製によりある程度は除去できるものの、比較的多く生成すると完全に除去することが難しいという問題がある。従って本発明は、高品質なヒドロキシアルキルアクリレートに関する技術として、産業上非常に優れている。
本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートは、不純物であるアクリル酸二量体と酸化アルキレンから生成するエステルの含有量が0.10質量%以下であることを特徴とする。より詳しくは、アクリル酸と酸化アルキレンからヒドロキシアルキルアクリレートを製造する際、アクリル酸2分子がミカエル付加し、生じたアクリル酸二量体が酸化アルキレンと反応し、下記のエステル化合物(I1)と(I2)が生成して不純物として混入する。以下、下記エステル化合物(I1)とエステル化合物(I2)をまとめて「エステル化合物(I)」という。
Figure 0006006801
[式中、R1とR2は独立して水素原子またはC1-4アルキル基を示す]
本発明において「C1-4アルキル基」は、炭素数1以上、4以下の直鎖状または分枝鎖状の一価飽和脂肪族炭化水素基をいう。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等である。好ましくはC1-2アルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
本発明者らは、ヒドロキシアルキルアクリレートに上記エステル化合物(I)が含まれていると、保存中にアルキレングリコールジアクリレートの量が経時的に増加することを見出した。その理由は必ずしも明らかではないが、上記エステル化合物(I)がアクリル酸とヒドロキシアルキルアクリレートに分解し、当該アクリル酸がヒドロキシアルキルアクリレートと反応してアルキレングリコールジアクリレートが生成することが考えられる。よって、本発明者らは、ヒドロキシアルキルアクリレート中の上記エステル化合物(I)の含有量を低減することによって、ヒドロキシアルキルアクリレートの保存安定性を向上させ得ることを見出した。
また、上記エステル化合物(I)が混入したヒドロキシアルキルアクリレートをモノマーの一つとして重合反応に付すと、上記エステル化合物(I)が原料化合物や重合反応物と脱水重合反応やエステル交換反応などを起こし、所望の重合体の構造が変化するため、目的とする重合体の特性に影響が出るという問題がある。かかる問題も、上記エステル化合物(I)の含有量が低減されている本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートを用いることにより解決される。
具体的には、本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートの上記エステル化合物(I)の含有量は、0.10質量%以下である。本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレート中の上記エステル化合物(I)の含有量が0.10質量%を超えると、ヒドロキシアルキルアクリレートの保存安定性が不十分となるおそれがある。また、重合反応や架橋反応などの際に上記エステル化合物(I)の水酸基が先に反応したり、原料モノマーや重合物と脱水重合反応などを起こしてしまい、所望の特性を有するポリアクリル酸系樹脂が得られなくなるため好ましくない。上記エステル化合物(I)の含有量としては、0.090質量%以下が好ましく、0.080質量%以下がより好ましく、0.070質量%以下がさらに好ましく、0.055質量%以下が特に好ましい。
一方、本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートの上記エステル化合物(I)の下限量は特に制限されず、0質量%であることが理想であるが、一般的なガスクロマトグラフィーの検出限界値である0.0001質量%以上であってもよく、0.0005質量%以上であってもよく、0.001質量%以上であってもよい。即ち、本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートは、上記エステル化合物(I)を0.0001質量%以上含有するものであってもよく、0.0005質量%以上含有するものであってもよく、0.001質量%以上含有するものであってもよい。
また、本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートは、不純物であるアルキレングリコールジアクリレートの含有量が1.0質量%以下であるものが好ましい。アルキレングリコールジアクリレートの化学構造を以下に示す。
Figure 0006006801
[式中、R1とR2は上記と同義を示す]
かかるアルキレングリコールジアクリレートは、上記エステル化合物(I)と同様に、ヒドロキシアルキルアクリレートの製品品質を貶める原因となる。当該含有量としては、0.8質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。上記不純物の下限量は特に制限されず、0質量%であることが理想であるが、0.01質量%以上であることが好ましい。
もちろん、本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートの純度は、高いほど好ましい。具体的には、本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートの純度としては、95.0質量%以上が好ましく、96.5質量%以上がより好ましく、97.5質量%以上、98.5質量%以上、99.5質量%以上がさらに好ましい。
本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートは、精製を十分に行うことにより上記エステル化合物(I)の含有量を所定値まで低減することによって製造することもできる。しかし、かかる方法では収率が低下してしまい、特に工業的な大量生産には適さない。そこで、本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートは、上記エステル化合物(I)の生成を抑制しつつ効率的にヒドロキシアルキルアクリレートを製造できる方法、特に本発明方法で製造することが好ましい。
本発明に係るヒドロキシアルキルアクリレートの製造方法は、触媒の存在下、アクリル酸と酸化アルキレンとを反応させる工程を含む。以下、本発明方法を実施の順番に従って説明する。なお、本発明では、明確化のため、一般的なアクリル酸に対して、原料として用いるアクリル酸を原料アクリル酸という場合がある。
本発明方法では、アクリル酸を原料化合物の一つとして用いる。アクリル酸の融点は比較的低いことから、反応時において、溶媒としての役目も果たすことができる。
本発明方法では、原料化合物であるアクリル酸として、アクリル酸二量体の含有濃度が3.00質量%以下であるものを用いる。アクリル酸を保管していると、アクリル酸二量体が生成し、その濃度は経時的に高まってしまう。本発明者らは、このアクリル酸二量体は、ヒドロキシアルキルアクリレートの製造時に酸化アルキレンと反応してエステル化し、上記エステル化合物(I)を生成することを見出したが、かかるエステル化合物(I)は、従来、不純物として全く認識されておらず、その生成原因も問題とされていなかった。ところが当該エステル化合物(I)は、ヒドロキシアルキルアクリレートの保存安定性を損なう。また、例えば蒸留などによる精製では完全に分離除去することはできない一方で、重合反応の際にヒドロキシアルキルアクリレートと同等の反応性を有し、また、熱により分解するので、目的化合物であるヒドロキシアルキルアクリレートの利用価値を貶める原因となる。しかし本発明では、上記エステル化合物(I)の生成原因が原料アクリル酸に含まれるアクリル酸二量体であるとの新規知見の下、上記のアクリル酸を用いることにより、アクリル酸二量体と酸化アルキレンから生成するエステル化合物(I)の目的化合物への混入を顕著に抑制し、保存安定性に優れたヒドロキシアルキルアクリレートを提供することができる。
なお、原料アクリル酸中のアクリル酸二量体の含有濃度は、例えば、原料アクリル酸を反応器に仕込む直前における濃度、より具体的には、反応器への原料アクリル酸の供給を開始する前から30分以内の濃度をいうものとする。
原料アクリル酸中のアクリル酸二量体の含有濃度の測定手段は特に制限されないが、例えば、ガスクロマトグラフィーで測定することができる。
原料アクリル酸中のアクリル酸二量体の含有濃度としては、2.00質量%以下がより好ましく、1.00質量%以下がさらに好ましく、0.80質量%以下がさらに好ましく、0.70質量%以下がさらに好ましく、0.50質量%以下がさらに好ましく、0.25質量%以下が特に好ましい。その下限は特に制限されず、0質量%または検出限界以下であることが好ましいが、上述したようにアクリル酸二量体は経時的に生成するものであり、その濃度を過剰に低減すると全体の生産効率がかえって低下するおそれがあり得るので、当該濃度としては0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。
上記原料アクリル酸を得る方法としては、常法を用いることができる。例えば、アクリル酸二量体の濃度が所望の範囲を超えている場合、当該濃度の低い原料アクリル酸と適宜混合し、当該濃度を所望の範囲内のものとすることができる。具体的には、複数の原料アクリル酸タンク中のアクリル酸二量体の濃度を測定し、アクリル酸二量体の濃度が所望の範囲を超えている原料アクリル酸と、当該濃度の低い原料アクリル酸とを混合することで、所望の範囲のアクリル酸二量体を含んだ原料アクリル酸を得ることができる。この際、保管温度とアクリル酸二量体の生成速度との関係を明らかにすれば、原料アクリル酸タンク中のアクリル酸二量体の濃度をおおよそ推定できるため、アクリル酸二量体の濃度を測定する工程を省くことができる。混合については、反応器に投入する直前に、配管、ラインミキサー、ミキシングタンクなどで行ってもよいし、保管タンク内で行ってもよい。また、公知の方法でアクリル酸二量体の分解処理を施すことによって、当該濃度を所望の範囲にすることもできる。
即ち、本発明製法においては、さらに、原料アクリル酸におけるアクリル酸二量体の含有濃度が3.00質量%超である場合、当該濃度を3.00質量%以下に調整する工程を実施することが好ましい。アクリル酸中の二量体の濃度は経時的に高まるが、二量体濃度の高い原料アクリル酸でも、例えば当該濃度の低いものと混合するなどして二量体濃度を低減した後に用いることにより、高品質のヒドロキシアルキルアクリレートの原料として積極的に有効利用することができる。
原料アクリル酸の保管時の温度は、アクリル酸二量体の生成を抑制するために、50℃以下とすることが好ましく、40℃以下がより好ましく、30℃以下がさらに好ましく、20℃以下が特に好ましい。一方、保管温度の下限は特に制限されないが、アクリル酸の融点が13.5℃であるので、13.5℃以上が好ましい。
原料アクリル酸を保管タンクに受け入れる場合、または保管タンクから払い出す場合において、移送配管内に原料アクリル酸が残存した状態で保管温度以上の温度で長期間経過すると、次に原料アクリル酸を受け入れる場合、または払い出す場合に配管内に残存した原料アクリル酸が保管タンクや反応器に入ることで想定よりもアクリル酸二量体濃度が高くなってしまうことがある。よって、原料アクリル酸の配管内での滞留期間は6ヶ月以内が好ましく、3ヶ月以内がより好ましく、1ヶ月以内がさらに好ましく、10日以内が特に好ましい。配管内での原料アクリル酸の滞留によるアクリル酸二量体の生成を避けるために、配管内に残った原料アクリル酸を抜き出す、或いは非凝縮性ガスで加圧するなどにより保管タンクに移送することがより望ましい。非凝縮性ガスとしては、空気、酸素、窒素などやこれらの混合物を用いることができる。なお、上記の保管温度と保管期間の範囲内で維持したものであれば、通常、公知の方法で得られる精製アクリル酸を、特に追加の処理を施すことなく、本発明の原料アクリル酸として使用することもできる。
酸化アルキレンは、酸化エチレン、または酸化エチレンのメチレン基上の水素原子がアルキル基に置換されている化合物をいうものとする。酸化アルキレンの炭素数としては2以上、6以下が好ましく、2以上、4以下がさらに好ましく、2または3が特に好ましい。即ち、酸化アルキレンとしては、酸化エチレンまたは酸化プロピレンが特に好ましい。
原料アクリル酸と酸化アルキレンの使用量は、適宜調整すればよい。例えば、原料アクリル酸1.0モルに対して酸化アルキレンを1.0モル以上、10モル以下とすることが好ましい。当該割合が1.0モル未満の場合は、原料アクリル酸と酸化アルキレンとの反応が進行し難くなるおそれがあり得る。また、当該割合が10モルを超えると、酸化アルキレンの回収工程などが必要となり経済的に不利益となるおそれがあり得る。当該割合としては、5.0モル以下がより好ましく、3.0モル以下がさらに好ましく、2.0モル以下が特に好ましい。
ヒドロキシアルキルアクリレートを製造する際には、上述したとおりアクリル酸二量体に由来するエステル化合物(I)が副生するほか、一般的に、アルキレングリコールの2つの水酸基にアクリル酸がそれぞれ結合したアルキレングリコールジアクリレートが副生することが知られている。本発明者らは、原料アクリル酸に含まれるアクリル酸に対する酸化アルキレンのモル比を厳密に調整することにより、アルキレングリコールジアクリレートの生成量を抑制できることを見出した。かかる不純物は、上記エステル化合物(I)と同様に、目的化合物であるヒドロキシアルキルアクリレートの製品品質を貶める原因となる。
原料アクリル酸に含まれるアクリル酸二量体の濃度も考慮して上記モル比を以下に示す範囲とすることにより、不純物であるアルキレングリコールジアクリレートの生成を顕著に抑制できる。即ち、下記式から計算される、原料アクリル酸に含まれるアクリル酸に対する酸化アルキレンのモル比を、1.000以上、10.00以下にすることが好ましい。当該モル比としては、1.010以上がより好ましく、また、5.000以下がより好ましく、2.500以下がさらに好ましく、2.000以下がさらに好ましく、1.500以下がさらに好ましく、1.200以下がさらに好ましく、1.100以下がさらに好ましく、1.055以下がさらに好ましい。当該上限値を1.055以下にすることで、アルキレングリコールジアクリレートの生成を特に顕著に抑制できるので好ましい。
AO/AAモル比=(AO質量/AO分子量)/({原料AA質量×[(100−AA二量体濃度)/100]}/AA分子量)
[式中、AOは酸化アルキレンを示し、AAはアクリル酸を示し、AO/AAモル比はアクリル酸に対する酸化アルキレンのモル比を示し、AO質量とAA質量の単位はgであり、AA二量体濃度の単位は質量%である]
本発明者らによる実験的知見によれば、理由は明らかでないが、アクリル酸に対する酸化アルキレンのモル比を上記範囲にすると、このアルキレングリコールジアクリレートの生成量を抑制できる。
アルキレングリコールジアクリレート(以下、「ジエステル」ということがある)の量が増大すると、ヒドロキシアルキルアクリレートを製造する際の反応工程や蒸留工程において重合が起こり、装置閉塞などのトラブルが発生する。また、このジエステルは目的物であるヒドロキシアルキルアクリレートと蒸気圧が近似しているため、いったん生成すると分離がほとんど不可能となる。そして、ジエステルの含有量の大きいヒドロキシアルキルアクリレートを製品として使用し、これを単独重合または他の共重合可能なモノマーと共重合すると、得られる重合体に濁りが発生したり、あるいは重合時に不所望なゲル化が起こる。よって、ヒドロキシアルキルアクリレートの製造においてアルキレングリコールジアクリレートの生成量自体を抑制できる技術は極めて有用である。
本発明方法においては、アクリル酸と酸化アルキレンとの反応を促進するための触媒を用いることが好ましい。かかる触媒は特に限定されないが、例えば、クロム化合物、鉄化合物、イットリウム化合物、ランタン化合物、セリウム化合物、タングステン化合物、ジルコニウム化合物、チタン化合物、バナジウム化合物、アルミニウム化合物、モリブデン化合物などの金属化合物;リン化合物;およびアミン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む触媒を挙げることができる。
触媒に用い得る金属化合物としては、例えば、上記金属の粉末;塩化物などのハロゲン化物;ギ酸塩、酢酸塩、アクリル酸塩などの有機酸塩;硝酸塩、硫酸塩などの無機酸塩;アセチルアセトンなどの配位体;プロポキシドやブトキシドなどのアルコキシドなどを挙げることができる。また、リン化合物としては、例えば、トリメチルホスフィンやトリフェニルホスフィンなどのアルキルホスフィン類やアリールホスフィン類、およびそのアクリル酸塩などの4級ホスホニウム塩なども用いることができる。
金属を含む触媒に加えてアミン化合物を併用することにより、触媒活性に相乗効果が見られ、反応転化率が高くなる上に反応選択率も高くなるなどの効果が得られる。このようなアミン化合物は、アミン官能基を分子内に有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、トリアルキルアミン化合物;ピリジンなどの環状アミン化合物;それらの第4級アミン塩;第3級アミノ基、第4級アンモニウム基およびピリジニウム基などの塩基性官能基を少なくとも1種含有する塩基性アニオン交換樹脂などを挙げることができる。
触媒としては、反応系に溶解する均一系触媒と、少なくとも一部が溶解しない不均一系触媒とがある。本発明においては、反応がより良好に進行することから、均一系触媒を用いることが好ましい。
触媒の使用量は特に制限されず、適宜調整すればよい。例えば、均一系触媒の場合、アクリル酸の総使用量に対して0.001モル%以上、10モル%以下が好ましい。当該割合が0.001モル%未満では、反応速度が小さすぎて反応時間が長くなり生産性が低下するおそれがあり得、10モル%を超えると、副生成物の反応選択性が高くなるおそれがあり得る。当該割合としては、0.005モル%以上がより好ましく、0.01モル%以上がさらに好ましく、また、5モル%以下がより好ましく、3モル%以下がさらに好ましい。不均一系触媒の場合、均一系触媒と同様の理由から、アクリル酸の総使用量に対して5質量%以上、80質量%以下とすることが好ましく、10質量%以上、70質量%以下がより好ましい。
本発明方法においては、アクリル酸や目的化合物であるヒドロキシアルキルアクリレートの重合を抑制するために、重合防止剤を用いることが好ましい。重合防止剤は特に限定されるわけではなく、アクリル酸やその誘導体の製造で一般的に用いられるものであれば使用可能である。例えば、ハイドロキノンやp−メトキシフェノールなどのフェノール化合物;N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのパラフェニレンジアミン類;フェノチアジンなどのフェニルアミン化合物;ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅などのジアルキルジチオカルバミン酸銅塩類;2,2,4,4−テトラメチルピペリジン−1−オキシルなどのN−オキシル化合物などを用いることができる。その他、分子状酸素を含む気体を用いてもよい。かかる気体としては、空気、酸素自体、酸素と不活性気体との混合気体などを用いることができる。分子状酸素を含む気体を用いる場合には、反応液中にバブリングするとよい。これら重合防止剤は1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合防止剤の使用量は、適宜調整すればよい。例えば、アクリル酸の総使用量に対して、0.0001質量%以上、1質量%以下が好ましく、0.001質量%以上、0.5質量%以下がより好ましい。
本発明方法においては、溶媒を用いてもよい。溶媒は適宜選択すればよく特に制限されないが、例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素や、ベンゼンやトルエンなどの芳香族炭化水素を用いることができる。
本発明方法では、触媒の存在下、アクリル酸と酸化アルキレンとを反応させる。また、必要に応じて、反応の促進や安定化のためその他の化合物を用いてもよい。但し、これら原料化合物の総使用量全部を最初から反応させてもよく、または、反応当初はその一部のみを用いてもよい。
例えば、均一系触媒は、一般的に、反応開始前に予め反応器へ全使用量を投入しておく。しかし、上述したアクリル酸に対する好適割合を満たすことができるなど、触媒活性が発揮される範囲であれば、初期の投入量は全使用量の一部であってもよい。その場合、残部は反応の進行途中で供給すればよい。また、均一系触媒の場合、原料アクリル酸または酸化アルキレンのいずれかに予め溶解させておいてから反応器へ供給してもよい。例えば、反応器とは別の溶解槽で原料アクリル酸に溶解し、原料アクリル酸と共に反応器に供給してもよい。
不均一触媒の場合も同様であり、反応当初から全量を用いてもよいし、或いは反応当初は総使用量の一部のみ反応器に供給し、残部は少しずつ添加してもよい。
重合防止剤は、アクリル酸や、目的化合物であるヒドロキシアルキルアクリレートの重合を防止するためのものである。よって、総使用量の全部を反応開始前に反応器へ供給してもよいし、原料アクリル酸の供給などに合わせ、一部ずつ供給してもよい。
反応時においては、アルキレングリコールジアクリレートなどの不純物が副生する場合がある。かかるジエステルの副生を防止する目的で、ジエステル生成防止剤を添加してもよい。ジエステル生成防止剤も、反応当初から全量を用いてもよいし、必要に応じ適宜分割して添加することができる。ジエステル生成防止剤としては、例えば、シュウ酸、無水シュウ酸、マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、サリチル酸、オクタン酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラデカンジカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸、1,6,7,12−ドデカンテトラカルボン酸、安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,3,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸およびその無水物;グリセリン、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、クレゾール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン、キシリトール、マンニトール、カテコール、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシトルエン、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、2,4−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、2,4,6−トリス(ヒドロキシメチル)フェノール、1,2,4,5−テトラヒドロキシベンゼン等の多価アルコール;エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン四酢酸、アセチルアセトン、クペロン、オキシン、ベンジジン、ジエチルジチオカルバミン酸等の金属キレート剤;などの群から選ばれた1種または2種以上の化合物を好ましく挙げることができる。なお、かかるジエステル生成防止剤は、以降の蒸留工程でも用いることができる。
原料アクリル酸は、反応当初から全量を用いてもよいが、総使用量の一部を初期に反応器へ供給し、反応開始後、さらに残部を少量ずつ供給することが好ましい。本発明者らの知見によれば、原料アクリル酸を反応当初から全量用いる場合よりも、少量ずつ用いる場合の方が、不純物である上記エステル化合物(I)やアルキレングリコールジアクリレートの生成をより一層抑制できる。
例えば、原料アクリル酸の初期仕込み量を総使用量の90質量%以下とし、酸化アルキレンの全部または一部を供給して反応を開始させた後、原料アクリル酸の残部を供給することが好ましい。即ち、反応当初には原料アクリル酸の総使用量の90質量%以下を添加し、いったん酸化アルキレンと反応させた後、残部を一度に添加するか、或いは2回以上に分けて添加してもよい。初期の仕込み量としては、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下が特に好ましい。また、当該量の下限は特に制限されないが、当該量が過剰に小さいと添加回数が増えて製造効率が低下するおそれがあり得るので、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、5質量%以上が特に好ましい。このように、原料化合物の一部ずつを複数回に分けて添加することを逐次添加という。また、原料アクリル酸を、一定の或いは不定の速度で、連続的に添加してもよい。さらに、一部の原料アクリル酸を一時に供給し、残部を連続的に供給してもよい。なお、少なくとも反応初期において原料アクリル酸を連続的に供給する場合は、反応混合物の温度を上げて反応を開始する際における原料アクリル酸の量が総使用量の90質量%以下であれば、「原料アクリル酸の初期仕込み量を総使用量の90質量%以下にする」との要件を満たすものとする。また、初期仕込み量とは、後述する反応の開始のときにおいて、反応器内に存在する原料化合物の量をいうものとする。
本発明方法においては、原料化合物であるアクリル酸中の二量体を低減することにより、不純物である当該二量体と酸化アルキレンとの反応体であるエステル化合物(I)の生成を抑制している。それに加え、本発明者らの実験的知見によれば、その理由は明らかではないが、原料アクリル酸の総使用量の全量を当初から反応器へ添加するよりも、総使用量の一部を初期に反応器へ供給し、さらに残部を少量ずつ加えることにより、上記エステル化合物(I)のみならず、アルキレングリコールジアクリレートの生成をもさらに低減できる。その理由としては、アクリル酸がこれら不純物の生成を促進する原因の一つである可能性がある。そこで、上記のようにして、反応液に含まれる見かけ上の酸の量を抑制することにより、これら不純物の生成をより一層抑制することができる。
初めに添加する酸化アルキレンの全供給量の一部を原料アクリル酸の初期仕込み分と共に仕込んでおいて反応させた場合は、反応を開始してから0.01時間以上、5時間以下経過した時点で残りの原料アクリル酸と残りの酸化アルキレンとを添加することが好ましい。上記範囲外の場合は、酸化アルキレンの二付加体であるジアルキレングリコールモノアクリレートが副生するおそれがあり得、蒸留収率または純度が低下するおそれがあり得る。当該時間としては0.1時間以上、4時間以下がより好ましい。また、当該時間としては3時間以下がさらに好ましく、2時間以下がさらに好ましく、1時間以下が特に好ましい。
残りの原料アクリル酸と酸化アルキレンは、0.1時間以上、5時間以下かけて添加することが好ましい。当該添加時間が0.1時間未満の場合は、時間当たりに発生する反応熱量が大きくなるため、冷却のための熱交換器を大きくしなければならないなど、経済的に不利益となるおそれがあり得る。一方、5時間を超える場合は、生産性が低下するおそれがあり得る。当該添加時間としては、4時間以下がより好ましく、3時間以下がさらに好ましい。
原料化合物であるアクリル酸、酸化アルキレン、その他、触媒や重合防止剤などの添加順序は特に問わないが、例えば酸化エチレンの沸点は10.7℃であり、通常、室温で気体であることから、原料アクリル酸に溶解するように添加することが好ましい。例えば、総使用量の少なくとも一部の触媒、重合防止剤および原料アクリル酸の混合物へ、酸化アルキレンを供給することが好ましい。
酸化アルキレンは、総使用量の全部を一時に供給してもよいが、未反応の酸化アルキレンが大量に存在すると燃焼するおそれがあり得るので、逐次的または連続的に供給することが好ましく、連続的に供給することがより好ましい。
反応は、総使用量の少なくとも一部の原料アクリル酸および酸化アルキレンを含む混合物の温度を、40℃以上とすることにより開始する。より具体的には、当該混合物を昇温して40℃以上にしてもよいし、或いは、総使用量の少なくとも一部の原料アクリル酸を含む混合物を昇温して40℃以上にした後、酸化アルキレンを添加してもよい。
反応温度は、通常、40℃以上、120℃以下とする。反応温度が40℃未満の場合には、反応速度が小さすぎて未反応の酸化アルキレンの気相中のガス濃度が高くなり、爆発するおそれがあり得、安全を確保するために気相部を不活性ガスで希釈し、酸化アルキレンの気相中のガス濃度を下げる必要があり操作が煩雑になり得る。その場合、反応器の設計圧力を高くする必要があり、経済的にも不利益となるおそれがあり得る。或いは、酸化アルキレンの供給速度を遅くし、未反応の酸化アルキレンの濃度を下げる方法もあるが、反応時間が長くなり生産性が低下するおそれがあり得る。一方、反応温度が120℃を超えると、不純物である上記エステル化合物(I)やアルキレングリコールジアクリレートの副生を抑制することが困難になるおそれがあり得る。反応温度としては、50℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましく、70℃以上がさらに好ましく、また、110℃以下がより好ましく、100℃以下がさらに好ましい。
反応時間も適宜調整すればよいが、例えば、各原料化合物の総使用量全てを反応器に供給した後、30分間以上、10時間以下反応させる。また、原料アクリル酸などを反応器へ逐次的に供給する場合には、原料化合物の総使用量を反応器へ供給し終えた後、30分間以上、10時間以下反応させてもよい。
各原料化合物の総使用量全てを反応器に供給した後、反応時間を短縮する目的で反応温度を高くしてもよい。例えば、アクリル酸や酸化アルキレンを添加する際の反応温度よりも、1℃以上、30℃以下高くすることが好ましい。この温度が30℃を超えると、反応終了後の触媒活性が低下するおそれがあり得る。当該温度としては、5℃以上、20℃以下がより好ましい。
反応時の反応器内の圧力は使用する原料の種類やその使用割合にもよるが、一般には加圧下で反応を行うことが好ましい。しかしながら、反応圧の上昇に伴い燃焼範囲が拡大することでの危険性も存在する。初期仕込み量、初期圧とその後の原料供給に伴う反応器内部の気相部の圧縮による圧力上昇や未反応の酸化アルキレンの分圧によって反応が異なるが、圧力としては、例えばゲージ圧で0.01MPa以上、1.5MPa以下が好ましく、0.05MPa以上、1.0MPa以下がより好ましい。
反応は、反応液中に残存するアクリル酸の量を測定し、当該量が総使用量に対して所定量以下となった場合に終了させればよい。当該所定量としては、0.2質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。反応を終了させるには、反応液を40℃未満に冷却すればよい。
反応液中に残存するアクリル酸濃度の測定方法は、特に限定されないが、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーや中和滴定などで測定することが好ましく、およそ10分以内で速やかに測定できる点で中和滴定がより好ましい。中和滴定は一般的な酸塩基滴定でよい。この方法で求められる濃度は、反応液中に残存する原料アクリル酸に加え、アルカリで滴定できるその他の酸性不純物との合計の濃度であるが、反応液中に含まれる酸性不純物の量はアクリル酸に比べて極めて少ない。そこで、本発明においては、反応液中に含まれるアクリル酸の濃度は、反応液中に含まれる酸成分が全てアクリル酸であると仮定して、酸塩基滴定により求めることができるものとする。
反応終了後においては、特に制限されるものではないが、例えば、目的化合物であるヒドロキシアルキルアクリレートを反応液から蒸留して回収することができる。具体的には、汎用の蒸留塔、充填塔や泡鐘塔、多孔板塔などの精留塔などを用いて蒸留する方法が採用できるが、これらに限定はされない。蒸留精製する際は、他の精製手段、例えば回転薄層式蒸発器を併用することもできる。蒸留精製する際の条件は適宜調整すればよいが、例えば、絶対圧力を1hPa以上、50hPa以下、温度を50℃以上、120℃以下、蒸留時間を0.5時間以上、24時間以下とすることができる。絶対圧力としては、20hPa以下が好ましく、10hPa以下がより好ましい。蒸留温度としては、60℃以上、100℃以下が好ましい。蒸留時間としては、1時間以上が好ましく、また、12時間以下が好ましく、6時間以下がより好ましく、3時間以下がさらに好ましい。
蒸留においては、突沸を防止する目的で気体バブリングを行ってもよい。このバブリングの量について特に制限というものはないが、例えばバブリング量が多い場合には高真空条件での蒸留の際に負荷となり得るため種々の条件にあったものが好ましい。例えば、バブリングのための気体投入量は、蒸発体積量に対して10容積%以下が好ましく、0.1容積%以上が好ましい。
生成したヒドロキシアルキルアクリレートを全て蒸留しようとすると、不純物が混入する可能性が高くなる。よって、ヒドロキシアルキルアクリレートの場合、蒸留に付す反応液に対して95%以下のヒドロキシアルキルアクリレートが得られた時点で、蒸留を止めることが好ましい。当該割合を留出率という場合がある。留出率としては、ヒドロキシアルキルアクリレートの場合、92%以下がより好ましい。留出率の下限は特に制限されないが、低過ぎると製造効率が低下するおそれがあり得るので、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、88%以上がさらに好ましい。
目的化合物であるヒドロキシアルキルアクリレートを蒸留した後の残部には触媒が含まれており、場合によっては重合防止剤が残留していることもある。本発明では、上記反応を2回以上繰返し、かかる触媒および重合防止剤を、次回以降の反応において、触媒および重合防止剤の全部または一部として用いることが好ましい。かかる態様により、触媒などの使用量を低減して製造コストを抑えることができ、また、原料化合物由来の新たな水分が持ち込まれることを防止することもできる。
ヒドロキシアルキルアクリレートを蒸留した後の残部は、通常、液体である。しかし、熱履歴により粘度の上昇や副生物の増加など液性状の悪化が懸念される。よって、当該残部は、蒸留温度以下に維持することが好ましく、5日以上の長期保存を行う場合には50℃以下に維持することが好ましい。なお、蒸留の際にも、反応で用いた重合防止剤は有効に働く。
以上で説明した本発明方法によれば、アクリル酸二量体と酸化アルキレンから生成するエステル化合物(I)を抑制しつつ、目的物であるヒドロキシアルキルアクリレートを有効に製造することができる。即ち、本発明方法により製造されたヒドロキシアルキルアクリレートは、不純物である上記エステル化合物(I)の含有量が抑制されている。上記エステル化合物(I)はヒドロキシアルキルアクリレートの保存安定性を損なうので、例えば本発明方法で得られたヒドロキシアルキルアクリレートは、保存安定性に優れている。また、本発明方法で得られたヒドロキシアルキルアクリレートをポリアクリル酸系樹脂製造用のモノマーの一つとして用い、さらに当該ポリアクリル酸系樹脂の側鎖水酸基を利用して架橋したり官能基を導入する場合、副反応を抑制することができる。
本願は、2012年9月24日に出願された日本国特許出願第2012−210108号に基づく優先権の利益を主張するものである。2012年9月24日に出願された日本国特許出願第2012−210108号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」をいうものとする。また、本発明において「留出率」とは、蒸留などにより目的化合物などある成分を分離した際に、元の反応液の質量に対する留出量の質量割合をいう。
ガスクロマトグラフィーの測定条件は、以下のとおりである。
(1) 原料アクリル酸中のアクリル酸二量体の測定条件
ガスクロマトグラフ: GC−17A(島津製作所製)
カラム: DB−WAX (J&W SCIENTIFIC製,内径0.25mm,長さ60m)
インジェクション温度: 250℃
(2) ヒドロキシアルキルアクリレート中のアクリル酸二量体と酸化アルキレンから生成するエステル、およびアルキレングリコールジアクリレートの測定条件
ガスクロマトグラフ: GC−17A(島津製作所製)
カラム: DB−1701(J&W SCIENTIFIC製,内径0.53mm,長さ30m)
インジェクション温度: 250℃
実施例1 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
(1) 原料アクリル酸の分析
本願出願人の工場内で製造され、タンクに保管されていたアクリル酸をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アクリル酸二量体濃度は0.10質量%であった。
(2) エステル化反応
上記原料アクリル酸(日本触媒社製)658g、触媒として酢酸クロム2.62g、および、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル1.44gを、容量1.5リットルの撹拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。当該オートクレーブの気相を窒素ガスで置換した後、反応液の温度を50℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、反応液の温度を50℃に維持しつつ、酸化エチレン(日本触媒社製,430.0g,純粋アクリル酸に対するモル比:1.070)287.0gを約60分かけて供給した後、供給速度を変更し、143.0gを約120分かけて供給した。酸化エチレンの供給後、反応温度を70℃に昇温し、経時的にサンプリングして未反応アクリル酸濃度を測定しながら反応させた。酸化エチレンの供給完了から3時間後、反応液全体に対する未反応アクリル酸が0.10質量%となったところで反応液を40℃まで冷却することにより反応を終了させた。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.20質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの付加反応生成物の濃度は0.11質量%であった。
(3) 蒸留精製
得られた反応液にマレイン酸を0.66g加えた後、1.5Lのガラス製丸底フラスコに移し、真空蒸留装置にセットした。空気を10mL/minの速度でバブリングしながら、真空度2〜10hPa、内温60〜100℃に加熱しながら3時間蒸留することにより、ヒドロキシエチルアクリレートを留出率90%で得た。
得られたヒドロキシエチルアクリレートをガスクロマトグラフィーによって分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.20質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの付加反応生成物の濃度は0.005質量%であった。
(4) 保存安定性試験
上記ヒドロキシエチルアクリレートを容量50mLのガラス製スクリュー管に30.0g入れ、ふたをし60℃の恒温槽に入れて保存安定性を試験した。試験開始から90日後、サンプルを約1g採取しガスクロマトグラフィーにより分析したところエチレングリコールジアクリレート濃度は0.54質量%であった。
実施例2 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
(1) 原料アクリル酸の分析
本願出願人の工場内で製造され、タンクに保管されていたアクリル酸をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アクリル酸二量体濃度は2.73質量%であった。
(2) エステル化反応
上記原料アクリル酸(日本触媒社製)658g、触媒として酢酸クロム2.62g、および、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル1.44gを、容量1.5リットルの撹拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。当該オートクレーブの気相を窒素ガスで置換した後、反応液の温度を50℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、反応液の温度を50℃に維持しつつ、酸化エチレン(日本触媒社製,418.5g,純粋アクリル酸に対するモル比:1.070)279.3gを約60分かけて供給した後、供給速度を変更し、139.2gを約120分かけて供給した。酸化エチレンの供給後、反応温度を70℃に昇温し、経時的にサンプリングして未反応アクリル酸濃度を測定しながら反応させた。酸化エチレンの供給完了から3時間後、反応液全体に対する未反応アクリル酸が0.10質量%となったところで反応液を40℃まで冷却することにより反応を終了させた。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.20質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの付加反応生成物の濃度は2.20質量%であった。
(3) 蒸留精製
得られた反応液にマレイン酸を0.66g加えた後、1.5Lのガラス製丸底フラスコに移し、真空蒸留装置にセットした。空気を10mL/minの速度でバブリングしながら、真空度2〜10hPa、内温60〜100℃に加熱しながら3時間蒸留することにより、ヒドロキシエチルアクリレートを留出率90%で得た。
得られたヒドロキシエチルアクリレートをガスクロマトグラフィーによって分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.20質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの付加反応生成物の濃度は0.10質量%であった。
(4) 保存安定性試験
上記ヒドロキシエチルアクリレートを容量50mLのガラス製スクリュー管に30.0g入れ、ふたをし60℃の恒温槽に入れて保存安定性を試験した。試験開始から90日後、サンプルを約1g採取しガスクロマトグラフィーにより分析したところエチレングリコールジアクリレート濃度は0.60質量%であった。
比較例1 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
(1) 原料アクリル酸の分析
本願出願人の工場内で製造され、タンクに保管されていたアクリル酸をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アクリル酸二量体濃度は4.09質量%であった。
(2) エステル化反応
上記原料アクリル酸(日本触媒社製)658g、触媒として酢酸クロム2.62g、および、重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル1.44gを、容量1.5リットルの撹拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。当該オートクレーブの気相を窒素ガスで置換した後、反応液の温度を50℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、反応液の温度を50℃に維持しつつ、酸化エチレン(日本触媒社製,412.8g,純粋アクリル酸に対するモル比:1.070)275.5gを約60分かけて供給した後、供給速度を変更し、137.3gを約120分かけて供給した。酸化エチレンの供給後、反応温度を70℃に昇温し、経時的にサンプリングして未反応アクリル酸濃度を測定しながら反応させた。酸化エチレンの供給完了から3時間後、反応液全体に対する未反応アクリル酸が0.10質量%となったところで反応液を40℃まで冷却することにより反応を終了させた。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.20質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの付加反応生成物の濃度は3.31質量%であった。
(3) 蒸留精製
得られた反応液にマレイン酸を0.66g加えた後、1.5Lのガラス製丸底フラスコに移し、真空蒸留装置にセットした。空気を10mL/minの速度でバブリングしながら、真空度2〜10hPa、内温60〜100℃に加熱しながら3時間蒸留することにより、ヒドロキシエチルアクリレートを留出率90%で得た。
得られたヒドロキシエチルアクリレートをガスクロマトグラフィーによって分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.20質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの付加反応生成物の濃度は0.15質量%であった。
(4) 保存安定性試験
上記ヒドロキシエチルアクリレートを容量50mLのガラス製スクリュー管に30.0g入れ、ふたをし60℃の恒温槽に入れて保存安定性を試験した。試験開始から90日後、サンプルを約1g採取しガスクロマトグラフィーにより分析したところエチレングリコールジアクリレート濃度は0.63質量%であった。
上記実施例1,2と比較例1の保存安定性試験の結果を比較すると、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の濃度が高くなるほどエチレングリコールジアクリレートの増加速度が速くなっている。また、比較例1に比べ、実施例2ではエチレングリコールジアクリレートの生成が約4.8質量%抑制されており、実施例1では約14.3質量%抑制されている。その分、製造されたヒドロキシエチルアクリレートの保存時における濁りやゲル化が軽減され、また、製造されたヒドロキシエチルアクリレートを用いて重合する際、反応液の濁りや不所望のゲル化が軽減されることが期待できる。
これらの結果から、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の濃度とエチレングリコールジアクリレートの増加速度には相関関係があることが示唆された。その理由の一つとして、必ずしも明らかではないが、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物が熱により分解されてアクリル酸が生じ、生じたアクリル酸によりエチレングリコールジアクリレートが生成することが考えられる。
実施例3 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
(1) 原料アクリル酸の分析
本願出願人の工場内で製造され、タンクに保管されていたアクリル酸をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アクリル酸二量体濃度は0.10質量%であった。
(2) エステル化反応
上記原料アクリル酸(日本触媒社製)420g、触媒として酢酸クロム2.10g、および、重合防止剤としてフェノチアジン0.42gを、容量1リットルの撹拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。当該オートクレーブの気相を窒素ガスで置換した後、反応液の温度を80℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、反応液の温度を80℃に維持しつつ、酸化エチレン(日本触媒社製,270g,純粋アクリル酸に対するモル比:1.053)を90g/hの速度で約3時間かけて供給した。酸化エチレンの供給後、反応温度を80℃に保ったまま、経時的にサンプリングして未反応アクリル酸濃度を測定しながら反応させた。酸化エチレンの供給完了から2.2時間後、反応液全体に対する未反応アクリル酸が0.10質量%となったところで反応液を40℃まで冷却することにより反応を終了させた。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.40質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの付加反応生成物の濃度は0.60質量%であった。
(3) 蒸留精製
得られた反応液にマレイン酸を0.53g加えた後、1Lのガラス製丸底フラスコに移し、真空蒸留装置にセットした。空気を10mL/minの速度でバブリングしながら、真空度2〜10hPa、内温60〜100℃に加熱しながら3時間蒸留することにより、ヒドロキシエチルアクリレートを留出率90%で得た。
得られたヒドロキシエチルアクリレートをガスクロマトグラフィーによって分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.4質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの付加反応生成物の濃度は0.027質量%であった。
実施例4 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
(1) 原料アクリル酸の分析
本願出願人の工場内で製造され、タンクに保管されていたアクリル酸をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アクリル酸二量体濃度は0.90質量%であった。
(2) エステル化反応
上記実施例3(2)において、上記原料アクリル酸(日本触媒社製)を用いた以外は同様にして、エステル化反応を行った。但し、反応中における未反応アクリル酸の測定は行わず、酸化エチレンの供給完了からの反応時間を上記実施例3(2)と同じ2.2時間とした。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.46質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の濃度は1.23質量%と、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の生成量が増加した。
(3) 蒸留精製
得られた反応液からヒドロキシエチルアクリレートを上記実施例3(3)と同様の条件で蒸留精製したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.46質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の濃度は0.058質量%であった。かかる結果のとおり、上記実施例3に比べて不純物濃度は上がったが、その増加分は、蒸留により低減できる程度のものであった。
実施例5 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
(1) 原料アクリル酸の分析と調製
上記実施例3を行った日から約3ヶ月間、タンク内のアクリル酸量を増減させることなく約20℃で保管した後、このアクリル酸をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アクリル酸二量体濃度は1.30質量%であった。
このアクリル酸を、アクリル酸二量体濃度0.05質量%のアクリル酸(日本触媒社製)と混合することにより、アクリル酸二量体濃度を0.20質量%とした。
(2) エステル化反応
上記実施例3(2)において、上記原料アクリル酸を用いた以外は同様にして、エステル化反応を行った。なお、未反応アクリル酸が0.10質量%になった時点は、上記実施例3(2)と同じく酸化エチレンの供給完了から2.2時間であった。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.40質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の濃度は0.68質量%であった。
(3) 蒸留精製
得られた反応液からヒドロキシエチルアクリレートを上記実施例3(3)と同様の条件で蒸留精製したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.40質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の濃度は0.031質量%であった。
実施例6 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
(1) エステル化反応
上記実施例3(2)において、上記実施例5(1)のとおり約3ヶ月保管したアクリル酸をそのまま用いた以外は同様にして、エステル化反応を行った。但し、反応中における未反応アクリル酸の測定は行わず、酸化エチレンの供給完了からの反応時間を上記実施例3(2)と同じ2.2時間とした。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.46質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの付加反応生成物の濃度は1.55質量%と、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の生成量が増加した。
(2) 蒸留精製
得られた反応液からヒドロキシエチルアクリレートを上記実施例3(3)と同様の条件で蒸留精製したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.46質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の濃度は0.073質量%であった。かかる結果のとおり、上記実施例5に比べて不純物濃度は上がったが、その増加分は、蒸留により低減できる程度のものであった。
実施例7 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
(1) エステル化反応
原料アクリル酸としてアクリル酸二量体を0.70質量%含むもの(日本触媒社製)を用いた。このアクリル酸420kg、触媒として酢酸クロム2.10kg、および、重合防止剤としてフェノチアジン0.42kgを、容量1m3の撹拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。当該オートクレーブの気相を窒素ガスで置換した後、反応液の温度を80℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、反応液の温度を80℃に維持しつつ、酸化エチレン(日本触媒社製,270kg,純粋アクリル酸に対するモル比:1.059)を90kg/hの速度で約3時間かけて供給した。反応温度を80℃に保ったまま、経時的にサンプリングして未反応アクリル酸濃度を測定しながら反応させた。酸化エチレンの供給完了から2.2時間後、未反応アクリル酸が0.10質量%となったところで反応液を40℃まで冷却することにより反応を終了させた。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.46質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの付加反応生成物の濃度は1.07質量%であった。
(2) 蒸留精製
得られた反応液にマレイン酸を0.53kg加えた後、容量1m3の蒸留器へ移し、真空度2〜10hPaで、内温60〜100℃に加熱しながら3時間蒸留することにより、ヒドロキシエチルアクリレートを留出率90%で得た。
得られたヒドロキシエチルアクリレートをガスクロマトグラフィーによって分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.46質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの付加反応生成物の濃度は0.049質量%であった。
実施例8 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
(1) エステル化反応
下記式で計算される、アクリル酸に対する酸化アルキレンのモル比が実施例3(2)の場合と同じ1.053となるように、酸化エチレンの使用量を決定した。なお、上記実施例7の当該モル比は、1.059である。
AO/AAモル比=(AO質量/AO分子量)/({原料AA質量×[(100−AA二量体濃度)/100]}/AA分子量)
[式中、AOは酸化アルキレンを示し、AAはアクリル酸を示し、AO/AAモル比はアクリル酸に対する酸化アルキレンのモル比を示し、AO質量とAA質量の単位はgであり、AA二量体濃度の単位は質量%である]
原料アクリル酸としては、実施例7の場合と同じアクリル酸を使用した。このアクリル酸(日本触媒社製)420kg、触媒として酢酸クロム2.10kg、および、重合防止剤としてフェノチアジン0.42kgを、容量1m3の撹拌機付きSUS−316製オートクレーブに供給した。当該オートクレーブの気相を窒素ガスで置換した後、反応液の温度を80℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、反応液の温度を80℃に維持しつつ、酸化エチレン(日本触媒社製,268kg,純粋アクリル酸に対するモル比:1.053)を89kg/hの速度で約3時間かけて供給した。反応温度を80℃に保ったまま、経時的にサンプリングして未反応アクリル酸濃度を測定しながら反応させた。酸化エチレンの供給完了から2.2時間後、未反応アクリル酸が0.10質量%となったところで反応液を40℃まで冷却することにより反応を終了させた。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.40質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの付加反応生成物の濃度は1.08質量%であった。
(2) 蒸留精製
得られた反応液にマレイン酸0.53kgを加えた後、容量1m3の蒸留器へ移し、真空度2〜10hPa、内温60〜100℃に加熱しながら3時間蒸留することにより、ヒドロキシエチルアクリレートを留出率90%で得た。
得られたヒドロキシエチルアクリレートをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.40質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の濃度は0.049質量%であった。
実施例7と実施例8の結果を比較すると、アクリル酸二量体濃度が同じアクリル酸を原料として用いる場合であっても、そのアクリル酸二量体濃度に合わせて酸化アルキレンの使用量を調整すれば、エチレングリコールジアクリレートの生成量や目的化合物へのエチレングリコールジアクリレートの混入量を低減できることが明らかとなった。
実施例9 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
(1) エステル化反応
原料アクリル酸としては、実施例3の場合と同じアクリル酸を使用した。このアクリル酸の総使用量816kgのうち272kgのアクリル酸と、触媒として酢酸クロム4.90kg、および、重合防止剤としてフェノチアジン0.82kgを、容量2m3の撹拌機付き反応器に供給した。当該反応器の気相を窒素ガスで置換した後、反応液の温度を85℃に上げ、内部をゲージ圧で0.1MPaに加圧した。次いで、酸化エチレン210.2kgを262.7kg/hで0.8時間かけて供給した。その後、反応液の温度を85℃に維持しつつ、アクリル酸544kgを453.3kg/hで、酸化エチレン314.8kgを262.7kg/hで共に1.2時間かけて供給した。アクリル酸と酸化エチレンの供給終了後における反応液の温度を85℃で一定にして、未反応アクリル酸が0.10重量%になるまで反応を継続した。2.0時間反応を継続することで、未反応アクリル酸が0.10重量%になったので、反応液を40℃まで冷却した。得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.24重量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の濃度は0.27重量%であった。
(2) 蒸留精製
得られた反応液にマレイン酸1.24kgを加えた後、容量2m3の蒸留器へ移し、真空度2〜10hPa、内温60〜100℃に加熱しながら3時間蒸留することにより、ヒドロキシエチルアクリレートを留出率90%で得た。
得られたヒドロキシエチルアクリレートをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.24質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の濃度は0.012質量%であった。
実施例10 ヒドロキシエチルアクリレートの製造
(1) エステル化反応
上記実施例9を行った日から約3ヶ月間、タンク内のアクリル酸量を増減させることなく約20℃で保管した後、このアクリル酸をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アクリル酸二量体濃度は1.3質量%であった。
上記実施例9(1)において、上記アクリル酸を用いた以外は同様にして、エステル化反応を行った。但し、反応中における未反応アクリル酸の測定は行わず、酸化エチレンの供給完了からの反応時間を上記実施例9(1)と同じ2.0時間とした。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.27質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の濃度は1.22質量%であった。
(2) 蒸留精製
得られた反応液からヒドロキシエチルアクリレートを上記実施例9(2)と同様の条件で蒸留精製したところ、エチレングリコールジアクリレート濃度は0.27質量%、アクリル酸二量体と酸化エチレンの反応生成物の濃度は0.056質量%であった。かかる結果のとおり、上記実施例9に比べて不純物濃度は上がったが、その増加分は、蒸留により低減できる程度のものであった。

Claims (4)

  1. ヒドロキシアルキルアクリレートを製造するための方法であって、
    触媒の存在下、アクリル酸と酸化アルキレンとを反応させる工程を含み、
    原料アクリル酸として、アクリル酸二量体の含有濃度が3.00質量%以下であるものを用い、且つ、
    下記式から計算される、アクリル酸に対する酸化アルキレンのモル比を、1.010以上、1.055以下にすることを特徴とする製造方法。
    AO/AAモル比=(AO質量/AO分子量)/({原料AA質量×[(100−AA二量体濃度)/100]}/AA分子量)
    [式中、AOは酸化アルキレンを示し、AAはアクリル酸を示し、AO/AAモル比はアクリル酸に対する酸化アルキレンのモル比を示し、AO質量とAA質量の単位はgであり、AA二量体濃度の単位は質量%である]
  2. さらに、原料アクリル酸におけるアクリル酸二量体の含有濃度が3.00質量%超である場合、当該濃度を3.00質量%以下に調整する工程を含む請求項に記載の製造方法。
  3. 原料アクリル酸の初期仕込み量を全使用量の90質量%以下とし、酸化アルキレンの全部または一部の供給後、原料アクリル酸の残部を供給する請求項またはに記載の製造方法。
  4. 酸化アルキレンとして、酸化エチレンまたは酸化プロピレンを用いる請求項のいずれかに記載の製造方法。
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