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JP6083301B2 - 映像源ユニット、液晶表示装置 - Google Patents

映像源ユニット、液晶表示装置 Download PDF

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JP6083301B2 JP2013074700A JP2013074700A JP6083301B2 JP 6083301 B2 JP6083301 B2 JP 6083301B2 JP 2013074700 A JP2013074700 A JP 2013074700A JP 2013074700 A JP2013074700 A JP 2013074700A JP 6083301 B2 JP6083301 B2 JP 6083301B2
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Description

本発明は、液晶パネルを含み、映像を観察者側に出射可能とする映像源ユニット、及びこれを用いた液晶表示装置に関する。
液晶テレビ等の液晶表示装置は、映像情報を含む液晶パネルに対して、該液晶パネルの背面側に配置された面光源装置(バックライト)から光を供給し、これを照明として用いることで映像光を観察者に提供する。
このような面光源装置として例えば特許文献1乃至3に記載の技術が開示されている。これによれば、面光源装置は、蛍光灯やLEDによる光源、光源を面状に広げて出光する導光板、及び光を所定の方向に偏向するプリズムシートを有して構成される。
このうち、プリズムシートは、導光板の出光面と液晶パネルとの間に配置され、光が液晶パネルを効率よく透過できるように導光板からの光を偏向するものである。そのためにプリズムシートには導光板側、すなわち入光側に複数の単位プリズムが配列してある。
一方、プリズムシートのうち、単位プリズムが配置されない出光面側には、特許文献1に記載のように、干渉縞の発生を防止し、キズ等の外観の不具合を隠すために光拡散剤を含有させた層を積層している。特許文献2、3は、このような光拡散剤を含ませた層を設けることにより生じるギラツキを防止するための条件を開示している。
特開2013−3258号公報 特開2008−134631号公報 特開2009−37984号公報
ここで、ギラツキは次のように定義されている。ギラツキはシンチレーションとも呼ばれ、表示装置の画面を点灯した際、画面に細かい輝度のむらが現れ、視角を変えていくとその輝度むらの位置が移り変わっていくように見える現象である。
特許文献1に記載の技術は干渉縞防止、及び傷隠蔽性に対するものであり、ギラツキに対しては何ら考慮されておらず示唆されていない。
特許文献2、3に記載の技術は、ギラツキ(シンチレーション)を防止する条件を開示している。しかしながら、シンチレーションは、プリズムシートの出光面における光拡散と液晶パネルとの組み合わせや配置により発生の有無、発生の程度が異なる。従って、特許文献2、3の技術ではそのうちの一部の条件下でシンチレーションを抑制することができるが、この条件によりシンチレーションを抑制することができるないこともあり設計の自由度を広げることができなかった。
また、シンチレーションは感覚的な評価に留まり、定量的に評価してその発生及び程度を明確にすることが望まれていた。
そこで本発明は、より設計自由度が高く、シンチレーションを低く抑えることができる映像源ユニットを提供することを課題とする。また、これを用いた液晶表示装置を提供する。
以下、本発明について説明する。なお、ここでは本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、面光源装置(20)と、面光源装置の出光側に配置される液晶パネル(15)と、を備え、面光源装置には、光源(25)と、光源より出光側に配置されるプリズムシート(30)と、を備え、プリズムシートは、その光源側の面には複数の凸状の単位プリズム(32a)がシート面に沿って並列され、液晶パネル側の面には光拡散層(33)が設けられており、液晶パネルの出光面において、シンチレーション指標=色温度の偏差/色温度の平均値で定義されるシンチレーション指標が0.110以下の映像源ユニット(10)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の映像源ユニット(10)において、シンチレーション指標が0.100以上である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の映像源ユニット(10)と、映像源ユニットを内側に含む筐体と、を備える、液晶表示装置である。
本発明によれば、設計自由度が高く、シンチレーションを低く抑えることができる。
1つの形態にかかる映像源ユニットを説明する分解斜視図である。 映像源ユニットの1つの断面(図1のII−IIに沿った断面)を示す分解図である。 映像源ユニットの他の断面(図1のIII−IIIに沿った断面)を示す分解図である。 導光板の一部を拡大した図である。 プリズムシートの一部を拡大した図である。 実施例の単位プリズムの断面形状を表す図である。 実施例に用いた材料の構造を説明する図である。
本発明の上記した作用および利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。また、以下に示す各図では、理解しやすさのため部材の大きさや形状を誇張して記載することがあり、見易さのため、繰り返しとなる符号は省略することがある。
図1は1つの形態に係る液晶表示装置に含まれる映像源ユニット10を概念的に表した分解斜視図である。
液晶表示装置は、映像源ユニット10を有しており、映像源ユニット10に含まれる面光源装置20から出射された白色の光源光が液晶表示パネル15を透過して映像情報を得てから観察者側に提供される。液晶表示装置は不図示の筐体を備え、ここに映像源ユニット10が内蔵される。筐体は液晶表示装置の外殻を形成し、液晶表示装置を構成する部材の大部分をその内側に収める部材である。また筐体は映像源ユニット10を支持可能に開口を有しており、該開口に映像源ユニット10が嵌め込まれて取り付けられている。その他、液晶表示装置には液晶表示装置として機能するための各種公知の構成部材が備えられている。
映像源ユニット10は、液晶パネル15、面光源装置20、および機能性シート41を備えている。ここで図1では紙面上方が観察者側となる。
液晶パネル15は、観察者側に配置された上偏光板13と、面光源装置20側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶セル12と、を有している。偏光板13、14は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、P波)を透過させ、当該一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)の偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶セル12は、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加された液晶セル12の配向は変化するようになる。面光源装置20側(すなわち入光側)に配置された下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分(例えばP波)は、電界印加された液晶セル12を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない液晶セル12を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、液晶セル12への電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分(P波)が、下偏光板14の出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、又は、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶パネル15では、面光源装置20からの光の透過又は遮断を画素毎に制御し、映像を表現することができるように構成されている。
液晶パネルにはその形式や大きさ等様々な種類が存在すことは公知であるが、シンチレーションに影響を与える要素として液晶パネルの解像度を挙げることができる。これのみをとっても例えばXGA、QXGA、WUXGA、QWXGA、QWXGA+、HD、HD+、FHD等様々である。
次に面光源装置20について説明する。図2には、図1にII−IIで示した線に沿った面光源装置20の厚さ方向(図1の紙面上下方向)断面図、図3には同III−IIIで示した線に沿った面光源装置20の厚さ方向(図1の紙面上下方向)断面図を示した。
面光源装置20は、液晶パネル15のうち、観察者側とは反対側に配置され、液晶パネル15に面状の光を出射する照明装置である。図1乃至図3からわかるように、本形態では面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板21と、光源25と、プリズムシート30と、反射シート40と、を有している。
導光板21は、図1乃至図3からわかるように、基部22、裏面プリズム22a及び単位光学要素部23を有している。導光板21は透光性を有する材料により形成された全体として板状の部材であり、一方の板面側に単位光学要素部23が配置されて出光面が形成されている。他方の板面側は裏面とされ、裏面プリズム22aが形成されている。すなわち後で説明するように導光板21にはその表裏面のそれぞれに凹凸形状を備えている。
基部22、裏面プリズム22a及び単位光学要素部23をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料を用いることができる。これには例えば脂環式構造を有する重合体樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)等を挙げることができる。
基部22は、裏面プリズム22a、及び単位光学要素部23のベースとなる部位で、所定の厚さを有する板状の部位である。
裏面プリズム22aは、基部22の裏面側(単位光学要素部23が配置される側とは反対側の板面)に形成される凹凸形状であり、三角柱状の複数の裏面プリズム22aが並列されている。裏面プリズム22aは、凸部の稜線が図1の紙面左右方向に延びる柱状であり、複数の裏面プリズム22aは当該延びる方向に直交する方向に所定のピッチで並べて配列されている。本形態の裏面プリズム22aは断面が三角形であるがこれに限定されることはなく、多角形、半球状、球の一部、レンズ形状等いずれの形状であってもよい。
単位光学要素部23は、基部22のうち裏面プリズム22aとは反対側(観察者側の面)に形成される凹凸形状であり、複数の凸部である単位光学要素23aが並列されている。単位光学要素23aは導光板21を面光源装置に用いた場合に出光面として機能する部位である。
単位光学要素23aは、図1、図3に表されるように断面略三角形を有し該断面を維持してその稜線が一方に延びる柱状の要素である。単位光学要素23aが延在する方向は、単位光学要素23aが並列される方向及び裏面プリズム22aの稜線が延びる方向に対して直交する方向である。すなわち単位光学要素23aはその稜線が裏面プリズム22aの稜線と平面視で直交するように構成されている。
図4には図3のうち導光板21の一部を拡大した図を示した。単位光学要素23aは、基部22の一方の面上に底辺を有し、基部22から突出する凸部となる略三角形形状を有している。本形態の単位光学要素23aでは、当該断面における底辺に対向する頂点が曲線状とされている。
また、本形態では、単位光学要素23aは図3、図4に現れる断面(単位光学要素23aが並列される方向に沿った断面)において、二等辺三角形である。これによれば、正面方向輝度を効果的に上昇させること、および、単位光学要素23aの並列方向に沿った面内での輝度の角度分布に対称性を付与することができる。
ただし、本形態の断面は二等辺三角形であるが必ずしもこれに限定されることなく、他の形状の三角形(例えば不等辺三角形)又は四角形、五角形をはじめとする多角形、半球状、球の一部、レンズ形状等いずれの形状であってもよい。
なお、本件明細書における「三角形形状」とは、厳密な意味での三角形形状のみでなく、製造技術における限界や成型時の誤差等を含む略三角形形状を含む。また同様に、本件明細書において用いる、その他の形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」、「楕円」、「円」等の用語も、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
以上のような構成を有する導光板21の寸法は、一例として、以下のように設定され得る。まず、単位光学要素23aの具体例として、導光板21の板面に沿った幅Wa(図4参照)は20μm以上500μm以下とすることができ、導光板21の板面への法線方向ndに沿った単位光学要素23aの高さHa(図4参照)を4μm以上250μm以下とすることができる。また、単位光学要素23aの断面形状が三角形形状からなる場合には、頂角θ4(図4参照)の角度を90°以上150°以下とすることができる。
一方、基部22の厚さは、0.35mm以上6mm以下とすることができる。
以上のような構成からなる導光板21は、押し出し成型により、又は、基材上に裏面プリズム22a及び/又は単位光学要素23aを賦型することにより、製造することができる。なお、押し出し成型で製造された導光板21においては、基部22、裏面プリズム22a、及び単位光学要素部23が一体的に形成され得る。また、賦型によって導光板21を製造する場合、裏面プリズム22a、単位光学要素部23が、基部22と同一の樹脂材料であっても、異なる材料であってもよい。
図1乃至図3に戻って、光源25について説明する。光源25は、導光板21の基部22の2組の側面のうち、単位光学要素23aが延在する長手方向両端となる一組の側面の一方又は両方に配置される。光源の種類は特に限定されるものではないが、線状の冷陰極管等の蛍光灯、点状のLED(発光ダイオード)、又は白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本形態では光源25は複数のLEDからなり、不図示の制御装置により各LEDの出力、すなわち、各LEDの点灯および消灯、および/又は、各LEDの点灯時の明るさを、他のLEDの出力から独立して調節し得るように構成されている。
次にプリズムシート30について説明する。図1乃至図3からわかるように、プリズムシート30は、シート状に形成された本体部31と、本体部31の面のうち、導光板21に対向する面、すなわち入光側面に設けられた単位プリズム部32と、本体部31の面のうち、単位プリズム部32とは反対側の面、すなわち出光側面に設けられた光拡散層33と、を備えている。
このプリズムシート30は、後述するように、入光側から入射した光の進行方向を変化させて出光側から出射させ、正面方向(法線方向)の輝度を集中的に向上させる機能(集光機能)を有している。この集光機能は、主として、プリズムシート30のうち、単位プリズム部32によって発揮される。また、プリズムシート30は液晶パネル15との間における干渉縞発生の防止、及びキズ等の不具合を隠す機能を有している。この機能は主として光拡散層33によって発揮される。
図1乃至図3に示すように、本体部31は、単位プリズム部32及び光拡散層33を支持する機能を有する平板状のシート状部材である。
単位プリズム部32は、図1乃至図3によく表れているように、複数の単位プリズム32aが本体部31の入光側面に沿って並べられるように配置されている。より具体的には、単位プリズム32aは、当該並べられる方向に直交する方向に、図2に示した所定の断面形状を維持して延びるように形成された柱状の部材である。その延在する方向は、単位プリズム32aが並べられる方向に直交する他、上記した導光板21の単位光学要素23aが延びる方向に対して90度ずれた方向である。従って、単位プリズム32aの延在方向と単位光学要素23aの延在方向とは表示装置を正面から見た場合に直交する。
また、単位プリズム32aの長手方向は、正面から観察した場合に、液晶パネル15の下偏光板14の透過軸と交差している。好ましくは、プリズムシート30の単位プリズム32aの長手方向は、液晶パネル15の下偏光板14の透過軸に対して、表示装置の表示面と平行な面(プリズムシート30の本体部31のシート面と平行な面)上で45°より大きく135°より小さい角度で交差している。なお、ここでいう角度は、単位プリズム32aの長手方向と下偏光板14の透過軸とによってなされる角度のうちの、小さい方の角度、すなわち、180°以下の角度のことを意味している。とりわけ、本形態においては、プリズムシート30の単位プリズム32aの長手方向は、液晶パネル15の下偏光板14の透過軸に対して直交し、プリズムシート30の単位プリズム32aが並べられる方向は、液晶パネル15の下偏光板14の透過軸と平行になっていることが好ましい。
次に単位プリズム32aの並列方向の断面形状について説明する。図5は、図2のうち、プリズムシート30の一部を拡大した図である。ここでndは本体部31のシート面の法線方向を表わしている。
図5からわかるように、本形態では、単位プリズム32aは、本体部31の導光板21側に突出した二等辺三角形の断面を有している。すなわち、本体部31のシート面と平行な方向の単位プリズム32aの幅は、本体部31の法線方向ndに沿って本体部31から離れるにつれて小さくなる。
また、本形態では、単位プリズム32aの外輪郭は、本体部31の法線方向ndと平行な軸を対称軸として、線対称となっており、断面が二等辺三角形である。これにより、プリズムシート30の出光面における輝度は、単位プリズム32aの並列方向に平行な面において、正面方向を中心として対称的な輝度の角度分布を有するようになる。特に光源が2列(2辺)配列されている場合は、線対称形が多いが、光源が1列(1辺)の場合は、必ずしも対称形とは限らない。
ここで、単位プリズム32aの寸法は特に限定されるものではないが、頂角θ5(図5参照)は60°〜70°、底辺幅Wは50μm程度とすることにより適切な集光特性を得ることができることが多い。
本形態では上記のように断面形状が三角形である単位プリズムについて説明したが、これに限定されるものでなく、当該三角形の頂点部が短い上底となる台形であってもよい。また斜面の形状が折れ線状や曲線であってもよい。
光拡散層33は、透光性樹脂層34とは屈折率の異なる多数の光拡散粒子35を、透光性樹脂34に含有させてなる層であり、透光性樹脂層34の表面から光拡散粒子35の一部が突出している。これにより光拡散層33は、その表面が凹凸面に形成されている。
透光性樹脂層34に用いられる材料としては、光拡散粒子33の分散ができるとともに、該光拡散粒子35を保持可能である光透過性の樹脂であれば特に制限なく適用可能である。このような樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化型樹脂(電離放射線硬化樹脂)等が挙げられる。
一方、光拡散粒子35としては、アクリル−スチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ベンゾグアナミン、及びメラミン等の架橋有機微粒子、シリコーン等の樹脂微粒子、並びにシリカ、アルミナ及びガラス等の無機系微粒子等を用いることができる。
なお、用いる光拡散粒子は1種類である必要はなく2種類以上を混合して用いてもよい。光拡散粒子35の形状は、球形であってもよいし不定形であってもよい。さらに粒度分布が単分散、多分散のいずれでも良く、好適な条件を適宜選択すればよい。
ここで映像源ユニット10の光拡散性能は、プリズムシート30及び該プリズムシートの光拡散層33側に配置された液晶パネル15が配置された積層体に対して、背面から面光源装置で照明したときにおける液晶パネル15から出射された光が次の関係を有している。
(シンチレーション指標)≦0.110
ここで、シンチレーション指標は、次の式で算出する。
(シンチレーション指標)=(色温度の偏差)/(色温度平均値)
これは、シンチレーションの大きさは、面内の色温度のばらつきの程度に関係するとの考えに基づき、シンチレーションを定量的に表すものである。色温度の偏差、及び色温度の平均値は色温度を測定する機器(例えば、サイバネットシステム株式会社、ProMetric)により得ることができる。
シンチレーション指標が0.110以下を満たすように、プリズムシート30、液晶パネル15、及び両者の配置の形態を構成することにより、シンチレーションを防止することができる。
一方、シンチレーション指標は0.100以上が好ましい。シンチレーション指標がこれより小さくてもシンチレーション自体は防止されているが、本来の目的である傷隠蔽性の効果が小さくなってしまう虞がある。
ここでシンチレーション指標に影響を与える要素には多くのものがある。例えば液晶パネル側では、上記のように解像度の影響が大きい。
一方、プリズムシート側では、光拡散層における内部ヘイズと外部ヘイズとの比、内部ヘイズと外部ヘイズとの合計である全ヘイズ、光拡散粒子の濃度、粒子径、屈折率、光拡散粒子と透光性樹脂層との屈折率差、光拡散層の表面粗さ等を挙げることができる。
また、液晶パネルとプリズムシートとの距離もシンチレーションに影響を与えることがある。
上記した各要素の大きさを変更することは公知の方法により変更することができる。
このようなプリズムシート及び液晶パネルを備えることにより、シンチレーションが発生することを抑制することができる。上記のようにシンチレーションに影響を与える要素は多く、上記した従来の手段のみでは必ずしもシンチレーションを防止することができるとは限らなかった。これに対して本発明よれば、シンチレーション指標に基づき、変更可能な要素によりシンチレーション指標を満たすように変更を行うことができ、設計の自由度を高くすることができる。
また、シンチレーションに対する定量的な統一基準に基づいた評価をすることができ、安定した品質を得ることができる。
以上のような構成を具備するプリズムシート30は、先に本体部となる基材上に光拡散層を設け、次いで単位プリズム部を形成して製造される。
光拡散層33は、本体部となる基材上に一方の面に、光拡散粒子を分散させた硬化前の透光性樹脂を塗布し、これを硬化することにより形成することができる。
次に本体部となる基材上の他方の面に単位プリズム部32を賦型することにより、プリズムシート30を製造することができる。
本体部31及び単位プリズム部32をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。
図1乃至図3に戻って、面光源装置20の反射シート40について説明する。反射シート40は、導光板21の裏面から出射した光を反射して、再び導光板21内に光を入射させるための部材である。反射シート40は、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等のいわゆる鏡面反射を可能とするものを好ましく適用することができる。これにより、光の利用性を向上させることが可能となり、エネルギー利用効率をよくすることができる。
次に図1に戻って機能性シート41について説明する。機能性シート41は通常の液晶表示装置に用いられる各種の機能を有するシートである。これには例えば色調を補正するシート、防眩機能を有するシート、反射を防止するシート、ハードコートシート等を挙げることができる。
次に、以上のような構成を備える表示装置の作用について、光路例を示しつつ説明する。
まず、図2に示すように、光源25で発光された光は、導光板21の側面の入光面を介して導光板21内に入射する。図2には、例として、光源25から導光板21に入射した光L21、L22の光路例が示されている。
図2に示すように、導光板21に入射した光L21、L22は、導光板21の単位光学要素部23の面およびその反対側の裏面において、空気との屈折率差による全反射及び裏面から出光した光は反射シート40による反射を繰り返し、単位光学要素23aが延びる方向(導光方向)へ進んでいく。
ただし、導光板21の基部22のうち裏面側には裏面プリズム22aが形成されている。このため、図2に示すように、導光板21内を進む光L21、L22は、裏面プリズム22aにより順次偏向され、全反射臨界角未満の入射角度で単位光学要素部23に入射することもある。この場合、当該光は、導光板21の単位光学要素部23の面から、出射し得る。単位光学要素部23から出射した光L21、L22は、導光板21の出光側に配置されたプリズムシート30へと向かう。
これにより導光板21内を進む光は、少しずつ、出光面から出射するようになり、導光板21の単位光学要素部23から出射する光の導光方向に沿った光量分布を均一化させることができる。
ここで、図示する導光板21の単位光学要素部23は複数の単位光学要素23aによって構成され、各単位光学要素23aの断面形状は、三角形または三角形の頂角を面取りしてなる形状となっている。すなわち、単位光学要素23aは、導光板21の導光方向に対して傾斜面を有して構成されている。従って、図4に示したように、単位光学要素23aを介して導光板21から出射する光L41は導光板21から出射するときに屈折する。この屈折は、単位光学要素23aの並列方向において、シート面法線ndに近づく(法線ndとのなす角が小さくなる)屈折である。このような作用により、単位光学要素部23は、導光方向と直交する方向に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向側に絞り込むことができる。すなわち、単位光学要素部23は、導光方向と直交する方向に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼすようになる。
以上のようにして、導光板21から出射する光の出射角度は、導光板21の単位光学要素23aの並列方向と平行な面において、正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込まれる。
導光板21から出射した光は、その後、プリズムシート30へ入射する。プリズムシート30の単位プリズム32aは、導光板21の単位光学要素23aと同様に、単位プリズム32aの入光面での屈折および全反射によって透過光に対して集光作用を及ぼす。ただし、プリズムシート30でその進行方向を変化させられる光は、プリズムシート30のうち、単位プリズム32aの並列方向とは直交する面内の成分であり、導光板21で集光させられた成分とは異なる。すなわち、図5にL51で示したように、単位プリズム32aに入射した光は、単位プリズム32aと空気との屈折率差に基づいてその界面で全反射する。そのとき、単位プリズム32aの斜辺はシート面法線ndに対してθ5/2傾いているので、界面における反射光は入射光よりも法線ndに近付けられる角度となる。
つまり、導光板21は、導光板21の単位光学要素23aの並列方向と平行な面において、光の進行方向を正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込むようになる。その一方で、プリズムシート30では、プリズムシート30の単位プリズム32aの並列方向と平行な面において、光の進行方向を正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込むようになる。したがって、プリズムシート30での光学的作用によって、導光板21で上昇された正面方向輝度を害すことなく、さらに、正面方向輝度を上昇させることができる。
単位プリズム32aにより全反射した光L51は本体部31を透過し、光拡散層33で拡散され、プリズムシート30から出射される。
プリズムシート30を出射した光は、液晶パネル15の下偏光板14に入射する。下偏光板14は、入射光のうち、一方の偏光成分を透過させ、その他の偏光成分を吸収する。下偏光板14を透過した光は、液晶セル12における画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板13を透過するようになる。このようにして、液晶パネル15によって、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、液晶表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
ここで、プリズムシート30の構成及び液晶パネル15の構成により、上記のように、シンチレーション指標を満たすことで光を拡散させつつもシンチレーションを低減することができる。従って、光拡散の効果により干渉縞の発生が抑えられ、傷が隠蔽されつつもシンチレーションが防止される。
実施例ではシンチレーション指標が異なる例を比較し、目視による指標との比較及び傷隠蔽性について調べた。以下に条件及び結果を示す。
<試験体1>
本体部としての厚さ125μmのPETフィルム(東洋紡株式会社製A4300)の一方の面に、紫外線硬化樹脂(DIC株式会社、RC25−750)を用いて図6に示した断面形状を有する単位プリズムが並列した単位プリズム部を成型した。試験体1では光拡散層を設けなかった。
<試験体2>〜<試験体5>
試験体2〜試験体5では、試験体1と同様に作製した本体部及び単位プリズム部を準備し、単位プリズム部とは反対側の本体部に光拡散層を形成した。用いた光拡散粒子は平均粒子径が2μmのスチレン樹脂製であり、当該光拡散粒子を含む表1に示した光拡散層となるインキに分散して、コーターにより本体部に塗布、硬化させた。
Figure 0006083301
ここで、各材料は次の通りである。
・PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
・MIBK:メチルイソブチルケトン
・irg−184:イルガキュア184、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(チバ・ジャパン)
・Si剤:10.0重量%(トルエン溶液)、構造は図7に表した。
・光拡散粒子含有混合溶液:MIBKが52.4重量%、スチレン粒子(屈折率1.59)が26.1重量%、PETAが20.5重量%、irg−184が1.0重量%の混合溶液。
表1の数値はPETAを10とし、これに対する重量比率を表している。後で示す表2も同様である。
<試験体6>〜<試験体8>
試験体6〜試験体8では、試験体1と同様に作製した本体部及び単位プリズム部を準備し、単位プリズム部とは反対側の本体部に光拡散層を形成した。用いた光拡散粒子は平均粒子径が6μmのウレタン製であり、当該光拡散粒子を含む表2に示した光拡散層となるインキに分散して、コーターにより本体部に塗布、硬化させた。
Figure 0006083301
光拡散粒子含有混合溶液は、MIBKが67.5重量%、ウレタン粒子(屈折率1.49)が13.7重量%、PETAが17.8重量%、irg−184が1.0重量%の混合溶液である。
<液晶パネル>
液晶パネルはTN液晶で13.3インチのFHDを用いた。
<ヘイズの測定>
ヘイズの測定はJIS K 7105(1981)に沿って行い、村上色彩技術研究所のHM150により測定した。
<内部ヘイズ、外部ヘイズの測定>
上記ヘイズの測定の後、光拡散層に対して透光性樹脂層に用いた光拡散粒子以外の樹脂のみをインキとして調製してさらに塗布し、光拡散粒子を全て透光性樹脂に埋め、これについて上記ヘイズ測定を行い内部ヘイズを得た。そしてヘイズと内部ヘイズとの差を外部ヘイズとした。
<表面粗さ>
JIS B 0601(1982)による算術平均粗さRaを表面粗さの指標とし、小坂研究所 Surfcorder SE1700αを用いて測定を行った。
<シンチレーション指標の算出>
光源及び導光板の出光側に上記試験体を配置し、さらにその出光側に上記液晶パネルを設置する。光源を点灯し液晶パネルの出光面の測定を行ない、面内の色温度の偏差、及び面内の色温度の平均値を得た。より具体的には、液晶パネルの出光面の2.31mm×2.31mmに対し、色度測定機(サイバネットシステム株式会社、ProMetric)を用いて50×50分割(2500画素)し、画素ごとに色温度を測定した。そして取得した色温度の偏差、及び色温度の平均値から上記した式によりシンチレーション指標を算出した。
<シンチレーション及び傷隠蔽性の目視評価>
シンチレーション及び傷隠蔽性について従来と同様に目視で評価をおこなった。シンチレーションは、発生しなかった場合に◎、発生があったが許容範囲である場合に○、許容できないほど発生した場合には×とした。一方傷隠蔽性については、完全に傷が見えない場合を◎、傷が見えるが許容範囲内の場合を○、許容できないほど見える場合を×とした。
<結果>
結果を表3に示す。
Figure 0006083301
表1からわかるように、シンチレーション指標を0.110以下にすることにより目視による結果と同様にシンチレーションを防ぐことができる。また、シンチレーション指標を0.100以上とすることにより傷隠蔽性も十分に有するものとなる。
10 映像源ユニット
12 液晶セル
13、14 偏光板
15 液晶パネル
20 面光源装置
21 導光板
22 基部
22a 裏面プリズム
23 単位光学要素部
25 光源
30 プリズムシート
31 本体部
32 単位プリズム部
32a 単位プリズム
33 光拡散層
34 透光性樹脂層
35 光拡散粒子

Claims (3)

  1. 面光源装置と、
    前記面光源装置の出光側に配置される液晶パネルと、を備え、
    前記面光源装置には、
    光源と、
    前記光源より出光側に配置されるプリズムシートと、を備え、
    前記プリズムシートは、その前記光源側の面には複数の凸状の単位プリズムがシート面に沿って並列され、前記液晶パネル側の面には光拡散層が設けられており、
    前記液晶パネルの出光面において、
    シンチレーション指標=色温度の偏差/色温度の平均値
    で定義されるシンチレーション指標が0.110以下である、映像源ユニット。
  2. 前記シンチレーション指標が0.100以上である請求項1に記載の映像源ユニット。
  3. 請求項1又は2に記載の映像源ユニットと、
    前記映像源ユニットを内側に含む筐体と、を備える、液晶表示装置。
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