JP6079714B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
中間転写ベルト上のトナー像を記録シートに転写する場合、全てのトナー像が記録シートに転写されることが理想であるが、実際には、一部のトナー粒子が転写されずに中間転写ベルト上に残ってしまう場合がある。また、記録シートとの接触により紙粉が中間転写ベルトに付着する場合もある。このような残留トナーや紙粉などの残留物が中間転写ベルトに付着したままになっていると、以降のトナー像の形成に支障をきたすことから、中間転写ベルト上の残留物を除去するクリーナーが設けられている。
また、例えば周辺温度の変化によりクリーニングブレードの材料であるウレタンゴムなどの弾性体の硬さが変化すると、中間転写ベルトとクリーニングブレード間の接触面積が変動して、中間転写ベルトとクリーニングブレード間の摩擦力も変動することになる。この摩擦力は、回転している中間転写ベルトに対するブレーキとして作用するので、摩擦力、すなわちブレーキ力の変動が大きくなることに起因して、中間転写ベルトの回転速度に変動が生じてしまい、一定速度で回転している各感光体ドラムとの間に周速差が生じる。
上記のような問題は、中間転写ベルト上のトナー像を記録シートに転写する構成に限られない。例えば、感光体ベルト上に形成されたトナー像を中間転写ドラムに転写する構成など、像担持体上のトナー像を被転写体に転写する構成一般に生じ得る。
さらに、前記クリーニングブレードを前記像担持体に押圧する方向の力を前記支持部材に付与する付勢部材を備えるとしても良い。
また、前記クリーニングブレードの先端部の前記像担持体表面への食い込み量が前記像担持体の表面粗さ以上の値として予め決められた所定値になるように、前記クリーニングブレードの前記像担持体への当接圧が設定されているとしても良い。
また、前記像担持体は、基層と、前記弾性層を介して前記基層とは反対側に設けられ、前記クリーニングブレードが当接する表層と、をさらに含み、前記表層は、前記弾性層よりも硬度が高い材料で形成されているとしても良い。
また、前記像担持体は、ベルト状であり、前記画像形成装置は、前記ベルト状の像担持体が張架される複数のローラーと、前記ベルト状の像担持体の回転方向に直交する幅方向の位置を検出し、検出した位置に基づいて前記複数のローラーのうち一のローラーの傾きを変更して、前記ベルト状の像担持体の幅方向における位置を調整するステアリング制御を行うステアリング手段と、を備えるとしても良い。
(1)プリンターの全体の構成
図1は、プリンターの全体の構成を示す図である。
同図に示すように、プリンターは、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、作像部10と、中間転写部20と、給送部30と、定着部40と、制御部50と、ベルトクリーニング部60と、ステアリング部70などを備え、ネットワーク(例えばLAN)に接続され、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色からなるカラーの画像形成を実行する。以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
作像ユニット10Y〜10Kは、矢印Aで示す方向に回転する感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kと、その周囲にドラム回転方向Aに沿って配設された、帯電部2Y、2M、2C、2Kと、現像部3Y、3M、3C、3Kと、ドラムクリーニング部4Y、4M、4C、4Kと、除電部5Y、5M、5C、5Kなどを備えており、感光体ドラム1Y〜1Kに対応する色のトナー像を作像する。
中間転写ベルト21は、弾性層を含む弾性ベルトであり、駆動ローラー22、従動ローラー23〜27などにより張架され、駆動ローラー22の回転駆動力により矢印Bで示す方向(ベルト走行方向)に周回走行する。駆動ローラー22は、不図示のモーターにより回転駆動される。
給紙カセット31は、記録シートとしての用紙Sを収容する。繰り出しローラー32は、給紙カセット31に収容されている用紙Sを搬送路39に1枚ずつ繰り出す。
搬送ローラー対33は、繰り出された用紙Sをさらに搬送路39上を搬送方向下流に搬送させる。タイミングローラー対34は、搬送される用紙Sを二次転写ローラー29と中間転写ベルト21との接触位置である二次転写位置291に送り出すタイミングをとる。
ベルトクリーニング部60は、中間転写ベルト21の周囲であり、二次転写位置291からベルト走行方向(矢印B方向)に感光体ドラム1Yの一次転写位置281(感光体ドラム1Yが中間転写ベルト21を介して一次転写ローラー28Yと対向する位置)までの間の空間に配される。
上記作像動作のタイミングに合わせて、給送部30からは、タイミングローラー対34を介して用紙Sが給送されて来ており、その用紙Sは、二次転写ローラー29と中間転写ベルト21の間に挟まれて搬送され、二次転写ローラー29と中間転写ベルト21間に作用する静電力により、中間転写ベルト21上の各色トナー像が二次転写位置291で一括して用紙S上に二次転写される。
感光体ドラム1Y〜1K上のトナー像のうち、中間転写ベルト21に一次転写されずに感光体ドラム1Y〜1K上に残ってしまったトナーや紙粉などを含む残留物は、ドラムクリーニング部4Y〜4Kにより除去される。
(2)ベルトクリーニング部の構成
図2は、ベルトクリーニング部60の構成を拡大して示す図であり、その周辺の中間転写ベルト21や従動ローラー26、27などの他の部材も合わせて示している。
ここで、クリーニングローラー61、搬送スクリュー62、クリーニングブレード63、ブレード支持部材64、ハウジング67、フリッカー68は、中間転写ベルト21の幅方向(同図紙面垂直方向:ベルト走行方向Bに直交する方向)に長尺状になっている。上記中間転写ベルト21の幅方向を、以下、ベルト幅方向Wという。
クリーニングローラー61は、ハウジング67の開口部に設けられ、芯金の外周にブラシ繊維が植設されたブラシローラー、あるいは発泡ウレタンを形成した発泡ローラーのいずれかで構成され、矢印Dで示す方向に回転し、ローラー先端が中間転写ベルト21の表面を摺擦する際に中間転写ベルト21上の残留物の一部を掻き取り、中間転写ベルト21から除去する。なお、クリーニングローラー61に、中間転写ベルト21上の残留トナーの極性とは逆極性の電圧を印加して、その残留トナーに中間転写ベルト21からクリーニングローラー61に向かう方向の静電力が作用するような電界を生じさせる構成をとるとしても良い。
搬送スクリュー62は、フリッカー68の直下の位置に配され、矢印Eで示す方向に回転し、フリッカー68によりクリーニングローラー61から掻き落とされた残留物をベルト幅方向Wの一方端側に搬送して、不図示の回収タンクに収容させる。なお、クリーニングローラー61と搬送スクリュー62は、不図示のモーターにより回転駆動される。
クリーニングローラー61は、中間転写ベルト21上に付着した繊維状の紙粉など、クリーニングブレード63のクリーニング部(中間転写ベルト21表面との接触部分)に噛み込み、清掃不良を起こす可能性がある付着物を除去する役割も担っており、クリーニングブレード63よりもベルト走行方向Bの上流側に設置することが望ましい。
図3は、クリーニングブレード63とブレード支持部材64とブレード支持ピン65を図2の矢印Gで示す方向から見たときの分解斜視図である。図4は、クリーニングブレード63がブレード支持ピン65によりブレード支持部材64に支持されている状態にあるときの図3に示すH−H線における矢視断面図である。
クリーニングブレード63の、先端部631とは反対側の基端部630には、ベルト幅方向Wに沿って一定の間隔をあけた各位置に透孔632が設けられている。
ブレード支持ピン65は、頭部65aと、頭部65aよりも小径の胴部65bと、ねじ部65cとからなる。ここで、頭部65aの径をd1、胴部65bの径をd2、胴部65bの長さ(頭部65aからの高さ)をd3、クリーニングブレード63の透孔632の径をd4、クリーニングブレード63の厚みをd5としたとき、d2<d4<d1、かつ、d5<d3の関係を有している。
図4に示すように、ブレード支持ピン65のねじ部65cがブレード支持部材64のねじ穴641に螺着されると、上記のd2<d4、d5<d3の関係から、クリーニングブレード63がブレード支持部材64に、がたつきを有した状態で支持されることになる。つまり、クリーニングブレード63は、ブレード支持部材64に完全に固定されておらず、自由度を持って保持されている。
すなわち、クリーニングブレード63の先端部631には、周回中の中間転写ベルト21の表面との摩擦力によりベルト回転方向Bに沿った力が作用する。仮に、クリーニングブレード63の基端部630をブレード支持部材64に遊びを有しない状態で完全に固定支持した場合、クリーニングブレード63はその力のほとんどを逃がすことができない。
図2に戻って、引っ張りばね66は、その一方端がブレード支持部材64に接続され、その他方端がハウジング67に接続されており、ブレード支持部材64をその軸部69を中心に矢印Uで示す方向に回転させようとする引っ張り力Fをブレード支持部材64に付与する。この引っ張り力Fにより、板ばねからなるクリーニングブレード63は、先端部631が中間転写ベルト21の表面に当接した状態で位置決めされ、ブレード支持部材64による支持位置を支点に片持ち梁のような状態になって撓みが生じ、その板ばねの復元力により先端部631が中間転写ベルト21の表面を押圧する。
図5は、クリーニングブレード63の先端部631が中間転写ベルト21の表面を押圧している様子を示す模式図である。同図の例は、クリーニングブレード63の先端部631におけるベルト幅方向Wの中央部の断面を拡大して示している。
中間転写ベルト21には、基層211と、その上に積層された弾性層212と、弾性層212の上に積層された表層213が含まれている。
弾性層212は、例えばNBR(ニトリルゴム)またはCR(クロロプレンゴム)などのゴムからなり、厚みは、例えば100〜500μmの範囲内とすることができる。
表層213は、弾性層212よりも硬度の高い材料、具体的には5〜20μmの厚みの酸化処理層や30〜50μmの厚みのフッ素樹脂などのコート層とすることができる。表層213は、タック性低減を目的とするものであるが、タック性が特に問題にならないような場合などには設けない構成をとることもできる。
クリーニングブレード63の中間転写ベルト21への当接圧は、クリーニングブレード63の先端部631の、中間転写ベルト21への食い込み量、すなわちその窪み215の深さがベルト表面粗さR以上の値として予め決められた所定値、例えば0.5μmになるように設定されることが好ましい。
このような楔状空間639は、楔状の故に、中間転写ベルト21上の残留物を楔状空間639の外、すなわちクリーニングブレード63の裏面635側に逃げ難くする形状を構成しており、楔状空間639に残留物が重力により落下せずに溜まり続けると詰まったようになることが生じ易くなる。このようになると、楔状空間639内のベルト走行方向Bの下流側の最も奥に溜まっていた残留物が楔状空間639内に新たに入って来た残留物に押されて、クリーニングブレード63の先端部631と中間転写ベルト21の表面との間の隙間を通過してしまうことが生じ易くなる。
すなわち、クリーニングブレード63の厚みを厚くするほど、クリーニングブレード63の剛性が高くなり、撓み量を同じとすると、クリーニングブレード63による当接圧が高くなり、ステンレス鋼などの金属よりも硬度が低い弾性ベルトからなる中間転写ベルト21の表面が摩耗され易くなる。
(3)ステアリング部70の構成
図6は、ステアリング部70の構成を説明するための平面図であり、説明に必要な部材だけを示している。
ベルト蛇行検出センサー72は、中間転写ベルト21を挟んでベルト幅方向Wの両側にそれぞれ設けられている。一方のベルト蛇行検出センサー72は、蛇行により中間転写ベルト21がベルト幅方向Wの一方の側に寄ることにより基準位置からずれた場合の位置ずれを検出し、他方のベルト蛇行検出センサー72は、蛇行により中間転写ベルト21のベルト幅方向Wの位置が他方の側に寄ることにより基準位置からずれた場合の位置ずれを検出する。ベルト蛇行検出センサー72には、例えば反射型の光学センサーなどが用いられ、その検出信号は、ステアリング駆動部71に送られる。
従動ローラー24の軸方向の傾きを変えることにより、中間転写ベルト21の張力がベルト幅方向W(ローラー軸方向)に差が生じることになり、蛇行によりベルト幅方向Wのいずれかの側に寄ってしまった中間転写ベルト21のベルト幅方向Wの位置を本来の基準位置に戻すことができる。
しかしながら、ステアリング制御により中間転写ベルト21に波打ちが生じても、板ばねのクリーニングブレード63を自由支持する構成にしているので、上記のように波打ちによる中間転写ベルト21の表面形状の変化に対するクリーニングブレード63の追随性が良いことから、クリーニングブレード63の先端部651の、中間転写ベルト21の表面との密着性の低下が抑制され、残留物のクリーニング性の低下が防止される。残留物のクリーニング性の低下が防止されることは、次に説明する実験結果で実証されている。
一実施例として、以下に設定された実験機を作製し、中間転写ベルト21の駆動トルク、色ずれ、クリーニング性などを評価した結果を説明する。
中間転写ベルト21には、PIを80μm厚で形成した基層上に、NBRゴム材からなる弾性層を250μm厚で成形し、さらにその上の表層として硬化処理した体積抵抗率1×108Ω・cmの弾性ベルトを用いた。これを以下、弾性ベルト21aという。
実験機において帯電量が最大となる初期状態(新品時に相当)の現像剤を用い、低湿環境下で色ごとにトナーの付着量が4g/m2になるベタ画像を4色重ね合わせて中間転写ベルト21上に一次転写して得られる各色トナー像(付着量=16g/m2)を二次転写しない条件で金属ブレード63aによりクリーニングする実験を行った結果、目視で良好なクリーニング性を確認できた。
比較例2は、弾性ベルト21aとウレタンゴムブレードの組み合わせ、換言すると双方が弾性体なので真実接触面積が最も大きくなり、ベルト駆動に対する大きなブレーキとなってベルト駆動トルクの差分が最も大きくなったものと考えられる。また、温度変化によりブレードの材料であるウレタンゴムの弾性体の硬さが変化して、両者間に生じる摩擦力が変動したことにより、LL環境下とHH環境下での差(以下、「環境変化による駆動トルクの差」という。)が最も大きくなったものと考えられる。
一方、比較例1では、弾性体であるゴムブレードを用いているが、ベルトが弾性層を有しないPIベルトなので、環境変化による駆動トルクの差が比較例2よりも小さく、実施例よりも大きくなったものと考えられる。
図9は、比較例1、比較例2、実施例における色ずれの実験結果を示す図である。
ここでは、各例についてその中間転写ベルトとクリーニングブレードを配置した実験機で4色のトナー像からなるラダーパターンチャートをプリントした場合のY色トナー像の、K色トナー像に対する副走査方向における色ずれ量の平均値を示している。プリントは、ベルト駆動トルクの差分が大きくなる環境である30℃85%RH環境下で行われた。
同図に示すように実施例は、比較例1と2に比べて色ずれ量が小さいことが判り、実施例の構成が他の比較例の構成よりも、中間転写ベルトの駆動トルクの変動に起因する色ずれ発生の低減に有効であることが実証された。
構成例1の金属ブレード固定とは、厚さ1.6mmの2枚の鋼板の間に厚さ0.08mmのSUS製のブレードを自由長が10mmの状態になるように挟み込み、ベルト幅方向Wに相互に間隔をあけた3点でねじ止め固定した構成をいう。
構成例2は、図11に示す変形例の構成に相当し、支持片165、166、167からなる支持部164がコの字状の部分を構成する。対向する支持片165と166の隙間168にクリーニングブレード63が挿入される構成になっている。クリーニングブレード63は、その基端部がコの字状の最深部である支持片167に当接しただけの状態でブレード支持部材64に支持されており、実質、図2で示す構成と同様にがたつきを有する自由支持機構といえる。
本実験では、一方端側の圧縮ばねの付勢力を30Nに固定しつつ、他方端の圧縮ばねの付勢力を35N、45N、55N、65Nのそれぞれに切り換えることで、二次転写ニップ内での軸方向の圧力差を設けて中間転写ベルト21を蛇行させる力を働かせ、その蛇行によりステアリング制御が実行された場合に中間転写ベルト21に波打ちが発生したときのクリーニング性を確認したものである。
構成2では、金属ブレードが非固定になっている。
このため中間転写ベルトのベルト幅方向Wの一方端側に生じている波打ちの山と谷の部分のうち山の部分に当接するときには、金属ブレードの一方端側がその遊びの範囲内で中間転写ベルトから遠ざかる方向に退避して、その一方端側での当接圧が過大になることが抑制される。逆に、谷の部分に当接するときには、金属ブレードの一方端側が板ばねの復元力の作用によりその遊びの範囲内で中間転写ベルトに近づく方向に前進して、その一方端側での当接圧が過小になることが抑制される。つまり、波打ちによる中間転写ベルトの形状変化に対する追随性が良好になる。
さらに、当接圧分布の偏りの生じた状態が継続することが生じ難くなるため、金属ブレードにより中間転写ベルト表面が早期に摩耗することが防止される。
一方、構成1は、圧縮ばねの付勢力が35Nと45Nではクリーニング性が高いが、55Nと65Nになると、35Nと45Nの場合よりもクリーニング性が低下していることが判る。これは、構成1では、金属ブレードが使用されているが固定支持されており、中間転写ベルトの波打ちに対する追随性が固定支持されていない構成2よりも良いとはいえないことから、その分、構成2よりもクリーニング性が若干下がったと考えられる。
このクリーニング性の向上がクリーニングブレード63による中間転写ベルト21の形状変化に対する追随性が良いことにより得られることからすれば、蛇行防止のためのステアリング制御により生じる波打ちだけに限られず、例えば自然に波打ち現象が発生した場合や中間転写ベルト21の表面が完全な平坦ではなく僅かに変形しているような場合にも上記同様にクリーニング性の向上の効果と早期の摩耗防止の効果を得られることになる。
仮に、板ばねではない剛体の金属ブレード先端を中間転写ベルト21の表面に押圧する構成をとれば、その剛体の金属ブレード単体では中間転写ベルト21の表面形状の変化に追随できない。このためブレード先端と中間転写ベルト21の表面との当接圧が変動し易くクリーニング性が低下したり、クリーニング性の維持のために予めブレード先端を中間転写ベルト21に強く押圧するとそれだけ中間転写ベルト21の表面が摩耗し易くなったりする。これに対し、本実施の形態のようにクリーニングブレード63を板ばねとすることにより、クリーニング性の低下を抑制でき、中間転写ベルト21の表面の摩耗を抑制することが可能になる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、クリーニングブレード63の先端部631が中間転写ベルト21の表面に接する清掃位置が、ベルト走行方向Bに間隔をあけて隣り合う従動ローラー26と27の間の位置、すなわち中間転写ベルト21を挟んで反対側にローラーなどの部材(バックアップ部材)が存在しない位置とされたが、これに限られない。
(2)上記実施の形態では、クリーニングブレード63の先端部631を中間転写ベルト21の表面にベルト走行方向B(中間転写ベルト21の移動方向)とは反対方向に向けて接するカウンター方式の構成例を説明したが、これに限られない。例えば、クリーニングブレード63の先端部631を中間転写ベルト21の表面に垂直方向に当てる構成、ベルト走行方向Bと同方向に向けて接する構成などをとることもできる。
また、像担持体が基層と弾性層と表層を含むとしたが、これに限られず、少なくとも弾性層を含むものであれば良い。さらに、上記のステアリング制御を行わない構成に適用することが可能であり、また、必要なクリーニング性を確保できる場合には、クリーニングローラー61を設けない構成としても良い。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
21 中間転写ベルト
60 ベルトクリーニング部
63 クリーニングブレード
64 ブレード支持部材
65 ブレード支持ピン
66 引っ張りばね
164 支持部
630 クリーニングブレードの基端部
631 クリーニングブレードの先端部
633 クリーニングブレードの先端部のベルト幅方向両端の隅部
634 クリーニングブレードの先端部の端面
B ベルト走行方向(移動方向)
W ベルト幅方向(移動方向に対して直交する方向)
Claims (9)
- 回転する像担持体上に形成されたトナー像を被転写体に転写位置で転写し、当該転写後の像担持体上の残留物をクリーニングブレードにより除去する画像形成装置であって、
前記転写位置よりも前記像担持体の回転方向下流側かつ前記クリーニングブレードよりも前記像担持体の回転方向上流側に配置され、前記像担持体に接触しつつ当該接触位置において前記像担持体の回転方向とは逆方向に回転するクリーニングローラーを備え、
前記像担持体は、弾性層を含み、
前記クリーニングブレードは、金属製の板ばねであり、
前記板ばねの復元力により当該クリーニングブレードの先端部が前記像担持体に押圧されており、前記クリーニングローラーにより除去されなかった前記像担持体上の残留物を除去することを特徴とする画像形成装置。 - 前記クリーニングブレードを前記像担持体に対して遊びを有する状態で支持する支持部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- さらに、前記クリーニングブレードを前記像担持体に押圧する方向の力を前記支持部材に付与する付勢部材を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングブレードの先端部の前記像担持体表面への食い込み量が前記像担持体の表面粗さ以上の値として予め決められた所定値になるように、前記クリーニングブレードの前記像担持体への当接圧が設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記クリーニングブレードは、
前記先端部が前記像担持体の移動方向に対しカウンター方向になるように配され、
前記先端部の端面が平坦面であり、
前記クリーニングブレードの先端部の端面と前記像担持体の表面部分とのなす角が直角または直角に対して許容された範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記クリーニングブレードは、
前記像担持体の移動方向に対して直交する幅方向に沿って長尺状であり、
前記先端部における前記幅方向両端の隅角部がR形状になっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記像担持体は、
基層と、
前記弾性層を介して前記基層とは反対側に設けられ、前記クリーニングブレードが当接する表層と、をさらに含み、
前記表層は、
前記弾性層よりも硬度が高い材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 複数の感光体のそれぞれに異なる色のトナー像を形成する作像部と、
前記複数の感光体上に形成された各色トナー像が多重転写される中間転写体と、
を備え、
前記像担持体は、前記中間転写体であり、
前記被転写体は、
前記中間転写体上に多重転写された各色トナー像が転写される記録シートであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記像担持体は、ベルト状であり、
前記画像形成装置は、
前記ベルト状の像担持体が張架される複数のローラーと、
前記ベルト状の像担持体の回転方向に直交する幅方向の位置を検出し、検出した位置に基づいて前記複数のローラーのうち一のローラーの傾きを変更して、前記ベルト状の像担持体の幅方向における位置を調整するステアリング制御を行うステアリング手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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