[実施例1]
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。本実施例の特徴を示す図は、主に図1と図8と図9である。図1は、画像補正をユーザ操作により指示する操作部画面の例である。図1(b)が画像補正を行う場合に最初に表示されるトップ画面である。104は用紙種類を選択するボタンであり、用紙種類がユーザにより選択される際に用いられる。ボタン105と106は、補正の種類を選択するためのボタンである。ボタン105はフル補正の実行を指示するためのボタンである。フル補正を実行するとテストパターン画像が用紙に印刷され、印刷されたテストパターン画像がセンサにより読み取り読み取られる。この読み取られたデータから画像補正のパラメータに対してフィードバックを行い、画像処理装置から出力される画像の再現特性を補正する。
テストパターン画像の読み取り時に用いるセンサは、方式の選択ボタン109を押下したのち表示される画面を介して、後述するスキャナ部202で読み取るか、プリンタ部203内の読み取りセンサ365で読み取るかを切り替えることができる。スキャナ部202で読み取る場合は、プリンタ部203から出力されたテストパターン画像を読み取り原稿としてスキャナ部202に載せるといった作業をユーザにより実行される必要がある。
一方、テストパターン画像をプリンタ部内のセンサ365で読み取る場合は、プリンタ部内の用紙搬送路の定着装置と排紙口の間に設置されたセンサ365により、定着後の用紙搬送経路で読み取り処理が行われる。よって、ユーザは補正処理開始時に実行指示を行う1回の操作のみで操作で完了できる。すなわち、ユーザは読み取り作業を実行する必要がない。
107は補正用の用紙を登録するためのボタンである。108は補正用紙を選択するためのボタンである。110はテストパターン画像を出力するのに用いる用紙の枚数を設定するためのボタンである。111は補正のレベルを更に補正処理することができるボタンである。112はフル補正を行う際の初期化を行う処理である。113は画像補正の作業が終了した時に本画面を閉じるためのOKボタンである。
従来の場合は、プリンタが準備中の場合は、フル補正の実行を指示するためのボタン105がユーザにより選択されると、方式の選択109によりいずれの設定が指定されていても図1(a)の画面101へ遷移していた。この、図1(a)の画面101では、画像補正を開始するためのボタン102が図示するようにグレーアウトされ、ユーザにより押下されないように制御されていた。
よって、プリンタ準備中が解除されるまでは103のキャンセルボタンを押下して処理を終了するか、プリンタ準備中が解除されるのを待つしかなかった。
本実施例では、方式の選択109によって、以下のように画像補正の開始を指示するためのボタンの表示方法を切り替える。
すなわち、図1(c)のように、画像補正の開始を指示するためのボタン114をグレーアウト表示してプリンタ準備中はボタン操作をできないようにする。または、図1(d)のように、画像補正の開始を指示するためのボタン115をグレーアウトせず、プリンタ準備中でもボタンを操作可能とし、画像補正のスタートをユーザが行えるように画面制御する。方式の選択109によりスキャナ部202でテストパターン画像を読み取る場合、画面に画像補正の開始を示すボタン114が示される。
一方、方式の選択109によりプリンタ部内のセンサ365でテストパターン画像を読み取る場合、画面に画像補正の開始を示すボタン115を示す。
このように制御する理由については、図7を用いて後述する。
図1の操作部の画面制御を行った上で、画像補正を予約した場合に、どのようなタイミングで処理されるかをタイムチャートで説明したものが図8となる。
まず、本実施例における画像処理装置を図2から図6を用いて説明する。
図2(a)は、主にジョブのスケジューリング制御を行うメインコントローラ201と、紙原稿を読み込む画像読取装置であるスキャナ部202と、画像の印刷を行うプリンタ部203が接続されている画像処理装置を示す。メインコントローラ201とスキャナ部202、プリンタ部203の詳細な接続形態については図4で説明する。プリンタ部203については図3のメカ断面図を用いて、給紙装置、後処理装置を含めて詳細に説明する。
更にメインコントローラ201はネットワークを206介してPC205と接続されている。PC205からはプリンタドライバ等を用いてメインコントローラ201にジョブ投入を行うことができる。図2(b)は、メインコントローラ201内部の制御ブロック図である。操作画面制御部210は、図5の操作画面を制御する。ジョブ実行順序制御部211は、通常印刷ジョブ、ユーザ操作による画像補正ジョブ、プリンタ要因の画像補正要求による画像補正ジョブといった各種のジョブの実行順序を制御する。
ここで述べるジョブとは、実行される一連の処理のことである。例えば、コピー機能であれば、ユーザが原稿をセットし、コピースタートボタンを押下してから印刷が完了するまでの一連の処理をジョブと呼ぶ。また、プリント機能であれば、PCからプリント指示を行い、文書が印刷されるまでの一連の処理をジョブと呼ぶ。
よって、画像補正ジョブとは、補正処理を完結するための一連の処理のことを指す。
また、画像補正判断部212は画像補正が必要であるか否かを判断する。画像補正判断部212は、画像補正実行要求が、操作画面制御部210を介してユーザ指示により行われたものか、プリンタ状態監視部214から通知されるプリンタ要因のものか判断を行う。
プリンタ要因の画像補正実行要求とは、装置が予め設定される条件を満たす場合、例えば、電源オン時の環境温度・湿度や印刷枚数の実績値を満たすとプリンタ状態監視部214が判断した場合に要求されるものである。
これは、ユーザから実行指示を受けなくても自動的に画像補正を実行するようプリンタ状態監視部214が画像補正実行要求を通知する。
なお、プリンタ要因によって実行される画像補正処理は、ユーザによる動作を必要としない。ユーザによる動作を必要としない画像補正処理については後程説明する。
画像補正判断部212が画像補正実行要求を受け、画像補正が必要と判断された場合にはジョブ実行順序制御部211へジョブを投入する制御を行う。
画像補正実行部213は、ジョブ実行順序制御部211で画像補正ジョブを実行する順番がきた時にジョブ実行順序制御部211から送信される画像補正ジョブの実行指示の要求に応じて画像補正を実行する。
以上がメインコントローラ内の制御ブロック図の説明である。
次に図3は画像処理装置、給紙装置、後処理装置を含めた全体のメカ断面図である。大きく分けると、301が画像処理装置本体であり、302が画像定着装置である。301と302を合わせて用紙への画像形成が行われる。画像処理装置本体301に大容量給紙デッキ320が接続され、給紙装置として動作する。この給紙デッキ320は複数台接続可能であり大容量給紙デッキ321が更に接続されている。後処理装置は、画像定着装置302に大容量スタッカ(以下スタッカaと呼ぶ)346が接続されている。この大容量スタッカ346も複数台接続が可能で、更に大容量スタッカ(以下スタッカbと呼ぶ)347が接続されている。更にフィニッシャ334が接続されている。
画像処理装置301は給紙デッキ305および306を有し、標準の給紙部として動作する。現像ユニット307〜310は、カラー画像を形成するために、Y、M、C、Kの4つのステーションから構成されている。ここで形成された画像は中間転写ベルト311に一次転写され、中間転写ベルトは図を時計回りに回転し、二次転写位置312で用紙搬送路304から搬送されてきた用紙へと画像が転写される。用紙へと転写された画像は、画像処理装置本体301から画像定着装置302へと受け渡されて、画像定着装置302内の定着器313で加熱、加圧されることにより用紙へ定着される。
定着器313を通過した用紙は搬送路315を通過して317へと搬送される。用紙の種類によって定着のために加熱、加圧が追加で必要な場合は、定着器313を通過した後、上の搬送経路を使って第二定着器314へと搬送される。ここで追加の加熱、加圧が施された後、搬送経路316を通って317へと搬送される。画像形成モードが両面の場合は、用紙反転パス318へと用紙が搬送され、318で反転した後、両面搬送路319へと用紙が搬送され、再給紙が行われ、312の位置で両面の2面目の画像形成が再度行われる。
用紙の両面への搬送あるいは反転動作を行うための用紙経路中に画像補正用読み取りセンサ365が存在する。このセンサ365が、スキャナ部202(リーダ364)を使用しないフル補正の場合、用紙に印刷されたテストパターンを読み取るためのセンサである。
このセンサ365は、用紙搬送路中の定着装置と排紙口の間にあればよい。
画像処理装置の標準の給紙部以外に、大容量給紙デッキ320の給紙デッキ322、323、324から用紙を給紙することも可能である。給紙された用紙は用紙搬送路325、326に搬送されて画像処理装置本体301へと送られ画像形成が行われる。2台目の大容量給紙デッキが接続された場合には、給紙デッキ329、330、331からも用紙を給紙することが可能となり、用紙搬送路332を搬送された用紙は333で1台目の大容量給紙デッキに受け渡される。これらの大容量給紙デッキには、用紙が複数枚重なった状態で搬送される重送を検知する機能を有しており、重送を検知した場合には、用紙搬送路を通常の326から327へ切り替えてエスケープトレイ328へ用紙を排紙する。
次に、後処理装置の346の大容量スタッカについて説明する。大容量スタッカは、用紙の出力トレイとして、排紙トレイ350と、リフトテーブル348とイジェクトテーブル349から構成されるスタック部の2つの出力先を持つ。画像定着装置302から画像形成が完了した用紙が317を通して大容量スタッカの用紙搬送部に入力されてくる。用紙は用紙搬送路351から352を経由して、スタック部のリフトテーブル348に積載される。用紙束が積載されていない状態ではリフトテーブル348は図示する上の位置にある。用紙束の積載が進むと用紙束の高さ分リフトテーブル348は下降し、常に積載する用紙束の上端位置が一定の高さになるように制御される。用紙束の積載が完了するか積載フルになった場合にはリフトテーブル348はイジェクトテーブル349の位置まで下降する。リフトテーブル348とイジェクトテーブル349は同じ高さになっても互い違いの位置にバーが存在するように構成されている。よって、リフトテーブル348が下降してイジェクトテーブル349より低い位置に到達した時点で、用紙束はイジェクトテーブル349の積み替えられた状態となる。排紙トレイ350に出力する場合は用紙搬送路351から353を経由して排紙トレイ350へと用紙が搬送される。更に、大容量スタッカ346の後段の後処理装置へ用紙を搬送する場合には用紙搬送路354を経由して用紙が搬送され、2台目の大容量スタッカ347あるいはフィニッシャ334へと搬送される。反転部355では用紙を反転する機構を有している。この反転部355の制御は、基本的に大容量スタッカ346に入力された用紙の向きが出力先での用紙の向きと同一となるように制御される。
つまりスタック部に積載される場合は、352を通過した用紙がリフトテーブル348上にフリップして積載されるメカニカルな構成となっているため反転部355で反転を行わないと317と348で用紙の上下が逆になる。そのためスタック部に積載する場合には反転部355で一度用紙を反転させることにより317と348での用紙の上下向きを合わせるように制御する。排紙トレイ350や、後続の後処理装置へ搬送する場合は、積載時にはそのまま用紙を排出するため317時点と同じ用紙の上下向きとなる。よって、反転部355で反転動作は行わない。また反転部355の先はエスケープ部となっており、ジャムやエラーなどの異常系動作となった場合に搬送可能な用紙をエスケープ部に搬送することができる。よって搬送経路にて反転部355より給紙部側に滞留している用紙で搬送可能なものは反転部355の先のエスケープ部に用紙は集積されるように制御される。
2台目の大容量スタッカ347については先述したスタッカ346と同一の構成であり、356から363までのそれぞれの機構は1台目の大容量スタッカの348から355までのそれぞれと同一である。
次にフィニッシャ334について説明する。フィニッシャ334では、ユーザに指定された機能に応じ、印刷済み用紙に対して後処理を加える。具体的には、ステープル(1個所・2箇所綴じ)やパンチ(2穴・3穴)や中とじ製本等の機能を有する。フィニッシャ334は、排紙トレイ335、336を有し、用紙搬送路341を経由して335に出力される。用紙搬送路341ではステイプル等の処理を行うことはできない。ステイプル等の処理を行う場合は用紙搬送路342を経由して処理部343でユーザに指定された機能のフィニッシングを実行し排紙トレイ336へ排紙される。排紙トレイ335、336は昇降することが可能であり、排紙トレイ335を下降させ343でフィニッシング処理した用紙を下の排紙口から積載するように動作することも可能である。ユーザの指定により挿入紙が指定された場合には、所定のページにインサータ338にセットされている挿入紙を、用紙搬送路340を通して挿入させるように動作させることも可能である。中とじ製本が指定された場合には中とじ処理部344で、用紙中央にステイプルされた後、用紙を二つ折りにして用紙搬送路345を経由して中とじ製本トレイ337へ出力される。製本トレイ337はベルトコンベア構成になっており、製本トレイ337上に積載された中とじ製本束は排紙口側へ搬送される構成となっている。
リーダ364とドキュメントフィーダ(不図示)について説明する。
なお、リーダ364は、図2に示すスキャナ部202と同一の構成である。
これらは主にコピー機能で利用されるが、原稿台に原稿をセットして読み込みを行なう場合には、原稿台に原稿をセットしてドキュメントフィーダを閉じる。すると、開閉センサは原稿台が閉じられたことを検知した後、スキャナの筐体内にある反射式の原稿サイズ検知センサが、セットされた原稿サイズを検知する。このサイズ検知を起点にして光源で原稿を照射し、CCDが画像を読み取りデジタル信号に変換され、所望の画像処理を行なってレーザ記録信号に変換される。変換された記録信号は、後述する図4で説明するコントローラ内のメモリに格納される。
ドキュメントフィーダに原稿をセットして読み込みを行なう場合には、ドキュメントフィーダの原稿セット部へ原稿をフェースアップで載置する。すると、原稿有無センサが、原稿がセットされたことを検知し、これをうけて原稿給紙ローラと搬送ベルトが回転して原稿を搬送し原稿台上の所定の位置に原稿がセットされる。これ以降は原稿台での読み込みと同様に画像が読み込まれ、コントローラ201内のメモリに格納される。このスキャナは本実施例で説明する画像補正のうち、スキャナ部202(リーダ364)を使用するフル補正時のテストパターンの読み取りにも使用する。
次に画像処理装置のスキャナ部202やプリンタ部203、ネットワークインタフェース部の制御を行うコントローラのハード構成の詳細について図4を用いて説明する。
メインコントローラ201は、主にCPU402と、バスコントローラ403、及び各種I/Fコントローラ回路から構成される。
CPU402とバスコントローラ403は、機器全体の動作を制御するものであり、CPU402はROM404からROM I/F405を経由して読込んだプログラムに基づいて動作する。また、PC205から受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈し、ラスターイメージデータに展開する動作も、このプログラムに記述されており、ソフトウェアによって処理される。バスコントローラ403は各I/Fから入出力されるデータ転送を制御するものであり、バス競合時の調停やDMAデータ転送の制御を行う。
DRAM406はDRAM I/F407によってメインコントローラ201と接続されており、CPU402が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
コーデック408は、DRAM406に蓄積されたラスターイメージデータをMH/MR/MMR/JBIG/JPEG等の方式で圧縮し、また逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスターイメージデータに伸長する。SRAM409はコーデック408の一時的なワーク領域として使用される。コーデック408はI/F410を介してメインコントローラ401と接続され、DRAM406との間のデータの転送は、バスコントローラ403によって制御されDMA転送される。
グラフィックプロセッサ424は、DRAM406に蓄積されたラスターイメージデータに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行う。SRAM425はグラフィックプロセッサ424の一時的なワーク領域として使用される。グラフィックプロセッサ424はI/Fを介してメインコントローラ201と接続され、DRAM406との間のデータの転送は、バスコントローラ403によって制御されDMA転送される。
ネットワークコントローラ411はI/F413によってメインコントローラ201と接続され、コネクタ412によって外部ネットワークと接続される。ネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)があげられる。
汎用高速バス415には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ414とI/O制御部416とが接続される。汎用高速バスとしては、一般的にPCIバスがあげられる。I/O制御部416には、スキャナ部202、プリンタ部203の各CPUと制御コマンドを送受信するための調歩同期シリアル通信コントローラ417が2チャンネル装備されている。そして、I/O制御部416は、I/Oバス418によってスキャナI/F回路426,プリンタI/F回路430に接続されている。
パネルI/F421は、LCDコントローラ420に接続され、操作部上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーの入力を行うためのキー入力I/Fとから構成される。
図5の操作部501は液晶表示部と液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と複数個のハードキーを有する。
タッチパネルまたはハードキーにより入力された信号は前述したパネルI/F421を介してCPU402に伝えられ、液晶表示部はパネルI/F421から送られてきた画像データを表示するものである。液晶表示部には、本画像処理装置の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
リアルタイムクロックモジュール422は、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存するためのもので、バックアップ電池423によってバックアップされている。
SATAインタフェース439は、外部記憶装置を接続するためのものである。本実施例においては、このI/Fを介してハードディスクドライブ438を接続し、記憶装置であるハードディスク440へ画像データを記憶させたり、ハードディスク440から画像データを読み込んだりする動作を行う。コネクタ427と432は、それぞれスキャナ部202とプリンタ部と203に接続され、同調歩同期シリアルI/F(428,433)とビデオI/F(429,434)とから構成される。
スキャナI/F426は、コネクタ427を介してスキャナ部202と接続されている。また、スキャナI/F426は、スキャナバス441によってメインコントローラ201と接続されており、スキャナ部202から受け取った画像に対して所定の処理を施す機能を有する。さらに、スキャナI/F426は、スキャナ部202から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス429に出力する機能も有する。スキャナバス429からDRAM406へのデータ転送は、バスコントローラ403によって制御される。
プリンタI/F430は、コネクタ432を介してプリンタ部203と接続され、また、プリンタバス431によってメインコントローラ401と接続されている。
プリンタI/F430は、メインコントローラ401から出力された画像データに所定の処理を施して、プリンタ部203へ出力する機能を有する。さらに、プリンタI/F430は、プリンタ部203から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、プリンタバス431に出力する機能も有する。
DRAM406上に展開されたラスターイメージデータのプリンタ部203への転送は、バスコントローラ403によって制御され、プリンタバス431、ビデオI/F434を経由して、プリンタ部203へDMA転送される。
SRAM436は、バックアップ用電池から供給される電源により、装置全体が電源遮断されても記憶内容を保持できる構成となっているメモリであり、バス435を介してI/O制御部と接続されている。EEPROM437も同様にバス435を介してI/O制御部と接続されているメモリである。コントローラのハード構成の詳細は以上である。
次に各種設定を行なう操作部について説明する。図5の501に示すような操作部が図4の421のパネルI/Fの先に接続されている。
502はユーザが設定した設定値などを取り消すためのリセットキーである。503は動作中のジョブを中止させる時に使用するストップキーである。504は部数などの数値入力を行うためのテンキーである。505はタッチパネル式の操作画面である。この操作画面505には具体的には図6で示すような画面を表示する。各種設定をするためのタッチパネルのボタンが多数存在する。506は原稿の読み込み等ジョブをスタートさせるためのスタートキーである。507は設定などをクリアするためのクリアキーである。その他、初期設定/登録ボタンや節電を行うボタンや、メインメニューを表示するためのボタンや、ユーザ毎にカスタマイズ画面を構成出来るクイックメニューボタンや、機器の状態を表示するためのステータスモニタのボタンがハードキーとして配置されている。以上が操作パネルの各部の説明である。
タッチパネル505に表示される内容について図6を用いて説明する。画面上部に表示されているタグ602は各機能を選択する。左から順に、コピー機能、FAX送信やEメール送信、ファイルサーバへの送信などの送信機能、ボックス機能、リモートスキャナ機能である。
ボックス機能とは、スキャナ部で読み込んだ画像データを機器内のハードディスクに格納したり、格納されたデータの操作やプリントを行うことができる機能である。
リモートスキャナ機能とは、ネットワーク経由でPCから操作してスキャン画像をPCに取り込むことができる機能である。
各機能のタグを選択することによりそれぞれの詳細設定を行うための画面に遷移する。図示したものはコピー機能の画面である。603は色モードを選択するボタンである。このボタン603を押下することによりプルダウンメニューが表示され、コピー時の出力設定がカラー/モノクロ/自動から選択可能である。図6では自動が選択された状態となっている。その他、倍率指定ボタン604、用紙選択ボタン605、シフトソートやステイプルソートなどフィニッシング指定を行なう仕上げボタン606が配置されている。また、両面指定を行なう両面ボタン607、濃度を指定するバー608、原稿タイプを選択するボタン609、応用モードボタン610、プリント状況や消耗品の状態やその他の状況を表示すためのシステム状況/中止ボタン611などが配置されている。
また、501のハードキーである設定/登録ボタンを押下して表示されるメニューの一部として、図1で示す画像補正の画面も表示することができる。
次に本実施例で用いる画像補正ジョブの基本動作について図7を用いて説明する。
図7(a)に示す701から704の処理は、クイック補正と呼ばれる画像補正ジョブのタイムチャートを示す。
図1(b)はクイック補正106ボタンが選択された場合に実行される画像補正ジョブである。クイック補正はフル補正と異なり、テストパターン画像を用紙に出力せず中間転写ベルト311上に出力する。そして、画像処理装置内のセンサにより測定されたテストパターンの測定結果を用いて、画像処理装置から出力される画像の再現特性を補正する。
つまり、用紙に出力されたテストパターン画像をスキャナ部202に設置する作業を、ユーザが行う必要がない。なお、上記したプリンタ要因で自動的に実行される画像補正はクイック補正である。
クイック補正の処理を開始するためにユーザが行う操作は701に示す時点でのユーザ操作である。以降、黒の下向き三角でユーザ操作を表す。
701の時点でクイック補正の開始がユーザ操作により指示されると、702の期間でテストパターン画像の出力が中間転写ベルト311上に行われる。すると、703の期間に図3の図示しない読み取りセンサで、中間転写ベルト311に出力されたパターンの濃度値の読み取り作業を行う。次に、704の期間で、703の期間で読み取られたデータである実測濃度値と、理想濃度値であるテストパターンのデータとしての濃度値の差をなくすように補正する補正値を画像ルックアップテーブルに反映させる。このようにして画像補正を行うのがクイック補正である。ユーザは701の時点で装置に対して1回操作すれば、クイック補正の実行が完了する。よって、これを「単一操作型画像補正ジョブ」と呼ぶ。
次に図7(b)の705から709の処理は、図1(b)に示す画面にて、方式の選択109によりプリンタ内のセンサ365を使って補正をすることが選択され、さらにフル補正105の実行が選択された場合に実行される画像補正ジョブのタイムチャートを示す。
この場合、705の時点でのユーザの操作により、フル補正の実行指示がされると706の期間にテストパターン画像が用紙上に形成される。その一例が709である。用紙搬送方向を矢印の方向とした場合に、矢印と平行な方向に同一色の濃淡のパッチ画像が形成され、矢印と垂直方向にシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの順で画像形成されている。次に、707の期間にこのテストパターン画像を、プリンタ内のセンサ365を使って読み取る。プリンタ内のセンサ365は、プリンタ部203の用紙搬送路中の定着装置と排紙口の間にあり、用紙の搬送方向と垂直方向に4列並んでおり、色毎に1つのセンサで測定を行う。
次に、708の期間で、707の期間で読み取られたデータである実測濃度値と、理想値であるテストパターンのデータとしての濃度値の差を補正するように補正値をルックアップテーブルに反映させる。
この画像補正を、スキャナ部202(リーダ364)を使用しないフル補正と呼ぶ。
用紙搬送路に設置されるセンサ365により、テストパターン画像の読取りが行われるため、ユーザが、先述したクイック補正と同様に用紙に出力されたテストパターン画像をスキャナ部202に設置する作業を行う必要がない。よって、1度のユーザ操作でジョブが実行されるため、この補正ジョブも単一操作型画像補正ジョブとなる。
次に図7(c)の710から721の処理は、図1(b)の方式の選択109によりスキャナ部202(リーダ364)を使う補正が選択され、さらにフル補正105の実行が選択された場合に実行される画像補正ジョブのタイムチャートを示す。
すべての補正処理を完了させるためには、710、711、712、713の時点でユーザの操作を必要とする。710の時点でのユーザ操作によりスキャナ部202(リーダ364)を使用するフル補正の実行が指示されると、714の期間でテストパターン画像が印刷される。テストパターン画像の具体例を720に示す。テストパターン画像として、K、C、M、Yの最大濃度の繰り返しパターン画像が印刷される。パターン画像が印刷された用紙は、ユーザの作業によりスキャナ部202(リーダ364)の原稿台にセットされ、711の時点でのユーザ操作で、715の期間にテストパターン画像の輝度値が読み取られる。次に、716の期間で、715の期間に読み取られたデータが画像テーブル最大濃度の補正処理に反映される。次に、712の時点でのユーザの操作により、717の期間で、2枚目のテストパターン画像の印刷が行われる。717の期間で印刷されるテストパターン画像の具体例を721に示す。テストパターン画像として、K、Y、M、Cのハーフトーンを所定濃度間隔に並べたパターン画像が印刷される。この用紙をユーザの作業により再びスキャナ部(リーダ364)の原稿台にセットされ、713時点でのユーザ操作で、期間718にてテストパターン画像の輝度値が読み取られる。読み取られたデータは、719の期間にて画像のルックアップテーブルに反映される。
この画像補正は、スキャナ(リーダ)を使用したフル補正と呼ばれる。スキャナ(リーダ)のように接続された読み取り装置を用いて取得された値を得るため、全ての補正処理が完了するまでに複数のユーザによる操作、作業を必要とする。よって、この画像補正を「対話型画像補正ジョブ」と呼ぶ。以上が画像補正ジョブの種類についての説明である。
次に、画像処理装置が、定着プロセス安定化処理を実行するためウェイト中となる電源オン直後の画像補正ジョブの予約制御の詳細について図8のタイミングチャートを用いて説明する。
従来の制御が図8(a)の801から810に示されている。801の時点で電源がオンされると、画像処理装置は802の期間、ウェイト時間となる。この期間、各種初期化処理や、定着器の温度を上昇させるためのプロセス安定化処理制御が行われる。先に説明したように印刷市場で使用される高速の画像処理装置では定着器の熱容量が大きいため、定着プロセス安定化処理を実行に要する802の期間(ウェイト時間)が長い。
よって、画像補正ジョブをウェイト時間中に予約できないように制御すると、ウェイト時間終了後、803のスタンバイ中になるまで、図7(a)、(b)に示す単一操作型画像補正ジョブも、図7(c)に示す対話型画像補正ジョブも実行指示が出来なかった。
そのため、ユーザは画像補正実行指示をするために、ウェイト時間が終了(定着プロセス安定化処理終了)するまでの時間、待たされることになっていた。このときの操作部画面が図1(a)にてプリント開始ボタン102がグレーアウトしている状態に相当する。
これに対し、本実施例では、図8(b)ように、装置内に設置された(内蔵された)センサでテストパターン画像の測定を行う単一操作型画像補正ジョブに限りウェイト中でも予約可能とするように制御する。811の時点で電源がオンされると画像処理装置は812の期間でウェイト中となる。この状態で単一操作型画像補正ジョブは814の時点で操作可能になるように操作部のボタンを図1(d)のように押下可能とする。これによりユーザが画像処理装置の前に拘束される拘束期間は短縮され、画像補正の実行を指示するユーザの手離れが良くなる。
実行の予約がされた画像補正ジョブは画像処理装置の状態が812の期間のウェイト時間が終了(定着プロセス安定化処理終了)し813のスタンバイ中に遷移したタイミングで実行される。すなわち、815の期間に実行される。
ウェイト時間が終了(定着プロセス安定化処理終了)されれば、単一操作型画像補正ジョブはユーザによる作業を必要としないため、ユーザが画像処理装置の周辺に不在であっても画像補正ジョブを終了することができる。
一方、接続された読み取り装置(スキャナやリーダ)がテストパターン画像を読み取った値を取得してテストパターン画像の測定結果を得る対話型画像補正ジョブは、画像処理装置がウェイト中である間は実行予約をすることができないよう制御する。対話型画像補正ジョブの場合、仮に816の時点でユーザ操作により画像補正ジョブの実行を予約可能なように制御したとしても、スタンバイ状態になるまで、テストパターン画像の印刷が実行されない。
よって次のユーザ作業となるテストパターン画像を読取るためスキャナ部にテストパターン画像を設置する作業を示す817が実行できない。これにより、スタンバイ状態になるまで待機しなくてはならず、画像補正ジョブの実行を指示するユーザの手離れは改善されない。
仮に、ウェイト時間中に対話型画像補正ジョブの実行予約を可能にした場合、ユーザはウェイト時間が終了(定着プロセス安定化処理終了)し、テストパターン画像が印刷されたであろうタイミングを見計らって再び画像処理装置に戻ってこなければならなくなる。よって、ユーザの行動を拘束する可能性がある。このため対話型画像補正ジョブはウェイト中に実行予約できないように制御する。
次に図9を用いて、ウェイト時間中(定着プロセス安定化処理終了前)に、通常の印刷ジョブと画像補正ジョブの予約操作を行った際の制御についてタイミングチャートで説明する。なお、以下では、ウェイト時間に予約操作を行うことについて記載するが、ウェイト時間(電源が入力されてから、定着プロセス安定化処理終了まで)に限定せずに、電源入力前に予約操作を行っても良い。例えば、前日に翌日電源が入力され、定着プロセス安定化処理が終了後に実行される画像補正ジョブの予約操作を行っても良い。
ユーザ操作による画像補正ジョブで予約操作が可能なものは単一操作型画像補正ジョブに限定される。その他にプリンタ要因の画像補正要求による画像補正ジョブも合わせて説明する。まず図9(a)は通常印刷ジョブと、ユーザ操作による単一操作型画像補正ジョブをウェイト中に予約した場合である。901の時点での電源オン直後の902の期間は、ウェイト中の状態である。この時、903の時点で印刷ジョブを投入する。印刷ジョブを投入するには、画像処理装置の操作部上から、コピー機能やボックス機能を利用して投入してもよいし、ネットワーク接続されたPCのプリンタドライバを用いてPDL印刷ジョブを投入してもよい。このようにウェイト時間中に投入されたジョブのジョブリストを図5の画面やPC205の表示画面(不図示)に表示してもよい。
印刷市場では最初にジョブを開始する際、画像処理装置を安定的に動作させるために、暖気運転を行う運用がされている。暖気運転とは、画像処理装置において画像形成を行うための電子写真プロセスをある程度動作させるための慣らし運転である。具体的には、定着温度を一定にするために、定着器に用紙を通紙し、定着器の温度を安定させる。
このような暖気運転を行うため、ある程度の枚数の用紙を定着装置に通紙させる。ここでは903の時点で投入された印刷ジョブがこの暖気運転用の印刷となる。
または、暖気運転が必要でないと判断された場合は、903の時点で投入された印刷ジョブは通常印刷ジョブとなる。
暖気運転を行う際に用いられる印刷枚数はユーザが投入するジョブによって枚数も自由に変更することが可能である。
そして、ユーザが、暖気運転により画像処理装置がある程度安定的に動作するようになった後で画像補正の実行を所望する場合、903の時点でのジョブ投入に続いて、904の時点で単一操作型画像補正ジョブの実行予約を投入する。これにより、画像補正の実行を指示するための時間が短時間で済み、簡単に操作を終えることが可能である。よって、画像補正の実行を指示する際のユーザの手離れが良くなる。
画像処理装置のウェイト時間が終了(定着プロセス安定化処理終了)すると、最初に投入された印刷ジョブが905の期間で実行される。そして、この印刷ジョブが終了して906の期間でスタンバイになったタイミングで、904の時点で予約されていた単一型画像補正ジョブが907の期間で実行される。この間もユーザは作業を必要とされないため、画像処理装置の前に拘束される必要はなく、自動的に画像補正の処理を完了させることができる。
一方、図9(b)は画像補正ジョブがユーザ操作ではなく、プリンタ要因の画像補正要求が発生した場合の動作を示している。908の時点で電源をオンした後、909の期間でウェイト時間中になり、先ほどと同様に910の時点で印刷ジョブを投入したとする。この時、図2のプリンタ状態監視部214でプリンタ要因の画像補正要求を911の時点で検知し、画像補正判断部212が913の時点での画像補正ジョブを投入する。
この場合、ウェイト時間終了(定着プロセス安定化処理終了)後、プリンタ要求による画像補正ジョブが印刷ジョブよりも最優先で処理される必要がある。よって、印刷ジョブがプリンタ要因による画像補正より先に予約されていたとしても、912でスタンバイ中に状態遷移した時点で913の期間でプリンタ要因による画像補正ジョブの実行を優先するように制御する。913で実行される画像補正処理が終了すると、910の時点で予約された印刷ジョブを914で実行する。
このように、ユーザ操作による画像補正ジョブとプリンタ要因による画像補正ジョブは、通常の印刷ジョブとの順序制御を切り替えて制御を行う。すなわち、ウェイト中に、ユーザ操作による画像補正ジョブが印刷ジョブよりも後に実行予約された場合は、ウェイト時間が終了(定着プロセス安定化処理終了)してスタンバイ状態になった際、先に予約されたジョブが優先的に実行される。
しかし、ウェイト中に、プリンタ要因による画像補正ジョブが通常の印刷ジョブよりも後に実行予約された場合は、ウェイト時間が終了(定着プロセス安定化処理終了)してスタンバイ状態になった際、優先的にプリンタ要因による画像補正ジョブが実行される。
図10は、ユーザ操作により画像補正ジョブとプリンタ要因画像補正ジョブと通常印刷ジョブが予約された際に実行される処理のタイミングチャートである。
次に図10(a)を用いて、通常印刷ジョブと単一操作型画像補正ジョブとプリンタ要因の画像補正ジョブがウェイト時間中に実行予約された場合について説明する。
1001の時点で電源がオンになり、1002の期間ウェイト時間中となる。この時、通常の印刷ジョブは予約可能であるため、1003の時点で印刷ジョブ(暖気用)が予約投入される。次に暖気が完了したら画像補正をしたいと考えたユーザが1004の時点で単一操作型画像補正ジョブを予約投入する。その後、プリンタ要因の画像補正要求が発生し、1005の時点でプリンタ要因の画像補正ジョブが投入されたケースを想定している。この場合、プリンタ要因の画像補正が最優先されるため、1006でスタンバイ中に状態遷移した段階で、1007の期間にプリンタ要因の画像補正が実行される。これが完了すると、先に実行予約されていたユーザ操作により指示された印刷ジョブが実行され、1008の期間でプリント中となる。この印刷ジョブが終了し、1009でスタンバイ中になると、次にユーザ操作により実行予約されていた画像補正ジョブが、1010の期間に実行される。このようなジョブの順序制御がジョブ実行順序制御部211で行われる。
次に図10(b)を用いて、重複した同一の画像補正ジョブの一方をスキップする場合の処理について説明する。1011の時点で電源がオンになり、1012の期間でウェイト時間中になる。この時、1013の時点でユーザ操作による単一操作型画像補正ジョブが投入される。その後、1014の時点でプリンタ要因の画像補正要求が発生し画像補正ジョブが予約される。この場合、画像補正ジョブには先に説明したように複数種類の補正処理があるが、1013の時点で実行予約された画像補正ジョブと1014の時点で実行予約された画像補正ジョブは種類が同一のものであるとする。この場合、ウェイト期間が終了(定着プロセス安定化処理終了)し、1015のスタンバイ中になると、まずプリンタ要因の画像補正要求による画像補正が実行され、次に単一操作型画像補正ジョブが実行される。しかし、これらの画像補正ジョブは発生要因が異なるだけで、補正処理内容は同一であるため、これらを連続的に実行すると重複して無駄な処理を行うことになる。そこで1016では、片方の画像補正ジョブをスキップして、画像補正を1回しか行わないように制御する。または、プリンタ要因の画像補正と、単一操作型画像補正とで実行される補正処理が全て同じでなくても、一部同じ補正処理を含んでいれば、同じ補正処理を1度だけ実行して、補正処理に要する時間を短縮することもできる。
最後に、これまで説明してきた本実施例の内容をフローチャートにまとめたものを図11から図13を用いて説明する。
図11から図13のフローチャートの各ステップは不図示の制御プログラムはメインコントローラ201が有する記憶装置440に格納されており、RAM406にロードされて、CPU402によって実行されるものである。
図11は操作部の画面制御に関するフローチャートである。ステップ1101にて、画像補正処理を開始する。次に、ステップ1102で画像補正処理の開始画面(図1(b))へ遷移する。そしてステップ1103で、プリンタ部203にてテストパターン画像がプリント可能な状態であるか否かをチェックする。プリント可能状態であると判断されれば1104へ遷移する。この場合、ウェイト中でなくてスタンバイ中であるので、単一操作型画像補正ジョブも対話型画像補正ジョブも含めて全画像補正の開始ボタンを有効とするように画像補正の開始画面の制御を行う。
1103でプリント可能状態でない、つまりウェイト時間中であると判断されれば1105へ遷移する。そして、単一操作型画像補正ジョブの開始画面なのか対話型画像補正ジョブなのかを判断する。
すなわち、ユーザは、1度の操作により実行指示のみすれば、他に操作や作業する必要のない画像補正ジョブである単一操作型画像補正ジョブなのか、ユーザの操作や作業を複数回必要とする対話型画像補正ジョブなのか判断する。
クイック補正や、テストパターンを測定する際に画像処理装置内にあるセンサ365を用いて実行するフル補正は、単一操作型補正処理ジョブに含まれる。一方、テストパターンを測定する際にセンサ365を用いないで、スキャナ部202(リーダ364)を用いるフル補正は、対話型画像補正ジョブに含まれる。
図5の画面に表示されているのが、単一操作型画像補正ジョブの実行が選択された場合の開始画面であると判断した場合には、ステップ1106へ遷移する。そして、図1(d)のように、開始ボタンを有効とするように画面制御する。一方、ステップ1105にて、図5の画面に表示されているのが、対話型画像補正ジョブの実行が選択された場合の開始画面であると判断した場合には、1107へ遷移する。そして、図1(c)のように開始ボタンを無効とするように画面制御する。
図12は、ウェイト中に予約された画像補正ジョブと通常ジョブの順序制御の概略フローチャートである。ウェイト時間中にジョブが予約される時に本フローが実行される。
1201で処理がスタートし、ステップ1202で画像処理装置がウェイト中である時に、画像補正ジョブが予約されたか否か判断する。ユーザ操作によるジョブの投入も、プリンタ要因によるジョブの投入も無いと判断された場合はステップ1206へ遷移し終了する。ステップ1202にて、ジョブの予約があると判断された場合には1203へ遷移する。そして、予約された画像補正ジョブが、プリンタ要因の画像補正ジョブであると判定された場合はステップ1204に進む。そしてステップ1204にて、ウェイト時間終了(定着プロセス安定化処理終了)後、プリンタ要因の画像補正を通常印刷より優先して実行されるように制御する。一方、ステップ1203にて、プリンタ要因でなくユーザ指示による画像補正ジョブであると判定された場合はステップ1205に進む。そしてステップ1205にて、ウェイト時間終了(定着プロセス安定化処理終了)後、画像補正と通常印刷は投入順序どおりに実行されるように制御する。
図13は、図12を更に詳細に細分化したフローチャートである。
ステップ1301で処理がスタートすると、ステップ1302で画像処理装置がウェイト時間中であるか否かを判断する。ウェイト時間中であると判断された場合はステップ1303へ遷移する。そしてステップ1303にて、予約されるジョブが通常印刷ジョブか否か判断する。通常印刷ジョブであると判断された場合はステップ1304に進み、予約されるジョブをFIFO(ファーストインファーストアウト)で処理されるキューにキューイングし、ステップ1302に戻る。ステップ1303で通常印刷ジョブでないと判断された場合は、ステップ1305に進む。そしてステップ1305にてユーザ指示による画像補正ジョブか否か判断する。ユーザ指示による画像補正ジョブであると判断されれば通常印刷ジョブと同様にステップ1306に進み、ユーザ指示による画像補正ジョブがFIFOにキューイングされる。ステップ1305でユーザ指示による画像補正ジョブでないと判断された場合は、プリンタ要因の画像補正要求による画像補正ジョブとなるので、この時はステップ1307に進む。そしてステップ1307にてプリンタ要因の画像補正要求による画像補正ジョブをキューの先頭に挿入する制御を行う。ステップ1302のウェイト時間が終了(定着プロセス安定化処理終了)しウェイトが解除されるとステップ1308へ遷移する。
ステップ1308にてウェイト時間中にキューイングされたジョブを実行する処理へと移る。FIFOにジョブが存在すると判断された場合はステップ1309へ遷移し、FIFOの先頭ジョブを解析する。先頭ジョブが画像補正ジョブでないと判断された場合は、ステップ1310に進みで通常印刷を実行する。その後、ステップ1311でキューから実行終了したジョブを削除したのちステップ1308に戻る。ステップ1309で先頭ジョブが画像補正ジョブであると判断された場合は1312へ遷移する。そして、ステップ1312にて、後続に同一の補正処理を行う画像補正ジョブが連続してキューイングされているか否か判断する。同一補正処理を行う画像補正ジョブが連続している場合は、画像補正処理を重複して実行してしまうことになるため、ステップ1313で重複している画像補正処理をキューから削除してステップ1314へ遷移する。
すなわち、プリンタ要因の画像補正ジョブと、ユーザ指示による画像補正ジョブが連続して実行される際、2つの画像補正ジョブ中に同一の特性を補正する補正処理が含まれている場合(補正内容が同一である場合)、2回目の補正処理は無駄になる。
よって、プリンタ要因の画像補正ジョブが実行された後、所定時間内に実行されるユーザ指示による画像補正ジョブにおいて、2つの画像補正ジョブにおいて同一の特性を補正する補正処理を実行しない。
なお、この所定時間とは予め設定された時間であり、この時間には他の印刷ジョブが実行されない。
ステップ1314では画像補正処理の重複が解消された状態となっており、ここで重複しない画像補正を実行したのち、ステップ1315に進む。そして、ステップ1315にて実行終了したジョブをキューから削除し、ステップ1308へ戻る。ステップ1308でFIFOのジョブがすべて終了したと判断されると、ウェイト時間中に予約されていたジョブはすべて終了したことになり、ステップ1316に進み処理が終了する。
上記により、ウェイト時間中に画像補正処理のうちユーザ操作が1度で済む画像補正処理を実行予約することができるので、画像補正処理を指示するユーザの手離れが良くなる。また、ウェイト時間中に実行予約された印刷ジョブと、ウェイト時間中に実行予約された画像補正ジョブとを、ウェイト時間終了(定着プロセス安定化処理終了)時に意図した順序で実行させることができる。
また、ウェイト時間中にプリンタ要因の画像補正ジョブを実行するよう判断された場合は、ウェイト時間終了(定着プロセス安定化処理終了)後、ウェイト時間中に予約したどのジョブよりも優先してプリンタ要因の画像補正ジョブが実行される。これにより、プリンタにより実行が必要であると判断された場合には、印刷処理よりも先に画像補正処理を実行することができるので、ウェイト時間終了(定着プロセス安定化処理終了)後に出力される画像の画質を向上させることができる。
[実施例2]
実施例1では、ウェイト時間が終了(定着プロセス安定化処理終了)しウェイトが解除されてから画像補正処理をスタートするようなタイミングチャートになっている。しかし、プリンタ要因の画像補正は、時間を短縮するためウェイト中に実行する制御構成にすることも可能である。これによりウェイト時間終了後、画像補正処理を実行するのに必要となる時間を少しでも短縮できる。
そこで、図14ではプリンタ要因の画像補正処理は、ウェイト時間中に実行するような制御にした場合のフローチャートを示す。
本フローチャートの各ステップは不図示の制御プログラムはメインコントローラ201が有する記憶装置440に格納されており、RAM406にロードされて、CPU402によって実行されるものである。
本フローチャートは、ほとんどの部分で図13と同様になるので、異なる部分のみ説明する。
ステップ1405にて、プリンタ要因の画像補正処理ジョブが予約されていると判断されると、ステップ1407にて、プリンタ要因の画像補正ジョブを実行する。
そして、ステップ1408にて、プリンタ要因の画像補正ジョブを実行した履歴と、画像補正ジョブ実行済フラグと実行された画像補正内容の情報を保持する制御を行う。
ウェイト時間が終了し、ウェイト解除された後は、ステップ1410でFIFOの先頭がユーザ指示の画像補正ジョブか否かを判断する。ステップ1410で画像補正ジョブでないと判断された場合はステップ1411に進み、通常印刷を実行する。そしてステップ1412でキューから実行したジョブを削除する。そして、この場合は、通常印刷が実行されたため、ウェイト中に実行された画像補正と、ウェイト終了後に実行される画像補正処理と補正処理の補正処理内容が重複することが無い(補正値が同一になることがない)。よってステップ1413で実行済フラグおよび画像補正種類の情報をクリアする。
ステップ1410でユーザ指示の画像補正ジョブであると判断された場合は、ステップ1414に進む。そしてステップ1414にて、ウェイト時間中にプリンタ要因の画像補正が行われた実績があるか否かを実行済フラグおよび画像補正種類の情報を確認し、実行された補正処理のうち内容が同一なものがあればステップ1416に進む。そして、ステップ1416にてフラグをクリアし、ステップ1415での実行を行わずにステップ1417でキューからジョブを削除する。このように画像補正ジョブを重複して実行するのを回避するように制御する。
なお、実行された画像補正のうち一部だけ同じ内容の補正が実行されている場合は、同じ内容の補正のみ、キューからジョブを削除し、一部の処理が重複しないように制御する。
実行済フラグがOFFであるか、ONであっても画像補正の内容が異なる場合は、実行される画像補正に重複がないのでステップ1415でユーザ指示による画像補正ジョブを実行するように制御する。
本フローチャートでは、ウェイト時間中にプリンタ要因の画像補正ジョブを実行してしまうため、同一の画像補正ジョブの重複チェック処理が図13のフローチャートとは異なる。しかし、図13のフローチャートで実行される処理のうち、画像補正処理を少しでも前倒し出来る部分があるため、補正に要する時間の短縮が図れる。
実施例2により、実施例1と同様の効果が得られる上に、プリンタ要因の画像補正ジョブは画像処理装置がスタンバイになる前であるウェイト時間中に実行されるよう制御できる。これにより、実施例1よりも、画像補正の実行に必要となるトータルの時間を短縮することが可能になる。
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、上記実施例について電子写真装置を例に説明をしたが、インクジェットプリンタ、サーマルプリンタ等でもよく、本発明の主旨はプリンタの種類に限定されるものではない。