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JP6055045B2 - 現像ローラ - Google Patents

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JP6055045B2 JP2015155110A JP2015155110A JP6055045B2 JP 6055045 B2 JP6055045 B2 JP 6055045B2 JP 2015155110 A JP2015155110 A JP 2015155110A JP 2015155110 A JP2015155110 A JP 2015155110A JP 6055045 B2 JP6055045 B2 JP 6055045B2
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Description

本発明は現像ローラ(以下、単に「ローラ」とも称する)に関し、詳しくは、複写機、プリンタ等の電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置において用いられる現像ローラに関する。
近年、電子写真技術の進歩に伴い、各電子写真プロセスにおいて用いられる導電性部材に対する要求も高まってきている。中でも、現像プロセスに用いられる現像ローラには、所定の電気抵抗値のみならず、現像機構に対応した種々の特性を備えていることが必要とされる。
従来、現像剤(トナー)として非磁性一成分現像剤を用いる場合の現像方法としては、静電潜像を保持した感光ドラム等の像担持体にトナーを供給し、像担持体上の潜像にトナーを付着させて潜像を可視化する現像方法(加圧現像法)が知られている。この方法によれば、磁性材料が不要であるため装置の簡素化、小型化が容易であるとともに、トナーのカラー化が容易となる。加圧現像法は、トナーを担持した現像ローラを静電潜像を保持した像担持体に接触させて、像担持体上の潜像にトナーを付着させることにより現像を行うものであるため、この方法に用いる現像ローラは、導電性を有する弾性体で形成する必要がある。
図2に、加圧現像法を用いた現像装置の一構成例を示す。図示する現像装置においては、現像ローラ10が、トナーを供給するためのトナー供給ローラ11と静電潜像を保持した感光ドラム12との間に、感光ドラム12に接触した状態で配置され、これら現像ローラ10、感光ドラム12およびトナー供給ローラ11がそれぞれ図中の矢印方向に回転することにより、トナー13がトナー供給ローラ11により現像ローラ10の表面に供給される。供給されたトナーは成層ブレード14により均一な薄層に整えられ、この状態で現像ローラ10が感光ドラム12と接触しながら回転することにより、薄層に形成されたトナーが現像ローラ10から感光ドラム12の潜像に付着して、潜像が可視化されるようになっている。なお、図中の符号15は転写部を示し、ここで紙等の記録媒体にトナー画像が転写される。また、符号16はクリーニング部を示し、転写後に感光ドラム12表面に残留するトナーをクリーニングブレード17により除去している。さらに、符号18は、感光ドラム12に当接して感光ドラム12を帯電させる帯電ローラである。
この場合、現像ローラ10は、感光ドラム12に密着した状態を確実に保持しつつ回転しなければならないため、通常、金属等の良導電性材料からなるシャフトの外周に、導電剤を配合することにより導電性を付与した導電性のゴムや高分子エラストマー、高分子フォーム等からなる弾性層を形成した構造を基本構造として、所望の表面粗さや導電性、硬度などを得るために、その外周に一層または複数層の塗膜を設けたものが使用されている。
かかる現像ローラに係る改良技術として、例えば、特許文献1には、良導電性シャフトの外周に半導電層を形成してなるトナー担持体について、表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に8kVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて表面を帯電させた場合の、電荷付与後0.1秒から0.2秒後までの表面電位減衰速度絶対値を検査するトナー担持体の検査方法が開示されている。また、特許文献2には、画像形成に用いられる中間転写ベルトにおいて、最初の1次転写で帯電された電位が次の1次転写の位置にくるまでに、転写電圧の1/3以下に減衰しているように比誘電率、表面抵抗及び体積抵抗を調整する技術が開示されている。
特開2003−215921号公報(特許請求の範囲等) 再表2002−56119号公報(特許請求の範囲等)
ところで、現像ローラにおいては、連続使用に伴いローラ表面に電荷が蓄積してしまう場合があり、これによりローラ表面から感光ドラム上に必要以上にトナーが移動し過ぎることで、ゴーストやかぶり、階調性の悪化などの印刷画像の不具合が生ずるという問題があった。これは、表面電位の減衰が遅いことに起因するものであり、図3(a)に示すように、本来は一回転ごとに初期値まで下がるはずの現像ローラの表面電位が、同(b)に示すように十分低下せずに、連続使用にともない表面電位を上昇させるものであると考えられる。
特許文献2に記載されているように、従来、中間転写ベルトにおいて表面電位の減衰を調整する技術については知られているが、現像ローラについて、表面電位を制御する技術については見出されていない。よって、現像ローラにおいて、表面電位の減衰速度を所望に調整することで、電荷の蓄積に起因する画像不具合の発生を防止するための技術の確立が望まれていた。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、表面電位の減衰速度が速く、電荷の蓄積に起因する画像不具合の発生のない現像ローラを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、シャフトの外周に少なくとも弾性層と塗膜層との2層を備える現像ローラにおいて、各層の体積抵抗率の関係を所定に規定するとともに、内周側の弾性層と、最も外周側に位置する層との体積抵抗率の差を所定の範囲に規定することで、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、シャフトと、該シャフトの外周に担持された弾性層と、該弾性層の外周面に形成された少なくとも1層の塗膜層と、を備える現像ローラにおいて、
前記弾性層および前記塗膜層の各層の体積抵抗率が、外周側の層より内周側の層において小さく、かつ、該弾性層と該塗膜層のうち最も外周側に位置する層との体積抵抗率の差が、2.8〜4.3(LogΩcm)の範囲であり、
前記弾性層および前記塗膜層の各層の、100V印加時における体積抵抗率の変化が1.0(logΩcm)以下であり、
前記現像ローラの緩和時間(τ)が0.45s以下であることを特徴とするものである。
本発明においては、前記弾性層および前記塗膜層の各層が、導電性カーボンと、脂肪族第四級アンモニウムサルフェートとを含有することが好ましく、この場合、各層を構成する樹脂成分100質量部に対し、前記導電性カーボンを0.5〜3質量部、前記脂肪族第四級アンモニウムサルフェートを0.2〜3質量部含有することが好ましい。
本発明によれば、上記構成としたことにより、表面電位の減衰速度が速く、電荷の蓄積に起因する画像不具合の発生のない現像ローラを実現することが可能となった。
本発明の現像ローラの一例を示す長手方向断面図である。 加圧現像法を用いた現像装置の一構成例を示す概略図である。 (a)表面電位の減衰が速い場合と、(b)表面電位の減衰が遅い場合とにおける、時間経過に伴う表面電位の推移を示す説明図である。 (a),(b)は、実施例における抵抗上昇幅の測定方法を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の現像ローラの一例を示す長手方向断面図を示す。図示するように、本発明の現像ローラ10は、シャフト1と、その外周に担持された弾性層2と、弾性層2の外周面に形成された少なくとも1層、図示例では中層塗膜層3および表層塗膜層4からなる2層の塗膜層、を備えている。
本発明においては、弾性層2および塗膜層3,4の各層の体積抵抗率が、外周側の層より内周側の層において小さく形成されていることが重要である。すなわち、図示する例では、弾性層2の体積抵抗率<中層塗膜層3の体積抵抗率<表層塗膜層4の体積抵抗率、との関係を満足する。塗膜層が3層以上である場合についても、上記と同様に、最も外周側(ローラ表面)に位置する塗膜層の体積抵抗率>外周側から2番目の層の体積抵抗率>外周側から3番目の層の体積抵抗率・・・との関係を満足するものとすればよい。
また、本発明においては、弾性層2と、塗膜層のうち最も外周側に位置する層、図示例では表層塗膜層4との体積抵抗率の差が、2.8〜4.3(LogΩcm)の範囲である点も重要である。本発明においては、弾性層および塗膜層の各層の体積抵抗率が、外周側の層より内周側の層において小さく、かつ、弾性層と、塗膜層のうち最も外周側に位置する層との体積抵抗率の差が2.8〜4.3(LogΩcm)の範囲であるものとすることで、表面電位の減衰速度が速い現像ローラとすることが可能となったものである。よって、本発明の現像ローラにおいては、連続使用時におけるローラ表面上への電荷の蓄積を防止することができ、これに起因するゴーストやかぶり、階調性の悪化といった画像不具合を生ずることがない。
弾性層と、塗膜層のうち最も外周側に位置する層との体積抵抗率の差が、2.8(LogΩcm)未満であると、トナーへの帯電が不足して、印刷画像の濃度が薄くなり、4.3(LogΩcm)を超えると、トナーへの帯電が過剰となって現像ローラ表面から感光ドラムへ必要以上にトナーが移動し、かぶりなどの画像不良が生ずるので、いずれにおいても本発明の所期の効果が得られない。
ここで、本発明の現像ローラにおいては、初期の表面電位が1/eになるまでの時間を緩和時間(τ)としたとき、τが0.45s以下であることが好ましい。τが0.45sを超えると、ローラ表面上への電荷の蓄積を十分に抑制できず、連続使用時において画像不具合の発生を生ずるおそれがある。
本発明の現像ローラにおいては、上記各層の体積抵抗率の大小関係および体積抵抗率の差に係る条件を満足するものであればよく、これにより本発明の所期の効果を得ることができるものである。それ以外のローラの具体的構成や各層の構成材料については、常法に従い適宜選定することができ、特に制限されるものではない。
シャフト1としては、良好な導電性を有するものであれば特に制限はなく、いずれのものも使用し得るが、例えば、硫黄快削鋼などの鋼材にニッケルや亜鉛等のめっきを施したものや、鉄、ステンレススチール、アルミニウム等の金属製の中実体からなる芯金、内部を中空にくりぬいた金属製円筒体等の金属製シャフトを用いることができる。
弾性層2は、ローラの用途に応じて、ゴム若しくは樹脂、またはこれらの発泡体(フォーム)で形成することができ、具体的には例えば、ポリウレタンや、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、エピクロルヒドリンゴム等を基材ゴムとするゴム組成物およびこれらの発泡体が挙げられる。
本発明においては、中でも特に、ポリウレタンフォームを用いることが好ましい。かかるポリウレタンフォームを形成するための原料としては、樹脂中にウレタン結合を含むものであれば、特に制限はない。
ポリオール成分としては、例えば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、酸成分とグリコール成分を縮合したポリエステルポリオール、カプロラクトンを開環重合したポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等を用いることができる。
エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとしては、例えば、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、メチルグルコジット、芳香族ジアミン、ソルビトール、ショ糖、リン酸等を出発物質とし、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを付加重合したものを挙げることができるが、特に、水、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質としたものが好適である。付加するエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの比率やミクロ構造については、エチレンオキサイドの比率が好ましくは2〜95質量%、より好ましくは5〜90質量%であり、末端にエチレンオキサイドが付加しているものが好ましい。また、分子鎖中のエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの配列は、ランダムであることが好ましい。
なお、かかるポリエーテルポリオールの分子量としては、水、プロピレングリコール、エチレングリコールを出発物質とする場合は2官能となり、重量平均分子量で300〜6000の範囲のものが好ましく、400〜3000の範囲のものがより好ましい。また、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールを出発物質とする場合は3官能となり、重量平均分子量で900〜9000の範囲のものが好ましく、1500〜6000の範囲のものがより好ましい。更に、2官能のポリオールと3官能のポリオールとを適宜ブレンドして用いることもできる。
また、ポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えば、テトラヒドロフランのカチオン重合によって得ることができ、重量平均分子量が400〜4000の範囲、特には、650〜3000の範囲にあるものが好ましく用いられる。また、分子量の異なるポリテトラメチレンエーテルグリコールをブレンドすることも好ましい。さらに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを共重合して得られたポリテトラメチレンエーテルグリコールを用いることもできる。
さらに、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとをブレンドして用いることも好ましい。この場合、これらのブレンド比率が、重量比で95:5〜20:80の範囲、特には90:10〜50:50の範囲となるよう用いることが好適である。
また、上記ポリオール成分とともに、ポリオールをアクリロニトリル変性したポリマーポリオール、ポリオールにメラミンを付加したポリオール、ブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンなどのポリオール類やこれらの誘導体を併用することもできる。
また、ポリウレタンフォームを構成するイソシアネート成分としては、芳香族イソシアネートまたはその誘導体、脂肪族イソシアネートまたはその誘導体、脂環族イソシアネートまたはその誘導体が用いられる。これらの中でも芳香族イソシアネートまたはその誘導体が好ましく、特に、トリレンジイソシアネート(TDI)またはその誘導体、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)またはその誘導体が好適に用いられる。
トリレンジイソシアネートまたはその誘導体としては、粗製トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとの混合物、これらのウレア変性物、ビュレット変性物、カルボジイミド変性物、ポリオール等で変性したウレタン変性物等が用いられる。ジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体としては、例えば、ジアミノジフェニルメタンまたはその誘導体をホスゲン化して得られたジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体が用いられる。ジアミノジフェニルメタンの誘導体としては多核体などがあり、ジアミノジフェニルメタンから得られた純ジフェニルメタンジイソシアネート、ジアミノジフェニルメタンの多核体から得られたポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートなどを用いることができる。ポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートの官能基数については、通常、純ジフェニルメタンジイソシアネートと様々な官能基数のポリメリック・ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物が用いられ、平均官能基数が好ましくは2.05〜4.00、より好ましくは2.50〜3.50のものが用いられる。また、これらのジフェニルメタンジイソシアネートまたはその誘導体を変性して得られた誘導体、例えば、ポリオール等で変性したウレタン変性物、ウレチジオン形成による二量体、イソシアヌレート変性物、カルボジイミド/ウレトンイミン変性物、アロハネート変性物、ウレア変性物、ビュレット変性物なども用いることができる。また、数種類のジフェニルメタンジイソシアネートやその誘導体をブレンドして用いることもできる。
また、イソシアネートをポリオールによりあらかじめプレポリマー化してもよく、その方法としては、ポリオールとイソシアネートを適当な容器に入れ、充分に攪拌し、30〜90℃、より好ましくは40〜70℃に、6〜240時間、より好ましくは24〜72時間保温する方法が挙げられる。この場合、ポリオールとイソシアネートとの分量の比率は、得られるプレポリマーのイソシアネート含有率が4〜30質量%となるように調節することが好ましく、より好ましくは6〜15質量%である。イソシアネートの含有率が4質量%未満であると、プレポリマーの安定性が損なわれ、貯蔵中にプレポリマーが硬化してしまい、使用に供することができなくなるおそれがある。また、イソシアネートの含有率が30質量%を超えると、プレポリマー化されていないイソシアネートの含有量が増加し、このポリイソシアネートは、後のポリウレタン硬化反応において用いるポリオール成分と、プレポリマー化反応を経ないワンショット製法に類似の反応機構により硬化するため、プレポリマー法を用いる効果が薄れる。イソシアネートをあらかじめポリオールによりプレポリマー化したイソシアネート成分を用いる場合のポリオール成分としては、上記ポリオール成分に加えて、エチレングリコールやブタンジオール等のジオール類、トリメチロールプロパンやソルビトール等のポリオール類やそれらの誘導体を用いることもできる。
ポリウレタンフォーム原料中には、これらポリオール成分およびイソシアネート成分に加えて、所望に応じ、導電剤や発泡剤(水、低沸点物、ガス体等)、架橋剤、界面活性剤、触媒、整泡剤等を添加することができ、これにより所望に応じた弾性層とすることができる。
導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンと、脂肪族第四級アンモニウムサルフェートとの2種を併用することが好ましい。その配合量には特に制限はなく、所望に応じ適宜選定可能であるが、例えば、弾性層を構成する樹脂成分100質量部に対し、導電性カーボンを0.5〜3質量部にて、また、脂肪族第四級アンモニウムサルフェートを0.2〜3質量部にて、配合することが好ましい。
ポリウレタンフォームの硬化反応に用いる触媒としては、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等のモノアミン類、テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルヘキサンジアミン等のジアミン類、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン等のトリアミン類、トリエチレンジアミン、ジメチルピペラジン、メチルエチルピペラジン、メチルモルホリン、ジメチルアミノエチルモルホリン、ジメチルイミダゾール等の環状アミン類、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、メチルヒドロキシエチルピペラジン、ヒドロキシエチルモルホリン等のアルコールアミン類、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(ジメチル)アミノプロピルエーテル等のエーテルアミン類、スタナスオクトエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マーカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫ジマレエート、ジオクチル錫マーカプチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等の有機金属化合物などが挙げられる。これらの触媒は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、ポリウレタンフォーム配合中にシリコーン整泡剤や各種界面活性剤を配合することが、フォーム材のセルを安定させるために好ましい。シリコーン整泡剤としては、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合物等が好適に用いられ、分子量350〜15000のジメチルポリシロキサン部分と分子量200〜4000のポリオキシアルキレン部分とからなるものが特に好ましい。ポリオキシアルキレン部分の分子構造は、エチレンオキサイドの付加重合物やエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共付加重合物が好ましく、その分子末端をエチレンオキサイドとすることも好ましい。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性等のイオン系界面活性剤や各種ポリエーテル、各種ポリエステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。シリコーン整泡剤や各種界面活性剤の配合量は、ポリオール成分とイソシアネート成分との総量100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜5質量部とすることが更に好ましい。
本発明におけるポリウレタンフォーム原料の発泡方法としては、従来から用いられているメカニカルフロス法、水発泡法、発泡剤フロス法等の方法を用いることができるが、特には、不活性ガスを混入しながら機械的攪拌により発泡させるメカニカルフロス法を用いることが好ましい。ここで、メカニカルフロス法において用いる不活性ガスは、ポリウレタン反応において不活性なガスであればよく、ヘリウム、アルゴン、キセノン、ラドン、クリプトン等の狭義の不活性ガスの他、窒素、二酸化炭素、乾燥空気等のウレタンフォーム原料と反応しない気体が挙げられる。なお、本発明において、かかるポリウレタンフォーム原料からなる弾性層の成形条件については特に制限はなく、通常の条件に従えばよい。
塗膜層は、ローラ物性を調整するために、弾性層2上に、少なくとも1層にて設けることが必要であり、好適には2層以上、より好適には2〜3層にて設けることができる。具体的には例えば、図示するように、弾性層2上に順次、中層塗膜層3と、表層塗膜層4との2層を設けるものとすることができ、塗膜層を3層以上とする場合には、中層塗膜層を2層以上とすればよい。
本発明において、塗膜層は、ウレタン系、アクリル系、アクリルウレタン系、フッ素系等の各種溶剤系塗料により形成することができ、特に、ローラ表面をなす表層塗膜層については、ウレタン、アクリル、シリカ等からなる微粒子を含有させることで、表面粗さを調整することができる。また、塗膜層についても、導電剤として前述したイオン導電剤や電子導電剤を適宜含有させることで、所望の導電性を付与することができ、所望に応じ、加硫剤や加硫促進剤、老化防止剤などを適宜添加することも可能である。上記塗膜層は、弾性層2上に、ディップ塗布、スプレー塗布、ロールコーター塗布などの公知の手法を用いて、所定の溶剤系塗料を塗工し、乾燥して、所望に応じ加熱硬化させることにより、形成することが可能である。
本発明においては、上記弾性層2と併せて、塗膜層の各層についても、導電性カーボンと、脂肪族第四級アンモニウムサルフェートとの2種の導電剤を含有することが好ましい。これにより、耐久時における各層の体積抵抗率の変化が小さくなるので、表面電位の減衰速度の変化が抑制され、耐久時における画像不具合の発生を防止することが可能となる。その配合量には特に制限はなく、所望に応じ適宜選定可能であるが、例えば、塗膜層を構成する樹脂成分100質量部に対し、導電性カーボンを0.5〜3質量部にて、また、脂肪族第四級アンモニウムサルフェートを0.2〜3質量部にて、配合することが好ましい。また、本発明においては、表層塗膜層が有機錯体リチウム塩を含むことも好ましい。これにより、表面に蓄積する電荷を、温度や湿度に影響されることなく減衰させることができる。有機錯体リチウム塩の配合量としては、例えば、表層塗膜層を構成する樹脂成分100質量部に対し、0.1〜3質量部とすることができる。
本発明において、弾性層2の厚みは、特に制限されるものではないが、通常1〜7mmの範囲内とすることができる。また、中層塗膜層の総厚みは、通常、10〜200μmの範囲内とすることができ、表層塗膜層の厚みは、通常、5〜50μmの範囲内とすることができる。なお、表層塗膜層の表面粗さとしては、JIS算術平均粗さRaで、通常2μm以下、特には0.5〜1.5μmの範囲内とすることができる。
本発明においては、塗膜層の体積抵抗率が7.5(logΩcm)以上であることが好ましい。塗膜層の体積抵抗率が7.5(logΩcm)未満であると、トナーへの帯電が不足して、印刷画像の濃度が薄くなってしまい、好ましくない。また、弾性層および塗膜層の各層の、100V印加時における体積抵抗率の変化が1.0(logΩcm)以下であることが好ましい。この体積抵抗率の変化が1.0(logΩcm)を超えると、各層の抵抗のバランスが崩れ、減衰速度に悪影響を及ぼすので、好ましくない。さらに、本発明の現像ローラは、好適には、初期電位が70〜500Vであるものとする。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
図1に示すような、シャフト(金属軸)の外周に弾性層、中層塗膜層および表層塗膜層が順次担持された現像ローラを、下記表4に示す配合の組合せに従い、作製した。
<弾性層の成型>
下記表中に示す部数にて導電性カーボン(デンカブラック)が配合されたプレポリマー化イソシアネート100質量部と、下記表中に示す部数のイオン導電剤、シリコーン整泡剤3質量部およびスズ触媒0.1質量部が配合されたエーテル系ポリオールとを混合し、メカニカルフロス法で発泡させて、金属軸がセットされた金型に注入した。その後、この混合物を110℃30分にて加熱硬化させて、金属軸の外周に厚み6mmの弾性層を形成した。この弾性層について、体積抵抗率および抵抗上昇幅を測定した。
抵抗上昇幅の測定は、ADVANTEST社製の抵抗測定機R8340を用いて、23℃55%RH環境下で、図4(a),(b)に示すようにして行った。すなわち、ローラ10については、同図(a)に示すように金属板21上に載置して、両端に荷重500gを負荷し、金属軸1と金属板21との間に100Vを印加して、5秒後の抵抗Rt=5および600秒後の抵抗Rt=600を抵抗測定機22により測定した。また、シート20については、同図(b)に示すように金属板21上に載置して、その上に500gの金属製の重り23を載せ、金属板21と金属製の重り23との間に100Vを印加して、5秒後の抵抗Rt=5および600秒後の抵抗Rt=600を抵抗測定機22により測定した。これらの結果から、下記式に基づき、抵抗幅を算出した。
抵抗変化(抵抗幅)logΩ・cm=log(Rt=600−Rt=5
Figure 0006055045
*1)電気化学工業(株)製
*2)日本油脂(株)製,脂肪族第四級アンモニウムサルフェート
Figure 0006055045
(R:脂肪族炭化水素)
<中層塗膜層の形成>
次に、無限鎖長ウレタンプレポリマー(N5033,日本ポリウレタン工業(株)製)100質量部と、イソシアヌレート化HDIの6質量部と、下記表中に示す部数の溶剤分散カーボンブラックおよびイオン導電剤と、メチルエチルケトン(MEK)500質量部とを配合して、塗料を作製した。この塗料を、ディッピングにより上記弾性層上に塗装し、105℃120分にて乾燥して、中層塗膜層を形成した。また、この塗料を用いて80mm×150mm×0.2mmのシートを作製して、厚み20μmの中層塗膜層の体積抵抗率および抵抗上昇幅を測定した。
Figure 0006055045
*3)三菱化学(株)製カーボンブラックMA100のMEK分散体
*4)花王(株)製,脂肪族第四級アンモニウムサルフェート
Figure 0006055045
<表層塗膜層の形成>
次に、ポリテトラメチレングリコール100質量部と、イソシアヌレート化HDIの45質量部と、下記表中に示す部数の溶剤分散カーボンブラックおよびイオン導電剤と、MEK300質量部と、シリカ(SS−20,東ソー・シリカ(株)製)15質量部と、アクリル粒子(MBX−8,積水化成品工業(株)製)25質量部とを配合して、塗料を作製した。この塗料を、ディッピングにより上記中層塗膜層上に塗装し、105℃120分にて乾燥して、厚み20μmの表層塗膜層を形成した。また、この塗料を用いて80mm×150mm×0.2mmのシートを作製して、表層塗膜層の体積抵抗率および抵抗上昇幅を測定した。
Figure 0006055045
*5)三菱化学(株)製カーボンブラックMA600のMEK分散体
*6)日本カーリット(株)製,有機錯体リチウム塩
得られた各現像ローラにつき、QEA社製の表面電位測定機Crt2000を用いて、表面電位の減衰挙動を測定した。初期の表面電位値から1/eの値になるまでの時間を緩和時間τとした。
また、得られた各現像ローラをHP Color Laser Jet 4600に組込み、画像評価を行った。結果として、かぶり、ゴーストまたは階調性において異常が見られないものを○、異常が見られるものを×とした。
その結果を、下記の表中に併せて示す。
Figure 0006055045
上記表中に示すように、弾性層および塗膜層の各層の体積抵抗率の大小関係、および、弾性層と表層塗膜層との体積抵抗率の差に係る本発明の条件を満足する各実施例の現像ローラにおいては、かかる条件を満足しない各比較例の現像ローラに比べて表面電位の減衰速度が速く、電荷の蓄積に起因する画像不具合の発生が防止されていることが確かめられた。また、実施例5と参考例1〜3との比較より、弾性層および塗膜層の各層に、導電性カーボンおよび脂肪族第四級アンモニウムサルフェートを配合した場合には、通電耐久後においても表面電位の減衰速度に変化がなく、画像不具合の発生を防止できることがわかった。
1 シャフト
2 弾性層
3 中層塗膜層
4 表層塗膜層
10 現像ローラ
20 シート
21 金属板
22 抵抗測定機
23 金属製の重り

Claims (3)

  1. シャフトと、該シャフトの外周に担持された弾性層と、該弾性層の外周面に形成された少なくとも1層の塗膜層と、を備える現像ローラにおいて、
    前記弾性層および前記塗膜層の各層の体積抵抗率が、外周側の層より内周側の層において小さく、かつ、該弾性層と該塗膜層のうち最も外周側に位置する層との体積抵抗率の差が、2.8〜4.3(LogΩcm)の範囲であり、
    前記弾性層および前記塗膜層の各層の、100V印加時における体積抵抗率の変化が1.0(logΩcm)以下であり、
    前記現像ローラの緩和時間(τ)が0.45s以下であることを特徴とする現像ローラ。
  2. 前記弾性層および前記塗膜層の各層が、導電性カーボンと、脂肪族第四級アンモニウムサルフェートとを含有する請求項1記載の現像ローラ。
  3. 前記弾性層および前記塗膜層の各層が、導電性カーボンと、脂肪族第四級アンモニウムサルフェートとを含有し、かつ、各層を構成する樹脂成分100質量部に対し、前記導電性カーボンを0.5〜3質量部、前記脂肪族第四級アンモニウムサルフェートを0.2〜3質量部含有する請求項2記載の現像ローラ。
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