JP6047387B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents
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Description
コントローラ32により或いは空調操作部53へのマニュアル操作により暖房モードが選択されると、コントローラ32は電磁弁21を開放し、電磁弁17、電磁弁22、電磁弁20及び電磁弁23を閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は室内送風機27から吹き出された空気が放熱器4に通風される状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は吐出側熱交換器35を経た後、放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化する。
次に、除湿暖房モードでは、コントローラ32は上記暖房モードの状態において電磁弁22を開放する。これにより、放熱器4を経て冷媒配管13Eを流れる凝縮冷媒の一部が分流され、電磁弁22を経て冷媒配管13F及び13Bより内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至るようになる。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
次に、内部サイクルモードでは、コントローラ32は上記除湿暖房モードの状態において室外膨張弁6を全閉とする(全閉位置)と共に、電磁弁21も閉じる。この室外膨張弁6と電磁弁21が閉じられることにより、室外熱交換器7への冷媒の流入、及び、室外熱交換器7からの冷媒の流出は阻止されることになるので、放熱器4を経て冷媒配管13Eを流れる凝縮冷媒は電磁弁22を経て冷媒配管13Fに全て流れるようになる。そして、冷媒配管13Fを流れる冷媒は冷媒配管13Bより内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
次に、除湿冷房モードでは、コントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21、電磁弁22、電磁弁20、及び、電磁弁23を閉じる。そして、圧縮機2、及び、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は室内送風機27から吹き出された空気が放熱器4に通風される状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は吐出側熱交換器35を経て放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化していく。
次に、冷房モードでは、コントローラ32は上記除湿冷房モードの状態において電磁弁20を開き(この場合、室外膨張弁6は全開(弁開度を制御上限)を含む何れの弁開度でもよい)、エアミックスダンパ28は放熱器4に空気が通風されない状態とする。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は吐出側熱交換器35を経て放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気は通風されないので、ここは通過するのみとなり、放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て電磁弁20及び室外膨張弁6に至る。
次に、前記暖房モードにおけるガスインジェクションについて説明する。図3は暖房モードにおける本発明の車両用空気調和装置1のp−h線図を示している。放熱器4を出て冷媒配管13Eに入り、その後分流されてインジェクション回路40の冷媒配管13Kに流入した冷媒は、インジェクション膨張弁30で減圧された後、吐出側熱交換器35に入り、そこで圧縮機2の吐出冷媒(圧縮機2から吐出されて放熱器4に流入する前の冷媒)と熱交換し、吸熱して蒸発する。蒸発したガス冷媒はその後圧縮機2の圧縮途中に戻り、アキュムレータ12から吸い込まれて圧縮されている冷媒と共に更に圧縮された後、再度圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出されることになる。
図4は前記暖房モードにおけるコントローラ32による圧縮機2と室外膨張弁6とインジェクション膨張弁30の制御ブロック図を示す。コントローラ32は目標吹出温度TAOを目標放熱器温度演算部57と目標放熱器過冷却度演算部58と目標インジェクション冷媒過熱度演算部59に入力させる。この目標吹出温度TAOは、吹出口29から車室内に吹き出される空気温度の目標値であり、下記式(I)からコントローラ32が算出する。
・・(I)
ここで、Tsetは空調操作部53で設定された車室内の設定温度、Tinは内気温度センサ37が検出する車室内空気の温度、Kは係数、Tbalは設定温度Tsetや、日射センサ51が検出する日射量SUN、外気温度センサ33が検出する外気温度Tamから算出されるバランス値である。そして、一般的に、この目標吹出温度TAOは図5に示すように外気温度Tamが低い程高く、外気温度Tamが上昇するに伴って低下する。
次に、図10及び図11に基づいてインジェクション回路40を用いたガスインジェクションの実行可否判断の一実施例について説明する。先ず、コントローラ32は式(II)、式(III)を用いて要求される放熱器4の暖房能力である要求暖房能力Qtgtと、インジェクション回路40に冷媒を流していないとき、即ち、ガスインジェクションを行っていないときに放熱器4が発生可能な暖房能力Qhp(即ち、暖房能力の限界値)を算出する。
Qhp=f(Tam、Nc、BLV、VSP、Te) ・・(III)
ここで、Teは吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度、Cpaは放熱器4に流入する空気の比熱[kj/kg・K]、ρは放熱器4に流入する空気の密度(比体積)[kg/m3]、Qairは放熱器4を通過する風量[m3/h](室内送風機27のブロワ電圧BLV等から推定)、VSPは車速センサ52から得られる車速である。
次に、図13に基づいてインジェクション回路40を用いたガスインジェクションの実行可否判断の他の実施例について説明する。前記実施例では要求暖房能力Qtgtと暖房能力Qhpの比較でインジェクション回路40に冷媒を流すか流さないかを決定したが、この実施例では車両用空気調和装置1の環境条件に基づいて決定する。図13はその例を示しており、ガスインジェクションを行わないインジェクション無し(ノーマルHP)からガスインジェクションを行うための環境条件の悪化を示す複合条件を、
外気温度Tam≦所定値(例えば−10℃)、且つ、
空気流通路3内の風量≧所定値(例えば150m3/h)、且つ、
目標放熱器温度TCO−放熱器温度Tci(放熱器4直後の空気温度の検出値、又は、放熱器4直後の空気温度の推定値)≧β、且つ、
圧縮機2の吐出温度≧D、且つ、
圧縮機2の吐出圧力≧E
が成立する場合にインジェクション膨張弁30を開いてインジェクション回路40により圧縮機2にガスインジェクションを行う。その後のインジェクション膨張弁30の弁開度制御は前述と同様である。尚、上記β、D、Eは所定の値を予め実験などにより求めておく。
外気温度Tam≦所定値(例えば上記より低い−15℃)、及び/又は、
車室内温度(例えば−20℃)−設定温度(車室内温度の例えば設定値25℃)≦A(例えば−35deg)、及び/又は、
目標放熱器温度TCO−放熱器温度Tci(放熱器4直後の空気温度の検出値、又は、放熱器4直後の空気温度の推定値)≧γ(例えば70deg)
のうちの何れかが成立する場合にガスインジェクションを行う。
外気温度Tam>所定値(例えば−10℃)、且つ、
空気流通路3内の風量<所定値(例えば150m3/h)、且つ、
目標放熱器温度TCO−放熱器温度Tci(放熱器4直後の空気温度の検出値、又は、放熱器4直後の空気温度の推定値)<α(βより小さい所定値)
が成立する場合にインジェクション膨張弁30を閉じてガスインジェクションを停止する。
外気温度Tam>所定値(例えば上記より低い−5℃)、及び/又は、
設定温度−車室内温度<B(例えば10deg)、及び/又は、
放熱器温度Tci(放熱器4直後の空気温度の検出値、又は、放熱器4直後の空気温度の推定値)−目標放熱器温度TCO>(例えば5deg)、及び/又は、
目標インジェクション冷媒過熱度TGSH>D(例えば50deg)
のうちの何れかが成立する場合にガスインジェクションを停止する。
次に、図14は本発明の車両用空気調和装置1の他の構成図を示している。この実施例ではインジェクション回路40は、図1の構成に加えて当該インジェクション回路40におけるインジェクション膨張弁30と吐出側熱交換器35の間に放熱器出口側熱交換器45を備えている。この放熱器出口側熱交換器45は、インジェクション膨張弁30で減圧された冷媒と、放熱器4から出て冷媒配管13Eを流れ、室外膨張弁6に向かう冷媒とを熱交換させる。そして、この放熱器出口側熱交換器45から出た冷媒(インジェクション冷媒)が吐出側熱交換器35に流入することになる。
次に、図15は本発明の車両用空気調和装置1のもう一つの他の構成図を示している。この実施例ではインジェクション回路40は、図14の構成に加えて当該インジェクション回路40における放熱器出口側熱交換器45の出口側、即ち、放熱器出口側熱交換器45と吐出側熱交換器35の間に、電動弁から成るもう一つのインジェクション膨張弁70(減圧手段)を備えている。そして、コントローラ32はこの場合、放熱器出口側熱交換器45の出口における冷媒過熱度に基づいてインジェクション膨張弁30を弁開度を制御し、吐出側熱交換器35の出口側における冷媒過熱度に基づいてインジェクション膨張弁70の弁開度を制御する。
次に、図16は本発明の車両用空気調和装置1の更にもう一つの他の構成図を示している。この実施例ではインジェクション回路40は、図14の構成に加えて当該インジェクション回路40における放熱器出口側熱交換器45の出口側に三方弁71とバイパス配管72(これらが流路制御手段を構成する)を備えている。この三方弁71の一方の出口が吐出側熱交換器35に接続され、他方の出口がバイパス配管72に接続されてこのバイパス配管72は吐出側熱交換器35と並列に冷媒配管13Kに接続されて吐出側熱交換器35をバイパスする。
次に、図19は本発明の車両用空気調和装置1の更にもう一つの他の構成図を示している。前記図15の構成では、放熱器出口側熱交換器45と吐出側熱交換器35がインジェクション回路40において直列に接続されていたが、この実施例ではインジェクション回路40において放熱器出口側熱交換器45と吐出側熱交換器35を並列に接続し、それぞれに流入するインジェクション冷媒を各インジェクション膨張弁30と70で減圧する。
次に、図20は本発明の車両用空気調和装置1の更にもう一つの他の構成図を示している。この実施例の場合、前記図16のようにインジェクション回路40には吐出側熱交換器35は設けられない。この例でインジェクション回路40は、図16の構成において吐出側熱交換器35の代わりに、水−冷媒熱交換器75を備える。そして、この実施例では車両用空気調和装置1に水循環回路78が設けられている。
次に、コントローラ32による室外熱交換器7の着霜抑制制御について説明する。暖房モードでは、前述したように室外熱交換器7は外気から吸熱して低温となるため、室外熱交換器7には外気中の水分が霜となって付着する。この着霜が成長すると室外熱交換器7と通風される外気との間の熱交換が著しく阻害され、空調性能が悪化する。室外熱交換器7に着霜が成長した場合、コントローラ32は前述した電磁弁23を開放して室外熱交換器7の除霜モードを実行するものであるが、その前にインジェクション回路40を用いて室外熱交換器7への着霜を抑制する。
具体的には、コントローラ32は先ず、室外熱交換器7の着霜状態を推定する。次に、図23を用いて室外熱交換器7の着霜状態の推定例を説明する。コントローラ32は最初に下記の着霜状態推定許可条件のうちの(i)が成り立ち、且つ、(ii)〜(iv)のうちの何れか一つが成り立つ場合、室外熱交換器7の着霜状態の推定を許可する。
(i) 運転モードが暖房モードであること。
(ii) 高圧圧力が目標値に収束していること。これは具体的には、例えば目標放熱器圧力PCOと放熱器圧力Pciの差(PCO−Pci)の絶対値が所定値A以下である状態が所定時間t1(sec)継続していることがあげられる。
(iii)暖房モードへの移行後、所定時間t2(sec)が経過していること。
(iv) 車速変動が所定値以下(車両の加減速度が所定値以下)であること。車両の加減速度とは、例えば現在の車速VSPとその一秒前の車速VSPzの差(VSP−VSPz)である。
前記条件(ii)及び(iii)は運転状態の過渡期に発生する誤推定を排除するための条件である。また、車速変動が大きい場合にも誤推定が発生するため、上記条件(iv)が加えられている。
=k1×Tam+k2×NC+k3×BLV+k4×VSP・・(IV)
また、上記圧縮機2の回転数NCは冷媒回路R内の冷媒流量を示す指標であり、回転数NCが高い程(冷媒流量が多い程)、TXObaseは低くなる傾向となる。従って、係数k2は負の値となる。
また、上記ブロワ電圧BLVは放熱器4の通過風量を示す指標であり、ブロワ電圧BLVが高い程(放熱器4の通過風量が大きい程)、TXObaseは低くなる傾向となる。従って、係数k3は負の値となる。尚、放熱器4の通過風量を示す指標としてはこれに限らず、室内送風機27のブロワ風量やエアミックスダンパ28開度SWでもよい。
また、上記車速VSPは室外熱交換器7の通過風速を示す指標であり、車速VSPが低い程(室外熱交換器7の通過風速が低い程)、TXObaseは低くなる傾向となる。従って、係数k4は正の値となる。尚、室外熱交換器7の通過風速を示す指標としてはこれに限らず、室外送風機15の電圧でもよい。
コントローラ32は室外熱交換器7の着霜状態が着霜状態推定第一段階であると判定すると、今後室外熱交換器7に着霜が生じる危険性が高いと判断し、所定の着霜抑制運転を実行する。この着霜抑制運転とは、圧縮機2の回転数の低下、室内送風機27による放熱器4の通過風量の低下、室外膨張弁6の弁開度の縮小による放熱器4の冷媒過冷却度の上昇等、及び、それらの組み合わせが考えられる。これらにより、低圧側圧力である室外熱交換器7の冷媒蒸発圧力が上昇するので、室外熱交換器7への着霜が抑制されることになる。
係る着霜抑制運転によっても室外熱交換器7への着霜が進行し、差ΔTXO(TXObase−TXO)が着霜検知閾値1よりも大きい着霜検知閾値2以上となり、その状態が所定時間t2以上継続した場合、コントローラ32は着霜状態推定第二段階と判定する。コントローラ32は室外熱交換器7の着霜状態が着霜状態推定第二段階であると判定した場合、室外熱交換器7への着霜が予測されるものと判断し、インジェクション膨張弁30を開いてインジェクション回路40により圧縮機2へのガスインジェクションを実行する。その後のインジェクション膨張弁30の弁開度制御によるインジェクション量の制御は前述と同様である。
インジェクション回路40による係るガスインジェクションによっても室外熱交換器7への着霜が進行し、差ΔTXO(TXObase−TXO)が着霜検知閾値2よりも大きい着霜検知閾値3以上となり、その状態が所定時間t3以上継続した場合、コントローラ32は着霜状態推定最終段階と判定する。コントローラ32は室外熱交換器7の着霜状態が着霜状態推定最終段階であると判定した場合、除霜モードに移行する。この除霜モードでは、コントローラ32は電磁弁23と電磁弁21を開き、電磁弁22及び電磁弁17を閉じて圧縮機2を運転する。これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒(ホットガス)は、電磁弁23を経て冷媒配管13Hを通り、逆止弁24を経て冷媒配管13Iから室外熱交換器7に直接流入する状態となる。これにより、室外熱交換器7は加熱されるので、着霜は融解除去される。
2 圧縮機
3 空気流通路
4 放熱器
6 室外膨張弁
7 室外熱交換器
8 室内膨張弁
9 吸熱器
11 蒸発能力制御弁
17、20、21、22 電磁弁
23 電磁弁(除霜手段)
26 吸込切換ダンパ
27 室内送風機(ブロワファン)
28 エアミックスダンパ
32 コントローラ(制御手段)
30、70 膨張弁
40 インジェクション回路
35 吐出側熱交換器
45 放熱器出口側熱交換器
75 水−冷媒熱交換器
76 水−空気熱交換器
78 水循環回路
R 冷媒回路
Claims (8)
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、
車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
該空気流通路に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、
前記空気流通路に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、
前記車室外に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器と、
制御手段とを備え、
少なくとも該制御手段により、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードを実行する車両用空気調和装置において、
前記放熱器を出た冷媒の一部を分流して前記圧縮機の圧縮途中に戻すインジェクション回路を備え、
該インジェクション回路は、減圧手段と、該減圧手段により減圧された冷媒を前記圧縮機から吐出されて前記放熱器に流入する前の冷媒と熱交換させる吐出側熱交換器と、前記減圧手段又は別途設けられたもう一つの減圧手段により減圧された冷媒と前記放熱器を出た冷媒とを熱交換させる放熱器出口側熱交換器と、当該インジェクション回路内の各熱交換器への冷媒の流れを制御する流路制御手段を有し、
前記制御手段は、前記流路制御手段により常には前記減圧手段により減圧された冷媒を前記放熱器出口側熱交換器で蒸発させると共に、前記放熱器の放熱が不足する場合は前記吐出側熱交換器で蒸発させ、前記減圧手段により前記インジェクション回路内の冷媒流量を増加させることを特徴とする車両用空気調和装置。 - 冷媒を圧縮する圧縮機と、
車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
該空気流通路に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、
前記空気流通路に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、
前記車室外に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器と、
制御手段とを備え、
少なくとも該制御手段により、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードを実行する車両用空気調和装置において、
前記放熱器を出た冷媒の一部を分流して前記圧縮機の圧縮途中に戻すインジェクション回路と、
加熱手段により加熱された水を循環手段により循環させる水循環回路とを備え、
前記インジェクション回路は、減圧手段と、該減圧手段により減圧された冷媒を前記水循環回路内を流れる水と熱交換させる水−冷媒熱交換器と、前記減圧手段により減圧された冷媒と前記放熱器を出た冷媒とを熱交換させる放熱器出口側熱交換器と、当該インジェクション回路内の各熱交換器への冷媒の流れを制御する流路制御手段を有し、
前記制御手段は、前記流路制御手段により常には前記減圧手段により減圧された冷媒を前記放熱器出口側熱交換器で蒸発させると共に、前記放熱器の放熱が不足する場合は前記水−冷媒熱交換器で蒸発させ、前記減圧手段により前記インジェクション回路内の冷媒流量を増加させることを特徴とする車両用空気調和装置。 - 前記水循環回路は、前記室外熱交換器の空気流入側、又は、前記空気流通路に設けられた水−空気熱交換器を有することを特徴とする請求項2に記載の車両用空気調和装置。
- 前記制御手段は、要求される放熱器の暖房能力である要求暖房能力Qtgtと前記放熱器が発生する暖房能力Qhpとを比較し、該暖房能力Qhpが前記要求暖房能力Qtgtより不足する場合、前記減圧手段により前記インジェクション回路に冷媒を流すことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
- 前記制御手段は、前記放熱器に流入する空気の温度、該放熱器から流出する空気の温度、及び、該放熱器を通過する風量のそれぞれを示す指標のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせと、前記放熱器に流入する空気の比熱、及び、該空気の密度を示す指標とに基づいて前記要求暖房能力Qtgtを算出すると共に、
外気温度、冷媒流量、前記空気流通路内の風量、車速、前記吸熱器の温度、前記圧縮機の回転数、前記放熱器出口の冷媒圧力、前記放熱器出口の冷媒温度、前記放熱器入口の冷媒圧力、及び、前記放熱器入口の冷媒温度のそれぞれを示す指標のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせに基づいて前記暖房能力Qhpを算出することを特徴とする請求項4に記載の車両用空気調和装置。 - 前記制御手段は、外気温度、前記空気流通路内の風量、目標放熱器温度と実際の放熱器温度との差、前記圧縮機の吐出冷媒温度、及び、前記圧縮機の吐出冷媒圧力のそれぞれを示す指標のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせから判断される環境条件に基づき、前記暖房モードにおける当該環境条件が悪化した場合、前記減圧手段により前記インジェクション回路に冷媒を流すことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
- 前記制御手段は、要求される放熱器の暖房能力である要求暖房能力Qtgtと前記放熱器が発生する暖房能力Qhpとの差、目標放熱器温度と前記放熱器の温度の差、目標放熱器圧力と前記放熱器の圧力の差、車室内への目標吹出温度のうちの何れか、若しくは、それらの組み合わせに基づき、前記減圧手段により前記インジェクション回路から前記圧縮機に戻る冷媒量を制御することを特徴とする請求項4乃至請求項6のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
- 加熱手段により加熱された水を循環手段により循環させる水循環回路を備え、
該水循環回路は、前記空気流通路に設けられた水−空気熱交換器を有すると共に、
前記制御手段は、前記インジェクション回路に冷媒を流すことによっても前記放熱器の暖房能力が不足する場合、前記加熱手段により加熱された水を前記水−空気熱交換器に循環させることを特徴とする請求項4乃至請求項7のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
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