JP6041127B2 - 柱状物体抽出方法、柱状物体抽出プログラム、及び柱状物体抽出装置 - Google Patents
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Description
(1)大量の計測点群の中から、目視など人の判断を介することなく、柱状物体を自動抽出するので、人為的なミスが排除されて漏れなく抽出できるうえ、極めて短時間で抽出結果を得ることができる。
(2)任意計測点における近傍計測点2点との挟角から求められる細線化強度に基づいて細線化処理を行うので、柱状物体の端点や枝分かれ点は保持した(点移動が少ない)まま細線化され、この結果、形状を正確に表現しつつ形状特徴を明確にすることができる。したがって、正確に柱状物体を抽出することができる。
(3)セグメンテーションを行う際、任意計測点から近い順にk個の近傍計測点を選出してk近傍接続グラフを作成することとすれば、セグメンテーションの処理時間が短縮され、ひいては柱状物体を抽出する処理のさらなる高速化を図ることができる。
(4)主成分分析や、固有値を基に算出される特徴量に応じた形状分類といった概念を用いることによって、様々な太さや傾きの柱状物体でも抽出することができる。
(5)柱状物体からパーツを抽出し、これをパーツ分類することで、柱状物体をさらに電柱、街灯、標識など詳細な分類に分けることができる。
図1は、市街地を計測した全体地形から柱状物体を抽出した状態を示すモデル図で、(a)は市街地全体の地形を表す全体モデル図であり、(b)は抽出された柱状物体のみを表す柱状物体モデル図である。なお、図1(a)の全体モデル図は、市街地の所定範囲を計測した計測点の集合(以下、「計測点群」という。)を鳥瞰図として示した図である。このように、本願発明は地形全体の地物から柱状物体を抽出するものである。
本願発明の第1の実施形態の例を、図に基づいて説明する。図3は、第1の実施形態の概要を示すフロー図である。以下、このフロー図に沿って各手順(ステップ)を説明する。
計測点群が、地面を計測した計測点(以下、「地面点」という。)を含む場合、この地面点を計測点群から取り除く(S01)。これは、後に説明するセグメンテーションを行う際に、独立した(つまり他とは連続性のない)計測点のかたまりを必要とするからである。したがって、計測点群に地面点が含まれない場合は、ここでの処理を実施する必要はない。
セグメンテーションは、無秩序に配置された立設物計測点群に対して、立設物ごとに分離(セグメント化)する処理である(S02)。これは、一つの立設物を計測した複数の計測点は、それぞれ近い位置にあるという考えに基づくものであり、任意の計測点(任意計測点i)から近傍にある計測点(近傍計測点j)を検出し、これを次々に派生させていくことでセグメントを形成していくものである。この結果、得られるものがセグメントデータであり、基本的には対象空間内に含まれる立設物の数だけセグメントデータが得られる。
細線化処理はスムージングとも呼ばれるもので、立設物の形状の特徴を明確化するものである(S03)。セグメントデータを構成する計測点の中には、立設物以外を計測した計測点や、誤差のある計測点が含まれる。このような計測点を調整することで本来の電柱の形状に近づける処理が細線化処理であり、セグメントデータを構成する計測点を徐々に移動させて調整するものである。
は近傍計測点の組み合わせ(j,q)の点対集合である。
に基づいて(これらを変数として)求められる。また、細線化強度λは、点対集合Viの点対数((j,q)の組み合わせ数)である|Vi|、任意計測点iを中心とした近傍計測点jと近傍計測点qからなる挟角であるangle(j,i,q)に基づいて求められる。なお重みωij
は、piとpj点との距離である||pj−pi||の逆数に基づいて求められる正値であり、遠い位置にある近傍計測点の影響を抑制している。
細線化処理で得られた形状構成点Iは、立設物の形状を構成するものであり、局所的な点分布状態によりそれぞれこの形状に与える影響度が相違する。この局所的な点分布状態は、次式により形状構成点Iの分散共分散行列MIを作成することで、定量的に評価することができる(S04)。
ここまでの手順で立設物の計測点が、セグメントデータとなり、立設物形状データとなって、それぞれの形状構成点Iに対しては形状分類が付与される。この結果に基づいて、最終的に当該立設物の柱状判定を行う。
以上説明した手順を行うことで、本願発明である柱状物体抽出方法、柱状物体抽出プログラム、及び柱状物体抽出装置を実施することができる。具体的には、地面点を除去する「地面除去工程」(場合によって省略可)、セグメントデータを得る「セグメンテーション工程」、細線化処理を行うことで立設物形状データを得る「細線化工程」、形状構成点Iに対して形状分類を与える「形状分類工程」、立設物の柱状判定を行う「柱状物体判定工程」を順に行うことで柱状物体抽出方法が実施できる。また、地面点を除去する「地面除去機能」(場合によって省略可)、セグメントデータを得る「セグメンテーション機能」、細線化処理を行うことで立設物形状データを得る「細線化機能」、形状構成点Iに対して固有値等を求める「主成分分析機能」、形状構成点Iに対して形状分類を与える「形状分類機能」、立設物の柱状判定を行う「柱状物体判定機能」を備え、これら機能をコンピュータに実行させるものとすることで柱状物体抽出プログラムを得ることができる。さらに、計測手段と計測点群を取得する「計測手段」、この計測点群やプログラム等を記憶するハードデスク等の記憶領域を備えた「記憶手段」、柱状物体抽出プログラムを実行させるコンピュータ等の「演算処理手段」を備えたものとすることで「柱状物体抽出装置」を得ることができる。
本願発明の第2の実施形態の例を、図に基づいて説明する。図10は、第2の実施形態の概要を示すフロー図である。以下、このフロー図に沿って各手順(ステップ)を説明する。なお本実施形態では、必ずしもセグメンテーション(S02)を実施する必要がなく、このステップを省略することもできる。セグメンテーション(S02)を省略した場合、当然ながら細線化処理(S03)はm個のセグメントに対して行うことはなく、対象の計測点群全体に対して行うことになる。セグメンテーション(S02)〜形状分類の付与(S05)に関しては、本実施形態でも「第1の実施形態」と同様の内容となるため、ここでの説明は省略する。
計測点群が地面点を含む場合、本実施形態でも「第1の実施形態」と同様、この地面点を計測点群から取り除く処理を(S01)行ってもよい。しかしながら本実施形態では、後に説明するように、地面を取り除く処理を行うこともできるので、必ずしもここで地面点の除去の処理を実施する必要はない。
ここでは、形状分類の付与された形状構成点Iどうしを連結していき、隣接接続グラフを得る処理を行う。形状構成点Iどうしを連結する際は、まず任意の形状構成点Iに着目し、その形状構成点Iにおける隣接点を探索する(S08)。そして、探索された隣接点と当該形状構成点Iでエッジを生成する。この処理を、それぞれの形状構成点Iに対して行うことで、隣接接続グラフを生成する(S09)。
ここでは、同じ形状分類が付与された形状構成点Iどうしを連結していき、一つの連続成分を基本コンポーネントして得る処理を行う(S10)。形状構成点Iどうしを連結する際は、まず任意の形状構成点Iに着目し、その形状構成点Iにおける隣接点を探索し、その隣接点が同じ形状分類であればエッジを生成して一つの領域を構築する。続いて、追加された隣接点を新たな形状構成点Iとして着目し、同様の処理で隣接点をその領域に追加する。そして、同じ形状分類が付与された隣接点が探索されなくなるまで、隣接点の追加を繰り返し行い、その結果得られる一つの領域(連続成分)が基本コンポーネントである。このように、任意の点から所定条件を基に領域を広げていく手法は領域成長法とも呼ばれ、つまり基本コンポーントは領域成長法を用いて生成される。
基本コンポーネントの分類では、その特性に応じて基本コンポーネントを分類する処理を行う(S11a〜S11d)。ここでは、地面を形成している地面コンポーネント、電線など接続物を形成している接続物コンポーネント、支柱を形成している支柱コンポーネント、壁面を形成している壁面コンポーネントについて説明する。
支柱コンポーネントが認識されると、この支柱コンポーネントを基に柱状物体セグメントが作成される(S12)。支柱コンポーネント内にある形状構成点Iと隣接関係ある形状構成点Iは、他の基本コンポーネントを構成するものであってもエッジが生成されている。つまり、異なる基本コンポーネントをであっても連結されることがある。図13に示すように、支柱コンポーネントから次々に連結されていく基本コンポーネントをまとめて、一つの柱状物体セグメントが作成される。このとき、前出の地面コンポーネントと接続物コンポーネントは除いたうえで、柱状物体セグメントを作成することが望ましい。なお、他に連結される基本コンポーネントがない場合は、支柱コンポーネント単体で柱状物体セグメントが作成される。
以上説明した手順を行うことで、本願発明である柱状物体抽出方法、柱状物体抽出プログラム、及び柱状物体抽出装置を実施することができる。具体的には、セグメントデータを得る「セグメンテーション工程」、細線化処理を行うことで立設物形状データを得る「細線化工程」、形状構成点に対して形状分類を与える「形状分類工程」、立設物の柱状判定を行う「柱状物体判定工程」を順に行うことで柱状物体抽出方法が実施できる。「柱状物体判定工程」は、隣接接続グラフを得る「隣接接続グラフ生成工程」と、基本コンポーネントを得る「基本コンポーネント形成工程」と、「支柱コンポーネント」など各種コンポーネントに分ける「基本コンポーネント分類工程」と、柱状物体セグメントを作成する「柱状物体セグメント作成工程」を含んでいる。また、セグメントデータを得る「セグメンテーション機能」、細線化処理を行うことで立設物形状データを得る「細線化機能」、形状構成点に対して固有値等を求める「主成分分析機能」、形状構成点に対して形状分類を与える「形状分類機能」、立設物の柱状判定を行う「柱状物体判定機能」を備え、さらに「柱状物体判定機能」は、隣接接続グラフを得る「隣接接続グラフ生成機能」と、基本コンポーネントを得る「基本コンポーネント形成工程機能」と、「支柱コンポーネント」など各種コンポーネントに分ける「基本コンポーネント分類機能」と、柱状物体セグメントを作成する「柱状物体セグメント作成機能」を含んでいる。これら機能をコンピュータに実行させるものとすることで柱状物体抽出プログラムを得ることができる。さらに、計測手段と計測点群を取得する「計測手段」、この計測点群やプログラム等を記憶するハードデスク等の記憶領域を備えた「記憶手段」、柱状物体抽出プログラムを実行させるコンピュータ等の「演算処理手段」を備えたものとすることで「柱状物体抽出装置」を得ることができる。
ここまで第1の実施形態や第2の実施形態で、柱状物体であること認識する技術について説明した。一方、「柱状物体」は比較的広い概念であり、一般的には、柱状物体というよりも電柱、街灯、標識のような具体的な種別で認識されている。ここでは、柱状物体として認識されたものを、さらに具体的な種別に分類する手法について説明する。なお、ここでは柱状物体の種別として、電柱、街灯、標識の3種類を例にしている。
第1の実施形態や第2の実施形態で与えられた形状構成点Iの形状分類と、形状構成点Iの第1固有ベクトルeI 1(主方向)に基づいて、支柱候補点を抽出する(図16のS13)。記述のとおり、形状分類は特徴量SIに基づいて設定され、例えば「柱状物体上の点」、「平面上の点」、「その他物体上の点」に分類される。この形状分類が「柱状物体上の点」であって、第1固有ベクトルeI 1(主方向)が略鉛直(鉛直方向から閾値範囲内)である形状構成点Iが、支柱候補点として抽出される。このとき、支柱候補点を所定平面に投影させると、所定半径の円形に近い位置にあるもののみを支柱候補点として残すこともできる。この場合は、RANSACのような手法を用いて判断することができる。なお、第2の実施形態においては、支柱コンポーネントを構成する形状構成点Iが、支柱候補点として抽出されることとしてもよい。
記述した帰属度による柱状物体の種別(電柱、街灯、標識)認識では、場合によっては誤った認識をすることも考えられる。ここでは、コンテクスト特徴量を用いてより的確に柱状物体の種別認識を行う手法について説明する。
以上説明した手順を行うことで、本願発明である柱状物体抽出方法、柱状物体抽出プログラム、及び柱状物体抽出装置を実施することができる。
j 近傍計測点
q 他の近傍計測点
r (限界距離)半径
I* 近傍形状構成点集合
PI 形状構成点の座標値
PIO I*の重心座標値
PJ 近傍形状構成点の座標値
θ 挟角
Ss 構成点集合
Cs 柱状点集合
Ds 鉛直点集合
Claims (23)
- 地面上に立設された複数の立設物を含む所定空間の計測点の集合である計測点群から、該立設物のうちその形状が柱状である柱状物体を抽出する方法において、
前記計測点群から、それぞれ独立した領域ごとにセグメントデータを得るセグメンテーション工程と、
それぞれの前記セグメントデータに対して、立設物の形状特徴を明確にする細線化処理を行うことで立設物形状データを得る細線化工程と、
前記立設物形状データを構成する形状構成点に対して、それぞれ主成分分析を行って固有値及び固有ベクトルを求めるとともに、該固有値から算出される特徴量に基づいて形状分類を与える形状分類工程と、
前記形状構成点の前記形状分類に基づいて、立設物の柱状判定を行う柱状物体判定工程と、を備え、
前記セグメンテーション工程は、任意計測点とこの点に近い近傍計測点との間でエッジを生成し、その結果得られる一つの連続成分を一つのセグメントデータとして得るものであり、
前記細線化工程における前記細線化処理は、任意計測点の位置を移動させるものであって、任意計測点、この点に近い近傍計測点、及び任意計測点における近傍計測点2点との挟角から求められる細線化強度に基づいて、該細線化強度が小さいほど任意計測点の影響を強く残すとともに近傍計測点の影響が抑制されるように、移動後の任意計測点位置を求めるものであり、
前記細線化強度は、任意計測点における近傍計測点2点との挟角が小さいほど小さな値を示す、ことを特徴とする柱状物体抽出方法。 - 前記セグメンテーション工程は、前記任意計測点から近い順に所定数k個の前記近傍計測点を選出し、この近傍計測点と前記任意計測点との間でエッジを生成することでk近傍接続グラフを作成し、このk近傍接続グラフから得られる一つの連続成分を一つのセグメントデータとして得る、ことを特徴とする請求項1記載の柱状物体抽出方法。
- 主成分分析によって得られる前記固有値は、値の大きなものから順に、第一固有値、第二固有値、第三固有値とされ、
主成分分析によって得られる前記固有ベクトルは、第一固有値に対応するものが第一固有ベクトル、第二固有値に対応するものが第二固有ベクトル、第三固有値に対応するものが第三固有ベクトルとされ、
前記特徴量は、前記第一固有値と第二固有値に基づいて算出される第一特徴量と、前記第二固有値と第三固有値に基づいて算出される第二特徴量と、前記第三固有値に基づいて算出される第三特徴量と、で構成され、
前記形状分類は、「柱状物体上の点」を含む2以上の分類で構成され、前記特徴量のうち前記第一特徴量が最大値を示す前記形状構成点には形状分類として「柱状物体上の点」が付与される、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の柱状物体抽出方法。 - 前記柱状物体判定工程における前記立設物の柱状判定は、前記立設物形状データを構成する形状構成点のうち「柱状物体上の点」に分類された形状構成点が占める割合、又は/及び「柱状物体上の点」に分類された形状構成点のうち前記第一固有ベクトルが鉛直又は鉛直に近い向きである形状構成点が占める割合に基づいて、該立設物形状データの柱状物体度を求め、この柱状物体度を評価することで立設物の柱状判定を行う、ことを特徴とする請求項3記載の柱状物体抽出方法。
- 前記柱状物体判定工程は、隣接接続グラフ生成工程と、基本コンポーネント形成工程と、基本コンポーネント分類工程と、柱状物体セグメント作成工程と、を含み、
前記隣接接続グラフ生成工程は、前記各形状構成点の前記固有ベクトルに基づいて、各形状構成点と隣接関係にある隣接点を求めるとともに、該隣接点と形状構成点との間でエッジを生成し、その結果得られる一つの連続成分を一つの隣接接続グラフとして得るものであり、
前記基本コンポーネント形成工程は、前記隣接接続グラフを構成する各形状構成点に対して、各形状構成点と同一の形状分類が付与された前記隣接点を求めるとともに、該隣接点と形状構成点との間でエッジを生成し、その結果得られる一つの連続成分を一つの基本コンポーネントとして得るものであり、
前記基本コンポーネント分類工程は、前記基本コンポーネントに対して前記形状分類に応じたコンポーンネントを分類するものであって、形状分類が「柱状物体上の点」である基本コンポーネントは「支柱コンポーネント」に分類し、
前記柱状物体セグメント作成工程は、前記支柱コンポーネントを含む前記隣接接続グラフを抽出するとともに、該隣接接続グラフに含まれる1又は2以上の前記基本コンポーネントを結合して柱状物体セグメントを作成するものであり、
前記隣接点は、前記形状構成点から前記固有ベクトル方向に向けて拡張される空間範囲内において、前記形状構成点から最も近い形状構成点が選ばれ、
前記柱状物体セグメントに基づいて、立設物の柱状判定を行う、ことを特徴とする請求項3記載の柱状物体抽出方法。 - 前記基本コンポーネント分類工程は、一つの隣接接続グラフ内に、その形状分類が「柱状物体上の点」である基本コンポーネントが2以上含まれる場合、形状分類が「柱状物体上の点」である基本コンポーネントのうち最小の標高値を具備するものを、「支柱コンポーネント」と分類する、ことを特徴とする請求項5記載の柱状物体抽出方法。
- 前記第二特徴量が最大値を示す前記形状構成点には、前記形状分類として「平面上の点」が付与され、
前記基本コンポーネント分類工程は、形状分類が「平面上の点」である基本コンポーネントは「平面コンポーネント」に分類するとともに、平面コンポーネントを構成する形状構成点によって形成される面の法線方向に基づいて、略水平な平面コンポーネントを「地面コンポーネント」として抽出し、
前記柱状物体セグメント作成工程は、前記地面コンポーネントを除いたうえで、1又は2以上の前記基本コンポーネントを結合して前記柱状物体セグメントを作成する、ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の柱状物体抽出方法。 - 前記基本コンポーネント分類工程は、その形状分類が「柱状物体上の点」の基本コンポーネントであって、基本コンポーネントを構成する形状構成点の前記第一固有ベクトルが略水平な基本コンポーネントを「接続物コンポーネント」として抽出し、
前記柱状物体セグメント作成工程は、前記接続物コンポーネントを除いたうえで、1又は2以上の前記基本コンポーネントを結合して柱状物体セグメントを作成する、ことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の柱状物体抽出方法。 - 前記柱状物体セグメントを構成する基本コンポーネントのうち、支柱コンポーネント以外の基本コンポーネントであって、相互に連結された基本コンポーネントの組み合わせをパーツとして抽出し、
前記パーツを、前記形状分類に基づくパーツタイプに分類し、
前記柱状物体セグメントの高さ、柱状物体セグメントに含まれる前記パーツの数、及びパーツタイプに関する評価に基づいて、柱状物体セグメントの帰属度を求め、
前記帰属度に基づいて、柱状物体の種類を選別する、ことを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれかに記載の柱状物体抽出方法。 - 前記立設物形状データのうち、「柱状物体上の点」に分類された形状構成点であって、前記第一固有ベクトルが略鉛直方向である形状構成点を支柱候補点とし、
前記支柱候補点から所定距離内にある形状構成点と、前記支柱候補点とを、まとめて支柱構成点とし、
前記立設物形状データのうち、前記支柱構成点以外の形状構成点で構成される連続成分を、パーツとして抽出し、
前記パーツを、前記形状分類に基づくパーツタイプに分類し、
前記立設物形状データの高さ、立設物形状データに含まれる前記パーツの数、及びパーツタイプに関する評価に基づいて、立設物形状データの帰属度を求め、
前記帰属度に基づいて、柱状物体の種類を選別する、ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の柱状物体抽出方法。 - 所定のグリッドによって複数のメッシュを構成するとともに、前記帰属度を最も近いメッシュに配点し、
所定数の前記メッシュで構成されるエリアを設定し、
前記エリアに基づいて、柱状物体の種類ごとに標準分布マップを作成し、
前記エリアに基づき、各柱状物体セグメント又は各立設物形状データに対して、周辺分布マップを作成し、
さらに、前記標準分布マップ及び前記周辺分布マップに基づいて、当該柱状物体セグメント又は立設物形状データに対して、コンテクスト特徴量を算出し、
前記コンテクスト特徴量に基づいて、柱状物体の種類を選別する、ことを特徴とする請求項9又は請求項10記載の柱状物体抽出方法。 - 地面上に立設された複数の立設物を含む所定空間の計測点の集合である計測点群から、該立設物のうちその形状が柱状である柱状物体を抽出する機能をコンピュータに実行させる柱状物体抽出プログラムにおいて、
前記計測点群から、それぞれ独立した領域ごとにセグメントデータを作成するセグメンテーション機能と、
それぞれの前記セグメントデータに対して、立設物の形状特徴を明確にする細線化処理を行って立設物形状データを作成する細線化機能と、
前記立設物形状データを構成する形状構成点に対して、それぞれ主成分分析のための演算処理を行って固有値及び固有ベクトルを求める主成分分析機能と、
さらにそれぞれの前記形状構成点に対して、前記固有値を基に算出される特徴量に応じた形状分類を付与する形状分類機能と、
前記形状構成点の前記特徴量に基づいて、立設物の柱状判定処理を行う柱状物体判定機能と、を備え、
前記セグメンテーション機能は、任意計測点とこの点に近い近傍計測点との間でエッジを発生させ、その結果得られる一つの連続成分を一つのセグメントデータとするものであり、
前記細線化機能で行われる前記細線化処理は、任意計測点の位置を移動させるものであって、任意計測点、この点に近い近傍計測点、及び任意計測点における近傍計測点2点との挟角から求められる細線化強度に基づいて、該細線化強度が小さいほど任意計測点の影響を強く残すとともに近傍計測点の影響が抑制されるように、移動後の任意計測点位置を算出するものであり、
前記細線化強度は、任意計測点における近傍計測点2点との挟角が小さいほど小さな値を示す、ことを特徴とする柱状物体抽出プログラム。 - 前記セグメンテーション機能は、前記任意計測点から近い順に所定数k個の前記近傍計測点を選出し、この近傍計測点と前記任意計測点との間でエッジを発生させることでk近傍接続グラフを作成し、このk近傍接続グラフから得られる一つの連続成分を一つのセグメントデータとするものである、ことを特徴とする請求項12記載の柱状物体抽出プログラム。
- 主成分分析機能によって求められる前記固有値は、値の大きなものから順に、第一固有値、第二固有値、第三固有値であり、
主成分分析機能によって求められる前記固有ベクトルは、第一固有値に対応するものが第一固有ベクトル、第二固有値に対応するものが第二固有ベクトル、第三固有値に対応するものが第三固有ベクトルであり、
前記特徴量は、前記第一固有値と第二固有値に基づいて算出される第一特徴量と、前記第二固有値と第三固有値に基づいて算出される第二特徴量と、前記第三固有値に基づいて算出される第三特徴量と、で構成され、
前記形状分類は、「柱状物体上の点」を含む2以上の分類で構成され、前記特徴量のうち前記第一特徴量が最大値を示す前記形状構成点には形状分類として「柱状物体上の点」が付与される、ことを特徴とする請求項12又は請求項13記載の柱状物体抽出プログラム。 - 前記柱状物体判定機能における柱状判定処理は、前記立設物形状データを構成する形状構成点のうち「柱状物体上の点」に分類された形状構成点が占める割合、又は/及び「柱状物体上の点」に分類された形状構成点のうち固有ベクトルが鉛直又は鉛直に近い向きである形状構成点が占める割合に基づいて、該立設物形状データの柱状物体度を算出し、この柱状物体度を評価することで立設物の柱状判定を行うものである、ことを特徴とする請求項14記載の柱状物体抽出プログラム。
- 前記柱状物体判定機能は、隣接接続グラフ生成機能と、基本コンポーネント形成機能と、基本コンポーネント分類機能と、柱状物体セグメント作成機能と、を含み、
前記隣接接続グラフ生成機能は、前記各形状構成点の前記固有ベクトルに基づいて、各形状構成点と隣接関係にある隣接点を選出するとともに、該隣接点と形状構成点との間でエッジを生成し、その結果得られる一つの連続成分を一つの隣接接続グラフとするものであり、
前記基本コンポーネント形成機能は、前記隣接接続グラフを構成する各形状構成点に対して、各形状構成点と同一の形状分類が付与された前記隣接点を選出するとともに、該隣接点と形状構成点との間でエッジを生成し、その結果得られる一つの連続成分を一つの基本コンポーネントとするものであり、
前記基本コンポーネント分類機能は、前記基本コンポーネントに対して前記形状分類に応じたコンポーンネント分類を付与するものであって、形状分類が「柱状物体上の点」である基本コンポーネントにはコンポーンネント分類として「支柱コンポーネント」を付与し、
前記柱状物体セグメント作成機能は、前記支柱コンポーネントを含む前記隣接接続グラフを抽出するとともに、該隣接接続グラフに含まれる1又は2以上の前記基本コンポーネントを結合して柱状物体セグメントを作成するものであり、
前記隣接点は、前記形状構成点から前記固有ベクトル方向に向けて拡張される空間範囲内において、前記形状構成点から最も近い形状構成点が選ばれ、
前記柱状物体セグメントに基づいて、立設物の柱状判定を行う、ことを特徴とする請求項14記載の柱状物体抽出プログラム。 - 前記基本コンポーネント分類機能は、一つの隣接接続グラフ内に、その形状分類が「柱状物体上の点」である基本コンポーネントが2以上含まれる場合、形状分類が「柱状物体上の点」である基本コンポーネントのうち最小の標高値を具備するものに、コンポーンネント分類として「支柱コンポーネント」を付与する、ことを特徴とする請求項16記載の柱状物体抽出プログラム。
- 前記第二特徴量が最大値を示す前記形状構成点には、前記形状分類として「平面上の点」を付与し、
前記基本コンポーネント分類機能は、形状分類が「平面上の点」である基本コンポーネントには、コンポーンネント分類として「平面コンポーネント」を付与するとともに、平面コンポーネントを構成する形状構成点によって形成される面の法線方向に基づいて、略水平な平面コンポーネントを「地面コンポーネント」として抽出し、
前記柱状物体セグメント作成機能は、前記地面コンポーネントを除いたうえで、1又は2以上の前記基本コンポーネントを結合して前記柱状物体セグメントを作成する、ことを特徴とする請求項16又は請求項17記載の柱状物体抽出プログラム。 - 前記基本コンポーネント分類機能は、その形状分類が「柱状物体上の点」の基本コンポーネントであって、基本コンポーネントを構成する形状構成点の前記第一固有ベクトルが略水平な基本コンポーネントを「接続物コンポーネント」として抽出し、
前記柱状物体セグメント作成機能は、前記接続物コンポーネントを除いたうえで、1又は2以上の前記基本コンポーネントを結合して柱状物体セグメントを作成する、ことを特徴とする請求項16乃至請求項18のいずれかに記載の柱状物体抽出プログラム。 - 前記柱状物体セグメントを構成する基本コンポーネントのうち、支柱コンポーネント以外の基本コンポーネントであって、相互に連結された基本コンポーネントの組み合わせをパーツとして抽出するパーツ抽出機能と、
前記パーツを、前記形状分類に基づくパーツタイプに分類するパーツタイプ分類機能と、
前記柱状物体セグメントの高さ、柱状物体セグメントに含まれる前記パーツの数、及びパーツタイプに関する評価に基づいて、柱状物体セグメントの帰属度を算出する帰属度算出機能と、
前記帰属度に基づいて柱状物体の種類を選別する柱状物体種別認識機能と、を備えたことを特徴とする請求項16乃至請求項19のいずれかに記載の柱状物体抽出プログラム。 - 前記立設物形状データのうち、「柱状物体上の点」に分類された形状構成点であって、前記第一固有ベクトルが略鉛直方向である形状構成点を支柱候補点とし、
前記支柱候補点から所定距離内にある形状構成点と、前記支柱候補点とを、まとめて支柱構成点とする支柱構成点抽出機能と、
前記立設物形状データのうち、前記支柱構成点以外の形状構成点で構成される連続成分を、パーツとして抽出するパーツ抽出機能と、
前記パーツを、前記形状分類に基づくパーツタイプに分類するパーツタイプ分類機能と、
前記立設物形状データの高さ、立設物形状データに含まれる前記パーツの数、及びパーツタイプに関する評価に基づいて、立設物形状データの帰属度を算出する帰属度算出機能と、
前記帰属度に基づいて柱状物体の種類を選別する柱状物体種別認識機能と、を備えたことを特徴とする請求項14又は請求項15記載の柱状物体抽出プログラム。 - 所定のグリッドによって複数のメッシュを構成するとともに、前記帰属度を最も近いメッシュに配点する帰属度配点機能と、
所定数の前記メッシュで構成されるエリアを設定するエリア設定機能と、
前記エリアに基づいて、柱状物体の種類ごとに標準分布マップを作成する標準分布マップ作製機能と、
前記エリアに基づき、各柱状物体セグメント又は各立設物形状データに対して、周辺分布マップを作成する周辺分布マップ作製機能と、
さらに、前記標準分布マップ及び前記周辺分布マップに基づいて、当該柱状物体セグメント又は立設物形状データに対して、コンテクスト特徴量を算出するコンテクスト特徴量算出機能と、
前記コンテクスト特徴量に基づいて柱状物体の種類を選別する柱状物体種別認識機能と、を備えたことを特徴とする請求項20又は請求項21記載の柱状物体抽出プログラム。 - 地面上に立設された複数の立設物を含む所定空間の計測点の集合である計測点群から、該立設物のうちその形状が柱状である柱状物体を抽出する柱状物体抽出装置において、
前記所定空間を計測して前記計測点群を取得する計測手段と、
前記計測手段によって取得された前記計測点群を記憶する記憶手段と、
前記計測点群を基に、立設物のうち前記柱状物体を抽出する演算処理手段と、を備え、
さらに前記演算処理手段は、セグメンテーション機能と、細線化機能と、主成分分析機能と、形状分類機能と、柱状物体判定機能と、を備え、
前記セグメンテーション機能は、前記計測点群から、それぞれ独立した領域ごとにセグメントデータを作成するものであって、任意計測点から近い順に所定数k個の前記近傍計測点を選出し、この近傍計測点と前記任意計測点との間でエッジを発生させることでk近傍接続グラフを作成し、このk近傍接続グラフから得られる一つの連続成分を一つのセグメントデータとするものであり、
前記細線化機能は、それぞれの前記セグメントデータに対して、立設物の形状特徴を明確にする細線化処理を行って立設物形状データを作成するものであり、
前記主成分分析機能は、前記立設物形状データを構成する形状構成点それぞれに対して、主成分分析のための演算処理を行って固有値及び固有ベクトルを求めるものであり、
前記形状分類機能は、それぞれの前記形状構成点に対して、前記固有値を基に算出される特徴量に応じた形状分類を付与するものであり、
前記柱状物体判定機能は、前記形状構成点の前記特徴量に基づいて、立設物の柱状判定処理を行うものであり、
前記細線化機能で行われる前記細線化処理は、任意計測点の位置を移動させるものであって、任意計測点、この点に近い近傍計測点、及び任意計測点における近傍計測点2点との挟角から求められる細線化強度に基づいて、該細線化強度が小さいほど任意計測点の影響を強く残すとともに近傍計測点の影響が抑制されるように、移動後の任意計測点位置を算出するものであり、
前記細線化強度は、任意計測点における近傍計測点2点との挟角が小さいほど小さな値を示す、ことを特徴とする柱状物体抽出装置。
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