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JP5923299B2 - 貯湯システム - Google Patents

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JP5923299B2
JP5923299B2 JP2011283932A JP2011283932A JP5923299B2 JP 5923299 B2 JP5923299 B2 JP 5923299B2 JP 2011283932 A JP2011283932 A JP 2011283932A JP 2011283932 A JP2011283932 A JP 2011283932A JP 5923299 B2 JP5923299 B2 JP 5923299B2
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  • Domestic Hot-Water Supply Systems And Details Of Heating Systems (AREA)
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Description

本発明は、燃料電池などの熱源から回収した熱で貯湯タンク内の湯を加熱して給湯する貯湯システムに係り、特に、貯湯タンクの蓄熱が不足する場合にその不足分をガス給湯器などのバックアップ熱源機で補って給湯する貯湯システムに関する。
従来の貯湯システムは、貯湯タンク内の湯温が十分高い場合には混合弁で貯湯タンクからの湯に給水を混合して設定温度の湯を出湯し、設定温度に足りない場合は、貯湯タンクの湯を後段のバックアップ熱源機で設定温度に昇温して出湯する方式(給水予熱方式とする)であった。
図11は、燃料電池の排熱を回収する給水予熱方式の貯湯システム100の構成例を示している。本システムは、貯湯タンクユニット101と、燃料電池などの熱源130の排熱を回収する熱回収装置110と、バックアップ熱源機としてのガス給湯器120とを備えて構成されている。熱回収装置110は、熱源の熱を回収する排熱回収熱交換器111と排熱回収ポンプ112とから構成される。排熱回収ポンプ112を作動させると、貯湯タンク102内の湯水が、貯湯タンク下部から熱回収配管(低温)114、排熱回収熱交換器111、熱回収配管(高温)115を経由して貯湯タンク102の上部に戻る経路を循環し、排熱回収熱交換器111を通る際に加熱される。
貯湯タンク102の下部の給水口103には給水管104が接続され、上部の出湯口105には出湯管106が接続されている。出湯管106の途中には、貯湯タンク102からの湯と給水管104からの水とを設定された混合比で混合する混合器107が設けてあり、該混合器107の出側は、接続配管121を通じて、バックアップ熱源機120の給水接続口122に配管されている。
上記システムでは、貯湯タンク102に十分蓄熱された状態で給湯する場合は、貯湯タンク102の湯と給水とを混合器107で混合して設定温度の湯を作ってバックアップ熱源機120へ送り、バックアップ熱源機120は追加の加熱を行わずにそのまま給湯する。また、貯湯タンク102に蓄熱がない場合は、貯湯タンク102内にある設定温度より低い温度の湯または水をバックアップ熱源機120に送り、バックアップ熱源機120で設定温度に加熱して給湯する。貯湯タンク102内の湯が設定温度よりわずかに低く、そのままバックアップ熱源機120に送るとバックアップ熱源機120を最小能力で作動させても給湯温度が設定温度を超えてしまう場合は、貯湯タンク102の湯に給水を混合して温度を意図的に下げた湯水をバックアップ熱源機120に送り、バックアップ熱源機120で設定温度に加熱して給湯する、といったことが行われる。
また、下記特許文献1には、貯湯タンク内の湯をできるだけ使用することを目的とし、貯湯タンク内の湯が設定温度との対比で高温域にあるときは貯湯タンクの湯と給水とを混合して出湯し、貯湯タンク内の湯が設定温度との対比で中温域にあるときは貯湯タンクの湯をバックアップ熱源機に送って加熱した湯と給水とを混合して出湯し、貯湯タンク内の湯が設定温度との対比で低温域にあるときは、貯湯タンクの出湯口を二手に分け、一方をバックアップ熱源機に送って加熱した湯と他方の湯とを混合して給湯する貯湯式給湯システムが開示されている。
特開2010−236713号公報
貯湯システムは、ガス給湯器などから直接給湯する場合に比べて、貯湯タンク内の圧損や接続配管の圧損が加わるので、システム全体の圧損が大きくなる。また、施工条件によっては貯湯タンクユニットとバックアップ熱源機とを離して設置しなければならず、貯湯タンクユニットからバックアップ熱源機までの接続配管が長くなってその分さらに圧損が増えてしまう。
前述した給水予熱方式の貯湯システムの場合、給湯する全量の湯が必ず接続配管およびバックアップ熱源機を経由するので、圧損の影響を強く受けてしまい、特に低水圧地域においてはお湯の出が少なくなってしまう。
そこで、本出願人は後混合方式の貯湯システムを考案した。図12は、後混合方式の貯湯システム150の概略構成を示している。図11と同一箇所には同一の符号を付してある。この貯湯システム150は、バックアップ熱源機120で給水を加熱して得た湯と貯湯タンク102からの湯水と給水とを設定された混合比に混合器151で混合して給湯するようになっている。貯湯タンク102に十分蓄熱された状態で給湯する場合は、貯湯タンク102の湯と給水とを混合器151で混合して給湯を行い(タンク出湯とする)、貯湯タンク102に蓄熱がないあるいは不足する場合は給水をバックアップ熱源機120で設定温度より十分高温に加熱して得た湯と給水とを混合器151で混合して設定温度の湯を作って給湯する(給湯器出湯とする)ようになっている。給湯器出湯では、バックアップ熱源機120で設定温度より十分高温の湯を作ることでバックアップ熱源機120を通る湯量を少なくし、圧損の低減を図っている。
しかし、上記後混合方式の貯湯システムにおいて、貯湯タンクに十分蓄熱があると判断してタンク出湯を開始した後、出湯が長く続いて貯湯タンクの蓄熱が足りなくなると、給湯器出湯に切り替える必要が生じる。しかし、切り替えた当初は、切り替え前にバックアップ熱源機から混合器までの配管152内に冷たい水があると、この冷たい水が混合器151に流入するので、設定温度の湯を給湯することができない。しばらく時間が経過するとバックアップ熱源機120で加熱された湯が混合器151に到達して設定温度の給湯が可能になるが、出湯中に、湯→しばらく水→湯、といった変化が生じ、使用者にとって不快な給湯になってしまう。特に、バックアップ熱源機120から貯湯タンクユニット101側の混合器151までの配管152が長い場合は、出湯途中で水になる時間が長くなる。
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、出湯中にタンク出湯から給湯器出湯に切り替えても給湯温度の一時的な低下が生じない後混合方式の貯湯システムを提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]給水が供給される貯湯タンクと、
所定の熱源から回収した熱で前記貯湯タンク内の水を加熱する加熱装置と、
給水を加熱するバックアップ熱源機からの湯と貯湯タンクからの湯水と給水とを設定された混合比で混合して給湯する混合器と、
前記バックアップ熱源機から前記混合器までの第1配管の前記混合器寄りの箇所から分岐し、給水を前記バックアップ熱源機の給水口に供給する第2配管の途中に合流した循環用経路と、
前記循環用経路の途中に設けられて、第1配管側から第2配管側へ送水する循環ポンプと、
設定温度の湯が前記混合器から給湯されるように、前記バックアップ熱源機での加熱および前記混合器の混合比を制御する制御部と、
を有し、
前記貯湯タンクと前記混合器は貯湯タンクユニットの中に収めてあり、
前記バックアップ熱源機は前記貯湯タンクユニットの外部に設けられており、
前記循環用経路は、前記貯湯タンクユニット内で前記第1配管から分岐し、
前記制御部は、給湯の制御モードとして、貯湯タンクからの湯と給水とを混合して設定温度の湯を給湯する第1モードと、給水を前記バックアップ熱源機で設定温度より高い温度に加熱した湯と給水とを混合して設定温度の湯を給湯する第2モードとを少なくとも有し、
前記第1モードで給湯動作中に前記第2モードに切り替える場合は、前記バックアップ熱源機による加熱を行いながら前記循環ポンプを動作させて、前記バックアップ熱源機から出た湯が前記第1配管、前記循環用経路、前記第2配管を経て前記バックアップ熱源機に戻る循環状態を所定時間以上形成した後に、前記循環ポンプを停止させて前記第2モードの給湯動作に移行する
ことを特徴とする貯湯システム。
上記発明では、給水を加熱するバックアップ熱源機からの湯と貯湯タンクからの湯水と給水とを設定された混合比で混合して給湯する方式において、バックアップ熱源機から混合器までの第1配管の混合器寄りの箇所から分岐し、給水をバックアップ熱源機の給水口に供給する第2配管の途中に合流した循環用経路と、この循環用経路の途中に第1配管側から第2配管側へ送水する循環ポンプとを設ける。給湯の制御モードとしては、貯湯タンクからの湯と給水とを混合して設定温度の湯を給湯する第1モードと給水をバックアップ熱源機で設定温度より高い温度に加熱した湯と給水とを混合して設定温度の湯を給湯する第2モードとを有する。そして、第1モードで給湯動作中に第2モードに切り替える場合は、循環ポンプを作動させると共にバックアップ熱源機での加熱を行わせる。これにより、バックアップ熱源機から第1配管、循環用経路、第2配管を経てバックアップ熱源機に戻る循環経路に水が流れ、この循環水がバックアップ熱源機によって加熱される。この状態を所定時間継続して第1配管内がバックアップ熱源機で加熱された湯になった後、循環ポンプを停止させて第2モードの給湯動作に移行するように制御する。
[2]前記制御部は、前記貯湯タンクユニットの中であって前記第1配管から前記循環用経路が分岐する箇所より前記バックアップ熱源機側の前記第1配管に設けられた温度センサの検出温度が所定の温度より高くなったら、前記循環ポンプを停止させて前記第2モードの給湯動作に移行する
ことを特徴とする[1]に記載の貯湯システム。
]前記所定時間以上形成した後とは、少なくとも前記バックアップ熱源機で加熱した湯が前記循環用経路に到達した後である
ことを特徴とする[1]に記載の貯湯システム。
上記発明では、切り替え当初にバックアップ熱源機から分岐箇所までの間の第1配管に溜まっていた水がバックアップ熱源機で加熱された湯に置き替わるまで循環が継続される。
]前記制御部は、前記第2モードの給湯動作に移行する際に、前記混合器の出側の給湯温度が設定温度に維持されるように、前記バックアップ熱源機からの湯の混合比を徐々に増やしながら前記貯湯タンクからの湯の混合比を徐々に減らす
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の貯湯システム。
上記発明では、バックアップ熱源機から分岐箇所までの第1配管内が温まっても分岐箇所から混合器までの間は冷たい水が残っているので、この水が一気に給湯に使用されないように、バックアップ熱源機からの湯の混合比を徐々に増やしながら貯湯タンクからの湯の混合比を徐々に減らして第2モードへ移行させる。これにより、設定温度の給湯が維持される。
]前記制御部は、前記第1モードで給湯動作中に前記貯湯タンクの湯切れが近づいたときに前記第2モードへの切り替えを行う
ことを特徴とする[1]乃至[]のいずれか1項に記載の貯湯システム。
]前記制御部は、前記第1配管および前記第2配管の凍結を防止する際に、前記バックアップ熱源機による加熱あり、もしくは加熱なしで、前記循環ポンプを作動させる
ことを特徴とする[1]乃至[]のいずれか1項に記載の貯湯システム。
上記発明では、循環ポンプを作動させて、バックアップ熱源機から第1配管、循環用経路、第2配管を経てバックアップ熱源機に戻る循環経路に水またはバックアップ熱源機で加熱した湯を流すことで、この循環経路の凍結が防止される。
]前記制御部は、給湯の制御モードとして、給水を前記バックアップ熱源機で加熱した湯と前記貯湯タンクからの湯と給水とを混合して設定温度の湯を給湯する第3モードをさらに有し、給湯動作において前記第1モードを優先選択し、前記第1モードで設定温度の湯を給湯できない場合であって設定温度より所定温度以上低くない湯を前記貯湯タンクから供給可能な場合は前記第3モードを選択し、前記第3モードを選択できない場合に前記第2モードを選択する
ことを特徴とする[1]乃至[]のいずれか1項に記載の貯湯システム。
上記発明では、貯湯タンクからの湯と給水とを混合して設定温度の湯を給湯する第1モードを優先的に使用することで、排熱で加熱された貯湯タンク内の湯が有効利用される。さらに、貯湯タンク内の湯温が設定温度より低く第1モードでの給湯はできないが、貯湯タンク内に設定温度より所定温度以上低くない温度の湯がある場合は、その湯を利用する第3モードで給湯するので、設定温度に満たない場合でも貯湯タンクの湯を利用した給湯が可能になり、貯湯タンクの湯の利用率を高めることができる。
本発明に係る貯湯システムによれば、出湯中にタンク出湯から給湯器出湯に切り替えても一時的な温度低下が生じることなく給湯を継続することができる。
本発明の貯湯システムを適用した風呂給湯システムの概略構成を示す図である。 風呂給湯器の構成例を示す図である。 排熱回収動作における湯水の流れを示す説明図である。 第1モードの給湯動作における湯水の流れを示す説明図である。 第2モードの給湯動作における湯水の流れを示す説明図である。 第3モードの給湯動作における湯水の流れを示す説明図である。 第1モードから第2モードへ切り替える際の湯水の流れを示す説明図である。 第1モードから第2モードへの切り替え時に風呂給湯器からの湯の混合比を徐々に増やした移行途中の状態の湯水の流れを示す説明図である。 注湯動作における湯水の流れを示す説明図である。 凍結防止動作における湯水の流れを示す説明図である。 従来の給湯予熱方式の給湯システムの概略構成を示す図である。 後混合方式の貯湯システムの基本構成を示す図である。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の貯湯システムを適用した風呂給湯システム10の構成を示している。風呂給湯システム10は、貯湯タンクユニット11と、熱源機4と、排熱回収装置50と、バックアップ熱源機としての風呂給湯器70とを備えて構成される。本例では、熱源機4は燃料電池である。なお、図中、装置間の配管や外部配管は2重の矢印で示してある。
貯湯タンクユニット11は、給水管12から供給される給水を蓄える貯湯タンク13を備えている。貯湯タンク13は中空略円柱状のタンクであり、下部には給水口14が設けてあり、上部には出湯口15が設けてある。さらに貯湯タンク13の下部には取水口16が、上部には戻り口17が設けてある。
貯湯タンク13は、たとえば、容量100リットル程度を有し、底から20リットルの水位の箇所に、その箇所の水温を検出する第1温度センサ18aが、底から40リットルの水位の箇所に、その箇所の水温を検出する第2温度センサ18bが、底から60リットルの水位の箇所に、その箇所の水温を検出する第3温度センサ18cが、底から80リットルの水位の箇所に、その箇所の水温を検出する湯切れ温度センサ18dが、さらに貯湯タンク13内のほぼ最上部に、その箇所の水温を検出するタンク上部温度センサ18eがそれぞれ設けてある。
排熱回収装置50は、熱源機4の内部などに設けられて熱源機4の排熱を回収する。排熱回収装置50は排熱回収熱交換器51と、排熱回収ポンプ52とを有する。貯湯タンク13と排熱回収装置50の排熱回収熱交換器51は、これらの間に貯湯タンク13の水を循環させる排熱回収循環経路が構成されるように熱回収配管53(53a、53b)で接続されている。詳細には、貯湯タンク13の取水口16には熱回収配管(低温)53aの一端が接続され、排熱回収熱交換器51の入り側に熱回収配管(低温)53aの他端が接続されている。排熱回収ポンプ52は、排熱回収熱交換器51の入り側近傍の熱回収配管(低温)53aに介挿されており、排熱回収ポンプ52は熱回収配管(低温)53a内の水を貯湯タンク13の取水口16側から排熱回収熱交換器51の入り側に向けて送水する。
排熱回収熱交換器51の出側には熱回収配管(高温)53bが接続され、熱回収配管(高温)53bの他端は、貯湯タンクユニット11内の第1三方弁21の第1接続口21aに接続されている。
第1三方弁21は、前述の第1接続口21aと、第2接続口21bと第3接続口21cとを備え、第1接続口21aと第2接続口21bとを接続し第3接続口21cを閉鎖するA方向と、第1接続口21aと第3接続口21cとを接続し第2接続口21bを閉鎖するB方向とに接続状態を切り替え可能に構成されている。なお、第1三方弁21は第1接続口21aから流入する水の温度が所定温度以上ならばA方向となり、所定温度未満ならばB方向に切り替わるように制御部20により制御される。
第1三方弁21の第2接続口21bは貯湯タンク13の戻り口17に配管されている。第1三方弁21の第3接続口21cにはバイパス管54の一端が接続され、バイパス管54の他端は貯湯タンクユニット11内で熱回収配管(低温)53aに合流している。
第1三方弁21の第1接続口21a近傍の熱回収配管(高温)53bには熱回収配管高温側温度センサ22aが設けてあり、貯湯タンク13の取水口16からバイパス管54との合流箇所までの間の熱回収配管(低温)53aに熱回収配管低温側温度センサ22bが設けてある。
貯湯タンクユニット11は、貯湯タンク13の出湯口15からの湯と、風呂給湯器70からの湯と、給水とを混合する混合器23を備えている。この混合器23は、実際には、貯湯タンク13の出湯口15からの湯の混合量を調整する第1混合器23aと、風呂給湯器70からの湯の混合量を調整する第2混合器23bと、給水管12からの給水の混合量を調整する第3混合器23cとを有して構成される。
第1混合器23aの入り側は貯湯タンク13の出湯口15に配管で接続されており、この配管の途中には、過圧逃がし弁24、吸気弁25、タンク出口温度センサ26が設けてある。第2混合器23bの入り側は風呂給湯器70の給湯接続口に接続配管(高温)61で接続されている。接続配管(高温)61のうち貯湯タンクユニット11内の所定箇所には接続配管(高温)61内の湯水の温度を検出する接続配管高温側温度センサ28が設けてある。第3混合器23cの入り側には給水管12が接続されている。
第1混合器23aの出側と第2混合器23bの出側は合流し、給湯高温温度センサ29の設けられた配管を経た後、第3混合器23cの出側からの配管と合流して混合器23の出口に通じている。混合器23の出口には給湯配管31が接続されている。混合器23の出側近傍の給湯配管31には出湯温度センサ32およびハイカット温度センサ33が設けてある。
貯湯タンクユニット11内部の給水管12には流量センサ34、給水温度センサ35、減圧弁36が設けられている。給水管12は、これらの下流で3つに分岐し、その1つは逆止弁37aを介して第3混合器23cの入り側に接続され、他の1つは逆止弁37bを介して貯湯タンク13の給水口14に接続され、他の1つは逆止弁37cを介して第2三方弁38の第2接続口38bに接続されている。
第2三方弁38は、第1接続口38aと第2接続口38bと第3接続口38cとを備え、第1接続口38aと第2接続口38bとを接続し第3接続口38cを閉鎖したC方向と、第1接続口38aと第3接続口38cとを接続し第2接続口38bを閉鎖したD方向とに接続状態を切り替え可能になっている。第3接続口38cには、ハイカット温度センサ33の下流側で給湯配管31から分岐した配管31bが接続されている。この配管31bの途中には逆止弁39が設けてある。第2三方弁38の第1接続口38aは風呂給湯器70の給水接続口に接続配管(低温)62を通じて接続されている。
さらに貯湯タンクユニット11の取水口16には所定の排水箇所に通じる排水管41が接続されており、該排水管41の途中にはこの管路を開閉する排水栓42が設けてある。
また、貯湯タンクユニット11内において、接続配管(高温)61の接続配管高温側温度センサ28より混合器23寄りの箇所から分岐しかつ第2三方弁38の近傍で接続配管(低温)62に合流した循環用配管43を有し、この循環用配管43の途中に、接続配管(高温)61側から接続配管(低温)62側へ送水する循環ポンプ44と逆止弁45を備えている。逆止弁45は、循環ポンプ44を運転していないときに給水が循環ポンプ44方向へ逆流しないように作用する。なお、循環用配管43の分岐箇所は接続配管(高温)61の全長の中で混合器23寄りの箇所となっており、分岐箇所から混合器23までの配管長は、分岐箇所から風呂給湯器70の給湯接続口までの配管長に比べて十分短くなっている。
また、貯湯タンクユニット11には、雰囲気温度(外気温度)を計測する雰囲気温度センサ46が設けてある。
貯湯タンクユニット11は、当該貯湯タンクユニット11の動作を統括制御する制御部20を備えている。制御部20はCPU(Central Processing Unit)と、該CPUが実行するプログラムや固定データなどが記憶されたフラッシュROM(Read Only Memory)と、CPUがプログラムを実行する際に各種情報を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、各種の信号を入出力するI/F(Interface)部などを主要部とする回路で構成されている。制御部20には、貯湯タンクユニット11の各種センサからの検出信号が入力されている。また制御部20からは各弁やその他の制御対象に対して制御信号が出力される。制御部20はさらに熱源機4や風呂給湯器70と各種の情報や指令を授受するようになっている。
次に、バックアップ熱源機としての風呂給湯器70の構成例を説明する。風呂給湯器70は接続配管(低温)62が接続された給水接続口から流入する水を加熱して出湯する機能、風呂(浴槽)2へ注湯(湯張り)する機能、浴槽内の湯水を追い焚きする機能、暖房用放熱器3に加熱した熱媒体流体を流して暖房する機能などを備えたガス燃焼式の風呂給湯器である。なお、図2では暖房機能に係る部分は省略してある。
風呂給湯器70は、第1熱交換水管72aと第2熱交換水管72bとが通る一缶二水路型の熱交換器72と、この熱交換器72を加熱するバーナ73を備える。バーナ73にはガス供給管73aが接続され、このガス供給管73aの途中には、ガスの供給/遮断を切り替えるガス弁や供給ガス量を調整する比例弁などが設けてある。
第1熱交換水管72aの入り側は入水管74により給水接続口に接続され、第1熱交換水管72aの出側は出湯管75により給湯接続口に接続されている。また、第2熱交換水管72bの入り側には風呂(浴槽)2へ通じる風呂戻り管76が、第2熱交換水管72bの出側には同じく風呂(浴槽)2へ通じる風呂往き管77がそれぞれ接続されている。
出湯管75と風呂戻り管76とは、連結管78によって接続されており、該連結管78の途中には、連結管78の閉鎖/開通を切り替える注湯電磁弁79が設けてある。また、連結管78の接続箇所より上流側の出湯管75の途中には、略閉鎖状態から全開状態まで開度を調整可能な水量サーボ81が出湯水量を調整するために設けてある。水量サーボ81の下流側には、出湯温度を検出する出湯温度センサ82が設けてある。
さらに、入水管74から分岐し、水量サーボ81より第1熱交換水管72a側の所定箇所で出湯管75に合流・接続されたバイパス管83を備え、このバイパス管83の途中に、略閉鎖から全開まで開度を調整可能なバイパス調整弁84を備えている。第1熱交換水管72aからの湯とバイパス管83を経由した水とを混合して設定温度の湯になるようにバイパス調整弁84が調整される。バイパス管83の分岐箇所より上流側の入水管74には、入水管74内の流量を検出する流量センサ85および入水温度を検知する入水温度センサ86が設けてある。
風呂戻り管76の途中には、風呂(浴槽)2内の水を、追い焚き循環経路(風呂戻り管76、第2熱交換水管72b、風呂往き管77)を通じて循環させるための風呂循環ポンプ87が設けてある。風呂戻り管76に設けた流水スイッチ88は、風呂循環ポンプ87を作動させたとき、追い焚き循環経路に実際に水が循環しているか否かを検出する。
このほか、風呂戻り管76および風呂往き管77には、それぞれ管内の温度を検出する風呂往き温度センサ89a、風呂戻り温度センサ89bが設けてある。
制御部91は、CPUと、該CPUが実行するプログラムや固定データなどが記憶されたフラッシュROMと、CPUがプログラムを実行する際に各種情報を一時記憶するRAMなどを主要部とする回路で構成されている。制御部91には、風呂給湯器70が有する各種センサ、弁、風呂循環ポンプ87などが接続されている。
さらに、通常は、制御部91に配線を介してリモコン92が直接接続されるが、ここでは、風呂給湯器70を貯湯タンクユニット11側の制御部20の制御下で動作させるために、制御部91を配線を介して制御部20に接続し、制御部20に配線を介してリモコン(貯湯タンクユニット11側と風呂給湯器70の共通のリモコン)92が接続されている。リモコン92は、給湯設定温度や風呂設定温度の指定、湯張り動作や追い焚き動作の開始・終了指示、電源のオン/オフなど各種の操作をユーザから受けるスイッチ類、および動作状態や設定温度などを表示する表示部などで構成される。
風呂給湯器70の制御部91は、給湯接続口から接続配管(高温)61へ出湯する給湯動作では、貯湯タンクユニット11側の制御部20から指示された温度の湯が接続配管(高温)61へ出湯されるようにバーナ73の燃焼量やバイパス調整弁84の開度などを制御する。
風呂(浴槽)2へ注湯(湯張り)する動作では、注湯電磁弁79を開けてバーナ73を燃焼させた状態で水量サーボ81の開度を調整することにより、給水接続口から流入する湯水が熱交換器72の第1熱交換水管72aを通って加熱され、さらに出湯管75から連結管78、風呂戻り管76および風呂往き管77の双方(もしくは一方)を通じて風呂(浴槽)2へ流れ込む(この経路を注湯回路とする)。この際、リモコン92でユーザが設定した風呂設定温度の湯が注湯されるようにバーナ73の燃焼量やバイパス調整弁84の開度などを制御する。なお、貯湯タンクユニット11側から接続配管(低温)62を通じて供給された湯が既に風呂設定温度に達しており風呂給湯器70で追加の加熱が不要な場合は、バーナ73を燃焼させずに注湯動作を行う。風呂給湯器70は風呂(浴槽)2内の水位をチェックし、設定水位に達すると注湯動作は終了する。
追い焚き動作では、注湯電磁弁79を閉鎖し、風呂循環ポンプ87を作動させた状態でバーナ73を燃焼させる。これにより風呂(浴槽)2内の湯水が風呂戻り管76を通じて風呂給湯器70に取り込まれ熱交換器72の第2熱交換水管72bを通る間に加熱され、加熱後の湯水が風呂往き管77を通じて風呂(浴槽)2へ戻される。
次に、風呂給湯システム10の各種動作について説明する。
<排熱回収動作>
図3は、排熱回収動作における湯水の流れを表しており、排熱回収動作における湯水の流れる経路を太線で示してある。熱源機4の排熱を回収して貯湯タンク13内の湯水を加熱する排熱回収動作では、制御部20は熱源機4に指示して排熱回収ポンプ52を作動させる。これにより、貯湯タンク13内の湯水は、取水口16から出て、熱回収配管(低温)53a、排熱回収熱交換器51、熱回収配管(高温)53b、A方向の第1三方弁21を経由して戻り口17から貯湯タンク13の上部に戻る循環経路で循環する。なお、第1三方弁21の第1接続口21aには、排熱回収熱交換器51で加熱されて高温になった湯が到達するので制御部20は第1三方弁21をA方向にする。
給水は貯湯タンク13の下部の給水口14から供給され、排熱回収動作で加熱された湯は貯湯タンク13の上部に戻されるので、貯湯タンク13内には下部が低温で上部が高温となるような温度勾配が形成される。そして排熱回収動作を続けることで上部に溜まる高温の湯量が次第に増加する。
<給湯動作>
貯湯タンクユニット11は風呂給湯器70の近くに設置される場合もあれば、遠く離れて設置される場合もある。たとえば、2階に風呂があるような家屋では、風呂給湯器70は2階の外壁に設置され貯湯タンクユニット11および熱源機4は1階に設置されるといったケースがあり、このような場合には装置間を結ぶ接続配管(高温)61および接続配管(低温)62の配管長が長くなって圧損の大きい設置状況になる。本発明の風呂給湯システム10では、低水圧地域において、配管が長くて圧損が大きい設置状況になっても、出湯量を十分確保できるように、圧損の増加を抑えた給湯を行うようになっている。
給湯は以下の3つの制御モードのいずれかで行われる。
(1)第1モード(タンク出湯モード)
第1モードは、貯湯タンク13に十分蓄熱されている場合の給湯動作である。図4は、第1モードの給湯動作における湯水の流れを表している。図中、湯水の流れる経路を太線で示してある。第1モードでは、混合器23で貯湯タンク13からの湯と給水とを混合して給湯設定温度の湯を作り、給湯する。風呂給湯器70には給水は送らず、風呂給湯器70での加熱はなく燃焼運転しない。
詳細には、混合器23の第2混合器23bは閉じ、第1混合器23aと第3混合器23cの開度を調整して、出湯温度センサ32によって検出される混合器23の出側の湯の温度が給湯設定温度になるように制御する。ここでは、たとえば、貯湯タンク13に設けた湯切れ温度センサ18dの検出温度が、給湯設定温度(実際には、給湯配管などでの温度低下を考慮してたとえば給湯設定温度より+1℃とする)以上の場合は第1モードでの給湯を行う。
(2)第2モード(給湯器出湯モード)
第2モードは、貯湯タンク13に利用可能な湯がない場合の給湯動作である。図5は、第2モードの給湯動作における湯水の流れを表している。図中、湯水の流れる経路を太線で示してある。第2モードでは、給水を風呂給湯器70で給湯設定温度より高い温度に加熱した湯と給水とを混合器23で混合して給湯設定温度の湯を給湯する。
詳細には、第2三方弁38をC方向に設定し、風呂給湯器70に給水を供給する。また、混合器23の第1混合器23aは閉じ、第2混合器23bと第3混合器23cの開度を調整して、出湯温度センサ32によって検出される混合器23の出側の湯の温度が給湯設定温度になるように制御する。
なお、制御部20は、風呂給湯器70の出湯温度が給湯設定温度より十分高くなるように風呂給湯器70に対して出湯温度を指示する。これにより、給水と混ぜて給湯設定温度を得るために必要な風呂給湯器70からの湯の量が少なくなり、接続配管(低温)62、風呂給湯器70および接続配管(高温)61を経由することにより生じる圧損を小さく抑えることができる。たとえば、給湯設定温度が40℃ならば風呂給湯器70から55℃の湯をもらう。また給湯設定温度が60℃ならば風呂給湯器70から75℃の湯をもらう、というようにする。
[効果の算定]
給水温度15℃、給湯設定温度40℃、給湯流量8L/minのとき、風呂給湯器70から40℃の湯をもらう場合は、給湯流量の全量を風呂給湯器70からもらうので、接続配管(高温)61および接続配管(低温)62を湯水が8L/minで流れることになる。これに対し風呂給湯器70から55℃の湯をもらう場合は、接続配管(高温)61、接続配管(低温)62を流れる流量は5L/minでよく、貯湯タンクユニット11内で給水3L/minと混合して40℃の湯8L/minが作られる。流速(配管径が同じ場合は流量に比例)が大きいほど圧損は大きくなるので、流量を下げられることは圧損低減に大きく寄与する。
従来の給水予熱方式の場合は、貯湯タンクに蓄熱がある場合でも、貯湯タンクユニットで40℃、8L/minの湯を作って、全量をバックアップ熱源機としての給湯器の給水口への配管および給湯器に流すことになる。貯湯タンクに蓄熱がない場合も、貯湯ユニットから8L/minの給水を給湯器に送って40℃まで加熱する。いずれにしても、給湯器への配管および給湯器に8L/min流さなければならない。
内径16mmの架橋ポリエチレン配管を使った実験結果では、配管長が25mの時(配管往復で25mとすると、風呂給湯器70と貯湯タンクユニット11とを12.5m離して設置するケースに相当する)、風呂給湯器70への接続配管の流量が8L/minで配管圧損は11kPa、5L/minで5kPaという結果であり、55%の圧損低減を実現している。
(3)第3モード(後混合出湯モード)
第3モードは、貯湯タンク13内に蓄熱はあるが、温度が低く、貯湯タンク13内の湯だけでは不十分な場合の給湯動作である。図6は、第3モードの給湯動作における湯水の流れを表している。図中、湯水の流れる経路を太線で示してある。第3モードは、たとえば、貯湯タンク13の湯切れ温度センサ18dの検出温度が給湯設定温度より低いが給湯設定温度より10℃以上は低くないような場合に選択される。
第3モードでは、給水を風呂給湯器70で加熱した湯と貯湯タンク13からの湯と給水とを混合して給湯設定温度の湯を作る。詳細には、第2三方弁38をC方向とし、給水を風呂給湯器70で加熱して作った湯と、給水と、貯湯タンク13からの湯とを混合器23で混合して給湯設定温度の湯を作り、給湯する。貯湯タンク13内の湯の温度が低くても、風呂給湯器70からもらった高温の湯と混ぜて使うことにより、貯湯タンク13に貯めた蓄熱をより使い切ることができるため、第1、第2モードのみで制御する場合よりも省エネ性が増す。
なお、制御部20は第1モードを優先選択し、第1モードで設定温度の湯を給湯できない場合であって給湯設定温度より所定温度(たとえば、10℃)以上低くない湯を貯湯タンク13から供給可能な場合は第3モードを選択し、第3モードを選択できない場合に第2モードを選択する。
<第1モードから第2モードへの切り替え動作>
次に、第1モード(タンク出湯)で給湯を開始した後、貯湯タンク13内の蓄熱(湯量)が不足して第2モード(給湯器出湯)に給湯の制御モードを切り替える場合の移行動作について説明する。
なお、湯切れ温度センサ18dの取り付け位置は、接続配管(高温)61内の保有水量、給湯最大流量などから決定される。すなわち、湯切れ温度センサ18dの取り付け位置より上の部分の貯湯タンク13の水量が、第1モードから第2モードへ切り替える間に使用される貯湯タンク13からの湯の最大量以上となるように、湯切れ温度センサ18dの取り付け位置が設定される。
貯湯タンク13に蓄熱が十分あると判断して第1モード(タンク出湯)で給湯を開始した後、湯切れ温度センサ18dの検出温度より、もうすぐ蓄熱(設定温度で出湯可能な湯)がなくなると判断した場合、循環ポンプ44を作動させる。これにより、風呂給湯器70から、循環用配管43の分岐箇所までの接続配管(高温)61、循環用配管43、循環用配管43の合流箇所より下流の接続配管(低温)62を経て風呂給湯器70に戻る循環経路内で湯水が循環する。図7は、循環ポンプ44を作動させたときの湯水の流れを表している。図中太線の部分が上記循環経路を示し、太破線はタンク出湯による出湯経路を示している。
循環ポンプ44の作動によって上記循環経路に湯水が流れて風呂給湯器70に通水が生じると、これを流量センサ85で検知した風呂給湯器70が燃焼加熱を開始する。風呂給湯器70は貯湯タンクユニット11の制御部20から指示された温度の湯を出湯する。これにより、接続配管(高温)61の管内は風呂給湯器70からの湯によって徐々に温まる。接続配管高温側温度センサ28の検出温度が所定温度に高まるまでは上記の循環状態を継続する。ここでは、接続配管高温側温度センサ28の検出温度が貯湯タンク13のタンク上部温度センサ18eの検出温度より高くなったら、循環ポンプ44を停止させて第2モード(給湯器出湯)に切り替える。
詳細には、接続配管高温側温度センサ28の検出温度が貯湯タンク13のタンク上部温度センサ18eの検出温度より高くなったら、混合器23を制御して、給湯設定温度を維持しながら、第1混合器23aを次第に閉じつつ第2混合器23bを徐々に開いて、風呂給湯器70からの湯の混合比が次第に増えるようにする。
図8はこのときの湯水の流れを示している。循環用配管43の分岐箇所よりも第2混合器23b側の部分の接続配管(高温)61につめたい水が停留していたならば、第2混合器23bを次第に開くことで、その部分のつめたい水が第2混合器23bに流入するようになるが(図8の太い一点破線で示す経路)、当初は第2混合器23bを少しだけ開くことで給湯設定温度の給湯が維持される。そして、上記つめたい水を使い切って接続配管(高温)61内が風呂給湯器70で熱された高温の湯になるころに、第1混合器23aを全閉する状態にする。なお、第2混合器23bを開くと、その分だけ、循環ポンプ44による循環流量よりも風呂給湯器70の流量が増加するが、増加分は、給水管12からC方向の第2三方弁38、接続配管(低温)62を通じて給水が供給される。
貯湯タンク13からの湯の混合比がゼロ(第1混合器23aが全閉)になったら、すなわち、第2モードへの移行が完了したら、循環ポンプ44を停止させて循環状態を終了させる。第2モードに移行後の状態は先ほど説明した図5のようになる。なお、第2混合器23bの流量が風呂給湯器70の燃焼を継続可能な最小流量を超えたときに循環ポンプ44を停止させて循環状態を終了させてもよい。
また、接続配管高温側温度センサ28の検出温度が貯湯タンク13のタンク上部温度センサ18eの検出温度より高くなるという条件に代えて、風呂給湯器70によって加熱された湯が接続配管高温側温度センサ28の箇所に到達したことが確認されたことを条件としてもよい。具体的には、接続配管(高温)61での温度低下を考慮して、接続配管高温側温度センサ28の検出温度が、貯湯タンクユニット11の制御部20が風呂給湯器70に設定した出湯温度−3℃、になったら、混合器23の混合比を変化させて第2モードへの移行を開始する、といった制御でもよい。
上記のような移行制御を行うので、第1モード(タンク出湯)から第2モード(給湯器出湯)に切り替える際に、接続配管(高温)61内の水がもし冷えていても、給湯設定温度通りの湯の給湯を継続することができ、使用者に不快感を与えることがない。
<注湯動作>
図9は、注湯動作における湯水の流れを表している。図中、湯水の流れる経路を太線で示してある。注湯動作では、混合器23の出側の湯を風呂給湯器70の給水接続口へ供給すると共に、貯湯タンク13からの湯もしくは貯湯タンク13からの湯と給水とを混合した湯を混合器23でつくり、混合器23の出側から出た湯に風呂給湯器70による加熱を足してもしくは追加の加熱無しに風呂給湯器70から風呂(浴槽)2へ風呂設定温度の注湯が行われるように制御する。
具体的には、貯湯タンク13に蓄熱がある状態で注湯(湯張り)する場合には、第2三方弁38をD方向とし、混合器23で貯湯タンク13からの湯と給水とを混合してつくった風呂設定温度の湯を風呂給湯器70に送り、風呂給湯器70の注湯回路により湯張りする。貯湯タンクユニット11の制御部20は風呂給湯器70に対してバーナ73の燃焼オフのまま注湯電磁弁79を開くように指示する。貯湯タンクユニット11が有する混合器23の出側からの湯は、接続配管(低温)62から風呂給湯器70の注湯回路、すなわち、風呂給湯器70内の入水管74、第1熱交換水管72a、注湯電磁弁79、連結管78を経由した後、風呂往き管77と風呂戻り管76の双方もしくは一方、を通って風呂(浴槽)2へ流出し注湯される。
貯湯タンク13に蓄熱がない場合の注湯は、第2三方弁38をD方向とし、貯湯タンク13内の風呂設定温度よりも低い温度の湯、または給水、またはそれらを混合した風呂設定温度よりも低い温度の湯を風呂給湯器70に送り、風呂給湯器70において風呂設定温度まで加熱し、風呂給湯器70内の注湯回路を通じて注湯する。
なお、水位の検知や追い焚きなど全自動風呂に用いる機能は、全て風呂給湯器70の有する機能をそのまま使用する。
このように、第2三方弁38をD方向に切り替えて混合器23の出側からの湯を風呂給湯器70に供給するので、貯湯タンク内の湯を活用して注湯することができる。
<凍結防止動作>
接続配管(高温)61や接続配管(低温)62は、屋外に配管される場合が多く、寒冷地では凍結の恐れがあるため、以下の凍結防止動作を行う。
図10は、凍結防止動作における水の流れを表している。図中、凍結防止動作で水の流れる経路を太線で示してある。貯湯タンクユニット11の雰囲気温度センサ46が凍結の可能性のある温度を検知した場合、もしくは雰囲気温度センサ46の検出温度から接続配管(高温)61や接続配管(低温)62が凍結する恐れがあると判断した場合、貯湯タンクユニット11の制御部20は、混合器23の第2混合器23bを全閉し、循環ポンプ44を作動させる。これにより、風呂給湯器70から、循環用配管43の分岐箇所までの接続配管(高温)61、循環用配管43、循環用配管43の合流箇所より下流の接続配管(低温)62を経て風呂給湯器70に戻る循環経路内で水が循環し、凍結が防止される。
また、上記循環のみでは凍結防止に不十分な場合には、風呂給湯器70で循環水を加熱する。循環ポンプ44の運転/停止のインターバル、風呂給湯器70の燃焼の有無は、雰囲気温度センサ46の検出温度に基づいて決定する。また、風呂給湯器70の燃焼ありの場合は、接続配管高温側温度センサ28の検出の温度により燃焼をON/OFF制御する。
なお、風呂給湯器70内に雰囲気温度を検出する温度センサが設けてある場合には、雰囲気温度センサ46に代えてそのセンサを上記凍結防止動作の制御に利用してもよい。
このような凍結防止動作によって、接続配管(高温)61および接続配管(低温)62の凍結を防止するので、寒冷地の屋外配管時でも、施工時に接続配管(高温)61や接続配管(低温)62にヒータを巻くなどの措置が必要なくなる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
本発明の貯湯システムは、風呂給湯システムのうちの貯湯タンクユニット11を備えれば、排熱回収装置50や風呂給湯器70、熱源機4は含まれても含まれなくてもよく、たとえば、排熱回収装置50は熱源機4に含まれる構成でもよいし、風呂給湯器70は既存のものを使用してもよい。
実施の形態では、バックアップ熱源機を、バーナ73を燃焼させるタイプの風呂給湯器70としたが、これに限定されるものではない。
実施の形態では、給湯の制御モードを第1モード、第2モード、第3モードとした好適例を示したが、少なくとも第1、第2モードがあれば、第3モードのない構成でもかまわない。
第2モードにおいて、給湯設定温度よりどの程度高温の湯を風呂給湯器70でつくるかは、適宜に定めればよいが、接続配管61(高温)、接続配管62(低温)、風呂給湯器70を流れる水量を減らして圧損を低減するためには、給水と混合して給湯設定温度の湯が得られる範囲内で十分高い温度にすることが望ましい。なお、バックアップ熱源機がガス燃焼式の風呂給湯器70のように、加熱動作を行うために所定の最低作動流量以上の通水を要する器具である場合には、第2モードにおいてバックアップ熱源機から得る湯の温度を上げす過ぎると、その湯量がバックアップ熱源機の最低作動流量を下回ってしまう場合がある。そのため、第2モードでは、バックアップ熱源機から供給する湯の量がバックアップ熱源機の最低作動流量を下回らない範囲で、バックアップ熱源機でつくる湯の温度を制御することが望ましい。
なお、実施の形態の風呂給湯器70では、入水温度を検出する入水温度センサ86を備える構成を示したが、入水温度センサ86を設けずに入水温度を演算で推定するようにしてもよい。すなわち、前回出湯温度安定時に測定された出湯温度To、流量W、ガス量(加熱量)Qと、このときの効率ηとから、入水温度Tiの推定値を、Ti=To−(ηQ/W)、などの演算で逆算して求めるようにしてもよい。なお、効率ηは、出湯温度と流量とを様々に変化させてそれぞれの条件での値(効率η)を予め測定して記憶しておく。そして、演算時は、この記憶を参照して、その演算に代入する出湯温度および流量に対応する効率ηを取得し、使用すればよい。
実施の形態では、燃料電池の排熱を回収して貯湯タンク13内の水を加熱したが、熱源は燃料電池に限定されない。
なお、実施の形態では、風呂給湯器70を一缶二水路型としたが風呂の追い焚きと給湯とを別々の熱交換器で行うタイプの給湯器であってもかまわない。
2…風呂(浴槽)
3…暖房用放熱器
4…熱源機(燃料電池)
10…風呂給湯システム
11…貯湯タンクユニット
12…給水管
13…貯湯タンク
14…給水口
15…出湯口
16…取水口
17…戻り口
18a…第1温度センサ
18b…第2温度センサ
18c…第3温度センサ
18d…湯切れ温度センサ
18e…タンク上部温度センサ
20…制御部
21…第1三方弁
21a…第1接続口
21b…第2接続口
21c…第3接続口
22a…熱回収配管高温側温度センサ
22b…熱回収配管低温側温度センサ
23…混合器
23a…第1混合器
23b…第2混合器
23c…第3混合器
24…過圧逃がし弁
25…吸気弁
26…タンク出口温度センサ
28…接続配管高温側温度センサ
29…給湯高温温度センサ
31…給湯配管
31b…配管
32…出湯温度センサ
33…ハイカット温度センサ
34…流量センサ
35…給水温度センサ
36…減圧弁
37a…逆止弁
37b…逆止弁
37c…逆止弁
38…第2三方弁
38a…第1接続口
38b…第2接続口
38c…第3接続口
39…逆止弁
41…排水管
42…排水栓
43…循環用配管
44…循環ポンプ
45…逆止弁
46…雰囲気温度センサ
50…排熱回収装置
51…排熱回収熱交換器
52…排熱回収ポンプ
53…熱回収配管
53a…熱回収配管(低温)
53b…熱回収配管(高温)
54…バイパス管
61…接続配管(高温)
62…接続配管(低温)
70…風呂給湯器
72…熱交換器
72a…第1熱交換水管
72b…第2熱交換水管
73…バーナ
73a…ガス供給管
74…入水管
75…出湯管
76…風呂戻り管
77…風呂往き管
78…連結管
79…注湯電磁弁
81…水量サーボ
82…出湯温度センサ
83…バイパス管
84…バイパス調整弁
85…流量センサ
86…入水温度センサ
87…風呂循環ポンプ
88…流水スイッチ
89a…風呂往き温度センサ
89b…風呂戻り温度センサ
91…制御部
92…リモコン(共通リモコン)

Claims (7)

  1. 給水が供給される貯湯タンクと、
    所定の熱源から回収した熱で前記貯湯タンク内の水を加熱する加熱装置と、
    給水を加熱するバックアップ熱源機からの湯と貯湯タンクからの湯水と給水とを設定された混合比で混合して給湯する混合器と、
    前記バックアップ熱源機から前記混合器までの第1配管の前記混合器寄りの箇所から分岐し、給水を前記バックアップ熱源機の給水口に供給する第2配管の途中に合流した循環用経路と、
    前記循環用経路の途中に設けられて、第1配管側から第2配管側へ送水する循環ポンプと、
    設定温度の湯が前記混合器から給湯されるように、前記バックアップ熱源機での加熱および前記混合器の混合比を制御する制御部と、
    を有し、
    前記貯湯タンクと前記混合器は貯湯タンクユニットの中に収めてあり、
    前記バックアップ熱源機は前記貯湯タンクユニットの外部に設けられており、
    前記循環用経路は、前記貯湯タンクユニット内で前記第1配管から分岐し、
    前記制御部は、給湯の制御モードとして、貯湯タンクからの湯と給水とを混合して設定温度の湯を給湯する第1モードと、給水を前記バックアップ熱源機で設定温度より高い温度に加熱した湯と給水とを混合して設定温度の湯を給湯する第2モードとを少なくとも有し、
    前記第1モードで給湯動作中に前記第2モードに切り替える場合は、前記バックアップ熱源機による加熱を行いながら前記循環ポンプを動作させて、前記バックアップ熱源機から出た湯が前記第1配管、前記循環用経路、前記第2配管を経て前記バックアップ熱源機に戻る循環状態を所定時間以上形成した後に、前記循環ポンプを停止させて前記第2モードの給湯動作に移行する
    ことを特徴とする貯湯システム。
  2. 前記制御部は、前記貯湯タンクユニットの中であって前記第1配管から前記循環用経路が分岐する箇所より前記バックアップ熱源機側の前記第1配管に設けられた温度センサの検出温度が所定の温度より高くなったら、前記循環ポンプを停止させて前記第2モードの給湯動作に移行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の貯湯システム。
  3. 前記所定時間以上形成した後とは、少なくとも前記バックアップ熱源機で加熱した湯が前記循環用経路に到達した後である
    ことを特徴とする請求項1に記載の貯湯システム。
  4. 前記制御部は、前記第2モードの給湯動作に移行する際に、前記混合器の出側の給湯温度が設定温度に維持されるように、前記バックアップ熱源機からの湯の混合比を徐々に増やしながら前記貯湯タンクからの湯の混合比を徐々に減らす
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の貯湯システム。
  5. 前記制御部は、前記第1モードで給湯動作中に前記貯湯タンクの湯切れが近づいたときに前記第2モードへの切り替えを行う
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の貯湯システム。
  6. 前記制御部は、前記第1配管および前記第2配管の凍結を防止する際に、前記バックアップ熱源機による加熱あり、もしくは加熱なしで、前記循環ポンプを作動させる
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の貯湯システム。
  7. 前記制御部は、給湯の制御モードとして、給水を前記バックアップ熱源機で加熱した湯と前記貯湯タンクからの湯と給水とを混合して設定温度の湯を給湯する第3モードをさらに有し、給湯動作において前記第1モードを優先選択し、前記第1モードで設定温度の湯を給湯できない場合であって設定温度より所定温度以上低くない湯を前記貯湯タンクから供給可能な場合は前記第3モードを選択し、前記第3モードを選択できない場合に前記第2モードを選択する
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の貯湯システム。
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