以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1(a)は、第1キャビネット10および第2キャビネット20が並べられ開いた状態の携帯電話機1の外観構成を示す。図1(b)は、第1キャビネット10および第2キャビネット20が重ねられ閉じた状態の携帯電話機1の外観構成を示す。図1(c)は、第1キャビネット10の正面のキー操作部11に設けられた各キーを説明する図である。
携帯電話機1は、第1キャビネット10および第2キャビネット20を有する。第2キャビネット20は、ヒンジ部30によって、第1キャビネット10に対し回転可能に連結されている。
第1キャビネット10の正面には、キー操作部11およびマイクロホン12が設けられている。
第2キャビネット20の正面には、表示部21の液晶パネル21aおよびスピーカ22が配置されている。液晶パネル21aの正面には表示面21bが設けられており、表示面21bが外部に現れている。
液晶パネル21aの背後には、バックライト装置21c(以下、「パネルバックライト」と言う。)が配されている。パネルバックライト21cは、光源となるLEDを備え、液晶パネル21aに光を供給する。
ヒンジ部30は、一対の回転軸31および一対の軸受部32を含む。回転軸31は、第2キャビネット20の連結側端部から左右に延びる。軸受部32は、第1キャビネット10の連結側端部に形成され、回転軸31を受ける。
キー操作部11は、大きく分けて機能キー群40およびダイヤルキー群50からなる。機能キー群40は、主に各種操作における決定や移動、そして各種機能の作動のためのキー群である。ダイヤルキー群50は、主に各種の文字を入力するためのキー群である。
ここで、「文字」は、ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット、数字、記号、絵文字等、携帯電話機1で利用できるよう文字コードによって割り当てられたいかなる種類の文字も含む。
機能キー群40は、通話キー41、終話キー42、決定キー43、UPキー44、DOWNキー45、RIGHTキー46、LEFTキー47、クリアキー48を含む。通話キー41は、主に通話や電話番号の入力を開始するためのキーである。終話キー42は、主に通話の終了や実行中の機能の中断のためのキーである。決定キー43は、主に各種の決定操作(選択決定、かな漢字変換確定等)や、文字入力のための操作を終了するためのキーである。UPキー44、DOWNキー45、RIGHTキー46およびLEFTキー47(以下、これらを総称して「方向キー群」と呼ぶ。)は、主に各種操作において、カーソルの位置やフォーカスされる位置を移動させるためのキーである。ここで、「フォーカス」とは、現在ユーザによるキー入力を受け付けるよう選択されている、ボタン、アイコン、選択項目、テキスト入力欄等のコンポーネントを指し示すこと(一般に、強調表示、または枠で囲んで示すこと等によってなされる)をいう。クリアキー48は、主に各種操作において、キャンセルや、一つ前の画面に戻る操作のためのキーである。機能キー群40は、その他電話帳機能やメール機能等を起動させるためのキー等を備える。
ダイヤルキー群50は、12個のキーから成る。各キーの上面には、記号*および#ならびに数字0〜9がそれぞれ印字される。以下、記号*および#ならびに数字0〜9を、「ダイヤル文字」と呼ぶこととする。また、ダイヤルキー群50のそれぞれのキーを、印字されたダイヤル文字を参照して、「*」キー、「#」キー、「0」キー、・・・、「9」キーと呼ぶこととする。
ダイヤルキー群50は、電話番号を入力する際に用いられる。また、ユーザが各種アプリケーションを利用する際、各種の文字を入力するために用いられる。
図2は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。
携帯電話機1は、上述した各構成要素の他、CPU100、メモリ101、通信モジュール102、キー入力回路103、音声エンコーダ104、光源駆動回路105、映像デコーダ106および音声デコーダ107を備える。
マイクロホン12は、集音した音声をアナログの音声信号に変換して音声エンコーダ104へ出力する。音声エンコーダ104は、マイクロホン12からのアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換するとともに、デジタルの音声信号にエンコード処理を施してCPU100へ出力する。
キー入力回路103は、キー操作部11の各キーが操作されたときに、各キーに応じた入力信号をCPU100へ出力する。
光源駆動回路105は、CPU100からの制御信号に応じて、パネルバックライト21cに電圧信号を供給する。パネルバックライト21cは、光源駆動回路105からの電圧信号により点灯したり消灯したりする。
映像デコーダ106は、CPU100からの映像信号を、液晶パネル21aで表示できるアナログ若しくはデジタルの映像信号に変換し、液晶パネル21aに出力する。液晶パネル21aは、映像信号に応じた画像を表示面21b上に表示する。
音声デコーダ107は、CPU100からの音声信号、および着信音やアラーム音等の各種報知音の音信号にデコード処理を施し、さらにアナログの音声信号および音信号に変換してスピーカ22に出力する。スピーカ22は、音声デコーダ107からの音声信号や音信号に基づいて音声や報知音などを再生する。
通信モジュール102は、CPU100からの通話のための信号、電子メールなどの情報信号等を無線信号に変換し、アンテナ102aから基地局へ送信する。また、通信モジュール102は、アンテナ102aにより受信した無線信号を、通話のための信号、電子メールなどの情報信号等に変換して、CPU100へ出力する。これにより、通話のための信号、電子メールなどの情報信号等が通信対象の機器から基地局を介して送受信される。
メモリ101は、ROMおよびRAMを含む記憶部である。メモリ101には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムや各種アプリケーション、アプリケーションが実行される際に用いられる複数のキー割当テーブル等が記憶されている。
ここで、「キー割当テーブル」とは、ユーザによりなされるキー入力と、これに応じてCPU100が表示面21bに表示させる各種の文字や動作させる機能(決定、キャンセル、カーソルやフォーカスの移動等)との対応関係を定めるデータテーブルをいう(図3参照)。
CPU100は、マイクロホン12、キー入力回路103からの信号に基づき、制御プログラムに従って、通信モジュール102、液晶パネル21a、パネルバックライト21cおよびスピーカ22などを動作させる。これにより、通話機能や電子メール機能などの各種アプリケーションが実行される。
CPU100は、表示制御回路として、映像デコーダ106および光源駆動回路105へ制御信号を出力する。これにより、液晶パネル21aおよびパネルバックライト21cが動作して、表示面21bに画像が表示される。
また、CPU100は、いずれかのキーが押下されたことを示す入力信号がキー入力回路103から入力されると、メモリ101に記憶されたキー割当テーブルを参照する。ここで、CPU100は、通常、現在アクティブな状態にあるプログラムおよび当該プログラムの現在の入力モード等に応じて、参照するキー割当テーブルを切り替える。そして、CPU100は、参照するキー割当テーブルにおいて、押下されたキーに割り当てられた文字や機能に応じた処理を実行する。
メモリ101には、ユーザが主に数字、ひらがなおよびカタカナの文字を入力するための各入力モード(以下、それぞれ「数字入力モード」、「かな入力モード」および「カナ入力モード」と呼ぶ)において参照されるキー割当テーブルが記憶されている。
なお、実際には、数字入力モードおよびカナ入力モードにおいて参照されるキー割当テーブルは、全角文字(2バイト文字)を入力するためのモードと、半角文字(1バイト文字)を入力するためのモードに分けられて、メモリ101に記憶される。本実施の形態においては、便宜上、各入力モードは、常に全角文字を入力するためのモードであるとする。メモリ101には、上記入力モードの他に、主に英小文字、英大文字、記号等の各種の文字を入力するための、各種の入力モードにおいて参照される複数のキー割当テーブルが記憶される。また、メモリ101には、上記のような一般的な文字入力のためのキー割当テーブルの他、各アプリケーションが必要とする個別のキー割当テーブルが記憶されてもよい。
図3は、メモリ101に記憶されるキー割当テーブルの例を説明するための図である。図3(a)、(b)および(c)は、数字入力モード、かな入力モードおよびカナ入力モードにおいて参照されるキー割当テーブルを、それぞれ表す。
図3(a)に示す数字入力モードのキー割当テーブルにおいて、ダイヤルキー群50の各キーの入力には、図3(a)に示す通り、各キーの上面に印字された通りのダイヤル文字がそれぞれ対応する。例えばユーザが「5」キーを押下すると、CPU100は、表示面21bに文字「5」を表示する。
図3(b)に示すかな入力モードのキー割当テーブルにおいて、「押下回数」は、キーが所定の時間間隔よりも短い間隔で連続して押下される回数を意味する。ユーザは、ダイヤルキー群50のいずれかを1回または複数回連続して押下することによって、図3(b)に示す通り、ひらがなを入力できる。たとえば、「1」キーが連続して1〜5回押下されると、CPU100は、押下回数に応じた「あ」段の文字「あ」〜「お」を表示面21bに表示する。また、図3(b)に示す通り、「#」キーには、文章の行を改めるための制御文字である改行が割り当てられる。
図3(c)に示すカナ入力モードのキー割当テーブルにおいて、ユーザは、ダイヤルキー群50のいずれかを1回または所定の時間間隔よりも短い間隔で連続して複数回押下することによって、図3(c)に示す通り、カタカナを入力できる。たとえば、「1」キーが連続して1〜5回押下されると、CPU100は、押下回数に応じた「ア」段の文字「ア」〜「オ」を表示面21bに表示する。また、図3(a)と同様に、「#」キーには、文章の行を改めるための制御文字である改行が割り当てられる。
なお、CPU100は、ユーザが所定の入力モードを変更できるように、文字入力のためのキー入力を受け付けるよう処理する場合がある。これによって、ユーザは、複数の種類の文字からなる文字列を入力できる。また、CPU100は、入力モードの変更ができないよう、文字入力のためのキー入力を受け付ける場合もある。たとえば、CPU100が通話のための電話番号の入力を受け付ける際には、通常、入力モードは数字入力モードに固定される。
さて、本実施の形態では、携帯電話機1が待受状態であるときに、何れかのキー入力があると、表示面21bに入力画面(以下の説明では、「文字ダイヤル画面」と称する。)が表示され、その文字ダイヤル画面上にキー入力に応じた文字が表される。ユーザは、その文字ダイヤル画面上で引き続き所定の操作を行うことにより、操作に応じたアプリケーションを起動させることができる。この際、表示面21bに表示されるアプリケーションの動作画面(後述のダイヤル入力画面および電子メール本文編集画面)に、文字ダイヤル画面に表されていた文字が組み込まれる。以下、この機能について詳細に説明する。
図4は、文字・ダイヤル入力プログラムの実行処理の手順を示すフローチャートである。図5(a)は、携帯電話機1が待受状態であるときに表示面21bに表示される待受画面を表す図である。図5(b)は、文字・ダイヤル入力プログラムが起動されたときの表示面21bの表示される文字ダイヤル画面を表す図である。
図5(a)に示す待受画面が表示されている状態において、CPU100は、ユーザによる入力を受け付ける。ユーザによりダイヤルキー群50のいずれかのキー、が押下されると、CPU100は、文字・ダイヤル入力プログラムを実行する。
ユーザにより何れかのキーが押されると、表示面21bには、図5(b)に示すような、キー入力に応じた2つの文字が表された文字ダイヤル画面が表示される。たとえば、「0」キーが押下された場合、文字ダイヤル画面において、画面下部の領域R1には、文字「0」(以下、領域R1に表示される文字列を「第1の文字列」と言う。)が表示される。第1の文字列の末尾には、第1のカーソルC1が表示される。カーソルは、先に入力された文字に続く文字が追加される追加位置を示す。第1の文字列は、ダイヤル文字(本発明の第1の文字種に相当)からなる。また、画面上部の領域R2には、文字「わ」(以下、領域R2に表示される文字列を「第2の文字列」と言う。)が表示される。第2の文字列の末尾に第2のカーソルC2が表示される。第2の文字列は、現在はひらがな1文字である。第2の文字列には、後述するように、ユーザによりキーが押下されることに応じて、ひらがな、カタカナ、英数字等の各種の文字(本発明の第2の文字種に相当)が追加されることとなる。
CPU100は、キー入力を受け付けると、まず、表示面21bに文字ダイヤル画面を表示し(S101)、その後、文字ダイヤル画面において、キー入力に応じた第1および第2の文字列を表示する(S102)。このとき、CPU100は、数字入力モードのキー割当テーブル(図3(a))を参照して、押下された「0」キーに対応する文字「0」を領域R1に表示する。また、CPU100は、かな入力モードのキー割当テーブル(図3(b))を参照して、押下された「0」キーに対応する文字「わ」を領域R2に表示する。このように、ユーザによるキー入力に応じて、2種類の文字(第1および第2の文字列)が表示面21bに同時に並列して表示される。
なお、第2の文字列「わ」には、図5(b)に示すとおり、下線が付されている。このように、かな入力モードにて入力された直後の文字列には、通常、下線が付される(以下、下線が付された文字列を、「未確定文字列」と言う。)。ユーザは、未確定文字列を、かな漢字変換によって、別の文字列に変換するための操作を行うことができる。未確定文字列の変換のための操作がなされると、CPU100は、未確定文字列を別の文字列に置換して表示し、下線を非表示とする。このようにかな漢字変換が完了した文字列を、「確定状態」にある文字列と言うこととする。
なお、かな漢字変換は、たとえば、以下のようにして実行される。領域R2の下部には、図5(b)に示す通り、表示された文字「わ」に基づいた、「渡辺」、「わたし」等の、予測変換の結果が表示される。すなわち、CPU100は、未確定文字列の変換後の単語を予測し、予測した単語を表示面21bに提示する。ユーザが所望の単語を選択する操作(以下、「変換確定操作」と言う。)を行うと、CPU100は、当該未確定文字列を、フォーカスされた単語に置換する。このようにして、かな漢字変換が実行される。
次に、ステップS102において、CPU100は、ユーザによるさらなるキー入力を受付けて表示する、文字・ダイヤル入力受付・表示処理を実行する。CPU100は、ユーザにより行われる文字入力のための操作に応じて、複数の文字割当テーブルを参照し、領域R1およびR2に第1および第2の文字列をそれぞれ表示する。
ユーザによる新たなキー入力がなされると、CPU100は、領域R1において、既に表示された文字(たとえば、「0」)に続けて、新たなキー入力に応じたダイヤル文字を表示する。なお、領域R1において、第1の文字列の入力のための入力モードは、数字入力モードに固定される。
また、CPU100は、領域R2において、既に表示された文字(たとえば、「わ」)に続けて、新たなキー入力に応じた文字を表示する。領域R2におけるデフォルトの入力モードは、かな入力モードである。なお、領域R2において、第2の文字列の入力のための入力モードは、数字入力モード、カナ入力モード等、各種の入力モードへ変更されることが可能である。
次に、ステップS103において、CPU100は、ユーザにより通話キー41が押下されたか否かを判定する。通話キー41が押下された場合(S103:YES)、後述する第2の文字列とカーソル位置記録の処理S105へ進む。一方、通話キー41が押下されない場合(S103:NO)、次のステップS104へ進む。
ステップS104の処理において、CPU100は、文字入力が完了したか否かを判定する(S104)。CPU100は、第2の文字列が確定状態にあるときに決定キー43が押下されると、文字入力が完了したと判定する(S104:YES)。文字入力が完了したと判定された場合(S104:YES)、CPU100は、後述する第2の文字列とカーソル位置の記録処理(S107)を実行する。CPU100は、文字入力が完了しないと判定する場合(S104:NO)、S102の処理へもどる。
このようにして、CPU100は、ステップS103またはS104の処理においてYESと判定するまで、S102の文字・ダイヤル入力受付・表示処理を繰り返し実行する。
図6(a)は、最初のキー入力に続いて新たなキー入力がなされ、文字ダイヤル画面上で電話番号が入力されたときの例を示す図である。
ユーザが、たとえば、電話番号を入力すべく、「0」キーに続いて、「3」キー、「1」キー、「5」キー、「1」キー、「5」キー、「9」キー、「2」キー、「6」キー、「5」キーそして「3」キーを押下すると、領域R1では、第1の文字列「03151592653」が表示され、その末尾に第1のカーソルC1が表示される。一方、領域R2では、未確定状態の第2の文字列「わさあなあならかはなさ」が表示され、その末尾に第2のカーソルC2が表示される。
なお、図6に示す例は、ユーザにより、領域R1に通話先の電話番号が入力されたものである。この場合、領域R2に表示される第2の文字列は、通常、特定の意味を持たない。
<第1の文字列に係る処理>
さて、図6(a)のように文字ダイヤル画面に電話番号が入力された状態において、ユーザが通話キー41を押下した場合、CPU100は、S103においてYESと判定し、ステップS105の第1の文字列とカーソル位置の記録処理を実行する。
ステップS105おいて、CPU100は、ステップS103においてYESと判定される直前に領域R1に表示されていた、第1の文字列および第1のカーソルC1のカーソル位置、すなわち追加位置を表すデータをメモリ101の所定の領域に書き込む。
ここで、ある文字列上に表示されるカーソルのカーソル位置(追加位置)は、たとえば、当該文字列の先頭とカーソルの位置との間に表示される文字の数(0以上の整数)で表現される。図5(b)および図6(a)の例の場合、第1のカーソルC1のカーソル位置は、それぞれ1および11である。
ステップS105の処理を完了すると、CPU100は、ダイヤル入力プログラムを起動する(S106)。これにより、文字・ダイヤル入力プログラムが終了する。
ダイヤル入力プログラムは、ユーザによるダイヤル文字の入力のためのキー操作を受付け、入力された文字列を通話先の電話番号として通話を開始するためのプログラムである。
図6(b)は、ダイヤル入力プログラムが実行されたときの、表示面21bへの表示内容を説明する図である。表示面21bの下部の文字入力領域T1(一点鎖線で囲まれた領域)には、図6(a)の第1の文字列と同じ文字列「03151592653」が表示される。ダイヤル入力プログラムの実行の際に、このように表示される文字列を「ダイヤル文字列」とよぶこととする。
図7は、ダイヤル入力プログラムの実行手順を示すフローチャートである。
ダイヤル入力プログラムが起動されると、CPU100は、先のステップS105の処理により書込まれた第1の文字列をダイヤル文字列としてメモリ101から読み込むとともに、同じく先のステップS105の処理により書込まれたカーソル位置をダイヤル文字列上のカーソル位置としてメモリ101から読み込む(S121)。
次に、CPU100は、ダイヤル入力画面表示処理を実行する(S122)。ステップS122において、CPU100は、図6(b)に示すような、ダイヤル文字列を入力するための画面(以下、「ダイヤル入力画面」と言う。)の表示を行う。そして、CPU100は、図示の通り、メモリ101から読み込んだダイヤル文字列を表示面21bに表示する(S123)。そして、CPU100は、メモリ101から読み込んだダイヤル文字列上のカーソル位置に、カーソルC3を表示する(S124)。よって、図6(b)のカーソルC3のカーソル位置は、図6(a)の第1のカーソルC1のカーソル位置と同じとなる。
上記図6(a)および(b)の例では、第1のカーソルC1およびC3は、文字列の末尾に表示されている。しかし、カーソル位置は、後述するように、末尾に表示されない場合も起こり得る。たとえば、図6(a)に示す画面表示がなされているときに、図6(a)の第1の文字列の4文字目の文字「5」が、ユーザが行うキー操作により、文字「4」に置換される場合が起こり得る。この操作が行われた場合、第1のカーソルC1は、図8(a)に示すように、置換された文字「4」の右側に表示される。
この場合、図8(a)のように第1の文字列が表示された状態において、ユーザが通話キー41を押下すると、図4のS105の処理において、CPU100は、図8(a)に示す第1の文字列「03141592653」および第1のカーソルC1のカーソル位置(=4)をメモリ101に書込む。そして、CPU100は、ダイヤル入力プログラムを起動する(S106)。ダイヤル入力プログラムの実行の際、CPU100は、ステップS122〜S124の処理において、図8(b)に示すようなダイヤル入力画面を表示面21bに表示する。このとき、図8(b)の文字表示領域T1に表示されたカーソルC3は、図8(a)の第1のカーソルC1のカーソル位置と同じ位置に表示される(S124)。
次に、ステップS125において、CPU100は、ダイヤル文字編集処理を実行する。CPU100は、ユーザによるダイヤル文字の入力および編集のためのキー入力を受け付け、押下されるキーに応じたダイヤル文字を、ダイヤル文字列のカーソルC3のカーソル位置に追加する。このようにして、S125のダイヤル文字編集処理が実行される。この処理は、次のステップS126において、ユーザにより通話キー41が押下されたと判定されるまで実行される。
ユーザにより通話キー41が押下され、ステップS126において通話キー41が押下されたと判定されると(S126:YES)、CPU100は、通話を開始するために通話プログラムを起動する(S127)。これにより、ダイヤル入力プログラムが終了する。
なお、ユーザが、文字ダイヤル画面の領域R1に第1の文字列を入力した後、すぐに通話を開始したい場合が起こり得る。この場合、文字ダイヤル画面が表示された状態からユーザが通話キー41を2回連続して押下すればよい。このキー操作が行われると、CPU100は、判定処理S103およびS126に従い、通話のための発信の処理を開始する。
<第2の文字列に係る処理>
図9は、最初のキー入力(図5(b)参照)に続いて新たなキー入力がなされ、文字ダイヤル画面上で文章が入力されたときの例を示す図である。
ユーザが、電話番号ではなく、文章を入力すべく、図5(b)に示す通り「0」キーを押下した後、「4」キーを1回、「5」キーを1回、「6」キーを連続4回、「*」キーを1回押下すると、図9(a)に示すように、領域R2には、第2の文字列「わたなべ」が未確定状態で表示される。このとき、境域R1には、第1の文字列「0456666*」が表示される。
ユーザは、かな漢字変換を行うことにより、未確定文字列「わたなべ」を、たとえば、図9(b)に示すように、「渡辺」に変換できる。CPU100は、第2の文字列が確定状態にあるとき、図9(b)に示すように、領域R2の下部に、現在の入力モードがかな入力モードであること示す「漢あ」なる文字列M1を表示する。CPU100は、変換確定操作がユーザによってなされたときに、図示の通り、表示されていた領域R1を、非表示とする。なお、領域R1は必ずしも非表示とされなくとも良い。
なお、後述するように、領域R2において別の入力モードが設定されているときには、文字列M1が表示される位置に、別の文字列が表示される。たとえば、入力モードが数字入力モードである場合には、「漢あ」ではなく「12」なる文字列M1が表示されることとなる(図13(a)参照)。
その後、ユーザによりキー入力と変換確定操作が繰り返されることにより、領域R2には、たとえば図9(c)の通り、4行の文字列からなる第2の文字列が確定状態で表示され、また第2のカーソルC2が第2の文字列の文末に表示される。
図4に戻り、図9(c)に示すように、領域R2に第2の文字列が表示された状態において、ユーザが決定キー43を押下すると、CPU100は、ステップS104の処理において、文字入力が完了したと判定し(S104:YES)、S107の第2の文字列とカーソル位置の記録処理を実行する。
ステップS107において、CPU100は、ステップS105の処理と同様にして、ステップS104においてYESと判定される直前に領域R2に表示された、第2の文字列および第2のカーソルC2のカーソル位置をメモリ101の所定の領域に書き込む。
次に、CPU100は、アプリケーション選択画面表示処理S108を実行する。
図10(a)、(b)は、アプリケーション選択画面を表す図である。
ステップS108の処理において、CPU100は、図10(a)に示すように、所望のアプリケーションをユーザが選択するためのメニューを表示する。CPU100は、表示面21bに、11個の選択可能なアプリケーションが配されたリストを表示する。各項目の左側には、各アプリケーションに対応される11個の数記号(1〜9、0、*)がそれぞれ付されている。図10(a)において、1番の「インターネット検索」がフォーカスされている。
1番の「インターネット検索」は、ステップS107において記録された第2の文字列をキーワードにして、インターネット検索を実行するための項目である。
2番の「キーワード検索」は、ステップS107において記録された第2の文字列をキーワードにして、音楽、ゲーム、ニュース、ブログ、SNSなどのコンテンツを横断的に検索するための項目である。
3番の「乗換検索」は、ステップS107において記録された第2の文字列をキーワードとして、電車等の乗換案内に関する検索を実行するための項目である。
4番の「地図検索」は、ステップS107において記録された第2の文字列をキーワードとして、その場所の地図や、その場所に関する情報を表示するための検索を実行するための項目である。
5番の「Eメール検索」は、ステップS107において記録された第2の文字列をキーワードとして、ユーザが送受信した電子メールを検索するための項目である。
6番の「Eメール本文」は、ステップS107において記録された第2の文字列を電子メールの本文として、電子メールを作成し送信するための項目である。
7番の「Cメール本文」は、ステップS107において記録された第2の文字列をSMS(ShortMessage Service)の本文として、メッセージを作成し送信するための項目である。
8番の「メモ帳登録」は、ステップS107において記録された第2の文字列を、ユーザが後に参照できるよう、メモリ101上に記録するための項目である。
9番の「辞書引き」は、ステップS107において記録された第2の文字列をキーワードとして、辞書を検索するための項目である。
0番の「スケジュール登録」は、ステップS107において記録された第2の文字列を要件として、スケジュール管理のデータを登録するための項目である。
「*」番の「アドレス帳登録」は、ステップS107において記録された第2の文字列を名前として、アドレス帳のアプリケーションで利用できるようにデータを登録するための項目である。
CPU100は、上記の通りのアプリケーションのリストを表示すると、次のステップS109の処理を実行する。
S109において、CPU100は、ユーザによるキー操作を受付可能に待機する。ユーザは、所定のキー操作を行うことによって、フォーカスを所望の項目へ移動できる。たとえば、UPキー44またはDOWNキー45が押下されると、CPU100は、押下されたキーに応じて、フォーカスを上下移動させる。
次に、ステップS110の処理において、CPU100は、ユーザにより、起動するアプリケーションを決定する操作がされたか否かを判定する(S110)。ユーザにより決定キー43押下された場合には、上記決定する操作がされたと判定し(S110:YES)、次のステップS111へ進む。決定キー43押下されない場合には、CPU100は、上記決定する操作がされないと判定し(S110:NO)、ステップS109の処理へ戻る。
このようにして、CPU100は、起動するアプリケーションを決定する操作がユーザによりなされない間(S110:NO)、アプリケーション選択操作の入力受付・表示処理を繰り返し実行する(S109)。
ステップS110の判定処理においてYESと判定されると(S110:YES)、CPU100は、ユーザにより選択されたアプリケーション(決定キー43が押下されたときにフォーカスされていたアプリケーション)を起動し実行する(S111)。例えば、ユーザが6番の「Eメール本文」を選択し決定した場合には、CPU100は、電子メールを作成し送信するための電子メールアプリケーションを起動する。
図9の6番「Eメール本文」が選択された場合(図10(b)参照)を例にして、以下に説明する。
図11は、電子メールアプリケーションに係る電子メール本文編集処理の手順を示すフローチャートである。図12(a)、(b)は、電子メールのアプリケーションが実行されたときの、メイン画面および電子メール本文編集画面をそれぞれ表す図である。
電子メールアプリケーションが起動されると、CPU100は、メモリ101に記録された第2の文字列(ステップS107参照)を、電子メール本文として読み込む。CPU100は、次に、図12(a)に示す、電子メールを作成し送信するためのメイン画面を表示面21bに表示する。
図12(a)の通り、4つのアイコンが表示面12bに縦一列に表示される。「To」および「件名」と表示された二番目のアイコンは、送信先のメールアドレスおよび件名を記入するためのアイコンである。三番目の、クリップの図柄が表示されたアイコンは、添付ファイルを指定するためのアイコンである。一番下に配置された「Text」と表示されたアイコンは、電子メール本文入力のためのアイコンである。図12(a)においては、「To」と表示されたアイコンがフォーカスされている。
CPU100は、「Text」と表示されたアイコンの下に、メモリ101から読み込んだ第2の文字列を電子メール本文として、表示面21bに表示する。
図12(a)のようにメイン画面がされている状態において、ユーザは、電子メール本文の編集を開始できる。電子メール本文を編集するための電子メール本文編集処理は、ユーザが「Text」と表示されたアイコンへフォーカスを移動させ、決定キー43を押下することにより、開始される。
ユーザによって編集を開始する操作がなされると、CPU100は、電子メール本文の編集のための画面を表示する(S131)。そして、CPU100は、メモリ101から読み込んだ第2の文字列を電子メール本文として、表示面21bの文字入力領域T2(一点鎖線で囲まれた領域)に、確定状態で表示する(S132)。
表示面21bの下部には、現在の入力モードがかな入力モードであることをユーザに通知するための「漢あ」なる文字列M2が表示される。
次のステップS133において、CPU100は、図4のステップS107の処理においてメモリ101に書込まれたカーソル位置を、電子メール本文上のカーソル位置として読み込む(S133)。そして、CPU100は、図12(b)に示すように、電子メール本文上の、メモリ101から読み込んだカーソル位置に、カーソルC4を表示する(S134)。
図12(b)に示す通り、電子メール本文編集画面上に表示される電子メール本文およびカーソルC4のカーソル位置は、図9(c)において表示された第2の文字列および第2のカーソルC2のカーソル位置にそれぞれ同じである。
次に、CPU100は、メール本文編集する処理を実行する(S135)。
編集処理の間、CPU100は電子メール本文の編集を完了するためのキー操作がユーザによりされたか否かを判定する(S136)。ユーザは、電子メール本文の編集を完了するとき、電子メール本文を確定状態にさせ、そして決定キー43を押下する。
CPU100は、電子メール本文が確定状態で表示された状態において決定キー43が押下されると(S136:YES)、図11の電子メール本文編集処理を終了し、編集後の電子メール本文を含むメイン画面(図12(a)参照)を表示する。
このようにして、電子メールアプリケーションにおいて、図4のS107において記録された第2の文字列およびカーソル位置が読み込まれ、電子メール本文編集処理において、第2の文字列およびカーソル位置が引き継がれる。
図13(a)は、第2のカーソルC2が第2の文字列の末尾にない状態の文字ダイヤル画面を示す図である。また、図13(b)は、文字ダイヤル画面が図13(a)に示す状態から、電子メールアプリケーションが起動された場合の電子メール本文編集画面を示す図である。
図9(c)および図12(b)において、第2のカーソルC2およびカーソルC4は、第2の文字列および電子メール本文の末尾に、それぞれ表示された。しかし、カーソル位置は、以下に述べるように、末尾に表示されない場合も起こり得る。たとえば、図9(c)に示す画面表示がなされているときに、ユーザが、第2の文字列の3行目の文字「1」を、文字「2」に置換する操作を行う場合が起こり得る。この場合、図13(a)に示すように、第2のカーソルC2は、置換された文字「2」の右側に表示される。
図13(a)のように第2の文字列の途中に第2のカーソルC2が表示されているときに、ユーザにより決定キー43が押下された場合も、CPU100により、第2の文字列および第2のカーソルC2のカーソル位置がメモリ101に書き込まれる(S107)。そして、ユーザにより、電子メール本文編集処理を開始するキー操作が行われると、図13(b)に示すよう表示がなされる。つまり、この場合においても、図13(b)の電子メール本文上のカーソルC4のカーソル位置は、図13(a)の第2の文字列上の第2のカーソルC2のカーソル位置に同じである。
以上、本実施の携帯電話機1は、文字・ダイヤル入力プログラムにおいて、ユーザによるダイヤルキー群50の操作に応じて、第1および第2の文字列を同時に並列して表示する機能を備える。この後、ユーザによる所定の操作入力に応じて、当該第1および第2の文字列のうちいずれか一方を選択され、選択された文字列に対応するアプリケーション(ダイヤル入力プログラム、電子メールアプリケーション等(図10参照))を選択が実行される。選択された文字列は、起動されたアプリケーショの動作画面(ダイヤル入力画面、電子メール本文編集画面)を表示する際、再び表示される。このとき、再び表示された文字列上に、カーソルが、文字ダイヤル画面において表示された当該文字列上のカーソルの位置と同じ位置に表示される。
このような構成により、ユーザが文字ダイヤル画面に入力した文字列(第1または第2の文字列のうち選択された一方の文字列)をアプリケーションの実行時に編集する際、ユーザは、あたかも文字ダイヤル画面および動作画面における文字列の編集を連続的に行えるかのように、カーソル位置の違いに気を使うことなく当該編集の作業を行うことが可能となる。このため、当該編集の際、ユーザが行うカーソル移動のためのキー操作の回数が、低減される。また、キー操作の回数の低減により、ユーザによる編集の操作にかかる時間が短縮される。よって、文字・ダイヤル入力プログラムに続いて起動される各種アプリケーション(ダイヤル入力プログラム、電子メールアプリケーション等)の利便性が向上する。
<変更例1>
上記実施の形態では、図4のステップS107の処理が実行されるときに、メモリ101には、文字ダイヤル画面の領域R2に表示されていた第2の文字列および第2のカーソルC2のカーソル位置のデータが書き込まれた。これに対し、本変更例では、CPU100は、ステップS107の処理を実行する際、上記第2の文字列および第2のカーソルC2のカーソル位置に加えて、S104においてYESと判定される直前の入力モードを表すデータも、メモリ101に記録する。たとえば、図13(a)に示す例において、領域R2の下部には、入力モードが数字入力モードであることを示す「12」なる文字列M1が表示される。したがって、この例の場合、ステップS107においてメモリ101に書込まれる入力モードのデータは、数字入力モードを表すデータとなる。
図14(a)は、本変更例に係る電子メールアプリケーションの実行処理の手順を示すフローチャートである。図14(b)は、本変更例に係る電子メールアプリケーションにおける電子メール本文編集画面を示す図である。
図14(a)に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートにおいて、ステップS133における処理内容に変更を加えS133aとし、ステップS134の処理の次に新たな処理S137を追加して得られるものである。
本変更例においては、図11の電子メール本文編集処理が起動されると、CPU100は、ステップS133aの処理において、第2の文字列(電子メール本文)およびそのカーソル位置に加え、さらにメモリ101に記憶された入力モード(図13(a)の例の場合は、数字入力モード)のデータも読み込む。
そして、CPU100は、ステップS134においてカーソル表示の処理を実行した後、次のステップS137において、メモリ101から読み込んだ入力モードを、現在実行している電子メール本文編集処理の入力モードとして設定する。上記例においては、図14(b)の「12」なる文字列M2に示す通り、現在の入力モードは、数字入力モードに設定される。
以上、本変更例では、プリケーションの実行時に、カーソルの位置だけでなく、入力モードが引き継がれる。すなわち、アプリケーション選択画面において選択され起動されたアプリケーション(電子メールアプリケーション)の実行時に、第2の領域R2において入力された第2の文字列と同じ文字列(電子メール本文)が編集される際、現在の入力モードは、第2の領域R2における第2の文字列の入力が完了される直前の入力モードと、同じになるよう設定される。
このような構成により、ユーザが文字ダイヤル画面に入力した文字列をアプリケーションの実行時に編集する際、ユーザは、あたかも文字ダイヤル画面および動作画面における文字列の編集を連続的に行えるかのように、入力モードの違いに気を使うことなく当該編集の作業を行うことが可能となる。このため、起動された当該プログラムの実行の際、ユーザが当該文字列編集するとき、ユーザが行う入力モード変更のためのキー操作の回数が低減される。また、キー操作の回数の低減により、ユーザによる編集の操作にかかる時間が短縮される。よって、文字・ダイヤル入力プログラムに続いて起動される各種アプリケーションの利便性が向上する。
<変更例2>
本変更例では、CPU100は、カーソル位置に加えて、文字ダイヤル画面において入力された第1または第2の文字列の入力履歴を、その後に実行されるアプリケーション(ダイヤル入力プログラム、電子メールアプリケーション等)に引き継いで利用する。「入力履歴」は、対象となる文字列に対して行った編集(文字の入力、削除等)の操作の履歴を表すデータである。CPU100は、ユーザが行う所定の操作に応じてアンドゥーの処理を行うために、入力履歴を参照する。
たとえば、入力履歴は、編集の操作が行われるか所定の時間が経過するごとに、対象となる文字列を、時間順序に関連づけて配列したデータである。アンドゥーの処理は、対象となる現在の文字列を、入力履歴に含まれる時間順序が最後の文字列に戻す処理である。一回アンドゥーの処理が実行されると、入力履歴に含まれる時間順序が最後の文字列は、入力履歴から削除されることとなる。
第1の文字列について、本変更例では、ステップS101の処理が実行されるときに、CPU100は、メモリ101に、文字ダイヤル画面の領域R1に表示されていた第1の文字列および第1のカーソルC1のカーソル位置に加えて、第1の文字列の入力履歴を記憶する。そして、ステップS121のダイヤル文字列とカーソル位置読込みの処理が実行されるとき、CPU100は、メモリ101から、第1の文字列およびカーソル位置に加えて、記憶された第1の文字列の入力履歴も読み込む。
CPU100は、読込んだ入力履歴を、ダイヤル文字列編集の際の初期の入力履歴として設定する。そして、CPU100は、S125のダイヤル文字列編集処理を、ユーザによるアンドゥーの操作を受付可能に実行する。
たとえば、ユーザが、上述のように、図6(a)の第1の文字列の4文字目の文字「5」を、文字「4」に置換した後(図8(a)参照)に、ダイヤル入力プログラムが起動される場合(図8(b)参照)が起こり得る。本変更例において、ユーザによりアンドゥーのための所定の操作が行われると、CPU100は、設定された入力履歴を参照して、ユーザが第1の文字列に対して最後に行った編集のための操作を取り消し、元に戻す。具体的には、上記例において、図8(b)に示す例のようにダイヤル入力画面が表示されているときに、アンドゥーのための所定の操作が行われると、CPU100は、入力履歴を参照して、置換して表示した文字「4」を、「5」に戻して表示する。
また、第2の文字列についても同様に、本変更例では、ステップS107の処理が実行されるときに、CPU100は、メモリ101に、文字ダイヤル画面の領域R2に表示されていた第2の文字列および第2のカーソルC2のカーソル位置に加えて、第2の文字列の入力履歴を記憶する。そして、ステップS133のカーソル位置読込みの処理の際、CPU100は、メモリ101からカーソル位置を読み込むこと加えて、さらに、記憶された第2の文字列の入力履歴も読み込む。
アプリケーション選択画面においてユーザにより選択され起動された電子メールアプリケーション(図6(b))を実行する際、CPU100は、読込んだ入力履歴を、電子メール本文編集処理の際の初期の入力履歴として設定する。そして、CPU100は、S135のメール本文編集処理を、設定された入力履歴に基づきユーザによるアンドゥーの操作を受付可能に実行する。
このようにして、CPU100は、第1または第2の文字列およびカーソル位置に加えて、第1または第2の文字列の入力履歴を、その後に実行されるアプリケーション(ダイヤル入力プログラム、電子メールアプリケーション等)に引き継いで利用する。すなわち、当該アプリケーションの文字入力領域に表示された文字列に、メモリ101に記録された入力履歴を適用する。これによって、当該プログラムが実行される際、ユーザは、第1または第2の文字列に適用した編集を文字ダイヤル画面において行われた編集にまでさかのぼって取り消すことが可能となり、より快適にアプリケーションを利用することができる。
以上、本変更例においても、ユーザが文字ダイヤル画面に入力した文字列をアプリケーションの実行時に編集する際、ユーザは、あたかも文字ダイヤル画面および動作画面における文字列の編集を連続的に行えるかのように、アプリケーションの動作画面上において、文字ダイヤル画面上での入力操作の入力履歴を利用したアンドゥーの操作を行いながら、当該編集の作業を行うことが可能となる。
なお、CPU100は、上記のように1回のアンドゥーが可能なだけではなく、ユーザが行うアンドゥーの操作の回数に応じて、文字列を複数回分元に戻して表示できるよう処理をしてもよい。
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も、上記実施の形態に以外に、種々の変更が可能である。
<その他>
上記実施の形態では、ダイヤル入力プログラムおよび電子メールアプリケーションにおいて、文字ダイヤル画面から引き継がれた文字列(第1および第2の文字列のうち一の文字列)が編集できる状態で表示された際に、カーソルが、文字ダイヤル画面の当該一の文字列上に表示されたカーソルのカーソル位置と同じ位置に表示されることを説明した。しかしながら、本発明は、他のアプリケーションが実行される際にも適用できる。たとえば、図10(a)のリストに表示された電子メールアプリケーション以外の他のアプリケーションが実行される際にも本発明が適用できる。即ち、他のアプリケーションにおいて、文字ダイヤル画面から引き継がれた第2の文字列が編集できる状態で表示された際に、カーソルが、文字ダイヤル画面の第2の文字列上のカーソルの位置と同じ位置に表示される。
また、図10のアプリケーション選択画面を表示する際、文字ダイヤル画面に入力される第1または第2の文字列に応じて、表示する項目の順番を変更してもよい。たとえば、第2の文字列が長いなど、電子メールの本文とされる可能性が高い文字列が入力された場合には、6番「Eメール本文」を最上位に表示してもよい。
上記実施の形態では、2種類の文字列(第1および第2の文字列)が文字ダイヤル画面に表示された。文字ダイヤル画面に表示させる文字列は、2種類に限る必要はない。たとえば、CPU100は、上述の第1および第2の文字列に加えて、英小文字からなる第3の文字列が表示されてもよい。この場合、CPU100は、英小文字を表示するためのキー割当テーブルを参照して、押下されるキーに対応する英小文字を文字ダイヤル画面上に表示する。そして、例えば電子メールの送信先アドレスを扱うアプリケーションが、第3の文字列を編集可能、且つカーソル位置が引き継がれるように実行されてもよい。あるいは、待受画面の状態からからキー入力が受け付けられると、2つの文字列が入力される文字ダイヤル画面ではなく、1つの文字列が入力される入力画面が表示面21bに表示されても良い。
また、本実施の形態では、キー操作部11が操作されることにより第1および第2の文字列が入力された。これに限らず、キー操作部として、ソフトウェアキーボードが用いられてもよい。この場合、表示面21b上にタッチセンサが設けられ、CPU100がソフトウェアキーボードを表示面21bに表示する。ユーザは、ソフトウェアキーボードを見ながら表示面21bをタッチして操作することにより、第1および第2の文字列を入力できる。
本実施の形態では、文字列上における文字を追加する追加位置に、常にカーソルが表示された。しかしながら、本発明では、カーソルは常に表示面上に表示される必要はない。たとえば、追加位置が当該文字列の末尾にある場合、カーソルは表示されなくてもよい。この場合、たとえば、LEFTキー47が押下されるなどして追加位置が文字列の末尾以外の位置へ移動されたときにのみ、カーソルが表示される。
本実施の形態では、第1および第2の文字列の文字の追加位置がメモリ101に記憶された(S104、S107)。しかしながら、第1および第2の文字列のうち一方の文字列の追加位置のみが、メモリ101に記憶される構成とされてもよい。たとえば、通話のための第1の文字列に対する文字の追加位置のみがメモリ101に記憶される構成とされてもよい。
上記実施の形態では、折り畳み式の携帯電話機1を用いたが、スライド式やストレート型などの携帯電話機1を用いることもできる。また、携帯電話機1に代えてPDAなどの携帯端末装置、パソコンなどの情報処理機器などの電子メール機能付き機器を用いることもできる。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。たとえば、上記実施形態の一部または全部を組み合わせることができる。