以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1〜図3等に示すように、折り畳みコンテナ1は、略矩形板状の底壁部2と、底壁部2の相対する一対の長辺部に対応してそれぞれ回動可能に設けられた長辺側側壁部3と、底壁部2の相対する一対の短辺部に対応してそれぞれ回動可能に設けられた短辺側側壁部4とを備えている。本実施形態では、底壁部2、長辺側側壁部3、及び短辺側側壁部4はポリプロピレンにより構成されている。
図3、図7等に示すように、底壁部2には、各長辺部に沿って底壁部2から上方に突出する長辺側土台部5と、各短辺部に沿って底壁部2から上方に突出する短辺側土台部6とが設けられている。本実施形態では、長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4は、それぞれ長辺側土台部5及び短辺側土台部6に対して回動可能に連結されており、それぞれ土台部6、7の上方に立設される起立位置と、底壁部2の上方に折り畳まれ、当該底壁部2と平行して延在する寝かせ位置との間を回動変位可能に構成されている。
図7に示すように、各長辺側土台部5及び各短辺側土台部6には、それぞれ長辺側側壁部3又は短辺側側壁部4を回動可能に支持するための軸受部7が設けられている。軸受部7は、折り畳みコンテナ1の内側及び上方に開口するようにして形成された軸受凹部8の相対する一対の内側面に対して、互いに対向する一対の軸受孔9を形成することによって構成されている。
また、長辺側土台部5の底壁部2からの突出長は、短辺側土台部6の底壁部2からの突出長よりも長くなっており、長辺側土台部5の軸受孔9の形成位置も、短辺側土台部6の軸受孔9の形成位置よりも上方に位置している。さらに、各短辺側土台部6は、相対する一対の長辺側側壁部3の内面同士を連結するようにして設けられている。このため、本実施形態では、図3に示すように、短辺側側壁部4を先に畳まないと、長辺側側壁部3を畳むことができないようになっている。そして、図2に示すように、折り畳みコンテナ1が折り畳まれた状態(全ての側壁部3、4を寝かせ位置とした折り畳み状態)では、短辺側側壁部4が、底壁部2の上面に重なる(対面する)ようにして畳まれるとともに、長辺側側壁部3が、短辺側側壁部4の上側に重なるようにして畳まれている。
加えて、短辺側土台部6の底壁部2からの突出長は、短辺側側壁部4の厚みとほぼ同じ(若干長い)であり、寝かせ位置にある短辺側側壁部4の上縁と、短辺側土台部6の上縁とがほぼ面一とされる。さらに、長辺側側壁部3の底壁部2からの突出長は、短辺側側壁部4の厚みと長辺側側壁部3の厚みとを足した長さよりも長く、寝かせ位置にある長辺側側壁部3の上縁は、長辺側土台部5の上面よりも下方に位置するようになっている。
さて、本実施形態では、図4〜図6等に示すように、長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4の高さを変更(伸縮)可能に構成されている。以下、長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4についてより具体的に説明する。
図8、図9等に示すように、第2側壁部としての長辺側側壁部3は、長辺側土台部5に対して回動可能に取付けられるスライド側ベース壁11と、スライド側ベース壁11に対し、長辺側側壁部3の高さ方向に沿ってスライド可能に取付けられるスライド側伸長壁21とを備えている。
スライド側ベース壁11は、長辺側土台部5とほぼ同じ横幅を有する略矩形板状のベース壁本体12と、ベース壁本体12の下辺部(起立位置では下側を向き、寝かせ位置では底壁部2の外周側を向く面)から突出するヒンジ部13とを備えている。ヒンジ部13は、ベース壁本体12の下辺部から下方に向けて垂直に延出する略棒状の連結部14と、連結部14の先端部の両側面からそれぞれ長辺側側壁部3の横幅方向に沿って突出する一対の軸部15とを備えている。そして、スライド側ベース壁11のヒンジ部13の軸部15が、長辺側土台部5の軸受部7の軸受孔9(図7参照)に挿入されることで、軸部15が軸支されるようになる。これによって、スライド側ベース壁11が長辺側土台部5に対して回動可能に連結されている。
スライド側伸長壁21は、スライド側ベース壁11の内面側と対向するようにして取付けられる略矩形板状の伸長壁本体22と、伸長壁本体22の上辺部及び左右の側辺部に沿って外方に突出する枠部23と、枠部23の内周側において、スライド側伸長壁21の外面側に突出し、伸長壁本体22の高さ方向(上下方向)に沿って延在する2本のガイドレール24(図9参照)とを備えている。ガイドレール24の頂面(スライド側伸長壁21の内面側から見れば底面)には、ガイドレール24の延在方向に沿って上下に延在するガイド孔25が形成されている。
これに対し、図8に示すように、スライド側ベース壁11の内面側には、各ガイドレール24をそれぞれ挿入可能に構成されるとともに、ガイドレール24の上下方向への相対変位を許容するガイド凹部17が形成されている。そして、ガイドレール24をガイド凹部17に挿入するようにして、スライド側伸長壁21をスライド側ベース壁11の内面側に略当接させた状態で、スライド側伸長壁21の内面側から、ガイドレール24のガイド孔25を介して、ガイド凹部17の底面に対しリベット26を取付けることで、スライド側伸長壁21がスライド側ベース壁11に対して、重なり合う面積を変化させるようにして、上下にスライド変位可能に取付けられている。
また、図9に示すように、伸長壁本体22の外面側には、伸長壁本体22の下辺部に沿って、ガイドレール24と同じ突出長の下突条部27が設けられている。その一方で、図8に示すように、スライド側ベース壁11のベース壁本体12の内面側には、ガイド凹部17と連通するとともに、下突条部27の挿入、及び、下突条部27の上下方向における相対変位を許容する許容凹部18が設けられている。
尚、スライド側ベース壁11のうち、スライド側伸長壁21の摺動範囲に対応する部位に関しては、スライド側伸長壁21よりも横幅が若干短くなっており、スライド側伸長壁21の枠部23の側辺部がスライド側ベース壁11の側面に略当接する(外側に被る)ようになっている。さらに、本実施形態では、スライド側伸長壁21の枠部23の両側辺部においても上下に延びるガイド孔25が形成されており、スライド側ベース壁11及びスライド側伸長壁21を重ねた状態で、スライド側伸長壁21の側面側から、ガイド孔25を介して、ベース壁本体12の側面にリベット26が取付けられている。ちなみに、スライド側ベース壁11には、許容凹部18の両側方においてベース壁本体12の側辺部に沿って延びるリブが形成されているが、スライド側伸長壁21の下突条部27と枠部23の左右側辺部との間には、かかるリブを挿通可能な隙間が形成されていることから、ガイドレール24や下突条部27を、ガイド凹部17や許容凹部18に確実に挿入させることができる。
本実施形態では、スライド側伸長壁21は、スライド側ベース壁11に対し、スライド側伸長壁21の枠部23上辺部の下面が、スライド側ベース壁11のベース壁本体12上面に当接する基準位置(図1、図13等参照)と、スライド側伸長壁21の下突条部27の上面が、スライド側ベース壁11の許容凹部18の上縁部(下方を向く面)に当接する伸長位置(図4、図14等参照)との間で相対変位可能に構成されている。スライド側伸長壁21が伸長位置にある場合には、基準位置にある場合よりもスライド側ベース壁11のベース壁本体12と重なり合う面積が小さくなり、基準位置にある場合よりも長辺側側壁部3の起立位置にあるときの高さが高くなる。
また、スライド側伸長壁21が基準位置にある場合には、ベース壁本体12の上面と、伸長壁本体22の枠部23上辺部の下面とが当接することで、スライド側ベース壁11に対するスライド側伸長壁21のそれ以上の下方への相対変位が防止されるようになっている。さらに、スライド側伸長壁21が伸長位置へと変位した場合には、スライド側伸長壁21の下突条部27の上面が、スライド側ベース壁11の許容凹部18の上縁部に当接し、スライド側ベース壁11に対するスライド側伸長壁21のそれ以上の上方への相対変位(抜け)が防止されるようになっている。
図10、図11に示すように、第1側壁部としての短辺側側壁部4は、短辺側土台部6に対して回動可能に取付けられる展開側ベース壁31と、展開側ベース壁31の上辺部に対応して回動可能に取付けられる展開側伸長壁41とを備えている。
展開側ベース壁31は、短辺側土台部6とほぼ同じ横幅を有する略矩形板状のベース壁本体32と、ベース壁本体32の下辺部から突出するヒンジ部33とを備えている。ヒンジ部33は、ベース壁本体32の下辺部から下方に向けて垂直に突出する連結部34と、連結部34の両側面からそれぞれ短辺側側壁部4の横幅方向に沿って突出する一対の軸部35とを備えている。そして、展開側ベース壁31のヒンジ部33の軸部35が、短辺側土台部6の軸受部7の軸受孔9(図7参照)に挿入されることで、軸部35が軸支されるようになる。これによって、展開側ベース壁31が短辺側土台部6に対して回動可能に連結されている。
展開側伸長壁41は、展開側ベース壁31のベース壁本体32とほぼ同じ横幅を有する略矩形板状の伸長壁本体42と、伸長壁本体42の下辺部から突出する伸長用ヒンジ部43とを備えている。伸長用ヒンジ部43は、伸長壁本体42の下辺部から下方に向けて垂直に突出する連結部44と、連結部44の両側面からそれぞれ短辺側側壁部4の横幅方向に沿って突出する一対の軸部45とを備えている。
これに対し、図10に示すように、展開側ベース壁31のベース壁本体32の内面側には、ベース壁本体32の上辺部に沿って延在し、展開側伸長壁41の軸部45を軸支可能な軸受孔38を有する軸受部37が突設されている。そして、展開側伸長壁41の伸長用ヒンジ部43の軸部45が、展開側ベース壁31の軸受部37の軸受孔38に挿入されることで、軸部45が軸支されるようになる。これによって、展開側伸長壁41が、展開側ベース壁31に対し、展開側ベース壁31の上辺部に沿って延びる軸受部37(軸受孔38)及び軸部45を中心として回動可能に連結されている。
本実施形態では、展開側伸長壁41は、展開側ベース壁31に対し、展開側ベース壁31の内面と並設される基準位置(図1、図13等参照)と、基準位置にある状態から略180度回動変位して展開側ベース壁31の上辺部から上方に延出し、短辺側側壁部4の起立位置にあるときの高さが基準位置にある場合よりも高くなる伸長位置(図4、図14等参照)との間で相対変位可能に構成されている。
また、本実施形態の展開側ベース壁31のベース壁本体32は、基準位置にある展開側伸長壁41に対向する上側の部位が、下側の部位よりも薄肉となっており、基準位置にある展開側伸長壁41の内側面と、ベース壁本体32の内面とが略面一となるように(基準位置にある展開側伸長壁41が展開側ベース壁31の内面側に収納されるように)構成されている。さらに、本実施形態では、ベース壁本体12は、展開側伸長壁41を収容するべく薄肉に構成された上側の部位が軸受部37よりも上方にまで延在しており、展開側伸長壁41が伸長位置まで回動すると、展開側伸長壁41の外側面が軸受部37よりも上方に位置するベース壁本体12に当接し、それ以上の回動が防止されるようになっている。
尚、本実施形態では、折り畳みコンテナ1が上方に開口する箱型に組み立てられた状態(全ての側壁部3、4を起立位置とした組立状態)において、スライド側伸長壁21及び展開側伸長壁41がともに基準位置にある場合、及び、スライド側伸長壁21及び展開側伸長壁41がともに伸長位置にある場合のどちらの場合でも、それぞれ長辺側側壁部3の上辺部及び短辺側側壁部4の上辺部の高さ位置がほぼ揃うように構成されている。
また、本実施形態では、起立位置とされた一対の長辺側側壁部3間の距離(一対の長辺側土台部5間の距離)は、スライド側伸長壁21が基準位置とされた長辺側側壁部3の高さを2倍した長さよりも若干長い程度であり、スライド側伸長壁21を伸長位置とした状態では、一対の長辺側側壁部3を寝かせ位置へと変位させることができないように構成されている。さらに、起立位置とされた一対の短辺側側壁部4間の距離は、展開側伸長壁41が伸長位置とされた短辺側側壁部4の高さを2倍した長さとほぼ同じであり、展開側伸長壁41を伸長位置とした状態では、一対の短辺側側壁部4を寝かせ位置へと変位させることができない、又は、寝かせることができたとしても、展開側伸長壁41がばたつき易くなったり、起立させる際の掴み所がなくなったりするおそれがある。
次に、折り畳みコンテナ1の組立状態において、長辺側側壁部3と短辺側側壁部4との相対変位を防止するための係止構造について説明する。
図3、図5、図8等に示すように、各長辺側側壁部3の左右両側部には、内面側から突出する長辺側係合部51が設けられている。長辺側係合部51は、スライド側伸長壁21の上端部に設けられるスライド側第1係合凸部52と、スライド側伸長壁21の下端部に設けられるスライド側第2係合凸部53と、スライド側ベース壁11のうちスライド側伸長壁21が基準位置にある状態においてもスライド側伸長壁21の下方において折り畳みコンテナ1の内側に露出する箇所に設けられるベース側係合凸部54とから構成されている。
スライド側第1係合凸部52は、スライド側伸長壁21の上端部内側面から突出する略直方体形状の支持凸部56と、支持凸部56の下面から下方に延出するとともに、スライド側伸長壁21(伸長壁本体22)の内面と連結される係止壁部57とを備えている。さらに、係止壁部57には、長辺側側壁部3の横幅方向に貫通する略矩形状の係止孔58が形成されている。加えて、長辺側側壁部3の横幅方向において、係止壁部57の厚みは、支持凸部56の厚みよりも薄く、係止壁部57は支持凸部56の厚み方向中央部に対応して設けられている。
また、スライド側第2係合凸部53、及び、ベース側係合凸部54は、スライド側第1係合凸部52のような支持凸部56はなく、それぞれスライド側伸長壁21の下端部、及び、スライド側ベース壁11のベース壁本体12の下端部から内側に突出するとともに、内周側に矩形状の係止孔58を形成する略コ字状の係止壁部57のみで構成されている。尚、スライド側第1係合凸部52に関しては、支持凸部56の下面によって係止孔58の上縁部が構成されている。また、長辺側側壁部3の上角部に位置して別部材と比較的接触し易いスライド側第1係合凸部52が支持凸部56を備えることによって、その直下方に位置する係止壁部57の保護を図ることができる。
一方、図11等に示すように、短辺側側壁部4の左右両側部には、長辺側係合部51と係合する短辺側係合部61が設けられている。本実施形態では、短辺側係合部61は、展開側ベース壁31の外面側に形成される4つのベース側係合部(下からベース側第1係合部62、ベース側第2係合部63、ベース側第3係合部64、及び、ベース側第4係合部65)と、起立位置とされた展開側伸長壁41の外面側に形成される伸長側係合部66とから構成されている。
ベース側第1〜ベース側第4係合部62、63、64、65、及び、伸長側係合部66は、短辺側側壁部4の外面側かつ側面側に開口し、長辺側係合部51の係止壁部57を挿入可能な係合凹部67と、係合凹部67の底面(外方を向く面)から外方に突出し、係止壁部57の係止孔58に挿入可能な係止突起68とを備えている。また、ベース側第4係合部65及び伸長側係合部66に関しては、係止突起68の直上方において、スライド側第1係合凸部52の支持凸部56の挿通を許容する切欠き部69が形成されている。
そして、折り畳みコンテナ1を箱型に組み立てることで、短辺側側壁部4の短辺側係合部61の係合凹部67に長辺側側壁部3の長辺側係合部51の係止壁部57が相対的に挿入され、係合凹部67の底面(外方を向いている面)と、係止壁部57の内面とが略当接することとなる。これにより、短辺側側壁部4がそれ以上外方に回動変位しないように(外倒しないように)構成されている。本実施形態では、係止壁部57及び係合凹部67(の底面)が外倒防止手段を構成する。
さらに、折り畳みコンテナ1を箱型に組み立てることによって、短辺側係合部61の係合凹部67に長辺側係合部51の係止壁部57が相対的に挿入されると同時に、短辺側係合部61の係止突起68が長辺側係合部51の係止壁部57の係止孔58に相対的に挿入されることとなる。これにより、スライド側伸長壁21の上下方向へのスライド変位が防止されるようになっている。従って、折り畳みコンテナ1を箱型に組み立てることで、基準位置にあるスライド側伸長壁21を掴んで折り畳みコンテナ1を持ち上げたとしても、スライド側伸長壁21が上方の伸長位置側にスライド変位することを防止できる。さらには、伸長位置にあるスライド側伸長壁21に対して下向きの力を加えたとしても、スライド側伸長壁21が下方の基準位置側にスライド変位してしまうことを防止することができる。本実施形態では、スライド側伸長壁21に形成されたスライド側第1係合凸部52及びスライド側第2係合凸部53がスライド側係止部に相当し、ベース側第2〜第4係合部63、64、65、及び、伸長側係合部66が展開側係止部に相当し、スライド側第1係合凸部52及びスライド側第2係合凸部53の係止壁部57が係合凹部67に挿入される構成、及び、スライド側第1係合凸部52及びスライド側第2係合凸部53の係止孔58に係止突起68が挿入される構成がスライド防止手段を構成する。
また、本実施形態では、スライド側伸長壁21及び展開側伸長壁41が基準位置及び伸長位置のどちらにあるかによって、長辺側係合部51と係合する短辺側係合部61が変更されるようになっている。より具体的に、図1等に示すように、ベース側第2係合部63、及び、ベース側第4係合部65は、展開側伸長壁41及びスライド側伸長壁21を基準位置として折り畳みコンテナ1を組み立てた場合に、長辺側側壁部3のスライド側第2係合凸部53、及び、スライド側第1係合凸部52と係合するようになっている。
図4等に示すように、ベース側第3係合部64、及び、伸長側係合部66は、展開側伸長壁41及びスライド側伸長壁21を伸長位置として折り畳みコンテナ1を組み立てた場合に、長辺側側壁部3のスライド側第2係合凸部53、及び、スライド側第1係合凸部52と係合するようになっている。
ベース側第1係合部62については、展開側伸長壁41及びスライド側伸長壁21が基準位置及び伸長位置のどちらにあるかに関係なく、折り畳みコンテナ1が組立状態とされた場合には、長辺側側壁部3のベース側係合凸部54と係合するようになっている。
また、図8、図12等に示すように、スライド側伸長壁21には、スライド側第1係合凸部52の近傍部位において、伸長壁本体22に対し略コ字状のスリットが形成されることで、その内周側に伸長壁本体22の厚み方向において撓む係止片71が設けられている。係止片71は、長辺側側壁部3の横幅方向中央部側の部位が伸長壁本体22と連結されて長辺側側壁部3の側端部側に向けて延び、その先端部には、係止片71の内側面から突出する係止爪72が設けられている。そして、図1、図4等に示すように、折り畳みコンテナ1を箱型に組み立てると、短辺側側壁部4の展開側伸長壁41の内側面(展開側伸長壁41が基準位置及び伸長位置にあるときにそれぞれ折り畳みコンテナ1の内側を向いている面)が、係止爪72と当接して支持されるようになっている。これにより、短辺側側壁部4の折り畳みコンテナ1内側への傾倒変位(内倒れ)が防止されるようになっている。本実施形態では、係止片71によって内倒防止手段が構成される。尚、係止爪72は、係止片71の先端部に向けて次第に突出長が大きくなるテーパ状をなしており、短辺側側壁部4を起立位置へと変位させる際には、係止片71を直接手で操作しなくても、短辺側側壁部4を回動変位させるだけで、短辺側側壁部4を起立位置へと変位させることができる。
尚、図1、図2等に示すように、底壁部2には、下面の4隅近傍位置から下方に突出する位置決め凸部74が設けられている。これに対し、各長辺側土台部5の両端部、及び、各スライド側伸長壁21の上辺部の両端部には、折り畳みコンテナ1を折り畳み状態、又は、組立状態で積み重ねた(段積みした)場合に、上側の折り畳みコンテナ1の位置決め凸部74を嵌入させる位置決め凹部75が形成されている。これにより、折り畳みコンテナ1を段積みした場合の水平方向への位置ずれが防止されるようになっている。ちなみに、上記のように折り畳みコンテナ1の組立状態では、スライド側伸長壁21のスライド変位が防止されることから、例えば、スライド側伸長壁21を伸長位置として折り畳みコンテナ1を組み立てた状態で、折り畳みコンテナ1を段積みしたとしても、下側の折り畳みコンテナ1のスライド側伸長壁21が基準位置へと変位させられてしまうといった事態を確実に回避することができる。
また、図2等に示すように、短辺側土台部6には、上方かつ外方に開口し、長辺側側壁部3のスライド側伸長壁21を基準位置として寝かせ位置とした場合に長辺側係合部51が挿入される収容凹部77が形成されている。長辺側係合部51が収容凹部77に収容されることで、折り畳み時のコンパクト化をより一層図ることができる上、長辺側側壁部3の位置ずれ等をより確実に防止することができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4を折り畳むことのできる折り畳みコンテナ1において、起立位置にある長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4を伸縮させて、折り畳みコンテナ1の容積を変化させることができる。このため、折り畳みコンテナ1に収容される物品の大きさや数量等に応じて折り畳みコンテナ1の容積を変化させ、折り畳みコンテナ1内における物品が存在しない余剰空間を極力小さくすることができる。換言すれば、物品を収容した状態にある折り畳みコンテナ1のコンパクト化を図り、物品の運搬・保管効率の向上を図ることを前提とした上で、大きさや数量等が異なる複数種類の物品に対応することができる。従って、容積の異なる折り畳みコンテナ1を多種類用意しておくといった事態を抑制することができ、折り畳みコンテナ1そのものの保管効率の向上や、折り畳みコンテナ1を使用して物品を運搬等する場合の折り畳みコンテナ1の準備・片付け段階での作業効率の向上を図ることができる。結果として、保管スペースの縮小や作業時間の短縮等に伴いコストダウンを図ることができる。
また、本実施形態では、スライド側伸長壁21が伸長位置にある長辺側側壁部3の高さを2倍した長さが、当該一対の長辺側側壁部3間の距離よりも長く構成されている。従って、スライド側伸長壁21が伸長位置にある状態では一対の長辺側側壁部3を折り畳むことができないが、スライド側伸長壁21を基準位置とすることで、一対の長辺側側壁部3を寝かせ位置へと変位させ、相対する一対の長辺側側壁部3の高さ位置を揃える(横並びにする)ようにして折り畳みコンテナ1を折り畳むことができるようになっている。このため、相対する一対の長辺側側壁部3を上下に重ねるようにして折り畳むように構成しなくてもよく、折り畳み状態にある折り畳みコンテナ1のコンパクト化、及び、折り畳みに関する構成の簡素化等を図ることができる。従って、折り畳み状態にある折り畳みコンテナ1のコンパクト化に伴って折り畳みコンテナ1の運搬・保管効率の向上を図りつつ、より多くの種類の物品形状に対応することができ、利便性の向上をより一層図ることができる。
加えて、本実施形態によれば、展開側ベース壁31に対して回動変位する展開側伸長壁41を備えた短辺側側壁部4が、スライド側ベース壁11に対してスライド変位するスライド側伸長壁21を備えた長辺側側壁部3よりも先に(下側に)折り畳まれるように構成されている。このため、短辺側側壁部4を起立位置と寝かせ位置とに回動させる際に、展開側伸長壁41が凹凸のない底壁部2の上面に摺接することとなる。このため、例えば、短辺側側壁部4が長辺側側壁部よりも後に(上側に)折り畳まれる構成のように、短辺側側壁部4を回動させる際に、展開側伸長壁41が比較的凹凸のある長辺側側壁部3の外面側に摺接するような場合に比べ、短辺側側壁部4の回動動作を比較的スムースなものとすることができる。
また、例えば、展開することで伸長する短辺側側壁部4が、スライドすることで伸長する長辺側側壁部3の上側に畳まれ、長辺側側壁部3よりも先に起立位置へと変位させなければならないような構成を採用する場合、短辺側側壁部4に対して長辺側側壁部3の外倒れを防止する(係止壁部57のような)凸部を設けることとなるが、長辺側側壁部3の上辺部近傍部位を支持しようとして前記凸部を展開側伸長壁41に設けようとした場合には、展開側伸長壁41の表裏両面に前記凸部を設ける必要がある。このため、構成の複雑化を招く上、特に、基準位置にある場合に内側を向いていた面に形成された凸部が、展開側伸長壁41が伸長位置に回動変位した際に、短辺側側壁部4の外面から外方に突出してしまい、作業者等が引っ掛かってしまったり、設置スペースを余分に必要としてしまったり、凸部自体が損傷し易くなってしまったりすることが懸念される。従って、展開することで伸長する短辺側側壁部4がスライドで伸長する長辺側側壁部3よりも先に畳まれる構成とすることが望ましい。
また、折り畳みコンテナ1を箱型に組み立てることで、スライド側伸長壁21に設けられたスライド側第1係合凸部52及びスライド側第2係合凸部53の係止壁部57が短辺側側壁部4の係合凹部67に挿入されるとともに、スライド側第1係合凸部52及びスライド側第2係合凸部53の係止孔58に短辺側側壁部4の係止突起68が挿入されるようになっている。これにより、高さ方向にスライドすることのない短辺側側壁部4によって、スライド側伸長壁21のスライド変位を確実に防止することができる。従って、長辺側側壁部3において単独でスライド側伸長壁21のスライドを防止するための構成(伸長位置にあるスライド側伸長壁21が下方に押さえられてもスライド側伸長壁21を伸長位置にて保持できる構成)を別途設けなくても済み、構成の簡素化を図りつつ、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナ1の形状を確実に維持することができる。さらに、例えば、長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4の両方が高さ方向にスライドすることで伸縮するといった構成を採用する場合のように、短辺側側壁部4のスライド変位を防止するための構成を別途設けなくても済み、構成の簡素化を図りつつ、箱型に組み立てられた折り畳みコンテナ1の形状をより確実に維持する(がたつきも抑制する)ことができる。
また、折り畳みコンテナ1を組立状態とする際に、短辺側側壁部4が起立位置に変位させられるまでは、スライド側伸長壁21をスライドさせて長辺側側壁部3を自由に伸縮させることができる。さらに、例えば、長辺側側壁部3において単独でスライド側伸長壁21のスライドを防止するための構成を別途設けた場合のように、折り畳みコンテナ1を組み立てたり、折畳んだりする際に、スライド側伸長壁21のスライドが許容される状態と、スライドが防止される状態とに切り替えるための作業を行わなくとも済む。従って、組み立て、及び、折り畳みに際しての作業性の向上を図ることができる。
また、スライド側伸長壁21に設けられ、短辺側側壁部4の外側への傾倒変位(外倒れ)を防止することのできるスライド側第1係合凸部52及びスライド側第2係合凸部53によって、短辺側側壁部4の展開側伸長壁41が基準位置及び伸長位置のどちらにあっても、短辺側側壁部4の傾倒変位を効果的に防止することのできる短辺側側壁部4の上側の部位を支持することができる。特に、短辺側側壁部4の展開側伸長壁41は、展開側ベース壁31に対して回動可能に設けられることから、展開側伸長壁41が伸長位置にある状態において、スライド側第1係合凸部52によって展開側伸長壁41を支持することにより、展開側伸長壁41のばたつき等をより確実に防止することができる。さらに、伸長位置にある展開側伸長壁41に対してコンテナ外周側への力が加えられた際に、スライド側第1係合凸部52により展開側伸長壁41を支持することができることから、展開側ベース壁31と展開側伸長壁41との連結部(伸長用ヒンジ部43及び軸受部37)等の損傷を抑制することができる。また、例えば、短辺側側壁部4の展開側伸長壁41が基準位置にあるとき用の長辺側係合部51と、展開側伸長壁41が伸長位置にあるとき用の長辺側係合部51とを別々に設けるような場合に比べ、構成の簡素化を図ることができ、生産性の向上、コストの抑制等を図ることができる。
さらに、短辺側側壁部4は、展開側伸長壁41が展開側ベース壁31の内面側に折り畳み(収容)可能に構成されていることから、展開側伸長壁41が基準位置及び伸長位置のどちらにあっても、係止片71で展開側伸長壁41の内側への傾倒変位(内倒れ)を防止するだけで、展開側ベース壁31の傾倒変位を直接的に防止しなくても、短辺側側壁部4全体の傾倒変位を確実に防止することができる。また、係止片71はスライド側伸長壁21に設けられ、展開側伸長壁41及びスライド側伸長壁21が基準位置及び伸長位置のどちらにあっても、同じ係止片71によって、展開側伸長壁41の内側面を支持して、短辺側側壁部4の内倒れを防止するようになっている。従って、展開側伸長壁41が基準位置にあるとき用の係止片と、展開側伸長壁41が伸長位置にあるとき用の係止片とを別々に設けるような場合に比べ、構成の簡素化を図ることができ、生産性の向上、コストの抑制等を図ることができる。
また、係止片71によって展開側伸長壁41を支持して短辺側側壁部4の内倒れを防止する構成であることから、展開側伸長壁41がばたついてしまうといった事態を防止することができるとともに、展開側伸長壁41が伸長位置にある状態において、短辺側側壁部4の傾倒変位を効果的に防止することのできる短辺側側壁部4の上側の部位を支持することができる。さらに、展開側伸長壁41が基準位置及び伸長位置のどちらにあっても、起立位置にある短辺側側壁部4を内側に倒すことができる状態とするための操作(係止片71を撓ませる操作)が同じであるため、作業者は操作方法に混乱することなく、比較的スムースに折り畳みコンテナ1を折り畳むことができる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態において、折り畳みコンテナ1の組立状態における長辺側側壁部3と短辺側側壁部4との相対変位を防止するための構成、より具体的には、短辺側側壁部4の外側への傾倒変位を防止するための構成、短辺側側壁部4の内側への傾倒変位を防止するための構成、及び、長辺側側壁部3のスライド側伸長壁21のスライドを防止するための構成については特に限定されるものではない。以下、別の態様例について、図15〜図21を参照して説明する。尚、便宜上、図15〜図17、図19については紙面手前側に位置する長辺側側壁部3の図示を省略し、図18については紙面奥側に位置する長辺側側壁部3の図示を省略している。
図15、図16等に示す折り畳みコンテナ1は、係止片71が省略されている代わりに、短辺側側壁部4の内倒れ等を防止するためのロック機構が設けられている。ロック機構は、展開側伸長壁41の左右両側部近傍位置に設けられ、展開側伸長壁41の側面から出没可能に構成された一対のスライド片82と、スライド側伸長壁21の前記スライド片82に対応する位置に形成されたロック穴83(図16、図21等参照)とを備えている。
図20等に示すように、展開側伸長壁41には、スライド片82を収容可能に構成され、かつ、スライド片82の左右方向へのスライドを許容するスライド収容部91が形成されている。スライド収容部91は、展開側伸長壁41の厚み方向に貫通する操作対応部92と、操作対応部92と展開側伸長壁41の側面とを連通させる連通部93とを備えている。スライド収容部91は、展開側伸長壁41(伸長壁本体42)の高さ方向中央部に形成されており、操作対応部92から伸長壁本体42の上辺部までの距離と、操作対応部92から伸長壁本体42の下辺部までの距離とが同じとなるように構成されている。
スライド片82は、略矩形板状をなし、表裏両面の中央部を含む部位が一段低く形成された操作部85と、操作部85の側辺部から側方に突出する作用部86とを備えている。操作部85の上面及び下面にはスライドリブ87が設けられており、それぞれスライド収容部91の操作対応部92の上縁部及び下縁部に形成されたスライド溝94に挿入されることで、スライド片82のスライド収容部91からの脱落が防止されつつ、スライド片82のスライド動作がガイドされるようになっている。
また、スライド片82は、作用部86全体がスライド収容部91の内側に収まる(展開側伸長壁41の側辺部から突出しない)解除位置(図16等参照)と、作用部86の先端部が展開側伸長壁41の側辺部から突出するロック位置(図15等参照)との間で変位可能に構成されている。そして、長辺側側壁部3を起立させた後に、短辺側側壁部4を起立させ、スライド片82をロック位置へと変位させることで、スライド片82の作用部86が、スライド側伸長壁21のロック穴83に挿入される(図21参照)。これにより、短辺側側壁部4の内倒れが防止されるとともに、短辺側側壁部4の外倒れ、及び、スライド側伸長壁21のスライド変位が防止されることとなる。
また、図17、図18等に示すように、本態様例では、展開側ベース壁31のうち展開側伸長壁41が基準位置にある場合においてスライド片82の操作部85(スライド収容部91の操作対応部92)に対向する部位において、展開側ベース壁31の厚み方向に貫通する操作用開口部96が形成されている。このため、展開側伸長壁41が基準位置にある状態であっても、短辺側側壁部4の外面側からスライド片82を操作することができ、作業性の向上を図ることができる。
尚、上記(a)の態様例では、スライド片82をロック穴83に挿通させることで、短辺側側壁部4の内倒れを防止するだけでなく、短辺側側壁部4の外倒れや、スライド側伸長壁21のスライド変位をも防止することができる。このため、長辺側係合部51及び短辺側係合部61を省略することも可能である。但し、短辺側側壁部4に対して収容した物品から外向きへの力が加えられた場合や、物品を収容した状態で長辺側側壁部3を掴んで持ち上げる場合等において、スライド片82やロック穴83への負担が大きくなり過ぎないように(損傷のリスクを低減させるべく)、長辺側係合部51及び短辺側係合部61を設ける方が望ましい。特に、短辺側側壁部4を起立位置へと変位させる際に、短辺側側壁部4の上辺部近傍部位の位置決めを行うべく、短辺側側壁部4の外倒れを防止するための構成(長辺側側壁部3に設けられた係止壁部57で、短辺側側壁部4の外面側を支持する構成)を設ける方が望ましい。
尚、上記(a)の態様例において、スライド片82をロック位置、及び、解除位置において(簡易的に)保持可能な構成を設けることとしてもよい。例えば、作用部86の付根部を先端部側よりも若干厚肉とし、スライド片82をロック位置に変位させることで、作用部86の付根部が連通部93に圧入されるように構成してもよい。また、例えば、操作対応部92に形成されるスライド溝94のうちスライド側伸長壁21の横幅方向中央部側の部位の溝幅をその他の部位に比べて狭く構成してもよい。
尚、上記(a)の態様例のスライド収容部91は、展開側伸長壁41が基準位置にあるときの内側面、かつ、展開側伸長壁41が伸長位置にあるときの外側面に開口しているだけではなく、その反対面側にも開口しているが、前者の面に開口しているだけでもよい。また、展開側ベース壁31の操作用開口部96を省略してもよい。この場合、操作用開口部96に収容物が引っ掛かったり、操作用開口部96を介して外部から埃等が侵入したりするといった事態を回避することができる。
(b)上記実施形態では、短辺側側壁部4が展開することで(展開側伸長壁41が回動することで)伸長し、長辺側側壁部3がスライドすることで伸長するように構成されているが、長辺側側壁部3が展開することで伸長し、短辺側側壁部4がスライドすることで伸長するように構成してもよい。但し、展開することで伸長する側壁部の起立させたり、寝かせたりする際の回動操作性や、外倒れを防止するための構成の簡素化等の観点から、展開することで伸長する相対する一対の側壁部が、残りの一対の側壁部よりも先に畳まれる構成とすることが望ましい。
(c)また、上記実施形態では、折り畳みコンテナ1を折り畳み状態とした場合に、短辺側側壁部4同士の高さ位置、及び、長辺側側壁部3同士の高さ位置がそれぞれ揃うように(上辺部同士が対向するように)構成されているが、一方の短辺側側壁部4の上側に他方の短辺側側壁部4が重なったり、一方の長辺側側壁部3の上側に他方の長辺側側壁部3が重なったりするように構成してもよい。例えば、スライド側伸長壁21を基準位置とした場合の高さが一対の長辺側側壁部3間の距離よりも若干短くなるように構成し、長辺側側壁部3の高さが一対の長辺側側壁部3間の距離よりも長くなるような箱型形状に組み立て可能な折り畳みコンテナ1を得ることができる。
加えて、底壁部2が略正方形板状に構成されたり、全ての側壁部の横幅がほぼ同じに構成されたりする折り畳みコンテナに適用することも可能である。また、上記実施形態では、短辺側側壁部4が2つの展開側ベース壁31及び展開側伸長壁41によって2つ折りに構成されているが、展開側伸長壁41に対してさらに壁部が回動可能に取付けられる等して、3つ折り以上に構成されてもよい。
(d)上記実施形態では、短辺側側壁部4の展開側伸長壁41が展開側ベース壁31の内面側に折り畳まれる(収容される)ように構成されているが、展開側伸長壁41が展開側ベース壁31の外面側に折り畳まれるように構成してもよい。また、かかる構成を採用する場合、係止片71を、上記実施形態と同様に、伸長位置にある展開側伸長壁41の内側面に当接して支持するように構成してもよいし、伸長位置にある展開側伸長壁41の外側面に当接して支持するように構成してもよい。但し、前者の構成を採用する場合、短辺側側壁部4(展開側ベース壁31)を完全に起立位置とする前に展開側伸長壁41を伸長位置に変位させる必要があり、後者の構成を採用する場合、展開側伸長壁41を係止片71よりも外方に潜らせることができるように、短辺側側壁部4(展開側ベース壁31)をある程度起立位置側に変位させた後に展開側伸長壁41を伸長位置に変位させる必要がある。
このように、展開側伸長壁41が展開側ベース壁31の外面側に畳まれる構成を採用する場合には、展開側伸長壁41を伸長させる手順を間違えると展開側伸長壁41を伸長位置へと変位させることができなくなるため、上記実施形態のように、手順を問わない展開側伸長壁41を展開側ベース壁31の内面側に畳む構成を採用することが望ましい。また、展開側伸長壁41が展開側ベース壁31の外面側に畳まれる構成を採用する場合には、上記実施形態のように展開側伸長壁41の内面側のみを支持して内倒れを防止するだけでは、短辺側側壁部4に対して外方から内向きに力が加えられた場合に、展開側ベース壁31と展開側伸長壁41との連結部において屈曲し、内倒れを起こしてしまうおそれがあるため、展開側ベース壁31の内倒れを防止する構成を追加しなければならない。従って、上記実施形態のように、展開側伸長壁41を展開側ベース壁31の内面側に畳む構成を採用することが望ましい。
ところで、操作性だけに着目した場合、側壁部としては、回動可能に設けられた壁部を上方に展開するようにして伸長させる構成よりも、全てスライド伸縮可能に構成することも考えられる。しかしながら、長辺側側壁部3及び短辺側側壁部4の両方をスライド伸縮可能に構成する場合には、スライドを防止するための比較的頑丈な構成を別途設ける必要が生じる等、種々の不具合が生じてしまう。それ故、上記実施形態のように、スライドで伸縮可能な側壁部と、スライドすることなく、上辺部に沿って回動する側壁部を備えることで伸縮可能な側壁部とを併せ持つ構成とするのが望ましい。
(e)上記実施形態において、伸長位置にあるスライド側伸長壁21をその位置で簡易的に保持可能な簡易保持手段を設けることとしてもよい。この場合、折り畳みコンテナ1の組立作業性及び折り畳み作業性の向上等をより一層図ることができる。尚、短辺側側壁部4が起立位置にない状態では、簡易保持手段によって伸長位置において簡易的に保持されているスライド側伸長壁21に対して下向きに所定強さの力を加えることで、スライド側伸長壁21を基準位置側に変位させることができるように構成する。態様例としては、例えば、ガイド孔25の下端部の幅を比較的小さく構成し、スライド側伸長壁21が伸長位置へと変位した場合に、リベット26がガイド孔25の下端部に圧入されるように構成してもよい。また、例えば、ガイドレール24の下端部の幅を比較的大きく構成し、スライド側伸長壁21が伸長位置へと変位した場合に、ガイドレール24の下端部がガイド凹部17の内側に圧入されるように構成してもよい。
(f)上記実施形態において、展開側伸長壁41を伸長位置へと回動変位させることで、スライド側伸長壁21についても伸長位置へと付随的に変位させることのできる伸長連動手段を設けることとしてもよい。この場合、展開側伸長壁41を伸長位置へと回動変位させるだけで、一対のスライド側伸長壁21についても伸長位置へとスライド変位させることができ、組立作業時の作業性の向上をより一層図ることができる。態様例としては、例えば、スライド側伸長壁21の上辺部両側部に沿って内面から突出するガイドリブを設け、短辺側側壁部4の展開側伸長壁41を基準位置から伸長位置へと回動変位させる際に、展開側伸長壁41がガイドリブの下面に摺接し、これに伴ってスライド側伸長壁21が持ち上がるように構成してもよい。
(g)上記実施形態では、折り畳みコンテナ1はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。
(h)上記実施形態では、リベット26を用いることとしているが、リベット26と同様の、或いは、リベット26に準ずる突起を、本体12の側面に一体的に形成することとしてもよい。