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JP5991892B2 - 加湿器 - Google Patents

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Description

本発明は、貯水槽に一部が浸水した加湿フィルタに通風して加湿を行う加湿器に関する。
貯水槽に一部が浸水した加湿フィルタに空気を通流させることにより、空気を加湿する加湿器が提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に係る加湿器は、上部が開口した貯水槽と、水位を一定に保持するように貯水槽に水を供給する給水タンクと、貯水槽に下部が浸水し、上部を空気が通過するように保持された加湿フィルタとを備える。貯水槽の底部には、給水タンクの給水口の縁に倣って形成された円形の凹状をなす受水部と、加湿フィルタの下部が浸かるように形成された横長凹部と、受水部及び横長凹部を連通し、受水部で受けた水を横長凹部へ流す通水溝とが形成されている。給水タンクから貯水槽への給水は、受水部の水位が給水口に達するまで続き、水位が給水口に達すると自動的に停止する。加湿が進み、貯水槽の水位が低下すると、再び貯水槽への給水が行われ、水位が一定に保たれる。給水は、通水溝と給水口との隙間を通じて給水タンク内に入り込んだ空気と、該給水タンク内の水とが置換されることによって行われる。特許文献1によれば、貯水槽の底部全体に水を貯留せず、受水部及び通水溝を用いて横長凹部へ水を供給するように構成してあるため、貯水槽に貯留される水の量を抑えることができ、転倒時に貯水槽から溢れる水の量を少なくすることができる。
特許第4401695号公報
しかしながら、特許文献1に係る加湿器においては、受水部の形状が、給水タンクの吸水口に倣う円形であるため、設置された加湿器の傾き具合によっては、給水口に空気が入り込む通水溝側の水位が上昇して空気の導入経路が塞がれ、給水が円滑に行われなくなるという問題があった。なお、受水部の通水溝が設けられていない周縁部分と、給水口との間隙は狭く、水の表面張力によって、該周縁部分からの空気の導入も円滑に行われない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、貯水槽の底部に受水部及び通水溝を設けることによって貯水槽に貯留する水の量を抑えることができ、しかも加湿器の傾きに拘わらず、給水を円滑に行うことができる加湿器を提供することにある。
本発明に係る加湿器は、空気の吸込口、通流路及び吹出口を有する筐体と、空気を前記通流路に通流させる送風機と、空気を加湿するための水を貯留する貯水槽と、該貯水槽の底部側へ突出した給水口を有し、該貯水槽に給水する給水タンクと、前記貯水槽に一部が浸水し、他の一部が前記通流路に位置するように配された加湿フィルタとを備える加湿器において、前記貯水槽の底部は、前記給水口よりも一回り大きく、該給水口の縁に倣って形成された凹状をなし、該給水口から供給された水を受ける円形の受水部と、前記加湿フィルタの前記一部を浸す水が溜まる貯水凹部と、前記受水部及び前記貯水凹部を連通し、前記受水部で受けた水を前記貯水凹部へ流す通水溝と、前記受水部の周縁に設けられており、給水時に前記給水口から前記給水タンクへ空気を導入するための複数の空気導入凹部とを備え、前記複数の空気導入凹部と、前記通水溝とが前記受水部の周縁に等配されていることを特徴とする。
本発明によれば、通水溝とは別に受水部の周縁に空気導入凹部が設けられている。加湿器が傾き、通水溝側からの空気の導入が困難になった場合であっても、空気導入凹部を通じて空気が給水口から給水タンク内に導入され、該空気と、給水タンク内の水とが置換される。
本発明にあっては、受水部は円形であって、複数の空気導入凹部と、通水溝とが受水部の周縁に等配されている。従って、加湿器が通水溝に沿った方向、又はその他の方向に傾斜しても空気導入凹部又は通水溝を通じて空気が給水口から給水タンク内に導入され、該空気と、給水タンク内の水とが置換される。
本発明に係る加湿器は、前記空気導入凹部及び前記通水溝の間に前記受水部が位置することを特徴とする。
本発明によれば、空気導入凹部は受水部を介して前記通水溝の反対側に設けられているため、加湿器が通水溝に沿った方向に傾斜して通水溝側からの空気の導入が困難になった場合であっても、その反対側にある空気導入凹部を通じて空気が給水口から給水タンク内に導入され、該空気と、給水タンク内の水とが置換される。
本発明に係る加湿器は、前記空気導入凹部は、前記受水部の中心側より、前記受水部から離隔した部位の方が浅い傾斜底を有することを特徴とする。
本発明にあっては、空気導入凹部は、受水部の中心から離れる程、浅くなる傾斜底を有するため、空気導入凹部に溜まる水の量を抑えることが可能である。
本発明に係る加湿器は、前記通流路の途中に配され、帯電粒子を発生させる帯電粒子発生部を備え、該帯電粒子発生部が発生させた帯電粒子を含む空気を前記吹出口から吹き出すようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、帯電粒子を含み、加湿された空気が吹出口から吹き出される。
本発明にあっては、貯水槽の底部に受水部及び通水溝を設けることによって貯水槽に貯留する水の量を抑えることができ、しかも加湿器の傾きに拘わらず、給水を円滑に行うことができる。
本実施の形態に係る加湿送風機の一構成例を示す斜視図である。 加湿送風機の一構成例を示す側面図である。 加湿送風機の一構成例を示す側断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 給水タンクを取り外した加湿送風機の斜視図である。 給水タンク及び第2筐体部分を取り外した加湿送風機の斜視図である。 給水タンクないし集塵フィルタを取り外した加湿送風機の斜視図である。 給水タンクないし覆体を取り外した加湿送風機の斜視図である。 貯水槽の一構成例を示す斜視図である。 貯水槽の一構成例を示す平面図である。 図10のXI−XI線断面図である。 覆体の一構成例を示した斜視図である。 集塵フィルタの一構成例を示した斜視図である。 集塵フィルタの一構成例を示した正面図である。 帯電粒子発生ユニットの回路図である。 変形例1に係る貯水槽を示す平面図である。 変形例2に係る貯水槽を示す平面図である。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は、本実施の形態に係る加湿送風機の一構成例を示す斜視図、図2は加湿送風機の一構成例を示す側面図である。本実施の形態に係る加湿送風機は全体形状が楕円柱状であり、正帯電粒子及び負帯電粒子を含む加湿された空気を送風することによって、肌表面における水分量を増加させ、肌弾力を向上させることができる美容器具である。加湿送風機は、長径方向一端部を欠いた平面視楕円形をなす半楕円柱状の筐体1を備える。筐体1は、両側面と、天面の長径方向他端部とにそれぞれ空気の吸込口12a及び吹出口11aを有する。筐体1の前記長径方向一端部には、給水タンク3及び貯水槽2がそれぞれ上下に配され、筐体1、貯水槽2及び給水タンク3全体で楕円柱状をなしている。
以下、説明の便宜上、方向を以下のように定める。即ち、図示しない台に加湿送風機を設置した状態で、接地面側を下方、吹出口11a側を上方、前記長径方向一端側を後方、前記長径方向他端側を前方、加湿送風機の前面に向かって左側及び右側を左方向及び右方向と定める。なお、左右方向を横方向と言う。
図3は、加湿送風機の一構成例を示す側断面図、図4は、図2のIV−IV線断面図、図5は、給水タンク3を取り外した加湿送風機の斜視図、図6は、給水タンク3及び第2筐体部分12を取り外した加湿送風機の斜視図、図7は、給水タンク3ないし集塵フィルタ5を取り外した加湿送風機の斜視図、図8は、給水タンク3ないし覆体4を取り外した加湿送風機の斜視図である。図3中、破線で示した矢印は、筐体1の内部に形成された通流路10を通流する空気の流れを示している。
<筐体及びその内部構成>
筐体1は、加湿送風機の前側半分を構成する第1筐体部分11と、後側部分を構成する第2筐体部分12とで構成される。第1筐体部分11は、平面視が略半楕円状であり、第1筐体部分11の内部空間と、第2筐体部分12で構成される空間とを隔てる隔壁11bを有する。隔壁11bで隔てられた第1筐体部分11の内部空間には、帯電粒子の生成及び送風を行う電気系構成部品が収容されており、隔壁11bで隔てられた第2筐体部分12の内部空間には、加湿を行う非電気系構成部品が収容されている。
隔壁11bは、後述する加湿フィルタ6及び貯水槽2の一部が収まる縦長長方形状の矩形凹部を有する。矩形凹部は、隔壁11bの上下方向略中央部から底板に亘って形成されている。矩形凹部の奥面の略中央部には、第2筐体部分12から第1筐体部分11へ空気を通流させるための通流孔11cが形成されている。通流孔11cは、例えば複数の同心円弧状のスリットで構成される。
通流孔11cの前方、つまり第1筐体部分11の内部には略直方体形状のファン収容部11dが形成されており、該ファン収容部11dには送風機7が収容されている。送風機7は例えばシロッコファンである。シロッコファンは、羽根が周設された円筒部材、該円筒部材を回転させるモータ、整流器によって構成されている。送風機7の吸気口は通流孔11cに対向しており、送風機7は通流孔11cを通じて空気を吸い込み、吸い込まれた空気の通流方向は整流器によって上向きに整流され、空気が上方へ送風される。ファン収容部11dの上部は開口しており、分流路11eを通じて四角筒状の帯電粒子発生室11fに連通している。分流路11eには、送風機7から送風された空気の流れを、正帯電粒子が発生している箇所に通じる第1の経路と、負帯電粒子が発生している箇所に通じる第2の経路に分流する分流板13が設けられている。具体的には、分流板13は、分流路11eを横方向に隔てる板部材であり、送風機7から送風された空気を分流路11eの左側の経路と、分流路11eの右側の経路とへ分流する。
帯電粒子発生室11fの後方には、帯電粒子を発生させる帯電粒子発生ユニット8を保持するユニット保持部11hが設けられている。ユニット保持部11hは前後両端が開口した略角筒状である。ユニット保持部11hの後方の開口は、隔壁11bの矩形凹部の上方に形成されており、帯電粒子発生ユニット8が後方から挿脱可能に挿入される挿入口として機能する。ユニット保持部11hの前方の開口は、帯電粒子発生室11fの後面に形成されており、ユニット保持部11hに保持された帯電粒子発生ユニット8の前部が帯電粒子発生室11fに露出している。帯電粒子発生ユニット8の前部には、図4に示すように、正帯電粒子を発生させる正極針86と、負帯電粒子を発生させる負極針87とが横方向に離隔して設けられている。つまり、帯電粒子発生ユニット8の正極針86及び負極針87は、帯電粒子発生室11f側に露出しており、正極針86及び負極針87で発生した正帯電粒子及び負帯電粒子がそれぞれ帯電粒子発生室11f内部に放出されるように構成されている。ユニット保持部11hに保持された帯電粒子発生ユニット8は、図示しない制御回路基板又は電源回路に接続され、給電される。帯電粒子発生ユニット8の回路構成の詳細は後述する。なお、図4においては、正極針86及び負極針87は断面として表れないが、発明の理解を助けるために正極針86及び負極針87の位置を仮想的に描いている。
また、帯電粒子発生ユニット8の正極針86及び負極針87よりも上方であって、帯電粒子発生室11f内の前部には、帯電粒子の濃度を検出する帯電粒子センサ9が設けられている。帯電粒子センサ9は図示しない制御回路基板に接続され、制御回路は帯電粒子発生ユニット8の動作状態、帯電粒子発生ユニット8の交換時期などの管理を行っている。更に、帯電粒子発生室11fには、帯電粒子センサ9と、帯電粒子発生ユニット8との間に配され、帯電粒子発生ユニット8から帯電粒子センサ9への帯電粒子の拡散を抑制する抑制板91が配されている。抑制板91は、帯電粒子発生室11fの上部及び下部にそれぞれ位置する上部抑制板91a及び下部抑制板91bで構成される。
上部抑制板91aは、横長長方形状をなし、横方向正極針86寄りに位置している。より具体的には、上部抑制板91aの横幅は帯電粒子発生室11fの横幅の略半分であり、一短辺の横方向位置が分流板13の上端部の横方向位置と略一致するように配され、正極針86側の空気の流路を前後に隔てている。また、上部抑制板91aは下長辺の両端に矩形状の切り欠き部91cを有している。
下部抑制板91bは、横長長方形をなし、上辺が上部抑制板91aの下辺にほぼ接するように配されている。より具体的には、上部抑制板91aの横幅は帯電粒子発生室11fの横幅と略同一であり、下辺が分流板13の上端部に位置し、正極針86及び負極針87に対向している。また、下部抑制板91bの横方向略中央部の下部には、下向き凹形状の切り欠きが設けられている。該切り欠きの上端部の位置は、正極針86及び負極針87の上下位置と略同一であり、切り欠きの横幅は、正極針86及び負極針87の距離の略3分の1である。切り欠きは、正極針86及び負極針87間の略中央部の横方向位置にあり、横方向一端部は分流板13の上端部分に位置し、他端部は帯電粒子発生室11fの正極針86寄りに位置している。
帯電粒子センサ9は、横方向正極針86寄り、上部抑制板91aの前方に位置している。また、帯電粒子センサ9は、正帯電粒子を捕捉する受感部に相当する正帯電粒子センサ部9aを、正極針86の上方に有する。
帯電粒子発生室11fは上方が開口しており吹出口11aに連通している。また、帯電粒子発生室11fの上方の開口には、横方向に複数の整流板11gが並設されている。更に、吹出口11aには円盤状の風向板14が俯仰可能に設けられている。風向板14を俯仰させることによって、吹出口11aから吹き出される風向を変更することができる。
更に、第1筐体部分11は下端部から後方へ突出しており、貯水槽2が載置される底板部11iを有する。底板部11iには、該底板部11iに載置された貯水槽2の底を係止する貯水槽係止爪11jが設けられている。
第2筐体部分12は、第1筐体部分11の底板部11iに載置された貯水槽2の前部を取り込むようにして、第1筐体部分11の後部を覆うことにより、加湿空間を構成している。具体的には、第2筐体部分12は、吹出口11aを有する縦長の側面壁12bと、筐体天面12cと、後側を覆う筐体後面壁12dとで構成されている。吹出口11aは、側面壁12bの上部及び下部に亘って形成された単一のスリット状をなし、第1筐体部分11と、第2筐体部分12との接合部分に形成されている。具体的には、吹出口11aは、第2筐体部分12を構成する側面壁12bの前端部の一部を、第1筐体部分11との間に間隙ができるように横方向内側へ湾曲させた湾曲板によって構成されている。
<貯水槽及び給水タンク>
図9は、貯水槽2の一構成例を示す斜視図、図10は、貯水槽2の一構成例を示す平面図、図11は、図10のXI−XI線断面図である。貯水槽2は、上部が開口しており、空気を加湿するための水を貯留している。貯水槽2は、図5及び図10に示すように筐体1の内部に取り込まれる平面視矩形状の前部と、筐体1から後方へ突出する平面視半円弧状の後部とで構成されている。貯水槽2は斯かる平面形状を有する底部21と、該底部21の周縁を囲む貯水壁22とを有する。
底部21は、後述の受水部21b及び通水溝21eが形成される平面視矩形状の底面21aを有する。底面21aは、後端部から前部の途中に亘って、横方向略中央部に形成されており、貯水壁22から適宜長離隔するような横幅を有している。底面21aの前方、即ち貯水槽2の前端部には略直方体の加湿フィルタ6の下部が嵌合する平面視矩形状のフィルタ嵌合凹部(貯水凹部)21fが形成されている。フィルタ嵌合凹部21fは、横方向両端に亘って形成されおり、底面21aよりも深く窪んでいる。なお、フィルタ嵌合凹部21fの形状は、必ずしも加湿フィルタ6の下部が嵌合する形状である必用は無く、少なくとも、加湿フィルタ6の下部を浸す水が溜まる凹形状であれば良い。また、貯水壁22の内側の全周に亘って底面21aよりも高い上段底面部21gが形成されている。上段底面部21gは、後述する覆体4を支持すると共に、加湿送風機が傾いた際に水が溢れにくくするための構造である。
貯水槽2の底面21aの後側部分には、給水タンク3から供給された水を受ける受水部21bが形成されている。給水タンク3は、図1及び図3に示すように平面視が貯水槽2と略同形の半円柱状をなすタンク本体31と、タンク本体31から下方へ突出した給水口32とを有する。給水口32はタンク本体31に螺合しており、給水口32を開閉させるための開閉棒33が進退可能に設けられている。開閉棒33は図示しない付勢手段によって閉方向に付勢されており、付勢力に抗して開閉棒33を押し込むことによって、給水口32が開口するように構成されている。受水部21bは、給水タンク3の給水口32の縁に倣って形成された円形の凹部である。つまり、受水部21bは、給水口32よりも一回り大きい円形の凹部である。受水部21bの中心は貯水槽2の横方向略中央部に位置しており、受水部21bの中央には、給水口32を開口させるための受水棒21cが上方へ突出している。貯水槽2の上部に給水タンク3が載置された場合、受水棒21cによって給水口32の開閉棒33が開方向へ押し込まれ、給水口32が開口する。
また、貯水槽2の底面21aには、受水部21bと、フィルタ嵌合凹部21fとを連通し、受水部21bで受けた水をフィルタ嵌合凹部21fへ流す通水溝21eが形成されている。より具体的には、通水溝21eは前後方向に長い直線状であり、貯水槽2の横方向略中央部に形成されている。また、通水溝21eは、受水部21b側よりもフィルタ嵌合凹部21f側の方が深くなるように傾斜している。
更に、受水部21bの周縁には、給水時に給水口32から前記給水タンク3へ空気を導入するための空気導入凹部21dが複数設けられている。例えば、図10に示すように3つの空気導入凹部21dと、通水溝21eとが受水部21bの周縁に等配されている。つまり、通水溝21eは受水部21bの前側に位置し、3つの空気導入凹部21dは受水部21bの横方向両側と、後側とに位置している。また、空気導入凹部21dは、受水部21bの中心より径方向外側の方が浅くなるように形成された傾斜底を有している。受水部21bの周方向及び径方向における空気導入凹部21dの幅は、通水溝21e部と同程度である。空気導入凹部21dの寸法は、加湿送風機が傾いた際にも、空気を給水タンク3内へ導入することが可能であれば特に限定されない。ただし、加湿送風機の転倒時に貯水槽2から溢れる水の量を減らすために、空気導入凹部21dは、空気導入可能な最小寸法で構成するのが望ましい。
貯水壁22は、後部を構成する平面視円弧状の後面壁22aと、前部を構成する側壁22b、22cと、第1筐体部分11の隔壁11bに対向する対向壁22dとを有する。対向壁22dは、貯水槽2が隔壁11bの通流孔11c側へ傾いた際に、通流孔11cに対向していない対向壁22dの部位から、貯留された水を外部へ漏出させる漏出部を有する。具体的には、対向壁22dの上部に段状部分22fが形成されて前方へ迫り出しており、平面視において隔壁11bに対して斜めに対向する傾斜壁部22eが対向壁22dに設けられている。段状部分22fは、前方の方が後方に比べて高くなるように構成されている。傾斜壁部22eの横方向一端部は隔壁11bに当接している。該一端部は隔壁11bに当接して、貯水槽2のガタつきを抑えるための当接部として機能する。また、傾斜壁部22eの前記一端部には、加湿送風機が傾いた際、貯留された水を前記貯水槽2の外へ伝わせ、効果的に漏出させるための漏出凹部22gが形成されている。なお、貯水槽2の水を貯水槽2の外へ伝わせる構造は凹形状に限定されず、凸部であっても良い。
<覆体>
図12は、覆体4の一構成例を示した斜視図である。加湿送風機は、貯水槽2の開口を覆うと共に、加湿フィルタ6及び集塵フィルタ5を保持する覆体4を備える。覆体4は、貯水槽2の開口に倣って形成された覆板41を備える。具体的には、覆板41は、貯水槽2と同様、前部が平面視矩形状、後部が平面視半円弧状である。覆板41は周縁部から下方へ突出した周壁41aを備え、周壁41aが貯水槽2の上段底面部21gに支持されている。また、覆板41の周縁部には周壁41aよりも外側へ突出した鍔部41bが形成され、貯水槽2からの水の漏出を防止している。
覆板41の後部には貯水タンクの給水口32が挿入される給水口挿入孔42が形成されている。また、覆板41の前部には加湿フィルタ6の下部が挿入されるフィルタ挿入孔43が形成されている。フィルタ挿入孔43は、平面視が横長長方形状であり、上方へ突出したリブ44が長辺の縁部分に形成されている。また、フィルタ挿入孔43の両短辺部分には、フィルタ挿入孔43に挿入された加湿フィルタ6を保持するフィルタ保持壁45が立設されている。各短辺部分に立設されたフィルタ保持壁45の上端部は横長の上板46によって接続されている。上板46の後側長辺の横方向略中央部には、集塵フィルタ5を固定するためのフィルタ係止突起46aが設けられている。また、フィルタ挿入孔43の後方の覆板41には、集塵フィルタ5固定用のフィルタ係止孔47が形成されている。更に、覆板41の前部と、後部との境界部分には、第2筐体部分12の筐体後面壁12dの下端部分を挾持する挾持部48が設けられている。
<集塵フィルタ>
図13は、集塵フィルタ5の一構成例を示した斜視図、図14は、集塵フィルタ5の一構成例を示した正面図である。覆板41の上面側には集塵フィルタ5が配されている。集塵フィルタ5は、空気中の塵埃を捕捉するフィルタ部材52と、フィルタ部材52を保持すると共に、加湿フィルタ6の両側面及び上面側を囲む枠体51とを備える。枠体51は、フィルタ保持壁45を横方向外側から覆う枠体側面部51aと、上板46の上側を覆う枠体天面部51bと、枠体側面部51a及び枠体天面部51bの後側縁部に連続的に設けられた格子枠51cとで構成されている。格子枠51cにはフィルタ部材52が設けられ、加湿フィルタ6の後面側がフィルタ部材52によって覆われる。枠体天面部51bの横方向略中央部にはフィルタ係止突起46aが嵌合する係止突起嵌合孔51dが形成されている。また、格子枠51cの下部、横方向略中央部には、フィルタ係止孔47に係止されるフィルタ係止爪51eが設けられている。フィルタ保持壁45及び上板46に集塵フィルタ5を被せて、上板46のフィルタ係止突起46aを係止突起嵌合孔51dに嵌合させ、フィルタ係止爪51eをフィルタ係止孔47に挿入して係止させることによって、集塵フィルタ5を覆板41上に設置することができる。覆板41に立設された集塵フィルタ5の枠体側面部51a及び枠体天面部51bは筐体後面壁12dに当接し、格子枠51cの下辺も覆板41に当接しているため、塵埃が加湿フィルタ6を通じて、筐体1内部に流入することを防ぐことができる。
<帯電粒子発生ユニット>
図15は、帯電粒子発生ユニット8の回路図である。帯電粒子発生ユニット8は、図示しない制御回路基板に接続するための接続端81を有する。帯電粒子発生ユニット8の接続端81は、接続端81に入力される直流電圧を交流電圧に変換する直流交流変換回路82に接続されている。直流交流変換回路82の出力端には高圧トランス83の一次コイルが接続され、交流電圧が一次コイルに印加されるように構成されている。高圧トランス83の二次コイルの一端には整流ダイオード84が順接続され、整流ダイオード84のカソードに正極針86が接続されている。高圧トランス83の二次コイルの他端には整流ダイオード85が逆接続され、整流ダイオード85のカソードに負極針87が接続されている。また帯電粒子発生ユニット8は、回路基板に接続することで接地される接地板88を有する。接地板88は適宜長離隔して形成された孔を有し、各孔の中心に正極針86及び負極針87の先端が位置するように、接地板88並びに正極針86及び負極針87が位置決め固定されている。
このように構成された加湿送風機によれば、貯水槽2の底部21に受水部21b及び通水溝21eを設けることによって貯水槽2に貯留する水の量を抑えることができ、しかも加湿送風機の傾きに拘わらず、給水を円滑に行うことができる。
また、受水部21bの周縁に空気導入凹部21dが設けられているため、加湿器が傾き、通水溝21e側からの空気の導入が困難になった場合であっても、空気導入凹部21dを通じて空気が給水口32から給水タンク3内に導入され、給水を円滑に行うことができる。
更に、受水部21bは円形であって、3つの空気導入凹部21dと、通水溝21eとが受水部21bの周縁に等配されているため、加湿器が前後左右方向のいずれの方向に傾斜しても空気導入凹部21d又は通水溝21eを通じて空気が給水口32から給水タンク3内に導入され、給水を円滑に行うことができる。
更にまた、空気導入凹部21dは、受水部21bの中心から離れる程、浅くなる傾斜底を有するため、空気導入凹部21dに溜まる水の量を抑えることができ、転倒時に溢れる水の量を少なくすることができる。
なお、本実施の形態では3つの空気導入凹部21dを設ける例を説明したが、空気導入凹部21dの数、配置、形状はこれに限定されるものではない。以下、空気導入凹部21dに係る変形例を説明する。
(変形例1)
図16は変形例1に係る貯水槽102を示す平面図である。変形例1に係る貯水槽102は、実施の形態と同様、底部21及び貯水壁22を備え、底面21aには受水部21bが形成されている。受水部21bには、2つの空気導入凹部21dが、通水溝21eと共に3等配されている。つまり、受水部21bの周縁に、通水溝21eと、2つの空気導入凹部21dとが120度の間隔を空けて設けられている。
このように2つの空気導入凹部21dを設けた加湿送風機にあっては、加湿送風機が前後左右に傾いた場合であっても、通水溝21e、2つの空気導入凹部21dのいずれかから空気を導入することができ、より少数の空気導入凹部21dをもって、実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(変形例2)
図17は変形例2に係る貯水槽202を示す平面図である。
変形例2に係る貯水槽202は、実施の形態と同様、底部21及び貯水壁22を備え、底面21aには受水部21bが形成されている。受水部21bには、円弧状の空気導入凹部21dが、通水溝21eと対向するように設けられている。受水部21bの後側の周縁に、円弧状の空気導入凹部21dが設けられている。空気導入凹部21dは、受水部21bを中心にして左右方向にそれぞれ略60度、全体で120度の範囲に亘って形成されている。
このように空気導入凹部21dを設けた加湿送風機にあっては、加湿送風機が前後左右に傾いた場合であっても、通水溝21e、2つの空気導入凹部21dのいずれかから空気を導入することができ、より効果的に空気を導入することができ、加湿フィルタ6への給水を円滑に行うことができる。
1 筐体
2 貯水槽
3 給水タンク
4 覆体
5 集塵フィルタ
6 加湿フィルタ
7 送風機
8 帯電粒子発生ユニット
9 帯電粒子センサ
9a 正帯電粒子センサ部
10 通流路
11 第1筐体部分
11a 吹出口
11b 隔壁
11c 通流孔
11i 底板部
11j 貯水槽係止爪
12 第2筐体部分
12a 吸込口
13 分流板
21 底部
21a 底面
21b 受水部
21d 空気導入凹部
21e 通水溝
21f フィルタ嵌合凹部(貯水凹部)
21g 上段底面部
22 貯水壁
22d 対向壁
22e 傾斜壁部
22f 段状部分
22g 漏出凹部
31 タンク本体
32 給水口
41 覆板
42 給水口挿入孔
43 フィルタ挿入孔
44 リブ
51 枠体
52 フィルタ部材
86 正極針
87 負極針
91 抑制板
91a 上部抑制板
91b 下部抑制板
91c 切り欠き部

Claims (4)

  1. 空気の吸込口、通流路及び吹出口を有する筐体と、空気を前記通流路に通流させる送風機と、空気を加湿するための水を貯留する貯水槽と、該貯水槽の底部側へ突出した給水口を有し、該貯水槽に給水する給水タンクと、前記貯水槽に一部が浸水し、他の一部が前記通流路に位置するように配された加湿フィルタとを備える加湿器において、
    前記貯水槽の底部は、
    前記給水口よりも一回り大きく、該給水口の縁に倣って形成された凹状をなし、該給水口から供給された水を受ける円形の受水部と、
    前記加湿フィルタの前記一部を浸す水が溜まる貯水凹部と、
    前記受水部及び前記貯水凹部を連通し、前記受水部で受けた水を前記貯水凹部へ流す通水溝と、
    前記受水部の周縁に設けられており、給水時に前記給水口から前記給水タンクへ空気を導入するための複数の空気導入凹部と
    を備え
    前記複数の空気導入凹部と、前記通水溝とが前記受水部の周縁に等配されている
    ことを特徴とする加湿器。
  2. 前記空気導入凹部及び前記通水溝の間に前記受水部が位置する
    ことを特徴とする請求項1に記載の加湿器。
  3. 前記空気導入凹部は、
    前記受水部の中心側より、前記受水部から離隔した部位の方が浅い傾斜底を有する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加湿器。
  4. 前記通流路の途中に配され、帯電粒子を発生させる帯電粒子発生部を備え、
    該帯電粒子発生部が発生させた帯電粒子を含む空気を前記吹出口から吹き出すようにしてある
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一つに記載の加湿器。
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