以下に、本発明に係る運転支援装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
まず図1を参照して、本発明の一実施形態に係る運転支援装置の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る運転支援装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、運転支援装置1は、自車両としての車両2に搭載され、先行車認識装置3と、先読み情報取得装置4と、運転状態検出装置5と、ECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)6と、HMI(Human Machine Interface)装置7とを備える。
運転支援装置1は、先行車認識装置3、先読み情報取得装置4、運転状態検出装置5により取得される情報に基づいて、ECU6がHMI装置7を制御し種々の運転支援情報を車両2の運転者に提示させることで、運転者による車両2の安全な運転を支援するものである。また、運転支援装置1は、ECU6が車両2のエンジン8やトランスミッション9、モータジェネレータ10、油圧ブレーキ11を適宜制御することで、車両2の安全な運転を支援するものである。
特に本実施形態では、運転支援装置1は、車両2の走行経路に応じて車速パターンを生成して、この生成した速度パターンに従って車両2が走行するよう、運転者に対して運転支援を行なう。運転支援装置1は、例えば、生成した速度パターンを目標速度制御量として、この目標速度制御量を達成できるよう支援する。
車両2は、駆動輪を回転駆動させるための走行用駆動源としてエンジン8とモータジェネレータ9とを備えるハイブリッド車両である。車両2は、エンジン8から出力される動力をトランスミッション9により適切な駆動力に変換して、駆動輪にこの駆動力を伝達して走行する。トランスミッション9は、変速比の異なる複数のギヤ段を有し、車両2の走行状態に応じて適切なギヤ段に変速されることで、所望の駆動力を出力することができる。車両2は、エンジンを可及的に効率の良い状態で運転する一方、動力やエンジンブレーキ力の過不足をモータジェネレータ10で補うことができる。車両2は、走行中にモータジェネレータ10による回生発電を行なうことができる。
先行車認識装置3は、車両2の前方を走行する先行車を認識し、先行車に関する情報(車両2と先行車との車間距離や、車両2に対する先行車の相対速度)を検出する。先行車認識装置3は、具体的には、周辺の車両や障害物、歩行者などの外乱を認識できるステレオカメラやミリ波レーダ等により実現される。
先読み情報取得装置4は、車両2の走行経路の先読み情報を取得する。先読み情報とは、車両2の現在位置よりも先の走行経路における勾配や曲率半径等の走行路情報である。先読み情報取得装置4は、自車位置を検出し、この自車位置に基づいて走行経路の地図情報を参照することで、先読み情報を検出することができる。先読み情報取得装置4は、例えば自車位置情報と走行経路の地図情報の検出が可能なカーナビゲーションシステムを利用することで実現できる。
運転状態検出装置5は、車両2の運転状態に関する各種情報を検出する。運転状態検出装置5は、具体的には、アクセル開度やブレーキ踏力などのドライバ操作状態や、エンジン回転数、駆動力、回生量などの車両2のパワートレインの制御状態や、車両2の車速や加速度などの走行状態など、車両2の運転状態全般に係る情報を検出するセンサ類により構成される。
ECU6は、車両2の各種の状態検出装置から入力される各種情報に基づいて、車両2の各部の制御を行う。ECU6には、先行車認識装置3、先読み情報取得装置4、運転状態検出装置5、HMI装置7、エンジン8、トランスミッション9、モータジェネレータ10、油圧ブレーキ11がそれぞれ接続されている。
本実施形態では、ECU6は、先行車認識装置3、先読み情報取得装置4、運転状態検出装置5から取得した先読み情報や車両及び運転者の運転状態の情報等に基づいて、最適な燃費で車両を走行させることができる「最適燃費速度パターン」を生成する。そして、生成した最適燃費速度パターンに応じて、HMI装置7、エンジン8、トランスミッション9、モータジェネレータ10、油圧ブレーキ11を制御して、車両2に最適燃費速度パターンに沿った走行を行なうよう、最適燃費速度パターンに基づく運転支援を行なう。
最適燃費速度パターンは、例えば加速走行や減速走行を含む複数の走行パターンを適宜組み合わせて生成され、燃費向上を図るものである。最適燃費速度パターンの加速走行中は、例えばエンジン8の駆動によって、エンジン熱効率の良い加速度で車両2が加速される。
また、ECU6は、車両2が走行中に、車両2の前方を走行する先行車(先行体)への接近を予測したときに、接近による燃費悪化を回避すべく、先行車と所定の車間距離を確保できるよう、車両2を減速走行させるための減速支援制御を実行する。車両2は、それぞれ異なる減速度を発生させることができる複数の減速手段を有する。本実施形態の車両2はハイブリッド車両であるので、例えば下記(1)〜(3)の3種の減速手段を有する。
(1)フリーラン:トランスミッション9のギヤ段をニュートラルレンジ(Nレンジ)に切り替え、エンジン8の出力を停止させる。惰性で減速させる。無駄がなく効率的な減速方法であり、燃費悪化への影響は最少。
(2)エンブレ回生:アクセルオフしてエンジンブレーキにより車両2を減速させ、さらに、モータジェネレータ10を発電機として作動させ回生ブレーキにより減速する。運動エネルギを回生により回収できるが、回収ロス(モータやバッテリの電気変換損失など)が発生する。燃費悪化への影響は比較的小さい。
(3)油圧ブレーキ:油圧ブレーキ11を制御して減速する。減速分の運動エネルギをすべて熱エネルギとして放出するため、燃費悪化への影響が大きい。
ECU6は、先行車接近時の減速支援制御において、これらの減速手段を実行した場合の車両2の移動推移を示す「減速速度パターン」を推定し、推定した減速速度パターンに基づいて、先行車との間に所定の車間距離を確保できる減速手段を抽出する。そして、抽出した減速手段による減速速度パターンに基づいて減速走行の運転支援を行なう。なお、ECU6は、車間距離を確保できる減速手段が複数存在する場合には、減速パワーの少ないものを選択する。減速パワーとは、減速手段が減速するのに必要なパワーであり、減速度に関連する。減速度が大きい減速手段ほど、減速パワーも大きくなる。燃費改善の観点からは、選択する減速手段は、できるだけ減速パワーが少ないものが好ましい。
また、ECU6は、上記の先行車接近時の減速支援制御を実行し、先行車との車間距離が十分に確保でき、燃費悪化の虞から回避した後に、車両の走行状態を減速走行から回復させるための回復制御を実行する。回復制御は、先読み情報等を考慮して、減速速度パターンによる支援状態を、減速支援制御で選択された減速手段より減速度の小さい減速手段を用いる惰性側の支援状態に切り替えるか、または、加速走行を行なう加速側の支援状態に切り替える。
ECU6は、これらの先行車接近時の減速支援制御や、減速支援制御後の回復制御を実施可能とすべく、先行車検知部61、速度パターン生成部62、支援状態選択部63、及び運転支援制御部64の各機能を実現するよう構成されている。
先行車検知部61は、先行車認識装置3により検出される周辺の外乱の情報に基づき、先行車の存在を検知する。先行車検知部61は、先行車を検知すると、車両2と先行車との車間距離や、車両2に対する先行車の相対速度などの情報を先行車認識装置3から取得する。
速度パターン生成部62は、車両2及び先行車の速度パターンを生成する。速度パターン生成部62は、先読み情報取得装置4により取得された先読み情報や、運転状態検出装置5により検出された車両2の運転状態に関する情報に基づいて、最適な燃費で車両2を走行させる最適燃費制御にて用いる最適燃費速度パターンや、先行車接近時の減速支援制御で用いる減速速度パターンを生成する。また、速度パターン生成部62は、先行車検知部61により先行車の存在が検知されたときに、先行車認識装置3により取得された先行車の運転状態に係る情報に基づいて、先行車の速度パターンを推定する。
支援状態選択部63は、車両2と先行車との車間距離の接近度合いに応じて、運転支援に用いる速度パターンを適宜選択する。支援状態選択部63は、車両2と先行車の速度パターンを比較して、例えば所定の将来時刻における両者の接近度合いを推定する。そして、両者が必要以上に接近することを予測した場合には、十分な車間距離を確保できるよう、接近を回避できる減速手段を選択し、この選択した減速手段を実行した場合の減速速度パターンに基づく運転支援を行なうように、車両2の運転者への支援状態を切り替える。また、支援状態選択部63は、先行車への接近を回避した後に、車両2の走行状態に応じて、減速走行から再加速や惰行などの支援状態に適宜変更する。
運転支援制御部64は、車両2の運転者のための運転支援動作を制御する。本実施形態では、運転支援制御部64は、支援状態選択部63により選択された速度パターンに基づいた運転支援を行なう。運転支援動作は、具体的には、最適燃費速度パターン、減速速度パターンなど支援状態選択部63により選択された速度パターンに基づき、HMI装置7を制御して運転者にアクセル操作のタイミングを教示すること、または、エンジン8やトランスミッション9を制御して自動的に最適燃費速度パターンに沿った走行を行なうことが挙げられる。
ECU6は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びインターフェースなどを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路である。上述したECU6の各機能は、ROMに保持されるアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することによって、CPUの制御のもとで車両2内の各種装置を動作させると共に、RAMやROMにおけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
HMI装置7は、車両2の運転を支援する情報である運転支援情報を出力可能な支援装置であり、運転者に対する運転支援情報の提供等を行う装置である。HMI装置7は、車載機器であって、例えば、車両2の車室内に設けられたディスプレイ装置(視覚情報表示装置)やスピーカ(聴覚情報出力装置)等を有する。HMI装置7は、視覚情報(図形情報、文字情報)や聴覚情報(音声情報、音情報)等を出力することによって運転者に運転支援情報の提供を行い、運転者の運転操作を誘導する。HMI装置7は、こうした情報提供により運転者の運転操作による目標値の実現を支援する。HMI装置7は、ECU6に電気的に接続されこのECU6により制御される。
次に、図2〜6を参照して、本実施形態に係る運転支援装置1の動作について説明する。
まず、図2,3を参照して、先行車接近時の減速支援制御について説明する。図2は、本実施形態の運転制御装置により実施される先行車接近時の減速支援制御のフローチャートであり、図3は、図2の減速支援制御において減速手段を選択するための判定基準を説明するためのタイムチャートである。
図3のタイムチャートには、横軸に現在時刻から将来の時間が示され、縦軸に車両2及び先行車の走行位置が示されている。図3には、推定された先行車の速度パターンに基づく、先行車の将来の走行位置の時間推移が実線で示されている。また、自車両2の複数の速度パターンによる車両2の将来の走行位置の時間推移も示されている。より詳細には、最適燃費速度パターンに基づく車両2の将来の走行位置の時間推移が二点鎖線で示され、フリーラン制御による減速走行を行なった場合の減速速度パターンに基づく車両2の将来の走行位置の時間推移が点線で示され、エンブレ回生を行なった場合の減速速度パターンに基づく、車両2の走行位置の時間推移が一点鎖線で示されている。
図2のフローチャートに示す減速支援制御が行われる前提としては、ECU6の運転支援制御部64が、最適な燃費で車両を走行させることができる最適燃費速度パターンに基づいて運転支援を行なっているものとする。最適燃費速度パターンは、速度パターン生成部62により、車両2の進行先の路面勾配や曲率、停止線や法定速度など、外部インフラに依存した静的な情報に基づいて生成されている。最適燃費速度パターンは、一定車速を維持した定常走行や、所定の加速度の加速走行などが適宜選択される。
そして、図2に示すフローチャートの処理は、例えば、車両2の走行中に所定の最適燃費速度パターンに基づく運転支援を実行中に、走行経路上に先行車の存在を検出したときに、ECU6により実施される。以下、図3を参照しつつ、図2のフローチャートに従って先行車接近時の減速支援制御について説明する。
ステップS101では、先行車検知部61により先行車が検知される。先行車検知部61は、先行車認識装置3により取得される情報を監視して、先行車の存在を検知する。先行車検知部61は、先行車を検知すると、先行車との車間距離や相対速度などの情報を先行車認識装置3から取得して、速度パターン生成部62に出力する。
ステップS102では、速度パターン生成部62により、先行車の速度パターンが推定される。速度パターン生成部62は、ステップS101において先行車検知部61により取得された先行車との車間距離や相対速度などの情報を用いて、先行車の速度パターンを推定する。先行車の速度パターンは、例えば、先行車の現時の車速のまま定常走行すると仮定して推定してもよいし、先行車が現在加速走行している場合には現在の加速度のまま一定加速で等加速度運動を行なうと仮定して推定してもよい。また、先読み情報取得装置4から先読み情報を取得して、例えば「100m先で30km/hまで減速するだろう」など、先読み情報に基づいて速度パターンを推定してもよい。図3の例では、現在の先行車の車速のまま定常走行する速度パターンを推定している。
ステップS103では、支援状態選択部63により、現在の運転支援に用いられている最適燃費速度パターンと、ステップS102で推定された先行車の速度パターンとが比較される。具体的には、図3に示すように、最適燃費速度パターンと、先行車の速度パターンとの間の車間距離を比較し、任意の将来時刻T(例えば3秒後)までの間に交差しているか否か、また、将来時刻Tにおいて、車両2と先行車との車間距離が所定値以下か否かが判定される。なお、この判定に用いる車間距離の所定値は、車両2の安全を考慮した任意のマージンも加味して設定される。
ステップS104では、支援状態選択部63により、ステップ103の判定処理の結果に基づいて、車両2に燃費悪化の可能性があるか否かが確認される。支援状態選択部63は、ステップS103において、将来時刻Tまでに最適燃費速度パターンが先行車速度パターンと交差している場合、または、将来時刻Tにおいて最適燃費速度パターンと先行車の速度パターンとの間の車間距離が所定値以下まで接近している場合に、車両2が先行車と接触する可能性があり、運転者がブレーキ操作を行なって燃費が悪化する可能性があるものと判定する。一方、将来時刻Tにおいて最適燃費速度パターンと先行車の速度パターンとの間の車間距離が所定値以上である場合、車両2と先行車との間に十分に車間距離が確保できるので、運転者のブレーキ操作も行われず、燃費も悪化しないものと判定する。ステップS104の判定の結果、燃費悪化の可能性がある場合にはステップS106に進み燃費悪化の可能性が無い場合には、ステップS105に進む。
図3の例では、将来時刻Tより前の時刻tにおいて、最適燃費速度パターンが先行車速度パターンと交差している。すなわち、車両2が現在の運転状態のまま走行を続ければ、車両2が先行車と接触する可能性が高いので、その前に運転者によるブレーキ操作が行なわれ、燃費が悪化する可能性があるものと判定される。
ステップS105では、ステップS104の判定の結果、燃費悪化の可能性なく、先行車との接触が予想されなかったので、支援状態選択部63により、最適燃費車速パターンによる支援状態が維持される。これに応じて、運転支援制御部64は、最適燃費車速パターンに基づく運転支援を継続する。なお、運転支援制御部64による運転支援動作は、HMI装置7を介して、運転者に運転支援に関する情報を報知してもよいし、エンジン8やトランスミッション9を制御して、車両2が自動的に所望の最適燃費速度パターンに基づき走行するよう制御介入してもよい。ステップS105の処理が完了すると、本制御フローを終了する。
ステップS106では、ステップS104の判定の結果、燃費悪化の可能性があり、先行車との接触が予想されたので、支援状態選択部63により、減速パワー最少の減速手段が選択され、速度パターン生成部62により、この選択された減速手段を実行する場合の減速車速パターンが推定される。
ステップS106の処理では、まずはじめに、支援状態選択部63が、車両2が有する複数の減速手段のうち減速パワー最少の減速手段を選択する。なお、以降のステップS108から戻った場合、すなわち既に減速手段を選択済みの場合には、現在選択している減速手段の次に減速パワーの少ないものを選択する。減速パワーは、減速度が大きいほど増大する。減速パワーが増大するほど、燃費悪化の度合いも大きくなる。本実施形態では、上述のように、複数の減速手段として、(1)フリーラン、(2)エンブレ回生、(3)油圧ブレーキの3つの減速手段がある。これらの減速手段により発生できる減速度は、(1)フリーラン→(2)エンブレ回生→(3)油圧ブレーキの順で大きくなり、したがって、この順番で減速パワーも増大する。つまり、本実施形態では、ステップS106における減速手段の選択パターンは、以下の(i)〜(iii)の3通りとなる。
(i)現在減速手段が選択されていない場合には、フリーランを選択
(ii)現在選択されている減速手段がフリーランの場合には、エンブレ回生を選択
(iii)現在選択されている減速手段がエンブレ回生の場合には、油圧ブレーキを選択
ステップS106の処理では、次に、速度パターン生成部62が、このように支援状態選択部63により選択された減速手段を実行した場合の減速速度パターンを推定する。速度パターン生成部62は、各減速手段に係る車両2のパワートレイン(動力伝達系)の特性を考慮して、減速速度パターンを動的に生成する。速度パターン生成部62は、例えば各減速手段により発生できる車両減速度を次式により算出することができる。
車両減速度=減速パワー/(車重×現在車速)+勾配抵抗+その他車両抵抗
ここで、上記の式中の「減速パワー」は、上述のように、減速手段ごとに設定される減速に要するパワー(kW)である。減速パワーの設定値の一例は、例えばフリーランでは0(kW)、エンブレ回生では5(kW)、油圧ブレーキでは20(kW)である。また、各減速手段の減速パワーは、バッテリ残量など車両2の状態に応じて可変でもよい。速度パターン生成部62は、このように算出した車両減速度を1秒後、2秒後、3秒後などと将来を予測して逐次計算することで、現時点から先の減速速度パターンを生成する。ステップS106の処理が完了するとステップS107に進む。
ステップS107では、支援状態選択部63により、ステップS106で推定された減速速度パターンが先行車の速度パターンと比較される。具体的には、支援状態選択部63は、ステップS103の処理と同様に、図3に示すように、減速速度パターンと、先行車の速度パターンとの間の車間距離を比較し、任意の将来時刻T(例えば3秒後)までの間に交差しているか否か、また、将来時刻Tにおいて、車両2と先行車との車間距離が所定値以下か否かが判定される。
ステップS108では、支援状態選択部63により、ステップ107の判定処理の結果に基づいて、減速速度パターンの車両支援により燃費悪化が回避可能となるか、否かが判定される。支援状態選択部63は、ステップS104の処理と同様に、ステップS107において、将来時刻Tまでに減速速度パターンが先行車速度パターンと交差している場合、または、将来時刻Tにおいて減速速度パターンと先行車の速度パターンとの間の車間距離が所定値以下まで接近している場合には、依然として車両2が先行車と接触する可能性があり、運転者のブレーキ操作が起こり得るので、燃費悪化を回避できないと判定する。一方、将来時刻Tにおいて減速速度パターンと先行車の速度パターンとの間の車間距離が所定値以上である場合には、車両2と先行車との間に十分に車間距離が確保できるようになるので、燃費悪化は回避可能と判定する。ステップS108の判定の結果、燃費悪化を回避可能である場合にはステップS109に進む。燃費悪化を回避できない場合には、ステップS106に戻り、今回選択した減速手段の次に減速パワーの少ない減速手段が再度選択され、燃費悪化回避の判定が繰り返される。
図3の例では、まずは複数の減速手段のうち、減速パワーが最少のフリーランが選択されて、フリーランの減速速度パターンと先行車の車速パターンとが比較される。この結果、将来時刻Tにおいて、減速速度パターンと先行車車速パターンとの間の車間距離が所定値以下となり、車両と先行車との間の車間距離が不足するので、運転者のブレーキ操作による燃費悪化が予測できる。
このため、次に、複数の減速手段のうち、フリーランの次に減速パワーの少ないエンブレ回生が選択され、エンブレ回生の減速速度パターンと先行車の車速パターンとが比較される。この結果、将来時刻Tにおいて減速速度パターンと先行車車速パターンとの間の車間距離が所定値より大きくなり、車両と先行車との間に十分な車間距離を確保できるので、運転者のブレーキ操作は起こらず、燃費悪化は回避できるものと判定する。そして、現在の最適燃費速度パターンによる支援状態から、このエンブレ回生の減速車速パターンによる支援状態へ切り替えられる。
なお、ステップS106〜108の処理において、減速パワーが最大の減速手段(本実施形態では「油圧ブレーキ」)を用いても燃費悪化を回避できない場合も起こり得る。この場合、先行車との衝突の虞があり、ただちに減速を開始する必要があるので、例えば減速度=(先行車との相対速度)/(将来時刻T)として減速度を設定して、この減速度に基づき減速走行の運転支援を行なうこともできる。この減速度を実現するためには、例えば複数の減速手段を組み合わせて実行すればよい。
また、速度パターンを比較する際に主な比較基準となる「将来時刻T」は、現在の車両状態(EV走行中、エンジン動作中、回生中、油圧ブレーキ中)などに応じて、適宜変更してもよい。たとえば、回生中には油圧ブレーキをかけたくないなどの要求に応じて、将来時刻Tを長くとって遷移しにくくすることができる。同様に、車間距離のマージンも適宜変更してもよい。
ステップS109では、ステップS108の判定の結果、燃費悪化を回避可能となったので、支援状態選択部63により、先行車へ対応するために、現在の最適燃費速度パターンによる支援状態が、ステップS106で選択された減速手段の減速速度パターンによる支援状態へ変更される。これに応じて、運転支援制御部64は、支援状態選択部63により変更された減速速度パターンに基づく運転支援を実行する。
なお、運転支援制御部64による運転支援動作は、HMI装置7を介して、減速速度パターンに基づく運転支援に関する情報を運転者に報知してもよいし、エンジン8やトランスミッション9、モータジェネレータ10、油圧ブレーキ11を制御して、車両2が自動的に所望の減速速度パターンに基づき走行するよう制御介入してもよい。HMI装置7による情報提示を行なう場合、例えば、選択した減速手段がエンブレ回生の場合は、アクセルオフを促すような情報を、また、ブレーキの場合はブレーキを踏み始める必要があることを伝える情報を画面や音で知らせることができる。また、制御介入を行なう場合、選択した減速手段の減速度をそのまま制御介入して出力してもよいし、ドライバの状態をみて徐々に介入を行なってもよい。ステップS109の処理が完了すると、本制御フローを終了する。
なお、上記の図2のフローチャートでは、複数から選択された減速手段の減速速度パターンを推定し、先行車の車速パターンとの比較する処理を、燃費悪化の回避判定が出るまで、複数の減速手段の減速パワーが小さいほうから順番に段階的に行なっているが、一度にすべての減速手段の減速速度パターンを推定して、先行車車速パターンと比較し、燃費悪化を回避できる減速手段の中で、パワー最少のものを選択する構成でもよい。
また、上記の図2のフローチャートは、車両2が最適燃費速度パターンで走行している状態を前提としているが、車両2の状態に応じて最初に選択する減速手段を適宜変更してもよい。この場合、例えば、車両2の状態が加速中(アクセルオン)の場合には、図2のフローチャートと同様に、減速パワー最少のフリーランを選択するが、車両の状態が惰行中(フリーラン)の場合には、フリーランの次に減速パワーが少ないエンブレ回生を最初に選択する。また、車両の状態がアクセルオフの場合には、回生ブレーキを選択する。
次に、図4〜6を参照して、減速支援制御実行後の回復制御について説明する。図4は、本実施形態の運転制御装置により実施される減速支援制御実行後の回復制御のフローチャートである。
図4のフローチャートに示す回復制御の処理は、図2、3を参照して説明した先行車接近時の減速支援制御が実行された後に、ECU6により実施される。以下、図5,6を参照しつつ、図4のフローチャートに従って減速支援制御実行後の回復制御について説明する。
図4に示す減速支援制御実行後の回復制御が行われる前提としては、ECU6の運転支援制御部64が、上記の減速支援制御により選択された減速手段の減速速度パターンに基づいて運転支援を行なっているものとする。そして、この回復制御では、減速支援制御後の車両2の走行状態に応じて、減速支援制御で選択された減速手段による運転支援(「減速側の支援状態」とも記載する)を継続するか、減速支援制御で選択された減速手段から1段階減速パワーが少ない減速手段による運転支援(「惰行側の支援」とも記載する)に変更するか、または、加速走行に基づく運転支援(加速側の支援)に変更する。
ステップS201では、速度パターン生成部62により、先読み情報取得装置4から、車両2の走行経路前方の先読み情報(勾配、曲率、一時停止位置などの情報)が取得される。
ステップS202では、速度パターン生成部62により、現在の速度で惰行した場合の惰行速度パターンが推定される。
減速支援制御において選択された減速手段による減速度で車両2の減速を続ければ、燃費悪化を防げる。しかし、減速支援制御によって過剰に減速しすぎると、その後再加速が必要となって結果的に燃費が悪化する状況も起こり得る。したがって、減速支援制御をどのタイミングで終了するかが重要となる。このタイミングを判定するために、減速支援制御において選択された減速手段による減速度より緩めた減速度を用いて、将来の惰性速度パターンを計算する。
ここでは、上述のように、減速支援制御で選択された減速手段から1段階減速パワーが少ない減速手段を実行した場合の走行状態を「惰行」と表現している。例えば本実施形態では、以下のように「惰行」で用いる減速手段を選択できる。
・減速支援制御で実行されている減速手段が油圧ブレーキのとき、エンブレ回生を選択
・減速支援制御で実行されている減速手段がエンブレ回生のとき、フリーランを選択
ステップS203では、支援状態選択部63により、ステップS202で選択された惰行側の支援に変更した場合に、燃費悪化の可能性がなくなったか否かが判定される。支援状態選択部63は、図2のフローチャートのステップS104と同様に、ステップ202で推定した惰性速度パターンと、先行車の推定速度パターンと比較して、任意の将来時刻T(例えば3秒後)において、車間距離が所定値以上となるか否かを判定する。そして、車間距離が所定値以上となる場合に、惰行速度パターンに基づく運転支援を実行しても先行車との十分な車間距離を確保でき、燃費悪化の可能性が無いものと判定する。ステップS203の判定の結果、燃費悪化の可能性がなくなった場合にはステップS205に進み、そうでない場合にはステップS204に進む。
ここで、図5を参照して、ステップS203の判定処理について説明する。図5は、図4の回復制御における減速側から惰行側への支援状態を変更するための判定基準を説明するためのタイムチャートである。
図5のタイムチャートの構成の概略は、図3のタイムチャートと同様である。図5には、先行車の速度パターンに基づく、先行車の将来の走行位置の時間推移が実線で示されている。また、減速支援制御において選択された減速手段による減速速度パターンに基づく、車両2の将来の走行位置の時間推移が一点鎖線で示され、惰行速度パターンを実行した場合の車両2の将来の走行位置の時間推移が点線で示されている。
図5の例では、惰行側に支援状態を変更した場合の惰行速度パターンと、先行車の車速パターンとが比較される。この結果、将来時刻Tにおいて惰行速度パターンと先行車車速パターンとの間の車間距離が所定値より大きくなり、車両2と先行車との間に十分な車間距離を確保できるので、運転者のブレーキ操作は起こらず、燃費悪化の可能性はなくなったものと判定される。一方、図5には図示しないが、将来時刻Tにおいて惰行速度パターンと先行車車速パターンとの間の車間距離が所定値以下となる場合には、惰行速度パターンでは燃費悪化の可能性がまだなくならないものと判定される。
ステップS204では、ステップS203の判定の結果、惰行側に支援状態を変更すると燃費悪化の可能性が残るので、支援状態選択部63により、減速側の支援状態が継続される。すなわち、支援状態選択部63は、減速支援制御を継続し、減速支援制御において選択した減速手段の減速速度パターンを用いた支援状態を引き続き継続する。運転支援制御部64は、これに応じて、引き続き減速支援制御で選択された減速手段の減速速度パターンに基づく減速走行の運転支援を実行する。
ステップS205では、ステップS203の判定の結果、惰行側に支援状態を変更しても燃費悪化の可能性がないので、支援状態選択部63により、惰行速度パターンを用いた支援状態の場合に、次の目標位置に到達できるか否かが判定される。支援状態選択部63は、例えば、惰行速度パターンと先読み情報を組み合わせて、目標位置(事前に計算した次の再加速位置など)にこのまま到達できるかを判断する。ステップS205の判定の結果、惰行速度パターンで次の目標位置に到達できる場合、ステップS206に移動し、そうでない場合にはステップS208に移動する。
ここで、図6を参照して、ステップS205の判定処理について説明する。図6は、図4の回復制御における惰行側と加速側の支援状態を選択するための判定基準を説明するための図である。
図6には、横軸に車両2の走行位置が示され、縦軸に車両2の車速が示されている。図6には、減速支援制御の前から設定されている最適燃費速度パターンが点線で示されており、減速支援制御及び回復制御による車両2の車速推移が実線で示されている。図6の右側には、惰行側の支援状態変更によって目標位置に到達できると判定されるパターンが例示されており、図6の左側には、加速側への支援状態変更が必要と判定されるパターンが例示されている。
図6の右側に示すように、減速支援制御により減速した後でも、車両2の車速が最適燃費速度パターンと比較的近い値の場合には、支援状態を惰行側に切り替えても所定の速度範囲内(例えば事前に計算した目標速度から−10(km/h)程度までの範囲)で十分に目標位置に到達できると推定できる。この場合、ステップS205では、次の目標位置に到達可能と判定される。
一方、図6の左側に示すように、減速支援制御による減速により車両2の車速が最適燃費速度パターンから比較的大きく減速した場合には、支援状態を惰行側に切り替えると減速がさらに進み、目標位置付近では最適燃費速度パターンとの速度乖離が大きくなりすぎて、所定の速度範囲内では目標位置に到達しないと推定できる。この場合、ステップS205では、次の目標位置に到達不可能と判定され、以降の処理において、車両2が目標位置に到達できるよう、加速側の支援に変更されて車両2が再加速される。
ステップS206では、ステップS205の判定の結果、惰行速度パターンで次の目標位置に到達できる場合に、支援状態選択部63により、現在の走行状態における平均速度が許容範囲内か否かが確認される。このステップでは、事前に最適燃費速度パターンを計算する際に、設定した平均速度(目的地までの到達時間)などの条件を損なっていないかを判断する。現在の車両の平均速度がこれらの条件を損なっている場合には、燃費向上を重視する余り、車両の現在の速度が極めて低速となり、周囲の車両に迷惑をかけたり、交通流を阻害している虞があるので、以降の処理において、車両2の平均速度が許容範囲内となるよう、加速側の支援に変更されて車両2が再加速される。
ステップS206における車両2の平均速度が許容範囲内か否かの判定は、例えば、事前に最適燃費速度パターンによる走行計画を立てた際の目標の平均速度V1(現在位置での目標の経過時間T1)と、現在の平均速度V2(現在の経過時間T2)を比較して行なう。平均速度V1,V2が、V1>V2+α(T1<T2−β)の条件を満たす場合に、現在の走行状態における平均速度V2が目標の平均速度V1より相当遅くなってしまっており、許容範囲から外れているものと判断する(α、βは許容範囲を決めるパラメータであり事前に定義される)。なお、このステップにおいて、自車両2の目標平均速度情報だけでなく、たとえば後続車が認識できる場合は後続車の速度を目標平均速度としてもよいし、周辺の交通流がわかる場合はそれを目標の平均速度としてもよい。ステップS206の判定の結果、惰行速度パターンの平均速度が許容範囲内である場合にはステップS207に進み、そうでない場合にはステップS208に進む。
ステップS207では、惰行速度パターンの運転支援を実行した場合に、燃費悪化の可能性がなくなり、かつ、次の目標位置に到達可能であり、さらに、車両2の現在の平均速度が許容範囲内であるので、惰行速度パターンを実行可能と判断して、支援状態選択部63により、惰行側の支援状態に変更される。惰行側の支援状態は、上記のとおり、現在の減速手段より1段階前の減速手段を用いた支援状態である。運転支援制御部64は、これにしたが惰行速度パターンに基づき惰行側の運転支援を行なう。ステップS207の処理が完了すると、本制御フローを終了する。
ステップS208では、惰行速度パターンの運転支援を実行した場合に燃費悪化の可能性がなくなるものの、次の目標位置に到達不可能であるか、または、車両2の現在の平均速度が許容範囲外であるので、支援状態選択部63により、惰行速度パターンを実行できず加速側の支援を行うべきと判断されて、パワトレ特性を考慮して、加速度が計算される。支援状態選択部63は、車両2の走行経路上の先の道路形状などの先読み情報や先行車の情報に基づいて、無駄の無い(燃費悪化を最少とする)加速度を選択する。なお、無駄の無い加速度を選択する手法としては、例えば、加速走行の消費エネルギや、加速走行のためのエンジン始動の消費エネルギなど、加速走行に伴い必要なエネルギの総量を最少にできる加速度を導出する手法などを適用可能である。
ステップS209では、支援状態選択部63により、ステップS208で計算された加速度を用いて、加速側の支援状態に変更される。運転支援制御部64は、これにしたがステップS208で計算された加速度を用いて加速走行の運転支援を行なう。ステップS209の処理が完了すると、本制御フローを終了する。
次に、本実施形態に係る運転支援装置の効果について説明する。
本実施形態の運転支援装置1は、車両2の走行経路に応じて速度パターンを生成して、速度パターンに基づき運転支援を行なう。車両2は、複数の減速手段を有している。運転支援装置1は、車両2の走行経路前方に存在する先行車と車両2との距離が所定値以下の状態である、先行車への接近を予測したときに、複数の減速手段のうち、先行車への接近を回避できるものを選択して、この選択した減速手段を実行した場合の減速速度パターンに基づいた運転支援に変更する。
この構成により、車両2が速度パターンに基づき運転支援を行なっているときに、車両2が先行車に接近する可能性が高い状況において、先行車への接近を回避できる減速手段を選択して、この選択した減速手段による減速速度パターンに基づいた運転支援に変更するので、車両2の先行車への接近を事前に回避することが可能となる。これにより、車速パターンに基づいた運転支援において先行車への不要な接近を抑制することができる。また、車両2と先行車との車間距離が短くなると、車両2の運転者が危険を感じてブレーキをかける機会が増え、この結果、無駄な加減速が発生して燃費を悪化させることが考えられるが、本実施形態では、先行車への不要な接近を抑制することができるので、燃費悪化を回避できる。
また、本実施形態の運転支援装置1は、先行車への接近を回避できる減速手段が複数存在する場合、減速に要するパワーが最少の減速手段を選択する。
この構成により、減速パワーが最少の減速手段を用いて運転支援を行なうので、先行車への接近を回避するための減速走行による燃費悪化を最低限に抑えることが可能となり、燃費向上の観点から最適な運転支援を行なうことができる。
また、本実施形態の運転支援装置1は、先行車の現在位置及び現在速度に基づき先行車の速度パターンを推定し、車両2の現在位置及び現在速度と、複数の減速手段により発生する減速度とに基づき、複数の減速手段を実行した場合の減速速度パターンを推定する。そして、先行車の速度パターンと、減速速度パターンとを比較して、現時点から所定時間後における先行車と車両2との間の車間距離を推定し、この車間距離の推定値が所定値以上となるとき、先行車への接近を回避できるものと判定する。
この構成により、先行車との車間距離を十分に確保できる減速速度パターンを選択して、この減速速度パターンに基づいた運転支援を行なうので、先行車への不要な接近をより一層確実に抑制できる。
また、本実施形態の運転支援装置1は、選択した減速手段を実行した場合の減速速度パターンに基づいた運転支援に変更した後、車両2の平均車速が所定値以下である場合、運転者へ加速を促す運転支援を行なう。
この構成により、減速速度パターンに基づいた運転支援により、燃費悪化抑制を重視しすぎて車両2の平均車速が極端に低速となった場合でも、速やかに加速走行に切り替えて車両2の平均速度を増加できる。これにより、車両2の低速走行によって周囲の車に迷惑をかけたり、交通流を阻害することを防ぐことが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、上記実施形態では、車両2の構成の一例として、駆動源としてエンジン及びモータジェネレータを備えるハイブリッド車両を例示したが、車両2は複数の減速手段を有する構成であればよく、ハイブリッド車両に限定されない。例えば、車両2は、エンジンのみを駆動源とするコンベ(コンベンショナル)車両や、モータジェネレータのみ駆動源とするEV車両等のいずれの形式の車両であってよい。車両2がコンベ車両の場合、複数の減速手段として、例えば、エンジンへの燃料供給を中止するフューエルカット制御や、エンジンと駆動輪との間の動力伝達を遮断する惰行制御や、エンジンブレーキ、油圧ブレーキを含むことができる。
なお、上記実施形態では、車両2の走行経路前方を走行する先行車との車間距離の接近を回避する構成を例示したが、車両2が接近を回避する対象は、車両2の走行経路前方に存在する先行体であればよく、車以外の障害物や歩行者などでもよい。