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JP5989429B2 - 照明装置および車両用前照灯 - Google Patents

照明装置および車両用前照灯 Download PDF

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Description

本発明は、励起光を蛍光体に照射することで発生する蛍光を、照明光の一部として利用することが可能な照明装置および車両用前照灯に関するものである。
近年、励起光源として発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)やレーザ素子(LD;Laser Diode)等の半導体発光素子を用い、これらの励起光源から生じた励起光を、蛍光体層に照射することによって蛍光を発する技術の研究が盛んになってきている。このような技術は、例えば特許文献1〜4に開示されている。
特許文献1の車両用ヘッドランプは、複数のレーザ素子と、これらのレーザ素子から出射された光を集光する集光レンズと、当該レーザ素子を選択的に発光させる駆動電子回路とを備えている。これにより、当該ヘッドランプの照明特性を、走行駆動条件および周囲条件に適合させることができる。
また、特許文献2の前照灯は、決定された配光パターンにしたがって、複数のレーザ素子からの光を走査して出射する照射ユニットを備えているので、所望の配光パターンを形成することができる。また、この前照灯は、上記レーザ素子の出力を調整する出力調整部を備えているので、配光パターンに濃淡を形成することができる。
なお、特許文献1および2には、レーザ素子を備える代わりに、複数のLEDを備えてもよい旨が開示されている。
特許文献3の車両用灯具では、投影レンズと、複数のLEDを備える水平方向に横長の面光源とが、複数のLEDのそれぞれの光軸方向が、車両前後方向に延びる軸から所定の角度だけ傾斜した姿勢で配置されている。これにより、投影レンズの焦点よりも外側のLEDが点灯した場合には、水平方向にワイドな配光パターンを実現し、当該焦点よりも内側のLEDが点灯した場合には、左右側方を照射するAFSに適した配光パターンを実現することができる。すなわち、上記2つの配光パターンの切り替えを行うことができる。
特許文献4の光源装置は、蛍光体への、固体光源から出射された励起光の照射範囲および/または光強度分布を変化させる光制御手段を備えている。これにより、簡易な方法で配光を可変にすることができる。
特開2003− 45210号公報(2003年 2月14日公開) 特開2011−157022号公報(2011年 8月18日公開) 特開2011−113668号公報(2011年 6月 9日公開) 特開2011−134619号公報(2011年 7月 7日公開)
しかしながら、特許文献1〜4の技術では、光源としてレーザ素子やLEDなどを用いる旨が開示されているが、1つの装置に複数種類の光源が用いられることについては一切開示されていない。すなわち、レーザ素子およびLEDがともに提供された灯具の開示は一切ない。
それゆえ、特許文献1〜4の技術では、発光原理の異なる光源それぞれの配光特性を制御することができなかった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、その目的は、レーザ光源およびそれ以外の光源を用いて、照明光を所望の面積の投光範囲に照射することで、配光特性および光強度分布を制御することが可能な照明装置および車両用前照灯を提供することにある。
本発明に係る照明装置は、上記の課題を解決するために、レーザ光源、上記レーザ光源から出射されたレーザ光の発光部への導光を制御する光制御部、および、上記光制御部によって制御されたレーザ光を受けて発光する発光部、を備える第1光源と、上記第1光源とは異なる発光原理によって発光する第2光源と、上記光制御部の位置または角度を変えることにより、上記レーザ光源から出射されたレーザ光が上記発光部に形成する照射領域を変更する変更手段と、を備え、上記第1光源および上記第2光源のそれぞれから出射された光を同時に投光することが可能であり、上記第1光源は上記レーザ光源を複数備え、上記光制御部は、ミラーまたはレンズであり、複数の上記レーザ光源のそれぞれに対応するように配置されており、複数の上記レーザ光源は、少なくとも上記光制御部が非制御である場合に、当該レーザ光源から出射されたレーザ光のそれぞれが形成する照射領域が上記発光部においてマトリクス状に形成されるように、マトリクス状に配置されており、さらに、複数の上記レーザ光源のそれぞれの出力を制御する第1出力制御手段を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、第1光源および第2光源を備え、第1光源および第2光源のそれぞれから出射された光を同時に投光することが可能であるので、1つの照明装置にて、発光原理の異なる光源から出射された光を、照明光として利用することができる。
また、上記構成によれば、変更手段が、レーザ光源から出射されたレーザ光が発光部に形成する照射領域を変更するので、発光部から出射される照明光の投光範囲を変更することができる。
それゆえ、第1光源および第2光源から出射された光を照明光として利用し、照明光を所望の面積の投光範囲に照射することが可能になるとともに、当該照明光の配光特性、および光強度分布を制御することが可能となる。
さらに、上記構成によれば、第1光源は、レーザ光源から出射されたレーザ光の発光部への導光を制御する光制御部を備えている。そして、変更手段は、当該光制御部の位置または角度を変えることにより、当該レーザ光が発光部に形成する照射領域を変更するので、その位置または角度の変更にすばやく反応して照射領域を変更することができる。それゆえ、上記位置または角度の変更に対する応答性の高い照明光の配光特性の制御を行うことができる。
また、配光特性の制御をレーザ光源により行うことができるので、規定の投光範囲への配光を満たすために、高度な光学設計(例えば、レンズカットやミラーカットなど)が不要となる。
さらに、本発明に係る照明装置では、上記第1光源は上記レーザ光源を複数備え、上記光制御部は、上記レーザ光源のそれぞれに対応するように配置されていることが好ましい。
上記構成によれば、複数のレーザ光源から出射されるレーザ光のそれぞれの導光が、各レーザ光源に対応して配置された光制御部のそれぞれにより制御されるので、照射領域の形成をより細かく制御することができる。それゆえ、発光部から出射される照明光が形成する投光範囲をより細かく制御することができる。
さらに、本発明に係る照明装置は、上記レーザ光源の出力を制御する第1出力制御手段を備えることが好ましい。
上記構成によれば、上記第1出力制御手段がレーザ光源の出力を制御することで、上記発光部に照射されるレーザ光の強度が制御され、これにより、上記発光部が発する光の強度も制御することができる。それゆえ、発光部から出射された照明光が形成する投光範囲を自由に変更できるだけでなく、その光の強度も自在に制御できるため、さらに自由な投光範囲の変化を実現することができる。
さらに、本発明に係る照明装置では、上記変更手段は、上記発光部に対する上記照射領域の位置を変更することが好ましい。
上記構成によれば、発光部から出射された照明光が形成する投光範囲の位置を自由に制御することができる。
さらに、本発明に係る照明装置では、上記第1光源は、上記レーザ光源を複数備え、上記変更手段は、複数の上記レーザ光源から出射されたレーザ光のそれぞれが形成する上記照射領域の一部が互いに重なるように、当該照射領域を変更することが好ましい。
上記構成によれば、変更手段は、複数の照射領域の一部が互いに重なるように、各照射領域を変更するので、各照射領域に対応して形成される投光範囲を互いに重ねることができる。それゆえ、発光部から出射された照明光が形成する投光範囲を滑らかにすることができる。
さらに、本発明に係る照明装置では、上記第2光源は、自装置に規定された最低照度を満たすように照明光を出射することが好ましい。
上記構成によれば、第2光源から出射された照明光を、自装置に規定された最低照度を満たすように出射するので、第1光源の非点灯時においても、第2光源のみで当該最低照度を確保することができる。すなわち、第2光源から出射される照明光を、本発明の照明装置の基本配光とすることができる。
さらに、本発明に係る照明装置では、上記変更手段は、上記第1光源から出射された照明光が形成する第1投光範囲が、上記第2光源から出力された照明光が形成する第2投光範囲の周辺部または第2投光範囲以外に形成されるように、上記照射領域を変更することが好ましい。
上記構成によれば、第1投光範囲を、第2投光範囲の周辺部または第2投光範囲以外に形成することができるので、第2光源から出射された照明光では視認しにくい範囲を、発光部から出射された照明光で補うことができる。
さらに、本発明に係る照明装置では、上記変更手段は、上記第1光源から出射された照明光が形成する第1投光範囲が、上記第2光源から出力された照明光が形成する第2投光範囲の一部に形成されるように、上記照射領域を変更することが好ましい。
上記構成によれば、第1投光範囲を、第2投光範囲の一部に形成することができるので、第2投光範囲内において視認しにくい範囲を、発光部から出射された照明光で補うことができる。
さらに、本発明に係る照明装置では、上記第1光源は、上記レーザ光源を複数備え、複数の上記レーザ光源から出射されたレーザ光のそれぞれが形成する複数の照射領域は、上記発光部に同時に形成されることすることが好ましい。
上記構成によれば、発光部から出射された照明光が形成する投光範囲を同時に複数形成することができる。それゆえ、照明装置前方の複数箇所のそれぞれを、同時に投光することができる。
さらに、本発明に係る照明装置は、上記第2光源から出力される照明光の出力を制御する第2出力制御手段を備え、上記第2出力制御手段は、上記第1光源からの照明光の出力状態に応じて、上記第2光源から出射される照明光の出力を制御することが好ましい。
上記構成によれば、第2出力制御手段を備えているので、第1光源からの照明光の出力状態(点灯状態)に従って第2光源の出力制御を行うことができる。それゆえ、消費電力を低減できるとともに、第2光源を、第1光源のバックアップとして利用することができる。
さらに、本発明に係る照明装置は、上記第1光源および上記第2光源の少なくとも一方から出射された照明光を投光する投光部を備え、上記投光部は、楕円ミラーであって、上記発光部が上記投光部の第1焦点に配置され、上記第2光源が当該投光部の第2焦点に配置されていることが好ましい。
上記構成によれば、楕円ミラーからなる投光部の第1焦点に発光部が、第2焦点に第2光源がそれぞれ備えられているので、1つの投光部によって、発光部および第2光源から出射された照明光を個別に投光することができる。それゆえ、照明装置の小型化を図ることができる。
また、第1焦点に配置された発光部から出射された光は、投光部によって、平行に近い光線束を形成してその前方に投光される。このため、発光部からの光を立体角内に効率的に投光させることができる。その結果、光の利用効率を高めることができる。
さらに、本発明に係る照明装置では、上記第2光源は、照明光として白色光を発光する発光ダイオードであり、上記発光部は、上記第2光源の一部として機能することが好ましい。
上記構成によれば、発光部および第2光源を一体的に構成することが可能となるゆえ、照明装置の部品数を減少させることが可能となるため、照明装置の構成を単純化することができる。
さらに、本発明に係る車両用前照灯は、上記に記載の照明装置を備えている。
上記構成によれば、上記の照明装置と同様、第1光源および第2光源から出射された光を照明光として利用できるとともに、当該照明光の配光特性、および光強度分布を制御することが可能となる。また、上記位置または角度の変更に対する応答性の高い照明光の配光特性の制御を行うことができる。
さらに、本発明に係る車両用前照灯は、物体を検知する検知手段を備え、上記変更手段は、上記検知手段によって上記物体が検知されたとき、当該物体を含むように、上記発光部に対する上記照射領域を変更することが好ましい。
上記構成によれば、検知手段によって検知された物体を、発光部から出射された照明光が形成する投光範囲に含むことができるので、車両用前照灯が備えられた車両のドライバなどに、当該物体を確実に視認させることができる。
さらに、本発明に係る車両用前照灯は、物体を検知する検知手段を備え、上記変更手段は、上記検知手段によって上記物体が検知されたときに、当該物体を含まないように、上記発光部に対する上記照射領域を変更することが好ましい。
上記構成によれば、検知手段によって検知された物体を、発光部から出射された照明光が形成する投光範囲に含まないようにすることができる。特に、当該物体が例えば対向車または先行車などである場合、そのドライバが本願の車両用前照灯から出射された光を受けることにより、当該ドライバの運転に支障をきたす可能性がある。上記構成によれば、そのドライバなどに与える不快な眩しさや幻惑を低減することができるので、安全、且つ、快適な交通環境を提供することができる。
さらに、本発明に係る車両用前照灯は、上記検知手段によって検知された上記物体の種類を、画像認識により識別する識別手段を備え、上記変更手段は、上記識別手段によって識別された上記物体の種類が、予め登録された物体の種類と一致したとき、上記照射領域を変更することが好ましい。
上記構成によれば、検知手段によって検知された物体の種類を、画像認識により識別する識別手段を備えているので、識別手段によって識別された物体の種類に応じた、最適な照明領域の変更が可能となる。それゆえ、物体の種類に応じて、発光部から出射された光が形成する投光範囲を変更することができる。
さらに、本発明に係る車両用前照灯では、上記検知手段は、上記物体から放射される赤外線放射エネルギーを検知するものであり、上記検知手段によって検知された赤外線放射エネルギーに基づいて温度分布画像を生成することにより、上記物体の種類を識別する識別手段を備え、上記変更手段は、上記識別手段によって識別された上記物体の種類が、予め登録された物体の種類と一致したとき、上記照射領域を変更することが好ましい。
上記構成によれば、検出手段によって検知された赤外線放射エネルギーに基づいた温度分布画像により、物体の種別を識別する識別手段を備えているので、上記の画像認識により物体の種類を識別する識別手段と同様、物体の種類に応じた、最適な照射領域の変更が可能となる。
さらに、本発明に係る車両用前照灯では、上記検知手段は、上記物体に赤外線を照射して、その反射波を検知するレーダであることが好ましい。
上記構成によれば、検知手段が上記レーダであるので、汎用性が高い検知手段を実現できる。
さらに、本発明に係る車両用前照灯では、上記変更手段は、右側通行国で規定された照明光の配光パターン、および、左側通行国で規定された照明光の配光パターンのいずれかを満たすように、上記発光部に対する上記照射領域を変更することが好ましい。
上記構成によれば、右側通行国および左側通行国のいずれにおいても、それらの国において規定される法を満たす配光特性を実現できるゆえ、本願の車両用前照灯を、あらゆる国で利用される車両に搭載し、活用することができる。
さらに、本発明に係る車両用前照灯は、水平面に対する車両の傾斜を検知する傾斜検出手段を備え、上記変更手段は、上記傾斜検出手段による検知結果にしたがって、上記照射領域を変更することが好ましい。
上記構成によれば、水平面に対する車両の傾斜の検知結果にしたがって、照射領域の位置を変更するので、略鉛直方向について、発光部から出射された照明光が形成する投光範囲の位置を変更することができる。
例えば、坂道の上がり口などにおいて対向車とすれ違うときに、当該対向車が上記投光範囲に含まれないようにすることができるので、その対向車のドライバなどに与える不快な眩しさや幻惑を低減することができる。
本発明に係る照明装置は、以上のように、レーザ光源、上記レーザ光源から出射されたレーザ光の発光部への導光を制御する光制御部、および、上記光制御部によって制御されたレーザ光を受けて発光する発光部、を備える第1光源と、上記第1光源とは異なる発光原理によって発光する第2光源と、上記発光部に対する上記光制御部の位置または角度を変えることにより、上記レーザ光源から出射されたレーザ光が上記発光部に形成する照射領域を変更する変更手段と、を備え、上記第1光源および上記第2光源のそれぞれから出射された光を同時に投光することが可能である構成である。
それゆえ、第1光源および第2光源から出射された光を照明光として利用できるとともに、当該照明光の配光特性、および光強度分布を制御することが可能となるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るヘッドランプの概略構成の一例を示すブロック図である。 上記ヘッドランプの概略構成の一例を示す平面図である。 上記ヘッドランプが備えるLEDの概略構成の一例を示す上面図および断面図である。 上記ヘッドランプが備える複数のレーザ素子と発光部との関係を模式的に示した図である。 上記ヘッドランプを市街地で用いたときの配光特性の一例を示す図であり、(a)はLEDのみ点灯時の配光特性を示す図であり、(b)はレーザ光源ユニットおよびLEDの両方が点灯しているときの配光特性を示す図である。 (a)は、図5(b)に示す配光特性を実現しているときのレーザ光源ユニットが出射する照明光が形成する第1投光範囲を示す図であり、(b)は、(a)の第1投光範囲を実現しているときの発光部に形成される照射領域の様子の一例を示す図である。 上記ヘッドランプの処理の流れの一例を示すものである。 (a)は上記ヘッドランプの処理によって形成される投光範囲の一例を示す模式図であり、(b)は上記発光部に形成される照射領域の一例を示す模式図である。 図8の処理の変形例によって形成される投光範囲の一例を示す模式図である。 (a)は上記ヘッドランプの処理によって形成される投光範囲の別例を示す模式図であり、(b)は上記発光部に形成される照射領域の一例を示す模式図であり、(c)はLEDのみ点灯時の配光特性の一例を示す図である。 (a)は上記ヘッドランプが右側通行国で規定された配光パターンを実現している様子を示す図であり、(b)は上記ヘッドランプが左側通行国で規定された配光パターンを実現している様子を示す図である。 上記ヘッドランプの処理の流れの一例を示すものである。 (a)〜(c)は、車両の傾斜角度と照射領域の変更との関係の一例を示す図である。 (a)〜(c)は、図14に示す関係の別例を示す図である。 (a)は従来のヘッドランプの配光特性の一例を示す図であり、(b)は本実施形態に係るヘッドランプの配光特性の一例を示す図である。 車両が出射する照明光が、坂道の上がり口において対向車に影響を与える様子を模式的に示す図である。 上記ヘッドランプの処理によって形成される投光範囲の別例を示す模式図である。 上記ヘッドランプの変形例を示す図である。 上記ヘッドランプの別の変形例を示す図であり、(a)はその一例を示す平面図であり、(b)は当該変形例における上記発光部およびLEDの位置関係を示す図である。 上記ヘッドランプが備えるレンズの位置または角度が変更されるときの照射領域の形成についての概要を説明するための図である。 上記ヘッドランプによる投光の様子を説明する図である。 上記ヘッドランプによる投光の一例を説明するための図である。 上記ヘッドランプによる投光の他の一例を説明するための図である。 上記ヘッドランプの更なる別の変形例に係るヘッドランプの概略構成の一例を示すブロック図である。 上記ヘッドランプの更なる別の変形例を示す図である。 上記ヘッドランプの更なる別の変形例を示す図である。 上記ヘッドランプの更なる別の変形例を示す図である。 上記ヘッドランプの更なる別の変形例を示す図である。 上記ヘッドランプの更なる別の変形例を示す図である。 MEMSミラーを説明する概略図である。 上記ヘッドランプの更なる別の変形例を示す図である。 上記ヘッドランプの更なる別の変形例を示す図である。 (a)〜(c)は、ピエゾミラー素子を説明する概略図である。 上記ヘッドランプの更なる別の変形例を示す図である。 上記ヘッドランプの更なる別の変形例を示す図である。
本実施形態に係る照明装置の一実施形態について、図1〜図35に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、本発明に係る照明装置を、自動車のヘッドランプに適用した場合を例に挙げて説明する。ただし、本発明に係る照明装置は、自動車以外の車両用前照灯、或いは、その他の照明装置に適用することも可能である。
〔ヘッドランプ100の概略構造〕
まず、本実施形態に係るヘッドランプ100(照明装置、車両用前照灯)の概略的な構造の一例について、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係るヘッドランプ100の概略構成の一例を示す平面図である。
図2に示すように、ヘッドランプ100は、レーザ光源ユニット1(第1光源)、LED2(第2光源、発光ダイオード)、放熱ベース3、フィン4、リフレクタ14(投光部)、波長カットコート15および凸レンズ16を備えている。
ヘッドランプ100は、レーザ光源ユニット1およびLED2を備え、レーザ光源ユニット1およびLED2のそれぞれから出射された光を同時に投光することが可能な構成となっている。それゆえ、1つの照明装置にて、レーザ光源ユニット1およびLED2という発光原理の異なる光源から出射された光を照明光として利用できるとともに、当該照明光の配光特性、および光強度分布を制御することができる。
ここで、従来の灯具では、LEDによって特定の配光パターン(例えば、すれ違い前照灯の配光特性)を実現するために、マスク(遮光板)、レンズカットまたはミラーカットによって照明光の一部を遮っていたが、この構成では、照明光のロスが生じる。
一方、本実施形態では、LED2は、主として、レーザ光源ユニット1から出射された光のバックアップとして利用される。また、照射領域変更部64(後述)により、第1投光範囲a1の形状や大きさなどを自由に変更できる。それゆえ、特定の配光パターンの形成のために、高度な光学設計(例えば、レンズカットやミラーカットなど)が不要となる。また、例えば走行用前照灯とすれ違い用前照灯の配光特性の切り替えを、単純な形状のリフレクタで実現できる。なお、本実施形態においては、ミラーカットなどによって、かえって自由な投光範囲の形成が阻害される可能性がある。
また、本実施形態のヘッドランプ100の構成を、ヘッドランプ100以外の照明装置(例えば室内灯)によって実現した場合には、例えば、LED2から出射された照明光によって部屋全体を照らし、レーザ光源ユニット1から出射された照明光によって机の上を照らすことも可能となる。
なお、一般に、レーザ光源ユニット1とLED2とを、同一の消費電力状況で比較すると、レーザ光源ユニット1は高輝度・低光束の照明光を出射する一方、LED2は低輝度・高光束の照明光を出射する。
また、このヘッドランプ100は、搭載される自動車の前側両端部に、それぞれ1つずつ配置されるが、説明の便宜上、以下では、1つのヘッドランプ100によって照明する場合について説明する。
<レーザ光源ユニット1>
図2に示すように、レーザ光源ユニット1は、レーザ素子11(レーザ光源)と光制御部12と発光部13とを備えている。
(レーザ素子11)
レーザ素子11は、励起光を出射する励起光源として機能する発光素子である。レーザ素子11は、1チップに1つの発光点を有するものであってもよく、1チップに複数の発光点を有するものであってもよい。
励起光としてレーザ光を用いることにより、後述する発光部13に含まれる蛍光体を効率的に励起して、従来の光源よりも輝度の高い光を発光することができ、さらに、発光部13自体のサイズを小径化することができる。本実施形態では、1つのレーザ素子11から出射されたレーザ光が、反射ミラー12aを介して発光部13に形成する照射領域(励起光のスポットサイズ)は、直径20μmから1000μmである。
図2に示すレーザ光源ユニット1には、レーザ素子11が複数設けられており、複数のレーザ素子11のそれぞれから励起光としてのレーザ光が発振される。レーザ素子11は高輝度光源であるため、効率よく、発光部13の受光面に形成される照射領域を絞ることが可能となり、その結果、配光角の狭い投光が可能となる。
本実施形態では、レーザ素子11の個数は24個である。すなわち、レーザ素子11のそれぞれから出射されたレーザ光は、発光部13のレーザ光を受ける表面である受光面に24個の照射領域を形成する。また、その24個の照射領域が受光面に均等に(マトリクス状に)形成される(例えば、受光面の縦方向に6個、横方向に4個)ように、フィン4の上に配置されている。これにより、複数のレーザ素子11から出射されたレーザ光により、発光部13の蛍光体をマトリクス状に励起することが可能となる。なお、レーザ素子11の個数は、上記に限定されず、発光部13の受光面全体へのレーザ光の照射を実現できる構成であればよく、例えば1個であってもよい。
レーザ素子11のレーザ光の波長は、例えば、395nm(青紫色)または450nm(青色)であるが、これらに限定されず、発光部13に含める蛍光体の種類に応じて適宜選択されればよい。
また、レーザ素子11は、直径5.6mmの金属パッケージに実装され、出力2Wで、波長395nm(青紫色、380〜415nm)のレーザ光を発振する。なお、レーザ素子11には配線が接続されており、配線を介して、電力などがレーザ素子11に供給される。
なお、波長は395nmに限定されるものではなく、発光部13に使用している蛍光体に応じて適宜、選択すればよい。
(発光部13)
発光部13は、反射ミラー12aを介して、レーザ素子11から発振されたレーザ光を受けて蛍光を発するものである。すなわち、発光部13は、複数のレーザ素子11の少なくとも1つから出射され、反射ミラー12aによって導光が制御されたレーザ光を受けて発光するものである。
また、発光部13は、レーザ光を吸収して蛍光を発する蛍光体(蛍光物質)を含んでいる。
例えば、発光部13は、封止材の内部に蛍光体の粒子が分散されているもの(封止型)、蛍光体の粒子を固めたもの、または、熱伝導率の高い材質からなる基板上に蛍光体の粒子を塗布した(堆積させた)もの(薄膜型)、などの蛍光体を含有した発光体である。本実施の形態では、発光部13は、4mm×2mmの矩形で、厚さ0.1mmの薄膜状となるように、蛍光体の粉末を放熱ベース3の傾斜部3aにTiOをバインダーとして塗布することで形成されている。
この発光部13は、放熱ベース3で、且つ、リフレクタ14が有する2つの焦点のうちの1つの焦点(第1焦点)近傍に配置されている。このため、発光部13から発せられた光は、リフレクタ14の反射曲面によって反射されることで、その光路が制御される。
図2に示すように、発光部13は、リフレクタ14よりも小さい(例えば、リフレクタ14の1/10程度)ことが好ましい。この場合、発光部13が発した光を、リフレクタ14の前方に効率よく投光することができる。
また、発光部13は、全てのレーザ素子11から出射され、各レーザ素子11に対応して配置された反射ミラー12aのそれぞれを通過した(各反射ミラー12aで導光が制御された)レーザ光により形成される照射領域(レーザ光照射範囲)よりも大きいことが望ましい。
(発光部13の傾斜配置)
また、発光部13は、発光部13から発せられた蛍光が、効率的にリフレクタ14で反射して、リフレクタ14から投光することが可能なように、放熱ベース3の傾斜部3a上に傾いて配置されている。傾斜部3aは、レーザ光の入射方向に対して垂直な面を基準として、その入射方向に15°程度傾斜して構成されている。発光部13で発せられた光は、略ランバーシアン配光となる。そのため、傾斜部3aのレーザ光照射面がレーザ光の入射方向に対して垂直となるように傾斜部3aが形成されていると、発光部13で発せられた光の最も光度の高い領域がリフレクタ14の窓部14aとなるため、投光効率が悪くなる。
この投光効率を考慮すれば、そのレーザ光照射面が15°程度傾斜していることが望ましいが、当該投光効率を考慮しなければ、傾斜部3aのレーザ光照射面がレーザ光の入射方向に対して垂直となるように傾斜部3aが形成されていてもよい。
さらに、リフレクタ14の窓部14aをレーザ光が透過し、発光部13から発せられた光を反射するような構造とした場合には、製造コストは上昇するが、傾斜部3aのレーザ光照射面がレーザ光の入射方向に対して垂直となるように傾斜部3aが形成されていても、投光効率は向上する。
(蛍光材料)
本実施の形態では、レーザ素子11によって発振された波長395nmのレーザ光を受けて、白色の蛍光を発するように、発光部13の蛍光体として、BAM(BaMgAl1017:Eu)、BSON(BaSi12:Eu)、Eu−α(Ca−α−SiAlON:Eu)が用いられている。しかし、上記蛍光体は、これらに限定されるものではなく、自動車用のヘッドランプ100の照明光が、法律により規定されている所定の範囲の色度を有する白色となるように適宜選択されればよい。
例えば、他の酸窒化物蛍光体(例えば、JEM(LaAl(SiAl)O:Ce)、β-SiAlON等のサイアロン蛍光体)、窒化物蛍光体(例えば、CASN(CaAlSiN:Eu)蛍光体、SCASN((Sr,Ca)AlSiN:Eu)蛍光体)、Apataite((Ca,Sr)(POCl:Eu)系、Silicate((Ba,Sr,Mg)SiO:Eu,Mn)系蛍光体または、III−V族化合物半導体ナノ粒子蛍光体(例えば、インジュウムリン:InP)を用いることができる。
また、黄色の蛍光体(または緑色および赤色の蛍光体)を発光部13に含め、450nm(青色)のレーザ光(または、440nm以上490nm以下の波長範囲にピーク波長を有する、いわゆる青色近傍のレーザ光)を照射することでも白色光が得られる。
(封止型)
発光部13を封止型とした場合の封止材は、例えば、ガラス材(無機ガラス、有機無機ハイブリッドガラス)、シリコーン樹脂などの樹脂材料である。ガラス材として低融点ガラスを用いてもよい。封止材は、透明性の高いものが好ましく、レーザ光が高出力の場合には、耐熱性の高いものが好ましい。ゾルゲル法により、酸化ケイ素や酸化チタン等により封止する構造でもよい。
発光部13の上面にレーザ光の反射を防止する反射防止構造が形成されていてもよい。封止型の場合には、発光部13の上面形状の制御が容易であるため、特に反射防止膜を形成することが望ましい。
(薄膜型)
発光部13を薄膜型とした場合は、Al、Cu、AlNセラミック、SiCセラミック、酸化アルミ、Siなどを基板として用いる。その基板の上に蛍光体の粒子を塗布あるいは堆積させた後、基板毎に、所望の大きさに分割する。その後、放熱ベース3(発光部支持部)に高熱伝導接着剤により固定する。
基板にAlやCuなどを用いた場合には、バリアメタルとしてTiNやTi、TaN、Ta等を、基板の蛍光体の粒子を堆積しない側(放熱ベース3に対向する側)にコートしておくことが望ましい。さらに、バリアメタル上にPtやAuなどをコートしても良い。
高熱伝導性接着剤としては、SnAgCu、AuSnなどの共晶半田を用いることが望ましいが、限定はされない。
(励起光スポットサイズ)
本実施の形態では、発光部13に形成される照射領域(励起光のスポットサイズ)を、直径100μmから1000μmとしているが、その理由は以下のとおりである。
1)最小サイズ
白色光を発するために、発光部13には複数の蛍光体が使用されるが、蛍光体の粒径サイズは10μm程度であり、また、白色光をむら無く発するために発光部13に3種類の蛍光体が使用された場合、1対1対1の配合だとしても、照射領域の大きさとしては直径20μmを要する。実際には、必要な色温度にあわせて蛍光体のブレンドを変えるため、白色光を発するために必要な照射領域の大きさは直径50μm程度となる。さらに、そのまま使用すると、各蛍光体粒子の分布に応じた色分布が投光範囲によっては発生してしまう。このため、照射領域の大きさが直径100μm以上となるように、レーザ光が照射されることが望ましい。
2)最大サイズ
レーザ素子11の1素子で投光したい投光範囲によって決まる値である。
(青色レーザを用いた場合の照射領域の大きさ)
なお、青色近傍のレーザ光を出射するレーザ素子11(青色レーザ素子)を使用する場合には、レーザ光が投光されることになるため、IEC60825−1のクラス1となるように、レーザ光の出力を設定する必要がある。
レーザ素子11において青色レーザ光および青紫色レーザ光が混合される場合(レーザ素子11が青色レーザ素子および青紫色レーザ素子からなる場合)には、それぞれのレーザ光の照射領域に応じて、発光部13における各蛍光体の領域を変えることが発光効率の観点から望ましい。例えば、青色レーザ光の照射領域にはYAG系蛍光体を用い、青紫色レーザ光の照射領域には、BAM、BSON、Eu−αを用いる(すなわち、これらの蛍光体を塗り分ける)。
その場合、青色レーザ素子1個が出射した青色レーザ光が形成する照射領域の大きさは、青紫色レーザ素子1個が出射した青紫色レーザ光が形成する照射領域の大きさと同じか、または当該青紫色レーザ光が形成する照射領域の大きさよりも広く設定されることが安全性の観点より望ましい。
なお、発光効率を考慮しなければ、各蛍光体を塗り分けずに混合し、発光部13の全面に塗布しても良い(例えば、YAG系蛍光体およびBAM、BSON、Eu−αの混合)。
(白色光以外の光の出射について)
また、発光部13から出射される光は、白色光に限らず、発光装置において規定される色度を有する光を出射できればよい。
なお、レーザ素子11が、赤外カメラ用光源としての赤外発光レーザ素子も含む場合、発光部13は、赤外レーザ光を所望領域に投光するための散乱体としての役目も果たすことになる。
(光制御部12)
光制御部12は、レーザ素子11から出射されたレーザ光の発光部13への導光を制御する(レーザ光の進行方向を制御する)ものであり、発光部13における照射領域の重ね合わせ、スポットサイズ、スポット形状等を制御するものである。
光制御部12は、発光部13とレーザ素子11との間に配置されており、レーザ光源ユニット1を構成するレーザ素子11のそれぞれに対応するように配置される複数の反射ミラーまたは複数のレンズによって実現されている。
このように、光制御部12とレーザ素子11とが一対一に配置されることにより、複数のレーザ素子11から出射されるレーザ光のそれぞれの導光を制御できるので、照射領域の形成をより細かく制御することができる。それゆえ、発光部13から出射される照明光が形成する第1投光範囲a1をより細かく制御することができる。
なお、光制御部12は、発光部13における照射領域の重ね合わせ、スポットサイズ、スポット形状等を制御できれば良く、上記反射ミラーまたはレンズのほか、一体成形によるアレイレンズまたはマルチファセットミラーで実現されても良い。また、1つの反射ミラーまたはレンズを複数のレーザ素子11で共有する構造としても良い。
また、光制御部12は、照射領域変更部64によってその動作が制御される。これにより、光制御部12の位置または角度が変更される。
例えば、光制御部12を機械的に動作させるために、例えば、光制御部12自体または光制御部12を支持する枠体に、複数のワイヤを取り付けられている。また、その複数のワイヤのそれぞれにはモータが接続されている。後述の照射領域変更部64の制御によってモータを駆動させ、その駆動力を利用して、ワイヤのそれぞれを略光軸方向に独立して移動させる。その結果、光制御部12を3軸(x,y,z)方向の任意の方向に移動させることが可能となる。
ワイヤは、光制御部12が反射ミラー12aであれば、例えば、反射膜が設けられた表面(レーザ光が照射される表面)と反対側の表面の4隅に設けられる。また、光制御部12がレンズ12b(後述)であれば、例えば、レンズ12bの枠体の4隅に設けられる。
なお、この光制御部12を機械的に動作させるための構造(アクチュエータ)は、このような構造に限られず、照射領域変更部64の制御により光制御部12を3軸方向の任意の方向に移動させる構造であれば、どのような構造であってもよい。
尚、モータとは、対象物に対して動きをあたえたり、運動させるものの事である。
(反射ミラー12a)
本実施の形態では、光制御部12として反射ミラー12aを用いている。
反射ミラー12aは、複数のレーザ素子11のそれぞれと発光部13との間に配置され、複数のレーザ素子11から出射されたレーザ光のそれぞれの、発光部13への導光を制御するものである。換言すれば、反射ミラー12aは、複数のレーザ素子11から出射されたレーザ光のそれぞれを反射することにより、その導光を制御するものである。
具体的には、複数のレーザ素子11のそれぞれから出射されたレーザ光は、各反射ミラー12aによって反射されることで略コリメート光となり、かつ、ビーム幅を縦方向に圧縮した後、リフレクタ14の窓部14aを通って発光部13へ導かれる。
これにより、複数のレーザ素子11を、発光部13に対して自由に配置することができる。
(構造)
本実施の形態では、反射ミラー12a(立上ミラー)は、レーザ素子11の発光点を略焦点位置とした軸外しパラボラミラーであり、レーザ素子11より出射されたレーザ光をコリメート光とし、且つ、光路を制御している。なお、反射ミラー12aは、レーザ素子11(レーザチップ)の非点隔差を補正し、コリメート光とするような非球面ミラーを用いると更によい。その場合、さらにコリメート性が上がる。
また、フィン4には複数のレーザ素子11が設けられているので、そのレーザ素子11の発光点のそれぞれと対向するように、複数の反射ミラー12aのそれぞれが一対一に備えられている。
(機能)
上述したように、本実施の形態の反射ミラー12aを構成する立上ミラーは、発散光(レーザ素子11から出射されたレーザ光)をコリメート光としている。また、当該立上ミラーを用いることにより、リフレクタ14の窓部14aを小さくすることができる。
具体的に、図2に示すレーザ素子11から発光部13までのレーザ光の光路を考察する。各レーザ素子11から出射された3本のレーザ光の幅(紙面横方向)は、各レーザ素子11の配置間隔に依存している。しかし、各反射ミラー12aを構成する立上ミラーのそれぞれにおいて反射した後の3本のレーザ光の幅は、圧縮されている(紙面縦方向)。そのため、リフレクタ14の窓部14aを小さくすることができ、発光部13から出射される光を有効に使用することが可能となる。
なお、ヘッドランプ100は車両用ヘッドランプ用の光源であるため、例えば図11(a)に示すように、最終的な投光パターンを横長の配光とする必要がある。そのため、反射ミラー12aは、レーザ素子11から出射された光を、縦方向に圧縮し、発光部13において横長となるように照射している。
このように、本実施の形態の反射ミラー12aは、発散光のコリメート化、および、縦方向のビーム圧縮という2つの機能を有している。
なお、図2では、反射ミラー12aを備えた構成を示しているが、これに限らず、コリメートレンズと平面鏡とを用いることによっても、反射ミラー12aを構成する立上ミラーと同様の機能を実現することが可能である。また、レーザ素子11の内部にコリメートレンズあるいはコリメートミラーを設けることにより、レーザ素子11からコリメート光を出射可能な構成の場合は、反射ミラー12aを平面鏡にすることで、反射ミラー12aを構成する立上ミラーと同様の機能を実現することが可能である。
また、レーザ光の導光制御において、反射ミラー12aを用いた場合には、コリメートレンズを使用する場合に比べ、コート膜の劣化を低減することができる。そのため、長期の信頼性を担保するという意味でも、反射ミラー12aを用いる事が望ましい。
(素材)
反射ミラー12aは、機材であるAlNセラミックに、反射膜であるAlおよび酸化防止膜として酸化アルミをコートしたものであるが、本構成に限定されるものではない。
例えば、機材としては、BK7、石英ガラス等のガラス類、ポリカーボネート、アクリル、FRP、SiC、Al等、熱膨張係数の小さい素材を用いることが望ましいが、最終的なコリメート精度があまり求められない場合には、Al等の金属を用いても良い。
また、反射膜としては、Ag、Ptなどの金属が望ましいが、SiO/TiO多層膜等の多層膜構造による反射膜でも良い。
さらに、酸化防止膜は、酸化ケイ素などを用いても良い。なお、酸化防止膜が必ずしもコートされている必要はない。
また、反射ミラー12aの表面には、増反射膜(増反射構造、例えばHRコート膜)が設けられていても良い。この場合、レーザ光の反射ミラー12aによる反射損失(ミラーロス)を低減することができる。
<LED2>
LED2は、レーザ光源ユニット1と比較すると低輝度な光源であり、発光面積を増やすことにより光束を増やしている。そのため、LED2から出射される照明光の投光範囲は広い。
LED2は、レーザ素子11を用いずに白色を出す光源である。換言すれば、LED2は、レーザ光源ユニット1とは異なる発光原理によって発光する光源である。また、LED2は、白色光を発光することによって、発光部13から出射される蛍光と同様、照明光としての利用を可能としている。
また、LED2は、後述の出力制御部66の制御により、ヘッドランプ100に規定された最低照度を満たすように照明光を出射するものである。これにより、レーザ光源ユニット1の非点灯時においても、LED2のみで当該最低照度を確保することができる。
(LEDの仕様)
本実施形態では、LED2は、外形5mm角、厚さ3mmの直方体であり、発光領域は、約4mm×1mmである。
本実施形態のLED2は、凸レンズ16へのカップリング効率(投光効率)を高めるために、LED2の配光特性において指向性を高めており、指向角(半値)を40°としている。
本実施形態のLED2は、図3に示すように、750μm角の4個のLEDチップ21(青色発光LEDチップ)を熱伝導率の高いマウント部材23(本実施形態では、AlNセラミック)の上にフリップチップボンドし、各LEDチップ21周辺に、LEDチップ21からの発光により励起される蛍光体22を堆積した構成としている。
また、蛍光体22としては、YAG蛍光体を用いている。しかし、この構成に限定されるものではなく、LEDチップ21からの発光が、法律により規定されている所定の範囲の色度を有する白色となるように、適宜蛍光体が選択されればよい。
LED2は、LEDチップ21、および、LEDチップ21周辺に堆積した蛍光体22からの発光を配光制御するために、リフレクタカップ24の略焦点位置に設置されている。
また、マウント部材23の上には、LEDチップ21のそれぞれを駆動させるための電極25が配置されている。
なお、本実施形態では、リフレクタカップ24によりLED2から出射された光の配光を制御しているが、モールドレンズ等によって当該配光を制御してもよい。また、凸レンズ16へのカップリング効率を考慮しないのであれば、そのような配光特性を制御しなくてもよい。
(配置)
このLED2は、放熱ベース3上であり、且つ、リフレクタ14が有する2つの焦点のうちのもう1つの焦点(第2焦点)近傍に配置されている。また、LED2から出射された光は、リフレクタ14の外部に直接出射されるように、LED2の発光点がリフレクタ14の開口部を向くように、放熱ベース3に配置されている。LED2の配置位置は、当該位置に限らず、(1)LED2から出射された光が効率よく出射され、(2)規定の配光特性を実現でき、(3)発光部13から出射され、リフレクタ14によって反射された光を遮らない位置であればよい。

LED2から出射された光は、リフレクタ14の前方に第2投光範囲a2(例えば図5(a)参照)を形成する。すなわち、第2投光範囲a2は、LED2から出射された照明光によって形成されるものである。
(マトリクスLED)
LED2を構成するそれぞれのLEDチップ21の出力を個々に制御しても良い。その場合には、後述の出力制御部66がLEDチップ21それぞれの出力(出射される光の光量)を制御することにより、LED2全体から出射される光の配光特性を制御することが可能となる。
また、LED2を構成する複数のLEDチップ21をマトリクス状に配置してもよい。
なお、LED2には配線(図示省略)が接続されており、当該配線を介して、電力などがLED2に供給される。
(LED2以外の光源)
また、本実施の形態では、レーザ光源ユニット1および投光光学系(凸レンズ16)を共用し、全体のユニットサイズの小型化を図っているため、レーザ光源ユニット1と異なる発光原理によって発光する第2光源としてLED2が用いられている。
一方、ハロゲンランプやHIDランプ(High Discharge Lamp)等といった光源を用いると、バルブを形成する硝子がレーザ光源ユニット1からの発光を妨げるため、所定の投光効率で投光を行うためには当該光源用の投光光学系をレーザ光源ユニット1の投光光学系とは別に用意する必要がある。しかし、この点を考慮しなければ、第2光源は、LED2に限られず、例えば、ハロゲンランプまたはHIDランプなどを用いてもよい。すなわち、レーザ光源ユニット1とは異なる発光原理によって発光する光源であれば、どのような光源を利用してもよい。
また、LED2から出射される光は、白色光に限らず、照明装置において規定される色度を有する光を出射できればよい。
また、異なる色度(例えばRGB)で発光する複数のLED2により、白色光の照明光を投光する仕様としてもよい。その場合、投光光束の色温度(色度)を変更することが容易となる。
<放熱ベース3>
放熱ベース3は、発光部13およびLED2を支持する支持部材である。本実施の形態では、Alを用いているが、Cu、AlN、SiCなど、他の高熱伝導材を用いても良い。放熱ベース3は、発光部13およびLED2の発熱を効率的に放熱することができる。
放熱ベース3は、図2に示すように、発光部13を第1焦点に、LED2を第2焦点に配置することが可能で、かつ、発光部13から発せられた光が効率的にリフレクタ14に照射されるとともに、LED2から出射された光が効率的にリフレクタ14の外部に出射することが可能な形状となっている。
また、発光部13から発せられた光がリフレクタ14によって反射された後、放熱ベース3に照射され、リフレクタ14の外部への出射効率が低下しないような形状であることが好ましい。このため、リフレクタ14の開口部側から見たときの放熱ベース3の幅は、発光部13およびLED2が配置可能な最小の大きさ(例えば4mm)であることが好ましい。
また、発光部13の受光面から入射したレーザ光が、上記傾斜部3aまで透過してしまうような発光部13が用いられている場合には、発光部13が塗布される傾斜部3aの表面は、反射面として機能することが好ましい。この場合、入射したレーザ光をその反射面で反射させ、再び発光部13の内部に向かわせて蛍光に変換することができる。
なお、本実施の形態では、発光部13とLED2とを同じ部材で支持しているが、それぞれを別個の部材で支持してもよい。また、別個の放熱ベースとした場合には、LED2の支持部材の方が発光部13の支持部材よりも大きな部材であることが望ましい。
<フィン4>
フィン4は、レーザ素子11を冷却する冷却部(放熱機構)として機能するものであり、例えばアルミニウムからなる。このフィン4は、複数の放熱板を有するものであり、大気との接触面積を増加させることにより放熱効率を高めている。
なお、フィン4は、必ずしもレーザ素子11に接している必要は無く、レーザ素子11とフィン4との間をヒートパイプや水冷パイプ、ペルティエ素子等で介してもよい。
また、レーザ素子11を冷却する冷却部は、冷却(放熱)機能を有するものであればよく、水冷方式の場合、ラジエター方式のものであってもよい。また、ファン等により、強制冷却する構成であってもよい。
<リフレクタ14>
リフレクタ14は、発光部13によって発せられた光を反射し、制御するものである。すなわち、第1投光範囲a1(例えば図5(b)参照)は、レーザ光源ユニット1から出射された照明光によって形成されるものである。
本実施の形態では、レーザ光源ユニット1から出射された照明光はリフレクタ14と凸レンズ16により投光される。
リフレクタ14は、反射面の少なくとも一部が楕円形状である楕円ミラーからなり、レーザ光が入射される側に第1焦点を有しており、第1焦点近傍に発光部13が設置されている。また、凸レンズ16の焦点位置がリフレクタ14の第2焦点近傍となるように、凸レンズ16は設置されている。
なお、投光効率を上げるために、リフレクタ14の射出瞳と凸レンズの入射瞳とをマッチングさせている。これにより、発光部13からの光を立体角内に効率的に投光させて、第1投光範囲a1を形成することができ、その結果、光の利用効率を高めることができる。
発光部13によって発せられた光はリフレクタ14により反射され、リフレクタ14の第2焦点近傍に集光された後、凸レンズ16により略平行光とされ、投光される。
(材料)
本実施の形態では、リフレクタ14は、FRPを基材とし、その上に反射膜としてAlコート、さらにその上に、Alの酸化防止を目的とした酸化ケイ素をコートしたものを用いている。
ただし、本構成に限定されるものではなく、リフレクタ14は、反射制御が行う機能を有するものであればよい。例えば、基材としてアクリルやポリカーボネートといった他の樹脂やAl等の金属製の部材を用いても良いし、反射膜としてAgやPt等を用いていても良い。また、酸化防止膜としては、酸化アルミ系等を用いても良く、酸化ケイ素および酸化チタンの多層膜とした増反射機能を兼ね備えた膜を用いても良い。
また、レーザ素子11は、リフレクタ14の外部にあるフィン4の上に配置されており、リフレクタ14には、レーザ光を透過または通過させる窓部14aが設けられている。この窓部14aは、貫通孔であってもよく、或いは、レーザ光を透過可能な透明部材を含むものであってもよい。例えば、レーザ光を透過し、且つ、白色光(発光部13の蛍光)を反射するフィルターを設けた透明板を窓部14aとして設けてもよい。この構成によれば、発光部13から発せられた光が、窓部14aから漏れることを防止することができる。
本実施形態では、樹脂製の楕円ミラーの内面にアルミニウムがコーティングされたリフレクタ14を用いており、開口部の半径が38mm、第1焦点と第2焦点との距離は32.5mmである。
このような構成によれば、高輝度、且つ、配光特性に優れたレーザ光源ユニット1を実現することができる。
なお、本実施形態では、1つのリフレクタ14内部に、発光部13およびLED2が備えられているが、これに限らず、発光部13およびLED2のそれぞれに対して1つのリフレクタが備えられてもよい。ただし、車両において、ヘッドランプが配置される位置には、ヘッドランプ以外の種々の部材が搭載されるので、ヘッドランプ全体の大きさは少しでも小さいことが好ましい。また、複数のリフレクタの光軸をあわせるための繁雑な作業も要することになる。この点を考慮すれば、リフレクタは1つの方が好ましい。
<凸レンズ16>
凸レンズ16は、発光部13またはLED2から出射され、波長カットコート15を透過した光を略平行光にして、その略平行光をヘッドランプ100の前方へ投光するものである。この凸レンズ16は、波長カットコート15またはリフレクタ14に当接されることによって保持されており、その当接面の大きさは、当該波長カットコート15(すなわち、リフレクタ14の開口部)と略同一である。また、凸レンズ16の主点を通り、主平面に直行する線は、リフレクタ14の第1焦点および第2焦点を通る平面と同一の平面状に存在する。
(略平行光について)
略平行光とは、完全に平行である必要はなく、投光角(光度が半値となる頂角)が20°以下であればよい。
本実施の形態では、レーザ素子11を構成する素子のそれぞれについて投光角を設定しており、複数のレーザ素子11のそれぞれの投光角は、配光制御の観点より、0.1°〜20°の範囲で設定されている。特に、車両用ヘッドランプである場合、車両進行方向に投光する(車両の軸に対して±8°の範囲を投光する)複数のレーザ素子11の投光角を、それぞれ3°以下とすることがより細やかな配光を実現する上で望ましい。
<波長カットコート15>
波長カットコート15は、特定の波長域の光を遮断する。本実施の形態では、波長カットコート15は、400nm以下の波長の光をカットしており、波長395nmのレーザ光を遮断している。
これにより、レーザ光を投光しない人の目に優しい装置をユーザに提供する。なお、遮断する波長は、波長カットコート15の種類に応じて適宜調整できる。また、波長カットコート15の代わりに波長カットフィルタを用いることもできる。
〔ヘッドランプ100の構成〕
次に、本実施形態に係るヘッドランプ100の概略的な構成の一例について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るヘッドランプ100の概略構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、ヘッドランプ100は、上述したレーザ光源ユニット1、LED2の他、カメラ5、制御部6、傾斜センサ7および記憶部8を備えている。
<カメラ5>
カメラ5は、配光エリア(第1投光範囲a1または第2投光範囲a2)を含む車両前方の画像を連続的に撮影するものであり、例えば、室内前方のルームミラー近傍や、ヘッドランプ100(前照灯)近傍に配置される。カメラ5には、テレビフレームレートで動画像を撮影する撮影装置を用いることができる。
カメラ5は、例えば、レーザ素子11およびLED2のいずれか一方が点灯された時点から撮影を開始し、撮影した動画像を制御部6に出力する。制御部6は、この動画像を解析することにより、所定の物体を検知・識別することができ、さらにはその識別結果に応じた第1投光範囲a1の位置を制御することができる。
なお、カメラ5の代わりに、車両前方に存在する物体に赤外線を照射して、その反射波を検知する赤外線レーダ(レーダ)であってもよい。赤外線レーダを利用する場合も、カメラ5と同様、汎用性の高い技術を用いて、車両前方に存在する物体の検知を行うことができる。
また、カメラ5は可視光用であっても良いし、赤外光用のものであってもよく、赤外および可視の両方の機能を有していても良い。なお、カメラ5を赤外光用とすることにより、人間を含む恒温動物の検知が容易となる。
また、カメラ5は、1台のカメラである必要はなく、複数台のカメラを用いても良い。
なお、カメラ5によって撮影された動画像中の物体の種類を識別する手法は、上記のものに限られず、公知の手法を適用してもよい。
<制御部6>
制御部6は、例えば制御プログラムを実行することにより、ヘッドランプ100を構成する部材を制御するものであり、主として、物体検出部61(検知手段)、物体識別部62(識別手段)、傾斜検出部63(傾斜検出手段)、照射領域変更部64(変更手段)、点灯制御部65(第1出力制御手段)および出力制御部66(第2出力制御手段)を備えている。制御部6は、ヘッドランプ100に備えられた記憶部8に格納されているプログラムを、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一次記憶部(不図示)に必要に応じて読み出して実行することにより各種処理を行う。なお、上記各種部材については、後述する。
<傾斜センサ7>
傾斜センサ7は、傾斜検出部63が車両の傾斜を検出するための情報を測定するセンサである。傾斜センサ7のセンシング手法は、車両の姿勢変化に追随するレスポンスの早い手法であれば、どのような手法であってもよい。
<記憶部8>
記憶部8は、制御部6が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録するものである。記憶部8は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等の記憶装置によって構成されるものであり、必要に応じてROM(Read Only Memory)フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置が備えられる。なお、上述した一次記憶部は、RAMなどの揮発性の記憶装置によって構成されているが、本実施形態では、記憶部8が一次記憶部の機能も備えているものとして説明する場合もある。
<制御部6の詳細構成>
次に、制御部6が備える各種部材について説明する。
(物体検出部61)
物体検出部61は、カメラ5によって撮影された動画像を解析して、動画像中の物体を検出するものである。具体的には、物体検出部61は、カメラ5から動画像を取得したとき、動画像中の配光可能エリアに含まれる物体を検出する。
物体検出部61は、動画像中の配光可能エリア内に物体が検出された場合、物体が検出された座標値を示す検出信号を物体識別部62に出力する。
(物体識別部62)
物体識別部62は、物体検出部61から出力された検出信号に示される座標値における物体の種類を、画像認識により識別するものである。具体的には、物体識別部62は、物体検出部61から検出信号を取得したとき、検出信号に示される座標値に示される物体の移動速度、形状、位置などの特徴点を抽出し、特徴点を数値化した特徴値を算出する。
そして、物体識別部62は、記憶部8に記憶された、物体の種類ごとの特徴点が数値化された基準値を管理する基準値テーブルを参照して、当該基準値テーブルに、算出した特徴値との誤差が所定閾値以内である基準値を検索する。
例えば、基準値テーブルには、車両、道路標識、歩行者、動物または想定される障害物などに対応する基準値が予め登録され、管理されている。算出した特徴値との誤差が所定閾値以内の基準値が特定された場合、物体識別部62は、当該基準値で示される物体を、物体検出部61によって検出された物体であるものと判定する。
物体識別部62は、物体検出部61によって検出された物体が、基準値テーブルに予め登録された物体であると判定したとき、当該物体と、当該物体が検出された座標値とを示す識別信号を照射領域変更部64に出力する。
(傾斜検出部63)
傾斜検出部63は、傾斜センサ7から出力された信号に基づいて、車両全体の傾斜、特に水平面に対する車両の傾斜を検出するものであり、車両の傾斜角度の値を示す角度信号を、照射領域変更部64に出力する。傾斜検出部63は、車両の姿勢変化に追随するレスポンスの早い手法であれば、どのような手法で実現されていてもよい。
(照射領域変更部64)
照射領域変更部64は、反射ミラー12aの位置または角度を変えることにより、レーザ素子11から出射されたレーザ光の光路が変更され、当該レーザ光が発光部13に形成する照射領域(その面積および/または位置など)を変更するものである。実際には、照射領域変更部64は、各レーザ素子11に対応して配置された複数の反射ミラー12aの動作をそれぞれ制御して、各反射ミラー12aを3軸(x,y,z)方向の任意の方向に移動させることで、上記照射領域を変更する。
このような制御により、その位置または角度の変更にすばやく反応して照射領域を変更することができるので、上記位置または角度の変更に対する応答性の高い照明光の配光特性の制御を実現できる。また、例えばリフレクタ14等の投光部を動かして第1投光範囲a1を変更する構成に比べて、第1投光範囲a1の変更の指示に対する応答性の高い照明光の配光特性の制御を実現できる。
(点灯制御部65)
点灯制御部65は、複数のレーザ素子11のそれぞれについて、点灯および消灯(すなわち、レーザ素子11の駆動)を制御するものである。すなわち、点灯制御部65は、レーザ素子11のそれぞれの出力を制御する(変動させる)ものである。
点灯制御部65は、レーザ素子11のそれぞれの点灯状態を示す点灯状態信号を、出力制御部66に出力する。
このように、点灯制御部65がレーザ素子11の出力を制御することで、発光部13に照射されるレーザ光の強度が制御され、これにより、発光部13が発する光の強度も制御することができる。それゆえ、照射領域変更部64による反射ミラー12aの動作制御によって、発光部13から出射された照明光が形成する第1投光範囲a1を自由に変更できるだけでなく、その光の強度も自在に制御できるため、さらに自由な第1投光範囲a1の変化を実現することができる。
(出力制御部66)
出力制御部66は、LED2から出力される照明光の出力を制御(すなわち、LED2の光量を制御)するものである。これにより、LED2から出射される照明光の強度を制御することができる。LED2がマトリクス状に配置され、それぞれのLEDの出力を制御する場合には、大まかな配光制御(例えば、すれ違い前照灯の配光特性基準や、左側通行国で規定される配光パターンなどの大まかな制御)を行うことが可能となる。
例えば、出力制御部66は、運転者(年齢や種族等の差による視感度の差)や、走行環境(天候、市街地か山間部か、夕方か夜か等)等に対応して、LED2の出力や色度等を変更する。
なお、記憶部8に、運転者(年齢や種族等の差による視感度の差)および/または走行環境(天候、市街地か山間部か、夕方か夜か等)と、LED2の出力値(色度変更タイプの場合は色度)とが対応付けて格納されており、出力制御部66は、その出力値を読み出すことにより、LED2の出力を段階的に制御する。
また、出力制御部66は、点灯制御部65から出力された点灯状態信号を解析し、レーザ光源ユニット1の点灯状態(レーザ光源ユニット1からの照明光の出力状態)に従ってLED2の出力制御を行うことも可能である。この場合、消費電力を低減するモードにすることができるとともに、LED2を、レーザ光源ユニット1のバックアップとして利用することができる。
また、出力制御部66は、例えば、レーザ素子11のすべてが故障して突如点灯しなくなった場合にも、LED2から照明光を出射制御することにより、ヘッドランプ100で必要となる規定の配光特性および照度を、少なくとも最低限担保することができる。
(照射領域変更部64の詳細)
照射領域変更部64は、形成すべき所望の第1投光範囲a1にあわせて、反射ミラー12aの動作を制御することにより、レーザ光が発光部13に形成する照射領域を変更する。
上記所望の第1投光範囲a1は、例えば、
(1)物体識別部62から出力された識別信号に示される物体および座標値に基づく範囲、
(2)走行用前照灯(ハイビーム)の配光特性基準を満たす範囲、
(3)すれ違い用前照灯(ロービーム)の配光特性基準を満たす範囲、
(4)右側通行国で規定された照明光の配光パターンを満たす範囲、
(5)左側通行国で規定された照明光の配光パターンを満たす範囲、
(6)傾斜検出部63から出力された角度信号に基づく範囲、
(7)夕方用配光パターンを満たす範囲、
(8)夜間用配光パターンを満たす範囲、
(9)雨天時用配光パターンを満たす範囲、
(10)雪面路用配光パターンを満たす範囲、
(11)凍結路用配光パターンを満たす範囲、
(12)舗装路用配光パターンを満たす範囲、
(13)非舗装路用配光パターンを満たす範囲、
(14)市街地用配光パターンを満たす範囲、
(15)山間部用配光パターンを満たす範囲、
などが挙げられる。
また、上記(1)の物体としては、
(a)車両前方に飛び出してきた人、
(b)車両前方に飛び出してきた車、
(c)車両前方に飛び出してきたバイク等の2輪車、
(d)車両前方に飛び出してきた動物、
(e)停止車両、
(f)落下物、
(g)対向車、
(h)前走車(先行車)、
等がある。
(記憶部8)
上記(1)等に示す第1投光範囲a1の変更を実現するために、記憶部8には、例えば、
(A)識別信号に示される物体および座標値と、駆動させる反射ミラー12aと、その反射ミラー12aの位置または角度とを対応付けた識別関連データ、
(B)走行用前照灯またはすれ違い用前照灯の配光特性基準と、駆動させる反射ミラー12aと、その反射ミラー12aの位置または角度とを対応付けた特性基準関連データ、
(C)右側通行国または左側通行国の配光パターンと、駆動させる反射ミラー12aと、その反射ミラー12aの位置または角度とを対応付けた配光パターン関連データ、
(D)車両の傾斜角度と、駆動させる反射ミラー12aと、その反射ミラー12aの位置または角度とを対応付けた角度関連データ、
などが格納されている。さらに、記憶部8には、各種周辺環境に対応したレーザ光源ユニット1の駆動、光制御およびLED2の駆動に関連するデータなどが格納されている。
照射領域変更部64は、上記識別関連データ、特性基準関連データ、配光パターン関連データ、角度関連データ等のうちのいずれかを記憶部8から読み出し、反射ミラー12aの位置または角度を決定する。
(複数のレーザ素子11が形成する照射領域)
図4は、複数のレーザ素子11と発光部13との関係を模式的に示した図である。なお、図4では、光制御部12として機能する反射ミラー12aまたはレンズ12b(後述)の図示は省略している。また、簡略化のために、この図では、12個のレーザ素子11が図示されている。
図4に示すように、複数のレーザ素子11が発光部13に対してマトリクス状に配置されているので、少なくとも反射ミラー12aが照射領域変更部64によって非制御の場合(反射ミラー12aがデフォルトの位置にある場合)には、当該レーザ素子11から出射されたレーザ光も、発光部13の受光面に形成される照射領域の全てが重ならないように、当該受光面全体にマトリクス状に照射される。これにより、発光部13の蛍光体を効率よく発光させることができる。
また、反射ミラー12aが照射領域変更部64によって制御されることにより、各レーザ素子11から出射されたレーザ光のそれぞれが形成する照射領域の位置を自由に変更することができる。
それゆえ、ヘッドランプ100は、例えば第2投光範囲a2外に第1投光範囲a1を形成することができるので、自装置から出射される照明光の配光特性をより高度に制御することができる。また、ヘッドランプ100は、例えば第2投光範囲a2の一部に第1投光範囲a1を形成することができるので、自装置から出射される照明光の光強度分布をより高度に制御することが可能となる。すなわち、ヘッドランプ100が出射する光が形成する配光パターンを自由に変更することが可能となり、バラエティーに富む配光パターンを実現できる。
以下、上記(1)等を実現し得るヘッドランプ100の動作例1〜6について説明する。なお、動作例1〜6はあくまで例示であって、ヘッドランプ100の動作例を限定するものではない。なお、以下の動作例において、車両前方の物体(歩行者、動物、道路標識、センターライン等)を含むように形成される第1投光範囲a1は、レーザ光源ユニット1からの投光により形成される範囲のことであり、LED2のみの投光により形成される第2投光範囲a2よりも光度が高くなっていればよい。
〔具体的な動作例〕
<具体的な動作例1>
まず、市街地における配光の一例について、図5および図6を用いて説明する。図5は、ヘッドランプ100を市街地で用いたときの配光特性の一例を示す図である。また、図6(a)は、そのときにレーザ光源ユニット1が出射する照明光が形成する第1投光範囲a1を示す図であり、図6(b)は、そのときの照射領域Aである。
図5(a)は、LED2のみが点灯している時の配光特性、すなわち第2投光範囲a2を形成している様子を示す。図5(a)に示すように、歩道、走行道および対向する道の全体と、当該道以外の前方とを照射しているが、遮光板等による配光特性の制御を行った場合であっても、細やかな制御を行うことは困難である。
本実施の形態では、レーザ光源ユニット1から出射された照明光を、上記LED2から出射された照明光とともに出射できる。図5(b)に示すように、レーザ光源ユニット1は、第1投光範囲a1を形成している。
このときの第1投光範囲a1を、図6(a)に示す。図6(a)の第1投光範囲a1を形成するために、照射領域変更部64は、図6(b)に示すような照射領域Aが形成されるように、各反射ミラー12aの位置または角度を制御する。すなわち、照射領域変更部64は、第1投光範囲a1が、第2投光範囲a2の周辺部または第2投光範囲a2以外に形成されるように、上記位置または角度を制御する。
これにより、図5(b)に示すように、LED2から出射された照明光では視認しにくい範囲(LED2では照射できない範囲)を、レーザ光源ユニット1から出射された照明光で補うことができる。
さらに、図6(b)に示すように、照射領域変更部64は、複数のレーザ素子11から出射されたレーザ光のそれぞれが形成する照射領域の一部が互いに重なるように、当該照射領域を変更するので、図6(a)に示すように、各照射領域に対応して形成される第1投光範囲a1を互いに重ねることができる。それゆえ、第1投光範囲a1を滑らかに形成することができる。
なお、LED2等の光源において、このような滑らかな投光範囲の重なりを実現するためには、複数のLEDチップ21のそれぞれに対してリフレクタ、またはマルチファセットミラーを設け、投光時にそれぞれの投光範囲を重ねるよう制御する必要がある。しかも、本実施の形態におけるレーザ光源ユニット1の輝度は1000Mcd/mである一方、一般的なLEDまたはHIDランプの輝度は100Mcm/mである。そのため、レーザ光源ユニット1と同じ投光範囲をLEDまたはHIDランプで形成しようとした場合、リフレクタサイズを1桁大きくする必要があり、現実的ではない。本実施の形態のヘッドランプ100では、レーザ素子11を用いているので、リフレクタまたはマルチファセットミラーを設けることなく、上記の滑らかな投光範囲を実現できる。
また、図6(b)に示すように、複数のレーザ素子11から出射されたレーザ光のそれぞれが形成する複数の照射領域は、発光部13に同時に形成されることにより、レーザ光源ユニット1から出射された照明光が形成する投光範囲(同図の各丸印)を同時に複数形成することができる。それゆえ、ヘッドランプ100前方の複数箇所のそれぞれを、同時に投光することができる。
<具体的な動作例2>
次に、図7および図8を参照して、物体検出部61によって検知された物体に、レーザ光源ユニット1から出射された照射光を照射する場合の動作例について説明する。図7は、当該動作例におけるヘッドランプ100の処理の流れの一例を示すものであり、図8(a)は、当該処理によって形成される投光範囲の一例を示す模式図であり、図8(b)は発光部13に形成される照射領域の一例を示す模式図である。
図7に示すように、レーザ光源ユニット1および/またはLED2が点灯状態にあるときに、カメラ5は、車両前方の撮影を開始する(S1)。このとき、カメラ5は、狭くとも配光エリア全体が撮影可能な画角で車両前方を撮影し、撮影した動画像を制御部6の物体検出部61に出力する。
次に、物体検出部61は、カメラ5によって撮影された動画像を解析して、動画像中の配光可能エリア内の物体を検出する(S2)。物体検出部61は、動画像中の配光可能エリア内に物体が検出された場合、物体が検出された座標値を示す検出信号を物体識別部62に出力する。
次に、物体識別部62は、物体検出部61から出力された検出信号に示される座標値における物体の種類を識別する(S3)。具体的には、物体識別部62は、物体検出部61から検出信号を取得したとき、検出信号に示される座標値における物体の移動速度、形状、位置などの特徴点を抽出して数値化した特徴値を算出する。
そして、物体識別部62は、基準値テーブルを参照して、算出した特徴値との誤差が所定閾値以内である基準値を検索する。算出した特徴値との誤差が所定閾値以内の基準値が特定された場合、物体識別部62は、当該基準値で示される物体が、物体検出部61によって検出された物体であるものと判定する。
物体識別部62は、物体検出部61によって検出された物体が、基準値テーブルに予め登録された物体であると判定したとき、当該物体が検出された座標値を示す識別信号を照射領域変更部64に出力する。
図8(a)に示される場合、物体識別部62は、物体の種類を歩行者Oであると判定すると共に、当該歩行者Oが検出された動画像中の座標値を示す識別信号を照射領域変更部64に出力する。なお、歩行者Oは、事故因子の一例として図示されたものである。
次に、照射領域変更部64は、物体識別部62から出力された識別信号に示される座標値に基づいて、発光部13からの光が物体に向けて配光されるように、反射ミラー12aの位置または角度を変えることにより、レーザ光が発光部13に形成する照射領域(その面積、位置および/または輝度分布)を変更する(S4)。
尚、点灯制御部65により、ドライバ等に注意喚起する為に、識別された物体の種類によって点灯パターンを変えたり(例えば対象物を点滅照射する)、周辺(運転環境)の明るさに応じて、点灯強度(レーザ光照射強度)を変更したりすることが可能である。
図8の場合、照射領域変更部64は、記憶部8から識別関連データを読み出すことにより、例えば、歩行者Oが検出された動画像中の座標値に対応する位置に第1投光範囲a1が形成されるように、上記位置または角度を変更する。
この場合、図8(b)に示すように、レーザ素子11から出射され、反射ミラー12aで導光が制御されたレーザ光は、発光部13の受光面の領域A1(同図中の明部)のみ照射され、それ以外の領域(同図中の暗部)には照射されない。これにより、図8(a)に示すように、発光部13からの光が歩行者Oに向けて配光されるように第1投光範囲a1が形成されるので、歩行者Oをより明るく照明することが可能となる。
このように、ヘッドランプ100では、照射領域変更部64が、物体検出部61によって検知された物体(すなわち、道路標識、歩行者、動物、障害物、センターラインなど)を含むように、反射ミラー12aの動作を制御して、発光部13に対する照射領域を変更するので、当該物体に対してのみ、発光部13からの光を配光することができる。すなわち、道路標識、歩行者または障害物などを明るく照明することができるので、目視によって、道路標識を正確に読み取ることや、歩行者または障害物などを正確に認識させることが可能となる。それゆえ、安全な運転環境を実現することができる。
また、基準値テーブルには、道路標識、歩行者および障害物などに対応した基準値のほか、例えば、自転車、オートバイなどの車両に対応した基準値が管理されている。これにより、物体識別部62によって識別された物体の種類に応じて、第1投光範囲a1を最適な位置に形成することが可能となる。
本実施の形態では、励起光源としてレーザ素子11を用い、投光系(リフレクタ14および凸レンズ16)に対し光学的に小さな光源(高輝度光源)となっているため、投光効率が非常に高く発光部13にて発光した光の90%を対象物に投光することができる。そのため、低消費電力でかつ対象物における照度が高い投光が可能となっている。
なお、後述する<具体的な動作例2の変形例>のように、運転環境においては、ドライバ等に対して複数の対象物を同時に注意喚起しなくてはならない場合が多いことが想定される。しかし、仮に反射ミラー12a(光制御部12)の応答速度が遅い場合、複数の対象物を同時に追従し、投光照射することが出来なくなってしまう可能性がある。この点を考慮すれば、上記物体の移動に追従した発光部13からの光の配光は、複数のレーザ素子11のうちの一部(例えば1つのレーザ素子11)と、その一部に対応して配置された反射ミラー12aとを用いて行い、その他の反射ミラー12aは待機(稼動しない)状態にしておくことが好ましい。
この場合、その他のレーザ素子11と、これらに対応して配置された反射ミラー12aとによって、例えば図6に示すような第1投光範囲a1が形成されていてもよいし、これらのレーザ素子11については消灯してもよい。
尚、複数のレーザ素子11全てを低出力で点灯し、複数のレーザ素子11に対応して配置された反射ミラー12aを制御することにより、対象物の追従を行ってもよい。その場合、同じ光度を得るために必要なレーザ素子11各々の出力は低くなるため、レーザ素子11の寿命を延ばすことが可能となる。
<具体的な動作例2の変形例>
図9は、具体的な動作例2の変形例を示す図である。本変形例では、対象物が歩行者Oと動物である。第2投光範囲a2のみの場合、対象物(歩行者Oおよび動物)における照度が低いため、ドライバが対象物を認識することは困難であった。
本変形例では、図9の場合も図8の場合と同様、第2投光範囲a2とは無関係にスポット光(発光部13から出射された照明光)を対象物に向けることができるので、ドライバへの注意喚起が可能となる。
また、本変形例では、各反射ミラー12aによる各レーザ光の導光制御によって、第1投光範囲a1の形成位置が制御される。このため、単一のヘッドランプ100(投光装置)で複数箇所の投光が可能となり、当該ヘッドランプ100の小型化を図ることができる。すなわち、複数の対象物のそれぞれを含むように、第1投光範囲a1を複数箇所に同時に形成することができる。なお、本変形例における処理は、上記動作例2と同様であるため、その説明は割愛する。
また、動作例2およびその変形例のように、対象物が動く物体であっても、照射領域変更部64が、反射ミラー12aの位置または角度を変更させるだけでよいため、対象物の動きに対してレスポンスが早い第1投光範囲a1の変更が可能であり、当該対象物を追従することができる。また、反射ミラー12aの位置または角度の変更だけで対象物の追従が可能となるので、対象物の移動にあわせて滑らかに第1投光範囲a1の形成位置を変更することができる。
また、照射領域変更部64は、反射ミラー12aの位置または角度を変更するだけで、発光部13に形成される照射領域の面積を変更し、第1投光範囲a1の大きさを変更することも可能である。例えばヘッドランプ100を備えた車両が前進している場合には、歩行者Oおよび動物のように動く物体だけでなく、道路標識(図10(a)参照)のように、対象物が動かない物体であっても、車両に対して相対的に動く(近づく)ことになる。このような相対的な動きに対しても、上記位置または角度の変更により、第1投光範囲a1の位置だけでなく、その面積も変更することができる。それゆえ、対象物の車両に対する相対的な移動に対しても、その移動にあわせて滑らかに第1投光範囲a1の形成位置および面積を変更することができる。
<具体的な動作例3>
次に、図10を参照して、物体検出部61によって検知された物体に、レーザ光源ユニット1から出射された照射光を照射しない場合の動作例について説明する。図10(a)は、ヘッドランプ100の処理によって形成される投光範囲の別例を示す模式図であり、図10(b)は、発光部13に形成される照射領域の一例を示す模式図である。また、図10(c)は、LEDのみ点灯時の配光特性の一例を示す図である。なお、図10(b)では、説明を簡略化するために、図10(a)の第1投光範囲a1に対応する照射領域については図示していない。
この動作例3は、物体検出部61によって検知された物体に対向車が含まれ、ハイビーム相当の配光パターンで投光している場合(ハイビーム相当の第1投光範囲a1が形成されている場合)の一例を示している。
動作例2と同様、物体検出部61および物体識別部62の処理により、物体の種類を識別し、当該物体が検出された動画像中の座標値を示す識別信号が、照射領域変更部64に出力される。図10(a)に示される場合、物体識別部62は、物体の種類をそれぞれ、対向車(自動車やオートバイなど)、歩行者、道路標識および動物であると判定し、当該対向車が検出された動画像中の座標値を示す識別信号を照射領域変更部64に出力する。
照射領域変更部64は、図10(a)に示すように、物体識別部62から出力された識別信号に示される座標値に基づいて、発光部13からの光が対向車に向けて配光されないように、また、歩行者、道路標識および動物のそれぞれに向けて配光されるように、各反射ミラー12aによる各レーザ光の導光制御によって、第1投光範囲a1の形成位置が制御される。
この場合、図10(b)に示すように、レーザ素子11から出射され、反射ミラー12aで導光が制御されたレーザ光は、発光部13の受光面の領域A2(同図中の暗部)以外の領域(同図中の明部)のいずれかに照射される。これにより、図10(a)に示すように、発光部13からの光が対向車に向けて配光されないように、第1投光範囲a1が形成される。すなわち、ヘッドランプ100は、対向車に照射されることとなる領域(領域B)には投光しないよう投光範囲を制御することができる。
このように、ヘッドランプ100では、物体が対向車等の場合には、照射領域変更部64が、物体検出部61によって検知された当該物体を含まないように、反射ミラー12aの動作を制御して、発光部13に対する照射領域を変更するので、当該物体を含まないように、発光部13からの光を配光することができる。それゆえ、対向車や先行車のドライバなどに与える不快な眩しさや幻惑を低減することができるため、安全、且つ、快適な交通環境を実現することができる。
また、動作例1および2では、照射領域変更部64は、物体識別部62によって識別された物体の種類が、予め登録された基準値テーブルに示される物体の種類と一致したとき、レーザ光が発光部13に形成する照射領域を変更している。
上述のように、動作例2では、照射領域変更部64は、物体識別部62によって識別された物体の種類と、予め登録された物体の種類とが一致したとき、発光部13からの光が当該物体に向かって投光されるように、上記照明領域の位置を変更する。これにより、物体検出部61によって検知された物体(道路標識、歩行者、動物など)のみ、第1投光範囲a1に含めることができるので、当該物体をより明るく照明することが可能となる。
一方、動作例3では、照射領域変更部64は、物体識別部62によって識別された物体の種類(その種類が対向車等の場合)と、予め登録された物体の種類とが一致したとき、発光部13からの光が当該物体に向かって投光されないように、上記照明領域の位置を変更することも可能である。これにより、物体検出部61によって検知された物体(自動車など)のみ、第1投光範囲a1に含めないことができるので、対向車のドライバなどに不快な眩しさなどを与えないようにすることができる。
ここで、図10(c)に示すように、LEDのみを備える灯具の場合、対向車のドライバなどに不快な眩しさを与える可能性は低いが、その分、前方の広範囲にわたって照度の低い範囲(図中の範囲D)ができてしまう。一方、上記灯具において、前方の照度を高めようとした場合には、対向車のドライバなどに不快な眩しさを与えてしまう可能性が高い。したがって、このような灯具では、対向車のドライバなどに不快な眩しさを与えずに、前方の照度を高めることは困難である。
一方、本実施の形態のヘッドランプ100では、上述のように、物体識別部62による物体の種類の識別により、その種類に応じた、最適な照射領域の変更、ひいては第1投光範囲a1の変更の実現が可能となる。それゆえ、対向車のドライバなどに不快な眩しさを与えずに、前方の照度を高めることができる。
<具体的な動作例4>
次に、図11を参照して、車両が通行する国の法規に応じて配光パターンを変更する場合の動作例について説明する。図11(a)は、ヘッドランプ100が右側通行国で規定されたすれ違い灯の配光パターンを実現している様子を示す図であり、図11(b)は、ヘッドランプ100が左側通行国で規定されたすれ違い灯の配光パターンを実現している様子を示す図である。
例えば右側通行国であるフランスと、左側通行国のイギリスとでは、各国の法規に応じて配光パターンを変更する必要がある。照射領域変更部64は、右側通行国で規定された照明光の配光パターン、および、左側通行国で規定された照明光の配光パターンのいずれかを満たすように、発光部13に形成される照射領域の位置を変更する。
具体的には、照射領域変更部64は、例えばイギリスとフランスとを行き来する場合には、例えばGPSと連動させることによって、記憶部8から、各国の法規に従った配光パターン関連データを読み出すことにより、当該法規に従った第1投光範囲a1を形成するように、各反射ミラー12aの位置または角度を変更することにより、上記照射領域を変更する。これにより、本願のヘッドランプ100を、あらゆる国で利用される車両に搭載し、活用することができる。
また、従来の灯具では、配光をレンズカットやマルチファセットミラーを用いることによって実現していたため、細かな配光制御ができなかった。しかし、本実施の形態では、レーザ素子11(高輝度光源)を用い、高い投光効率で投光するため、理想的な配光制御ができる。
また、DMD方式では、対象物での照度が暗く、消費電力も大きかったが、本実施の形態では、細かくて且つ対象物が高照度となるような配光制御を、低消費電力で実現することができる。
なお、LED2についても、出力制御部66の制御により、第2投光範囲a2が、走行中の国の法規に従った配光パターンとなるように制御されている。
<具体的な動作例5>
次に、図12〜図16を参照して、傾斜検出部63によって検知された車両の傾斜角度に従って、照射領域変更部64が照射領域の変更を行う場合の動作例について説明する。図12は、当該動作例におけるヘッドランプ100の処理の流れを示すものである。図13(a)〜(c)は、車両の傾斜角度と照射領域の変更との関係の一例を示す図であり、図14(a)〜(c)はその変形例を示す図である。図15は、車両が下り坂に差し掛かった場合の配光特性の一例を示す図である。図16は、車両が出射する照明光が、坂道の上がり口において対向車に影響を与える様子を模式的に示す図である。
図16に示すように、一般に、車両110が坂道の上がり口などにおいて対向車111とすれ違うときには、車両110が出射する照明光によって、対向車111のドライバに不快な眩しさなどを与えてしまう。また、従来の車両では、車両の傾斜にしたがって照明光の投光範囲を変更する場合、当該車両が備えるヘッドランプのリフレクタ自体を動作させる必要があったため、その動作機構が大規模となり、動作速度も遅かった。このため、当該動作機構が、鉛直方向(縦方向)への投光範囲の変更のために利用された場合には、対向車のドライバなどに不快な眩しさなどを与える可能性が高く、安全性の担保が困難であった。そこで、当該動作機構は、主として、その動作速度が遅くても特に問題とならない水平方向(左右方向)への投光範囲の変更のために利用されていた。
一方、ヘッドランプ100では、照射領域変更部64は、傾斜検出部63によって検知された検知結果(水平面に対する車両の傾斜)にしたがって、照射領域の位置を変更する。それゆえ、水平面に対する車両の傾斜に従って、第1投光範囲a1の位置を変更することができるので、対向車のドライバなどに与える不快な眩しさなどを低減することができる。また、当該位置の変更は、発光部13に形成される照射領域を変更することでのみで可能となるため、第1投光範囲a1の鉛直方向の位置変更をもすばやく行うことができる。すなわち、ヘッドランプ100は、対向車のドライバなどに与える不快な眩しさや幻惑を低減するためのヘッドランプとして好適といえる。
具体的には、図12に示すように、傾斜検出部63は、車両の傾斜を検出し、車両の前後方向の傾斜角度を求め(S11)、当該傾斜角度の値を示す角度信号を、照射領域変更部64に出力する。照射領域変更部64は、記憶部8から角度関連データを読み出すことにより、各反射ミラー12aの位置または角度を変えることにより、レーザ光が発光部13に形成する照射領域を変更する(S12)。
なお、上記の照射領域の変更は、カーナビゲーションや、高度道路交通システム(ITS)、カメラ5からの情報に基づいて行われてもよい。
例えば、図13(a)は、平坦な道路において、照射領域変更部64が所望の配光を満たすために、反射ミラー12aの動作を制御することによって、全てのレーザ素子11から出射されたレーザ光が発光部13全体に照射されている様子を示す概念図である。このとき、車両は、例えば、ヘッドランプ100の正面方向に対して角度−αからαの範囲に第1投光範囲a1を形成する。なお、ここでは、説明簡略化のため、12個のレーザ素子11のそれぞれが、発光部13の受光面に、4×3のマトリクス状に照射領域を形成する様子を例示している。
図13(a)を前提として、図13(b)は、例えば車両が水平面に対して角度θ1の坂道を上がる様子を示している。このとき、例えば、発光部13の鉛直方向上段C1には照射領域が形成されないように、照射領域変更部64によって各反射ミラー12aの位置または角度が制御され、各レーザ素子11から出射されたレーザ光が形成する照射領域の位置および面積が変更される。その結果、ヘッドランプ100は、ヘッドランプ100の正面方向に対して角度−αからβ(β<α)の範囲に第1投光範囲a1を形成する。
このとき、LED2は、平坦地走行時(図13(a)参照)に比べ出力を落としている。点灯制御部65は、その光量差を補うように、発光部13へのレーザ素子11の出力強度を調整している。
また、図13(c)に示すように、車両が水平面に対して角度θ2(>θ1)の坂道を上がる場合、発光部13の鉛直方向上段C2には照射領域が形成されないように、各反射ミラー12aの位置または角度が制御され、各レーザ素子11から出射されたレーザ光が形成する照射領域の位置および面積が変更される。その結果、ヘッドランプ100は、ヘッドランプ100の正面方向に対して角度−αからγ(γ<β)の範囲に第1投光範囲a1を形成する。
このとき、LED2は角度θ1の坂道走行時(図13(b)参照)に比べ出力を落としている。点灯制御部65は、その光量差を補うように、発光部13へのレーザ素子11の出力強度を調整している。つまり、LED2の出力は、図13(a)>図13(b)>図13(c)となっている。
また、例えばレーザ素子11が8×6のマトリクス状に配置されている場合、すなわち図13の場合よりもレーザ素子11が多く配置されている場合には、平坦地走行時においてもすべてのレーザ素子11を駆動させる必要はない。すなわち、図14(a)〜(c)に示すように、平坦地および坂道のいずれを走行中であっても、その照射領域の面積を変えず、その位置を変えるだけで、図13と同様、車両の傾きに対応した配光制御(第1投光範囲a1の位置制御)を行うことができる。
図14(a)〜(c)において、同一位置のレーザ素子11を点灯し(レーザ素子11の点灯位置を変化させることなく)、光制御部12の位置または角度を変えることにより投光範囲(投光パターン)を変更することが、投光パターンの変更が滑らかである為望ましい。しかし、レーザ素子11の点灯素子を変更することにより投光パターンを変更することも、もちろん可能である。
このように、ヘッドランプ100は、照射領域変更部64の上記制御により、道路の傾斜に応じて、対向車のドライバなどに影響を与えないように、第1投光範囲a1を変更できる。それゆえ、対向車のドライバなどに与える不快な眩しさや幻惑を低減することができる。
なお、動作例5は、坂道の上がり口において対向車があった場合の一例であり、対向車にグレアを感じさせないような配光が、発光部13へのレーザ照射により実現されれば良い。尚、複数のレーザ素子11のうちの一部(例えば1つのレーザ素子11)と、その一部に対応して配置された反射ミラー12aで、本投光パターンを実現することも可能である。
また、動作例5では、車両が坂道を上がる場合について説明したが、坂道を下る場合も同様の制御がなされる。これにより、坂道を下る場合についても、坂道の上がり口に差し掛かっている対向車のドライバなどに与える不快な眩しさや幻惑を低減することができる。
また、下り坂においては、図15(a)に示すように、従来のヘッドランプでは、走行灯時でも坂の傾斜が急であった場合には、進行方向遠方の物体を照射することができなかった。しかし、本実施の形態のヘッドランプ100では、照射領域変更部64が、各反射ミラー12aの位置または角度を変更することにより、各レーザ素子11から出射されたレーザ光のそれぞれの導光を制御する。それゆえ、図15(b)に示すように、遠方をも照らすような仕様にすることも可能である。
なお、従来のヘッドランプでも、それぞれの目的に合わせてリフレクタを設置すれば、同じ機能を実現することは可能であるが、自動車やオートバイ等は、その設置場所の制限があり、当該リフレクタを設置することができなかった。本実施の形態では、各反射ミラー12aの位置または角度の変更により、当該リフレクタを設けることなく、上記のような配光を省スペースで実現することができる。
<具体的な動作例6>
次に、図17を参照して、雨天時に形成される投光範囲の一例について説明する。
従来、雨天の夕方には、センターラインが特に見えにくいという問題があった。そのため、例えば、進行1車線、対向2車線といった走行路においては、センターラインをはみ出すことによる事故が発生している。しかし、路面全体を明るくすると、対向車は路面からの反射光をグレアと感じてしまう可能性がある。そのため、路面全体を明るくする機能のみを有する従来のヘッドランプでは、雨天時のセンターラインの視認性を向上させることは困難であった。
本実施の形態のヘッドランプ100では、照射領域変更部64が、第1投光範囲a1が第2投光範囲a2の一部に形成されるように、発光部13に形成される照射領域を変更する。具体的には、照射領域変更部64は、例えば動作例2と同様、物体検出部61によって検知された第2投光範囲a2内のセンターラインを含むように第1投光範囲a1が形成されるように、各反射ミラー12aの位置または角度を変更することにより、上記照射領域を変更する。これにより、第2投光範囲a2内において視認しにくい範囲があっても、その部分をレーザ光源ユニット1から出射された照明光で補うことができるので、雨天時のセンターラインの視認性を向上させることができ、上記のような事故の発生を低減させることができる。
〔変形例1〕
次に、ヘッドランプ100の変形例1であるヘッドランプ200(照明装置、車両用前照灯)について説明する。図18は、ヘッドランプ100の変形例を示す図である。図18に示すように、変形例1に係るヘッドランプ200は、光制御部12として、反射ミラー12aの代わりに、レンズ12b(光制御部)を備えている。
ヘッドランプ200では、照射領域変更部64が、各レンズ12bの位置または角度を変えることにより、発光部13に形成される照射領域を変更することによって、ヘッドランプ100と同様、自装置が出射する照明光の配光特性および光強度分布の制御を実現している。
<レンズ12b>
レンズ12bは複数備えられ、レーザ素子11から発振されたレーザ光が発光部13に適切に照射されるように、当該レーザ光の導光を制御するものである。複数のレーザ素子11の発光点のそれぞれと対向するように、複数のレンズ12bのそれぞれが一対一に備えられている。そして、レンズ12bのそれぞれを透過したレーザ光は、リフレクタ14に設けられた窓部14aを介して発光部13に照射される。
ここで、光制御部12として反射ミラー12aを用いた場合には、反射ミラー12aに照射される前のレーザ光の進行方向と、反射ミラー12aにて反射した後のレーザ光の進行方向は異なる。すなわち、反射ミラー12aは、レーザ素子11の発光点の光軸とは異なる方向に、レーザ光の進行方向を変更することができる。
このため、例えば図2に示すように、レーザ素子11の発光点がリフレクタ14の開口部方向とは異なる方向(例えば鉛直上向き)となるように、レーザ素子11を配置することができる。それゆえ、図2では、フィン4は、その台座表面が鉛直上向きとなるように設置され、レーザ素子11はその表面上に配置されている。
一方、レンズ12bは、拡がりをもって進行するレーザ光を略平行光とし、かつ、発光部13への導光を制御する。すなわち、反射ミラー12aとは異なり、レーザ素子11の発光点の光軸と、レンズ12bを透過した後のレーザ光の進行方向は、照射領域変更部64によってレンズ12bの動作が制御されることにより若干異なることになるが、発光部13に向かって進行するという点では略同一といえる。
このため、例えば図18に示すように、レーザ素子11の発光点がリフレクタ14の開口部方向と略同一方向となるように、レーザ素子11を配置する必要がある。それゆえ、図18では、フィン4の台座表面も当該開口部方向と略同一方向となるように設置され、その表面上にレーザ素子11が配置されている。
なお、反射ミラー12a(立上ミラー)を用いず、レンズ12bのみを用いる方法では、ビーム圧縮することができないため、反射ミラー12aを用いる方法に比べ、リフレクタ14の窓部14aを大きくする必要がある。それゆえ、リフレクタ14の投光効率の観点から言えば、本変形例のヘッドランプ200よりも、図2に示すヘッドランプ100の方が好ましい形態である。
なお、レンズ12bとしては、非球面レンズを用いているが、凸レンズを用いることもできる。
〔変形例2〕
次に、ヘッドランプ100の変形例2であるヘッドランプ300(照明装置、車両用前照灯)について説明する。図19は、ヘッドランプ100の更なる変形例を示す図である。
本変形例のヘッドランプ300は、リフレクタ14としてパラボラミラーを用いている点、および、発光部13がLED2の一部として機能している点で、上述したヘッドランプ100の構造とは異なる。また、ヘッドランプ300は、一対のレーザ素子11およびレンズ12bのみを備えている点で、上述したヘッドランプ200の構造とは異なる。
<レーザ素子11およびレンズ12b>
ヘッドランプ300は、上述のように、一対のレーザ素子11およびレンズ12bのみを備えている。そして、ヘッドランプ300では、照射領域変更部64が、レンズ12bの位置または角度を変えることにより、発光部13に形成される照射領域を変更する。これにより、ヘッドランプ200と同様、自装置が出射する照明光の配光特性および光強度分布の制御を実現している。
なお、本変形例では、レンズ12bの位置または角度を変えているが、レンズ12bに代えてレーザ素子11の位置または角度を変える構成であってもよい。
<発光部13>
発光部13は、図19(a)に示すように、発光部13の受光面の延長面が、開口部が形成されたリフレクタ14の端部と接するように、放熱ベース3に設けられた傾斜部3a上に傾いて配置されている。このため、発光部13から発せられた光は、直接外部に漏れることなく、効率的にリフレクタ14で反射して配光することができる。
また、図19(b)に示すように、発光部13とLED2とは一体形成されていてもよい。また、LED2の蛍光体が発光部13に含まれる蛍光体として機能してもよい。何れの場合も、発光部13がLED2の一部として機能するものといえる。この場合、ヘッドランプ300の部品数を減少させることが可能となるため、ヘッドランプ300の構成を単純化することができる。
図19(a)に示す例では、発光部13およびLED2は、リフレクタ14のほぼ焦点位置に配置されている。
なお、本変形例では、レーザ素子11とLED2とで同一の発光部13を共用しているため、LED2の発光中心波長は395nmとなっている。また、蛍光体についても、395nmのレーザ光の励起に適した蛍光体を用いている。
<リフレクタ14>
リフレクタ14は、放物線の対称軸を回転軸として、当該放物線を回転させることによって形成される曲面(放物曲面)を、上記の回転軸に平行な平面で切断することによって得られる部分曲面の少なくとも一部をその反射面に含んでいる。また、リフレクタ14は、発光部13およびLED2によって発せられた光を配光する方向に半円形の開口部を有している。
リフレクタ14のほぼ焦点に配置された発光部13およびLED2から発せられた光は、放物曲面の反射面を有するリフレクタ14によって、平行に近い光線束を形成して開口部から前方に配光される。すなわち、変形例2に係るリフレクタ14は、発光部13およびLED2の両方から出射された照明光を投光するものである。これにより、発光部13からの光を狭い立体角内に効率的に投光させて、第1投光範囲a1および第2投光範囲a2を形成することができ、その結果、光の利用効率を高めることができる。
本変形例では、樹脂製のハーフパラボラミラーの内面にアルミニウムがコーティングされた半円形のリフレクタ14を用いており、奥行きL1が40mm、開口部の半径L2が40mmである。また、その焦点は、窓部14aが形成されるリフレクタ14の頂点部から10mm離れた位置(すなわち、L3=10mm)となる。
なお、リフレクタ14は、この他、プロジェクションミラー、特に閉じた円形の開口部を有するパラボラミラーであってもよく、その一部を含むものであってもよい。また、パラボラミラー以外にも、楕円形状や自由曲面形状、或いは、マルチファセット化されたマルチリフレクタを用いることができる。さらに、リフレクタ14の一部に放物曲面ではない部分を含めてもよい。
また、リフレクタ14としてプロジェクションレンズを利用することも可能であるが、一般にミラーを用いた方が設計上簡易である。
なお、リフレクタ14は、ハーフパラボラなど、パラボラ形状を含むものであればよく、軸外しパラボラミラーや、マルチファセット型パラボラミラーであっても良い。
<動作例>
次に、図20〜図23に基づいて、ヘッドランプ300の動作例について説明する。
図20は上記の動作を説明するものであり、照射領域変更部64による制御を受けてレンズ12bが動作し、それにより、発光部13のレーザ光が照射される照射面(受光面)の任意の領域にレーザ光が走査(スキャン)される。また、照射領域変更部64は、レンズ12bを動作させて、発光部13におけるレーザ光の照射領域の面積を任意に変化させることもできる。
なお、レーザ素子11のスキャンレートは、例えば60Hzに設定されている。また、図20では、発光部13の全体をレーザ光が走査する様子が図示されているが、その走査範囲は、図21〜図23に示すような形成すべき第1投光範囲a1にあわせて変更される。
図21は、ヘッドランプ300による投光の様子を説明する図である。図21に示すように、発光部13から出射された光は、照射領域変更部64の上記制御によって、第1投光範囲a1を形成する。この場合、例えば図6(a)に示すような第1投光範囲a1を、照射領域変更部64が1つのレーザ素子11に対応して配置された1つのレンズ12bを制御することによって形成することができる。
また、発光部13における照射領域の面積を大きくすることでレーザ光の走査量を抑制することもできる。このことは、後述する図22等の例においても同様である。
図22は、ヘッドランプ300による投光の一例を説明するための図である。この例では、ヘッドランプ300は、照射領域変更部64の上記制御により、発光部13の一部の領域のみにレーザ光を照射し、それにより第1投光範囲a1を限定する(小さくする)ことができる。
図23は、ヘッドランプ300による投光の他の一例を説明するための図である。この例では、ヘッドランプ300は、照射領域変更部64の上記制御により、領域Bを除いた位置に第1投光範囲a1を形成することができる。この場合、照射領域変更部64は、発光部13の受光面の領域A2にレーザ光が照射されるタイミングでレーザ素子11を消灯させるように点灯制御部65を制御することによって実現される。
このように、ヘッドランプ300は、ヘッドランプ100、200と同様、発光部13におけるレーザ光の照射領域の位置または面積を自由に変えることができ、それにより第1投光範囲a1を自由に変更することができる。また、ヘッドランプ300は、照射領域変更部64の上記制御により、発光部13におけるレーザ光の照射領域の位置または面積を変更するので、応答速度も速く、消費電力も大幅に低減可能である。
また、このような走査により、レーザ素子11が1つであっても、走行用前照灯、すれ違い用前照灯、デイライト、方向指示灯など、種々の機能を有する灯具を実現できる。
尚、常に発光部13の同一の走査範囲を同一スポットサイズで走査し、当該走査を点灯制御部65と同期させることにより、投光パターンを形成することも、もちろん可能である。
〔変形例4〕
次に、ヘッドランプ100の変形例4であるヘッドランプ100aについて説明する。図24は、ヘッドランプ100の変形例であるヘッドランプ100aの概略構成の一例を示すブロック図である。図24に示すように、ヘッドランプ100a(照明装置、車両用前照灯)は、カメラ5の代わりに、赤外線カメラ5a(検知手段)を備えており、制御部6の代わりに制御部6aを備えている。なお、赤外線カメラ5aは、そのいずれかのみが備えられている構成であってもよい。
<赤外線カメラ5a>
赤外線カメラ5aは、配光可能エリアに存在する物体から放射される赤外線放射エネルギーを検知し、当該赤外線放射エネルギー分布を示す分布信号を、物体識別部62aに出力する。
<物体識別部62a>
物体識別部62a(識別手段)は、赤外線カメラ5aによって検知された赤外線放射エネルギーに基づいて温度分布画像を生成することにより、上記物体の種類を識別するものである。すなわち、赤外線カメラ5aおよび物体識別部62aは、赤外線サーモグラフィの機能を実現するものである。
物体識別部62aは、物体識別部62と同様、温度分布画像中の温度が高い領域の移動速度、形状、位置などなどの特徴点を抽出し、特徴点を数値化した特徴値を算出し、記憶部8に格納された基準値テーブルとの照合により、当該物体と、当該物体が検出された座標値とを示す識別信号を照射領域変更部64に出力する。
これにより、ヘッドランプ100と同様、照射領域変更部64が、上記物体を含む、または含まないように、反射ミラー12aの位置または角度を変えて、発光部13に形成される照射領域を変更することにより、所望の第1投光範囲a1の大きさおよび位置を形成することができる。
〔変形例5〕
次に、ヘッドランプ100の変形例5であるヘッドランプ400(照明装置、車両用前照灯)について説明する。図25は、ヘッドランプ100の更なる変形例を示す図である。
なお、図25では、ヘッドランプ400においてはLED2の図示を割愛しているが、LED2は、例えば、図2に示すヘッドランプ100と同様の位置(すなわち、上述したリフレクタ14の第2焦点近傍)に備えられている。このLED2の配置位置は、以降の変形例についても同様である。また、以降の説明では、レーザ素子11が1個の場合を例に挙げて説明するが、複数のレーザ素子11がフィン4に取り付けられた構成であってもよい。さらに、以降の説明では、放熱ベース3の図示を割愛しているか、図示していても簡略化されている。実際には、放熱ベース3の形状は、図2に示す放熱ベース3の形状と同じである。
図示するように、ヘッドランプ400は、動作制御部30を備えている。アクチュエータとして機能する動作制御部30は、レンズ枠体40、コイル41、マグネット42、サスペンションワイヤ43、およびワイヤ支持筺体44を備える。
レンズ枠体40にはレンズ12bが埋め込まれている。レンズ枠体40は、直方形状であり、対向する側面にそれぞれ2つ(計4つ)のコイル41を配置している。図25では、コイル41は、図面上下方向のレンズ枠体40の対向する2面に2つずつ配置されている(下側の2つのコイル41は不図示)。
なお、レンズ枠体40は、その形状は直方形状に限らず、種々の形状とすることができる。また、コイル41は、その種類は特に限定されず、例えばパターンコイルであってよい。また、コイル41は、その数量は4つに限られず、単数および4以外の複数個とすることもできる。
マグネット42は、コイル41に対向する位置であって、コイル41の近傍に配置される。マグネット42は、多極着磁したネオジム磁石(Nd磁石)が用いられる。ただし、マグネット42は、その種類は特に限定されず、アクチュエータの種類によって適宜選択することができる。また、マグネット42は、図25では直方形状であるが、その形状はとくに限定されない。
ワイヤ支持筺体44は、サスペンションワイヤ43を介してレンズ枠体40に連結し、レンズ枠体40を支持している。ワイヤ支持筺体44の材質、形状は特に限定されない。ただし、レーザ素子11から出射したレーザ光が発光部13に照射されるうえで、障害とならない形状で形成される。
上記の構成において、コイル41に電流を流すことで磁界が発生し、その磁界によってマグネット42に回転力(回転トルク)が加えられる。そこで、電流の大きさを変えることで回転トルクを自在に変化させることができる。これによりレンズ枠体40、つまり、レンズ12bの動作を制御することができる。また、コイルに流す電流の向きを変えることで、マグネット42に働く回転力の向きを反対方向に変化させることができる。つまり、照射領域変更部64は、このコイル41への電流の大きさおよび向きを制御することで動作制御部30の動作を制御することによって、レンズ12bの位置または角度を変えている。
これにより、レンズ12bは、図中の矢印の方向に自在に動作できるため、発光部13に対するレンズ12bの相対位置が変化して、発光部13におけるレーザ光の照射位置を変化させることができる。このとき、発光部13におけるレーザ光のスポットサイズは、レーザ素子11のNFP(Near Field Pattern)サイズよりも大きくする必要がある。
発光部13におけるレーザ光のスポットサイズをNFPサイズよりも大きくし、発光部13におけるレーザ光の励起密度を下げる必要がある。これは、レーザ光により発光部13が発熱し、また、その熱により発光部13が劣化(変色や変形)して寿命が短くなるという問題が生じるためである。
なお、アクチュエータとして機能する動作制御部30は、図25に示す2軸型である必要はなく、1軸、または2軸以外の軸数の何れであってもよい。
また、アクチュエータは図における矢印方向にレンズを動作させる機構を備えていれば別の方式でもよく、例えば“ラック アンド ピニオン式“やヘリコイド方式、ソレノイド方式がある。
〔変形例6〕
次に、ヘッドランプ100の変形例6であるヘッドランプ500(照明装置、車両用前照灯)について説明する。図26は、ヘッドランプ100の更なる変形例を示す図である。
図示するように、ヘッドランプ500は、レーザ素子11、発光部13、リフレクタ14、およびフィン4を備える。さらに、ヘッドランプ500は、反射ミラー12a、シリンドリカルレンズ32、ポリゴンミラー(光制御部)34、ポリゴンミラー駆動部(動作制御部)35、走査レンズ36、ガルバノミラー(光制御部)38、ガルバノミラー駆動部(動作制御部)39を備える。照射領域変更部64は、ポリゴンミラー駆動部35およびガルバノミラー駆動部39の以下に示す駆動を制御することにより、ポリゴンミラー38およびガルバノミラー38の位置または角度をそれぞれ変える。
反射ミラー12aは、レーザ素子11のレーザ光の出射端部から出射されたレーザ光を、コリメート光にし、シリンドリカルレンズ32に向かって反射する。反射ミラー12aは、照射領域変更部64の制御により、図示しないアクチュエータ等によって動作が制御されてもよい。
シリンドリカルレンズ32は、反射ミラー12aで反射したレーザ光の倍率を単一方向のみ変更し、そのレーザ光をポリゴンミラー34に向かって照射する。
ポリゴンミラー34は、高精度のデジタル複写機やレーザープリンタなどに搭載される回転多面鏡である。ポリゴンミラー34は、ポリゴンミラー34に連結したポリゴンミラー駆動部35の駆動によって1分間に数万回という高速で回転し、その高速回転において反射したレーザ光を走査レンズ36に向けて照射する。
走査レンズ36は、レーザ光を走査するために用いられるレンズであり、レーザ光が角度θで入射してくると、走査レンズ36の焦点距離fを掛け合わせた大きさ(Y=f・θ)の像を結ぶ。走査レンズ36は、ポリゴンミラー34で等角度走査されたレーザ光を結像面上で等速走査させる機能を有し、走査したレーザ光をガルバノミラー38に向けて照射する。
ガルバノミラー38は、入力される駆動電圧のレベルに応じた量だけガルバノミラー駆動部39の駆動によって回動して反射角を変化させ、その反射させたレーザ光を発光部13に向けて照射する。これにより、ガルバノミラー38は、任意の角度で発光部13にレーザ光を照射することができる。
このように、ヘッドランプ500は、ポリゴンミラー駆動部35およびガルバノミラー駆動部39によってポリゴンミラー34およびガルバノミラー38を動作させ、それにより、発光部13におけるレーザ光の照射位置およびスポットサイズを任意に変化させる。
なお、反射ミラー12a、ポリゴンミラー34、ガルバノミラー38には誘電体多層膜からなるHRコートが施されている。また、シリンドリカルレンズ32、走査レンズ36には誘電体多層膜コートよりなるAR(Anti Reflect)コートが施されている。ARおよびHRコートはレーザ素子11の発光波長に対してチューニングされている。
ARコート及びHRコートを施すことにより、光学ロスを低減することができる。本実施の形態では高出力のレーザを用いるため、ARコートおよびHRコートを施さなければ、光学ロス分は熱となり光学素子が歪むといった問題が生じる。また、ヘッドランプ500のような車両用投光器の場合、レーザ光の照射位置およびスポットサイズを任意に変化させるが、法規制によって定められたヘッドランプの投光パターンに応じ、発光部13に形成するレーザ光の光分布(時間平均した際の光分布)は、法規制に応じたパターンを形成するための同一光分布であることが多い。つまり、各光学素子は一様にレーザ光に曝されるわけではなく特定の領域のみが常に高いレーザ出力の高い領域に曝されることとなる。そのため、ARコートおよびHRコートを施していなければ、その領域の劣化が生じるといった問題が生じる。
〔変形例7〕
次に、ヘッドランプ100の変形例7であるヘッドランプ600(照明装置、車両用前照灯)について説明する。図27は、ヘッドランプ100の更なる変形例を示す図である。
ヘッドランプ600は、レーザ素子11、発光部13、リフレクタ14、フィン4、およびレンズ12bを備える。さらに、ヘッドランプ600は、アクチュエータ(動作制御部、不図示)、および当該アクチュエータによって駆動する凹面ミラー(光制御部)50を備える。照射領域変更部64は、当該アクチュエータの動作を制御することにより、凹面ミラー50の位置または角度を変える。
ヘッドランプ600では、レーザ素子11から出射されたレーザ光が、レンズ12bを介して、凹面ミラー50に照射される。凹面ミラー50は、入射したレーザ光を発光部13に向けて反射する。このとき、凹面ミラー50は、その動作が、上記アクチュエータによって制御される。つまり、上記アクチュエータは、発光部13に対する凹面ミラー50の相対位置を変えることで、発光部13におけるレーザ光の照射位置およびスポットサイズを変化させる。
このように、本実施の形態に係るヘッドランプは、ヘッドランプ500等とは異なる構成によっても実現することができる。
また、ヘッドランプ600のような車両用の投光器では、投光器の背面はエンジンルームであることが多く、エンジンルームには様々な機器や配管が設置されるため、投光器の奥行きは狭いことが望ましい。また、放熱の観点で、フィン4は、エンジンルーム側でなく車両の最外殻に設置することが望ましい。ヘッドランプ600では、凹面ミラー50を用いることにより上記2つの課題を解決している。
また、凹面ミラー50を、ミラーの主平面に対して平行な方向に上記アクチュエータにより動作させることで、発光部13における発光スポットの位置を変化させている。
なお、発光部13における発光スポットの大きさによっては、凹面ミラー50を凸面鏡とする構成にしてもよい。
凹面ミラー50を平面ミラーとすることもできる。ただし、その場合、ミラー面に対して当該ミラーを平行に動作させる機構では上記と同様の機能を実現することができない。そこで、平面ミラーの場合における機構の1例として、以下の構成が挙げられる。つまり、ミラー面に対してミラー面の法線方向をz軸、ミラー面内をx軸、および、x軸およびz軸に対して垂直なy軸により規定される直交座標系を設定すると、x軸、y軸方向でミラー面を傾斜させる機構を設け、このようにミラーを動作させることで、発光部13における発光スポット位置を変化させることができる。
〔変形例8〕
次に、ヘッドランプ100の変形例8であるヘッドランプ700(照明装置、車両用前照灯)について説明する。図28は、ヘッドランプ100の更なる変形例を示す図である。
ヘッドランプ700は、レーザ素子11のレーザ光をファイバ701に結合し、ファイバ701により反射ミラー12aの略焦点位置までレーザ光を導光している以外は、図2に示すヘッドランプ100と同じである(ただし、ヘッドランプ700ではレーザ素子11が1個の場合を示している)。したがって、ヘッドランプ700も、ヘッドランプ100と同様に、発光部13におけるレーザ光の照射位置およびスポットサイズを任意に変化させることができる。
ヘッドランプ700は、ファイバ701を用いることにより、ヘッドランプ後方のスペースを削減することが可能となる。
また、ヘッドランプ700は、ファイバ701を用いることにより、フィン4を適宜放熱しやすい場所に設置することが可能となるため、システムの長期信頼性を向上させることができる。
なお、ヘッドランプ700においては、レーザ光をバットジョイントにてファイバ701に結合している。ただし、この構成に制限されるものではなく、レーザ光をレンズやミラーを用いて適宜ファイバ701に結合させればよい。
また、レーザ光におけるファイバ701の開口数(NA)は、入射端部、出射端部に0.18である。ただし、レーザ光のカップリング効率を維持しつつ、光源部での励起面積を小さくするために、発光部と入射端部のNAを変えてもよい。その場合、発光部NA>入射部NAとなる。
また、反射ミラー12aの代わりにレンズを用いてもよいが、その場合、ファイバ701をヘッドランプ700後方に少なからず延伸させる必要があるため、ヘッドランプ700後方のスペースを使用することになる。
〔変形例9〕
次に、ヘッドランプ100の変形例9であるヘッドランプ800(照明装置、車両用前照灯)について説明する。図29は、ヘッドランプ100の更なる変形例を示す図である。
図示するように、ヘッドランプ800は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー801を備える。ヘッドランプ800では、ファイバ701の出射端部から出射されたレーザ光が、反射ミラー12aで反射してMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー801に導光される。そして、MEMSミラー801が発光部13へのレーザ光の導光を制御する。この点で、図28に示すヘッドランプ700と異なる。
ファイバ701は、シングルモードファイバであっても、光を通すコアの部分が太いマルチモードファイバであってもよい。ファイバ701は、材料として石英だけでなくプラスチックを利用でき、その場合、安価でかつ高い折り曲げ強度を実現できる。また、ファイバ701は、レンズ12bと突き合わせ接続(バットジョイント)で接続されてもよい。
レーザ素子11から出射されたレーザ光は、レンズ12b、ファイバ701、および反射ミラー12aを経て、MEMSミラー801に入射する。MEMSミラー801は、機械部品と電子回路とを融合し微細部品を形成した微小電子ミラーであり、リフレクタ14の開口部とは反対側のリフレクタ14の外部領域とレーザ素子11との間に配置される。ここで、MEMSミラー801を図30により説明する。図30は、MEMSミラー801を説明する概略図である。
MEMSミラー(光制御部、動作制御部)801は、ミラー部(光制御部)801aとミラー駆動部(動作制御部)801bとを有する。ミラー部801aは、ミラー駆動部801b内に形成されており、例えば、これに限定されないが、2軸ミラーであり、直径が1mmφの円形である。また、ミラー面はAlコートなどのコーティングが施されていてもよい。
ミラー駆動部801bは、例えば、これに限定されないが、5mm角の略正方形であり、その内部に、ミラー部801aが形成されている。ミラー駆動部801bは、電圧変化によってD1方向(重力方向に垂直なX軸方向)および/またはD2方向(重力方向として規定されるY軸方向)に角度を変化させ、その角度変化によりミラー駆動部801bに形成されたミラー部801aを動作させる。そして、ミラー部801aが動作することで、ミラー部801aで反射した後に発光部13に照射されるレーザ光の照射位置およびスポットサイズを変化させる。これにより、ヘッドランプ800は、任意の場所への光の照射と、配光パターンの変更を可能とする。つまり、ヘッドランプ800では、照射領域変更部64は、ミラー駆動部801bの上記動作を制御することにより、ミラー部801aの位置または角度を変える。
なお、MEMSミラー801は、その駆動範囲が、X軸方向よりもY軸方向に広いように設定されることが好ましい。これは、特に、ヘッドランプ800の投光範囲が横長である場合に有効である。一方、ヘッドランプ800の投光範囲が縦長である場合には、MEMSミラー801は、その駆動範囲が、Y軸方向よりもX軸方向に広いように設定されるなど、投光範囲に応じて適宜変更されてよい。
また、レーザ光の走査を連続して行い、レーザ光の強度を走査スピードと同期させる事により投光パターンを形成する場合は、走査スピードを高くすることが出来る共振形MEMSミラーを用いる事が望ましい。例えば、垂直走査速度60Hzでスキャンし、レーザ光の強度をスキャンスピードに同期させる事により、発光部13にすれ違い灯の投光パターンとなる様な発光パターンを形成する様な使い方をする場合は、共振型を使用することが望ましい。
一方、本システムを、スポットライトの投光位置(第1投光範囲a1の位置)を変更するといった使用法で使用する場合で、かつ、対象物(例えば危険因子である鹿)を照らし続けるといった場合は、連続して対象物を照らした方が、(レーザ出力が同じであれば)対象物における照度が高くなる為、非共振形のMEMSミラーを使用することが望ましい。
なお、本変形例では、ファイバ701の出射端部から出射されたレーザ光は、反射ミラー12aで反射してMEMSミラー801に導光されるが、反射ミラー12aを備えず、直接MEMSミラー801に導光される構成であってもよいし、反射ミラー12aの代わりにレンズを用いて導光されてもよい。
〔変形例10〕
次に、ヘッドランプ100の変形例10であるヘッドランプ900(照明装置、車両用前照灯)について説明する。図31は、ヘッドランプ100の更なる変形例を示す図である。
図示するように、ヘッドランプ900は、レーザ素子11、発光部13、波長カットコート15を有するリフレクタ14、フィン4、レンズ12b、およびMEMSミラー801を備える。
ヘッドランプ900は、図29に示すヘッドランプ800と以下の点で相違する。つまり、ヘッドランプ900は、ヘッドランプ800には含まれていたファイバ701および反射ミラー12aを備えていない。したがって、レーザ素子11から出射したレーザ光は、レンズ12bを介してMEMSミラー801に入射し、MEMSミラー801で反射したレーザ光が発光部13に照射される。このとき、ヘッドランプ900は、上述したMEMSミラー801の動作によって、任意の場所への光の照射と配光パターンの変更とを可能とする。
このように、ヘッドランプ900は、ファイバ701および反射ミラー12aを用いることなく、ヘッドランプ800と同様の効果を実現することができる。したがって、ヘッドランプ900は、ヘッドランプ800よりも部品点数を軽減し、かつ、部品点数を軽減することによって、ヘッドランプ内部でのレイアウトの設計自由度を高めることができる。
〔変形例11〕
次に、ヘッドランプ100の変形例11であるヘッドランプ1000(照明装置、車両用前照灯)について説明する。図32は、ヘッドランプ100の更なる変形例を示す図である。
図示するように、ヘッドランプ1000は、図29に示す反射ミラー12aおよびMEMS(Micro Electro Mechanical System)ミラー801の代わりに、ピエゾミラー素子(光制御部)1021を備えた点で、ヘッドランプ800と異なる。
ヘッドランプ1000では、レーザ素子11から出射されたレーザ光は、レンズ12b、およびファイバ701を経て、ピエゾミラー素子1021に入射する。そして、ピエゾミラー素子1021で反射したレーザ光が発光部13に照射される。
ピエゾミラー素子1021は、ピエゾ素子とミラーとによって形成され、ミラーの鏡面を二次元方向(二軸方向)に稼動可能な素子であり、ピエゾ素子によりミラーを稼動する事によってレーザ光の反射光路の向きを二軸方向に変える事が可能である。以下、ピエゾミラー素子1021の具体的な構成について、図33を用いて説明する。図33は、ピエゾミラー素子1021を説明する概略図であり、(a)はピエゾミラー素子1021の全体的な概略構成を示す斜視図であり、(b)はミラー1022を除いた部分の概略構成を示す斜視図であり、(c)はピエゾ素子1023a、1023bおよび支点部材1024の配置例を示す(b)の上面図である。
ピエゾミラー素子1021は、図33(a)および(b)に示すように、土台1025の上に、θ軸方向駆動用のピエゾ素子1023aと、ψ軸方向駆動用のピエゾ素子1023bと、支点部材1024とが設置され、これらの部材の上に、ミラー1022が配置された構成となっている。
ピエゾ素子1023a、1023bは、圧電セラミックからなり、圧電効果により、素子に電圧を印加することで、θ軸およびψ軸と垂直方向(土台1025の表面と垂直方向)に変位を生む圧電デバイスである。ピエゾ素子1023a、1023bとしては、例えば、NECトーキン株式会社製の積層圧電アクチュエータが用いられる。
ピエゾ素子1023a、1023bおよび支点部材1024は、例えば図33(c)に示すように土台1025の上に配置される。すなわち、ピエゾ素子1023aおよび支点1024は、θ軸上の土台1025の両端部近傍にそれぞれ配置されるとともに、ピエゾ素子1023bは、ψ軸上の土台1025の端部近傍に配置される。そして、二軸(θ軸およびψ軸)それぞれの上に設置されたピエゾ素子1023a、1023bの上に、ミラー1022が形成される。すなわち、図33では、ミラー1022は、二軸それぞれの上に設置されたピエゾ素子1023a、1023bおよび支点部材1024にまたがる様に設置されている。
このようにピエゾミラー素子1021の各部材が配置され、ピエゾ素子1023a、1023bそれぞれに電圧が印加されることにより、ピエゾ素子1023a、1023bそれぞれが土台1025の表面と垂直方向に変位し、ミラー1022の鏡面を当該垂直方向に移動させることができる。実際には、ミラー1022は、支点部材1024を支点として動くことになる。そのため、ピエゾ素子1023a、1023bの変位により、ミラー1022の傾きを二軸方向に変位させることができる。
ヘッドランプ1000は、ピエゾミラー素子1021が備えるミラー1022の傾きを変位させる事により、ファイバ701より出射されたレーザ光の光路を制御し、発光部13における照射位置を制御することにより、投光が制御される。尚、各々のピエゾ素子1023a、1023bは、ピエゾミラー駆動部(動作制御部、不図示)によって制御される。すなわち、照射領域変更部64は、ピエゾミラー駆動部の動作を制御することにより、ピエゾミラー素子1021が備えるミラー1022の鏡面の位置または角度を変える。
このように構成されたピエゾミラー素子1021は、高精度な角度調整が可能であるため、光路が長い場合や、レーザ光の折り返し(反射)が複数存在する場合などに好適である。ピエゾミラー素子1021は、これに限定されないが、例えば、大きさ20mm、直径40mmφというサイズで実現される。
このように、ヘッドランプ1000は、ピエゾミラー素子1021を用いることによっても、任意の場所への光の照射と、配光パターンの自由な変更が可能となる。
なお、ピエゾ素子1023a、1023bおよび支点部材1024は、図33(c)に示す配置に限られず、例えばこれらの部材が土台1025の端部近傍に配置されている必要は必ずしもない。これらの部材の配置は、ミラー1022の傾く範囲等にあわせて、適宜変更可能である。
〔変形例12〕
次に、ヘッドランプ100の変形例12であるヘッドランプ1100(照明装置、車両用前照灯)について説明する。図34は、ヘッドランプ100の更なる変形例を示す図である。
図示するように、ヘッドランプ1100は、レーザ素子11、発光部13、リフレクタ14、フィン4、レンズ12bを備える。さらに、ヘッドランプ1100は、X軸用のガルバノミラー38a、ガルバノミラー駆動部39a、および、Y軸用のガルバノミラー38b、ガルバノミラー駆動部39bを備える。照射領域変更部64は、ガルバノミラー駆動部39a、39bの以下に示す駆動を制御することにより、ガルバノミラー38a、38bの位置または角度をそれぞれ変える。
ガルバノミラー38aは、入力される駆動電圧のレベルに応じた量だけガルバノミラー駆動部39aの駆動によって回動してX軸方向(重力方向に垂直な方向)における反射角を変化させ、その反射させたレーザ光を発光部13に向けて照射する。これにより、ガルバノミラー38aは、X軸方向において任意の角度で発光部13にレーザ光を照射することができる。
同様に、ガルバノミラー38bは、入力される駆動電圧のレベルに応じた量だけガルバノミラー駆動部39bの駆動によって回動してY軸方向(重力方向)における反射角を変化させ、その反射させたレーザ光を発光部13に向けて照射する。これにより、ガルバノミラー38bは、Y軸方向において任意の角度で発光部13にレーザ光を照射することができる。
そして、ヘッドランプ1100は、X軸用のガルバノミラー38a、ガルバノミラー駆動部39a、および、Y軸用のガルバノミラー38b、ガルバノミラー駆動部39bが協働することにより、任意の場所への光の照射と、配光パターンの自由な変更を実現している。
ここで、ガルバノミラー38a・38bには誘電体多層膜からなるHRコートが施されていることが好ましい。HRコートは、レーザ素子11の発光波長に対してチューニングされている。
HRコートを施すことにより、光学ロスを低減することができる。本実施の形態では高出力のレーザを用いるため、HRコートを施さなければ、光学ロス分は熱となり光学素子が歪むといった問題が生じる。また、車両用投光器の場合、レーザ光の照射位置およびスポットサイズを任意に変化させるが、法規制によって定められたヘッドランプの投光パターンに応じ、発光部13に形成するレーザ光の光分布(時間平均した際の光分布)は、法規制に応じたパターンを形成するための同一光分布であることが多い。つまり、各光学素子は一様にレーザ光に曝されるわけではなく特定の領域のみが常に高いレーザ出力の高い領域に曝されることとなる。そのため、HRコートが施されていなければ、その領域の劣化が生じるといった問題が生じる。
〔変形例13〕
次に、ヘッドランプ100の変形例13であるヘッドランプ1200(照明装置、車両用前照灯)について説明する。図35は、ヘッドランプ100の更なる変形例を示す図である。
ヘッドランプ1200は、次の点を除き、図25に示すヘッドランプ400と同一の構成を有する。その構成上の相違点のみを説明すれば、ヘッドランプ1200では、レーザ素子11から出射されたレーザ光は、レーザ素子11からレンズ枠体40に埋め込まれたレンズ12bへ、ファイバ701を介して導光される。ファイバ701は、レーザ素子11と突き合わせ接続(バットジョイント)で接続されていてもよい。また、ヘッドランプ1200では、リフレクタ14に波長カットコート15が設けられている。これにより、ヘッドランプ1200は、特定の波長域の光を遮断し、人の目に優しい装置をユーザに提供することができる。
以上、ヘッドランプ1200と図25に示すヘッドランプ400との相違点を説明した。ヘッドランプ1200は、上記の構成を備えることで、ヘッドランプ400と同様の効果を実現することができる。したがって、ヘッドランプ1200は、レーザ素子11からレンズ12bへの導光ルートを適宜変更することができ、ヘッドランプ1200の全体レイアウトを考慮した設計が可能となる。この点において、ヘッドランプ1200は、ヘッドランプ400とは異なる効果を奏する。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、第1光源および第2光源から出射された光を照明光として利用できるとともに、当該照明光の配光特性、および光強度分布を制御することができ、発光装置や照明装置、特に車両用等のヘッドランプに適用することができる。
1 レーザ光源ユニット(第1光源)
2 LED(第2光源)
5a 赤外線カメラ(検知手段)
11 レーザ素子(レーザ光源)
12 光制御部(第1光源)
12a 反射ミラー(光制御部、第1光源)
12b レンズ(光制御部、第1光源)
13 発光部(第1光源)
14 リフレクタ(投光部)
34 ポリゴンミラー(光制御部)
38 ガルバノミラー(光制御部)
38a ガルバノミラー(光制御部)
38b ガルバノミラー(光制御部)
50 凹面ミラー(光制御部)
62 物体識別部(識別手段)
62a 物体識別部(識別手段)
61 物体検出部(検知手段)
63 傾斜検出部(傾斜検出手段)
64 照射領域変更部(変更手段)
65 点灯制御部(第1出力制御手段)
66 出力制御部(第2出力制御手段)
100 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
100a ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
200 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
300 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
400 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
500 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
600 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
700 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
800 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
801 MEMSミラー(光制御部)
801a ミラー部(光制御部)
900 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
1000 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
1021 ピエゾミラー素子(光制御部)
1100 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
1200 ヘッドランプ(照明装置、車両用前照灯)
a1 第1投光範囲
a2 第2投光範囲

Claims (18)

  1. レーザ光源、
    上記レーザ光源から出射されたレーザ光の発光部への導光を制御する光制御部、および、
    上記光制御部によって制御されたレーザ光を受けて発光する発光部、を備える第1光源と、
    上記第1光源とは異なる発光原理によって発光する第2光源と、
    上記光制御部の位置または角度を変えることにより、上記レーザ光源から出射されたレーザ光が上記発光部に形成する照射領域を変更する変更手段と、を備え、
    上記第1光源および上記第2光源のそれぞれから出射された光を同時に投光することが可能であり、
    上記第1光源は上記レーザ光源を複数備え、
    上記光制御部は、ミラーまたはレンズであり、複数の上記レーザ光源のそれぞれに対応するように配置されており、
    複数の上記レーザ光源は、少なくとも上記光制御部が非制御である場合に、当該レーザ光源から出射されたレーザ光のそれぞれが形成する照射領域が上記発光部においてマトリクス状に形成されるように、マトリクス状に配置されており、
    さらに、複数の上記レーザ光源のそれぞれの出力を制御する第1出力制御手段を備えることを特徴とする照明装置。
  2. 上記変更手段は、上記発光部に対する上記照射領域の位置を変更することを特徴とする請求項に記載の照明装置。
  3. 記変更手段は、複数の上記レーザ光源から出射されたレーザ光のそれぞれが形成する上記照射領域の一部が互いに重なるように、当該照射領域を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 上記第2光源は、自装置に規定された最低照度を満たすように照明光を出射することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の照明装置。
  5. 上記変更手段は、上記第1光源から出射された照明光が形成する第1投光範囲が、上記第2光源から出力された照明光が形成する第2投光範囲の周辺部または第2投光範囲以外に形成されるように、上記照射領域を変更することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の照明装置。
  6. 上記変更手段は、上記第1光源から出射された照明光が形成する第1投光範囲が、上記第2光源から出力された照明光が形成する第2投光範囲の一部に形成されるように、上記照射領域を変更することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の照明装置。
  7. 数の上記レーザ光源から出射されたレーザ光のそれぞれが形成する複数の照射領域は、上記発光部に同時に形成されることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の照明装置。
  8. 上記第2光源から出力される照明光の出力を制御する第2出力制御手段を備え、
    上記第2出力制御手段は、上記第1光源からの照明光の出力状態に応じて、上記第2光源から出射される照明光の出力を制御することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の照明装置。
  9. 上記第1光源および上記第2光源の少なくとも一方から出射された照明光を投光する投光部を備え、
    上記投光部は、楕円ミラーであって、
    上記発光部が上記投光部の第1焦点に配置され、上記第2光源が当該投光部の第2焦点に配置されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の照明装置。
  10. 上記第2光源は、照明光として白色光を発光する発光ダイオードであり、
    上記発光部は、上記第2光源の一部として機能することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の照明装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の照明装置を備えていることを特徴とする車両用前照灯。
  12. 物体を検知する検知手段を備え、
    上記変更手段は、上記検知手段によって上記物体が検知されたとき、当該物体を含むように、上記発光部に対する上記照射領域を変更することを特徴とする請求項11に記載の車両用前照灯。
  13. 物体を検知する検知手段を備え、
    上記変更手段は、上記検知手段によって上記物体が検知されたときに、当該物体を含まないように、上記発光部に対する上記照射領域を変更することを特徴とする請求項11に記載の車両用前照灯。
  14. 上記検知手段によって検知された上記物体の種類を、画像認識により識別する識別手段を備え、
    上記変更手段は、上記識別手段によって識別された上記物体の種類が、予め登録された物体の種類と一致したとき、上記照射領域を変更することを特徴とする請求項12または13に記載の車両用前照灯。
  15. 上記検知手段は、上記物体から放射される赤外線放射エネルギーを検知するものであり、
    上記検知手段によって検知された赤外線放射エネルギーに基づいて温度分布画像を生成することにより、上記物体の種類を識別する識別手段を備え、
    上記変更手段は、上記識別手段によって識別された上記物体の種類が、予め登録された物体の種類と一致したとき、上記照射領域を変更することを特徴とする請求項12または13に記載の車両用前照灯。
  16. 上記検知手段は、上記物体に赤外線を照射して、その反射波を検知するレーダであることを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の車両用前照灯。
  17. 上記変更手段は、右側通行国で規定された照明光の配光パターン、および、左側通行国で規定された照明光の配光パターンのいずれかを満たすように、上記発光部に対する上記照射領域を変更することを特徴とする請求項11から16のいずれか1項に記載の車両用前照灯。
  18. 水平面に対する車両の傾斜を検知する傾斜検出手段を備え、
    上記変更手段は、上記傾斜検出手段による検知結果にしたがって、上記照射領域を変更する請求項11から17のいずれか1項に記載の車両用前照灯。
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