JP5973897B2 - 電磁流量計 - Google Patents
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Description
この電磁流量計5は、検出器5Aと変換器5Bとから構成されている。
検出器5Aには、主な構成として、測定管P、電極TA,TB、および励磁コイルLが設けられている。
変換器5Bには、主な回路部として、励磁回路50、交流増幅回路51、サンプルホールド回路(SH)52、A/D変換器53、制御回路54、通信回路55、電源回路56、および表示器57が設けられている。
制御回路54は、直流流量信号V1の電圧値を取得して、この電圧値から流量計測値を算出し、通信回路15で4〜20mAのアナログ直流電流に変換した後、通信回線Wを介してコントローラなどの上位装置(図示せず)へ通知する。
図9は、一般的な電磁流量計の動作(空状態)を示す信号波形図である。流体が電極TA,TBに接している正常状態では、図8に示したように、流量に応じた大きさの起電力E0が検出されるが、流体が電極TA,TBに接していない空状態では、図9に示すように、起電力E0に、例えば電源周波数を持つノイズが混入する。
このため、この計測流量値の不安定が、実際の流量が不安定であるために発生しているのか、流体が空状態であるために発生しているのかを検知する必要がある。
[本実施の形態の構成]
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかる電磁流量計1について説明する。図1は、本発明の電磁流量計の構成を示すブロック図である。
測定管Pは、全体としてステンレスなどの非磁性金属の筒体からなり、その内側に測定対象となる流体が流れる流路を構成する。
励磁コイルLは、測定管Pの外側に対向して配置された一対のコイルからなり、変換器1Bから供給された交流励磁電流に応じて、流路を流れる流体の流れ方向に対して直交する方向に磁界を発生させる機能を有している。
なお、測定管Pの電位は、接地端子TGを介して変換器1Bの接地電位と接続されている。
交流増幅回路11は、検出器1Aで得られた起電力E0を容量素子Cを介して入力し、この起電力E0を交流増幅し、交流流量信号E1として出力する機能を有している。
A/D変換器13は、直流流量信号V1の電圧値をA/D変換して制御回路14へ出力する機能を有している。
図2は、帯域減衰フィルタの回路構成例である。ここでは、ツインT型のノッチ・フィルタを用いるとともに、帰還系にもオペアンプを用いた回路例が示されている。
図3は、帯域減衰フィルタの周波数特性例である。ここでは、図2の回路構成例のゲインに関する周波数特性が示されており、商用電源周波数である50Hzで、40dB程度の減衰が得られていることが分かる。
A/D変換器23は、直流流量信号V2の電圧値をA/D変換して制御回路14へ出力する機能を有している。
電源回路16は、通信回線Wを介して上位装置から供給された電源を通信回路15から受け取って、変換器1B内の各回路部へ分配する機能を有している。
表示器17は、LCDやLEDなどの表示素子からなり、制御回路14からの指示に応じて、計測電流値や空検知結果などの各種情報を表示する機能を有している。
次に、図4および図5を参照して、本実施の形態にかかる電磁流量計1の動作について説明する。図4は、本発明の電磁流量計の動作(正常状態)を示す信号波形図である。図5は、本発明の電磁流量計の動作(空状態)を示す信号波形図である。ここでは、空状態において起電力E0に商用電源周波数の成分がノイズとして混入する場合を例として説明する。
励磁コイルLは、この交流励磁電流に応じて、流路を流れる流体の流れ方向に対して直交する方向に磁界を発生させる。これにより、測定管Pを流れる流体に、流量に応じた大きさの起電力E0が発生する。
流体が電極TA,TBに接している正常状態の場合、電極TA,TBは、流体に発生した起電力E0を検出し、変換器1Bへ出力する。
サンプルホールド回路12は、制御回路14のサンプリング制御処理で出力されたサンプリング制御信号SH1,SH2に基づいて、交流流量信号E1の正側波形および負側波形のうち、波形が安定している特定期間の電圧をサンプルホールドし、直流流量信号V1として出力する
A/D変換器13は、直流流量信号V1の電圧値をA/D変換して制御回路14へ出力する。
サンプルホールド回路22は、制御回路14からのサンプリング制御信号SH1,SH2に基づいて、交流流量信号E2の正側波形および負側波形のうち、波形が安定している特定期間の電圧をサンプルホールドし、直流流量信号V2として出力する
A/D変換器23は、直流流量信号V2の電圧値をA/D変換して制御回路14へ出力する。
一方、空状態の場合、図5に示すように、励磁周波数と同期した起電力E0が得られず、起電力E0に商用電源周波数の成分が混入する。このため、商用電源周波数成分を減衰させていないV1は、不安定ながら、ある程度の電圧値を示すものの、商用電源周波数成分を減衰させたV2は、V1より大幅に小さい電圧値を示すものとなる。
図6は、本発明の空検知処理を示すフローチャートである。
次に、制御回路14は、直流流量信号V1で直流流量信号V2を除算することにより、V1とV2との電圧比を計算し、この電圧比を予め設定されているしきい値Rthと比較する(ステップ102)。
このように、本実施の形態は、帯域減衰フィルタ21が、交流流量信号(第1の交流流量信号)E1のうちからノイズ成分を減衰させることにより交流流量信号(第2の交流流量信号)E2を出力し、サンプルホールド回路(第2のサンプルホールド回路)22が、交流流量信号E2をサンプリングすることにより直流流量信号(第2の直流流量信号)V2を出力し、制御回路14が、直流流量信号(第1の直流流量信号)V1と直流流量信号V2との電圧比を、所定のしきい値Rthと比較することにより、流体が電極TA,TBに接していない空状態であるか否かを判定するようにしたものである。
したがって、帯域減衰フィルタ21とサンプルホールド回路22を追加するだけで、空状態を検知することができ、消費電力の増加を抑制しつつ、空状態を正確に検知することが可能となる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
Claims (2)
- 測定管内を流れる流体への励磁に応じて当該流体に発生した起電力を電極で検出し、この起電力を交流増幅して得られた第1の交流流量信号を第1のサンプルホールド回路でサンプリングし、得られた第1の直流流量信号に基づき当該流体の流量値を制御回路で算出して出力する電磁流量計であって、
前記第1の交流流量信号から、前記流体が前記電極に接していない空状態の際に前記起電力に混入するノイズの周波数成分を減衰させた第2の交流流量信号を出力する帯域減衰フィルタと、
前記第2の交流流量信号をサンプリングすることにより第2の直流流量信号を出力する第2のサンプルホールド回路とを備え、
前記制御回路は、前記第1の直流流量信号と前記第2の直流流量信号との電圧比を、所定のしきい値と比較することにより、前記空状態であるか否かを判定する
ことを特徴とする電磁流量計。 - 請求項1に記載の電磁流量計において、
前記帯域減衰フィルタは、前記ノイズの周波数成分として、商用電源周波数の成分を減衰させることを特徴とする電磁流量計。
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