JP5969205B2 - 負圧ポンプ - Google Patents
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Description
図19は従来の真空ポンプ200の断面図であり、ベーン201を回転させると、吸気口202から空気がハウジング203に吸入され、ベーン201で加圧された空気が吐出口204を介して消音室205に吐出される。消音室205は十分な大きさの空間を有し、この大きな空間へ吐出口204から圧縮空気が放出され膨張する。空気は急に膨張することで音響エネルギーを消耗する。消音された空気は消音パイプ206を介して排出される。
消音室205は、ハウジング203と同等の幅とされ、十分に大型である。そのため、真空ポンプ200は大型になる。
近年、車載部品の小型、軽量化が求められる中、消音室又は消音機能を備える真空ポンプであっても小型化が求められる。
請求項5に係る発明は、蓋体に、ポンプ部内から収容室内へ排気を流入させる排気出口を設け、この排気出口からパイプ状の導出管を収容室内へ延ばし、この導出管から出た排気を収容室内で急膨張させるようにしたことを特徴とする。
ボディ部とカバー体の少なくとも一方に消音室を形成したので、消音室を負圧ポンプに内蔵することができ、消音室又は消音機能を備える真空ポンプであっても小型化が可能なポンプ構造にすることができる。
消音室は別に部品を用いることなくボディ部とカバー体の間に設け、連通路はボディ部を穴加工するだけで形成されるので、部品点数を増やすことなく消音効果を得られる消音室を設けることができ、部品コストの低減を図ることができる。
請求項2に係る発明では、排気管に、消音室へ延びる延長管部を設け、この延長管部に、微細孔を多数設けた。
延長管部に微細孔を多数設けたので、これらの微細孔により排気を共鳴させることができ、より消音効果を高くすることができる。
延長管部に微細孔を多数設けたので、これらの微細孔により排気を共鳴させることができ、より消音効果を高くすることができる。
請求項5に係る発明では、蓋体に、ポンプ部内から収容室内へ排気を流入させる排気出口を設け、この排気出口からパイプ状の導出管を収容室内へ延ばした。
蓋体にパイプ状の導出管を設けたので、この導出管から出た排気を収容室内で急膨張させることができ、収容室でも消音効果を得ることができる。
図1に示すように、本発明の負圧ポンプ10は、車両に備えられる負圧ブースタ11の負圧室12内を、負圧にする真空ポンプの一種である。
負圧ポンプ10を作動させると、負圧管13、負圧室12内及び変圧室14内が負圧になっている。この状態でブレーキペダル16を踏むと負圧室12と変圧室14とが遮断され、変圧室14に空気が導入され、負圧室12と変圧室14との差圧により、ダイヤフラム17がリターンばね18を圧縮させる側へ変形し、プッシュロッド19を押し出す。結果、小さな踏力で大きな制動力が得られる。
図2に示すように、基盤としてのボディ部30と、このボディ部30の上面にカバー体50が取付けられ、ボディ部30の下面にモータ70が取付けられる。ボディ部30の幅狭の面31に吸気用の接続管21がビス22により取付けられ、ボディ部30から複数(この例では3個)の腕部32が延ばされ、腕部32にブッシュ33が嵌められる。このブッシュ33は車両に取付ける際、ラバーマウントの役割を果たす。
図3に示すように、ボディ部30の上面に負圧を発生するポンプ部80が取付けられる。このポンプ部80は、カバー体50に設けられた収容室51に囲われる。カバー体50の内部に内壁63を設け、内壁63とカバー体の外壁52との空間を消音室53として形成する。
図4に示すように、負圧ポンプ10は、基盤としてのボディ部30と、ボディ部30の上面34(本発明における一方の側面34)に設けられている複数(この例では4個)の雌ねじ穴35に長いボルト81をねじ込むことで取付けられるポンプ部80と、吸入ポート(詳細後述)に接続される接続管21と、ポンプ部80を覆うと共に、ボディ部30の上面34(本発明における一方の側面34)に設けられている複数(この例では4個)の雌ねじ穴36にビス54をねじ込むことで取付けられるカバー体50と、このボディ部30の下面37(他方の側面37)に複数(この例では2本)のビス71で取付けられ、モータ軸72がインボリュートスプライン軸であるモータ70とからなる。
ボディ部30は、モータ70をマウントするため及び車両に接続するための基盤であるため、厚くて剛性に富む、例えば鋳物などの金属製とすることが望まれる。ボディ部30の中心部にモータ軸72が挿入される軸穴38が設けられる。
図7は、図4及び図5に基づいて組立てられた負圧ポンプ10の断面図である。
図7に示すように、軸穴38に転がり軸受102が設けられており、この軸受102にモータ軸72が支持される。モータ軸72の先端部は、ロータ87のインボリュートスプライン穴86に嵌り、先端が蓋体101の近傍まで達する。
一方、シール材43の全周に吸気プレート94の表面が接しており、このシール材43と吸気プレート94で吸気溝42の開口が塞がれ、吸気通路103が形成される。結果、接続管21、吸入ポート24、吸気通路103及び2個の吸気孔(図5、符号92、93)からなる吸気経路が形成される。
図9に示すように、ボディ部30の一方の側面34には、排気経路104から離れた位置に、モータ軸72近傍からモータ(図7、符号70)へ空気を供給する呼吸穴121が設けられる。呼吸穴121は、モータ70へ空気を供給してモータ70内が真空になることを防止するために設けられる。
図10に示すように、ボディ部30は、収容室51を形成する上面34に下方に窪む収容室側凹部126が設けられる。この収容室側凹部126の最も低い位置に連通路105が設けられる。連通路105は、収容室側凹部126と消音室53とを結び、図左から右へ下方に傾斜される。なお、連通路105は、ボディ部30の幅狭の面31に穴加工することで形成され、開口部は鋼球127で塞がれる。
図11に示すように、消音室53に、連通路105が設けられる。消音室53は、カバー体50と、ボディ部30に設けられる消音室の底59とに囲まれる空間である。消音室の底59に、下方へ窪む凹部61が設けられ、この凹部61の排気管62が接続される。消音部の底59は連通路105の連通部から図右に向かって下方に傾斜される。即ち、消音部の底59の最も低い位置に凹部61が設けられ、凹部61から下方に延びる排気管62が設けられる。
図12に示すように、モータ(図7、符号70)が作動すると、ポンプ部80の吸引作用により、外気が接続管21内に吸入される。この吸気は、吸入ポート24に吸入される(矢印(1))。
図14(a)に示すように、負圧ポンプ10内に結露により生じた水は、上面34に落ちる。上面34に落ちた水は、収容室側凹部126から連通路105を通って消音室53に流れる(矢印(8))。(b)に示すように、連通路105を通り抜けた水は、消音室の底59を流れ(矢印(9))、凹部61に集められ、排気管62から下方に排出される(矢印(10))。
図15に示すように、ポンプ部(図5、符号80)には回転体(ベーン88やロータ87)が内蔵され、この回転体が壁に摺接するため、僅かであるが摩耗粉が発生する。この摩耗粉が排気に混じって排気経路104に流れ、さらに連絡通路122に流入する。摩耗粉は、障壁124及び上面部125により、連絡通路122の奥に流れることが阻まれる(矢印(11))。連絡通路122の入口近傍の障壁124を乗り越えた摩耗粉は、連絡経路122が蛇行しているので、途中の障壁124及び上面部125により、奥に流入することが抑制される(矢印(12)、(13))。摩耗粉が除去された空気は、呼吸穴121からモータ軸72近傍に流れ(矢印(14))、モータ(図7、符号70)内に供給される。排気経路104からモータの呼吸穴121へ連通する間に、連絡経路122が設けられ、呼吸穴121が連絡経路122内で最も高い位置である。呼吸穴121が連絡経路122内で最も高い位置にあるので、モータ70内への水の浸入を防ぐことができる。
図16に示すように、カバー体50の内部に内壁63を設け、内壁63とカバー体50の外壁52との空間を消音室53として形成する。連通路131は、カバー体50の内壁63に貫通形成される。カバー体50に連通路131を設けることで、ボディ部30の加工を少なくし、ボディ部30の加工費の低減を図ることができる。
図17に示すように、蓋体101にポンプ部80内から収容室51へ排気を流入させる排気出口97、98が設けられる。これらの排気出口97、98からパイプ状の導出管132、133が収容室51内へ延ばされる。ポンプ部80で圧縮された空気は、導出管132、133から排出され、収容室51で急膨張されることで音響エネルギーを消耗する。結果、収容室51でも消音効果の向上を図ることができる。
図18に示すように、ボディ部30にて、排気管62に消音室53に延びる延長管部134が設けられる。この延長管部134に複数の微細孔135が設けられる。微細孔135により排気を共鳴させ、消音効果を向上させることができる。
図13に示すように、ボディ部30とカバー体50の少なくとも一方に、排気音を減衰させる消音室53が、収容室51とは別に形成され、ポンプ部80からの排気は、収容室51、この収容室51と消音室53とを結ぶ連通路105、消音室53の順で流され、排気管62を介して外へ排出される。
この構成によれば、ボディ部30とカバー体50の少なくとも一方に消音室53を形成したので、消音室53を負圧ポンプ10に内蔵することができ、消音室53又は消音機能を備える真空ポンプ10であっても小型化が可能なポンプ構造にすることができる。
この構成によれば、消音室53は別に部品を用いることなくボディ部30とカバー体50の間に設け、連通路105はボディ部50を穴加工するだけで形成されるので、部品点数を増やすことなく消音効果を得られる消音室53を設けることができ、部品コストの低減を図ることができる。
この構成により、蓋体101にパイプ状の導出管132、133を設けたので、この導出管132、133から出た排気を収容室51内で急膨張させることができ、収容室51でも消音効果を得ることができる。
この構成により、延長管部134に微細孔135を多数設けたので、これらの微細孔135により排気を共鳴させることができ、より消音効果を高くすることができる。
さらには、本発明の負圧ポンプは、車両に備えられる負圧ブースタの負圧室内を、負圧にするための車両用の負圧ポンプに好適であるが、用途を格別に限定するものではなく、一般機械用、汎用機械用、一般設備用に適用することは差し支えない。
Claims (5)
- 基盤としてのボディ部と、このボディ部の一方の側面に取付けられるポンプ部と、このポンプ部を囲う収容室を有し前記ボディ部の一方の側面に取付けられるカバー体とからなり、更に、前記ポンプ部はロータと、このロータを囲うケースと、このケースの開口を塞ぐ蓋体とからなる負圧ポンプにおいて、
前記ボディ部と前記カバー体の少なくとも一方に、排気音を減衰させる消音室が、前記収容室とは別に形成され、
前記ポンプ部からの排気は、前記収容室、この収容室と前記消音室とを結ぶ連通路、前記消音室の順で流され、排気管を介して外へ排出され、その間に前記消音室で排気音が減衰され、
前記消音室は、前記ボディ部と前記カバー体の間に設けられ、前記連通路は、前記ボディ部に設けられていることを特徴とする負圧ポンプ。 - 基盤としてのボディ部と、このボディ部の一方の側面に取付けられるポンプ部と、このポンプ部を囲う収容室を有し前記ボディ部の一方の側面に取付けられるカバー体とからなり、更に、前記ポンプ部はロータと、このロータを囲うケースと、このケースの開口を塞ぐ蓋体とからなる負圧ポンプにおいて、
前記ボディ部と前記カバー体の少なくとも一方に、排気音を減衰させる消音室が、前記収容室とは別に形成され、
前記ポンプ部からの排気は、前記収容室、この収容室と前記消音室とを結ぶ連通路、前記消音室の順で流され、排気管を介して外へ排出され、その間に前記消音室で排気音が減衰され、
前記排気管に、前記消音室へ延びる延長管部を設け、この延長管部に、微細孔を多数設け、これらの微細孔により排気を共鳴させるようにしたことを特徴とする負圧ポンプ。 - 請求項2記載の負圧ポンプにおいて、
前記カバー体の内部に内壁を設け、前記内壁と前記カバー体の外壁との空間を前記消音室として形成し、前記連通路は、前記カバー体の内壁に貫通形成したことを特徴とする負圧ポンプ。 - 請求項1記載の負圧ポンプにおいて、
前記排気管に、前記消音室へ延びる延長管部を設け、この延長管部に、微細孔を多数設け、これらの微細孔により排気を共鳴させるようにしたことを特徴とする負圧ポンプ。 - 請求項1〜4のいずれか1記載の負圧ポンプにおいて、
前記蓋体に、前記ポンプ部内から前記収容室内へ排気を流入させる排気出口を設け、この排気出口からパイプ状の導出管を前記収容室内へ延ばし、この導出管から出た前記排気を前記収容室内で急膨張させるようにしたことを特徴とする負圧ポンプ。
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