JP5949964B2 - プロジェクター - Google Patents
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Description
このため、黒化の発生を抑制するプロジェクター(プロジェクターシステム)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような問題を解消するために、画像形成に利用される光量を低減させる調光装置を設けることが考えられるが、動作モードに応じて光量調節を行う必要が生じるため、プロジェクター内部の構成及び処理が複雑となる。
また、回復期間では、光源ランプの温度が必要以上に高くならないように、当該光源ランプに冷却空気を送出するファンの回転速度(単位時間当たりの回転数)を減光動作モード時より高める必要が生じる。しかしながら、この場合には、ファンの風切音等の騒音が増大するという問題がある。
これらの問題から、黒化の蓄積を抑制する他の効率的な手段が要望されてきた。
本発明では、前記冷却制御部は、前記変更後のランプ電力値に応じた設定流量と、前記変更前のランプ電力値及び前記変更後のランプ電力値の差分と、前記変更前のランプ電力が供給されていた時間と、前記変更後のランプ電力の電圧レベルとの少なくともいずれかに基づいて、前記所定期間を設定する期間設定部を有することが好ましい。
上記関連技術によれば、光源ランプに供給されるランプ電力の電力値が、第1電力値から第2電力値に切り替えられた場合に、第2電力値に切り替えられた後の所定期間の間、当該第2電力値に応じて設定された設定流量より少ない流量の冷却流体が、光源ランプに送出される。これによれば、設定流量に応じた冷却流体が光源ランプに送出される場合に比べ、当該光源ランプの温度上昇を速やかに行うことができる。従って、第1電力値で生じた光源ランプ内の黒化を解消しやすくすることができ、黒化の蓄積を効率よく抑制できる。
また、所定期間の経過後には、第2電力値に応じた設定流量の冷却流体が、光源ランプに送出されるので、当該光源ランプの温度が必要以上に上昇することを抑制でき、光源ランプを安定して点灯させることができる。
一方、第2電力値に応じた設定流量が多い場合には、前述の所定期間を経過した後に光源ランプを第2電力値に応じた適正温度まで冷却する時間は短くて済むが、設定流量が少ない場合には、当該時間は長くなる。
また、第1電力値及び第2電力値の差分が小さい場合には、前述の適正温度まで冷却する時間は短く済むが、当該電力差が大きい場合には、当該時間は長くなる。
加えて、同じ電力値のランプ電力を供給する際に、光源ランプに印加される電圧レベルが高い場合には、黒化しやすい状況でないため、前述の解消時間は短くて済むが、当該電圧レベルが低い場合には、光源ランプが黒化しやすい状況にあるため、解消時間は長くなる。
上記関連技術によれば、冷却装置が停止される期間では、冷却流体は光源ランプに送出されず、当該光源ランプは冷却されないこととなる。これによれば、光源ランプの温度上昇を一層速やかに行うことができる。従って、黒化を速やかに解消できる。また、当該期間では、冷却装置が停止されるので、当該冷却装置の動作に伴う騒音の発生を抑制できる。
なお、冷却流体の流量を徐々に増加させるとは、当該流量を段階的に増加させることや、当該流量を所定の関数に基づいて経過時間とともに直線状或いは曲線状に増加させることも含まれる。
ここで、ファンの回転速度(単位時間当たりの回転数)が急激に増加する場合には、当該ファンの駆動に伴う風切音が大きくなり、生じる騒音が大きくなる。
これに対し、上記関連技術では、冷却流体の流量が徐々に増加するようにファンの駆動が制御されるので、ファンの回転速度は徐々に増加されることとなる。これによれば、急激にファンの回転速度が増加する場合に比べ、当該ファンの駆動による騒音を低減できる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、光源ランプ41から出射された光束を変調して画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する。このプロジェクター1は、光源ランプ41に供給されるランプ電力の電力値(以下、「ランプ電力値」と略す場合がある)が高くなった場合に、当該電力値が切り替えられてから所定期間の間、高い電力値に応じて予め設定された設定流量より少ない流量の冷却空気を当該光源ランプ41に送出することで、当該光源ランプ41の温度上昇を速やかに行い、光源ランプ41内の黒化の蓄積を抑制する。
このようなプロジェクター1は、図1に示すように、操作装置2、電源装置3、画像形成装置4、検出装置5、冷却装置6及び制御装置7を備える。
電源装置3は、プロジェクター1を構成する各電子部品に電力を供給する。具体的に、電源装置3は、制御装置7に電力を供給する他、当該制御装置7による制御の下、各電子部品(例えば、後述する光源ランプ41)に電力を供給する。
光源ランプ41は、詳しい図示を省略するが、内部に一対の電極及び発光物質が封入された放電空間を有する発光管と、当該発光管に取り付けられるリフレクターとを備える。このうち、発光管は、電源装置3から供給されるランプ電力に応じた輝度で点灯する。
投射光学装置43は、変調された光を拡大投射するものであり、鏡筒と、当該鏡筒内に収納される複数のレンズとを備えた組レンズとして構成されている。
制御装置7は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びフラッシュメモリー等が実装された回路基板により構成されており、操作装置2に対する使用者の入力操作に応じて、或いは、自律的にプロジェクター1の動作を制御する。このような制御装置7は、記憶部71と、当該記憶部71に記憶されたプログラム及びデータをCPUが処理することで実現される主制御部72、画像処理部73、点灯制御部74、計時部75及び冷却制御部76とを有する。
記憶部71は、前述のフラッシュメモリーにより構成され、プロジェクター1の動作に必要な各種プログラム及びデータを記憶している。例えば、このようなデータとして、記憶部71は、ランプ電力値に応じた冷却装置6の駆動パラメーターを記憶している。この駆動パラメーターは、光源ランプ41に送出すべき冷却空気の流量(設定流量)に基づいて設定されており、冷却装置6のファン61の駆動を印加電圧レベルで制御する場合には、ランプ電力値ごとのファン電圧として記憶され、また、当該ファン61の駆動をPWM(Pulse Width Modulation)で制御する場合には、当該ランプ電力値ごとのデューティー比として記憶されている。
なお、以下の説明では、ファン61の駆動を印加電圧レベルで制御することとして記載する。
更に、記憶部71は、詳しくは後述するが、計時部75により計時された時間(継続時間)を記憶する。
主制御部72は、制御装置7の動作を制御し、ひいては、プロジェクター1全体の動作を制御する。例えば、主制御部72は、ミュート機能の実行状態、後述する画像処理部73により生成された画像のAPL(平均輝度レベル:Average Picture Level)、及び、使用者により設定されたカラーモードに基づいて設定される電力値のランプ電力が、光源ランプ41に供給されるように、点灯制御部74を制御する。
また、主制御部72は、ランプ電力値を変更させる際に、後述する計時部75により計時されている時間(継続時間)を取得して記憶部71に記憶させ、当該計時部75により計時されている時間をリセットして、当該計時部75に「0」からの計時を開始させる。
画像処理部73は、PC等の外部機器から受信される画像情報(画像信号及び画像データを含む)に応じた画像を図示しないビデオメモリーに展開して、当該画像を生成する。この際、画像処理部73は、所定の補正処理を当該画像に対して実施する。そして、画像処理部73は、生成した画像に応じた駆動信号を前述の画像形成装置4に出力する。
点灯制御部74は、主制御部72から入力される制御信号に基づいて電源装置3の動作を制御して、当該電源装置3により光源ランプ41にランプ電力を供給させ、当該光源ランプ41を点灯させる。換言すると、点灯制御部74は、当該制御信号に基づく電力値のランプ電力が光源ランプ41に供給されるように、電源装置3の動作を制御する。このようなランプ電力値は、本実施形態では、70〜230W(ワット)の間で設定されるが、光源ランプ41の種別等に応じて適宜変更可能である。
計時部75は、主制御部72の制御の下、ランプ電力値が変更されてからの時間を計時する。具体的に、計時部75は、主制御部72から開始信号が入力されると(すなわち、後述する目標電力値の変更が行われると)「0」から計時を開始し、また、当該主制御部72から停止信号が入力されると計時を停止する。そして、計時部75により計時されていた時間は、変更される前のランプ電力値の継続時間として主制御部72により記憶部71に記憶され、この後の開始信号の入力に応じて、計時部75による計時が、再び「0」から開始される。
冷却制御部76は、冷却装置6を制御して、当該冷却装置6にプロジェクター1の構成部品(例えば、光源ランプ41及び電源装置3)を冷却する冷却空気を送出させる。特に、冷却制御部76は、主制御部72から入力される制御信号に基づいて、光源ランプ41を冷却する冷却空気を送出させる。
電力値取得部761は、主制御部72から入力される制御信号(点灯制御部74に入力される制御信号と同じ)に基づいて、光源ランプ41に供給されるランプ電力値を取得する。そして、電力値取得部761は、取得したランプ電力値を時系列に沿って記憶部71に記憶させる。
継続時間取得部764は、計時部75により計時され、主制御部72により記憶部71に記憶された直前電力値の継続時間を取得する。
ランプ電圧取得部765は、検出装置5により検出されたランプ電圧を取得する。
パラメーター取得部766は、目標電力値に応じた駆動パラメーターを記憶部71から取得する。
期間設定部767は、取得された継続時間、ランプ電圧及び駆動パラメーター、並びに、算出された差分に基づいて、遅延期間を設定する。この遅延期間は、変更後のランプ電力値に応じた駆動パラメーターでの冷却装置6の動作を遅延させる時間である。
具体的に、期間設定部767は、目標電力値と直前電力値との差分に応じた基準時間を記憶部71から取得し、前述の継続時間、ランプ電圧及び駆動パラメーターに基づいて当該基準時間を短縮又は延長して、遅延期間(図2〜図4においてAで示す期間)を設定する。
同様に、期間設定部767は、図3に示すように、目標電力値が直前電力値である160Wより高い230Wに変更された場合に、目標電力値に応じた設定流量の冷却空気が送出されるファン電圧(図3において点線で示す10.9Vのファン電圧)ではなく、直前電力値に応じたファン電圧(図3において実線で示す8.3Vのファン電圧)が継続される期間である遅延期間Aを設定する。
これら図2〜図4に示すように、期間設定部767により、直前電力値と、変更された目標電力値との電力差が大きい場合には遅延期間Aは長く設定され、小さい場合には遅延期間Aは短く設定される。更に、直前電力値が低い場合にも遅延期間Aが長く設定され、高い場合には遅延期間Aが短く設定される。
また、例えば、期間設定部767は、所定時間に対する継続時間の割合に応じて、基準時間を短縮又は延長し、これにより遅延期間を設定する。この所定時間は、光源ランプ41の種別等に応じて設定される。
これにより、図5に示すように、目標電力値が230Wであり、直前電力値が70Wである場合で、当該直前電力値のランプ電力が供給されていた継続時間が2分(min)であると、遅延期間は50秒(sec)に設定され、当該継続時間が6分であると、遅延期間は120秒に設定される。また、目標電力値が230Wであり、直前電力値が160Wである場合で、当該直前電力値のランプ電力が供給されていた継続時間が8分であると、遅延期間は25秒(sec)と設定される。
なお、継続時間が10分以上となった場合には、遅延期間は、継続時間が10分の時と同様の値に設定される。また、図5に示したように、継続時間が1分未満の場合には、当該継続時間に応じた基準時間の短縮及び延長は行わない。
ここで、ある電力値のランプ電力を供給した場合のランプ電圧の変化は、光源ランプ41の電極間に形成されるアーク長の指標とすることができる。具体的に、ランプ電圧が高いことは、アーク長が長いことを示し、この場合には黒化が生じにくい状態にあることを示す。一方、ランプ電圧が低くなったことは、アーク長が短くなったことを示し、この場合には黒化が生じ易い状態にあることを示す。
なお、目標電力値が230Wであるときの基準ランプ電圧が100Vであり、取得されたランプ電圧が80〜100Vの間にある場合には、期間設定部767は、基準時間を延長せずに遅延期間を設定する。
このように、期間設定部767は、継続時間、ランプ電圧及び駆動パラメーターに基づいて、基準時間を短縮又は延長した時間を遅延期間として設定する。
具体的に、目標電力値が直前電力値より低い場合には、駆動制御部768は、当該目標電力値に応じた駆動パラメーターを記憶部71から取得し、目標電力値への変更時から当該駆動パラメーターに基づいて、冷却装置6の動作を制御する。
図6は、光源ランプ41の動作モードが低輝度モードから高輝度モードに変更された場合の光源ランプ41の温度上昇を示す図である。
一方、目標電力値が直前電力値より高い場合には、駆動制御部768は、当該目標電力値に変更されてから、設定された遅延期間が経過するまで、直前電力値に応じた駆動パラメーターに基づいて、冷却装置6の動作を制御する。このため、直前電力値に対して高い目標電力値のランプ電力が供給される場合に、光源ランプ41の冷却が一時的に抑えられることで、図6において実線で示すように、遅延期間を設けない場合(図6において点線で示す場合)に比べ、放電空間内の温度上昇が速やかに行われる。これにより、直前電力値のランプ電力が供給されていた際に生じた黒化が解消される。
図7は、制御装置7により実行される冷却制御処理を示すフローチャートである。
制御装置7は、プロジェクター1の電源がオンされている間、記憶部71に記憶されたプログラムを処理することで、下記の冷却制御処理を実行し、冷却装置6の動作を制御して光源ランプ41を冷却する。
この冷却制御処理では、図7に示すように、まず、電力値取得部761が、主制御部72から入力される制御信号に基づいて、光源ランプ41に供給されるランプ電力値(目標電力値)を取得する(ステップS01)。
このステップS02の判定処理にて、目標電力値が変化していないと判定されると、制御装置7は、処理をステップS01に戻す。
このステップS03の実行とともに、主制御部72が、計時部75に停止信号を出力して、当該計時部75による計時を停止させる(ステップS04)。
そして、主制御部72は、停止された計時部75の計時時間を取得し、当該計時時間を継続時間として記憶部71に記憶させる(ステップS05)。
更に、主制御部72は、計時部75に開始信号を出力して、当該計時部75に「0」からの計時を開始させる(ステップS06)。これにより、目標電力値の変更が行われてからの経過時間が、計時部75により計時される。なお、当該ステップS06は、後述するステップS15における駆動制御部768による制御が開始されて実行され、当該制御が開始されてからの経過時間が計時されるように構成してもよい。
ここで、目標電力値が直前電力値より高くないと判定された場合(低いと判定された場合)には、期間設定部767による遅延期間の設定は行われず、駆動制御部768が、目標電力値に応じた駆動パラメーターが記憶部71から取得する(ステップS08)。
そして、駆動制御部768が、当該駆動パラメーターに基づいて、冷却装置6の動作を制御し(ステップS09)、制御装置7は、処理をステップS01に戻す。
また、継続時間取得部764が、ステップS05で記憶部71に記憶された継続時間を取得し、ランプ電圧取得部765が、検出装置5により検出されたランプ電圧を取得し、更に、パラメーター取得部766が、記憶部71から目標電力値に応じた駆動パラメーターを取得する(ステップS11〜S13)。
そして、駆動制御部768が、直前電力値に応じた駆動パラメーターに基づく冷却装置6の動作制御を継続するとともに(ステップS15)、目標電力値に変更されてから、ステップS11にて算出された遅延期間が経過したか否かを判定する(ステップS16)。
このステップS17が実行されて、目標電力値に応じた設定流量の冷却空気が光源ランプ41に送出されることで、光源ランプ41の必要以上の温度上昇が抑制される。
光源ランプ41に供給されるランプ電力値が、高い電力値に切り替えられた場合に、当該ランプ電力値に切り替えられてから遅延期間が経過するまでの間、当該ランプ電力値に応じた設定流量より少ない流量の冷却空気が、光源ランプ41に送出される。これによれば、ランプ電力値の変更時から、当該ランプ電力値に応じた設定流量の冷却空気が光源ランプ41に送出される場合に比べ、当該光源ランプ41の温度上昇を速やかに行うことができる。従って、低いランプ電力値のランプ電力が供給され続けることで生じた光源ランプ内の黒化を解消しやすくすることができ、黒化の蓄積を効率よく抑制できる。
また、遅延期間の経過後は、目標電力値に応じた設定流量の冷却空気が光源ランプ41に送出されるので、当該光源ランプ41を適正温度に冷却できる。従って、光源ランプ41に失透が生じることを防止でき、当該光源ランプ41を安定して点灯させることができる。更に、冷却装置6の動作が一時的に抑えられるので、遅延期間の間は、プロジェクター1の消費電力を低減できる。
この他、遅延期間が必要以上に長くなることを抑制できるので、光源ランプ41の温度が必要以上に高い状態が継続されることを防止できる。従って、光源ランプ41の点灯を一層安定化させることができ、当該光源ランプ41の長寿命化を図ることができる。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、前述のプロジェクター1と同様の構成を備える。ここで、当該プロジェクター1では、駆動制御部768は、遅延期間の間、直前電力値に応じた駆動パラメーターに基づいて冷却装置6の動作を制御した。これに対し、本実施形態に係るプロジェクターは、当該遅延期間に、冷却装置6の動作を停止させる停止期間を設けるほか、光源ランプ41に送出される冷却空気が次第に増加するように冷却装置6の動作を制御する。この点で、本実施形態に係るプロジェクターとプロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係るプロジェクターは、プロジェクター1と同様の構成を有するが、制御装置7を構成する冷却制御部76の動作が、プロジェクター1と一部異なる。
すなわち、本実施形態に係るプロジェクターでは、図8に示すように、駆動制御部768は、直前電力値よりも高い目標電力値にランプ電力が切り替えられてから、遅延期間内における所定時間、冷却装置6の動作を停止させる。この所定時間が、前述の停止期間である。
一方、上記のように、停止期間では冷却装置6が停止されることで光源ランプ41に冷却空気が送風されない期間が設けられる他、当該停止期間の経過後、光源ランプ41に送出される冷却空気の流量が段階的に増加するため、期間設定部767は、前述のようにして設定される遅延期間を更に短縮して、新たに遅延期間を設定する。
すなわち、低いランプ電力値から高いランプ電力値に変更される際に、冷却装置6のファン61の駆動が停止される。これによれば、光源ランプ41に冷却空気が送出されないこととなるので、当該光源ランプ41の放電空間内の温度上昇をより速やかに行うことができ、期間設定部767によって設定される遅延期間を短縮できる。従って、放電空間内に形成された黒化をより速やかに解消でき、黒化の蓄積を一層効率よく抑制できる。また、ファン61の駆動が停止されるので、ファン61の駆動に伴う騒音の発生がない。
これによれば、ファン61の回転速度(単位時間当たりの回転数)が段階的に増加することとなるので、当該回転速度が急激に増加する場合に比べ、ファン61の駆動によって生じる騒音を低減できる。従って、プロジェクター1の動作中の騒音を低減できる。
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、期間設定部767が、目標電力値及び直前電力値の差分と、直前電力値の継続時間と、目標電力値のランプ電力の電圧レベルと、目標電力値のランプ電力が供給される際に冷却装置6から送出される冷却流体の設定流量に対応する駆動パラメーターとに基づいて、遅延期間を設定するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、これらのいずれかに基づいて遅延期間を設定すればよく、或いは、他のパラメーター(例えば、環境温度)を更に考慮して、遅延期間及びファン電圧を設定してもよい。
また、前記各実施形態では、ファン61の駆動を印加電圧レベルで制御することとしているが、前述のように、当該ファン61をPWMで制御することとしてもよい。
Claims (2)
- プロジェクターであって、
供給されるランプ電力に応じて発光する光源ランプと、
前記光源ランプから出射された光を変調する光変調装置と、
変調された光を投射する投射光学装置と、
前記光源ランプに冷却流体を送出して、当該光源ランプを冷却する冷却装置と、
ランプ電力を前記光源ランプに供給して、当該光源ランプを点灯させる点灯制御部と、
前記冷却装置を制御する冷却制御部と、を備え、
前記冷却制御部は、
前記光源ランプに供給されるランプ電力が高いランプ電力に変更されると、所定期間の間、変更前のランプ電力値に応じて設定された設定流量の前記冷却流体が前記光源ランプに送出されるように、前記冷却装置の動作を継続させ、
前記所定期間が経過した後、変更後のランプ電力値に応じて設定された設定流量の前記冷却流体が前記光源ランプに送出されるように、前記冷却装置の動作を切り替える
ことを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記冷却制御部は、前記変更後のランプ電力値に応じた設定流量と、前記変更前のランプ電力値及び前記変更後のランプ電力値の差分と、前記変更前のランプ電力が供給されていた時間と、前記変更後のランプ電力の電圧レベルとの少なくともいずれかに基づいて、前記所定期間を設定する期間設定部を有する
ことを特徴とするプロジェクター。
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