1.プリンタの全体構成
図1および図2に示すように、画像形成装置の一例としてのプリンタ1は、横置きタイプの中間転写型カラープリンタである。
また、プリンタ1は、装置本体の一例としての本体ケーシング2内において、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4と、トナーカートリッジ46(後述)を収容するトナーカートリッジ収容部5とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、側面視略矩形状のボックス形状に形成されており、その一方側壁には、プロセス側本体開口部6が形成されており、開閉部材の一例としてのフロントカバー7が、その下端部を支点として、プロセス側本体開口部6を閉鎖する閉位置と、プロセス側本体開口部6を開放する開位置とに揺動(移動)可能に設けられている。
フロントカバー7の下端部には、給紙トレイ10(後述)の前端部を露出する開口8が形成されている。また、フロントカバー7には、開口8の上端部から、プロセスフレーム27(後述)の下壁57(後述)と、用紙搬送部材18(後述)の前端部との間に向かって、後下側へ延びる手差しガイド9が設けられている。
なお、以下の説明において、プリンタ1の方向に言及するときには、プリンタ1を水平に載置した状態を上下の基準とする。すなわち、図1の紙面上側が上側(第1方向一方側)であり、紙面下側が下側(第1方向他方側)である。また、フロントカバー7が設けられる側(図1における紙面左側)を前側(所定方向(第2方向)一方側)とし、その反対側(図1における紙面右側)を後側(所定方向(第2方向)他方側)とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側(軸線方向(第3方向)一方側)であり、紙面奥側が左側(軸線方向(第3方向)他方側)である。なお、軸線方向は、感光ドラム28(後述)の軸線と平行な方向である。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ10を備えている。
給紙トレイ10は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ10の前壁の上端部には、下側に向かって開放される側断面視略U時形状の把持部11が設けられている。なお、把持部11の上面は、手差しガイド9に対して上下に間隔を隔てて対向配置されており、把持部11の上面と、手差しガイド9との隙間は、給紙トレイ10に収容されている用紙P以外の用紙Pが供給される手差し開口12として区画されている。
また、給紙部3には、給紙トレイ10の後端部上側に配置されるピックアップローラ13と、ピックアップローラ13の後側に配置される給紙ローラ14と、給紙ローラ14の下側に対向配置される給紙パッド15と、給紙ローラ14に後側から接触される上下1対のピンチローラ16と、給紙ローラ14の上側に配置され、互いに前後方向に対向される1対のレジストローラ17とが設けられている。
そして、給紙トレイ10上の用紙P(図1実線参照)は、ピックアップローラ13の回転により、給紙ローラ14と給紙パッド15との間に送られ、給紙ローラ14の回転により1枚ずつ捌かれる。その後、捌かれた用紙Pは、給紙ローラ14の回転により、給紙ローラ14と各ピンチローラ16との間を順次通過するように、上側の両レジストローラ17間に向けて給紙され、レジストローラ17の回転により、所定のタイミングで、画像形成部4(中間転写ベルト41(後述)と二次転写ローラ38(後述)との間)に供給される(第1搬送経路)。
また、給紙部3には、給紙トレイ10と、プロセスフレーム27(後述)の下壁57(後述)との間において、手差しパス(第2搬送経路)が形成されている。
給紙トレイ10には、プロセスフレーム27(後述)の下壁57(後述)に対向するように、手差しパスの下壁を構成する用紙搬送部材18が設けられている。
用紙搬送部材18は、前後方向に延びる略平板形状に形成されており、左右1対の支持板19(図3参照)および複数の圧縮ばね20を介して、給紙トレイ10の上端部に設けられている。
また、用紙搬送部材18は、前後方向に互いに間隔を隔てて、複数(5つ)のトレイ側搬送部材21を回転可能に備えている。
なお、プロセスフレーム27(後述)の下壁57(後述)には、複数のトレイ側搬送部材21に対応するように、複数(5つ)のプロセス側搬送部材22が回転可能に設けられている。
そして、手差し開口12に供給された用紙P(図1破線参照)は、フロントカバー7の手差しガイド9、および、給紙トレイ10の把持部11の上面によって、最前方のプロセス側搬送部材22と、最前方のトレイ側搬送部材21とのニップ部に案内され、各プロセス側搬送部材22の駆動、および、各トレイ側搬送部材21の従動により、プロセスフレーム27(後述)の下面と、用紙搬送部材18の上面との間を前側から後側に向かって搬送される(第2搬送経路)。
その後、用紙Pは、用紙搬送部材18の後端部において、ピックアップローラ13に案内され、上記したように、ピックアップローラ13の回転により、給紙ローラ14と給紙パッド15との間に送られる。その後、用紙Pは、給紙ローラ14の回転により、給紙ローラ14と各ピンチローラ16との間を順次通過するように、上側の両レジストローラ17間に向けて給紙され、レジストローラ17の回転により、所定のタイミングで、中間転写ベルト41(後述)と二次転写ローラ38(後述)との間に供給される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、給紙部3の上側に配置されており、プロセスユニット23、転写ユニット24および定着ユニット25を備えている。
(3−1)プロセスユニット
プロセスユニット23は、給紙トレイ10の上側において、ピックアップローラ13の前側に、本体ケーシング2内に装着されるプロセス側装着位置(図1参照)と、本体ケーシング2から引き出されるプロセス側引出位置(図7参照)とに、前後方向(所定方向)に沿って移動可能に設けられている。
プロセスユニット23は、複数(4つ)の画像形成ユニットの一例としてのプロセスカートリッジ26と、複数のプロセスカートリッジ26を着脱可能に保持するプロセスフレーム27とを備えている。
複数のプロセスカートリッジ26は、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックプロセスカートリッジ26K、イエロープロセスカートリッジ26Y、マゼンタプロセスカートリッジ26Mおよびシアンプロセスカートリッジ26Cが、順次配置されている。
また、プロセスカートリッジ26は、感光ドラム28と、スコロトロン型帯電器29と、現像器30とを一体的に保持している。
感光ドラム28は、左右方向(軸線方向)に延びる略円筒形状に形成されている。
スコロトロン型帯電器29は、感光ドラム28の後下側に、感光ドラム28と間隔を隔てて対向配置されている。
現像器30は、感光ドラム28の前下側に配置されている。現像器30は、現像剤担持体の一例としての現像ローラ31を備えている。
現像ローラ31は、現像器30の上端において、後上側へ露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム28に対して前下側から接触されている。
なお、現像器30は、現像ローラ31にトナーを供給する供給ローラ32、現像ローラ31に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード33を備えている。また、現像器30は、供給ローラ32の後側において、トナーカートリッジ46(後述)から供給されるトナーを受け入れる受入部の一例としてのトナー受入部材66(後述)を備えている。
また、ブラックプロセスカートリッジ26Kは、ベルトクリーニングローラ90と、廃トナー貯留部87と、中継ローラ88と、掻き取りブレード89とを備えている。
ベルトクリーニングローラ90は、中間転写ベルト41(後述)の下側部分に下側から接触されるように、ブラックプロセスカートリッジ26Kの感光ドラム28の前側に回転可能に支持されている。
中間転写ベルト41(後述)の表面に残存したトナーは、ベルトクリーニングローラ90によってクリーニングされ、一旦中継ローラ88に保持された後、掻き取りブレード89で掻き取られることにより、廃トナー貯留部87内に貯留される。
また、ブラックプロセスカートリッジ26Kは、廃トナー貯留部87内において、オーガスクリュー91を備え、廃トナー貯留部87の下側において、廃トナー搬送部材78を備えている。オーガスクリュー91は、廃トナー貯留部87内に収容された廃トナーを、廃トナー搬送部材78へ搬送する。廃トナー搬送部材78は、後で詳述するが、オーガスクリュー91によって搬送された廃トナーを、ブラックのトナーカートリッジ46(後述)に設けられる廃トナー収容部(図示せず)へ搬送する。
プロセスフレーム27は、前後方向に沿ってスライド可能に設けられ、複数の感光ドラム28のそれぞれに対応するように、複数(4つ)のLEDユニット35を備えている。
複数のLEDユニット35のそれぞれは、対応する感光ドラム28に下側から対向するように、対応する現像器30の後側に設けられている。LEDユニット35は、左右方向に並列配置される複数のLEDを有するLEDアレイ36を備え、所定の画像データに基づいて、対応する感光ドラム28の表面を露光する。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット24は、ベルトユニット37と二次転写ローラ38とを備えている。
ベルトユニット37は、プロセス側装着位置におけるプロセスユニット23の上側において、すべての感光ドラム28に上側から対向するように、前後方向に沿って配置されている。
ベルトユニット37は、駆動ローラ39、従動ローラ40、中間転写ベルト41、および、複数(4つ)の一次転写ローラ42を備えている。
駆動ローラ39および従動ローラ40は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
中間転写ベルト41は、その下側部分がすべての感光ドラム28に接触されるように、駆動ローラ39および従動ローラ40の周りに掛け渡されている。また、中間転写ベルト41は、駆動ローラ39の駆動により、その下側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
複数の一次転写ローラ42のそれぞれは、複数の感光ドラム28のそれぞれの上側において、中間転写ベルト41の下側部分を挟むように対向配置されている。
二次転写ローラ38は、ベルトユニット37の駆動ローラ39の後側に、中間転写ベルト41を挟むように対向配置されている。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット25は、二次転写ローラ38の上側に配置され、加熱ローラ43、および、加熱ローラ43に対向する加圧ローラ44を備えている。
(4)トナーカートリッジ収容部
トナーカートリッジ収容部5は、プロセスユニット23の右側に設けられている。トナーカートリッジ収容部5の前端部には、プロセス側本体開口部6の右側に隣接するように、開口部の一例としてのトナーカートリッジ側本体開口部34が形成されている。トナーカートリッジ側本体開口部34は、フロントカバー7により、プロセス側本体開口部6と同時に開閉される。また、トナーカートリッジ収容部5内には、支持部材の一例としてのトナーカートリッジドロワ45が収容されている。
トナーカートリッジドロワ45は、現像剤の一例としてのトナーを収容する複数(4つ)の現像剤カートリッジの一例としてのトナーカートリッジ46を一体的に支持している。
トナーカートリッジドロワ45は、すべてのプロセスカートリッジ26に対応するように、前後方向に沿って配置されており、本体ケーシング2内に装着される装着位置の一例としてのトナーカートリッジ側装着位置(図5参照)と、本体ケーシング2外へ引き出される引出位置の一例としてのトナーカートリッジ側引出位置(図6破線参照)とに移動可能に設けられている。
後で詳述するが、複数のトナーカートリッジ46のそれぞれは、トナーカートリッジドロワ45がトナーカートリッジ側装着位置に配置されているときに、対応するプロセスカートリッジ26の右側に対向配置される。そして、複数のトナーカートリッジ46のそれぞれには、対応するプロセスカートリッジ26のトナー受入部材66(後述)が、トナーを供給可能に連結されている。
(5)画像形成動作
トナーカートリッジ46からプロセスカートリッジ26に供給されたトナーは、供給ローラ32に供給され、さらに、現像ローラ31に供給される。
現像ローラ31に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って、層厚規制ブレード33によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ31の表面に担持される。また、現像ローラ31に供給されたトナーは、層厚規制ブレード33と現像ローラ31との間で摩擦帯電される。
一方、感光ドラム28の表面は、感光ドラム28の回転に伴って、スコロトロン型帯電器29により一様に帯電された後、LEDユニット35により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム28の表面に形成される。
感光ドラム28がさらに回転すると、現像ローラ31の表面に担持され、かつ、帯電されているトナーが、感光ドラム28の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム28の静電潜像は可視像化され、感光ドラム28の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
感光ドラム28の表面に反転現像により担持されたトナー像は、前側から後側へ移動される中間転写ベルト41の下側部分に順次、一次転写される。これにより、中間転写ベルト41にカラー画像が形成される。
中間転写ベルト41に形成されたカラー画像は、中間転写ベルト41が二次転写ローラ38との間を通過する間に、給紙部3から供給される用紙Pに、二次転写される。
そして、用紙Pに転写されたカラー画像は、定着ユニット25において、用紙Pが加熱ローラ43と加圧ローラ44との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(6)排紙
本体ケーシング2の上面には、用紙Pが排紙される排紙トレイ47が形成されている。また、本体ケーシング2の後側上端部には、排紙トレイ47よりも上側へ突出する排紙部48が形成されている。
排紙部48には、排紙トレイ47よりも上側において、用紙Pを排紙する排紙口49が形成されている。また、排紙部48は、排紙口49内において、用紙Pを排紙トレイ47へ搬送する複数(3つ)の排紙ローラ50を備えている。
そして、定着ユニット25においてトナー像が定着された用紙Pは、複数の排紙ローラ50によって、排紙トレイ47上に排紙される。
2.プロセスユニット
(1)プロセスフレーム
プロセスフレーム27は、図3および図5に示すように、上側が開放された有底略矩形枠形状に形成されている。プロセスフレーム27は、左右1対の側壁53と、前壁51と、後壁52と、下壁57とを備えている。
1対の側壁53は、互いに左右方向に間隔を隔てて対向配置され、前後上下に延びる略平板形状に形成されている。側壁53の上側後端部には、ガイドころ55が回転可能に設けられている。なお、側壁53の上端縁には、左右方向外側へ突出し前後方向に延びる突条(図示せず)が設けられている。
なお、右側の側壁53には、現像器30のトナー受入部材66(後述)を露出させる露出開口56が貫通形成されている。また、左側の側壁53には、押圧部材106(後述)が挿通される押圧部材挿通穴92が貫通形成されている。
前壁51は、1対の側壁53の前端部間に架設されるように、上下左右に延びる略平板形状に形成されている。また、前壁51は、前側へ突出する取っ手54を備えている。
後壁52は、両側壁53の後端部間に架設されるように、上下左右に延びる略平板形状に形成されている。
下壁57は、プロセスフレーム27の下端部を閉鎖するように、1対の側壁53の下端部間に架設され、前後左右に延びる略平板形状に形成されている。
(2)プロセスカートリッジ
プロセスカートリッジ26は、左右1対の側板60、感光ドラム28、スコロトロン型帯電器29および現像器30を備えている。
1対の側板60は、上下方向に延びる略平板形状に形成され、左右方向に互いに間隔を隔てて対向配置されている。なお、右側の側板60には、トナー受入部63(後述)を露出する露出開口59が貫通形成されている。また、左側の側板60には、押圧部材106(後述)が挿通される押圧部材挿通穴93が貫通形成されている。
感光ドラム28は、1対の側板60間に回転可能に支持されている。スコロトロン型帯電器29は、1対の側板60間に支持されている。
現像器30は、1対の側板60間に設けられている。また、現像器30は、現像ローラ31および供給ローラ32を支持する現像筐体61と、受入部の一例としてのトナー受入部63とを一体的に備えている。
現像筐体61は、左右方向に延び、後上側が開放された断面略U字形の筒形状に形成されている。現像筐体61内には、供給ローラ32の後側において、オーガスクリュー67が回転可能に設けられている。
なお、供給ローラ32は、供給ギア58を備えている。供給ギア58は、現像筐体61(後述)の左壁の左側において、供給ローラ32の回転軸の左端部に相対回転不能に支持されている。供給ギア58は、供給ローラ32の回転軸と回転中心を共有する略円板形状に形成され、その周面にギア歯を有している。
オーガスクリュー67は、左右方向に沿って設けられている。オーガスクリュー67の右端部は、現像筐体61の右壁に回転可能に支持されている。オーガスクリュー67の左端部は、現像筐体61の左壁から左側へ突出するように、現像筐体61の左壁に回転可能に支持されている。また、オーガスクリュー67は、駆動ギア80を備えている。
駆動ギア80は、現像筐体61の左壁の左側において、オーガスクリュー67の左端部に相対回転不能に支持されている。駆動ギア80は、オーガスクリュー67と回転中心を共有する略円板形状に形成され、その周面にギア歯を有している。駆動ギア80は、供給ギア58に対して後側から噛合されている。
トナー受入部63は、オーガスクリュー67の後側に設けられ、支持フレーム62と、トナー受入部材66とを備えている。
支持フレーム62は、オーガスクリュー67の後側において、現像筐体61の後下側端部に連続するように、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。支持フレーム62の左端部は、現像筐体61の左端部よりも左側(左右方向外側)、かつ、プロセスカートリッジ26の左側の側板60よりも右側(左右方向内側)に配置されている。また、支持フレーム62の右端部は、プロセスカートリッジ26の露出開口59、および、プロセスフレーム27の露出開口56を介して、プロセスフレーム27の右側の側壁53よりも右側(左右方向外側)に突出されている。また、支持フレーム62には、ばね収容部68と、フレーム側供給口64と、フレーム側回収口65とが形成されている。
ばね収容部68は、支持フレーム62の右端部(詳しくは、現像筐体61よりも右側へ突出されている部分)に配置されている。ばね収容部68は、支持フレーム62の径方向内側から径方向外側へ拡径されるように、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。
フレーム側供給口64は、支持フレーム62の左端部に配置されている。フレーム側供給口64は、現像筐体61内に連通されるように、支持フレーム62の前側周壁に貫通形成されている。
フレーム側回収口65は、支持フレーム62の右端部において、ばね収容部68の左側に配置されている。フレーム側回収口65は、現像筐体61内に連通されるように、支持フレーム62の前側周壁に貫通形成されている。なお、フレーム側供給口64とフレーム側回収口65とは、左右方向に投影したときに互いに重なるように配置されている。
トナー受入部材66は、左右方向へ延び、左右両端が閉鎖された略円筒形状に形成されている。トナー受入部材66は、支持フレーム62の左右方向長さと略同じ左右方向長さに形成されている。トナー受入部材66は、鍔部69と、受入口70と、受入部材側供給口71と、受入部材側回収口72とを有している。また、トナー受入部材66内には、搬送部材の一例としてのオーガスクリュー73が設けられている。
鍔部69は、トナー受入部材66の右端部には、トナー受入部材66の径方向外面から径方向外側へ突出し、トナー受入部材66の周方向に延びる突条として形成されている。
受入口70は、鍔部69の右側において、トナー受入部材66の右端部の上側周壁に貫通形成されている。
受入部材側供給口71は、トナー受入部材66の左端部の前側周壁に貫通形成されている。
受入部材側回収口72は、鍔部69の左側において、トナー受入部材66の右端部の前側周壁に貫通形成されている。なお、受入部材側供給口71と受入部材側回収口72とは、左右方向に投影したときに互いに重なるように配置されている。
オーガスクリュー73は、トナー受入部材66内に左右方向に沿って設けられている。オーガスクリュー73の右端部は、トナー受入部材66の右壁に回転可能に支持されている。オーガスクリュー73の左端部は、トナー受入部材66の左壁から左側へ突出するように、トナー受入部材66の左壁に回転可能に支持されている。また、オーガスクリュー73は、駆動ギア74を備えている。
駆動ギア74は、トナー受入部材66の左壁の左側において、オーガスクリュー73の左端部に相対回転不能に支持されている。駆動ギア74は、オーガスクリュー73と回転中心を共有する略円板形状に形成され、その周面にギア歯を有している。
そして、トナー受入部材66は、支持フレーム62内に、鍔部69がばね収容部68内に配置されるように、支持されている。
これにより、トナー受入部材66は、支持フレーム62内に退避される連通解除位置の一例としての退避位置(図4参照)と、その右端部が支持フレーム62の右端部から右側へ進出される連通位置の一例としての進出位置(図3参照)とに左右方向に移動可能に支持されている。
トナー受入部材66が退避位置に配置されているときには、鍔部69は、ばね収容部68の左端部に配置される。また、このとき、フレーム側供給口64と受入部材側供給口71とは、受入部材側供給口71がフレーム側供給口64に対して左側にずれるように連通が解除される(図4参照)。また、フレーム側回収口65と受入部材側回収口72とは、受入部材側回収口72がフレーム側回収口65に対して左側にずれるように連通が解除される(図4参照)。
また、トナー受入部材66が進出位置に配置されているときには、鍔部69は、ばね収容部68の右端部に配置される。また、このとき、フレーム側供給口64と受入部材側供給口71とは、前後方向に対向されて、互いに連通される(図3参照)。また、フレーム側回収口65と受入部材側回収口72とは、前後方向に対向されて、互いに連通される(図3参照)。
そして、トナー受入部材66は、鍔部69の右面とばね収容部68の左面との間に介在される付勢部材の一例としての圧縮ばね75によって、常には、退避位置に配置されるように、左側へ向かって付勢されている。また、トナー受入部材66は、圧縮ばね75の付勢力に抗して右側へ移動され、進出位置に配置される。
また、図1および図5に示すように、ブラックプロセスカートリッジ26Kは、廃トナー搬送部76を備えている。
廃トナー搬送部76は、廃トナー貯留部87の下側において、トナー受入部63の前側に並列配置されている。廃トナー搬送部76は、搬送フレーム77と、廃トナー搬送部材78とを備えている。
搬送フレーム77は、廃トナー貯留部87の下側に連続して設けられ、支持フレーム62と同じ形状に形成されている。なお、搬送フレーム77には、支持フレーム62のフレーム側供給口64およびフレーム側回収口65の代わりに、廃トナー受入口79が形成されている。
廃トナー受入口79は、搬送フレーム77の左端部に配置されている。廃トナー受入口79は、廃トナー貯留部87内に連通されるように、搬送フレーム77の上側周壁に貫通形成されている。
廃トナー搬送部材78は、トナー受入部材66と同じ形状に形成されている。廃トナー搬送部材78の左端部には、トナー受入部材66の受入部材側供給口71および受入部材側回収口72の代わりに、その左端部の上側周壁において、搬送フレーム77の廃トナー受入口79から廃トナーを受け入れる廃トナー受入口(図示せず)が上下方向に貫通形成されている。
そして、廃トナー搬送部材78は、進出位置(図5参照)に配置されたときに、ブラックのトナーカートリッジ46の廃トナー収容部(図示せず)に連結される。なお、廃トナー搬送部材78が退避位置(図6参照)に配置されたときには、廃トナー搬送部材78と廃トナー収容部(図示せず)との連結が解除される。
3.トナーカートリッジ
トナーカートリッジ46は、図3および図4に示すように、トナーが収容されるカートリッジ筐体81を備えている。
カートリッジ筐体81は、側面視略矩形のボックス形状に形成されている。また、カートリッジ筐体81には、トナーを収容する現像剤収容部の一例としてのトナー収容部82と、トナー受入部材66を受け入れる受入部材嵌合部83とが形成されている。
トナー収容部82は、カートリッジ筐体81の下側以外に設けられている。トナー収容部82の下端部は、下側へ向かうに従って開口断面積が小さくなるように形成されており、その下端縁には、下側へ向かって開放される供給口の一例としての連通口84が形成されている。
受入部材嵌合部83は、連通口84に連続するように、カートリッジ筐体81の下端部に形成され、左右方向に延びる断面視略円形状に貫通形成されている。受入部材嵌合部83の内径は、トナー受入部材66の外径よりも大径である。受入部材嵌合部83内には、シャッタ85が設けられている。
シャッタ85は、左右方向に延び、左端部が閉鎖された略円筒形状に形成されている。シャッタ85は、トナー受入部材66の外径と略同径の外径で、受入部材嵌合部83の左右方向長さの約半分に相当する左右方向長さに形成されている。
そして、シャッタ85は、受入部材嵌合部83内において、連通口84を開放するように受入部材嵌合部83の右端部に配置される開位置(図3参照)と、連通口84を閉鎖するように受入部材嵌合部83の左端部に配置される閉位置(図4参照)とにスライド可能に設けられている。また、シャッタ85は、受入部材嵌合部83の右壁とシャッタ85の左壁との間に介在される圧縮ばね86によって、常には、閉位置に配置されるように、左側へ向かって付勢されている。
4.本体ケーシング
本体ケーシング2は、図2および図3に示すように、外側フレーム96と内側フレーム97とを備えている。
(1)外側フレーム
外側フレーム96は、樹脂などの絶縁性を有する材料から略ボックス形状に形成されている。外側フレーム96は、上記したフロントカバー7と、ガイドレール98とを備えている。
フロントカバー7は、左右方向に延びる略平板形状に形成されている。フロントカバー7は、連動部材99を備えている。
連動部材99は、フロントカバー7の左端部に配置されている。連動部材99は、フロントカバー7が閉位置に配置されている状態において、フロントカバー7の後面から後下側へ湾曲するように延びる略杆形状に形成されている。また、連動部材99の上面には、ギア歯が形成されている。連動部材99は、フロントカバー7が閉位置に配置されているときに、下側から、直動カム105(後述)のラック部108(後述)に噛合される。
ガイドレール98は、外側フレーム96の左壁の内面(右面)の上下方向略中央に形成されており、上下1対の突条100を備えている。
1対の突条100は、上下方向に互いに間隔を隔てて対向配置されている。突条100は、外側フレーム96の左壁の内面(右面)から右側へ向かって突出し、前後方向に延びている。1対の突条100の上下方向間隔は、直動カム105(後述)の厚み(上下方向長さ)と略同じ長さ(わずかに長い)である。
(2)内側フレーム
内側フレーム97は、金属などの高い剛性を有する材料から、前後方向に延びる略角筒形状に形成されている。また、内側フレーム97は、プロセスユニット23、ベルトユニット37および給紙トレイ10を収容可能な上下方向長さおよび左右方向長さを有し、上側および左右両側において外側フレーム96と間隔を隔てるように、外側フレーム96内に収容されている。内側フレーム97の上端部には、ベルトユニット37が収容されている。内側フレーム97の下端部には、給紙トレイ10が着脱可能に装着されている。
内側フレーム97内には、隔壁101が設けられている。内側フレーム97の内部空間は、隔壁101によって、画像形成部4とトナーカートリッジ収容部5とに仕切られている。
隔壁101は、内側フレーム97の右端部内に配置されている。隔壁101は、上下前後に延びる略平板形状に形成されている。隔壁101の上端部は、内側フレーム97の上壁に連続されている。また、隔壁101の下端部は、内側フレーム97の下壁に連続されている。隔壁101には、複数(5つ)の挿通穴102が形成されている。
複数の挿通穴102のそれぞれは、複数のプロセスカートリッジ26のトナー受入部材66および廃トナー搬送部材78のそれぞれに対応して、前後方向に互いに間隔を隔てて並列配置され、側面視略円形状に形成されている。
(2−1)画像形成部
画像形成部4内には、プロセスユニット23のスライドを案内するプロセスガイド溝103と、直動カムガイド溝114(図2参照)と、複数(5つ)の押圧部材収容部113と、移動機構104とが設けられている。
プロセスガイド溝103は、内側フレーム97の左壁の右面と、隔壁101の左面とに1つずつ形成されている。プロセスガイド溝103は、プロセスユニット23のガイドころ55を受け入れ可能な溝幅(上下方向長さ)で、前後方向に延びる略直線形状に形成されている。
直動カムガイド溝114は、内側フレーム97の左壁の上下方向略中央において、前後方向に延びる略直線形状に貫通形成されている(図2参照)。直動カムガイド溝114の溝幅(上下方向長さ)は、直動カム105(後述)の厚み(上下方向長さ)と略同じ長さ(わずかに長い)である。
複数の押圧部材収容部113のそれぞれは、複数のプロセスカートリッジ26のトナー受入部材66および廃トナー搬送部材78のそれぞれの左側に対向配置されている。押圧部材収容部113は、左右方向に延び、その左右方向両端部が閉鎖された略円筒形状に形成されている。押圧部材収容部113は、直動カムガイド溝114と重なり、内側フレーム97の左壁の上下方向略中央を貫通するように、内側フレーム97の左壁に支持されている。なお、また、押圧部材収容部113の右壁には、押圧部材106が挿通される押圧部材挿通穴115が貫通形成されている。また、押圧部材収容部113の左端部には、直動カムガイド溝114と連通するように、その左端縁から右側へ向かって凹み、左側へ向かって開放される背面視略U字形状の凹溝116が形成されている。凹溝116の溝幅(上下方向長さ)は、直動カムガイド溝114の溝幅(上下方向長さ)と同じ長さである。
移動機構104は、図3および図5に示すように、往復移動部材の一例としての直動カム105と、複数(5つ)の押圧部材106とを備えている。
直動カム105は、画像形成部4の左側に配置されている。直動カム105は、前後方向に延びる平面視略矩形の角柱形状に形成され、その左端部において、外側フレーム96のガイドレール98内に前後方向にスライド可能に嵌合されるとともに、その右端部において、内側フレーム97の直動カムガイド溝内に前後方向にスライド可能に嵌合されている。直動カム105は、複数のトナー受入部材66および廃トナー搬送部材78のそれぞれに対応する複数(5つ)の凹部107と、操作部の一例としてのラック部108とを備えている。
複数の凹部107は、直動カム105の右面から左側へ向かって凹む平面視略台形状に形成されており、互いに前後方向に間隔を隔てて並列配置されている。凹部107の前面109(変位面)は、後側に向かうに従って左側へ傾斜している。また、凹部107の左面110は、前面109の後端部に連続して前後方向に延びている。また、廃トナー搬送部材78に対応する最前方の凹部107は、それ以外の凹部107の約半分の前後方向長さに形成されている。
ラック部108は、直動カム105の前端部の左側下端縁において、前後方向に沿って形成されている。ラック部108には、その下端縁において、ギア歯が形成されている。
そして、直動カム105は、本体ケーシング2内に収容される第1位置(図5参照)と、前端部が本体ケーシング2から前側へ突出される第2位置(図6参照)とに、スライド(往復移動)可能である。
直動カム105が第1位置に配置されているときには、凹部107は、対応する押圧部材収容部113よりも後側にずれている。また、直動カム105が第2位置に配置されているときには、凹部107は、対応する押圧部材収容部113の左側に対向されている。
なお、直動カム105は、フロントカバー7が閉位置に配置されている状態において、フロントカバー7の連動部材99がラック部108に噛合されることにより、フロントカバー7と連動可能となっている。
そして、フロントカバー7が閉位置から開位置へ移動されると、連動部材99を介して、直動カム105に前側への駆動力が伝達され、直動カム105が第1位置から第2位置へ移動される。そして、さらにフロントカバー7が開位置へ向かって移動されると、連動部材99は、直動カム105のラック部108から下側へ離間される。
また、フロントカバー7が開位置から閉位置へ移動されると、その途中において、連動部材99の後端部(遊端部)が直動カム105のラック部108の後端部に噛合される。そして、さらにフロントカバー7が閉位置へ向かって移動されると、連動部材99を介して、直動カム105に後側への駆動力が伝達され、直動カム105が第2位置から第1位置へ移動される。
複数の押圧部材106のぞれぞれは、複数の押圧部材収容部113内に1つずつ収容されている。押圧部材106は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。押圧部材106の左右方向長さは、押圧部材収容部113の左右方向長さとほぼ同じ(わずかに短い)である。また、押圧部材106には、鍔部111が設けられている。
鍔部111は、押圧部材106の右端部において、その径方向外面から径方向外側へ突出し、その周方向に延びる突条として形成されている。
そして、押圧部材106は、押圧位置(図5参照)と押圧解除位置(図6参照)とに、移動可能に設けられている。押圧部材106は、押圧位置に配置されることにより、対応する支持フレーム62および搬送フレーム77の左端部内に挿入されて、対応するトナー受入部材66または廃トナー搬送部材78を左側へ押圧する。また、押圧部材106は、押圧解除位置に配置されることにより、対応する支持フレーム62および搬送フレーム77から右側へ退避されて、対応するトナー受入部材66または廃トナー搬送部材78への押圧を解除する。
そして、押圧部材106は、鍔部111の左面と隔壁101の右面との間に介在される圧縮ばね112によって、常には、押圧解除位置へ向かって左側へ付勢されている。
直動カム105が第1位置に配置されているときには、押圧部材106の左端部は、対応する凹部107の前側において、直動カム105の右面に当接されている。このとき、押圧部材106は、圧縮ばね112の付勢力に抗して右側へ移動され、押圧位置に配置されている(図5参照)。
また、直動カム105が第2位置に配置されているときには、押圧部材106の左端部は、対応する凹部107の左面110に対向されている。このとき、押圧部材106は、圧縮ばね112の付勢力によって左側へ移動され、押圧解除位置に配置されている(図6参照)。
(2−2)トナーカートリッジ収容部
図2、図3および図4に示すように、トナーカートリッジ収容部5内には、トナーカートリッジドロワ45が収容されている。
トナーカートリッジドロワ45は、前後方向に延び、左右両端が開放された有底枠形状に形成されている。詳しくは、トナーカートリッジドロワ45は、底壁121、前壁122、後壁123、および、複数(3つ)の仕切壁124を一体的に備えている。
底壁121は、前後方向に延びる平面視略矩形の平板形状に形成されている。底壁121の後端部には、その右端部と左端部とにそれぞれ、トナーカートリッジ収容部5内のガイド溝126(後述)に遊嵌されるころ125が設けられている。
前壁122は、底壁121の前端部から上側へ立設される略平板形状に形成されている。
後壁123は、底壁121の後端部から上側へ立設される略平板形状に形成されている。
複数の仕切壁124は、前壁122と後壁123との間において、互いに前後方向に間隔を隔てて並列配置され、底壁121から上側へ立設される略平板形状に形成されている。これにより、トナーカートリッジドロワ45は、複数のトナーカートリッジ46の前後方向長さに対応するように複数(4つ)に仕切られている。
そして、各トナーカートリッジ46は、前壁122、後壁123および仕切壁124で仕切られた部分において、トナーカートリッジドロワ45に着脱可能に支持されている。
なお、トナーカートリッジ収容部5の底部には、トナーカートリッジドロワ45のころ125を受け入れるガイド溝126が形成されている。
ガイド溝126は、トナーカートリッジ収容部5の左側半分において、トナーカートリッジドロワ45のころ125に対応するように、左右方向に間隔を隔てて2つ設けられている。ガイド溝126は、トナーカートリッジ収容部5の底面から下側へ向かって凹む凹溝であり、前後方向に延びる略直線形状に形成されている。
そして、トナーカートリッジドロワ45は、ころ125がガイド溝126内に嵌合されるように、トナーカートリッジ収容部5内に収容されている。
5.トナーカートリッジの着脱動作
本体ケーシング2内に装着されているトナーカートリッジ46を離脱させるには、図2に示すように、まず、フロントカバー7を開位置に配置させて、トナーカートリッジ側本体開口部34を開放する。
すると、図6に示すように、直動カム105は、フロントカバー7の閉位置から開位置への移動によって連動部材99を介して前側へ引っ張られ、第1位置(図5参照)から第2位置(図6参照)へ移動される。
これにより、すべての押圧部材106が、圧縮ばね112の付勢力によって、押圧位置から押圧解除位置へ移動される。
同時に、図4に示すように、すべてのトナー受入部材66および廃トナー搬送部材78が、圧縮ばね75の付勢力によって、隔壁101の挿通穴102から抜けるように、進出位置から退避位置へ移動される。
すると、トナー受入部材66の受入口70と、トナー収容部82の連通口84との連通が解除され、トナー受入部材66とトナーカートリッジ46との連結が解除される。そして、トナー受入部材66が、トナーカートリッジ46の受入部材嵌合部83から左側へ離間される。また、廃トナー搬送部材78と、トナーカートリッジ46に設けられた廃トナー収容部(図示せず)との連結が解除される。
これにより、トナーカートリッジドロワ45は、前側へ引き出し可能となる。
なお、このとき、トナー受入部材66の受入部材側供給口71が、支持フレーム62のフレーム側供給口64に対して左側へずれるとともに、トナー受入部材66の受入部材側回収口72が、支持フレーム62のフレーム側回収口65に対して左側へずれている。これにより、受入部材側供給口71とフレーム側供給口64との連通、および、受入部材側回収口72とフレーム側回収口65との連通が解除されている。
また、シャッタ85は、圧縮ばね86の付勢力によって閉位置に配置される。
次いで、トナーカートリッジ46を離脱させるには、トナーカートリッジ側本体開口部34を介して、トナーカートリッジドロワ45を前側へ引き出す。
すると、図6に破線で示すように、トナーカートリッジドロワ45がトナーカートリッジ側引出位置に配置される。
そして、トナーカートリッジ46を離脱させるには、トナーカートリッジ46をトナーカートリッジドロワ45から上側へ引き抜く。
これにより、トナーカートリッジ46の本体ケーシング2からの離脱が完了する。
また、トナーカートリッジ46を本体ケーシング2内に装着するには、トナーカートリッジ46を離脱させる手順と逆の手順で、プリンタ1を操作する。
詳しくは、トナーカートリッジ側引出位置に配置されているトナーカートリッジドロワ45の所定の位置に、トナーカートリッジ46を上側から挿入する。
次いで、トナーカートリッジ46を装着するには、トナーカートリッジ側本体開口部34を介して、トナーカートリッジドロワ45を後側へ押し込む。
すると、図6に実線で示すように、トナーカートリッジドロワ45の後端部がトナーカートリッジ収容部5の後壁に当接されて、トナーカートリッジドロワ45がトナーカートリッジ側装着位置に配置される。
このとき、トナーカートリッジ46の受入部材嵌合部83は、それぞれ、隔壁101の挿通穴102を介して、対応するプロセスカートリッジ26のトナー受入部材66または廃トナー搬送部材78の右側に対向配置される。
次いで、フロントカバー7を閉位置に配置させて、トナーカートリッジ側本体開口部34を閉鎖する。
すると、図5に示すように、直動カム105は、フロントカバー7の開位置から閉位置への移動によって連動部材99を介して後側へ押圧され、第2位置(図6参照)から第1位置(図5参照)へ移動される。
これにより、すべての押圧部材106のそれぞれが、対応する凹部107の前面109の傾斜に従って左側から右側へ押圧され、圧縮ばね112の付勢力に抗して押圧解除位置から押圧位置へ移動される。
同時に、図3に示すように、すべてのトナー受入部材66および廃トナー搬送部材78のそれぞれが、対応する押圧部材106によって左側から右側へ押圧されて、隔壁101の挿通穴102に挿通されるように、圧縮ばね75の付勢力に抗して退避位置から進出位置へ移動される。
すると、すべてのトナー受入部材66および廃トナー搬送部材78のそれぞれは、対応するトナーカートリッジ46のシャッタ85の左端部に左側から当接される。
そして、すべてのトナー受入部材66および廃トナー搬送部材78のそれぞれは、さらに右側へ押圧されると、圧縮ばね86の付勢力に抗して、シャッタ85を右側へ押圧しながら受入部材嵌合部83内に挿入される。
そして、すべてのトナー受入部材66および廃トナー搬送部材78のそれぞれが進出位置に配置されると、シャッタ85が開位置に配置される。なお、すべてのトナー受入部材66および廃トナー搬送部材78が対応する受入部材嵌合部83内に挿入されることにより、トナーカートリッジドロワ45は、前後方向に移動不能となる。
すると、トナー受入部材66の受入口70と、トナー収容部82の連通口84とが、上下方向に対向され、互いに連通される。また、トナー受入部材66の受入部材側供給口71と、支持フレーム62のフレーム側供給口64とは、前後方向に対向され、互いに連通される。また、トナー受入部材66の受入部材側回収口72と、支持フレーム62のフレーム側回収口65とは、前後方向に対向され、互いに連通される。
これにより、トナーカートリッジ46の本体ケーシング2への装着が完了する。
6.トナーカートリッジからプロセスカートリッジへのトナーの供給動作
図3に示すように、プリンタ1の画像形成動作が開始されて、プロセスカートリッジ26に本体ケーシング2の図示しない駆動源からの駆動力が入力されると、オーガスクリュー73が回転される。
これにより、トナーカートリッジ46のトナー収容部82から連通口84および受入口70を介してトナー受入部材66に供給されたトナーは、オーガスクリュー73によって、トナー受入部材66内を左側へ搬送され、受入部材側供給口71およびフレーム側供給口64を介して、現像筐体61に供給される。
そして、現像筐体61に供給されたトナーは、オーガスクリュー67によって現像筐体61内を右側へ搬送され、その途中において、上記したように、供給ローラ32によって、現像ローラ31に供給される。
なお、オーガスクリュー67によって現像筐体61内を右側へ搬送されたトナーは、現像筐体61内のトナー量(水位)が所定の量(水位)を超過しないように、フレーム側回収口65および受入部材側回収口72を介してトナー受入部材66内に回収される。
7.プロセスカートリッジの着脱
本体ケーシング2内に装着されているプロセスカートリッジ26を離脱させるには、図2に示すように、まず、フロントカバー7を開位置に配置させて、プロセス側本体開口部6を開放する。
次いで、プロセス側本体開口部6を介して、プロセスユニット23を前側へ引き出す。
すると、図7に示すように、プロセスフレーム27のガイドころ55が、本体ケーシング2のプロセスガイド溝103に案内されて、プロセスユニット23がプロセス側引出位置に配置される。
そして、所定のプロセスカートリッジ26をプロセスフレーム27から上側へ引き抜く。このとき、プロセスフレーム27の露出開口56からトナー受入部63を引き抜くように、プロセスカートリッジ26を、その左端部を右端部よりも上側に配置させるように傾けながら、プロセスフレーム27から引き抜く。
これにより、プロセスカートリッジ26の本体ケーシング2からの離脱が完了する。
また、プロセスカートリッジ26を本体ケーシング2内に装着するには、プロセスカートリッジ26を離脱させる手順と逆の手順で、プリンタ1を操作する。
詳しくは、プロセス側引出位置に配置されているプロセスフレーム27の所定の位置に、プロセスカートリッジ26を上側から挿入する。このとき、プロセスフレーム27の露出開口56にトナー受入部63を挿入させるように、プロセスカートリッジ26を、その左端部を右端部よりも上側に配置させるように傾けながら、プロセスフレーム27に挿入する。
次いで、プロセスユニット23を、プロセス側本体開口部6を介して後側へ押し込む。
すると、プロセスフレーム27のガイドころ55が、本体ケーシング2のプロセスガイド溝103に案内されて、プロセスユニット23がプロセス側装着位置に配置される。
そして、フロントカバー7を閉位置に配置させて、プロセス側本体開口部6を閉鎖すると、プロセスカートリッジ26の本体ケーシング2への装着が完了する。
8.作用効果
(1)このプリンタ1によれば、図6に示すように、トナー受入部材66を進出位置から退避位置へ移動させて、その後、トナーカートリッジドロワ45をトナーカートリッジ側装着位置から本体ケーシング2外へ前側に引き出すことができる。
そのため、トナーカートリッジ46とプロセスカートリッジ26とが左右方向に連通される構成において、プロセスカートリッジ26のトナー受入部材66をトナーカートリッジ46から左側へ退避させることで、トナーカートリッジドロワ45を前後方向に沿って移動させることができる。
その結果、プリンタ1の右側において、トナーカートリッジ46を着脱させるためのスペースを縮小することができ、ひいては、プリンタ1の載置スペースの省スペース化を図ることができる。
また、プリンタ1を、棚など、プリンタ1の左右方向外側のスペースが限定された場所にも設置した場合でも、トナーカートリッジドロワ45を前側に引き出して、トナーカートリッジ46を交換することができる。
その結果、プリンタ1の設置場所の自由度を高めることができる。
(2)また、このプリンタ1によれば、図5および図6に示すように、移動機構104は、各トナーカートリッジ46のトナー受入部材66を、一括して、進出位置と退避位置とに移動させることができる。
そのため、移動機構104によって、すべてのトナー受入部材66を、進出位置から退避位置へ、または、退避位置から進出位置へ、1動作で移動させることができる。
(3)また、このプリンタ1によれば、図2に示すように、直動カム105は、その前端部において、ラック部108を備えている。
このような構成によれば、トナーカートリッジドロワ45と同じ側(前側)から、容易に直動カム105のラック部108にアクセスすることができる。
(4)また、このプリンタ1によれば、図5および図6に示すように、圧縮ばね75の付勢力により、常には、トナー受入部材66を退避位置に配置させることができる。
また、簡易な構成で、直動カム105の前後方向に沿う往復移動により、トナー受入部材66を、進出位置と退避位置とに移動させることができる。
(5)また、このプリンタ1によれば、図5および図6に示すように、押圧部材106および直動カム105によってトナー受入部材66を右側へ押圧するという簡易な構成で、トナー受入部材66を、トナーカートリッジ46に向かって右側へ移動させることができる。
(6)また、このプリンタ1によれば、図5および図6に示すように、フロントカバー7の開動作に連動させて、トナー受入部材66を退避位置へ移動させ、フロントカバー7の閉動作に連動させて、トナー受入部材66を進出位置へ移動させることができる。
(7)また、このプリンタ1によれば、図5に示すように、トナー受入部材66は、受入口70に受け入れられたトナーを受入部材側供給口71へ向かって左側へ搬送するオーガスクリュー73を備えている。
そのため、確実に、トナーを受入部材側供給口71へ向かって搬送することができ、トナーを、プロセスカートリッジ26に安定供給できる。
また、図5および図6に示すように、オーガスクリュー73とトナー受入部材66とが、一緒に退避位置と進出位置とに移動するので、オーガスクリュー73がトナーカートリッジドロワ45の前後方向への移動を妨げることがない。
そのため、トナーカートリッジドロワ45を前後方向へ円滑に移動させることができる。
(8)また、図7に示すように、各プロセスカートリッジ26は、前後方向に沿って、本体ケーシング2内に装着、または、本体ケーシング2から引き出し可能である。
そのため、各プロセスカートリッジ26も、前側からメンテナンスすることができる。
(9)また、このプリンタ1によれば、図3および図4に示すように、トナー受入部材66のみを移動させることで、トナーカートリッジ46のトナー収容部82と、プロセスカートリッジ26の現像器30とを、それらの間に別の部材を介することなく、直接連通させることができる。
(10)また、このプリンタ1によれば、図6および図7に示すように、トナー受入部材66を退避させることで、トナーカートリッジ46とプロセスカートリッジ26とを、各々独立して交換することができる。
9.変形例
(1)上記した実施形態では、往復移動部材を、後側に向かうに従って左側へ傾斜する変位面(凹部107の前面109)を有する直動カム105として構成したが、往復移動部材の構成は、その前後方向へのスライド移動を左右方向への押圧力に変換して押圧部材106に伝達することができれば、特に限定されない。
例えば、図8に示すように、移動機構131を、スライド部材132と、押圧部材106と、スライド部材132と押圧部材106とを連結する複数(5つ)の連結部材133とから構成することもできる。
詳しくは、スライド部材132は、すべての押圧部材収容部113の左側に配置され、前後方向に延びる略杆形状に形成されている。
複数の連結部材133のそれぞれは、複数の押圧部材106のそれぞれに対応して設けられている。複数の連結部材133のそれぞれは、その右端部において、対応する押圧部材106の左端部に揺動可能に連結されるとともに、その左端部において、スライド部材132に揺動可能に連結されている。
そして、スライド部材132は、本体ケーシング2内に収容される第1位置(図8(a)参照)と、前端部が本体ケーシング2から前側へ突出される第2位置(図8(b)参照)とに、スライド(往復移動)可能である。
スライド部材132が第1位置に配置されているときには、スライド部材132と連結部材133との連結部分は、対応する押圧部材収容部113の右側に対向され、連結部材133は、左右方向に沿っている。また、スライド部材132が第2位置に配置されているときには、スライド部材132と連結部材133との連結部分は、対応する押圧部材収容部113よりも前側にずれており、連結部材133は、左側へ向かうに従って前側へ傾倒されている。
これにより、スライド部材132が第1位置に配置されているときには、押圧部材106は、連結部材133によって圧縮ばね112の付勢力に抗して右側へ押圧され、押圧位置に配置される。
また、スライド部材132が第2位置に配置されているときには、押圧部材106は、圧縮ばね112の付勢力によって左側へ押圧され、押圧解除位置に配置される。
この変形例においても、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(2)また、上記した実施形態では、フロントカバー7の開動作に連動させて、トナー受入部材66を退避位置へ移動させ、フロントカバー7の閉動作に連動させて、トナー受入部材66を進出位置へ移動させているが、例えば、フロントカバー7と直動カム105とを連動させないで、フロントカバー7の開動作の後、ユーザが直接、直動カム105の前端部を操作するように構成してもよい。
詳しくは、フロントカバー7に連動部材99を設けず、また、直動カム105にラック部108を設けないように、プリンタ1を構成する。
そして、ユーザは、フロントカバー7の開動作後、直動カム105を前側へ引き出して、トナー受入部材66を退避位置へ移動させ、直動カム105を後側へ引き出して、トナー受入部材66を進出位置へ移動させる。
この変形例においても、上記した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。