JP5942930B2 - 電子部品付きコネクタおよびホルダ - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、少ない部品点数で、構造を単純化できる電子部品付きコネクタを提供することを目的とする。
前記導電部材は、一対の前記ハウジング圧入部が設けられた構成とされ、前記ハウジング圧入部は、前記ホルダの外側面より側方に突出した位置に設けられている構成としても良い。
このような構成によると、ハウジングへの固定を2点で行うことから、保持力を向上させることができる。また、ハウジング圧入部が、ホルダから側方に突出した位置にあるため、ホルダと導電部材をハウジング内に挿入して、ハウジング圧入部をハウジングに圧入する際に、ハウジング圧入部に力をかければ、ホルダ部分に不要な力をかける必要がなくなる。一般的にホルダは樹脂製のことが多いため、ホルダに圧入するための力をかけると力をかけたところに割れ等が生じることがある。しかし、このような構成では、導電部材(一般的に金属製)に圧入するための力をかけることができる。そのため、ホルダの樹脂に割れ等が生じ難くなる。
前記ホルダ圧入部は、前記導電部材の略中央から突出した突起形状をなしている構成としても良い。このような構成とすると、導電部材やホルダの仕上がり寸法が公差内で変動した場合に、その変動範囲による位置ずれが、ハウジング圧入部に圧入する際にハウジング圧入部の位置合わせに与える影響を減少させることができる。
このような構成とすると、屈曲部を有する第1導電部材は、屈曲部を有する電子部品接続部とは別に形成されたホルダ圧入部を圧入することで、ホルダに固定される。そのため、屈曲部近傍に圧入による負荷がかかることがなくなる。さらに、連結部の中央にホルダ圧入部があることで、公差による位置ずれの影響を少なくできる。
前記ホルダ圧入部は、前記第2の接続部の両側に設けられている構成としても良い。このような構成とすると、第2の接続部に対して均等に圧入による力がかかって良い。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図15に基づいて説明する。
本実施形態における電子部品付きコネクタ(以後、単にコネクタCと称する)は、自動車等に搭載された電気・電子機器等のノイズを除去するためのコネクタである。コネクタCは、一方向を開口したハウジング10と、ハウジング内に収容されるホルダ20とを有している。そして、ホルダ20は、バスバー片(導電部材)40とコンデンサ(電子部品)60とを保持している。また、このコネクタCは、自動車などに搭載された電気・電子機器などから導出される図示しない複数の電線を一括して接続するジョイントコネクタである。このコネクタCは、正極側および負極側のバスバー片40を有し、この正負のバスバー片40の間に、コンデンサ60が介設されている。以下、各構成部材において、コネクタCにおける相手側コネクタ80(図14参照)との嵌合面側を前方、その反対側を後方とし、また、図2の上側を上方、下側を下方として、左右方向についても図2を基準として説明する。
各帯状連結部43の左右方向の長さは、図10に示すように、後述するホルダ20のバスバー片保持部21の幅方向(左右方向)の長さよりも長くなっている。そのため、バスバー片40をホルダ20に組み付けた際に、各帯状連結部43が、バスバー片保持部21の左右両端部から突出した状態となる。
第1バスバー片40Aおよび第2バスバー片40Bは、ともに端子部41を5本ずつ備え、各端子部41が上下に揃う位置に配置されている。
ホルダ20は合成樹脂製であって、図8に示すように、全体として前後方向に細長い形状をなし、その前端側にバスバー片40を保持するバスバー片保持部21(導電部材保持部)が形成され、後端側にコンデンサ60を保持する電子部品保持部35が形成されている。そして、ホルダ20のうちバスバー片保持部21と電子部品保持部35との間に形成された中間部31において、バスバー片40とコンデンサ60との接続がなされる。なお、電子部品保持部35は、ホルダ20の幅方向(左右方向)の略中央に位置している。
フード部13には相手側コネクタ80(図14参照)が嵌合する。相手側コネクタ80と正規の姿勢で嵌合するためのリブ部12が図2に示すように、フード部13の外側の側面に設けられており、また、フード部13の外側の上部には、相手側コネクタ80を正規に嵌合した状態でロックするロック機構14が設けられている。また相手側コネクタ80には、O−リングなどのシール部材81(図14参照)が設けられており、フード部13の内面にシール部材81が密着することで、液密の状態に嵌合される。また、フード部13の嵌合底面13Aが相手側コネクタ80の前面と嵌合時に対面する嵌合面となっている。
コンデンサ収容部19は、図14に示すように、ホルダ20の電子部品保持部35を収容可能としている。コンデンサ収容部19の長さは電子部品保持部35を所定位置に収容しても、コンデンサ収容部19の後方に空間が設けられるゆとりのある長さとされている。
まず、第1バスバー片40Aをホルダ20に取り付ける。第1帯状連結部43Aが下段の装着溝23に、第1電子部品接続部45Aの屈曲部47が差入孔27に、第1電子部品接続部45Aの幅広部分が上段の装着溝23(第1接続部挿通孔28の前方)に位置するようにして、第1電子部品接続部45Aから第1バスバー片40Aを後方に押し込む。すると、第1圧入部51が下段の装着溝23のリブ29Lに挟み込まれながら挿入され、やがてホルダ圧入孔29に圧入される。すると、第1電子部品接続部45Aの第1溶接部48Aが中間部31の中空部分に突出してくる。そして、第1帯状連結部43Aの後端面が、下段の装着溝23の奥端部23Aに突き当たると、第1バスバー片40Aの押し込みが停止される。なお、第1電子部品接続部45Aが差入孔27や第1接続部挿通孔28に挿入される際には、圧入はされておらず、第1圧入部51のみが圧入されている。こうして、第1バスバー片40Aは、第1圧入部51がホルダ圧入孔29の内周面に食い込むことにより、バスバー片保持部21に保持される。
このように、バスバー片40がホルダ20に取り付けられると、ハウジング圧入部55と帯状連結部43の左右両端部は、バスバー片保持部21から左右両側に突出している。
本実施形態のように、複数段のジョイント端子を有するコネクタに電子部品を内蔵する場合、電子部品の接続面の高さを合わせるために、端子の電子部品接続部を屈曲する必要がある。そこで、端子金具を屈曲等する前の段階で圧入し、その後、屈曲等する方法が考えられる。しかし、端子をコネクタに圧入後にこのような端子の屈曲を行う場合、屈曲前の端子がコネクタ内に収まる空間が必要となり、コネクタの全長が伸びてしまい大型化するという問題があった。また、圧入後に端子を屈曲するためには、先に端子を屈曲する場合に比べて、加工の難易度が上がり、コスト高となる問題があった。このような問題を解決するために、予め端子を所定形状に屈曲させた後、屈曲させた箇所をコネクタの底面から入れて、屈曲させた箇所とは別に端子に設けられた圧入部を圧入する技術が知られている(特開2013−45536号公報)。
本実施形態では、第1圧入部51及び第2圧入部53は、バスバー片40の略中央から突出した突起形状をなしている構成としても良い。このような構成とすると、バスバー片40やホルダ20の仕上がり寸法が公差内で変動した場合に、その変動範囲による位置ずれが、ハウジング圧入部55に圧入する際の位置合わせに与える影響を減少させることができる。
このような構成とすると、屈曲部47を有する第1バスバー片40Aは、屈曲部47を有する第1電子部品接続部45Aとは別に形成された第1圧入部51をホルダ20に圧入することで、固定される。そのため、屈曲部47近傍に圧入による負荷がかかることがなくなる。さらに、帯状連結部43の中央に第1圧入部51があることで、公差による位置ずれの影響を少なくできる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、コンデンサ60のリード線62は丸ピン形状をなしているが、これに限らず、例えば、コンデンサのリード線は角柱状等であってもよい。
(2)上記実施形態では、電子部品がコンデンサ60である場合について説明したが、これに限らず、電子部品は、例えば抵抗、ダイオード、トランジスタ等、各種の電子部品であってもよい。
(4)上記実施形態では、多極の端子部41を有するバスバー片40を用いていたが、電子部品を接続する導電部材であれば、他のものを用いることができる。例えば、1極の端子に、ハウジング圧入部とホルダ圧入部を有するものでもよいし、連結部の形状が帯状でなく柱状などでもよい。
(5)上記実施形態では、バスバー片40は第1バスバー片40Aと第2バスバー片40Bの2つから構成されていたが、1つでもいいし、3つ以上であってもいい。
(7)上記実施形態では、ハウジング圧入部として、突起形状のものの先端が丸みを帯びた三角形状をなしているものとしたが、圧入して保持することができれば、他の形状でもよい。また、圧入穴に圧入する以外の方法でもよい。
(9)上記実施形態では、相手側コネクタ80にシール部材81を設けたが、本発明のコネクタにシール部材を設けるようにしてもよい。また、上記実施形態では、シール部材の一例としてO−リングを挙げたが、ゴム栓等他のシール部材でも良い。
(10)上記実施形態では、コネクタCは雄コネクタであったが、雌コネクタとしても良い。
(12)上記実施形態では、コンデンサ60を用いていたが、ホルダの発明においては、コンデンサなどの電子部品が無くても良い。
(13)上記実施形態では、バスバー片40は第1バスバー片40Aと第2バスバー片40Bの2つから構成されていたが、ホルダの発明においては、バスバー片が3つ以上であってもいい。
11…挿入口
15…ハウジング差込溝
16…ハウジング圧入穴
17…厚肉部
20…ホルダ
21…バスバー片保持部(導電部材保持部)
23…装着溝(差込部)
24…薄肉部
25…第2接続部挿通孔(挿通孔)
27…差入孔(貫通孔)
28…第1接続部挿通孔(貫通孔)
29…ホルダ圧入孔
31…中間部
35…電子部品保持部
40(40A、40B)…バスバー片(導電部材)
41…端子部
43(43A、43B)…帯状連結部(連結部)
45(45A、45B)…電子部品接続部(接続部)
47…屈曲部
48…溶接部(突出部)
51…第1圧入部(ホルダ圧入部)
53…第2圧入部(ホルダ圧入部)
55…ハウジング圧入部
60…コンデンサ(電子部品)
Claims (10)
- 電子部品と、
前記電子部品を保持するホルダと、
前記ホルダを挿入可能な挿入口が一方向のみに開口して設けられ、電子部品が保持されたホルダを収容してなるハウジングと、
前記電子部品と相手側端子金具とを導通可能に接続する導電部材と、を備えており、
前記導電部材は、前記ホルダに圧入されるホルダ圧入部と、前記ハウジングに圧入されるハウジング圧入部とを備え、前記ホルダが該導電部材によって前記ハウジングに保持されている電子部品付きコネクタ。 - 前記導電部材は、一対の前記ハウジング圧入部が設けられた構成とされ、
前記ハウジング圧入部は、前記ホルダの外側面より側方に突出した位置に設けられている請求項1に記載の電子部品付きコネクタ。 - 前記ハウジングには、前記ハウジング圧入部が圧入される厚肉部が設けられている請求項1または請求項2に記載の電子部品付きコネクタ。
- 前記ホルダ圧入部は、前記導電部材の略中央から突出した突起形状をなしている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電子部品付きコネクタ。
- 前記導電部材は、第1の導電部材と、第2の導電部材とを備え、該第1の導電部材と該第2の導電部材がホルダに対して上下段に平行に差し込み可能とされ、
前記第1の導電部材と前記第2の導電部材は、前記相手側端子金具に接続される複数の端子部と、前記端子部同士を連結する連結部と、前記電子部品に接続される電子部品接続部と、を各々備えており、
前記第1の導電部材の前記電子部品接続部が、所定形状に屈曲する屈曲部と、前記ホルダから突出して前記電子部品と溶接される第1溶接部とを有しており、
前記第2の導電部材の前記電子部品接続部が、前記連結部と同一面上にあり、かつ前記ホルダから突出して前記電子部品と溶接される第2溶接部を有しており、
前記第1溶接部と前記第2溶接部との高さが揃っている請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電子部品付きコネクタ。 - 前記ホルダは、前記第1の導電部材と前記第2の導電部材を差し込み可能な差込部を有しており、
前記第1の導電部材の前記ホルダ圧入部は、前記電子部品接続部と平行に前記連結部の中央から前記端子部とは逆側に突出することで形成され、かつ、前記差込部の奥端部に形成されたホルダ圧入穴に圧入される請求項5に記載の電子部品付きコネクタ。 - 前記ホルダは、前記第1の導電部材と前記第2の導電部材を差し込み可能な差込部を有しており、かつ、前記屈曲部及び第1溶接部を挿通可能な貫通孔と、前記第2の電子部品接続部が挿通可能な挿通孔とが幅方向に隣接して形成されており、
前記貫通孔と前記挿通孔の間が薄肉になっており、
前記第1の電子部品接続部には前記挿通孔に圧入される前記ホルダ圧入部が備えられている請求項5または請求項6に記載の電子部品付きコネクタ。 - 第1の導電部材と、該第1の導電部材に平行に配設される第2の導電部材と、該第1の導電部材と該第2の導電部材とを保持する導電部材保持部と、を備えているホルダであって、
前記第1の導電部材は、第1の接続部を備えており、該第1の接続部は所定形状に屈曲する屈曲部と、前記導電部材保持部から突出する第1突出部とを有しており、
前記第2の導電部材は、第2の接続部を備えており、該第2の接続部が、平板状に所定形状に形成されるとともに、前記導電部材保持部に突出した姿勢で保持される第2突出部を有しており、
前記第1突出部と前記第2突出部との高さが揃っており、
前記導電部材保持部には、前記屈曲部及び第1突出部を挿通可能な貫通孔と、前記第2の接続部が挿通可能な挿通孔とが隣接して形成されており、
前記貫通孔と前記挿通孔の間が薄肉になっており、
前記第2の接続部には前記挿通孔に圧入されるホルダ圧入部が備えられているホルダ。 - 前記ホルダ圧入部は、前記第2の接続部の両側に設けられている請求項8に記載のホルダ。
- 前記第1の導電部材及び前記第2の導電部材は、相手側端子金具に接続される複数の端子部と、前記端子部同士を連結する連結部と、を備えており、前記第1の接続部及び前記第2の接続部は、前記連結部から前記端子部とは逆側に形成されて電子部品に接続されており、
前記導電部材保持部は、前記連結部を上下二段で平行に差し込み可能な差込部を有しており、
前記第2の導電部材の連結部を差し込み可能な第2の差込穴の奥端部に前記第2の接続部を挿通可能な前記挿通孔が形成されており、
前記第1の導電部材の連結部を差し込み可能な第1の差込穴と前記第2の差込穴に亘って前記貫通孔が形成されており、
前記電子部品が保持されている請求項8または請求項9に記載のホルダ。
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