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JP5942318B2 - 偏光フィルム、画像表示装置、及び偏光フィルムの製造方法 - Google Patents

偏光フィルム、画像表示装置、及び偏光フィルムの製造方法 Download PDF

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JP5942318B2 JP2012041132A JP2012041132A JP5942318B2 JP 5942318 B2 JP5942318 B2 JP 5942318B2 JP 2012041132 A JP2012041132 A JP 2012041132A JP 2012041132 A JP2012041132 A JP 2012041132A JP 5942318 B2 JP5942318 B2 JP 5942318B2
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Description

本発明は、高い二色比を有する偏光フィルム、及びこの偏光フィルムの製造方法、並びにこの偏光フィルムを有する画像表示装置に関する。
偏光フィルムは、偏光又は自然光から特定の直線偏光を透過させる機能を有する光学部材である。
汎用的な偏光フィルムは、例えば、ヨウ素で染色したポリビニルアルコールフィルムを延伸することにより得られる。
また、溶液流延法によって得られる偏光フィルムも知られている。溶液流延法は、色素材料と溶媒とを含むコーティング液を基材上に塗工することによって、その基材上に偏光フィルムを形成する方法である。
溶液塗工法によって得られる偏光フィルムは、上記ポリビニルアルコールフィルムを延伸することによって得られる偏光フィルムに比して、その厚みが格段に薄いという利点を有する。
従来、溶液塗工法による偏光フィルムとして、下記一般式(I)で表されるジスアゾ化合物を含む偏光フィルムが知られている(特許文献1)。
Figure 0005942318
上記一般式(I)において、Aは、水酸基、アミノ基又はスルホン酸基で置換されていてもよいナフチル基を、Bは、低級アルキル基、低級アルコキシ基、水酸基若しくはスルホン酸基で置換されていてもよいフェニレン基又はナフチレン基を表す。
しかしながら、特許文献1の偏光フィルムは、透明性が悪く、二色比が低いという問題点がある。
また、安価な偏光フィルムを製造するために、安価に合成できるジスアゾ化合物が求められる。
特公平7−92531号公報(特開昭62−330213号公報)
本発明の目的は、高い二色比を有する偏光フィルム及びその製造方法を提供することである。
本発明の偏光フィルムは、下記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物を含む。
Figure 0005942318
は、少なくとも1つの−SOM基を有するナフチレン基を表し、Xは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のチオアルキル基、ハロゲノ基、又は、極性基を表し、添え字kは、前記Xの置換数である0〜5の整数を表し、Mは、対イオンを表し、前記kが2以上の整数である場合、前記Xは、それぞれ同一又は異なり、Q は、下記式(Q1−1)で表されるフェニル基である。
Figure 0005942318
Yは、−SO M基以外の非環式構造の置換基を表し、添え字mは、Yの置換数である0〜4の整数を表し、添え字lは、−SO M基の置換数である1〜5の整数を表し、1≦l+m≦5であり、前記mが2以上である場合、前記Yは、それぞれ同一又は異なる。
好ましくは、前記Qは、下記一般式(Q2−1)で表されるナフチレン基であり、より好ましくは、下記いずれかに表されるナフチレン基である。
Figure 0005942318
Zは、−SOM基以外の置換基を表し、添え字oは、Zの置換数である0〜5の整数を表し、添え字nは、−SOM基の置換数である1〜6の整数を表し、1≦n+o≦6であり、前記oが2以上である場合、前記Zは、それぞれ同一又は異なる。
Figure 0005942318
好ましくは、前記Q、下記いずれかに表されるフェニル基である。
Figure 0005942318
本発明の別の局面によれば、画像表示装置が提供される。
この画像表示装置は、その構成部材として、上記いずれかの偏光フィルムを有する。
本発明の別の局面によれば、偏光フィルムの製造方法が提供される。
この偏光フィルムの製造方法は、上記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物と溶媒とを含むコーティング液を基材の上に塗工する工程を有する。
本発明の偏光フィルムは、一般式(1)で表されるジスアゾ化合物を含んでいるので、高い二色比を有する。
かかる二色比の高い偏光フィルムを有する画像表示装置は、表示特性に優れている。
1つの実施形態に係る偏光フィルムを示す部分断面図。 1つの実施形態に係る偏光板を示す部分断面図。
以下、本発明について具体的に説明する。
本明細書において、「AAA〜BBB」という記載は、「AAA以上BBB以下」を意味する。
[偏光フィルム]
本発明の偏光フィルムは、下記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物を含む。
本発明の偏光フィルムは、下記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物の中から選ばれる1種又は2種以上を含み、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。
一般式(1)で表されるジスアゾ化合物は、溶媒に対する溶解性に優れており、溶媒中において安定的な会合体を形成し得る。
かかるジスアゾ化合物から形成された偏光フィルムは、高い二色比を有する。
本発明の偏光フィルムは、塗膜から形成される有機薄膜である。本発明の偏光フィルムは、特別な延伸処理を行わなくても、ジスアゾ化合物の配向により偏光特性を有する。
Figure 0005942318
一般式(1)において、Qは、少なくとも1つの−SOM基を有するフェニル基を表し、Qは、少なくとも1つの−SOM基を有するナフチレン基を表す。Xは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のチオアルキル基、ハロゲノ基、又は、極性基を表し、添え字kは、前記Xの置換数である0〜5の整数を表す。Mは、対イオンを表す。前記kが2以上の整数である場合、前記Xは、それぞれ同一であってもよいし又は異なっていてもよい。
以下、全ての式中の−SOMのMは、対イオンを表す。
前記−SOMのM(対イオン)としては、水素イオン;Li、Na、K、Csなどのアルカリ金属イオン;Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属イオン;その他の金属イオン;アルキル基若しくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムイオン;有機アミン由来の陽イオンなどが挙げられる。有機アミンとしては、炭素数1〜6の低級アルキルアミン、ヒドロキシル基を有する炭素数1〜6の低級アルキルアミン、カルボキシル基を有する炭素数1〜6の低級アルキルアミンなどが挙げられる。各一般式において、−SOM基が2つ以上置換している場合、各Mは、それぞれ同一でもよいし又は異なっていてもよい。また、各一般式において、−SOMのMが2価以上の陽イオンである場合、そのMは、他の陰イオンと静電的に結合して安定化しているか、或いは、そのMは他のジスアゾ化合物と共有されて安定化している。
また、前記Q及びQに含まれる各−SOMのMは、それぞれ同一でもよいし又は異なっていてもよい。
前記Xは、一般式(1)で表されるジスアゾ化合物の溶媒溶解性を低下させないものを選択することが好ましく、例えば、前記Xとしては、極性基が好ましい。前記Xが極性基である一般式(1)のジスアゾ化合物は、溶媒溶解性にさらに優れており、偏光フィルム中において結晶化し難いので好ましい。
前記極性基は、極性を持つ官能基であれば特に限定されない。極性基としては、アミノ基、水酸基、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸アミド基、及び、比較的電気陰性度の大きい酸素及び/又は窒素を含むその他の官能基が挙げられる。
前記置換数kは、好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0〜1の整数である。
前記置換数kが0である、つまり、置換基Xを有さない一般式(1)のジスアゾ化合物は、下記一般式(2)で表される。
一般式(2)において、Q、Q及びMは、一般式(1)と同じである。
Figure 0005942318
一般式(1)のQは、少なくとも1つの−SOM基を置換基として有するフェニル基であれば特に限定されない。
例えば、前記Qで表されるフェニル基としては、1つの−SOM基を有するフェニル基、2つ又は3つの−SOM基を有するフェニル基、4つ又は5つの−SOM基を有するフェニル基、1つ〜4つの−SOM基と−SOM基以外の置換基とを有するフェニル基などが挙げられる。
一般式で表すと、前記Qは、下記一般式(Q1−1)で表されるフェニル基である。
Figure 0005942318
一般式(Q1−1)において、Yは、−SOM基以外の置換基を表し、添え字mは、Yの置換数を表し、添え字lは、−SOM基の置換数を表し、lは、1〜5の整数であり、mは、0〜4の整数である。ただし、1≦l+m≦5である。前記置換数mが2以上である場合、前記Yは、それぞれ同一であってもよいし又は異なっていてもよい。
前記Yで表される−SOM基以外の置換基としては、特に限定されないが、会合体形成を阻害し難いことから、非環式構造の置換基が好ましい。具体的には、前記Yとしては、低級アルキル基(炭素数1〜6のアルキル基、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基など)、低級アルコキシ基(炭素数1〜6のアルコキシ基、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基など)、炭素数1〜6のチオアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、クロロ基などのハロゲノ基、極性基(ただし、この極性基には、−SOM基が含まれない)などが挙げられる。これらの中では、−SOM基以外の置換基は、極性基(ただし、この極性基には、−SOM基が含まれない)であることが好ましい。
前記Qの−SOM基以外の置換基が極性基である一般式(1)のジスアゾ化合物は、溶媒溶解性にさらに優れており、偏光フィルム中において結晶化し難いので好ましい。
前記極性基としては、アミノ基、水酸基、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸アミド基、及び、比較的電気陰性度の大きい酸素及び/又は窒素を含むその他の官能基が挙げられる。
前記式(Q1−1)の−SOM基の置換数lは、好ましくは1〜3であり、より好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。前記Qに置換された−SOM基が1つである一般式(1)のジスアゾ化合物は、溶媒中においてより安定的な会合体構造を形成できる。
また、前記式(Q1−1)の置換基Yの置換数mは、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0〜1である。置換基Yの数が余りに多いと、溶媒中においてジスアゾ化合物の会合体構造を不安定化させるおそれがある。
前記一般式(1)のQは、下記一般式(Q1−2)乃至(Q1−5)で表されるフェニル基のいずれかが特に好ましい。
一般式(Q1−2)及び(Q1−3)において、Yは、一般式(Q1−1)と同じである。
Figure 0005942318
一般式(1)のQは、少なくとも1つの−SOM基を置換基として有するナフチレン基であれば特に限定されない。
例えば、前記Qで表されるナフチレン基としては、1つの−SOM基を有するナフチレン基、2つ又は3つの−SOM基を有するナフチレン基、4つ〜6つの−SOM基を有するナフチレン基、1つ〜4つの−SOM基と−SOM基以外の置換基とを有するナフチレン基などが挙げられる。
例えば、前記Qは、下記一般式(Q2−1)乃至(Q2−3)で表されるナフチレン基である。
Figure 0005942318
一般式(Q2−1)乃至(Q2−3)において、Zは、−SOM基以外の置換基を表し、添え字oは、Zの置換数を表し、添え字nは、−SOM基の置換数を表し、nは、1〜6の整数であり、oは、0〜5の整数である。ただし、1≦n+o≦6である。前記置換数oが2以上である場合、前記Zは、それぞれ同一であってもよいし又は異なっていてもよい。
一般式(Q2−1)乃至(Q2−3)において、(SOM)及びZの各置換基は、それぞれ、ナフタレン環の何れの位置に置換していてもよい。
前記Zで表される−SOM基以外の置換基としては、特に限定されないが、会合体形成を阻害し難いことから、非環式構造の置換基が好ましい。具体的には、前記−SOM基以外の置換基としては、低級アルキル基(炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基など)、低級アルコキシ基(炭素数1〜4のアルコキシ基、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基など)、炭素数1〜6のチオアルキル基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基、クロロ基などのハロゲノ基、極性基(ただし、この極性基には、−SOM基が含まれない)などが挙げられる。これらの中では、−SOM基以外の置換基は、極性基(ただし、この極性基には、−SOM基が含まれない)であることが好ましい。
前記Qの−SOM基以外の置換基が極性基である一般式(1)のジスアゾ化合物は、溶媒溶解性にさらに優れており、偏光フィルム中において結晶化し難いので好ましい。
前記極性基としては、アミノ基、水酸基、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸アミド基、及び、比較的電気陰性度の大きい酸素及び/又は窒素を含むその他の官能基が挙げられる。
前記式(Q2−1)乃至(Q2−3)の−SOM基の置換数nは、好ましくは1〜3であり、より好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。前記Qに置換された−SOM基が1つである一般式(1)のジスアゾ化合物は、溶媒中においてより安定的な会合体構造を形成できる。
また、前記−SOM基以外の置換基Zの置換数oは、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0〜1である。置換基Zの数が余りに多いと、溶媒中においてジスアゾ化合物の会合体構造を不安定化させるおそれがある。
前記一般式(1)のQとして、下記一般式(Q2−4)乃至(Q2−7)で表されるナフチレン基が特に好ましい。
一般式(Q2−4)及び(Q2−5)において、Zは、一般式(Q2−1)と同じである。
Figure 0005942318
前記一般式(Q2−1)、(Q2−4)乃至(Q2−7)で表されるナフチレン基は、ジスアゾ化合物の分子中において、その分子短軸方向の誘電率異方性を高める作用を有する。前記一般式で表されるいずれかのナフチレン基は、ジスアゾ化合物の会合形成に優位に働くので、このナフチレン基を有するジスアゾ化合物は、より高い二色性を有する。
さらに、前記一般式(Q2−6)又は(Q2−7)で表されるナフチレン基及び前記一般式(Q1−2)乃至(Q1−5)で表されるいずれかのフェニル基を有するジスアゾ化合物は、一般に使用されている原料で合成することもできる。このため、かかるジスアゾ化合物は、安価に合成できるので、このジスアゾ化合物から偏光フィルムを安価に製造できる。
前記一般式(1)及び(2)で表されるジスアゾ化合物は、例えば、細田豊著「理論製造 染料化学(5版)」(昭和43年7月15日技報堂発行、135頁〜152頁)に従って合成できる。
例えば、置換基として少なくとも1つの−SOM基を有するアニリン化合物をジアゾニウム塩化し、これをアミノナフタレンスルホン酸化合物とカップリング反応させることにより、モノアゾアニリン化合物を得る。このモノアゾアニリン化合物を、ジアゾニウム塩化した後、これを7−アニリノ−4−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸と弱アルカリ性下においてカップリング反応させることにより、上記一般式(1)及び(2)で表されるジスアゾ化合物を得ることができる。
本発明の偏光フィルムは、上記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物を含んでいればよく、その含有量は特に限定されない。例えば、偏光フィルム中におけるジスアゾ化合物の含有量は、50質量%〜100質量%であり、好ましくは80質量%〜100質量%である。
また、本発明の偏光フィルムは、上記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物以外に、他の成分が含まれていてもよい。前記他の成分としては、一般式(1)以外のジスアゾ化合物、モノアゾ化合物、アゾ化合物以外の色素、ポリマー、及び添加剤などが挙げられる。前記添加剤としては、相溶化剤、界面活性剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、難燃剤、帯電防止剤などが挙げられる。
前記他の成分の含有量は、特に限定されないが、例えば、0質量%を超え50質量%以下であり、好ましくは0質量%を超え20質量%以下である。
本発明の偏光フィルムは、波長380nm〜780nmの間の少なくとも一部の波長において吸収二色性を有する。前記偏光フィルムの二色比は、好ましくは15以上であり、より好ましくは20以上である。ただし、二色比は、下記実施例に記載の方法によって求められる。本発明によれば、20以上の二色比を有する偏光フィルムを提供することができる。
本発明の偏光フィルムの偏光度は、好ましくは97%以上であり、より好ましくは98%以上であり、特に好ましくは99%以上である。前記偏光度は、例えば、フィルムの厚みに応じて調整することもできる。
前記偏光フィルムの透過率(波長550nm、23℃で測定)は、好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上である。
ただし、前記偏光度及び透過率は、例えば、分光光度計(日本分光(株)製、製品名「V−7100」)を用いて測定できる。
また、本発明の偏光フィルムの厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.05μm〜5μmであり、より好ましくは0.1μm〜1μmである。
前記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物を含む偏光フィルムが高い二色比を有する理由を、本発明者らは、次のように推定している。
一般式(1)のジスアゾ化合物を溶媒に溶解又は分散させると、そのジスアゾ化合物の複数が、液中において会合体を形成する。一般式(1)の分子構造を有するジスアゾ化合物は、その複数が会合する際に、隣接するジスアゾ化合物の−SOM基同士が反発し難くなる。このため、前記ジスアゾ化合物は、安定的な会合体を形成し、その会合体から形成された偏光フィルムは高い二色比を有すると推定される。
また、一般式(1)で表されるジスアゾ化合物は、Qがフェニル基である。一般式(1)の分子構造を有するジスアゾ化合物において、Qの部位にフェニル基が位置していることにより、吸収二色性が高まるものと推定される。
[本発明のコーティング液及び偏光フィルムの製造方法]
本発明の偏光フィルムは、上記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物と溶媒とを含むコーティング液を基材の上に塗工する工程を有する。ここで、塗工とは、液体を基材上に流延又は塗布することにより塗膜を形成することを意味する。
本発明の偏光フィルムの製造方法は、前記工程を有していることを条件として、これ以外の工程を有していてもよい。例えば、前記製造方法は、前記工程によって得られた塗膜を乾燥する工程を有していてもよい。前記基材は、配向規制力が付与された基材であることが好ましい。
本発明の偏光フィルムは、好ましくは下記工程A及び工程Bを経て製造でき、必要に応じて、工程Bの後、下記工程Cを行ってもよい。
工程A:前記ジスアゾ化合物と溶媒とを含むコーティング液を、基材上に塗工し、塗膜を形成する工程。
工程B:前記塗膜を乾燥する工程。
工程C:工程Bで乾燥させた塗膜の表面に、耐水化処理を施す工程。
前記コーティング液は、前記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物と、そのジスアゾ化合物を溶解又は分散させる溶媒と、を含む。使用するジスアゾ化合物は、一般式(1)に含まれるものであれば特に限定されず、その中から選ばれる1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
コーティング液は、水系溶媒などの溶媒に、前記ジスアゾ化合物を溶解又は分散させることによって得られる。
なお、必要に応じて、前記ジスアゾ化合物以外に、前記他の成分を前記溶媒に添加してもよい。
前記溶媒は、特に限定されず、従来公知の溶媒を用いることができるが、水系溶媒が好ましい。水系溶媒としては、水、親水性溶媒、水と親水性溶媒の混合溶媒などが挙げられる。前記親水性溶媒は、水に略均一に溶解する溶媒である。親水性溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類;酢酸エチルなどのエステル類;などが挙げられる。上記水系溶媒は、好ましくは、水、又は、水と親水性溶媒の混合溶媒が用いられる。
上記コーティング液は、液温やジスアゾ化合物の濃度などを変化させることにより、液晶相を示す。つまり、一般式(1)で表されるジスアゾ化合物は、リオトロピック液晶性化合物である。
この液晶相は、ジスアゾ化合物が溶媒中で会合体を形成することによって生じる。液晶相は、特に限定されず、ネマチック液晶相、スメクチック液晶相、コレステリック液晶相、又はヘキサゴナル液晶相等が挙げられる。液晶相は、偏光顕微鏡で観察される光学模様によって、確認、識別できる。
コーティング液中におけるジスアゾ化合物の濃度は、特に限定されないが、ジスアゾ化合物が析出しない濃度であることが好ましい。また、前記液中においてジスアゾ化合物が液晶相を示す濃度でもよいし、液晶層を示さない濃度であってもよい。前記コーティング液中におけるジスアゾ化合物の濃度は、好ましくは0.05質量%〜50質量%であり、より好ましくは0.5質量%〜40質量%であり、特に好ましくは2質量%〜30質量%である。
また、コーティング液は、適切なpHに調整される。コーティング液のpHは、好ましくはpH2〜10程度、より好ましくはpH6〜8程度である。
さらに、コーティング液の温度は、好ましくは10℃〜40℃、より好ましくは15℃〜30℃に調整される。
上記コーティング液を、適当な基材の表面上に塗工し、塗膜を形成する。
基材は、コーティング液を略均一に展開するためのものである。この目的に適していれば基材の種類は特に限定されない。基材としては、例えば、ポリマーフィルム、ガラス板、金属板などが挙げられる。また、コーティング液を塗工する、基材の表面に、コロナ処理などの親水化処理を施してもよい。
また、前記ポリマーフィルムとして配向フィルムを用いてもよい。配向フィルムは、その表面において配向規制力を有するので、液中のジスアゾ化合物を確実に配向させることができる。配向フィルムは、例えば、フィルムに配向規制力を付与することにより得られ得る。配向規制力の付与方法としては、例えば、フィルムの表面をラビング処理すること;フィルムの表面にポリイミドなどの膜を形成し、その膜の表面をラビング処理すること;フィルムの表面に光反応性化合物からなる膜を形成し、その膜に光照射して配向膜を形成すること;などが挙げられる。
好ましくは、基材として、配向フィルムなどのポリマーフィルムが用いられ、透明性に優れているポリマーフィルム(例えば、ヘイズ値3%以下)が好ましい。
上記ポリマーフィルムの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系;トリアセチルセルロース等のセルロース系;ポリカーボネート系;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系;ポリスチレン等のスチレン系;ポリプロピレン、環状又はノルボルネン構造を有するポリオレフィン等のオレフィン系;などが挙げられる。前記ジスアゾ化合物を良好に配向させるために、ノルボルネン系フィルムを用いることが好ましい。
コーティング液の塗工方法は特に限定されず、例えば、従来公知のコータを用いた塗工方法を採用できる。前記コータとしては、例えば、バーコータ、ロールコータ、スピンコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータなどが挙げられる。
前記コーティング液を基材の表面に塗工すると、コーティング液の流動過程でジスアゾ化合物の会合体に剪断応力が加わる。よって、前記会合体の長軸方向がコーティング液の流動方向と平行となって、前記ジスアゾ化合物の会合体が配向した塗膜を基材に形成できる。本発明のコーティング液中においては、ジスアゾ化合物が安定的な会合体を形成しているので、アゾ化合物が略均一に配向した塗膜を形成できる。
なお、ジスアゾ化合物の配向を高めるため、必要に応じて、前記塗膜を形成した後、磁場又は電場などを印加してもよい。
上記コーティング液を塗工して塗膜を形成した後、この未硬化の塗膜を乾燥する。
未硬化の塗膜の乾燥は、自然乾燥、又は強制的な乾燥などで実施できる。強制的な乾燥としては、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥などが挙げられる。
前記乾燥工程にて乾燥する過程で濃度が上昇し、配向したジスアゾ化合物が固定される。塗膜中のジスアゾ化合物の配向が固定されることによって、偏光フィルムの特性である、吸収二色性を生じる。得られた乾燥塗膜は、偏光フィルムとして使用できる。
以上のように本発明の偏光フィルムは、コーティング液を用いた溶液流延法によって形成できる。従って、本発明によれば、非常に薄い偏光フィルムを作製することも可能である。得られた偏光フィルムの厚みは、例えば、0.05μm〜10μmであり、0.05μm〜5μmであり、より好ましくは0.1μm〜1μmである。
なお、上記乾燥後の塗膜の表面に耐水性を付与するために、次の処理を行ってもよい。
具体的には、上記乾燥塗膜の表面に、アルミニウム塩、バリウム塩、鉛塩、クロム塩、ストロンチウム塩、セリウム塩、ランタン塩、サマリウム塩、イットリウム塩、銅塩、鉄塩、及び分子内に2個以上のアミノ基を有する化合物塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物塩を含む溶液を接触させる。
この処理を行うことにより、前記化合物塩を含む層が前記乾燥塗膜の表面に形成される。かかる層を形成することにより、乾燥塗膜の表面を水に対して不溶化又は難溶化させることができる。よって、乾燥塗膜(偏光フィルム)に、耐水性を付与できる。
なお、必要に応じて、得られた偏光フィルムの表面を水又は洗浄液で洗浄してもよい。
(本発明の偏光フィルムの用途等)
上記コーティング液を基材上に塗工することによって得られた偏光フィルム1は、図1に示すように、基材2に積層されている。
本発明の偏光フィルム1は、通常、ポリマーフィルムのような基材2に積層された状態で使用される。もっとも、前記偏光フィルム1は、上記基材2から剥離して使用することもできる。
本発明の偏光フィルム1には、さらに、他の光学フィルムを積層してもよい。他の光学フィルムとしては、保護フィルム、位相差フィルムなどが挙げられる。本発明の偏光フィルムに、保護フィルム及び/又は位相差フィルムを積層することにより、偏光板を構成できる。
図2に、本発明の偏光フィルム1に保護フィルム3が積層された偏光板5を示す。この偏光板5は、ポリマーフィルムなどの基材2と、前記基材2に積層された偏光フィルム1と、前記偏光フィルム1に積層された保護フィルム3と、を有する。基材2は、偏光フィルム1を保護する機能を有する。このため、前記偏光板5は、偏光フィルム1の一方の面にのみ保護フィルム3が積層されている。
また、特に図示しないが、この偏光板5には、位相差フィルムなどの他の光学フィルムが積層されていてもよい。
偏光フィルムに他の光学フィルムを積層する場合、実用的には、これらの間には任意の適切な接着層が設けられる。接着層を形成する材料としては、例えば、接着剤、粘着剤、アンカーコート剤等が挙げられる。
本発明の偏光フィルムの用途は、特に限定されない。本発明の偏光フィルムは、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置などの画像表示装置の構成部材として使用される。
前記画像表示装置が液晶表示装置の場合、その好ましい用途は、テレビ、携帯機器、ビデオカメラなどである。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに説明する。ただし、本発明は、下記実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた各分析方法は、以下の通りである。
[偏光フィルムの二色比の測定方法]
グラムトムソン偏光子を備える分光光度計(日本分光(株)製、製品名「V−7100」)を用いて、測定対象の偏光フィルムに、直線偏光の測定光を入射して、視感度補正したY値のk1及びk2を求めた。そのk1及びk2を下記式に代入して、二色比を求めた。ただし、前記k1は、偏光フィルムの最大透過率方向における直線偏光の透過率を表し、前記k2は、前記最大透過率方向に直交する方向における直線偏光の透過率を表す。
式:二色比=log(1/k2)/log(1/k1)
[液晶相の観察方法]
コーティング液をポリスポイトで採取し、それを2枚のスライドガラスの間に少量挟み込み、顕微鏡用大型試料加熱冷却ステージ(ジャパンハイテック(株)製、製品名「10013L」)を備える、偏光顕微鏡(オリンパス(株)製、製品名「OPTIPHOT−POL」)を用いて、液晶相を観察した。
[偏光フィルムの厚みの測定方法]
偏光フィルムの厚みは、ノルボルネン系ポリマーフィルム上に形成された偏光フィルムの一部を剥離し、3次元非接触表面形状計測システム((株)菱化システム製、製品名「Micromap MM5200」)を用い、前記ポリマーフィルムと偏光フィルムの段差を測定した。
[実施例1]
4−アミノベンゼンスルホン酸(1当量)を、亜硝酸ナトリウム(1当量)及び塩酸(5当量)を用いてジアゾニウム塩化し、弱酸性冷温水溶液中にて、これを5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸(1当量)とカップリング反応させることによって、モノアゾ化合物を得た。このモノアゾ化合物(1当量)を、亜硝酸ナトリウム(1当量)及び塩酸(2.5当量)を用いてジアゾニウム塩化し、弱塩基性冷温水溶液中にて、これを7−アニリノ−4−ヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸(別名:フェニルJ酸)(0.95当量)とカップリング反応させることによって、ジスアゾ化合物を得た。このジスアゾ化合物のスルホン酸塩をリチウム塩へ変換するため、前記ジスアゾ化合物を塩化リチウムで塩析することによって、下記式(E−1)で表されるジスアゾ化合物を得た。
Figure 0005942318
上記式(E−1)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物濃度25質量%のコーティング液を調製した。この濃度25質量%のコーティング液を、上記液晶相の観察方法に従って、23℃で観察したところ、ネマチック液晶相を示していた。
前記コーティング液にさらにイオン交換水を加えて希釈することにより、ジスアゾ化合物濃度7質量%のコーティング液を調製した。
前記濃度7質量%のコーティング液を、ラビング処理及びコロナ処理が施されたノルボルネン系ポリマーフィルム(日本ゼオン(株)製、商品名「ゼオノア」)の前記処理面上に、バーコータ(BUSHMAN社製、製品名「Mayer rot HS4」)を用いて塗工し、その塗膜を自然乾燥した。乾燥後の塗膜が、偏光フィルムである。
得られた偏光フィルムの厚みは、約0.3μmであった。
その偏光フィルムの二色比を、上記二色比の測定方法に従って測定した。その測定結果を表1に示す。
[実施例2]
4−アミノベンゼンスルホン酸に代えて、3−アミノベンゼンスルホン酸を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、下記式(E−2)で表されるジスアゾ化合物を得た。
Figure 0005942318
上記式(E−2)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物濃度25質量%のコーティング液を調製した。この濃度25質量%のコーティング液を、上記液晶相の観察方法に従って、23℃で観察したところ、ネマチック液晶相を示していた。
前記コーティング液にさらにイオン交換水を加えて希釈することにより、ジスアゾ化合物濃度7質量%のコーティング液を調製した。
前記濃度7質量%のコーティング液を用いて、実施例1と同様にして、偏光フィルムを作製した。
得られた偏光フィルムの厚みは、約0.3μmであった。
その偏光フィルムの二色比を、上記二色比の測定方法に従って測定した。その測定結果を表1に示す。
[比較例1]
4−アミノベンゼンスルホン酸に代えて、4−ニトロアニリンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、下記式(C−1)で表されるジスアゾ化合物を得た。
Figure 0005942318
上記式(C−1)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させてジスアゾ化合物濃度25質量%のコーティング液を調製しようとした。しかし、その濃度では、一部のジスアゾ化合物が溶解せず、液中に不溶分が析出していた。
この不溶分が析出したコーティング液にさらにイオン交換水を加えて希釈することにより、ジスアゾ化合物濃度7質量%のコーティング液を調製した。この濃度7質量%のコーティング液を、上記液晶相の観察方法に従って、23℃で観察したところ、ネマチック液晶相を示していた。
前記コーティング液にさらにイオン交換水を加えて希釈することにより、ジスアゾ化合物濃度2質量%のコーティング液を調製した。
前記濃度2質量%のコーティング液を用いて、実施例1と同様にして、偏光フィルムを作製した。
得られた偏光フィルムの厚みは、約0.1μmであった。ただし、得られた偏光フィルムは、その表面に結晶が析出していた。前記結晶の析出は、前記偏光フィルムの表面を偏光顕微鏡(オリンパス(株)製、製品名「OPTIPHOT−POL」)を用いて観察することによって確認された。
その偏光フィルムの二色比を、上記二色比の測定方法に従って測定した。その測定結果を表1に示す。
[比較例2]
4−アミノベンゼンスルホン酸に代えて、7−アミノ−1,3−ナフタレンジスルホン酸を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、下記式(C−2)で表されるジスアゾ化合物を得た。
Figure 0005942318
上記式(C−2)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物濃度25質量%のコーティング液を調製した。この濃度25質量%のコーティング液を、上記液晶相の観察方法に従って、23℃で観察したところ、ネマチック液晶相を示していた。
前記コーティング液にさらにイオン交換水を加えて希釈することにより、ジスアゾ化合物濃度7質量%のコーティング液を調製した。
前記濃度7質量%のコーティング液を用いて、実施例1と同様にして、偏光フィルムを作製した。
得られた偏光フィルムの厚みは、約0.3μmであった。
その偏光フィルムの二色比を、上記二色比の測定方法に従って測定した。その測定結果を表1に示す。
[比較例3]
4−アミノベンゼンスルホン酸に代えて、2−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、下記式(C−3)で表されるジスアゾ化合物を得た。
Figure 0005942318
上記式(C−3)のジスアゾ化合物をイオン交換水に溶解させることにより、ジスアゾ化合物濃度25質量%のコーティング液を調製した。この濃度25質量%のコーティング液を、上記液晶相の観察方法に従って、23℃で観察したところ、ネマチック液晶相を示していた。
前記コーティング液にさらにイオン交換水を加えて希釈することにより、ジスアゾ化合物濃度7質量%のコーティング液を調製した。
前記濃度7質量%のコーティング液を用いて、実施例1と同様にして、偏光フィルムを作製した。
得られた偏光フィルムの厚みは、約0.3μmであった。
その偏光フィルムの二色比を、上記二色比の測定方法に従って測定した。その測定結果を表1に示す。
Figure 0005942318
[評価]
前記式(E−1)及び(E−2)のジスアゾ化合物は、分子長軸方向の左側の部位(一般式(1)のQの部位)にフェニル基が結合している。かかるジスアゾ化合物を含む実施例1及び2の偏光フィルムは、表1の通り、非常に高い二色比を示した。
一方、前記式(C−1)のジスアゾ化合物は、分子長軸方向の左側の部位にフェニル基が結合している。このフェニル基は置換基として−SOM基を有さない。かかるジスアゾ化合物を含む比較例1の偏光フィルムは、表1の通り、非常に低い二色比を示した。この理由は、この式(C−1)のジスアゾ化合物の溶媒溶解性が悪く、このジスアゾ化合物が偏光フィルム中において結晶として析出し易いためと推定される。
また、前記式(C−2)及び(C−3)のジスアゾ化合物は、分子長軸方向の左側の部位にナフチル基が結合している。なお、このジスアゾ化合物は、上記特許文献1の一般式(I)に含まれるものである。このジスアゾ化合物の溶媒溶解性は良好であったが、このジスアゾ化合物を含む比較例2及び3の偏光フィルムは、表1の通り、非常に低い二色比を示した。この理由は、この部位がナフチル環であると、二色性が向上しないためと推定される。
本発明の一般式(1)のジスアゾ化合物と特許文献1の一般式(I)のジスアゾ化合物との相違は、その分子長軸方向の左側の部位がフェニル基であるか或いはナフチル基であるかである。しかし、その違いは、偏光フィルムの二色比に大きな影響を与えた。これは、当初には予想できない効果であった。
本発明の偏光フィルムは、例えば、液晶表示装置の構成部材、偏光サングラスなどに利用できる。
本発明のコーティング液は、偏光フィルムの形成材料として利用できる。
1…偏光フィルム、2…基材、3…保護フィルム、5…偏光板

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物を含む偏光フィルム。
    Figure 0005942318
    は、少なくとも1つの−SOM基を有するナフチレン基を表し、Xは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のチオアルキル基、ハロゲノ基、又は、極性基を表し、添え字kは、前記Xの置換数である0〜5の整数を表し、Mは、対イオンを表し、前記kが2以上の整数である場合、前記Xは、それぞれ同一又は異なり、Q は、下記式(Q1−1)で表されるフェニル基であり、
    Figure 0005942318
    Yは、−SO M基以外の非環式構造の置換基を表し、添え字mは、Yの置換数である0〜4の整数を表し、添え字lは、−SO M基の置換数である1〜5の整数を表し、1≦l+m≦5であり、前記mが2以上である場合、前記Yは、それぞれ同一又は異なる。
  2. 前記Qが、下記一般式(Q2−1)で表されるナフチレン基である、請求項1に記載の偏光フィルム。
    Figure 0005942318
    Zは、−SOM基以外の置換基を表し、添え字oは、Zの置換数である0〜5の整数を表し、添え字nは、−SOM基の置換数である1〜6の整数を表し、1≦n+o≦6であり、前記oが2以上である場合、前記Zは、それぞれ同一又は異なる。
  3. 前記Qが、下記いずれかに表されるナフチレン基である、請求項1に記載の偏光フィルム。
    Figure 0005942318
  4. 前記Qが、下記いずれかに表されるフェニル基である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の偏光フィルム。
    Figure 0005942318
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の偏光フィルムを有する画像表示装置。
  6. 下記一般式(1)で表されるジスアゾ化合物と溶媒とを含むコーティング液を基材の上に塗工する工程を有する、偏光フィルムの製造方法。
    Figure 0005942318
    は、少なくとも1つの−SOM基を有するナフチレン基を表し、Xは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のチオアルキル基、ハロゲノ基、又は、極性基を表し、添え字kは、前記Xの置換数である0〜5の整数を表し、Mは、対イオンを表し、前記kが2以上の整数である場合、前記Xは、それぞれ同一又は異なり、Q は、下記式(Q1−1)で表されるフェニル基であり、
    Figure 0005942318
    Yは、−SO M基以外の非環式構造の置換基を表し、添え字mは、Yの置換数である0〜4の整数を表し、添え字lは、−SO M基の置換数である1〜5の整数を表し、1≦l+m≦5であり、前記mが2以上である場合、前記Yは、それぞれ同一又は異なる。
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