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JP5817316B2 - 漏電遮断器 - Google Patents

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JP5817316B2
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Description

本発明は、過電流、短絡のほか漏電時の回路遮断機能を持つ漏電遮断器に関し、さらに詳しくは漏電に対する人体保護を確保しつつ不要な遮断動作を回避する漏電遮断器に関する。
漏電遮断器は、過電流、短絡のほか漏電時の回路遮断機能を持つもので、漏電検出用に例えば零相変流器が組み込まれている。零相変流器は、地絡故障時に流れる零相電流を検出する変流器である。即ち、通常三相電流のベクトル和は0になるが、地絡すると、グランドを電路とし電流が流れるため、ベクトル和が0にならない性質を用いて、漏電遮断器は地絡故障や漏電を検出する。
図9は、例えば特許文献1に開示された、従来の漏電遮断器のブロック図、図10はそのタイムチャートを示している。図9及び図10において、主回路導体2は二本の導線で、往復の電流Iが流れる。即ち、主回路導体2では、健全状態では二本の導線に流れる電流の和はゼロであるが、漏電や地絡等ではその電流の和がゼロにならず、差異電流が流れる。なお、主回路導体2の端部に表示されたR、Sは三相交流の給電側の相を表すもので、第1相(R)・第2相(S)・第3相(T)と順番が付けられる。また、主回路導体2の端部に表示されたU、Vは三相交流の受電側の相を表すもので、第1相(U)・第2相(V)・第3相(W)と順番が付けられる。
漏電遮断器の遮断器1は、主回路導体2の給電側に設けられるもので、主回路導体2に漏洩電流が流れると、遮断器1の開極が行われて、回路遮断が行われる。零相変流器(以下、ZCTと記す)3は主回路導体2が貫通するもので、主回路導体2に漏電電流が流れると、ZCT3の二次巻線3aに二次電流が発生し、この二次電流は抵抗4により電圧に変換される。
この電圧はローパルスフィルタ回路5によりインパルス性のノイズやインバータの二次側高周波漏洩電流などが吸収された後、漏電増幅回路6で増幅され、その出力は第1の比較器7のしきい値で正極,負極に分けてパルス化される。更に、第1の比較器7の出力は積分回路8により積分される。そして、積分回路8の積分値が第2の比較器9のしきい値を超えると、第2の比較器9の出力信号αがLからHに変化する。遮断信号出力回路10は、第2の比較器9の出力信号αの変化に基づいて、引外し信号γをLからHに変化させる。引外しコイル11は、引外し信号γの変化に基づいて、遮断器1の開極を行なう。
このように構成された装置においては、ZCT3からの出力を抵抗4により電圧変換して検出するので、交流の漏電電流のみを検出するものである。典型的な場合には、主回路導体2に流れる電流は10A〜800Aで、漏電電流としては15mA〜500mA程度の微小な差異電流である。そこで、ZCT3は、主回路導体2に流れる微小な差異電流を高精度で検出できるものがよい。
ところで、非特許文献1に記載されているように、人体に対する電流の影響は、直流と交流で相違する。非特許文献1の図20には、交流電流(15〜100Hz)における電流継続時間と人体電流の値に応じた人体の生理学的影響の説明図がある。また、非特許文献1の図22には、直流電流における電流継続時間と人体電流の値に応じた人体の生理学的影響の説明図がある。
漏電遮断器は、人体保護のためには高感度且つ高速形が使用されており、商用周波数(50Hz、60Hz)に適合させるため、定格感度電流は30mA、漏電遮断器の遮断時間は0.1秒以内と定められている。
特開2000−102158号公報
規格番号:JIS TS C0023−1、標題:「人間及び家畜に関する電流の影響 第1部:一般分野」、対応国際規格:IEC/TS60479−1
しかしながら、定格感度電流を敏感な側に定めると確実に人体保護がなされるが、漏電遮断器は不要動作しやすくなり、感電以外でも動作して電源を停めてしまうという課題がある。非特許文献1で説明しているように、感電に対する人体の生理学的影響は、交流電流について0.5mA以下では知覚のみである。これに対して、直流電流について2mA以下でも知覚のみである。即ち、直流電流については、定格感度電流を数倍程度高くしても、交流電流と同等の人体保護がなされる。すなわち、本発明者による鋭意の検討の結果、直流電流については、定格感度電流を30mA以上、漏電遮断器の遮断時間を0.1秒以上と定めても、十分な人体保護ができると共に、漏電遮断器の不要動作を抑止できることが、判明した。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、漏電遮断器の不要動作を抑えながら、人体保護を可能とする漏電遮断器を提供することにある。
本発明の漏電遮断器は、導体を囲む磁気コア及びこの磁気コアに巻回した二次巻線を有する変流器と、前記二次巻線に励磁電流を供給する励磁回路と、前記励磁電流から前記導体における直流成分から交流成分までの漏洩電流を含む測定信号を検出する測定信号検出回路と、前記測定信号を直流成分と交流成分とに分離する分離回路と、前記漏洩電流の直流成分に対応する直流定格感度電流値が設定される直流用定格感度設定部と、前記漏洩電流の交流成分に対応する交流定格感度電流値が設定される交流用定格感度設定部と、前記導体を遮断可能な遮断器と、前記分離回路で分離された前記直流成分が前記直流用定格感度設定部で設定された直流定格感度電流値を超える場合、及び/又は、前記分離回路で分離された前記交流成分が前記交流用定格感度設定部で設定された交流定格感度電流値を超える場合に、前記遮断器で前記導体を遮断する遮断制御部と、を備え、前記直流定格感度電流値は、前記交流定格感度電流値よりも大きい
このように構成された漏電遮断器において、変流器は導体に流れる電流に応じた信号を生成するもので、例えば導体の漏電時に流れる零相電流を検出する零相変流器である。励磁回路は、変流器の二次巻線に励磁電流を供給する。測定信号検出回路は、この励磁電流から、導体における直流成分から交流成分までの漏洩電流を含む測定信号を検出する。分離回路は、測定信号検出回路で検出された漏洩電流を含む測定信号を直流成分と交流成分に分離する。直流用定格感度設定部は、漏洩電流の直流成分に対応する直流定格感度電流値が設定されるものであり、交流用定格感度設定部は、漏洩電流の交流成分に対応する交流定格感度電流値が設定されるものである。遮断制御部は、測定信号検出回路で検出された測定信号の直流成分が直流用定格感度設定部で設定された直流定格感度電流値を超える場合、及び/又は、測定信号検出回路で検出された測定信号の交流成分が交流用定格感度設定部で設定された交流定格感度電流値を超える場合に、導体を遮断器で遮断することを特徴とする。
本発明の漏電遮断器は、導体を囲む第1の磁気コア及びこの第1の磁気コアに巻回した第1の二次巻線を有する第1の変流器と、第1の変流器の二次巻線に誘起される信号から前記導体における漏洩電流の交流成分を含む第1の測定信号を検出する第1の測定信号検出回路と、前記漏洩電流の交流成分に対応する交流定格感度電流値が設定される交流用定格感度設定部を有する。また、導体を囲む第2の磁気コア及びこの第2の磁気コアに巻回した第2の二次巻線を有する第2の変流器と、前記第2の二次巻線に励磁電流を供給する励磁回路と、前記励磁電流から前記導体における直流成分から交流成分までの漏洩電流を含む第2の測定信号を検出する第2の測定信号検出回路と、前記第2の測定信号から直流成分を分離する分離回路と、漏洩電流の直流成分に対応する直流定格感度電流値が設定される直流用定格感度設定部と、前記導体を遮断可能な遮断器と、前記第1の測定信号検出回路で検出された第1の測定信号が前記交流用定格感度設定部で設定された交流定格感度電流値を超える場合、及び/又は、前記分離回路で分離された前記直流成分が前記直流用定格感度設定部で設定された直流定格感度電流値を超える場合に、前記遮断器で前記導体を遮断する遮断制御部と、を備え、前記直流定格感度電流値は、前記交流定格感度電流値よりも大きいことを特徴とする。
このように構成された漏電遮断器において、第1の変流器、第1の測定信号検出回路、交流用定格感度設定部は、第1の測定信号検出回路で検出した第1の測定信号が、漏洩電流の交流電圧感度電流値を超える場合に、遮断器と遮断制御部で導体の遮断を行なわせる。また、第2の変流器、励磁回路、第2の測定信号検出回路、前記分離回路、直流用定格感度設定部は、第2の測定信号検出回路で検出した第2の測定信号の直流成分が、漏洩電流の直流電圧感度電流値を超える場合に、遮断器と遮断制御部で導体の遮断を行なわせる。
好ましくは、本発明の漏電遮断器において、前記分離回路は、DC検出フィルター回路を有し、直流用定格感度設定部は、DC検出フィルター回路で分離された測定信号の直流成分の値を、DC成分しきい値と比較するDC成分比較器を有し、前記遮断制御部は、DC成分比較器の出力に基づいて、前記遮断器を構成する引外しコイルに遮断信号を出力する遮断信号出力回路を有するとよい。
好ましくは、本発明の漏電遮断器において、分離回路は、AC検出フィルター回路を有している。交流用定格感度設定部は、AC検出フィルター回路で分離された測定信号の交流成分の値を、第1のAC成分しきい値と比較する第1のAC成分比較器と、第1のAC成分比較器の出力信号を積分するAC成分積分回路と、AC成分積分回路の積分値を第2のAC成分しきい値と比較する第2のAC成分比較器とを有する。そして、前記遮断制御部は、第2のAC成分比較器の出力に基づいて、前記遮断器を構成する引外しコイルに遮断信号を出力する遮断信号出力回路を有するとよい。
好ましくは、本発明の漏電遮断器において、直流用定格感度設定部は、交流用定格感度設定部で設定される漏電遮断器の開極を行うための閾値と比較して、より大きな漏洩電流を許容するDC成分しきい値を有するとよい。
好ましくは、本発明の漏電遮断器において、測定信号検出回路又は第2の測定信号検出回路は、この励磁電流の変化に応じた信号を入力すると共に、この信号に前記導体における直流成分から交流成分までの漏洩電流成分が含まれるように構成するとよい。
好ましくは、本発明の漏電遮断器において、励磁回路は、二次巻線に極性の反転する励磁電流を供給し、前記励磁電流の変化に応じた信号を出力するもので、励磁回路が二次巻線に供給する励磁電流は、磁気コアの磁束密度が残留磁束密度以上になるように構成するとよい。
好ましくは、本発明の漏電遮断器において、励磁回路は、オペアンプと、オペアンプの出力電圧を分圧し、当該分圧電圧をオペアンプの第1の入力端子に供給する閾値電圧設定器と、オペアンプの第2の入力端子に一端が接続される抵抗とを含み、オペアンプの第2の入力端子と出力端子との間に、二次巻線を接続するとよい。好ましくは、本発明の漏電遮断器において、閾値電圧設定器は励磁電流を励磁回路の消費電流が小さくなるように定めるとよい。
好ましくは、本発明の漏電遮断器において、励磁回路は、二次巻線に極性の反転する矩形波の励磁電流を供給すると共に、磁気コアの磁束密度が飽和状態又はその近傍の状態になるような前記励磁電流を供給する。測定信号検出回路又は第2の測定信号検出回路は、励磁回路から出力される矩形波の励磁電流のデューティ比の変化に基づいて、測定信号を検出するように構成するとよい。
本発明の漏電遮断器は、導体を囲む磁気コア及びこの磁気コアに巻回した二次巻線を有する変流器と、変流器の二次巻線に励磁電流を供給する励磁回路と、この励磁回路の供給する励磁電流から、導体における直流成分から交流成分までの漏洩電流を含む測定信号を検出する測定信号検出回路を有する。そして、測定信号検出回路で測定した測定信号を直流成分と交流成分に分離することで、漏洩電流を直流成分と交流成分に分離する。交流用定格感度設定部と直流用定格感度設定部で、直流成分と交流成分の定格感度電流値を各々設定することで、導体を遮断するに際して、不要動作することなく、安全に人体保護できるという利点がある。
本発明の漏電遮断器の一実施形態を示すブロック図である。 励磁回路の一実施例を示す回路図である。 出力端子間電圧Voの波形図である。 磁気コアの磁界の強さと磁束密度の関係を示す特性線図、及び励磁電流の波形図である。 励磁回路の他の実施例を示す回路図である。 オペアンプの出力端子電圧Vaの波形図と、二次巻線の励磁電流の波形図である。 磁気コアの磁界の強さと磁束密度の関係を示す特性線図、及び励磁電流の波形図である。 本発明の漏電遮断器の他の実施形態を示すブロック図である。 交流を検出する従来の漏電遮断器のブロック図である。 図9の装置のタイムチャートを示す図である。
以下、図面を用いて本発明を説明する。図1は、本発明の漏電遮断器の一実施形態を示すブロック図である。なお、図1において、図9と同一作用をするものには、同一符号を付して、説明を省略する。
図1において、主回路導体2は導線2a、2bが2本の場合を示しており、流れる電流をIとしている。なお、主回路導体2は導線が1本でもよく、また三相対応の3本でもよい。零相変流器12は、円環状の磁気コア12bと、磁気コア12bに巻装された所定巻数の二次巻線12aを有している。二次巻線12aは、励磁回路13の励磁コイルとして用いられる。磁気コア12bは、その内側に主回路導体2が挿通されている。零相変流器12は、図9の零相変流器3と比較すると、励磁回路13と測定信号検出回路14により、交流成分だけでなく直流成分も検出できる構成としてある。
励磁回路13は、零相変流器12の二次巻線12aを励磁コイルとして、励磁電流を送ると共に、その励磁電流の変化に応じた電圧を出力電圧として出力する。励磁回路13の励磁電流は、例えば、二次巻線12aに極性が反転する程度の励磁電流を供給するもので、後で詳細に説明する。励磁回路13の励磁電流の発振周波数は、主回路導体2に流れる商用交流電流の周波数と比較して、高い周波数に定めるのがよい。測定信号検出回路14は、主回路導体2における直流成分から交流成分までの漏洩電流を含む測定信号を検出する機能を有する。測定信号検出回路14の測定信号を検出する機能は、励磁回路13の出力する励磁電流の変化に応じた電圧に対応して、ローパルスフィルタ回路、AD変換器、デューティ比の検出回路等が用いられる。
ローパルスフィルタ回路5は、励磁回路13の出力信号に対してインパルス性のノイズやインバータの二次側高周波漏洩電流などを平滑化し、その平滑化された出力信号を、漏電増幅回路6に供給する。漏電増幅回路6は、ローパルスフィルタ回路5で平滑化された信号を増幅し、増幅した信号を、AC検出フィルター回路16と、DC検出フィルター回路26とのそれぞれに供給する。
AC検出フィルター回路16は、漏電増幅回路6の出力信号のうち、商用周波数程度の交流成分を分離するもので、そのAC検出フィルター回路16を通過する信号の帯域には、例えば非特許文献1に示すように、15〜100Hzを含むものである。第1のAC成分比較器17は、AC検出フィルター回路16で分離された測定信号の交流成分の値を、第1のAC成分しきい値と比較して、測定信号の交流成分の値が第1のAC成分しきい値と比較して大きいか小さいかに応じて、H、Lの二値信号にパルス化する。AC成分積分回路18は、第1のAC成分比較器17の出力信号を積分する。第2のAC成分比較器19は、遮断器1の開極を行うための第2のAC成分しきい値を有し、AC成分積分回路18の積分値が第2のAC成分しきい値を超えるか、その値以下であるかのH、Lの二値信号を出力する。交流成分の検出感度は、交流定格感度電流値としての第1のAC成分しきい値と第2のAC成分しきい値で定められ、人体保護として例えば、定格感度電流は30mA、漏電遮断器の遮断時間は0.1秒以内と定められる。
一方、DC検出フィルター回路26は、漏電増幅回路6の出力信号のうち、直流成分を分離するもので、例えばこの出力信号の平均値を出力する。DC成分比較器27は、DC検出フィルター回路26で分離された測定信号の直流成分の値を、直流定格感度電流値としてのDC成分しきい値と比較して、両者の大小に応じて、H、Lの二値信号を出力する。直流成分の検出感度は、DC成分しきい値で定められ、人体保護として例えば定格感度電流は50mA、漏電遮断器の遮断時間は0.1秒以内と定められる。なお、漏電増幅回路6、AC検出フィルター回路16、DC検出フィルター回路26は、測定信号検出回路14の測定信号を交流成分と直流成分に分離する分離回路として作用する。
OR論理回路20は、第2のAC成分比較器19の出力信号と、DC成分比較器27の出力信号とを入力し、AC成分積分回路18の積分値が第2のAC成分しきい値を超えるか、又はDC検出フィルター回路26の出力信号が第2のDC成分しきい値を超える場合に、遮断器1の開極を行うための信号を出力する。遮断信号出力回路10は、OR論理回路20から送られる信号に応じて、測定信号が交流成分又は直流成分の検出感度の設定値を超過した状態の場合に、引外し信号γを引外しコイル11に出力する。引外しコイル11は、引外し信号γに応じて、遮断器1の開極を行なう。なお、OR論理回路20、遮断信号出力回路10及び引外しコイル11は、遮断制御部に対応する。
続いて、励磁回路13の回路構造とその動作の一例を説明する。図2は、励磁回路の一実施例を示す回路図である。励磁回路13は、二次巻線12aに極性の反転する励磁電流を供給すると共に、その励磁電流の変化に応じた電圧を出力電圧として出力する。この励磁電流の大きさは、図4に示すように、磁気コア12bの磁束密度が残留磁束密度以上になるように設定されている。測定信号検出回路14における主回路導体における直流成分から交流成分までの漏洩電流を含む測定信号を検出する機能は、この実施形態では、図1の装置におけるローパルスフィルタ回路5が実現している。
励磁回路13は、オペアンプ131を有している。オペアンプ131は、コンパレータとして動作するもので、併せて出力端子と反転入力端子の間に二次巻線12aが接続されている。オペアンプ131の出力端子電圧はVa、反転入力端子電圧はVdとし、二次巻線12aの励磁電流をIbとする。
分圧抵抗133、134はオペアンプ131の出力電圧Vaを分圧した分圧電圧を、オペアンプ131の非反転入力端子に閾値電圧Vthとして設定するもので、閾値電圧設定器として構成されている。そして、分圧抵抗133は、オペアンプ131の出力端子と非反転入力端子の間に接続される。分圧抵抗134は、オペアンプ131の非反転入力端子とグランドとの間に接続されている。抵抗132は、オペアンプ131の反転入力端子に接続されたもので、二次巻線12aにも接続されている。
ローパルスフィルタ回路5は、測定信号検出回路14の機能を兼ねるもので、抵抗51とコンデンサ52のRC回路を有する。ここでは、抵抗51とコンデンサ52のRC回路は、励磁回路13の下流側に設けられている。即ち、抵抗51は、抵抗132と接続されて、二次巻線12aの励磁電流Ibに応じた電圧Vdを入力する。抵抗51とコンデンサ52の接続点は、漏電増幅回路6との出力端子53と接続されている。コンデンサ52の両端は、出力端子53、54と接続されている。出力端子54は、グランドに接続されている。
このように構成された励磁回路の動作を説明する。オペアンプ131は、図2に示すように、オペアンプ131の出力電圧Vaを分圧抵抗133、134で分圧した分圧電圧を、閾値電圧Vthとしてオペアンプ131の非反転入力端子に供給している。そこで、オペアンプ131は閾値電圧Vthと二次巻線12aと抵抗132との接続点電圧Vdとを比較して、その比較出力を矩形波として出力側から出力する。
いま、オペアンプ131の出力側の出力電圧Vaがハイレベルになると、これが二次巻線12aの一端に印加される。このため、二次巻線12aは、出力電圧Vaと抵抗132、51の抵抗値に応じた励磁電流Ibで励磁される。励磁電流Ibは、二次巻線12aのインダクタンス値に応じて増加してゆく。このとき、オペアンプ131の非反転入力端子には、出力電圧Vaを分圧抵抗133、134で分圧した比較的大きな閾値電圧Vthが入力されている。
一方、オペアンプ131の反転入力端子における、二次巻線12aと抵抗132の接続点電圧Vdは、二次巻線12aの励磁電流Ibの増加に応じて増加する。そして、この接続点電圧Vdが非反転入力端子の閾値電圧Vthを上回ると、オペアンプ131の出力電圧Vaがローレベルに反転する。すると、これに応じて、二次巻線12aを流れる励磁電流Ibの極性が反転し、励磁電流Ibは減少してゆく。このとき、出力電圧Vaがローレベルであるため、閾値電圧Vthも低い電圧となっている。すると、オペアンプ131の反転入力端子における、二次巻線12aと抵抗132の接続点電圧Vdは、二次巻線12aの励磁電流Ibの減少に応じて減少する。そして、この接続点電圧Vdが非反転入力端子の閾値電圧Vthを下回ると、オペアンプ131の出力電圧Vaがハイレベルに反転する。
このため、オペアンプ131の出力電圧Vaは、ハイレベルとローレベルを繰り返す矩形波電圧となる。また、二次巻線12aの励磁電流Ibは、増加及び減少を繰り返す鋸歯状波電流となる。このような動作に伴って、オペアンプ131の反転入力端子における、二次巻線12aと抵抗132の接続点電圧Vdは変化する。すると、ローパルスフィルタ回路5の出力端子53、54間電圧Voは、図3に示すように、正弦波を含む波形となる。この出力電圧Voの振動成分の大きさは、主回路導体2を流れる電流Iの変化に応じて、上下に変化する。測定信号検出回路14は、出力端子間電圧Voが入力されると、例えば振幅の変化分・平均値の変化分・励磁周波数の変化を検出して、漏電や地絡の検出を行う。
図4(A)は磁気コアの磁界の強さと磁束密度の関係を示すB−H特性線図、図4(B)は励磁電流の波形図である。磁気コア12bは、例えば図4(A)に示すB−H特性を有している。この磁気コア12bのB−H特性は、二次巻線12aに励磁電流が流れることにより発生する磁界Hの大きさと磁束密度Bとの関係を示すものであり、磁気コア12bの材料によって定まる。
磁気コア12bに磁界をかけると磁束密度が変化するが、磁界の大きさがある値になると磁束密度の変化がなくなり、この最大の磁束密度が飽和磁束密度Bsである。また、磁気コア12bに一度磁界をかけると、磁界の大きさをH=0にしても内部に磁束が残り、これが残留磁束密度Brである。
磁気コア12bは、一般的な磁性体材料による場合と、高透磁率材料からなる角形の場合とでは、B−H特性が異なる。高透磁率材料によれば、磁気コア12bの二次巻線12aに励磁電流を供給する際に、励磁回路13の消費電流を抑えることができるという利点がある。しかし、磁気コア12bに高透磁率材料を用いると、生産コストが増大するという不利益を生ずる。そこで、本実施例では一般的な磁性体材料を磁気コア12bに用いている。
磁気コア12bとして一般的な磁性体材料を使用する場合、励磁回路13の消費電流を抑えるためには、二次巻線12aに供給する励磁電流を抑えるのが論理的である。しかし、励磁電流の振幅を抑えると、磁気コア12bのB−H特性は、小さなヒステリシスループを描く。すると、小さなヒステリシスループによって、(i)磁気コア12bのインピーダンスの変化に影響を及ぼす可能性がある、(ii)そのインピーダンス変化によって、主回路導体2を流れる電流Iの変化を計測するので、漏洩電流の計測精度にも影響を与える可能性がある、という課題が発生する。
そこで、本実施形態では、図4(B)に示すように、励磁回路13が二次巻線12aに供給する励磁電流の振幅は、磁気コア12bの磁束密度が残留磁束密度Br以上になるように構成している。また、磁気コア12bの磁束密度は、飽和磁束密度Bsを超えることはない。そこで、二次巻線12aに供給される励磁電流において、その上限値は飽和磁束密度Bsに対応する磁界Hの大きさから定まる。
図4(B)に示すような励磁電流は、分圧抵抗133、134で分圧されるオペアンプ131の閾値電圧Vthを、磁気コア12bのB−H特性に応じて、予め設定しておくことで、実現される。
図5は、励磁回路の他の実施例を示す回路図である。励磁回路13aは、オペアンプ135を有している。オペアンプ135は、コンパレータとして動作するもので、併せて出力端子と反転入力端子の間に二次巻線12aが接続されている。オペアンプ135の出力端子電圧はVa、反転入力端子電圧はVdとし、二次巻線12aの励磁電流をIbとする。
また、オペアンプ135の反転入力側は抵抗136を介してグランドに接続され、オペアンプ135の非反転入力側は、オペアンプ135の出力側及びグランド間に直列に接続された分圧抵抗137及び138間に接続されている。そして、オペアンプ135の出力側及びグランドが出力端子to1及びto2に接続されている。
このように構成された装置の動作を次に説明する。図6(a)は、オペアンプの出力端子電圧Vaの波形図、図6(b)は二次巻線の励磁電流の波形図で、実線は主回路導体2に流れる電流Iの和がゼロ、破線は電流Iの和が差電流Cの場合を示している。励磁回路13aでは、分圧抵抗137及び138の接続点Eの閾値電圧Vthがオペアンプ135の非反転入力側に供給されており、この閾値電圧Vthと二次巻線12a及び抵抗136との接続点Dの電圧Vdとが比較されて、その比較出力が図6(a)に示す矩形波として出力側から出力される。
今、図6(a)に示すように、時点t1で、オペアンプ135の出力側の出力電圧Vaがハイレベルとなると、これが二次巻線12aに印加される。このため、二次巻線12aを出力電圧Vaと抵抗136の抵抗値R136とに応じた励磁電流Ibで励磁する。このとき、励磁電流Ibは、図6(b)に示すように、出力電圧Vaの立ち上がり時点t1から比較的急峻に立ち上がり、その後緩やかに増加する放物線状に増加する。
このとき、オペアンプ135の非反転入力側には、出力電圧Vaを分圧抵抗137及び138の接続点Eで得られる分圧抵抗137及び138の抵抗値R137及びR138で分圧された比較的大きな閾値電圧Vthが入力されている。一方、オペアンプ135の反転入力側の二次巻線12a及び抵抗136の接続点Dの電圧Vdは、二次巻線12aの励磁電流Ibの増加に応じて増加し、この電圧Vdが時点t2で非反転入力側の閾値電圧Vthを上回ると、オペアンプ135の出力電圧Vaが図6(a)に示すように、ローレベルに反転する。これに応じて二次巻線12aを流れる励磁電流Ibの極性が反転し、励磁電流Ibは最初は急峻に低下し、その後緩やかに低下する放物線状に減少する。
このとき、閾値電圧Vthは、ローレベルとなっていることにより、閾値電圧Vthも低い電圧となっている。そして、オペアンプ135の反転入力側の二次巻線12a及び抵抗136の接続点Dの電圧Vdが、二次巻線12aの励磁電流Ibの減少に応じて減少し、この電圧Vdが時点t3で非反転入力側の閾値電圧Vthを下回ると、オペアンプ135の出力電圧Vaが図6(a)に示すように、時点t1と同様にハイレベルに反転する。このため、出力電圧Vaは、図6(a)に示すように、ハイレベル及びローレベルを繰り返す矩形波電圧となり、励磁回路13aが非安定マルチバイブレータとして動作する。そして、二次巻線12aの励磁電流は、図6(b)に示すように増加及び減少を繰り返す鋸歯状波電流となる。
ところで、磁気コア12bは、図7(a)に示すように角型比の大きな磁束密度Bと磁界の強さHとの関係を表すB−H特性を有し、高透磁率材料の非線型な特性を有する。このB−H特性を有する磁気コア12bのインダクタンスは、導線2a、2bの差電流が零であるときに、図7(b)に示すように飽和電流付近Gで急激に消失する。磁気コア12bを貫通する導線2a、2bに任意の検出対象となる微小な差電流Cが生じると、図6(b)のB−H特性は、破線図示のように差電流Cに応じて磁界の強さHの正方向にシフトしてインダクタンスが消失するタイミングが変化する。
このため、電流が零のときにインダクタンスが飽和する電流(図7のG)と励磁電流Ibの極性が切り換わる電流(図6のF)とを一致させる。そうすると、インダクタンスが飽和する電流(図7のJ)が導線2a、2bの差電流の電流値Cに応じて変化するので、励磁電流Ibの極性が切り換わる電流(図6(b)のH)も同様に変化することになる。
この励磁電流Ibの極性が切り換わる電流値が変化することにより、二次巻線12aと抵抗136との接続点Dの電圧Vdが閾値電圧Vthを上回るタイミングが遅れることになり、オペアンプ135から出力される出力電圧Vaの立ち下がり時点が導線2a、2bの差電流の電流値Cに応じて図6(a)で破線図示のように遅れる。このため、出力電圧Vaの矩形波電圧のデューティ比が導線2a、2bの差電流の電流値Cに応じて変化する。
したがって、励磁回路13aの出力端子to1及びto2にデューティ比を検出する測定信号検出回路としての測定信号検出回路14を接続する。この測定信号検出回路14で、出力電圧Vaのハイレベル状態を維持している時間とローレベル状態を維持している時間とを計測することにより、デューティ比を検出することができ、検出したデューティ比に基づいて導線2a、2bの差電流の電流値Cを検知することができる。
このように、図5の実施形態によると、測定電流が流れる導線を貫通させた1つの磁気コア12bと、この磁気コア12bに巻回された1つの二次巻線12aとを備え、二次巻線12aに励磁回路13aで矩形波電圧を印加したときの二次巻線12aを流れる励磁電流Ibの極性切り換わり電流と電流が零であるときに磁気コア12bのインダクタンスが飽和する電流とを一致させている。すると、励磁回路13aの出力電圧Vaのデューティ比を測定電流の電流値Cに応じて変化させ、このときのデューティ比を測定信号検出回路14で検出するだけの簡易な構成で、磁気コア12bを貫通する導線2a、2bを流れる微小電流を広範囲に確実に検知することができ、低コスト化を図ることができる。
図8は、本発明の漏電遮断器の他の実施形態を示すブロック図である。図において、漏洩電流の交流成分に対する漏電遮断機能と、漏洩電流の直流成分に対する漏電遮断機能が並列に設けられている。漏洩電流の交流成分に対する漏電遮断機能は、図9で説明したものとほぼ同じである。即ち、主回路導体2が貫通する第1の零相変流器3と、第1の零相変流器3の二次巻線3aに誘起される電流信号を電圧信号に変換する抵抗4と、主回路導体2における漏洩電流の交流成分を検出するローパルスフィルタ回路5を有する。抵抗4とローパルスフィルタ回路5は、第1の測定信号検出回路としての交流漏洩電流検出回路を構成している。
交流用定格感度設定部は、交流漏洩電流検出回路で検出された漏洩電流の交流成分に対応して設定される回路で、第1の比較器7、積分回路8、第2の比較器9で構成される。第1の比較器7、積分回路8、第2の比較器9については、既に図9で説明してあるので、重複する説明を省略する。遮断信号出力回路10と引外しコイル11についても、同様である。OR論理回路20は、第2の比較器9の出力信号と、DC成分比較器27の出力信号を入力し、積分回路8の積分値が第2の比較器9のしきい値を超えるか、又はDC検出フィルター回路26の出力信号が第2のDC成分しきい値を超える場合に、漏電遮断器1の開極を行うための信号を出力する。
漏洩電流の直流成分に対する漏電遮断機能は、図1の実施例で説明したものとほぼ同じである。即ち、主回路導体2が貫通する第2の零相変流器12と、第2の零相変流器12の二次巻線12aに励磁電流を供給する励磁回路13と、主回路導体2における直流成分から交流成分までの漏洩電流を含む測定信号を検出する測定信号検出回路14を備える。直流漏洩電流検出回路は、測定信号検出回路14で検出した測定信号から直流成分を分離する分離回路で、ローパルスフィルタ回路5、漏電増幅回路6、DC検出フィルター回路26を有している。直流用定格感度設定部は、DC成分比較器27を有している。OR論理回路20、遮断信号出力回路10、引外しコイル11については、漏洩電流の交流成分に対する漏電遮断機能と共用している。
このように構成された装置においても、交流用定格感度設定部には、漏洩電流の交流成分に対応して設定されており、漏電遮断器が遮断する漏洩電流の交流電圧感度を設定してある。直流用定格感度設定部には、漏洩電流の直流成分に対応して設定されており、漏電遮断器が遮断する漏洩電流の直流電圧感度を設定してある。そして、直流用定格感度設定部は、前記交流用定格感度設定部で設定される漏電遮断器の開極を行うための閾値と比較して、より大きな漏洩電流を許容するDC成分しきい値を有する。そこで、主回路導体を遮断するに際して、不要動作することなく、安全に人体保護できるという利点がある。
なお、上記の実施形態の説明においては、励磁回路と測定信号検出回路として図2〜図4の実施例のように、磁気コアの磁性材料に一般的な磁性体材料を用いると共に、励磁回路が二次巻線に供給する励磁電流は、磁気コアの磁束密度が残留磁束密度以上になるように構成したものを提案している。また、図5〜図7の実施例のように、磁気コアの磁性材料に角形のB−H特性を有する高透磁率材料を用いると共に、励磁回路が二次巻線に供給する励磁電流は、磁気コアの磁束密度が飽和状態又はその近傍の状態になるように構成したものを提案している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、磁気コアの磁性材料には種々のものが利用でき、励磁電流も適宜に選択できる。また、測定信号検出回路にも、励磁回路との協調を推進したものや、励磁回路に対する独立性の高いものなど、各種のものが利用できる。
本発明の漏電遮断器は、検出した漏洩電流を直流成分と交流成分に分離し、直流成分と交流成分の漏電感度電流値を各々設定することで、漏電遮断について不要動作することなく、安全に人体保護できる。
1 漏電遮断器
2 主回路導体
2a、2b 導線
3、12 零相変流器(ZCT)
3a 二次巻線
4、51、132、133、134 抵抗
5 ローパルスフィルタ回路
6 漏電増幅回路
7 第1の比較器
8 積分回路
9 第2の比較器
10 遮断信号出力回路
11 引外しコイル
12a 二次巻線、励磁コイル
12b 磁気コア
13、13a 励磁回路
131、135 オペアンプ
14 測定信号検出回路
16 漏洩電流の交流成分分離回路(AC検出フィルター回路)
17、18、19 交流用定格感度設定部
20 OR論理回路
26 漏洩電流の直流成分分離回路(DC検出フィルター回路)
27 直流用定格感度設定部

Claims (4)

  1. 導体を囲む磁気コア及びこの磁気コアに巻回した二次巻線を有する変流器と、
    前記二次巻線に励磁電流を供給する励磁回路と、
    前記励磁電流から前記導体における直流成分から交流成分までの漏洩電流を含む測定信号を検出する測定信号検出回路と、
    前記測定信号を直流成分と交流成分とに分離する分離回路と、
    前記漏洩電流の直流成分に対応する直流定格感度電流値が設定される直流用定格感度設定部と、
    前記漏洩電流の交流成分に対応する交流定格感度電流値が設定される交流用定格感度設定部と、
    前記導体を遮断可能な遮断器と、
    前記分離回路で分離された前記直流成分が前記直流用定格感度設定部に設定された直流定格感度電流値を超える場合、及び/又は前記分離回路で分離された前記交流成分が前記交流用定格感度設定部に設定された交流定格感度電流値を超える場合に、前記遮断器で前記導体を遮断する遮断制御部と、を備え
    前記直流定格感度電流値は、前記交流定格感度電流値よりも大きいことを特徴とする漏電遮断器
  2. 導体を囲む第1の磁気コア及びこの第1の磁気コアに巻回した第1の二次巻線を有する第1の変流器と、
    前記第1の二次巻線に誘起される信号から前記導体における漏洩電流の交流成分を含む第1の測定信号を検出する第1の測定信号検出回路と、
    前記漏洩電流の交流成分に対応する交流定格感度電流値が設定される交流用定格感度設定部と、
    前記導体を囲む第2の磁気コア及びこの第2の磁気コアに巻回した第2の二次巻線を有する第2の変流器と、
    前記第2の二次巻線に励磁電流を供給する励磁回路と、
    前記励磁電流から前記導体における直流成分から交流成分までの漏洩電流を含む第2の測定信号を検出する第2の測定信号検出回路と、
    前記第2の測定信号から直流成分を分離する分離回路と、
    前記漏洩電流の直流成分に対応する直流定格感度電流値が設定される直流用定格感度設定部と、
    前記導体を遮断可能な遮断器と、
    前記第1の測定信号検出回路で検出された前記第1の測定信号が前記交流用定格感度設定部に設定された交流定格感度電流値を超える場合、及び/又は前記分離回路で分離された前記直流成分が前記直流用定格感度設定部に設定された直流定格感度電流値を超える場合に、前記遮断器で前記導体を遮断する遮断制御部と、を備え、
    前記直流定格感度電流値は、前記交流定格感度電流値よりも大きいことを特徴とする漏電遮断器。
  3. 前記分離回路は、DC検出フィルター回路を有し、
    前記直流用定格感度設定部は、前記DC検出フィルター回路で分離された前記測定信号の直流成分の値を、DC成分しきい値と比較するDC成分比較器を有し、
    前記遮断制御部は、前記DC成分比較器の出力に基づいて、前記遮断器を構成する引外しコイルに遮断信号を出力する遮断信号出力回路を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の漏電遮断器。
  4. 前記分離回路は、AC検出フィルター回路を有し、
    前記交流用定格感度設定部は、
    前記AC検出フィルター回路で分離された前記測定信号の交流成分の値を、第1のAC成分しきい値と比較する第1のAC成分比較器と、
    前記第1のAC成分比較器の出力信号を積分するAC成分積分回路と
    前記AC成分積分回路の積分値を第2のAC成分しきい値と比較する第2のAC成分比較器と、
    を有し、
    前記遮断制御部は、前記第2のAC成分比較器の出力に基づいて、前記遮断器を構成する引外しコイルに遮断信号を出力する遮断信号出力回路を有することを特徴とする請求項1に記載の漏電遮断器。
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