JP5811439B2 - 燃料電池ユニット及び燃料電池スタック - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された燃料電池ユニットは、単セルとセパレータ板との間に、外縁部を閉塞した扁平なガス流通路を有するディスク型のものである。
また、上記の弾性突部は、集電プレートを切り起すことにより形成したものであって、傾斜させた片持ちの板ばね状になっている。
しかしながら、当該板厚面を発電用ガスの流通方向に向けて配設した状態において、発電用ガスを流通させると、発電用ガスの拡散性が低下するという課題が未解決のままであった。
また、燃料電池ユニットは、弾性突起を基板に一体に形成することにより、突起部分を別に形成してから接合するなどの工程が不要で簡便に製造でき、接合部等が無いために、接合により形成する場合に比べて弾性突起が基板と接する辺縁部の強度確保がしやすく信頼性の向上を図ることができる。
さらに、燃料電池ユニットは、変位吸収部材の基板を膜電極接合体に配置して、弾性突起を、これの鈍角をなす板面部をガス流通方向の上流側に向けて配列すると共に、各弾性突起の基端部に開口を形成したことにより、膜電極接合体の触媒層近傍の発電用ガスの流通速度を増加させるとともに、排水性の向上を図ることができ、ガス拡散距離を低減させることができる。
図1,2に示すように、上記の燃料電池スタック10は、一対のエンドプレート11,12間に、集電板13,14及び燃料電池ユニットA1を複数積層させ、かつ、それらのエンドプレート11,12により、それら燃料電池ユニットA1どうしを挟圧するようにして締結板15,16及び補強板17,17によって締結した構成のものである。なお、18で示すものはボルト、19で示すものはスペーサである。
「二種類の発電用ガス」は、水素含有ガスと酸素含有ガスである。
一側方のマニホールド部Hは、マニホールド孔H1〜H3からなる。それらマニホールド孔H1〜H3は、酸素含有ガス供給用(H1)、冷却流体供給用(H2)及び水素含有ガス供給用(H3)のものであり、図2に示す積層方向αにそれぞれの流路を形成している。
セパレータ40,41は、それぞれステンレス等の金属板をプレス成形したものであり、フレーム20と同形同大にして形成されている。
互いに積層した燃料電池ユニットA1,A1間には、それら燃料電池ユニットA1,A1のセパレータ40,41どうしを液密的に接合して、その間に冷却用流体を流通させるための冷却用流通路S3が形成されている(図4参照)。
また、フレーム20及びセパレータ40,41それぞれのマニホールドHが互いに連通して、燃料電池ユニットA1の積層方向におけるガス流通路が形成されるようになっている。
なお、本実施形態においては、説明の簡略化のために、B1〜B5で示す5つの弾性突起列を例として示している。
この弾性突起50は、ガス流通方向βから看たときに縦長方形に、かつ、ガス流通方向βと直交する方向から看たときに穏やかなS字形にして、基板51から切り起こすことにより一体で形成されている。
具体的には、弾性突起50の上下半部がそれぞれ所要曲率の円弧形に成形した穏やかなS字形に形成されている。
具体的には、基板51の開口51aであってガス流通方向βの上流側辺縁51bから、その開口51aの当該下流側辺縁51cに向けて傾けられている。
また、基板51をセパレータ40、41側に配置した場合として、上記弾性突起50は、これの鋭角をなす板面部50a(図5(B)参照)をガス流通方向βの上流側に向けて配列している。具体的には、基板51の開口51aであってガス流通方向βの下流側辺縁51bから、その開口51aの当該上流側辺縁51cに向けて傾けられている。
この場合、発電用ガスは、変位吸収部材Bの各開口51aを通じて膜電極接合体30に供給されるようになっている。
変位吸収部材Cは、図4に示すように、隣り合う燃料電池ユニットA1,A1のセパレータ40,41間に形成された上記冷却用流通路S3に配設されている。
「冷却流体」は、例えば水である。
なお、本実施形態においては、説明の簡略化のために、C1〜C5で示す5つの弾性突起列を例として示している。
本実施形態において示す弾性突起60,61は、それぞれ導電性の金属板からなる基板62に一体に形成している。
上記した「一定の間隔」は、それら弾性突起60,61の幅W1以上にしているが、これに限るものではない。
具体的には、弾性突起60は、基板62の開口62aの一側辺縁62bから、その開口62aの他側辺縁62cに向けて傾けられている一方、弾性突起61は、当該開口62aの他側辺縁62cから、その開口62aの一側辺縁62bに向けて傾けられている。
そして、本実施形態においては、図6に示すように、冷却流体流通方向βにおいて交互に配列し、かつ、同図(B)に示すように、当該弾性突起60,61どうしを互いの全長Lのほぼ中央部位で交差させている。
・弾性突起を、これの基板から切り起こして一体に形成することにより、突起部分を別に形成してから接合するなどの工程が不要で簡便に製造できる。また、接合部等が無いために、接合により形成する場合に比べて弾性突起が基板と接する辺縁部の強度確保がしやすく信頼性の向上を図ることができる。
・ ガス流通路内に乱れを生じさせることによりガス拡散性を向上させ、これにより発電 効率を向上させることができる。
同図においては、本実施形態を(ア)で示し、引用文献1に示す従来の形態を(イ)で示している。
同図から明らかなように、従来の形態(イ)に比較して、本実施形態(ア)によれば、膜電極接合体(MEA)側において発電用ガスの流通速度を増加させられることが明らかである。
同図においては、本実施形態を(ウ)で示し、引用文献1に示す従来の形態を(エ)で示している。
同図から明らかなように、従来の形態(エ)に比較して、本実施形態(ウ)によれば、膜電極接合体(MEA)側において発電用ガスの流通速度を増加させられることが明らかである。
図9は、弾性突起の他例に係る配置態様を示す概略平面図である。なお、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図10(A)に示す弾性突起70は、これの基端部70aから先端部70bに向けて幅広になる略台形に形成したものである。
図10(C)に示す弾性突起72は、上記した実施形態において説明したものと同等の縦長方形のものであり、これの下半部側に正方形の開口72aを形成したものである。
30 膜電極接合体
40,41 セパレータ
50,70〜72 弾性突起
50a 板面部
A1 燃料電池ユニット
B 変位吸収部材
S1,S2 ガス流通路
Claims (4)
- アノード及びカソードに夫々の発電用ガスを流接させることにより発電する膜電極接合体と、
上記膜電極接合体のアノード及びカソードとの間に、夫々の発電用ガスを一方向に流通させるための夫々のガス流通路を区画形成して配設されたセパレータと、
アノード及びカソードの少なくとも一方のガス流通路に配設され且つ板状体にした複数の弾性突起を基板に一体に形成した変位吸収部材とを有し、
前記変位吸収部材は、ガス流通路内を流通する発電用ガスのガス流通方向において各弾性突起を同一方向に傾斜させて、各弾性突起の板面部をガス流通方向に向けて配列していると共に、基板を膜電極接合体に配置して、各弾性突起を、これの鈍角をなす板面部をガス流通方向の上流側に向けて配列しており、
前記各弾性突起は、これの基端部に開口が形成されていることを特徴とする燃料電池ユニット。 - 弾性突起を千鳥配置にした請求項1に記載の燃料電池ユニット。
- 弾性突起は、これの基端部から先端部に向けて幅広になるように形成されている請求項1又は2に記載の燃料電池ユニット。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池ユニットを、これらの間に冷却流体を一方向に流通させるための冷却流体流通路を区画形成させて積層した燃料電池スタックにおいて、
上記冷却流体流通路に配設され且つ板状体にした複数の弾性突起を基板に一体に形成した変位吸収部材を有し、
前記変位吸収部材は、冷却流体流通路内を流通する冷却流体の流通方向において隣接する弾性突起同士が互いに交わる向きに傾いた状態で列設してあることを特徴とする燃料電池スタック。
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