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JP5801874B2 - 薬剤被覆医療器具用の改善された製剤 - Google Patents

薬剤被覆医療器具用の改善された製剤 Download PDF

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Description

本発明は、医療器具の表面に軽く付着する薬剤の、体内の部位、通常は、病変血管への送達に関連する。最も多い用途は、経皮的血管形成術(PTA)または経皮的冠動脈形成術(PTCA)中の局所薬剤治療である。これらのインターベンションは、狭窄または閉塞している血管内、通常は動脈内の血流を回復させるために実施される。カテーテルは、大動脈内に導入される。カテーテルは、先端に、非常に小さな径に折りたたまれた状態で、円筒状のバルーンを有する。この状態で、バルーンは、血管の狭窄または閉塞部位に進めるかまたは通すことができる。一旦狭い部位に位置されたら、バルーンは、低圧または高圧にて膨らませ、血管の内腔を、元の径に拡張する。同時に、薬剤は、血管壁に送達されて、損傷した血管壁の過剰増殖による再狭窄を、初期および後期に予防し得る。
医療器具は、器具の耐性、効能もしくはインビボでの耐用年数を改善するため、または器具が薬剤の運搬体として作用するために、薬剤を含んでもよい。いずれにせよ、用量密度(例えば、mg薬剤/mg器具、またはmg薬剤/mm器具表面)、化学的安定性、付着性、放出速度および放出された総量が重要であり、多くの場合、製剤の重要な特徴である。これらの特徴は、器具の製造時および使用時の要求が、大きく変われば変わるほど、または矛盾する場合でさえより重要になる。薬剤被膜した血管形成術用カテーテルは、代表的な例である。薬剤被膜は、製造の間(バルーンの折りたたみ、ステントのクリンプ、包装、利用者への運搬を含む。)、ならびに最終的な使用の間(狭い止血弁、導入シースまたはガイドカテーテル通過および屈折の可能性のある狭い変化しやすい距離の血管を通過することを含む。)、機械的ストレスに耐えるように強固に付着していなければならない。バルーンが膨らまされた際、薬剤は、1分以内に可能な限り迅速および完全に放出されなければならない。この問題は、Cremersらにより証明され(Cremers B,Biedermann M,Mahnkopf D,Bohm M,Scheller B.Comparison of two different paclitaxel−coated balloon catheters in the porcine coronary restenosis model.Clin Res Cardiol 2009;98:325−330)、Cremersらは、ブタの冠状動脈において、拡張後のバルーンから1分間に50%の投与量の薬剤を回収したが、処方の異なる同じ投与量の同じ薬剤で被膜された他のカテーテルは95%を超える投与量が放出された。ほぼ完璧な結果(即ち、損失は投与量のわずか10%であり、動脈内の拡張後のバルーンの残留薬剤は、約10%であった。)が、剛性のプロトタイプバルーンにより得られた(Scheller B,Speck U,Abramjuk C,Bernhardt U,Bohm M,Nickenig G.Paclitaxel balloon coating−a novel method for prevention and therapy of restenosis.Circulation 2004;110:810−814)。より柔軟な最新のバルーンカテーテルへの同じ被膜組成物の使用は、より多くの薬剤が早期に損失するという問題を生じている。
(先行技術:早期薬剤放出からの保護)
バルーンからの薬剤の早期放出は、種々の方法によって取り組まれている大きな問題である。これらの方法のうちの幾つかは、機械的方法であり、例えば、保護チューブ、保護スリーブ、保護エンベロープの使用である。例として、バルーンが膨らませられる前に引っ込む種々の保護シースを開示しているUSP5,370,614、USP6,306,166およびUSP6,616,650、またはバルーン拡張の間に破れるカバーを提示しているUSP6,419,692が挙げられる。異なるアプローチは、小孔を有するように構造化されているバルーン膜を開示しているUSP5,893,840、被膜の付着を強化するために粗いバルーン膜を有するWO94/23787、または、より近年では、バルーンの薬剤含有層を保護するパウチを提示しているUSP7,108,684、および折りたたまれたバルーンの折り目の下に選択的に薬剤を配置する方法を開示しているWO2009/066330において取り入れられている。しかし、これらの有効な方法は、製造の複雑性および費用を増すか、もしくは装置の操作をより難しくするか、または装置の径を大きくしてしまう(装置は、狭窄している病変通過を容易にするために可能な限り小さく保たれねばならない。)という不都合を有する。幾つかの実施形態において、保護膜または孔のある膜は、薬剤の組織への均一な移動を妨げるか、または患者を危機に晒しさえし得る。
他のアプローチは、バルーン表面からの薬剤の放出を制御するために物理的方法または化学的方法のいずれかを用いる。例えば、USP5,304,121は、誘引剤に曝された後にのみ薬剤を放出するヒドロゲルを記載する;USP5,199,951は、熱による活性化に依存する;USP7,445,792によれば、周知の物質、例えば、パクリタキセル、ラパマイシン、ブチルヒドロキシトルエンなどを含む親油性の「水和阻害剤」が、水溶性の薬剤の早期放出から保護する;USP5,370,614によると、粘性のマトリクスが、薬剤を早期放出から保護するが、粘性のマトリクスは、狭窄の血管部位を通過する間、シースによって保護されなければならない。いずれの方法も実際に試験されたことはなく、標的組織への迅速で信頼のおける完全な薬物送達の必要条件を達成することを証明されてもいない。
徐放性の薬剤放出の数多くの方法は、公知であり、実際に成功裏に使用されているが、わずか数秒または数分しか標的組織に接触しない医療器具に対しては、使用されない。徐放性の薬剤放出は、通常、表面への拡散速度を制限するポリマー内へ薬剤を埋め込むことによって達成され、この方法により、隣接する組織への送達を制御する。
従って、製造、操作および病変への経路での、被膜を早期損失から保護し、なお、使用者によって決定される位置および時点での活性成分の迅速および完全な放出を可能にする方法または製剤に対する需要が残っている。
医療機器、例えば血管形成術バルーンからの薬物の付着および放出を制御するための有利な方法は、好適な処方物の選択、および機械的保護または被膜に対するさらなる物理的相互作用もしくは化学的相互作用(薬物の放出を誘発する機器の通常の操作、例えば折り畳まれたバルーンの拡張などを除く。)を必要としない被膜の選択である。しかし、所望でありしばしば試みられているにもかかわらず、使用前の完全な付着および活性部位における迅速な放出という相反する目的は、課題を困難にしている。広範な種々の特許の適用は、薬物の選択、特定の被膜方法または種々の添加物を含む処方物の選択のいずれかによる、問題を解決する手段、組成物および機器の開示を曖昧にする。化学、薬理学または薬学の教本からコピーされている化合物の長いリストは、広範な実験の開示を伴いすらしても、この問題に対する当業者を、進歩性抜きに満足な解決に至らせるために十分に明らかとはいえない。先行技術の例として、パクリタキセルおよびラパマイシンを含む膨大な数の物質および物質のクラス、ならびに抗酸化剤アスコルビルパルミタートもしくはプロブコールであり得る添加物を挙げているUS2008/0118544、または例えばWO2004/028582に開示されるような「水和増強剤」または「拡散および溶解増強剤」を必要とする好ましいクラスの非常に親油性である薬剤に対して、使用できない「水和阻害剤」の使用を開示しているUSP7,445,795が挙げられる。しかし、親水性の添加物(「水和増強剤」と考えられ得る。)は、特定のバルーン膜に対し非常によく作用する(Scheller B,Speck U,Abramjuk C,Bernhardt U,Bohm M,Nickenig G.Paclitaxel balloon coating−a novel method for prevention and therapy of restenosis.Circulation 2004;110:810−814)。種々の現行のPTAバルーンまたはPTCAバルーンに対する、これらの賦形剤と混合される薬物の付着は、非常に弱いかまたは非常に強すぎるかのいずれかであることにより、大部分の薬物の時期尚早な損失または標的部位での不完全な放出をもたらす。
(先行技術:抗酸化剤)
理論的には、抗酸化剤は、病変組織のほぼ普遍的な特徴、即ち「活性酸素種」に関し、広範な医療用途を有する。実際には、非常に少ない制御された臨床試験のみしか、抗酸化剤の有利な効果を示していない(Suzuki K.Antioxidants for therapeutic use:Why are only a few drugs in clinical use?Advanced Drug Delivery Reviews 2009;61:287−289)。抗酸化剤は、狭窄、再狭窄、アテローム斑および不安定プラークのような局所的血管疾患の処置のために潜在的に有用な薬剤として、US2009/0136560において添加物無しで、USP5,571,523において血管平滑筋細胞におけるアポトーシス誘導剤として、WO2004/022124において活性薬物としてまたは「水和阻害剤」として、言及されている。US2008/0241215において、高脂肪血症の処置のために認可されている薬物でありアテローム硬化症のリスク因子として知られるプロブコールが、単独で、または遅効性の処方物においてラパマイシンと組み合わせてもしくは別の抗再狭窄剤と組み合わせて、ステント被膜における活性成分として提案されている。US6,211,247は、冠動脈インターベンション後の種々の血管病理を予防または処置するための有効用量のレスベラトロールを含む医薬組成物を特許請求する。同様に、US2007/0037739は、レスベラトロールを含む種々の生理活性剤を単独でまたは特定の組み合わせで含む、異常な管腔細胞増殖を処置または予防するために好適な局所送達系を開示する。US2006/0240014は、チロシンキナーゼ阻害剤であるイマチニブメシラートをベースとし、レスベラトロールのように薬学的に活性であると考えられる物質、例えば、ラパマイシン、タキソールおよび他の物質と組み合わせた医薬組成物を開示する。ステントは、これらの組成物の標的化投与のためのものである。上記のいずれの文献も、親油性の薬物の放出速度を遅延させるための添加物としての使用を支持するデータを含んでおらず、標的病変に到達する前の薬物の付着および必要とされる際の即時放出についての上記の問題に取り組む特定の組成物も何ら開示されていない。
ごく一部の抗酸化剤は、一般に、酸素による分解即ち酸化から薬物または栄養素を保護するために使用され、ステントのような移植可能な医療機器に被膜された薬物のためにも適用が提案されている。US2007/0020380は、薬剤および特定の移植可能医療器具の他の構成部位を酸化から保護するために使用されるブチルヒドロキシトルエンのような揮発性の抗酸化剤の損失に対抗する方法を開示する。US2009/0246253は、生物分解性の酸化感受性ポリマーまたはこのポリマーと薬剤との混合物を、製造または保存の間の早期酸化分解から保護する方法を開示する。US2005/0037048は、所定の酸化感受性の薬剤およびこの薬剤を保護するための抗酸化剤を有するバルーンカテーテルを含む医療器具を開示する;種々の薬剤および抗酸化剤が、言及されている。しかし、抗酸化剤は、一般に、薬物の100重量%に対して1重量%未満の割合で使用される。通常、可能な限り少なく、即ち薬物の100重量%に対して0.1重量%未満で使用される(Voigt R.Lehrbuch der pharmazeutischen Technologie.5.Edition,Verlag Chemie,Weinheim−Deerfield Beach,Florida−Basel,1984)。US2005/0037048は、異常に高割合の抗酸化剤を必要とする、ポリマーマトリクス中の選択された薬物を言及する特定の例を、開示する。US2005/0064011A1は、所定の酸化感受性の薬剤およびこの薬剤を保護するための抗酸化剤を有するバルーンカテーテルを含む医療器具を開示する。より多くの割合で含まれる抗酸化剤が言及されるが、この文献はまた、薬剤および抗酸化剤の2つの広範なリストも開示する。
ここでも、上記の文献はいずれも、安定的な(即ち、酸化耐性の)薬剤と組み合わせて、および/または治療作用または予防作用を提供しない用量レベルで、抗酸化剤を使用する利点に対するヒントを、何ら提示していない。
米国特許第5,370,614号明細書 米国特許第6,306,166号明細書 米国特許第6,616,650号明細書 米国特許第6,419,692号明細書 米国特許第5,893,840号明細書 国際公開第94/23787号 米国特許第7,108,684号明細書 国際公開第2009/066330号 米国特許第5,304,121号明細書 米国特許第5,199,951号明細書 米国特許第7,445,792号明細書 米国特許第5,370,614号明細書 米国特許出願公開第2008/0118544号明細書 米国特許第7,445,795号明細書 国際公開第2004/028582号 米国特許出願公開第2009/0136560号明細書 米国特許第5,571,523号明細書 国際公開第2004/022124号 米国特許出願公開第2008/0241215号明細書 米国特許第6,211,247号明細書 米国特許出願公開第2007/0037739号明細書 米国特許出願公開第2007/0020380号明細書 米国特許出願公開第2009/0246253号明細書 米国特許出願公開第2005/0037048号明細書 米国特許出願公開第2009/0246252号明細書
Cremers B,Biedermann M,Mahnkopf D,Bohm M,Scheller B.Comparison of two different paclitaxel−coated balloon catheters in the porcine coronary restenosis model.Clin Res Cardiol 2009;98:325−330 Scheller B,Speck U,Abramjuk C,Bernhardt U,Bohm M,Nickenig G.Paclitaxel balloon coating−a novel method for prevention and therapy of restenosis.Circulation 2004;110:810−814 Suzuki K.Antioxidants for therapeutic use:Why are only a few drugs in clinical use?Advanced Drug Delivery Reviews 2009;61:287−289 Voigt R.Lehrbuch der pharmazeutischen Technologie.5.Edition,Verlag Chemie,Weinheim−Deerfield Beach,Florida−Basel,1984
(本発明)
本発明の根本的な問題は、標的部位における薬剤の放出に悪い影響を及ぼさずに薬剤の付着が改善されている医療器具を提供することであった。
この問題は、請求項1に記載の医療器具によって解決された。換言すれば、この問題は、少なくともその表面の一部位上に、少なくとも1種の酸化非感受性薬剤または酸化非感受性のポリマー非含有薬剤調製物と、この薬剤100重量%に対し少なくとも1種の抗酸化剤が3から100重量%の割合で含まれる少なくとも1種の親油性抗酸化剤とを有する医療器具によって解決され、ここで、上記少なくとも1種の酸化非感受性薬剤は、タキサン類、サリドマイド、スタチン類、コルチコイド類およびコルチコイド類の親油性誘導体から選択され、上記少なくとも1種の親油性抗酸化剤は、ノルジヒドログアイヤレチン酸、レスベラトロールおよびプロピルガラートから選択され、ここで、医療器具として、スコーリングバルーンまたはカッティングバルーンは、除外される。「ポリマー非含有」とは、さらなるポリマーが被膜の一部として含まれないことを意味する。好ましい実施形態は、従属請求項において開示される。通常、抗酸化剤は、酸化感受性薬剤を酸素による分解に対して安定化させるために使用される。抗酸化剤は、この薬剤が酸化分解に対して安定である場合、即ち、薬剤が酸化非感受性である場合には、この点において無用であると考えられる。以下において、本発明が考慮される場合、用語「酸化非感受性薬剤」、「活性薬剤」および「薬剤」は、相互交換可能に使用され、全て酸化非感受性薬剤を意味する。
種々の被膜方法、添加物および薬剤との組み合わせを試験する間に、特定の親油性抗酸化剤が、親油性がより低いかまたはより高くすらあり、水溶性がより高いかまたは低い、酸化非感受性の薬剤、例えば細胞増殖の阻害剤または新血管構造の形成の阻害剤に、規定の質量比で添加されたとき、この親油性抗酸化剤が、操作の間および標的病変への経路において、血液を満たした導入シース、速い速度で流れる血液を含むガイドカテーテルまたは血管であっても、この器具を最初に進める部位からこの標的病変が遠く離れて位置していた場合であっても、最先端のバルーン膜に対するこの薬剤の付着を大きく改善するという驚くべき発見がなされた。従って、3から100重量%の量の少なくとも1種の親油性抗酸化剤が、医療器具を血管構造内に導入するこの最初のステップの間、医療器具に被膜されている薬剤のための付着改善剤として使用される。語句「少なくとも1種の親油性抗酸化剤」は、単種の抗酸化剤を含むが、異なる抗酸化剤の混合物をも含む。他の物質または医薬化合物を添加することにより、製品の特性を、安定性または他の医薬的要件および耐用性などの点における要求に合わせてさらに調整してもよい。
スコーリングバルーンカテーテルまたはカッティングバルーンカテーテルは、医療器具として明らかに除外される。
活性薬剤の例としては、タキサン類、好ましくはパクリタキセル、ドセタキセルおよびプロタキセルのような、細胞増殖の阻害剤が挙げられる。または、サリドマイド、スタチン類(アトロバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチンなど)もしくは抗炎症薬剤(コルチコイド類など、またはなおより好ましくは、ベタメタゾンジプロプリオナートもしくはデキサメタゾン−21−パルミタートのようなコルチコイド類の親油性誘導体)のような新血管形成の特定の阻害剤が、酸化非感受性薬剤の例として挙げられる。異なる薬理学作用が必要とされるか、または効力もしくは耐用性が改善される場合には、種々の薬剤が使用されても、または併用されてもよい。従って、語句「少なくとも1種の薬剤または薬剤調製物」とは、単種の薬剤を意味するが、異なる薬剤の混合物も含まれる。好ましい薬剤は、親油性である(n−ブタノールと水との間の分配係数が10を超える。)か、または、非常に低い水溶性(20℃で1mg/ml未満)を示すかの、いずれかである。これらの薬剤は、抗酸化剤(例えば、パクリタキセルおよび他のタキサン類、スタチン類、サリドマイド、コルチコステロイド類およびコルチコイド類の親油性誘導体)を加えることなく、長期の保存期間にわたって乾燥状態において化学的に安定であることが好ましい。この中で、好ましい薬剤は、パクリタキセル、プロタキセルおよびドセタキセルであり、パクリタキセルが最も好ましい薬剤である。薬剤は、被膜されたバルーンの、可撓性などの技術的特徴を損なわず、所望の効果を提供する用量範囲内で使用されなければならない。好ましい用量範囲は、1から10μg/mmバルーン表面であり、最も好ましくは、6μg/mmバルーン表面までである。
この親油性抗酸化剤は、40℃までの温度で固体である。好ましくは、ノルジヒドログアイヤレチン酸、プロピルガラートまたはレスベラトロールであり、より好ましくは、ノルジヒドログアイヤレチン酸またはレスベラトロールであり、最も好ましくは、レスベラトロールである。プロブコールは、好ましい添加物ではない。上で説明された通り、語句「少なくとも1種の薬剤または薬剤調製物」とは、単種の薬剤を意味するが、異なる薬剤の混合物も含まれる。語句「少なくとも1種の親油性抗酸化剤」は、単種の抗酸化剤だけでなく、異なる抗酸化剤の混合物も含む。
これらの抗酸化剤と上述の薬剤の組み合わせは、改善された付着を示した。異なる組み合わせ、特に、他の酸化非感受性薬剤との組み合わせは、大きく改善された付着を示さないか、または、バルーンの機械的性質を損なうような非常に多量の(薬剤100重量%に対し100重量%を大きく超える)抗酸化剤を必要とした。
親油性抗酸化剤とは、n−ブタノールと水との間の抗酸化剤の分配係数が1を超えるもの、より好ましくは10を超えるもの、なおより好ましくは100を超えるものを意味する。
好ましくは、薬剤は、抗酸化剤より親油性が高く、即ち、薬剤のn−ブタノールと水との間の分配係数は、抗酸化剤のn−ブタノールと水との間の分配係数よりも高い。しかし、賦形剤が、医療器具からの薬剤の早期損失を防ぐか、および/または組織への迅速および完全な移動を増強する場合、この物理化学特性のために、この賦形剤は除外されない。
使用された用量密度において、選択された抗酸化剤は、被膜された医療器具によって処置される疾患に関して、関連性のある治療効果または予防効果を示さず、薬剤を酸化分解から保護するために選択された抗酸化剤の相対量でもない。このことは、非生物活性用量の抗酸化剤が、好ましいことを意味する。薬剤に対する抗酸化剤の用量密度および質量関係は、単独で、医療器具表面への薬剤の付着および医療器具表面からの放出について最適化される。医療器具上の抗酸化剤の用量は、低すぎて所望される薬理学的効果を与えることができず、即ち、これだけでは効能はない。医療器具上の抗酸化剤は、製造、滅菌および保存の間に、活性薬剤(例えば、抗増殖薬剤または免疫抑制薬剤)を酸化分解から保護することは必要とされず、少なくとも、本発明により使用される用量または濃度においては必要とされない。「必要とされない」とは、抗酸化剤無しで、または、活性薬剤に対する抗酸化剤の用量、用量密度もしくは割合が、本発明による用量を下回る用量でも活性薬剤が十分に安定であることを意味する。「十分に安定である」とは、周囲温度で保存される場合、生産1年後に器具の被膜と患者へ使用される間に、活性薬剤の5%未満しか酸化分解により失われない(即ち、薬剤または薬剤調製物が、空気中の酸素への曝露を除外することなく、酸化分解に対して安定している)ことを意味する。結論として、本発明は、抗酸化剤と、酸化分解からの保護を必要としないかまたは少なくとも抗酸化作用によって薬剤を酸化から保護するために必要な量を超える抗酸化剤の用量を必要としない薬剤との組み合わせに関する。抗酸化剤は、酸化感受性の生物学的に活性な成分(薬剤)のための安定剤として機能せず、選択された用量において単独で治療効果または予防効果を示さない添加物または賦形剤として機能する。
医療器具表面上の抗酸化剤の用量は、治療薬剤に関して規定され得る。好ましい関係(重量/重量)は、薬剤の3から100重量%の抗酸化剤である。例えば、薬剤の用量密度が5μg/mm器具表面である場合、抗酸化剤の量は、0.15から5.0μg/mmである。薬剤が3μg/mm器具表面を下回る用量で塗布されている場合か、または薬剤の器具表面への付着がより改善されている場合に、より高い割合の抗酸化剤が選択され得る。器具の抗酸化剤ロード量は、10μg/mmに到達し得る。より多くのロード量が、可能である。抗酸化剤と薬剤の関係について、重量/重量基準での他の好ましい範囲は、薬剤100%に対し、5から100%であり、より好ましくは、10から100%であり、なおより好ましくは20から100%であり、最も好ましくは50から100%である。特に、重量/重量基準で50から100%の範囲は、付着を大きく増強する。より少ない量は、付着の改善が相対的に低く、即ち、好ましい範囲内で、抗酸化剤が多いほど、より良い付着である関係を示す。しかし、50%を超える量は、線形相関を考慮して予測されるよりも大きく付着を改善する。この関係は、モルに関して規定され得る:好ましい実施形態において、抗酸化剤は、薬剤200モル%に対し10モル%から存在する。より大量の抗酸化剤が、有用であり得、処置される疾患に関して、この大量の抗酸化剤だけで、大きな薬理学的予防効果または治療効果を示す場合にのみ、この量は採用されない。
1種より多い薬剤が使用される場合、薬剤の総重量または総モル量が、抗酸化剤の量の計算のベースとして使用される。1種以上の抗酸化剤が使用される場合、抗酸化剤の総重量または総モル量が、抗酸化剤の量の計算のベースとして使用される。
被膜の機械的特性または薬理学的特性をさらに改善するために、他の耐用性が高く認可されている添加物および/または賦形剤が、使用され得る。ポリマー非含有の被膜組成物が、好ましい。薬剤の早期放出を防ぐために、ポリマーの使用を必要としないことが、本組成物の特別な利点である。にもかかわらず、小量の医薬的に許容可能なポリマー、例えば、ポリアクリル酸が、例えば、バルーン上の薬剤の分布を改善するため、または操作の間の乾燥被膜の付着を改善するために、添加され得る。小量とは、薬剤100重量%に対し、約1から20重量%を意味する。ポリマーが使用される場合、低から中程度の分子量、例えば2000から50000Dの物質が、好ましい。
通常、本発明により、好ましくはポリマーの添加無しで、即ちポリマー非含有で、薬剤および薬剤と添加物の混合物が、揮発溶媒中の液体製剤として、医療器具上に被膜される。溶媒の選択は、乾燥状態における被膜の構造、薬剤の表面への付着および表面からの放出にとって重要である。好ましい有機溶媒は、アセトン、テトラヒドロフランおよびメタノール、エタノールおよびイソプロピルアルコール(イソプロパノール)のような種々のアルコール類である。通常、1から30%(体積/体積)の水が、添加される。薬剤および抗酸化剤は、同じ溶媒または溶媒混合物中に溶解されて、同時に使用されてもよい。または、これらは、同じまたは異なる溶媒に別個に溶解されて、順次使用されてもよい。溶液は、いずれの場合においても、ポリマー非含有である。好ましい実施形態において、医療器具は、少なくとも1種の酸化非感受性薬剤および少なくとも1種の親油性抗酸化剤(テトラヒドロフランまたは25%(v/v)を超えるテトラヒドロフランを含む溶媒混合物中に共に溶解されているか、または少なくとも1種の親油性抗酸化剤のために任意に各々選択された異なる溶媒中に別個に溶解されている。)により、ポリマー非含有で被膜されている。別の好ましい実施形態は、少なくとも1種の酸化非感受性薬剤および少なくとも1種の親油性抗酸化剤(アセトンまたは25%(v/v)を超えるアセトンを含む溶媒混合物中に共に溶解されているか、または少なくとも1種の親油性抗酸化剤のために任意に各々選択された異なる溶媒中に別個に溶解されている。)によってポリマー非含有被膜された医療器具に基づく。なお別の好ましい実施形態は、少なくとも1種の薬剤および少なくとも1種の親油性抗酸化剤(イソプロパノールまたは25%(v/v)を超えるイソプロパノールを含む溶媒混合物中に共に溶解されているか、または少なくとも1種の親油性抗酸化剤のために任意に各々選択された異なる溶媒中に別個に溶解されている。)で被膜されている医療器具である。マイクロ粒子もしくはナノ粒子、結晶、カプセルなどまたは液体調製物中に懸濁された粒子のような乾燥粒子を含む被膜が、使用可能である。粒子を含む被膜は、医療器具の、粗いかまたは粘着性の表面によって促進され得る。
医療器具上にほぼ均一な層を作る種々の被膜方法は、文献から公知であり、特許出願において開示されている。これらは、単純な浸漬、噴霧ならびに正確な用量および均一な分布を提供する方法(例えば、WO2009/018816)を含む。被膜は、同じ組成物の複数層であっても、異なる組成物の層であっても、段階的に(例えば第1に薬剤および第2に抗酸化剤、またはこの反対の順序で)使用され得る。これらの全ての方法が、本発明の製剤に使用され得る。例えば、(a)第1に薬剤および(b)第2に薬剤の可溶性が低い溶媒中に溶解した抗酸化剤による、例えば噴霧による連続的被膜は、実質的に別個の層を生じる。これは、抗酸化剤と薬剤との均一な混合を必要とする酸化感受性薬剤の化学的保護のための抗酸化剤の使用とは完全に異なる。従って、好ましい実施形態は、少なくとも1種の酸化非感受性薬剤および少なくとも1種の親油性抗酸化剤により、薬剤および抗酸化剤が均一に混合されないように、連続的にポリマー非含有被膜をされている、医療器具である。
また、被膜された医療器具は、製造過程の異なる段階において、温度、気流、ガス組成および圧力のような異なる条件下で乾燥され得る。これらは、別に包装された水吸収剤と共に湿気気密の密閉容器中に保存され得る。
好ましい医療器具は、スコーリングバルーンカテーテルまたはカッティングバルーンカテーテルを除く、例えば、血管形成術用または冠動脈形成術用バルーンカテーテルである。最も好ましい医療器具は、インターベンショナル画像誘導治療の間の短時間使用のためのバルーンカテーテルである。短時間使用とは、器具が移植されず、手順が終了した後(通常は10分間未満であるが、処置終了の数時間後、好ましくは5時間以上になることはない。)に体内から除去されることを意味する。カテーテルは、種々のポリマー類およびコポリマー類、ポリアミド類(ナイロン12、pebax)、ポリエチレン類、ポリウレタン類、種々のポリビニル類などから作製されているバルーン膜を含み得る。材料の種類とは関係なく、薬剤の付着特性および放出特性は、親油性抗酸化剤の添加によって改善される。
医療器具は、少なくともこの処置される組織と緊密に接触することを目的とする表面(例えば、カテーテルシャフトの先端におけるバルーン)上の一部位に、少なくとも1種の薬剤または薬剤調製物および少なくとも1種の親油性抗酸化剤を有する。これは、少なくとも5%、好ましくは50%より大きく、最も好ましくは90%より大きく、表面が被膜されることを意味する。好ましくは、被膜は、少なくとも、最も広い径の器具の表面上に存在する。器具の表面100%未満が被膜されている場合、好ましくは、最も短い器具の直径部位から省略される。しかし、持ち手/ハンドルまたはシャフトのような部位は、これ自体が省略される。バルーンカテーテルの部位としてのバルーンは、好ましい医療器具であるが、中央の円筒部位と2つの対向する円錐形の先端とを有する。バルーンカテーテル表面の100%未満が被膜されている場合、円筒部位が被膜されていて、円錐先端の少なくとも一部または全体が被膜されていないままにされていることが好ましい。
別の実施形態は、少なくとも表面上の一部位において、ポリマー非含有の少なくとも1種のリムス薬剤またはリムス薬剤調製物と、薬剤100重量%に対して少なくとも1種の抗酸化剤が3から100重量%の割合で含まれる少なくとも1種の親油性抗酸化剤(ノルジヒドログアヤレチン酸またはレスベラトロール、好ましくはレスベラトロール)とを有し、スコーリングバルーンまたはカッティングバルーンを除く医療器具である。リムス薬剤は、mTOR−阻害剤、好ましくは、シロリムス、エベロリムス、ゾタロリムス、バイオリムスおよびテムシロリムスから選択され、最も好ましくは、シロリムスである。この実施形態を実施する好ましい方法を考慮すると、上述のことは、酸化非感受性薬剤/薬剤調製物および親油性抗酸化剤との組み合わせにも当てはまる。
以下に、本発明を、実施例によって説明する。
[実施例1]
経皮的冠動脈形成術F型用のバルーンを、パクリタキセル単独で、またはイオプロミド(WO02/076509によるヨウ素化造影剤)と、またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)もしくはノルジヒドログアヤレチン酸と組み合わせて、被膜した。被膜したバルーンを、止血弁、Medtronic Launcher JL 3.5 6Fガイドカテーテルおよび撹拌されている血液(37℃)中で1分間移動する間、パクリタキセルの損失に関して試験した。十分な濃度で被膜溶液と混合した際、親油性抗酸化剤は、パクリタキセルの付着を改善する。
Figure 0005801874
[実施例2]
膜P型を、レスベラトロール無しの水溶性色素およびレスベラトロールと組み合わせた水溶性色素のいずれかで被膜した。被膜した膜を、37℃で撹拌されている生理食塩水において5分間の色素損失に関して試験した。レスベラトロールは、水中での可溶性にもかかわらず色素の付着を大きく改善した。
Figure 0005801874
[実施例3]
経皮的冠動脈形成術F型用のバルーンを、添加物無しのパクリタキセルで、または種々の添加物があるパクリタキセルで、既に折りたたんだ状態で被膜した。実施例1から、ノルジヒドログアイヤレチン酸(NDGA)がバルーンに対するパクリタキセルの付着を改善することが分かっているが、分布の影響は、好ましくないものであった。ポリアクリル酸(分子量約6000D(Polysciences Inc.,USA)およびグリセロールは、バルーン上の薬剤の付着を改善することも、分布を大きく変えることもなかった。NDGAとの組み合わせにより、バルーン上のパクリタキセルの分布に対する好ましい効果が、特に折り目の下の薬剤の浸透に関して、観察された。
Figure 0005801874

Claims (10)

  1. 少なくともその表面の一部分上に、ポリマー非含有パクリタキセルまたはポリマー非含有パクリタキセル調製物と、前記パクリタキセル100重量%に対し少なくとも1種の抗酸化剤が3から100重量%の割合で含まれる少なくとも1種の親油性抗酸化剤とを有するバルーンカテーテルであって、前記少なくとも1種の親油性抗酸化剤は、ノルジヒドログアイヤレチン酸、レスベラトロールおよびプロピルガラートから選択される、スコーリングバルーンまたはカッティングバルーンを除く、バルーンカテーテル。
  2. 器具は、インターベンショナル画像誘導処置の間の短時間使用のための血管形成術用バルーンカテーテルである、請求項1に記載のバルーンカテーテル。
  3. 少なくとも1種の親油性抗酸化剤は、パクリタキセル100重量%に対して5から100重量%の割合で含まれる、請求項1または2に記載のバルーンカテーテル。
  4. 少なくとも1種の親油性抗酸化剤は、パクリタキセル100重量%に対して10から100重量%の割合で含まれる、請求項1から3のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
  5. 少なくとも1種の親油性抗酸化剤は、パクリタキセル100重量%に対して20から100重量%の割合で含まれる、請求項1から4のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
  6. 少なくとも1種の親油性抗酸化剤は、パクリタキセル100重量%に対して50から100重量%の割合で含まれる、請求項1から5のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
  7. 抗酸化剤のロードは、被膜される器具表面の10μg/mmまでである、請求項1から6のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
  8. 親油性抗酸化剤は、ノルジヒドログアイヤレチン酸またはレスベラトロールである、請求項1から7のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
  9. 親油性抗酸化剤はレスベラトロールである、請求項1から8のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
  10. パクリタキセルおよび少なくとも1種の親油性抗酸化剤により、前記パクリタキセルおよび前記抗酸化剤が均一に混合されない方法で、連続的にポリマー非含有被膜をされている、請求項1から9のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
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