JP5895662B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
図1および図3は、空気調和装置10の概略構成図である。空気調和装置10は、超臨界状態の二酸化炭素冷媒を使用して四段圧縮冷凍サイクルを行う冷凍装置である。空気調和装置10は、熱源ユニットである室外ユニット11と、利用ユニットである複数の室内ユニット12とが、連絡冷媒配管13,14によって結ばれた装置であり、冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとが切り替わる冷媒回路を有する。図1は、冷房運転時において冷媒回路を循環する冷媒の流れを表している。図3は、暖房運転時において冷媒回路を循環する冷媒の流れを表している。図1および図3において、冷媒回路の配管に沿って示す矢印が、冷媒の流れを表している。
四段圧縮機20は、密閉容器内に、第1圧縮部21、第2圧縮部22、第3圧縮部23、第4圧縮部24および圧縮機駆動モータ(図示せず)が収容された、密閉式の圧縮機である。圧縮機駆動モータは、駆動軸を介して、4つの圧縮部21〜24を駆動する。すなわち、四段圧縮機20は、4つの圧縮部21〜24が単一の駆動軸に連結された一軸四段の圧縮構造を有している。四段圧縮機20では、第1圧縮部21、第2圧縮部22、第3圧縮部23および第4圧縮部24が、この順番で直列に配管接続される。第1圧縮部21は、第1吸入管21aから冷媒を吸い込み、第1吐出管21bへと冷媒を吐出する。第2圧縮部22は、第2吸入管22aから冷媒を吸い込み、第2吐出管22bへと冷媒を吐出する。第3圧縮部23は、第3吸入管23aから冷媒を吸い込み、第3吐出管23bへと冷媒を吐出する。第4圧縮部24は、第4吸入管24aから冷媒を吸い込み、第4吐出管24bへと冷媒を吐出する。
第1切換機構31、第2切換機構32、第3切換機構33および第4切換機構34は、冷媒回路内における冷媒の流れの方向を切り換えて、冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとを切り換えるために設けられている機構で、それぞれ四路切換弁である。
室外熱交換器40は、上述のように、第1熱交換器41、第2熱交換器42、第3熱交換器43および第4熱交換器44から成る。冷房運転時には、第1〜第3熱交換器41〜43が、圧縮途中の冷媒(中間圧冷媒)を冷やすインタークーラとして機能し、第4熱交換器44が、最も高圧の冷媒を冷やすガスクーラとして機能する。第4熱交換器44は、第1〜第3熱交換器41〜43よりも容量が大きい。また、暖房運転時には、第1〜第4熱交換器41〜44の全てが、低圧の冷媒の蒸発器(加熱器)として機能する。
第1〜第3室外電動弁51〜53は、第1〜第3熱交換器41〜43とブリッジ回路55との間に配備されている。第4室外電動弁54は、ブリッジ回路55内に配備されている。上述の第1インタークーラ管41a、第2インタークーラ管42aおよび第3インタークーラ管43aは、それぞれ、第1熱交換器41と第1室外電動弁51との間、第2熱交換器42と第2室外電動弁52との間および第3熱交換器43と第3室外電動弁53との間から分岐している。
ブリッジ回路55は、室外熱交換器40と室内熱交換器12aとの間に設けられており、エコノマイザ熱交換器61、内部熱交換器62および膨張機構70を介してレシーバ80の入口管81に接続されるとともに、過冷却熱交換器90を介してレシーバ80の出口管82に接続されている。
エコノマイザ熱交換器61は、ブリッジ回路55から膨張機構70およびレシーバ80へと向かう高圧の冷媒と、その高圧の冷媒の一部を分岐させ膨張させた中間圧の冷媒との間で熱交換を行わせる。ブリッジ回路55から膨張機構70へ冷媒を流す主冷媒配管から分岐した配管(インジェクション配管61a)には、第5室外電動弁61bが配備されている。この第5室外電動弁61bを通って膨張し、エコノマイザ熱交換器61で蒸発した冷媒は、第2インタークーラ管42aに向かって延びるインジェクション配管61aを通って、第2インタークーラ管42aの逆止弁よりも第3吸入管23aに近い部分に流れ込み、第3吸入管23aから第3圧縮部23へ吸い込まれる冷媒を冷やす。
内部熱交換器62は、冷房運転時には、室内熱交換器12aから四段圧縮機20に送られる低圧冷媒と、第4熱交換器44からブリッジ回路55を経由して膨張機構70に送られる高圧冷媒とを熱交換させる。暖房運転時には、第4熱交換器44から四段圧縮機20に送られる低圧冷媒と、室内熱交換器12aからブリッジ回路55を経由して膨張機構70に送られる高圧冷媒とを熱交換させる。内部熱交換器62は、液ガス熱交換器と呼ばれることもある。ブリッジ回路55を出た高圧の冷媒は、まずエコノマイザ熱交換器61を通過し、次に内部熱交換器62を通過して、膨張機構70およびレシーバ80へと向かう。
膨張機構70は、ブリッジ回路55から流れてきた高圧の冷媒を減圧・膨張させ、気液二相状態の中間圧の冷媒をレシーバ80へと流す。すなわち、膨張機構70は、冷房運転時には、高圧冷媒のガスクーラ(放熱器)として機能する室外の第4熱交換器44から、低圧冷媒の蒸発器として機能する室内熱交換器12aに送られる冷媒を減圧し、暖房運転時には、高圧冷媒のガスクーラ(放熱器)として機能する室内熱交換器12aから、低圧冷媒の蒸発器として機能する室外熱交換器40に送られる冷媒を減圧する。膨張機構70は、膨張機71および第6室外電動弁72から構成される。膨張機71は、冷媒の減圧過程の絞り損失を有効な仕事(エネルギー)として回収する役割を果たす。
レシーバ80は、膨張機構70を出て入口管81から内部空間に入ってきた気液二相状態の中間圧の冷媒を、液冷媒とガス冷媒とに分離する。分離されたガス冷媒は、低圧戻し配管91aに設けられた第7室外電動弁91を通過して低圧のガスリッチな冷媒となり、過冷却熱交換器90に送られる。分離された液冷媒は、出口管82によって過冷却熱交換器90に送られる。
過冷却熱交換器90は、低圧のガス冷媒と、レシーバ80の出口管82から出た中間圧の液冷媒との間で熱交換を行わせる。レシーバ80の出口管82から出た中間圧の液冷媒の一部は、冷房運転時には、レシーバ80と過冷却熱交換器90との間から分岐する分岐管92aを流れ、第8室外電動弁92を通過して、気液二相状態の低圧の冷媒となる。冷房運転時に第8室外電動弁92で減圧された低圧冷媒は、第7室外電動弁91で減圧された低圧冷媒と合流し、過冷却熱交換器90において、レシーバ80の出口管82からブリッジ回路55に向かう中間圧の液冷媒と熱交換され、過熱がついた状態で過冷却熱交換器90から低圧戻し配管91aを通って低圧冷媒配管19へと流れていく。一方、レシーバ80の出口管82からブリッジ回路55に向かう中間圧の液冷媒は、過冷却熱交換器90において熱を奪われ、過冷却がついた状態でブリッジ回路55へ流れていく。
室内熱交換器12aは、複数の室内ユニット12それぞれに設けられており、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には冷媒の冷却器として機能する。これらの室内熱交換器12aには、内部を流れる冷媒と熱交換を行う冷房対象あるいは暖房対象として、水や空気が流される。ここでは、室内熱交換器12aに、図示しない室内送風ファンからの室内空気が流れ、冷却あるいは加熱された空調空気が室内へと供給される。
室内電動弁12bは、複数の室内ユニット12それぞれに設けられており、室内熱交換器12aに流す冷媒の量を調整したり冷媒の減圧・膨張を行ったりする。室内電動弁12bは、連絡冷媒配管13と室内熱交換器12aとの間に配置されている。
制御部は、四段圧縮機20の圧縮機駆動モータや第1〜第4切換機構31〜34、各電動弁12b,51〜54,61b,72,91,92と接続されるマイクロコンピュータである。この制御部は、外部から入力された室内設定温度などの情報に基づいて、圧縮機駆動モータの回転数制御や冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとの切り換え、電動弁開度の調節などを行う。
空気調和装置10の動作について、図1〜図4を参照しながら説明する。図2は、冷房運転時における冷凍サイクルの圧力−エンタルピ線図(p−h線図)である。図4は、暖房運転時における冷凍サイクルの圧力−エンタルピ線図(p−h線図)である。図2および図4において、上に凸の一点鎖線で示す曲線は、冷媒の飽和液線および乾き飽和蒸気線である。図2および図4において、冷凍サイクル上の英文字が付された点は、それぞれ、図1および図3において同じ英文字で表される点における冷媒の圧力およびエンタルピを表している。例えば、図1の点Bにおける冷媒は、図2の点Bにおける圧力およびエンタルピの状態になっている。なお、空気調和装置10の冷房運転時および暖房運転時における各運転制御は、制御部によって行われる。
冷房運転時は、図1に示す冷媒配管に沿った矢印の方向に、冷媒が、四段圧縮機20、室外熱交換器40、膨張機構70、室内熱交換器12aの順に冷媒回路内を循環する。以下、冷房運転時における空気調和装置10の動作について、図1および図2を参照しながら説明する。
暖房運転時は、図3に示す冷媒配管に沿った矢印の方向に、冷媒が、四段圧縮機20、室内熱交換器12a、膨張機構70、室外熱交換器40の順に冷媒回路内を循環する。以下、暖房運転時における空気調和装置10の動作について、図3および図4を参照しながら説明する。
(3−1)
本実施形態に係る空気調和装置10では、内部熱交換器62において冷房運転時にガスクーラとして機能する第4熱交換器44から膨張機構70へ向かう高圧冷媒と四段圧縮機20へと戻る低圧冷媒とを熱交換させることにより、高圧冷媒を膨張前に冷却し冷房性能を上げている。また、冷房運転時にインタークーラとして機能する第1〜第3熱交換器41〜43それぞれにおいて圧縮途中の冷媒を冷却することにより運転効率を上げている。
空気調和装置10では、四段圧縮機20およびインタークーラとして機能する第1〜第3熱交換器41〜43により多段圧縮サイクルを用いて冷房運転時の運転効率および冷房性能を向上させている。一方で、4段の多段圧縮サイクルを用いるために第1〜第3熱交換器41〜43を備えているが、このため暖房時に蒸発器として機能する第1〜第3熱交換器41〜43への冷媒流量割合が大きい。したがって、第1〜第3熱交換器41〜43を出た低圧冷媒については内部熱交換器62を通らないようにすることにより内部熱交換器62における熱交換量を抑制する効果が大きく、第1圧縮部21に吸入される低圧冷媒の温度上昇を効果的に抑えている。その結果、冷房時の運転効率および冷房性能を向上させるとともに、暖房時の運転効率の向上ができている。
空気調和装置10では、冷暖運転と暖房運転とで四段圧縮機20から出た冷媒の流路を切り換える四路切換弁である第1〜第4切換機構31〜34を用いて暖房運転時に内部熱交換器62を流れる低圧冷媒の流量を抑制している。これにより、機能部品を新たに追加せずに、内部熱交換器62における熱交換量を抑制することができている。
(4−1)変形例A
上記実施形態では、空気調和装置10は、1つの低段圧縮部である第1圧縮部21と3つの高段圧縮部である第2〜第4圧縮部22〜24とを有する四段圧縮機20により冷媒を圧縮していた。しかし、他の実施形態においては、四段圧縮機20の代わりに、2段圧縮機や、3段圧縮機等、複数段或いは多段の圧縮機を用いてもよい。いかなる段数の圧縮機を用いても、上記実施形態のように、暖房時には、低圧過熱ガス冷媒の一部が内部熱交換器62をバイパスするようにすれば、内部熱交換器62における熱交換量を抑制することができる。
12a 室内熱交換器(利用側熱交換器)
18 バイパス冷媒配管
19 低圧冷媒配管
20 四段圧縮機(複数段圧縮機構)
21 第1圧縮部(低段圧機構)
21a 第1吸入管(吸入配管)
22 第2圧縮部(低段圧機構)
23 第3圧縮部(低段圧機構)
24 第4圧縮部(高段圧機構)
31 第1切換機構(サブ流路切換機構)
32 第2切換機構(サブ流路切換機構)
33 第3切換機構(サブ流路切換機構)
34 第4切換機構(メイン流路切換機構)
40 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
41 第1熱交換器(熱源側サブ熱交換部)
42 第2熱交換器(熱源側サブ熱交換部)
43 第3熱交換器(熱源側サブ熱交換部)
44 第4熱交換器(熱源側メイン熱交換部)
62 内部熱交換器
70 膨張機構
Claims (3)
- 冷暖房切り替え可能な冷凍装置(10)であって、
冷媒を圧縮し、少なくとも1つの低段圧縮機構(21、22、23)と、1つの高段圧縮機構(24)とからなる複数の圧縮機構を有し、前記複数の圧縮機構が直列に接続された複数段圧縮機構(20)と、
冷房時に高圧の冷媒が放熱する放熱器として機能し、暖房時に低圧の冷媒が蒸発する蒸発器として機能する、1つの熱源側メイン熱交換部(44)と、
冷房時に前記複数の圧縮機構の1つから吐出され次の段の前記圧縮機構に吸入される冷媒を冷却し、暖房時に前記蒸発器として機能する、少なくとも1つの熱源側サブ熱交換部(41、42、43)と、
冷房時に低圧の冷媒が蒸発する蒸発器として機能し、暖房時に高圧の冷媒が放熱する放熱器として機能する、利用側熱交換器(12a)と、
冷房時に前記熱源側メイン熱交換部から前記利用側熱交換器に送られる冷媒を減圧し、暖房時に前記利用側熱交換器から前記熱源側メイン熱交換部及び前記熱源側サブ熱交換部に送られる冷媒を減圧する、膨張機構(70)と、
冷房時に前記利用側熱交換器から前記複数段圧縮機構に送られる冷媒と、前記熱源側メイン熱交換部から前記膨張機構に送られる冷媒とを熱交換させ、暖房時に前記熱源側メイン熱交換部から前記複数段圧縮機構に送られる冷媒と、前記利用側熱交換器から前記膨張機構に送られる冷媒とを熱交換させる、内部熱交換器(62)と、
前記内部熱交換器の出口から前記複数段圧縮機構の吸入口に冷媒を送る吸入配管(21a)と、
前記複数段圧縮機構の前記高段圧縮機構から吐出された冷媒の流路を冷房時と暖房時とで切り換える1つのメイン流路切換機構(34)と、
前記複数段圧縮機構の1つの前記低段圧縮機構から吐出され次の段の前記圧縮機構に吸入される冷媒の流路を冷房時と暖房時とで切り換える少なくとも1つのサブ流路切換機構(31、32、33)と、
を備え、
暖房時に前記熱源側メイン熱交換部と、前記熱源側サブ熱交換部とには、並列に冷媒が流れ、
暖房時に前記熱源側サブ熱交換部から前記複数段圧縮機構に送られる冷媒は、前記内部熱交換器の出口より下流で前記熱源側メイン熱交換部から前記複数段圧縮機構に送られる冷媒と合流し、
前記メイン流路切換機構は、冷房時には、前記高段圧縮機構から吐出された冷媒を前記熱源側メイン熱交換部に接続する流路へ流し、暖房時には、前記熱源側メイン熱交換部内を通過した冷媒を前記内部熱交換器に接続する流路へ流し、
前記サブ流路切換機構は、冷房時には、前記低段圧縮機構から吐出された冷媒を前記熱源側サブ熱交換部に接続する流路へ流し、暖房時には、前記熱源側サブ熱交換部内を通過した冷媒を前記内部熱交換器の出口より下流で前記吸入配管に接続する流路へ流す、
冷凍装置(10)。 - 2つ以上の前記熱源側サブ熱交換部を備え、
前記複数段圧縮機構は、前記低段圧縮機構を2つ以上有する、
請求項1に記載の冷凍装置(10)。 - 3つ以上の前記熱源側サブ熱交換部を備え、
前記複数段圧縮機構は、前記低段圧縮機構を3つ以上有する、
請求項1又は2に記載の冷凍装置(10)。
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