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JP5888255B2 - 電極フィルム、その製造方法および画像表示装置 - Google Patents

電極フィルム、その製造方法および画像表示装置 Download PDF

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JP5888255B2 JP2013017042A JP2013017042A JP5888255B2 JP 5888255 B2 JP5888255 B2 JP 5888255B2 JP 2013017042 A JP2013017042 A JP 2013017042A JP 2013017042 A JP2013017042 A JP 2013017042A JP 5888255 B2 JP5888255 B2 JP 5888255B2
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Description

本発明は、電極フィルムに係り、とりわけ、電極が低抵抗であるとともに電極をなす導線が細線化された導電メッシュである電極フィルムに関する。また、本発明は、該電極フィルムの製造方法、並びに、該電極フィルムを用いたタッチパネル、該タッチパネルを配置した画像表示装置等に関する。
近年、各種電子機器の入力装置としてタッチパネルが普及してきている。タッチパネルは抵抗膜方式、静電容量方式など各種方式のものが実用化されている。
タッチパネルは、一般的には、タッチパネル用電極部材として、ガラス板やポリエチレンテレフタレートフィルム等からなる透明基材の片方の面上に、ITO(インジウム錫酸化物)薄膜からなる透明導電膜を形成したものが使用されている(特許文献1)。
しかし、ITO薄膜からなる透明導電膜は、インジウムというレアメタル(希土類元素)が使用されるために高価である点、及び、抵抗(表面抵抗率)がタッチパネルの大面積化を図るには高抵抗である点で、低コスト化及び大画面化への要求に対応し難い。
そこで、ITO薄膜の透明導電膜に代えて、透明基材に、金属細線パターンからなる金属メッシュを形成したタッチパネル用電極部材が提案されている(特許文献2)。金属メッシュによれば、ITO薄膜に比べて低コストかつ低抵抗にできる。
また、このタッチパネル用電極の金属メッシュは、昨今、高画質化、さらには、タブレットと呼ばれる携帯用小型端末の普及にともなって、視認性、高透過率の点から電極のさらなる細線化が強く要望されている。
この金属メッシュ電極は、タッチパネル用電極としたとき、ITO薄膜からなる透明電極と比較し、不可視性が問題となる。そのため、金属メッシュ電極は、より不可視性を向上させるため加えて透過率を上げるために形成する線を細くする必要がある。また、メッシュパターンを形成する金属層は、比較的に高い反射率を呈するため、外光が反射されて、メッシュパターンが視認され、タッチパネル装置の画像コントラストが低下してしまう。そこで、黒化層が、金属層の観察者側に配置されている。この黒化層によって、メッシュパターンの不可視性が向上し、画像コントラストが向上して、画像の視認性を改善することができる。
このようなタッチパネル用電極は、まず、透明基材上に、金属薄膜および黒化層を積層し、次に、この金属薄膜および黒化層を、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチングによりパターンニングして、電極を形成することによって、作製されている。
また、金属薄膜のみパターンニングし、無電解めっきなどの手法を用いて黒化層を形成させる方式もある。
しかしながら合金または金属酸化物、窒化物、硫化物で構成される、通常0.5〜1μmの厚みで形成される酸化銅など金属酸化物、窒化物、硫化物等からなる黒化層は、銅などの純金属薄膜に比べ、エッチング時の腐食速度が遅い。このため、フォトリソグラフィー技術を利用したパターニングによって細導線を作製する際、エッチングによる浸食が、黒化層部分では遅く、金属薄膜部分に到達すると、深さ方向(厚さ方向)だけでなく横方向(面方向)にも浸食が進む。通常、厚みが厚い銅層を設けた場合は問題ないが、厚みが薄い銅層を設けた場合このサイドエッチング現象によって、細導線の断面形状は逆テーパー形状となる。そして、サイドエッチングのために、メッシュ線幅のバラツキが大きくなり、さらにはセンサーパターンライン部(線條部)の断線に到る。
このような問題点は、細線ほど断線の可能性が高まるため、要望される金属メッシュ電極の細線化を進める場合、特に10μm未満の線幅の金属メッシュを製造する場合に顕在化してくる。
特開2008−310551号公報 特開2011−134311号公報
本発明は、このような状況下になされたものであり、その目的は、透明基材上に形成した銅膜および黒化金属膜を、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチングによりパターンニングして形成する銅層および黒化金属層からなる細線金属メッシュを備えた電極フィルムであって、該電極が逆テーパー形状であり、メッシュ線幅のバラツキが小さく、断線のない細線金属メッシュを備えた電極フィルム、およびその製造方法、並びに、当該電極フィルムを用いたタッチパネル、該タッチパネルを表示面に配置した画像表示装置等を提供することである。
本発明者は、種々検討の結果、銅層および黒化金属層からなる細線金属メッシュ電極の製造において、特に、形成するライン部が腐蝕速度が銅よりも遅い黒化金属層を備え、該黒化金属層の厚みを特定の薄い数値範囲とすることにより、本発明の目的を達成できることを知見した。
すなわち、本発明は、
(1)透明基材と、透明基材上に設けられた導電体メッシュを備えた電極フィルムであって、該導電体メッシュは0.1〜5μmの厚みの銅層とその上に設けられた0.01〜0.4μmの厚みの腐蝕速度が銅よりも遅い黒化金属層からなることを特徴とする電極フィルム、
(2)導電体メッシュの厚み方向の断面形状が、
頂部の幅(W2)>麓部の幅(W1
となる逆テーパー形状である前記(1)に記載の電極フィルム、
(3)導電体メッシュのパターンのライン部の線幅のバラツキが、
平均線幅からの振れ幅(2ΔW)/平均線幅(W)≦0.4
である前記(1)又は(2)に記載の電極フィルム、
(4)透明基材上に銅膜、黒化金属膜、レジスト膜を順次設け、当該レジスト膜をパターン露光および現像してパターニングし、次いで、パターニングされたレジストパターン層をマスクとして、黒化金属膜および銅膜をエッチングして黒化金属層、銅層を形成し、その後、レジストパターン層を除去する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電極フィルムを製造する方法、
(5)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電極フィルムを含むタッチパネル。
(6)前記(5)に記載のタッチパネルを表示面に配置した画像表示装置、
(7)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電極フィルムを電磁波シールド材としてディスプレイ前面に貼付した画像表示装置、
(8)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電極フィルムを前面に貼付した透明アンテナ、
を提供するものである。
本発明によれば、銅層および黒化金属層が積層された細線金属メッシュを備えた電極フィルムにおいて、該電極がメッシュ線幅のバラツキが小さく、断線のない細線金属メッシュを備えた電極フィルムおよび当該電極フィルムを用いたタッチパネル、該タッチパネルを表示面に配置した画像表示装置等を提供することができる。
本発明の電極フィルムの構成を示す概略断面図である。 本発明の金属メッシュ電極の断面形状を示す図である。 本発明の金属メッシュ電極のパターンのライン部の線幅のバラツキを示す上面図である。 本発明の電極フィルムの製造方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
なお、以下、膜状乃至層状に形成されたものについて、メッシュ等の特定形状にパターン化されてなる形態を「層」、又パターン化される前の全面にわたって形成されてなる形態を「膜」と呼称する。
[電極フィルム]
図1は、本発明の電極フィルムの構成を示す概略断面図である。
電極フィルム100は、透明基材10と、その上に設けられた導電体メッシュである電極20は銅層21と腐蝕速度が銅よりも遅い黒化金属層22からなる。
透明基材10は、透明な基材であれば特に制限はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース(三酢酸セルロース)等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂などからなる樹脂シート、或いはソーダ硝子、カリ硝子、石英硝子等の硝子、結晶質石英、蛍石等の無機質材料の板を用いることができる。
なお、本発明においては、「フィルム」の語は狭義のフィルムの他に所謂シートや板と呼称される厚みの厚いものも包含する広義の意味で使用する。
これら透明基材の厚みは、20〜3000μm程度の範囲から、用途、要求性能、価格等に応じて適宜の厚みを選択する。
導電体メッシュである電極20は、高導電性金属層である銅層21とその上(観察者側)に設けたメッシュパターンの不可視性を向上させるための黒化金属層22からなっている。
本発明の効果を奏するために、銅層の厚みは0.1〜5μm、より好ましくは0.5〜2.5μmであることを要し、黒化金属層の厚みは0.01〜0.4μmであることを要する。
銅層をこの薄さとすることで、細線化がしやすくなり、特に線幅が10μm以下、中でも特に7μm以下の銅層の細線を形状再現性良く加工することが可能となり、黒化金属層をこのように薄くすることにより、メッシュ線幅のバラツキが小さく、断線のない細線金属メッシュを備えた電極フィルムを得ることができる。
このような薄さの銅層および黒化金属層は、好ましくは、銅の蒸着によって銅膜を形成し、次いでスパッタリング、蒸着、メッキなどによって腐蝕速度が銅よりも遅い黒化金属層、代表的には、銅を含む酸化物からなる黒化金属膜32を形成し、その後に、後述するようにフォトリソグラフィー技術を用いたエッチング(腐蝕)によりパターンニングすることによって得ることができる。
なお、黒化金属膜(これをメッシュ化した黒化金属層も同様)を構成する材料としては、銅膜(乃至これをメッシュ化した銅層)表面の外光反射による赤銅色の光沢が目視で視認されなくさせるに足りる金属からなる材料の中から、加工適正、及び当該電極フィルムの各種要求物性を満たすものを適宜選択すればよい。
具体的には、銅を含む酸化物が代表的なものであり、CuO(酸化銅(II)、或いは酸化第二銅とも呼称される)、CuO−Cr23、CuO−Fe34−Mn23、CoO−Fe23−Cr23等が挙げられる。前記材料中には、適宜、許容不純物として、或いは黒色度や要求物性を調整する添加物として、化学式に表記した以外の各種元素を含んでいてもよい。また、黒化金属膜は、前記材料2種以上を含んでいてもよい。
その他、黒色酸化鉄(Fe34)、チタンブラックとして知られているチタン及び酸化チタンからなる化合物等が挙げられる。
なお、前記列挙の銅を含む酸化物はいずれも、銅よりも腐蝕液に対する腐蝕速度VZ(単位時間当たりに厚み方向Zに進行する腐蝕距離として定義される)が遅い。特に、CuO膜を塩化第二鉄水溶液の腐蝕液で腐蝕する場合に、この傾向が顕著である。
その結果、銅膜及び黒化金属膜のエッチング工程において、以下の如きライン部の線幅Wの分布ΔWの増幅という問題が生じる。即ち、図4(d)の如く、透明基材10上に、銅膜31、銅よりも腐蝕速度の遅い黒化金属膜32、及びレジストパターン層33をこの順に積層形成し、レジストパターン層33の開口部を腐蝕液で腐蝕して銅膜31及び黒化金属膜32を腐蝕除去して(透明基材10は残す)、図4(e)のような電極フィルム100を製造する場合、黒化金属膜32の厚み方向Zの腐蝕速度Vblack Zが比較的遅い為、銅膜開口部に露出した黒化金属膜32の膜厚、黒化金属層32の不純物や格子欠陥の量、黒化金属膜32直上の腐蝕液の濃度及び流速等の腐蝕の進行を左右する要因の影響によって、黒化金属膜32が全厚み除去されて腐蝕液が銅膜31に到達する迄の時間tに面内分布Δt(早い遅い)を生じる。
一方、銅膜31の厚み方向Zの腐蝕速度VCu Zは比較的高く、
Cu Z>Vblack Z
であるため、最後に銅膜31に腐蝕液が到達した部分で銅膜31が全層腐蝕完了した時刻tlastにおいて、当該部分では、厚み方向と直交する幅方向X(図3、図4参照)へのサイドエッチング距離ΔXは殆んど未進行(ΔX≒0)である。
そのため、最後に銅膜に腐蝕液が到達した部分では、線幅Wは比較的広いまま維持されている(この部分が図3でライン部の幅Wが相対的に広い部分に相当)。
これに対して、腐蝕液が時刻tfirstにおいて最初に銅膜31に到達した部分においては、時刻tlastの時点では幅方向腐蝕液が幅方向Xに進行している。銅膜31の幅方向Xの腐蝕速度をVCu Xとすると、概略
Cu X≒VCu Z>Vblack Z
と考えられるため、腐蝕液が最初に銅膜31に到達した時刻と最後に腐蝕液が銅膜31に到達した時刻との時間差Δt=tlast−tfirstに比例した距離
ΔX=Δt×VCu X=(tlast−tfirst)×VCu X
だけ幅方向に腐蝕(幅の減少)が進行する。
そのため、最初に銅膜に腐蝕液が到達した部分では、線幅Wは比較的狭くなる(この部分が図3でライン部の幅Wが相対的に狭い部分に相当)。
なお、この場合、全領域にわたってエッチング加工が完了した時点においては、最大Δ
t=tlast−tfirstの間、幅方向Xに向かってサイドエッチングが進行するため、ライン部の場所によって、程度に分布はあるものの、ライン部の延在方向に直交する断面の形状は、図2(a)の如く、透明基材から遠い頂部の幅W2の方が透明基材に近い麓部の幅W1よりも大(W2>W1)となった逆テーパー形状をなす。
なお、最後に腐蝕液が銅膜31に到達した部分においては、エッチング加工終了時点においてはサイドエッチングは殆ど未進行のため、W2≒W1となり、サイドエッチング量ΔXは、
ΔX=ΔXMIN≒0
となる。
また、最初に腐蝕液が銅膜31に到達した部分においては、サイドエッチング量ΔXは最大値
ΔX=ΔXMAX=Δt×VCu X=(tlast−tfirst)×VCu X
となる。
よって、導電体メッシュ全体としては、少なくとも一部分に(通常は大部分に)逆テーパー形状のライン部を含み、ライン部の線幅Wは、サイドエッチング量ΔXに対応した分布ΔWを有する。
本発明の電極はメッシュ(網目模様又は格子模様)パターンであり、そのライン部の線幅Wは2〜7μmの細線であり、メッシュパターンの開口率は、95〜99%程度である。
図2は、本発明の金属メッシュ電極の断面形状を示す図である。
本発明の金属メッシュ電極は、図2(b)の如く「頂部の幅(W2)≦麓部の幅(W1)」となる順テーパー形状及び図2(a)の如く「頂部の幅(W2)>麓部の幅(W1)」となる逆テーパー形状のいずれも可能である。
ただし、メッシュパターンライン部の側面における外光反射の不可視性、及び製造工程の簡略化の点から、より好ましい形態は図2(a)の逆テーパー形状である。
すなわち、逆テーパー形状の場合は、黒化金属層22で被覆されずに銅層21が露出するライン部の側面は外光を本来反射する特性を有するが、図2(a)からわかるように、斯かる側面はより広幅の黒化金属層22の裏面に隠れるため、外光反射の視認性は抑制される。なお、黒化金属層22は観察者側に形成することが前提のため、観察者は電極フィルムを黒化金属層22の側から観察するように使用される。
逆テーパー形状(W2>W1)においては、頂部の幅(W2)は平均線幅が2〜7μmであって、麓部の幅(W1)は頂部の幅(W2)より1μm程度以下の範囲で狭くなっている。電極の高さ(H)は、(前記銅層および黒化金属層の各厚みより)0.1〜5μmである。
このような逆テーパー形状は、上述したように、特に、黒化金属層の厚みを0.01〜0.4μmと薄くしたことにより、エッチング時において、腐蝕液が最初に該黒化金属層を貫通した銅部分のサイドエッチングの進行が抑えられるためである。
また、順テーパー形状は、図4(d)におけるレジストパターン層33の開口部の黒化金属膜32を塩酸で除去して後、塩化第2鉄水溶液等の腐蝕液を用いて銅膜31をエッチングすることにより、容易に得ることができる。
図3は、メッシュパターンのライン部の線幅のバラツキを示す上面図である。
本発明のメッシュパターンのライン部の線幅のバラツキ(3σ)は、「平均線幅からの振れ幅(2ΔW)/平均線幅(W)≦0.4」であり、直線性が高く、斯かる2ΔW/Wの範囲に線幅のバラツキが収束した場合、細線領域(2〜7μm)における断線は視認されないことが確認された。なお、ここにおける線幅(W)は、図2(a)の逆テーパー形状の場合は、より広幅となる頂部の幅W2を対象として評価、測定等する。一方、図2(b)の順テーパー形状の場合は、より広幅となる麓部の幅W1を対象として評価、測定等する。
なお、該ライン部の線幅Wの分布ΔWはメッシュパターンのライン部の5箇所以上、好ましくは10〜100箇所について、頂部の幅W2と麓部の幅W1のうちのより大きい幅を測定して求めた標準偏差σの3倍(3σ;平均値の片側における分布の振幅)として定義する。
そして、ライン部の線幅W自体の広狭の変動範囲を評価する場合には、線幅Wの幅分布の最大値と最小値の差に相当する振れ幅(振幅の2倍)2ΔW=6σで評価する。
[電極フィルムの製造方法]
図4は、本発明の電極フィルムの製造方法を説明するものである。
まず、図4(a)に示すように、透明基材10を準備する。
次に、図4(b)に示すように、電極20の銅層21を構成するようになる銅膜31を透明基材10上に形成する。銅膜31は、銅箔を接着剤層を介して基材にラミネートしたものから形成するのではなく、接着剤層を介さずに透明基材10上に直接的に形成する。すなわち、特定の厚みを有した銅箔を透明基材10上に積層するのではなく、透明基材10上に所望の厚みを有した銅膜31を成膜する。銅膜31の成膜方法としては、スパッタリング、蒸着、電界めっき、無電界めっき等の種々の方法を採用することができるが、比較的に短時間で安価に製造することができることから、蒸着が好ましい。
その後、図4(c)に示すように、電極20の黒化金属層22を構成するようになる黒化金属膜32を、銅膜31上に形成する。黒化金属層22の成膜方法としては、酸化銅のスパッタリングもしくは蒸着を採用することが好ましい。
次に、フォトリソグラフィー技術を用いたパターニングにより、透明基材10上の銅膜31および黒化金属膜32を所望のパターンにて、パターニングする。
具体的には、まず、黒化金属膜32上にレジスト膜を設け、当該レジスト膜をパターン露光および現像して網目模様又は格子模様にパターニングする(図4(d))。次に、パターニングされたレジストパターン層33をマスクとして、黒化金属膜32および銅膜31をエッチングする。エッチング液として40°ボーメの塩化第2鉄水溶液を用いて35〜45℃でエッチングするのが好ましい。
これにより、黒化金属膜32から黒化金属層22が形成され、銅膜31から銅層21が形成される。このようにして、透明基材10上に、銅層21および黒化金属層22を含んでなる電極20が、所望のパターンで形成される(図4(e))。
その後、電極20上のレジストパターン層33を除去することによって、電極フィルム100が得られる。
[電極フィルムの用途]
(タッチパネル)
本発明の電極フィルムは、タッチパネルセンサーとして好ましく使用することができ、当該タッチパネルセンサーを含むタッチパネルは、携帯用小型端末、電子ペーパー、コンピュータディスプレイ、小型ゲーム機、現金自動支払機の表示面、乗車券自動販売機などの表示面等に装着されるタッチパネルとして好ましく使用することができる。なお、このような表示装置は、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)、電場発光(EL)表示装置、陰極線管(CRT)表示装置、電気泳動表示装置等のいずれであってもよい。
(その他)
また、本発明の電極フィルムは、導電性でメッシュ不可視性なので、PDPなどの画像表示装置のディスプレイ前面に貼付する電磁波シールド材として好ましく使用することができる。
さらに、本発明の電極フィルムは、透明アンテナ用エレメントとして好ましく使用することができ、当該透明アンテナ用エレメントは、透視性と送受信機能の両機能を具備するため、各種の透明アンテナに利用できる。
当該透明アンテナは、透明性が要求される部位に取付けて好ましく使用することができる。特に携帯電話などモバイル通信機器のディスプレイ前面に取付けて地上波や衛星放送の受信に利用することができ、自動車、バス、トラック、鉄道車両、新交通システムの車両等の窓ガラスに取付けてGPS衛星の位置情報電波、テレビジョン、ラジオ、車輌無線等の電波の受信に使用でき、家屋並びに各種ビル、パーティションにおける窓ガラスに取付けて、地上波や衛星放送を受信するための建築物窓用透明アンテナ等として利用できる。
10 透明基材
20 電極
21 銅層
22 黒化金属層
31 銅膜
32 黒化金属膜
33 レジストパターン層
100 電極フィルム

Claims (3)

  1. 透明基材上に0.1〜5μmの厚みの銅膜、0.01〜0.4μmの厚みのCuOである黒化金属膜、レジスト膜を順次設け、当該レジスト膜をパターン露光および現像してパターニングし、次いで、パターニングされたレジストパターン層をマスクとして、黒化金属膜および銅膜をエッチングして黒化金属層、銅層を形成し、その後、レジストパターン層を除去することにより、パターンのライン部の線幅が2〜7μmであり、その線幅のバラツキが、
    平均線幅からの振れ幅(2ΔW)/平均線幅(W)≦0.4
    である導電体メッシュを備えたタッチパネル用電極フィルムを製造する方法。
  2. エッチング液として塩化第2鉄水溶液を用いてエッチングする請求項1に記載のタッチパネル用電極フィルムを製造する方法
  3. エッチング液として40°ボーメの塩化第2鉄水溶液を用いて35〜45℃でエッチングする請求項2に記載のタッチパネル用電極フィルムを製造する方法
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