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JP5886968B2 - 基地局、ユーザ端末及びプロセッサ - Google Patents

基地局、ユーザ端末及びプロセッサ Download PDF

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Description

本発明は、D2D通信をサポートする移動通信システムにおける基地局、ユーザ端末、及びプロセッサに関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、リリース12以降の新機能として、端末間(Device to Device:D2D)通信の導入が検討されている(非特許文献1参照)。
D2D通信は、近接する複数のユーザ端末が、移動通信システムに割り当てられた周波数帯域内で直接的な無線通信を行うものである。なお、D2D通信は、近傍サービス(Proximity Service)通信と称されることもある。
3GPP技術報告 「TR 22.803 V0.3.0」 2012年5月
現状の仕様においては、D2D通信を適切に制御するための仕組みが存在しないという問題がある。
そこで、本発明は、D2D通信を適切に制御できる基地局、ユーザ端末、及びプロセッサを提供する。
一実施形態によれば、近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて、自端末の近傍にいる他のユーザ端末の発見に使用される発見用信号を送信するユーザ端末を収容する基地局は、前記発見用信号の送信電力を指定するための電力設定情報を前記ユーザ端末に送信する。前記基地局は、他の基地局への前記ユーザ端末のハンドオーバを行う場合に、前記電力設定情報を前記他の基地局に通知する。
一実施形態によれば、近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて、自端末の近傍にいる他のユーザ端末の発見に使用される発見用信号を送信するユーザ端末は、前記発見用信号の送信電力を決定した後、当該決定した送信電力の適用可否を問い合わせるための問い合わせ情報を基地局に送信する。
一実施形態によれば、近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて、自端末の近傍にいる他のユーザ端末の発見に使用される発見用信号を送信するユーザ端末を制御するプロセッサは、前記発見用信号の送信電力を決定した後、当該決定した送信電力の適用可否を問い合わせるための問い合わせ情報を基地局に送信するための処理を行う。
図1は、LTEシステムの構成図である。 図2は、UEのブロック図である。 図3は、eNBのブロック図である。 図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。 図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。 図6は、セルラ通信におけるデータパスを示す。 図7は、D2D通信におけるデータパスを示す。 図8は、Discovery信号を説明するための図である。 図9は、Discovery信号の到達範囲を説明するための図である(その1)。 図10は、Discovery信号の到達範囲を説明するための図である(その2)。 図11は、第1実施形態に係る動作パターン1のシーケンス図である。 図12は、第1実施形態に係る動作パターン2のシーケンス図である。 図13は、第1実施形態に係る動作パターン3のシーケンス図である。 図14は、第2実施形態に係る動作パターン1のシーケンス図である。 図15は、第2実施形態に係る動作パターン2のシーケンス図である。 図16は、その他の実施形態に係る動作パターンのシーケンス図である。
[実施形態の概要]
第1実施形態に係る基地局は、直接的な端末間無線通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおいて、前記D2D通信における通信相手端末の発見に使用される発見用信号を送信するユーザ端末を収容する。ここで、「通信相手端末の発見」とは、通信相手端末を発見すること(Discover)に限らず、通信相手端末から発見されること(Discoverable)も含む。また、「ユーザ端末を収容する」とは、ユーザ端末が基地局との接続を確立した状態に限らず、アイドル状態のユーザ端末が基地局を選択した状態も含む。
第1実施形態において、前記基地局は、前記発見用信号の送信電力を指定するための電力制御情報を前記ユーザ端末に送信する制御を行う制御部を有する。これにより、ユーザ端末における発見用信号の送信電力を基地局が指定できるので、ユーザ端末が適切な送信電力で発見用信号を送信できる。したがって、D2D通信を適切に制御できる。
第1実施形態において、前記電力制御情報は、前記送信電力の絶対値及び/又は前記送信電力の許容範囲を示す情報を含む。これにより、ユーザ端末は、電力制御情報に従った送信電力で発見用信号を送信すればよいので、当該送信電力を決定するための処理負荷を低減できる。なお、「許容範囲」とは、発見用信号の送信電力の絶対値を基準として定められる上限及び下限(すなわち、相対値)であってもよく、上限及び下限の絶対値であってもよい。
第1実施形態において、前記電力制御情報をブロードキャストで送信する場合に、前記電力制御情報は、セル毎に設定される。これにより、発見用信号の送信電力をセルの特性(周波数帯又はサイズなど)に適応させることができる。なお、「ブロードキャストで送信する場合」とは、例えば、ブロードキャストチャネル上で送信されるシステム情報に、電力制御情報を含める場合を意味する。また、基地局は、上位装置から、セル毎に最適な発見用信号の送信電力の情報を取得してもよい。
第1実施形態において、前記電力制御情報をユニキャストで送信する場合に、前記電力制御情報は、ユーザ端末毎、D2Dグループ毎、又は位置毎に設定される。これにより、発見用信号の送信電力をきめ細かく設定できる。なお、「ユニキャストで送信する場合」とは、例えば、個別チャネル上で送信される制御信号(シグナリング)に電力制御情報を含める場合を意味する。また、前記基地局は、前記電力制御情報をユニキャストでユーザ端末に送信した後に、当該電力制御情報の適用を中止(解除)するよう当該ユーザ端末に指示してもよい。
第1実施形態において、前記電力制御情報をユニキャストで送信する場合に、前記制御部は、前記ユーザ端末の位置若しくは能力、及び/又は、前記基地局と前記ユーザ端末との間の伝搬損失に基づいて、前記ユーザ端末における前記発見用信号の送信電力を決定する。これにより、発見用信号の送信電力をユーザ端末の状況に適応させることができる。なお、ユーザ端末の位置若しくは能力、又は、基地局とユーザ端末との間の伝搬損失は、例えば、基地局がユーザ端末から受信する信号に基づいて判断できる。また、ユーザ端末の能力とは、D2D通信における通信相手端末の発見のための能力、又は、D2D通信における無線リソースの割り当ての能力であってもよい。
第1実施形態において、他の基地局への前記ユーザ端末のハンドオーバを行う場合に、前記制御部は、前記決定した送信電力を前記他の基地局に通知する制御を行う。これにより、発見用信号の送信電力の設定をハンドオーバ先の基地局に引き継ぐことができる。
さらに、第1実施形態において、電力制御情報のブロードキャスト送信及びユニキャスト送信を併用してもよい。この場合、ユーザ端末は、ユニキャストで送信された電力制御情報を、ブロードキャストで送信された電力制御情報よりも優先して適用してもよい。或いは、ブロードキャストで送信された電力制御情報と、ユニキャストで送信された電力制御情報と、の何れを優先して適用すべきかを、基地局がユーザ端末に対して指定してもよい。
第2実施形態に係るユーザ端末は、直接的な端末間無線通信であるD2D通信をサポートする移動通信システムにおいて、前記D2D通信における通信相手端末の発見に使用される発見用信号を送信する。
第2実施形態において、前記ユーザ端末は、前記発見用信号の送信電力を決定した後、当該決定した送信電力の適用可否を問い合わせるための問い合わせ情報を基地局に送信する制御を行う制御部を有する。これにより、ユーザ端末における発見用信号の送信電力を基地局が管理できるので、ユーザ端末が適切な送信電力で発見用信号を送信できる。したがって、D2D通信を適切に制御できる。
第2実施形態において、前記問い合わせ情報は、前記決定した送信電力を示す情報を含んでもよい。これにより、基地局は、ユーザ端末で決定した発見用信号の送信電力が許容できるものであるか否かを判断できる。
第2実施形態において、前記制御部は、前記ユーザ端末の位置若しくは能力、及び/又は、前記基地局と前記ユーザ端末との間の伝搬損失に基づいて、前記送信電力を決定する。これにより、発見用信号の送信電力をユーザ端末の状況に適応させることができる。
以下、図面を参照して、3GPP規格に準拠して構成されるセルラ移動通信システム(以下、「LTEシステム」)にD2D通信を導入する場合の各実施形態を説明する。
[第1実施形態]
(LTEシステム)
図1は、本実施形態に係るLTEシステムの構成図である。
図1に示すように、LTEシステムは、複数のUE(User Equipment)100と、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10と、EPC(Evolved Packet Core)20と、を含む。E−UTRAN10及びEPC20は、ネットワークを構成する。
UE100は、移動型の無線通信装置であり、接続を確立したセル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100はユーザ端末に相当する。
E−UTRAN10は、複数のeNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は基地局に相当する。eNB200は、セルを管理しており、セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。
なお、「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示すとしても使用される。
eNB200は、例えば、無線リソース管理(RRM)機能と、ユーザデータのルーティング機能と、モビリティ制御及びスケジューリングのための測定制御機能と、を有する。
EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300と、OAM400(Operation and Maintenance)と、を含む。
MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行うネットワークノードであり、制御局に相当する。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行うネットワークノードであり、交換局に相当する。
eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。また、eNB200は、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。
OAM400は、オペレータによって管理されるサーバ装置であり、E−UTRAN10の保守及び監視を行う。
次に、UE100及びeNB200の構成を説明する。
図2は、UE100のブロック図である。図2に示すように、UE100は、アンテナ101と、無線送受信機110と、ユーザインターフェイス120と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機130と、バッテリ140と、メモリ150と、プロセッサ160と、を有する。メモリ150及びプロセッサ160は、制御部を構成する。
UE100は、GNSS受信機130を有していなくてもよい。また、メモリ150をプロセッサ160と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサ160’としてもよい。
アンテナ101及び無線送受信機110は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ101は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機110は、プロセッサ160が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ101から送信する。また、無線送受信機110は、アンテナ101が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ160に出力する。
ユーザインターフェイス120は、UE100を所持するユーザとのインターフェイスであり、例えば、ディスプレイ、マイク、スピーカ、及び各種ボタンなどを含む。ユーザインターフェイス120は、ユーザからの操作を受け付けて、該操作の内容を示す信号をプロセッサ160に出力する。
GNSS受信機130は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信して、受信した信号をプロセッサ160に出力する。
バッテリ140は、UE100の各ブロックに供給すべき電力を蓄える。
メモリ150は、プロセッサ160によって実行されるプログラムと、プロセッサ160による処理に使用される情報と、を記憶する。
プロセッサ160は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ150に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサ160は、さらに、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサ160は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。
図3は、eNB200のブロック図である。図3に示すように、eNB200は、アンテナ201と、無線送受信機210と、ネットワークインターフェイス220と、メモリ230と、プロセッサ240と、を有する。メモリ230及びプロセッサ240は、制御部を構成する。
アンテナ201及び無線送受信機210は、無線信号の送受信に用いられる。アンテナ201は、複数のアンテナ素子を含む。無線送受信機210は、プロセッサ240が出力するベースバンド信号を無線信号に変換してアンテナ201から送信する。また、無線送受信機210は、アンテナ201が受信する無線信号をベースバンド信号に変換してプロセッサ240に出力する。
ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。ネットワークインターフェイス220は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に用いられる。
メモリ230は、プロセッサ240によって実行されるプログラムと、プロセッサ240による処理に使用される情報と、を記憶する。
プロセッサ240は、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号などを行うベースバンドプロセッサと、メモリ230に記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPUと、を含む。プロセッサ240は、後述する各種の処理及び各種の通信プロトコルを実行する。なお、メモリ230をプロセッサ240と一体化し、このセット(すなわち、チップセット)をプロセッサとしてもよい。
図4は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
図4に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルのレイヤ1乃至レイヤ3に区分されており、レイヤ1は物理(PHY)レイヤである。レイヤ2は、MAC(Media Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、を含む。レイヤ3は、RRC(Radio Resource Control)レイヤを含む。
物理レイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。物理レイヤは、物理チャネルを用いて上位レイヤに伝送サービスを提供する。UE100の物理レイヤとeNB200の物理レイヤとの間では、物理チャネルを介してデータが伝送される。
MACレイヤは、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UE100のMACレイヤとeNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータが伝送される。eNB200のMACレイヤは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式など)、及び割り当てリソースブロックを決定するMACスケジューラを含む。
RLCレイヤは、MACレイヤ及び物理レイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとeNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータが伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRCレイヤは、制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRCレイヤとeNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のための制御信号(RRCメッセージ)が伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100は接続状態であり、そうでない場合、UE100はアイドル状態である。
RRCレイヤの上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)レイヤは、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図5は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)がそれぞれ使用される。
図5に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成され、各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各シンボルの先頭には、サイクリックプレフィックス(CP)と呼ばれるガード区間が設けられる。リソースブロックは、周波数方向に複数個のサブキャリアを含む。1つのサブキャリア及び1つのシンボルにより構成される無線リソース単位はリソースエレメント(RE)と称される。
UE100に割り当てられる無線リソースのうち、周波数リソースはリソースブロックにより特定でき、時間リソースはサブフレーム(又はスロット)により特定できる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームの残りの区間は、主に物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用できる領域である。さらに、各サブフレームには、セル固有参照信号(CRS)が分散して配置される。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームにおける周波数方向の中央部は、主に物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用できる領域である。さらに、各サブフレームには、復調参照信号(DMRS)及びサウンディング参照信号(SRS)が配置される。具体的には、DMRSは、ノーマルCPの場合は各スロットの4シンボル目に配置され、拡張CPの場合は各スロットの3シンボル目に配置される。SRSは、サブフレームの最終シンボルに配置される。
(D2D通信)
次に、LTEシステムの通常の通信(セルラ通信)とD2D通信とを比較して説明する。
図6は、セルラ通信におけるデータパスを示す。ここでは、eNB200−1との接続を確立したUE100−1と、eNB200−2との接続を確立したUE100−2と、の間でセルラ通信を行う場合を例示している。なお、データパスとは、ユーザデータ(ユーザプレーン)の転送経路を意味する。
図6に示すように、セルラ通信のデータパスはネットワークを経由する。詳細には、eNB200−1、S−GW300、及びeNB200−2を経由するデータパスが設定される。
図7は、D2D通信におけるデータパスを示す。ここでは、eNB200−1との接続を確立したUE100−1と、eNB200−2との接続を確立したUE100−2と、の間でD2D通信を行う場合を例示している。この場合、UE100−1及びUE100−2は、D2Dグループを構成する。
例えば、UE100−1及びUE100−2のうち一方のUE100が、近傍に存在する他方のUE100を発見することで、D2D通信が開始される。なお、D2D通信を開始するために、UE100は、自身の近傍に存在する他のUE100を発見する(Discover)機能を有する。また、UE100は、他のUE100から発見される(Discoverable)機能を有する。
図7に示すように、D2D通信のデータパスはネットワークを経由しない。すなわち、UE間で直接的な無線通信を行う。このように、UE100−1の近傍にUE100−2が存在するのであれば、UE100−1とUE100−2との間でD2D通信を行うことによって、ネットワークのトラフィック負荷及びUE100のバッテリ消費量を削減するなどの効果が得られる。なお、Locally Routedというモードでは、データパスがS−GW300を経由せずにeNB200を経由する。
ただし、D2D通信はLTEシステムの周波数帯域で行われることが想定されており、例えばセルラ通信への干渉を回避するために、ネットワーク(eNB200)の管理下でD2D通信が行われる。D2D通信のための無線リソース割り当ての方式としては、主に以下の2つがある。
第1の割り当て方式は、D2D通信に使用する無線リソースをUE100が選択できる方式である。具体的には、eNB200は、D2D通信に使用可能な無線リソースである割り当て候補無線リソースを示す情報をUE100に送信する。UE100は、当該割り当て候補無線リソースの中から、D2D通信に使用する無線リソースを自律的に選択する。
第2の割り当て方式は、D2D通信に使用する無線リソースをeNB200が決定する方式である。すなわち、UE100は、D2D通信に使用する無線リソースの選択権を持たない。具体的には、eNB200は、D2D通信のために動的又は準静的に割り当てた無線リソースを示す情報をUE100に送信する。UE100は、当該割り当てられた無線リソースを用いてD2D通信を行う。
(発見用信号)
UE100は、D2D通信の開始前において、自身の近傍に存在する他のUE100を発見するためのDiscovery信号を送信する。本実施形態においてDiscovery信号は、D2D通信における通信相手端末の発見に使用される発見用信号に相当する。
図8は、Discovery信号を説明するための図である。図8に示すように、自身の近傍に存在するUE100−2を探索するUE100−1は、Discovery信号を定期的に送信する。UE100−2は、Discovery信号の受信を定期的に試みる。
UE100−2は、UE100−1からのDiscovery信号を受信すると、Discovery信号に対する応答信号をUE100−1に送信する。ただし、応答信号(Discovery応答信号)の送信は必須ではなく、省略してもよい。
そして、UE100−1及び/又はUE100−2は、D2D通信を開始するためのD2D通信要求をeNB200に送信する。その結果、eNB200の管理下でD2D通信が開始される。或いは、UE100−1及び/又はUE100−2は、D2D通信要求に代えてDiscovery情報をeNB200に報告し、eNB200がD2D通信開始を判断・制御してもよい。
なお、Discovery信号は、移動通信システムに割り当てられた周波数帯域内で送信される。Discovery信号は、移動通信システムに割り当てられた周波数帯域内で、D2D通信に使用可能な無線リソースを用いて送信されてもよい。或いは、Discovery用の特定無線リソースを用いて送信されてもよい。
図9及び図10は、Discovery信号の到達範囲を説明するための図である。
図9に示すように、Discovery信号の到達範囲(Discovery range)は、Discovery信号の送信電力に応じて定められる。このため、UE100が任意の送信電力でDiscovery信号を送信すると、Discovery rangeが不均一となる。その結果、D2D通信の確立及び維持が困難になったり、セルラ通信に対して干渉を与えたりする問題がある。
このような問題を解決するためには、適切と考えられるDiscovery信号の送信電力を予め全UE100に一律に設定することが想定される。しかしながら、このような方法では、UE100の状況、又はUE100の位置するセルの状況などによっては、Discovery信号の送信電力を必ずしも適切に設定できるとは限らない。
例えば、図10に示すように、2GHz帯で運用されるセルにおいて2GHz帯でDiscovery信号を送信するケースと、800MHz帯で運用されるセルにおいて800MHz帯でDiscovery信号を送信するケースと、を比較すると、同一の送信電力でDiscovery信号を送信しても、800MHz帯の方がDiscovery信号は遠くまで到達する。
したがって、Discovery信号の送信電力を予め全UE100に一律に設定する方法は、Discovery rangeが不適切となり得るので、D2D通信の確立及び維持が困難になったり、セルラ通信に対して干渉を与えたりする可能性がある。
(第1実施形態に係る動作)
本実施形態に係るeNB200は、Discovery信号の送信電力を指定するための電力制御情報をUE100に送信する。これにより、UE100におけるDiscovery信号の送信電力をeNB200が指定できるので、UE100が適切な送信電力でDiscovery信号を送信できる。
以下、本実施形態に係る動作を動作パターン1乃至4の順に説明する。
(1)動作パターン1
図11は、本実施形態に係る動作パターン1のシーケンス図である。本動作パターンは、eNB200が電力制御情報をブロードキャストで送信するパターンである。
図11に示すように、ステップS101において、OAM400は、セル毎に最適なDiscovery信号の送信電力の情報をeNB200に送信する。セル毎に最適なDiscovery信号の送信電力は、セルの周波数帯及びセルのサイズに応じて定められる。eNB200は、OAM400から受信した情報に応じて、自身のセル毎に最適なDiscovery信号の送信電力を設定する。
ステップS102において、eNB200は、ステップS101での設定に基づいて、Discovery信号の電力制御情報をブロードキャストで送信する。例えば、システム情報ブロック(SIB)に電力制御情報を含める。システム情報ブロック(SIB)に電力制御情報を含めることで、UE100−1は、アイドル状態においても電力制御情報を受信できる。
電力制御情報は、Discovery信号の送信電力の絶対値及び/又はDiscovery信号の送信電力の許容範囲を示す情報を含む。「許容範囲」とは、送信電力の絶対値を基準として定められる上限及び下限(すなわち、相対値)であってもよく、上限及び下限の絶対値であってもよい。
ここでは、電力制御情報がDiscovery信号の送信電力の絶対値を含むケースを主として説明する。また、Discovery信号の送信電力の絶対値を「Discovery送信電力値」と称する。
さらに、電力制御情報は、セル毎に設定される。例えば、セル毎に異なる電力制御情報を送信してもよく、セル毎に異なるDiscovery送信電力値を含む電力制御情報を送信してもよい。また、後述する式(1)、式(2)の何れを用いるのかを示す指定(設定)情報を送信してもよい。
ステップS103において、UE100−1は、eNB200からの電力制御情報を受信し、受信した電力制御情報に含まれるDiscovery送信電力値(及び許容範囲)を記憶する。電力制御情報が複数のDiscovery送信電力値(及び許容範囲)を含む場合、UE100−1は、自身を収容するセルに対応するDiscovery送信電力値(及び許容範囲)を記憶する。
同様に、ステップS104において、UE100−2は、eNB200からの電力制御情報を受信し、受信した電力制御情報に含まれるDiscovery送信電力値(及び許容範囲)を記憶する。
ステップS105乃至S106において、UE100−1は、ステップS103で記憶したDiscovery送信電力値で、Discovery信号を定期的に送信する。すなわち、UE100−1は、下記式(1)により定められる送信電力でDiscovery信号を送信する。
Figure 0005886968
或いは、UE100−1は、自身とeNB200との間の伝搬損失(パスロス)、又は自身とUE100−2との間の伝搬損失が既知であれば、許容範囲内で、ステップS103で記憶したDiscovery送信電力値を伝搬損失に応じて補正して使用してもよい。例えば、UE100−1は、eNB200が送信する報知情報及び参照信号を受信し、当該受信した報知情報により示される参照信号の送信電力と当該受信した参照信号の受信電力(RSRP)とから伝搬損失を推定できる。伝搬損失に応じて補正する場合、UE100−1は、下記式(2)により定められる送信電力でDiscovery信号を送信する。
Figure 0005886968
このように、伝搬損失が小さいほどDiscovery信号の送信電力が小さくなるように補正することで、eNB200、及び他のUEに与える干渉を小さくすることができる。これに対し、伝搬損失が大きいほどDiscovery信号の送信電力が大きくなるよう補正することで、eNB200に大きな干渉を与えない範囲で、Discovery rangeを大きくすることができる。
(2)動作パターン2
図12は、本実施形態に係る動作パターン2のシーケンス図である。本動作パターンは、eNB200が電力制御情報をユニキャストで送信するパターンである。本動作パターンでは、UE100−1は接続状態にある。
ステップS107において、UE100−1は、自身の位置を示す位置情報をeNB200に通知する。ただし、UE100−1は、位置情報に加えて、又は位置情報に代えて、自身の能力を示す能力情報をeNB200に通知してもよい。或いは、これらの情報を通知する場合に限らず、Discovery信号の送信を開始しようとする旨をeNB200に通知してもよい。なお、UE100−1の能力とは、例えば、サポートする周波数帯(バンド)、Discovery能力もしくはDiscoverable能力、リソーススケジューリング能力である。
ステップS108において、eNB200は、UE100−1からの通知に応じて、Discovery送信電力値を決定する。具体的には、eNB200は、UE100−1の位置若しくは能力、及び/又は、eNB200とUE100−1との間の伝搬損失に基づいて、UE100−1におけるDiscovery信号の送信電力を決定する。
位置又は伝搬損失に基づいてDiscovery送信電力値を決定する場合、上記式(2)と同様に、基準となる送信電力値を伝搬損失に応じて補正する方法が適用できる。ここで、UE100−1からの通知の送信電力が既知であれば、当該送信電力と当該通知の受信電力との差分から伝搬損失を推定できる。或いは、UE100−1が送信するSRS又はDMRSに基づいて伝搬損失を推定してもよい。また、UE100−1の位置から、UE100−1とeNB200との間の距離を求め、当該距離から伝搬損失を推定できる。
また、UE100−1の能力に基づいてDiscovery送信電力値を決定する場合、以下の第1〜第3の方法が適用できる。
ステップS109において、eNB200は、ステップS108で決定したDiscovery送信電力値を含む電力制御情報をユニキャストでUE100−1に送信する。例えば、RRCメッセージ又は下りリンク制御情報(DCI)に電力制御情報を含めてUE100−1に送信する。また、上記式(1)、式(2)の何れを用いるのかを示す指定(設定)情報を送信してもよい。
電力制御情報は、Discovery信号の送信電力の絶対値(Discovery送信電力値)、及び/又はDiscovery信号の送信電力の許容範囲を示す情報を含む。「許容範囲」とは、送信電力の絶対値を基準として定められる上限及び下限(すなわち、相対値)であってもよく、上限及び下限の絶対値であってもよい。
ここでは、電力制御情報がDiscovery信号の送信電力の絶対値を含むケースを主として説明する。
或いは、電力制御情報を位置毎に設定してもよい。この場合、eNB200は、UE100−1に送信する電力制御情報を、UE100−1の周辺に位置する他のUEにさらに送信する。
ステップS110において、UE100−1は、eNB200からの電力制御情報を受信し、受信した電力制御情報に含まれるDiscovery送信電力値(及び許容範囲)を記憶する。
ステップS111乃至S113において、UE100−1は、ステップS110で記憶したDiscovery送信電力値(及び許容範囲)に応じて、上記式(1)又は式(2)で算出される送信電力でDiscovery信号を定期的に送信する。
なお、他のeNBへのUE100−1のハンドオーバを行う場合には、eNB200は、ステップS108で決定したDiscovery送信電力値をX2インターフェイス又はS1インターフェイス上で当該他のeNBに通知することが好ましい。例えば、X2インターフェイス又はS1インターフェイス上で当該他のeNBに送信するハンドオーバ要求にDiscovery送信電力値を含めることで、Discovery信号の送信電力の設定を当該他のeNBに引き継ぐことができる。
(3)動作パターン3
図13は、本実施形態に係る動作パターン3のシーケンス図である。本動作パターンは、eNB200が電力制御情報のブロードキャスト送信及びユニキャスト送信を併用するパターンである。本動作パターンでは、ユニキャストで送信された電力制御情報は、ブロードキャストで送信された電力制御情報よりも優先して適用される。
図13に示すように、ステップS101乃至S106は、上述した動作パターン1と同様である。
ステップS107乃至S113は、上述した動作パターン2と同様である。このように、UE100−1は、ブロードキャストで送信されたDiscovery送信電力値A(及び許容範囲)を受信及び記憶していても、ユニキャストで送信されたDiscovery送信電力値B(及び許容範囲)を受信及び記憶した場合には、Discovery送信電力値B(及び許容範囲)を適用する。これは、ユニキャストで送信されたDiscovery送信電力値B(及び許容範囲)の方が、ブロードキャストで送信されたDiscovery送信電力値A(及び許容範囲)よりも高精度だからである。
ステップS114において、UE100−1は、自身の位置を示す位置情報をeNB200に通知する。ただし、UE100−1は、位置情報に加えて、又は位置情報に代えて、自身の能力を示す能力情報をeNB200に通知してもよい。或いは、これらの情報を通知する場合に限らず、Discovery信号の送信を開始しようとする旨をeNB200に通知してもよい。
ステップS115において、eNB200は、UE100−1からの通知に応じて、ステップS108で決定したDiscovery送信電力値B(すなわち、Discovery送信電力個別設定)を解除するか否かを判断する。例えば、以下の場合には、Discovery送信電力個別設定を解除すると判断する。
・UE位置が変化した為、ユニキャスト設定の範囲を超えた。
・UE能力(例えばDiscoverable能力)が変化した為、ユニキャスト設定の必要が無くなった(ブロードキャスト設定でよくなった)。
・自セル内のUE数(D2D通信、セルラ通信含む)、トラフィックなどにより、ユニキャスト設定の必要が無くなった(ブロードキャスト設定でよくなった)。
ここでは、eNB200がDiscovery送信電力個別設定を解除すると判断したと仮定して説明を進める。
ステップS116において、eNB200は、Discovery送信電力個別設定の解除をUE100−1に通知する。UE100−1は、当該通知を受信すると、ステップS110で記憶したDiscovery送信電力値B(及び許容範囲)の適用を中止する。なお、ユニキャストで解除通知する場合に限らず、ブロードキャストで自セル内の全UEの個別設定を解除してもよい。
ステップS117乃至S118において、UE100−1は、ステップS103で記憶したDiscovery送信電力値(及び許容範囲)に応じて、上記式(1)又は式(2)で算出される送信電力でDiscovery信号を定期的に送信する。
(4)動作パターン4
本動作パターンは、eNB200が電力制御情報のブロードキャスト送信及びユニキャスト送信を併用するパターンである点で、動作パターン3と共通する。
ただし、本動作パターンは、ブロードキャストで送信された電力制御情報と、ユニキャストで送信された電力制御情報と、をUE100−1が受信した場合に、何れか一方の電力制御情報をUE100−1が選択できる点で、動作パターン3とは異なる。
具体的には、eNB200は、ブロードキャストで送信された電力制御情報と、ユニキャストで送信された電力制御情報と、の何れを優先して適用すべきかを、UE100−1に対して指示する。UE100−1は、eNB200からの指示に従い、何れか一方の電力制御情報を選択して適用する。
(第1実施形態のまとめ)
本実施形態に係るeNB200は、Discovery信号の送信電力を指定するための電力制御情報をUE100に送信する。これにより、UE100におけるDiscovery信号の送信電力をeNB200が指定できるので、UE100が適切な送信電力でDiscovery信号を送信できる。
本実施形態では、電力制御情報は、送信電力の絶対値及び/又は送信電力の許容範囲を示す情報を含む。これにより、UE100は、電力制御情報に従った送信電力でDiscovery信号を送信すればよいので、送信電力を決定するための処理負荷を低減できる。
本実施形態では、電力制御情報をブロードキャストで送信する場合に、電力制御情報はセル毎に設定される。これにより、Discovery信号の送信電力をセルの特性(周波数帯又はサイズなど)に適応させることができる。
本実施形態では、電力制御情報をユニキャストで送信する場合に、電力制御情報は、UE100毎、D2Dグループ毎、又は位置毎に設定される。これにより、Discovery信号の送信電力をきめ細かく設定できる。
本実施形態では、電力制御情報をユニキャストで送信する場合に、eNB200は、UE100の位置若しくは能力、及び/又は、eNB200とUE100との間の伝搬損失に基づいて、UE100におけるDiscovery信号の送信電力を決定する。これにより、Discovery信号の送信電力をUE100の状況に適応させることができる。
本実施形態では、他のeNBへのUE100のハンドオーバを行う場合に、eNB200は、決定した送信電力を当該他のeNBに通知する。これにより、Discovery信号の送信電力の設定をハンドオーバ先のeNBに引き継ぐことができる。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。
(第2実施形態に係る動作)
本実施形態に係るUE100は、Discovery信号の送信電力を決定した後、当該決定した送信電力の適用可否を問い合わせるための問い合わせ情報をeNB200に送信する。
以下、本実施形態に係る動作を動作パターン1乃至2の順に説明する。
(1)動作パターン1
図14は、本実施形態に係る動作パターン1のシーケンス図である。
図14に示すように、ステップS201において、OAM400は、Discovery信号の送信電力の閾値(以下、「Discovery送信電力閾値」と称する)の情報をeNB200に送信する。Discovery送信電力閾値は、eNB200の設置環境に応じて定められる。例えば、eNB200に隣接してピコeNB(PeNB)又はホームeNB(HeNB)が設置されるHetNet環境であれば、PeNB又はHeNBへの干渉を低減するように、Discovery送信電力閾値を通常よりも低くすることが好ましい。
ステップS202において、eNB200は、OAM400から受信した情報に応じて、Discovery送信電力閾値を記憶(設定)する。
ステップS203において、UE100−1は、Discovery送信電力値を決定(算出)する。例えば、UE100−1は、第1実施形態と同様に、UE100の位置若しくは能力、及び/又は、eNB200とUE100との間の伝搬損失に基づいて、Discovery送信電力値を決定する。
或いは、SRS送信電力の算出式を流用してDiscovery送信電力値を決定してもよい。この場合、UE100−1は、下記式(3)によりDiscovery送信電力値を決定する。
Figure 0005886968
なお、Discovery送信電力用のオフセット値の情報は、eNB200からUE100−1に予め送信される。
ステップS204において、UE100−1は、ステップS203で決定したDiscovery送信電力値の適用可否を問い合わせるための問い合わせ情報をeNB200に送信する。問い合わせ情報は、UE100が決定したDiscovery送信電力値を示す情報を含む。
ステップS205において、eNB200は、ステップS204でUE100から受信した問い合わせ情報が示すDiscovery送信電力値が、ステップS202で記憶したDiscovery送信電力閾値以下であるか否かを判定する。
ステップS205の判定結果が“Yes”である場合、ステップS206において、eNB200は、UE100が決定したDiscovery送信電力値を許可する旨をUE100−1に通知する。
これに対し、ステップS205の判定結果が“No”である場合、ステップS207において、eNB200は、UE100が決定したDiscovery送信電力値を拒否する旨をUE100−1に通知する。
(2)動作パターン2
図15は、本実施形態に係る動作パターン2のシーケンス図である。ここでは、本実施形態に係る動作パターン1との相違点を主として説明する。本動作パターンは、隣接eNBとのネゴシエーションによりDiscovery送信電力閾値を決定する点で動作パターン1とは異なる。
図15に示すように、ステップS211において、eNB200−1は、自身に隣接するeNB200−2に対して、Discovery送信電力閾値の適用可否をX2インターフェイス又はS1インターフェイス上で問い合わせる。例えば、ここでのDiscovery送信電力閾値(初期値)は、マクロeNB向けのプリセット値である。
ステップS212において、eNB200−2は、ステップS211でeNB200−1から通知されたDiscovery送信電力閾値を許可するか否かを判断する。例えば、eNB200−2がピコeNBである場合、eNB200−2は、eNB200−1から通知されたDiscovery送信電力閾値を拒否すると判断する。ここでは、eNB200−2が当該Discovery送信電力閾値を許可すると判断したと仮定して説明を進める。eNB200−2は、Discovery送信電力閾値を許可する旨をX2インターフェイス又はS1インターフェイス上でeNB200−1に通知する。
ステップS202において、eNB200−1は、eNB200−2によりDiscovery送信電力閾値が許可されたことに応じて、Discovery送信電力閾値を記憶(設定)する。なお、以降の動作は、本実施形態に係る動作パターン1と同様である。
なお、eNB200−2が当該Discovery送信電力閾値を拒否すると判断した場合には、eNB200−1は、何らかの算出式もしくはプリセット値もしくは上位装置から設定されたPeNB用設定で再度問い合わせる。これにより、自律的にDiscovery送信電力閾値を設定できる。
(第2実施形態のまとめ)
本実施形態に係るUE100は、Discovery信号の送信電力を決定した後、当該決定した送信電力の適用可否を問い合わせるための問い合わせ情報をeNB200に送信する。これにより、UE100におけるDiscovery信号の送信電力をeNB200が管理できるので、UE100が適切な送信電力でDiscovery信号を送信できる。
本実施形態では、問い合わせ情報は、UE100が決定したDiscovery信号の送信電力を示す情報を含む。これにより、eNB200は、UE100で決定したDiscovery信号の送信電力が許容できるものであるか否かを判断できる。
本実施形態では、UE100は、UE100の位置若しくは能力、及び/又は、eNB200とUE100との間の伝搬損失に基づいて、Discovery信号の送信電力を決定する。これにより、Discovery信号の送信電力をUE100の状況に適応させることができる。
[その他の実施形態]
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、第1実施形態(基地局主導)と第2実施形態(端末主導)とを組み合わせて実施してもよい。図16は、その他の実施形態に係る動作パターンのシーケンス図である。ここでは、第1実施形態及び第2実施形態との相違点を主として説明する。
図16に示すように、ステップS301において、OAM400は、Discovery信号の送信電力の情報をeNB200に送信する。
ステップS302において、eNB200は、ステップS301での設定に基づいて、Discovery信号の電力制御情報をブロードキャストで送信する。
ステップS303において、UE100−1は、eNB200からの電力制御情報を受信し、受信した電力制御情報に含まれるDiscovery送信電力値を記憶する。
同様に、ステップS304において、UE100−2は、eNB200からの電力制御情報を受信し、受信した電力制御情報に含まれるDiscovery送信電力値を記憶する。
ステップS305乃至S306において、UE100−1は、ステップS303で記憶したDiscovery送信電力値で、すなわち、上記式(1)により定められる送信電力で、Discovery信号を定期的に送信する。
ステップS307において、eNB200は、参照信号(CRS)を送信する。
ステップS308において、UE100−1は、eNB200からの参照信号(CRS)に基づいて、自身の位置、又はeNB200との間の伝搬損失を推定する。
ステップS309において、UE100−1は、ステップS308で推定した位置又は伝搬損失に応じて、上記式(2)によりDiscovery送信電力値を算出する。
ステップS310において、UE100−1は、ステップS309で決定(算出)したDiscovery送信電力値の適用可否を問い合わせるための問い合わせ情報をeNB200に送信する。問い合わせ情報は、UE100が決定したDiscovery送信電力値を示す情報を含む。
ステップS311において、eNB200は、ステップS310でUE100−1から通知されたDiscovery送信電力値を許可するか否かを判断する。ここでは、eNB200が当該Discovery送信電力値を許可すると判断したと仮定して説明を進める。
ステップS312において、eNB200は、Discovery送信電力値を許可する旨をUE100−1に通知する。
ステップS313乃至S315において、UE100−1は、ステップS309で決定したDiscovery送信電力値で、Discovery信号を定期的に送信する。
ステップS316において、eNB200は、ステップS312で許可したDiscovery送信電力値B(すなわち、Discovery送信電力個別設定)を解除するか否かを判断する。例えば、自セル内のUE数(D2D通信、セルラ通信含む)が減少した事により、ユニキャスト設定(きめ細かい設定)の必要が無くなったと判断した場合には、Discovery送信電力個別設定を解除すると判断する。ここでは、eNB200がDiscovery送信電力個別設定を解除すると判断したと仮定して説明を進める。
ステップS317において、eNB200は、Discovery送信電力個別設定の解除をUE100−1に通知する。なお、ユニキャストで解除通知する場合に限らず、ブロードキャストで自セル内の全UEの個別設定を解除してもよい。UE100−1は、当該通知を受信すると、ステップS309で決定したDiscovery送信電力値Bの適用を中止する。
ステップS318乃至S319において、UE100−1は、ステップS303で記憶したDiscovery送信電力値でDiscovery信号を定期的に送信する。
なお、上述した実施形態では、本発明をLTEシステムに適用する一例を説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本発明を適用してもよい。
なお、米国仮出願第61/694052号(2012年8月28日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
以上のように、本発明に係る基地局、ユーザ端末及びプロセッサは、D2D通信を適切に制御できるため、移動通信分野において有用である。

Claims (7)

  1. 近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて、自端末の近傍にいる他のユーザ端末の発見に使用される発見用信号を送信するユーザ端末を収容する基地局であって、
    前記発見用信号の送信電力を指定するための電力設定情報を前記ユーザ端末に送信し、
    他の基地局への前記ユーザ端末のハンドオーバを行う場合に、前記電力設定情報を前記他の基地局に通知することを特徴とする基地局。
  2. 近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて、自端末の近傍にいる他のユーザ端末の発見に使用される発見用信号を送信するユーザ端末を収容する基地局を制御するプロセッサであって、
    前記発見用信号の送信電力を指定するための電力設定情報を前記ユーザ端末に送信し、
    他の基地局への前記ユーザ端末のハンドオーバを行う場合に、前記電力設定情報を前記他の基地局に通知するよう前記基地局を制御することを特徴とするプロセッサ。
  3. 近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて、自端末の近傍にいる他のユーザ端末の発見に使用される発見用信号を送信するユーザ端末であって、
    前記発見用信号の送信電力を決定した後、当該決定した送信電力の適用可否を問い合わせるための問い合わせ情報を基地局に送信することを特徴とするユーザ端末。
  4. 前記問い合わせ情報は、前記決定した送信電力を示す情報を含むことを特徴とする請求項に記載のユーザ端末。
  5. 前記ユーザ端末の位置若しくは能力、及び/又は、前記基地局と前記ユーザ端末との間の伝搬損失に基づいて、前記送信電力を決定することを特徴とする請求項3又は4に記載のユーザ端末。
  6. 前記ユーザ端末の能力とは、前記D2D通信における通信相手端末の発見のための能力、又は、前記D2D通信における無線リソースの割り当ての能力であることを特徴とする請求項に記載のユーザ端末。
  7. 近傍サービスをサポートする移動通信システムにおいて、自端末の近傍にいる他のユーザ端末の発見に使用される発見用信号を送信するユーザ端末を制御するプロセッサであって、
    前記発見用信号の送信電力を決定した後、当該決定した送信電力の適用可否を問い合わせるための問い合わせ情報を基地局に送信するための処理を行うことを特徴とするプロセッサ。
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