JP5881634B2 - 保持具 - Google Patents
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Description
図4の(a)に示すように、デフケース100には、ピニオンメートギア106とサイドギア107とをデフケース100内に組み込むための開口100bが設けられており、この開口100bは、軸線Xaの径方向に開口している。
シャフトの嵌合孔を有するギアの曲面状の当接面を、ケース内の所定位置で前記ケースの曲面状の接合面に当接させた状態で保持する保持具であって、
前記ケースに設けた前記シャフトの挿通孔を貫通して前記ケース内に突出すると共に、前記ケース内の所定位置に配置されて前記ギアの前記嵌合孔が外挿される軸部と、
前記軸部の前記嵌合孔が挿入される一端側で、前記軸部の外周面から径方向に出没自在に設けられた係合部材と、
前記係合部材を、前記外周面から突出させる方向に付勢する付勢部材と、
前記軸部の他端側に設けられ前記ケースの挿通孔の開口端に当接して前記軸部の前記ケース内への挿入長さを規制して、前記係合部材を前記ケース内の所定位置に配置する規制部材と、を備え、
前記軸部は、
前記ギアの前記嵌合孔よりも小径の小径部と、
前記小径部と前記規制部とを連結すると共に、前記挿通孔と整合する外径の大径部と、を有すると共に、
前記係合部材が、前記小径部の先端から前記大径部側にオフセットした位置に設けられて、その外側先端を、前記小径部と大径部との段差の中間であって、前記嵌合孔の内径よりも外径側に位置させており、
前記挿通穴から前記ケース内に突出する軸部への前記ギアの前記嵌合孔の外挿により、前記嵌合孔の内周面に前記係合部材を圧接させて前記ギアを前記所定位置に保持することを特徴とする保持具とした。
シャフトの嵌合孔を有するギアを、ケース内の所定位置で保持する保持具であって、
ケースに設けたシャフトの挿通孔を貫通してケース内に突出すると共に、ケース内の所定位置に配置されたギアの嵌合孔に挿入される軸部と、
軸部の嵌合孔に挿入される一端側に、軸部の外周面から径方向に出没自在に設けられた係合部材と、
係合部材を、外周面から突出させる方向に付勢する付勢部材と、
軸部の他端側に設けられケースの挿通孔の開口端に当接して軸部のケース内への挿入長さを規制する規制部材と、を備え、
嵌合孔の内周面に係合部材を圧接させると共に規制部材を開口端に当接させることによりギヤを所定位置に保持する構成の保持具とした。
よって、規制部材と、軸部と、軸部の外周面から出没自在に設けられた係合部材とを有する簡単な構成の保持具で、デフケース内に組付けられたサイドギアを所定位置に保持できるので、サイドギアの組付けに続いて行われるピニオンメートギアの組付けを容易に行えるようになる。
図1は、サイドギアの保持具1を説明する図であり、(a)は、斜視図であり、(b)は、(a)における面Aで保持具1を切断した断面図である。図2は、保持具1の要部を説明する図であり、(a)は、図1の(b)における領域Bの拡大図であり、(b)は、図1の(b)におけるC−C断面図である。図3は、保持具1の使用状態を説明する図であり、(a)は、保持具1を用いてデフケース50内の所定位置にサイドギア10を保持している状態を示す斜視図であり、(b)は、(a)における面Aでデフケース50を切断した断面図である。
なお、図2の(b)では、保持具1の使用時に、当該保持具1の小径部22の外径側に位置することになるサイドギア10のスプライン12を細線で示している。
図3に示すように、デフケース50は、アスクルシャフト(図示せず)を挿通させる挿通孔52と、この挿通孔52を囲む円筒形状の支持部51とを有しており、この挿通孔52を挿通させたアスクルシャフト(図示せず)の先端側が、デフケース50内でサイドギア10の嵌合孔11にスプライン嵌合するようになっている。
嵌合孔11の内周面には、アスクルシャフト(図示せず)をスプライン嵌合させるためのスプライン12(スプライン溝)が、軸線Xa方向(サイドギア10の厚み方向)に沿って直線状に設けられており、嵌合孔11の内周面には、スプライン12を構成する山部12aと谷部12bとが、軸線Xa周りの周方向の全周に亘って交互に設けられている。
軸部2は、係止部3側の大径部21と、この大径部21よりも小さい外径の小径部22とから構成されており、大径部21の外径D1は、デフケース50の支持部51に設けた挿通孔52の内径と整合する径に設定されており、小径部22の外径D2は、サイドギア10の嵌合孔11と整合する径に設定されている。
軸孔23は、入り口側の大径部231とそれに続く小径部232とから形成され、小径部232の内周面には雌ねじ232aが形成されている。この雌ねじ232aには六角穴付のボルト4の軸部42が螺着されており、このボルト4の頭部41が、凹穴24内に収容されるようになっている。
図2に示すように、貫通孔25は、小径部22の中心線(軸線Xa)周りの周方向で、略等間隔で3つ設けられており、貫通孔25の各々は、軸部2の直径線Ln1〜Ln3に沿って延びている。
軸線Xaの軸方向から見て、貫通孔25の各々は、小径部22(軸部2)の中央に設けられた軸孔23で互いに交差しており、軸孔23を直径方向に横切るように設けられている。
貫通孔25においてスプリング27は、圧縮された状態で設けられており、その一端に当接したボール26を、貫通孔25の先端側の開口部25a側に付勢している。
そのため、スプリング27で付勢されたボール26は、その先端側の外周の一部を、小径部22の外周面22aよりも径方向外側に突出させており、当該ボール26を貫通孔25内に押し込む方向の力が作用すると、ボール26は、スプリング27を圧縮しながら貫通孔25内に収容されるようになっている。
実施の形態では、小径部22の外周面22aから突出するボール26の先端26aが、大径部21の外周面21aを通る仮想線Lnよりも径方向外側に突出しないように、開口部25aの開口径D4が設定されており、デフケース50の支持部51に軸部2を挿入する際に、支持部51の内周面をボール26が摺動しないようにされている。
そのため、支持部51の挿通孔52に挿入された軸部2が、デフケース50内に所定量突出した時点で、係止部3が支持部51の上端51aに当接して、保持具1の移動が止められるようになっている。
デフケース50へのサイドギア10の組付けに当たり、デフケース50は、取付部53側の支持部51を下側に、反対側の支持部51を上側に、それぞれ向けて配置される。
この状態においてデフケース50の側面に開口する開口部50bから、取付部53側に配置するサイドギア10を挿入して、挿入したサイドギア10を、デフケース50内で下側に位置するサイドギア支持部50cに、歯部10aを上側に向けた状態で載置する。
なお、この状態においてサイドギア10とサイドギア支持部50cとの間には、ワッシャWが介在している。
この所定位置においてサイドギア10は、歯部10aを下側に向けて配置されており、断面視において弧状を成す当接部10bと、サイドギア支持部50cとの間には、ワッシャWが挟み込まれている。
ここで、デフケース50内の所定位置に保持されたサイドギア10は、嵌合孔11を支持部51の挿通孔52に整合させており、嵌合孔11の内径は、デフケース50内に突出する小径部22の外径D2とほぼ整合する径を有している。
そのため、デフケース50内に突出した小径部22は、サイドギア10の嵌合孔11内に挿入されることになる。
そのため、小径部22の嵌合孔11への挿入が、小径部22の外周面22aから突出するボール26により阻害されないようになっている。
そのため、サイドギア10の小径部22の軸方向(長手方向)への移動に対し、スプライン12に圧接させたボール26による抵抗が作用している。
さらに、サイドギア10から手を離しても、スプライン12に嵌合するボール26により、サイドギア10の軸線Xa方向の移動が規制されており、サイドギア10の小径部22からの脱落が阻止されている。
そのため、保持具1を用いることで、一方のサイドギア10を他方のサイドギア10から上方に離間させた位置に保持することができるので、サイドギア10の組付けに続くピニオンメートギアの組付けを、作業者は両手を用いて行うことができるようになる。
アスクルシャフト(シャフト)がスプライン嵌合する嵌合孔11を有するサイドギア10(ギア)を、デフケース50(ケース)内の所定位置に保持する保持具1であって、
デフケース50に設けたアスクルシャフトの挿通孔52を貫通してデフケース50内に突出すると共に、デフケース50内の所定位置に配置されたサイドギア10の嵌合孔11に挿入される軸部2と、
軸部2における嵌合孔11に挿入される一端側の小径部22に、小径部22の外周面22aから軸部2の径方向に出没自在に設けられたボール26(係合部材)と、ボール26を、外周面22aから突出させる方向に付勢するスプリング27(付勢部材)と、軸部2の他端側に設けられると共に、デフケース50の挿通孔52を囲む支持部51の上端51a(開口端)に当接して、軸部2のデフケース50内への挿入長さを規制する係止部3(規制部材)と、を備え、
嵌合孔11の内周面にボール26を圧接させると共に、係止部3を支持部51の上端51aに当接させることで、サイドギア10を所定位置に保持するようにした構成の保持具1とした。
よって、係止部3と、軸部2と、軸部2の外周面22aから出没自在に設けられたボール26とを有する簡単な構成の保持具1で、デフケース50内に組付けられたサイドギア10を所定位置に保持できるので、サイドギア10の組付けに続いて行われるピニオンメートギアの組付けの作業性が向上する。
特に、デフケース50内で対向配置したサイドギア10のうち、上側に配置するサイドギア10が、組付け時に落下して、デフケース50内の下側に位置するサイドギアと衝突することを防止できる。よって、落下と衝突に起因する品質低下の発生を好適に防止できる。
小径部22の外周面22aに開口する貫通孔25の開口部25a、25bのうちの一方の開口部25aの開口径D4は、貫通孔25内に進退移動可能に設けられたボール26の直径よりも小さい径に設定されている構成とした。
ドリルの基端部まで小径部22を径方向に貫通させて貫通孔を形成すると、貫通孔の一方の開口部にボールの脱落を防止するための加工や部品が必要となるので、必要となる加工や部品の分だけ保持具1の作製コストが上昇すると共に、保持具1の構成が複雑になる。上記のように構成することで、かかる加工や部品が必要とならないので、作製コストの上昇を好適に防止できると共に、保持具1の構成が複雑になることも防止できる。
これにより、軸線X周方向における一部に保持具1側からの付勢力が作用して、サイドギア10が軸線Xに対して傾くことを好適に防止できる。
サイドギア10が軸線Xに対して傾くと、サイドギア10は傾き量に応じてデフケース50内の所定位置からずれて配置されることになるが、上記のように構成することで、サイドギア10が軸線Xに対して傾くことを好適に防止できるので、サイドギア10が所定位置からズレることを防止できるようになる。
さらに、共通のひとつの部材(ボルト4)を用いて、スプリング27の他端を位置決めできるので、貫通孔25毎にスプリング27の他端を支持する部材を設ける場合に比べて、保持具1の組付け作業が効率的に行えるようになる。
これにより、保持具1の軸部2で保持されたサイドギアの軸線Xに対する傾きが抑えられて、軸部の径方向におけるサイドギアの所定位置からのズレも抑えられるので、デフケース50内の所定位置に設けたサイドギアを、所定位置により確実に保持できるようになる。
ボール16の先端26aが、小径部22と大径部21との段差の中間に位置して、大径部21の外周面21aよりも径方向外側に突出しないように構成した。
実施の形態にかかる保持具1を用いることで、サイドギア10とデフケース50の互いの当接面(当接部10b、サイドギア支持部50c)の形状に関係なく、サイドギア10を所定位置に保持することができるので、サイドギア10を所定位置に保持できないことに起因する問題、すなわち、サイドギア10の組付けに続いて行われるピニオンメートギアの組付けの作業性が悪化してしまうという問題の発生を好適に防止できる。
かかる場合もまた、上側に位置するサイドギア107が保持具1で所定位置に保持されるので、ピニオンメートギアの組付けに際して、作業者が上側に位置するサイドギアを手で支える必要がなくなることになる。よって、このようなサイドギア107の場合であっても、前記した実施の形態の場合と同様の効果が奏されることになる。
2 軸部
3 係止部
4 ボルト
10 サイドギア
10a 歯部
10b 当接部
10b 当接面
11 貫通孔
11 嵌合孔
12 スプライン溝
12a 山部
12b 谷部
21 大径部
22 小径部
22a 外周面
22b 先端
23 軸孔
24 凹穴
25 貫通孔
25a、25b 開口部
26 ボール
27 スプリング
41 頭部
42 軸部
50 デフケース
50b 開口部
50c サイドギア支持部
51 支持部
51a 上端(開口端)
52 挿通孔
53 取付部
100 デフケース
100b 開口
100c 内周面
101 支持部
102 貫通孔
103 取付部
105 メートシャフト
106 ピニオンメートギア
107 サイドギア
108 アスクルシャフト
231 大径部
232 小径部
232a 雌ねじ
F ファイナルギア
Sp スプリング
W ワッシャ
Claims (6)
- シャフトの嵌合孔を有するギアの曲面状の当接面を、ケース内の所定位置で前記ケースの曲面状の接合面に当接させた状態で保持する保持具であって、
前記ケースに設けた前記シャフトの挿通孔を貫通して前記ケース内に突出すると共に、前記ケース内の所定位置に配置されて前記ギアの前記嵌合孔が外挿される軸部と、
前記軸部の前記嵌合孔が挿入される一端側で、前記軸部の外周面から径方向に出没自在に設けられた係合部材と、
前記係合部材を、前記外周面から突出させる方向に付勢する付勢部材と、
前記軸部の他端側に設けられ前記ケースの挿通孔の開口端に当接して前記軸部の前記ケース内への挿入長さを規制して、前記係合部材を前記ケース内の所定位置に配置する規制部材と、を備え、
前記軸部は、
前記挿通孔と整合する外径の大径部と、前記大径部よりも小さくかつ前記ギアの前記嵌合孔と整合する外径の小径部と、を有すると共に、
前記係合部材が、前記小径部の先端から前記大径部側にオフセットした位置に設けられて、その外側先端を、前記小径部と大径部との段差の中間であって、前記嵌合孔の内径よりも外径側に位置させており、
前記挿通孔から前記ケース内に突出する軸部への前記ギアの前記嵌合孔の外挿により、前記嵌合孔の内周面に前記係合部材を圧接させて前記ギアを前記所定位置に保持することを特徴とする保持具。 - 前記嵌合孔の内周面には、前記シャフトがスプライン嵌合するスプラインが設けられており、
前記係合部材は、前記付勢部材の付勢力で前記スプラインの溝部に圧接されていることを特徴とする請求項1に記載の保持具。 - 前記軸部には、前記軸部を径方向に貫通する貫通孔が、直径線に沿って設けられており、
前記係合部材は、前記貫通孔内に進退移動可能に設けられたボールであり、
前記軸部の外周に開口する前記貫通孔の開口部のうちの一方の開口径は、前記ボールの直径よりも小さい径に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の保持具。 - 前記貫通孔は、前記軸部の軸方向から見て前記軸部の中心周りの周方向に略等間隔で複数設けられていることを特徴とする請求項3に記載の保持具。
- 前記軸方向から見て前記軸部の中心には、前記軸部の先端から前記軸部の長手方向に沿って軸孔が設けられており、前記貫通孔は、前記軸孔を径方向に横切って設けられていると共に、
前記付勢部材は、前記貫通孔に挿入されたスプリングであり、
前記スプリングは、その長手方向の一端を前記ボールに当接させ、他端を前記軸孔に挿入された軸部材の外周面に当接させて設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の保持具。 - 前記ケースでは、前記挿通孔を囲む円筒状の支持部が、前記シャフトの貫通方向に沿って所定長さで設けられており、前記軸部の前記規制部材側は、前記支持部の内径と整合する外径を有していることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の保持具。
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