JP5878288B2 - 高透過性ポリアミド中空糸膜及びその製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ポリアミドからなる中空糸膜であって、外圧透水量が500L/m2・atm・h以上、かつ、0.1μmの粒子の阻止率が90%以上であることを特徴とする高透過性ポリアミド中空糸膜。
(2)前記ポリアミドが、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミドMXD−6、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10Tからなる群から選択される1又は2以上であることを特徴とする(1)記載の高透過性ポリアミド中空糸膜。
(3)150℃以上の沸点を有し、かつ、100℃未満の温度では前記ポリアミドと相溶しない有機溶媒に、100℃以上の温度で前記ポリアミドを溶解して製膜原液とし、100℃以上の温度に制御した前記製膜原液を100℃未満の凝固浴に押し出して中空糸を形成し、その後、前記中空糸を溶媒に浸漬して前記有機溶媒を除去するポリアミド中空糸膜の製造方法であって、前記凝固浴に用いられる溶媒が、前記ポリアミドの融点未満の温度で前記ポリアミドを溶解させることができる溶媒を20質量%以上含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の高透過性ポリアミド中空糸膜の製造方法。
(4)前記ポリアミドの融点未満の温度が、100℃以上前記ポリアミドの融点未満の温度であることを特徴とする(3)記載の高透過性ポリアミド中空糸膜の製造方法。
(5)前記ポリアミドの融点未満の温度で前記ポリアミドを溶解させることができる溶媒が、アルコール類、非プロトン性極性溶媒の群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする(3)又は(4)記載の高透過性ポリアミド中空糸膜の製造方法。
2:加圧ガス流入口
3:コンテナ
4:定量ギアポンプ
5:内部液導入口
6:紡糸口金
7:凝固浴
8:中空糸
9:巻き取り機
10:溶媒抽出浴
11:内部液流入孔
12:製膜原液流入孔
13:送液ポンプ
14:入口圧力計
15:外圧透水量測定用治具
16:出口圧力計
17:出口弁
18:中空糸膜
19:シリンジ
20:キャップ
21:受け皿
本発明の中空糸膜に用いられるポリアミドは、分子中にアミド結合を有するポリアミドであれば特に限定されないが、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミドMXD−6、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド10T等が好適に用いられる。
これらの中でポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミドMXD−6、ポリアミド6Tを用いた場合、得られるポリアミド中空糸膜は、その高親水性の観点から、中空糸膜としての経時の使用によっても流量低下しにくいため、より好ましい。ポリアミドは架橋されていても良いし架橋されていなくても良い。
=(初期吸光度−透過液吸光度)/初期吸光度×100
本発明の製造方法は、ポリアミドを室温で溶解させる溶媒がギ酸、濃硫酸、一部の含フッ素溶媒を除いて無いことから、高温で溶媒に溶解して作製するTIPS法を適用して製造することが必要である。
(1)引張強度、弾性率、引張伸び
島津製作所製オートグラフGS−J型を用いて、JIS L−1013号に記載の方法により測定し、弾性率は、強力1.0Nと2.0N間の傾きにより求めた。
(2)相対粘度
96%硫酸を溶媒として、濃度1g/デシリットル、温度25℃で測定した。
ポリアミド6のチップ(ユニチカ社製A1030BRT、相対粘度3.53)80gと、スルホラン(東京化成社製、沸点285℃)320gとを、200℃で1.5時間攪拌することで、ポリアミド6をスルホランに溶解させ、製膜原液を調製した。その後、原液温度を190℃に調整した後、図1に示す定量ギアポンプ4を介して紡糸口金6に送液し、10.9g/分で押し出した。前記紡糸口金としては、図2に示す環状の製膜原液流出孔の外径が2.00mm、内径が0.90mmのものを用いた。中空糸を紡糸するための内部液として、グリセリンを用い、6.1g/分の送液速度で流出させた。押出された紡糸原液は、10mmのエアーギャップを介して、15℃の70質量%グリセリン水溶液(凝固浴7)に投入して冷却固化させ、巻き取り機9によって30m/分の巻取速度にて巻き取った。得られた中空糸膜を溶媒抽出浴10にて水に24時間浸漬して溶媒を抽出し、中空糸膜を得た。
得られた中空糸膜の外表面を電子顕微鏡で観察したときの画像を図4に示す。図4に示すように、外表面に穴が多くスキン層が形成されていないことが観察された。
凝固浴を50質量%のグリセリン水溶液に変えた以外は実施例1と同様にして中空糸膜を作製した。
凝固浴を30質量%のグリセリン水溶液に変えた以外は実施例1と同様にして中空糸膜を作製した。
ナイロン6チップを64gとし、スルホランを336gとした以外は実施例1と同様にして中空糸膜を作製した。
製膜原液を31.3g/分で押し出し、内部液として、グリセリンを12.6g/分で流した以外は、実施例4と同様にして中空糸膜を作製した。
凝固浴を100%プロピレングリコールに変えた以外は、実施例1と同様にして、中空糸膜を作製した。得られた中空糸膜の外表面を電子顕微鏡で観察したときの画像を図5に示す。図5に示したように、外表面に大きい穴が多く形成され、スキン層が形成されていないことが観察された。
凝固浴を100%プロピレングリコールに変えた以外は実施例5と同様にして中空糸膜を作製した。
凝固浴を100%イソブチルアルコールに変えた以外は、実施例1と同様にして、中空糸膜を作製した。
凝固浴をグリセリン:N−メチル−2−ピロリドン(質量比)=1:1の混合溶媒に変えた以外は、実施例1と同様にして、中空糸膜を作製した。
ポリアミドをポリアミド12(アルケマ(株)製リルサンAECN0TL、相対粘度2.25)とし、製膜原液調製温度を190℃、紡糸温度を180℃とした以外は、実施例1と同様にして中空糸膜を作製した。
ポリアミドをポリアミド66(宇部興産社製、UBEナイロン2020B)とし、製膜原液調製温度及び紡糸温度を210℃とした以外は、実施例1と同様にして、中空糸膜を作製した。
ポリアミドをポリアミド610(東レ社製、CM2001)とした以外は、実施例1と同様にして、中空糸膜を作製した。
実施例4で得られた中空糸膜を熱風乾燥機で50℃で60分間乾燥させた後、25℃で1.3倍長に延伸し、中空糸膜を作製した。
実施例5で得られた中空糸膜を熱風乾燥機で50℃で60分間乾燥させた後、25℃で1.3倍長に延伸し、中空糸膜を作製した。
凝固浴を水100%にした以外は、実施例1と同様にして中空糸膜を作製した。得られた中空糸膜の外表面を電子顕微鏡で観察したときの画像を図6に示す。図6に示すように、外表面には穴が少なくスキン層と思われるものが形成されていることが観察された。
凝固浴を15質量%グリセリン水溶液にした以外は、実施例1と同様にして中空糸膜を作製した。
凝固浴を水100%にした以外は、実施例10と同様にして中空糸膜を作製した。
凝固浴を水100%にした以外は実施例12と同様にして中空糸膜を作製した。
Claims (2)
- ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド11、ポリアミド12からなる群から選択される1又は2以上であるポリアミドからなる中空糸膜であって、外圧透水量が500L/m2・atm・h以上、かつ、0.1μmの粒子の阻止率が99%以上であることを特徴とする高透過性ポリアミド中空糸膜。
- 150℃以上の沸点を有し、かつ、100℃未満の温度では前記ポリアミドと相溶しない有機溶媒に、100℃以上の温度で前記ポリアミドを溶解して製膜原液とし、100℃以上の温度に制御した前記製膜原液を100℃未満の凝固浴に押し出して中空糸を形成し、その後、前記中空糸を溶媒に浸漬して前記有機溶媒を除去するポリアミド中空糸膜の製造方法であって、前記凝固浴に用いられる溶媒が、グリセリン、プロピレングリコール、イソブチルアルコール又はN−メチル−2−ピロリドンを20質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の高透過性ポリアミド中空糸膜の製造方法。
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