JP5862215B2 - インクンクジェット記録方法及び記録装置 - Google Patents
インクンクジェット記録方法及び記録装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5862215B2 JP5862215B2 JP2011248281A JP2011248281A JP5862215B2 JP 5862215 B2 JP5862215 B2 JP 5862215B2 JP 2011248281 A JP2011248281 A JP 2011248281A JP 2011248281 A JP2011248281 A JP 2011248281A JP 5862215 B2 JP5862215 B2 JP 5862215B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- acrylate
- ink composition
- recording method
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Description
重合性化合物と光重合開始剤とを含有する光硬化型インク組成物であって、
前記重合性化合物は、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、
ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートと、
芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートとを含み、
色材を含む、光硬化型インク組成物。
前記ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが、該インク組成物の総質量に対して5〜65質量%含まれる、[1]に記載の光硬化型インク組成物。
前記芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートが、該インク組成物の総質量に対して10〜60質量%含まれる、[1]又は[2]に記載の光硬化型インク組成物。
前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が、該インク組成物の総質量に対して10〜65質量%含まれる、[1]〜[3]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
光重合開始剤として、インク組成物の総質量に対して9〜15質量%のアシルフォスフィンオキサイド化合物を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
被記録媒体に付着させたインク組成物に発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にある紫外線発光ダイオードにより照射を行い硬化させるものである、[1]〜[5]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にある紫外線発光ダイオードによる300mJ/cm2以下の照射エネルギーによる照射により硬化可能な、[1]〜[6]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルである、[1]〜[7]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物。
[1]〜[8]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物を被記録媒体に付着させ、付着したインク組成物を、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にある紫外線発光ダイオードにより照射を行い硬化させる、インクジェット記録方法。
[1]〜[8]のいずれかに記載の光硬化型インク組成物を被記録媒体に付着させ、付着したインク組成物を、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にある紫外線発光ダイオードにより照射を行い硬化させる、インクジェット記録装置。
本発明の一実施形態に係る光硬化型インク組成物(以下、単に「インク組成物」とも言う。)は、重合性化合物と光重合開始剤とを含有する。当該重合性化合物は、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートと、芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートと色材とを含む。以下、本実施形態のインク組成物に含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)を説明する。
本実施形態のインク組成物に含まれる重合性化合物は、後述する光重合開始剤の作用により紫外線照射時に重合し、印刷されたインクを硬化させることができる。
本実施形態において必須の重合性化合物であるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類は、上記一般式(I)で示される。
また、本実施形態のインク組成物は、上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類に加えて、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートも含む。インク組成物がジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを所定量含有することにより、硬化性及び耐擦性を良好なものとすることができ、かつ、硬化シワの発生を防止できる。ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートの中でも、上記効果が一層発揮されるため、ジプロピレングリコールジアクリレートが好ましい。
本実施形態のインク組成物に含まれる光重合開始剤は、紫外線の照射による光重合によって、被記録媒体の表面に存在するインクを硬化させて印字を形成するために用いられる。放射線の中でも紫外線(UV)を用いることにより、安全性に優れ、且つ光源ランプのコストを抑えることができる。光(紫外線)のエネルギーによって、ラジカルやカチオンなどの活性種を生成し、上記重合性化合物の重合を開始させるものであれば、制限はないが、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を使用することができ、中でも光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。
また、上記の光ラジカル重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド化合物及びチオキサントン化合物がを含むことがより好ましい。
本実施形態のインク組成物は、色材をさらに含む。色材は、顔料及び染料のうち少なくとも一方を用いることができる。
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インク組成物の耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
本実施形態において、色材として染料を用いることができる。染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、上記の色材を含むことで被記録媒体に着色することが可能であり被記録媒体に記録を行うことができる。また、本実施形態のインク組成物によれば、色材を含むインク組成物でありながら、硬化性、硬化シワ、密着性、耐擦性の点で優れたインク組成物とすることができる。
本実施形態のインク組成物が顔料を含む場合、顔料分散性をより良好なものとするため、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤として、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち一種以上を主成分とするものが挙げられる。高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ(商品名)、アベシア社(Avecia Co.)から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等〔商品名〕)、BYKChemie社製のディスパービックシリーズ(商品名)、楠本化成社製のディスパロンシリーズ(商品名)が挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、上記に挙げた添加剤以外の添加剤(成分)を含んでもよい。このような成分としては、特に制限されないが、例えば従来公知の、界面活性剤、重合禁止剤、浸透促進剤、及び湿潤剤(保湿剤)、並びにその他の添加剤があり得る。上記のその他の添加剤として、例えば従来公知の、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤が挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、後述する記録方法によって、被記録媒体上に吐出されること等により、記録物が得られる。この被記録媒体として、例えば、吸収性又は非吸収性の被記録媒体が挙げられる。下記実施形態の記録方法は、水性インクの浸透が困難な非吸収性被記録媒体から、水性インクの浸透が容易な吸収性被記録媒体まで、様々な吸収性能を持つ被記録媒体に幅広く適用できる。ただし、上記のインク組成物を非吸収性の被記録媒体に適用した場合は、紫外線を照射し硬化させた後に乾燥工程を設けること等が必要となる場合がある。
本発明の一実施形態は、記録方法に係る。上記実施形態の光硬化型インク組成物は、本実施形態の記録方法に用いることができる。当該記録方法は、インクジェット方式に適用することができる。当該記録方法は、被記録媒体上に、上記インク組成物を吐出する吐出工程と、上記吐出工程により吐出されたインク組成物に紫外線を照射して、上記インク組成物を硬化する硬化工程と、を含む。このようにして、被記録媒体上で硬化したインク組成物により、塗膜(硬化膜)が形成される。
被記録媒体にインク組成物を付着させる方法としては、インクジェット方式の他に各種版印刷方式などを用いても良い。記録装置を小型のものにできることや、オンデマンド印刷が可能なこと、高解像度の高精細画像の記録が可能な点から、インクジェット方式が特に好ましい。
吐出工程において、被記録媒体上にインク組成物が吐出され、インク組成物が被記録媒体に付着する。吐出時におけるインク組成物の粘度は、5〜30mPa・sが好ましい。インク組成物の粘度が、インク組成物の温度を室温として、あるいは、インク組成物を加熱しない状態として上記のものであれば、インク組成物の温度を室温として、あるいはインク組成物を加熱せずに吐出させればよい。一方、インク組成物を所定の温度に加熱することによって粘度を好ましいものとして吐出させてもよい。このようにして、良好な吐出安定性が実現される。
次に、上記硬化工程においては、被記録媒体上に吐出され付着したインク組成物が、光(紫外線)の照射によって硬化する。これは、インク組成物に含まれる光重合開始剤が紫外線の照射により分解して、ラジカル、酸、及び塩基などの開始種を発生し、重合性化合物の重合反応が、その開始種の機能によって促進されるためである。あるいは、紫外線の照射によって、重合性化合物の重合反応が開始するためである。このとき、インク組成物において光重合開始剤と共に増感色素が存在すると、系中の増感色素が紫外線を吸収して励起状態となり、光重合開始剤と接触することによって光重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
[記録装置]
本発明の一実施形態は、記録装置に係る。記録装置は、上記の記録方法により被記録媒体に記録を行う装置であり、好ましくは、被記録媒体にインク組成物の付着を行う装置と、付着したインク組成物に照射を行い硬化させる照射光源とを備える。上記実施形態の光硬化型インク組成物は、本実施形態の記録装置に用いることができる。当該記録装置は、インクジェット方式に好ましく適用することができる。
下記の実施例及び比較例において使用した成分は、以下の通りである。
〔重合性化合物〕
・VEEA(アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、日本触媒社(Nippon Shokubai Co., Ltd.)製商品名、以下では「VEEA」と略記した。)
・APG−100(ジプロピレングリコールジアクリレート、新中村化学工業社(SHIN-NAKAMURA CHEMICAL CO., LTD.)製商品名、以下では「DPGDA」と略記した。)
・IBXA(イソボルニルアクリレート、大阪有機化学社製商品名、以下では「IBXA」と略記した。)
・APG−200(トリプロピレングリコールジアクリレート、新中村化学工業社製、以下では「TPGDA」と略記した。)
・SR230(ジエチレングリコールジアクリレート、Sartomer社製、以下では「DEGDA」と略記した。)
・ビスコート#192(フェノキシエチルアクリレート、大阪有機化学社(OSAKA ORGANIC CHEMICAL INDUSTRY LTD.)製商品名、以下では「PEA」と略記した。)
・ベンジルアクリレート(FA−BZA、日立化成工業社製、以下では「BA」と略記した。)
〔光重合開始剤〕
・IRGACURE 819(BASF社製商品名、以下では「819」と略記した。)
・DAROCUR TPO(BASF社製商品名、固形分100%、以下では「TPO」と略記した。)
・KAYACURE DETX−S(日本化薬社製商品名、以下では「DETX−S」と略記した。)
〔顔料〕
・ピグメントブラック7(カーボンブラック)(Microlith Black C−K〔商品名〕、BASF社製、以下では「ブラック」と略記した。)
〔分散剤〕
・Solsperse 36000(LUBRIZOL社製商品名、以下では「Sol36000」と略記した。)
下記表に記載の成分を、表に記載の組成(単位:質量%)となるように混合し、これを高速水冷式撹拌機により撹拌することにより、ブラック色のインク組成物を得た。
(1.硬化性)
インクジェットプリンターPX−G5000(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製商品名)を用いて、上記の光硬化型インク組成物をそれぞれのノズル列に充填した。常温、常圧下でPETフィルム(ルミラー125E20〔商品名〕、東レ社製)上に、インクのドット径が中ドットで印刷物の膜厚が6μmとなるようなベタパターン画像(記録解像度720×720dpi)を印刷した。印刷後、紫外線照射装置内のUV−LED(Phoseon社製、Firefly)から、照射強度が60mW/cm2であり、且つ波長が395nmである紫外線を200mJ/cm2照射してベタパターン画像を硬化させた。以上のようにして、PETフィルム上にベタパターン画像が印刷された記録物を作製した。ベタパターン画像とは、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録した画像である。
照射エネルギー[mJ/cm2]は、光源から照射される被照射表面における照射強度[mW/cm2]を測定し、これと照射継続時間[s]との積から求めた。照射強度の測定は、紫外線強度計UM−10、受光部UM−400(いずれもコニカミノルタセンシング社(KONICA MINOLTA SENSING, INC.)製)を用いて行った。
塗膜に関する硬化性は、タックフリー時の照射エネルギーを指標として評価した。ここで、タックフリーといえるか否かは、下記の条件で判断した。すなわち、綿棒にインクが付着するか否か、又は被記録媒体上のインク硬化物に擦り傷が付くか否かで判断し、綿棒にインクが付着せず、かつ被記録媒体上のインク硬化物に擦り傷が付かない場合をタックフリーとした。その際、使用した綿棒は、ジョンソン・エンド・ジョンソン(Johnson & Johnson)社製のジョンソン綿棒であった。擦る回数は往復10回とし、擦る強さは100g荷重とした。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表に示す。
AA:タックフリー時の照射エネルギー 150mJ/cm2以下、
A:タックフリー時の照射エネルギー 150mJ/cm2超200mJ/cm2以下、
B:タックフリー時の照射エネルギー 200mJ/cm2超300mJ/cm2以下、
C:タックフリー時の照射エネルギー 300mJ/cm2超400mJ/cm2以下。
インクジェットプリンターPX−G5000(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製商品名)を用いて、上記の光硬化型インク組成物をそれぞれのノズル列に充填した。常温、常圧下でPETフィルム(ルミラー125E20〔商品名〕、東レ社製)上に、インクのドット径が中ドットで印刷物の膜厚が6μmとなるようなベタパターン画像(記録解像度720×720dpi)を印刷した。印刷後、紫外線照射装置内のUV−LEDから、照射強度が60mW/cm2であり、且つ波長が395nmである紫外線を200mJ/cm2照射してベタパターン画像を硬化させた。タックフリー状態になっていない例についてはタックフリー状態になるまでさらに照射を行った。
以上のようにして、PETフィルム上にベタパターン画像が印刷された記録物を作製した。
なお、タックフリー状態の確認方法、ベタパターン画像、並びに照射エネルギー及び照射強度の測定・算出については、上記「硬化性」評価の項で述べたとおりである。
硬化終了後のベタパターン画像の表面にどの程度シワが発生したかという指標で評価した。シワの発生の程度は目視で観察した。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表に示す。
A:硬化後の画像表面にシワは見られなかった。
B:硬化後の画像表面にシワが若干見られた。表面粗さRqは4以下であった。
C:硬化後の画像表面にシワが見られた。表面粗さRqは4を上回った。
上記「硬化シワ」評価の項と同じ条件(印刷・硬化条件)のベタ印刷により形成された画像の塗膜に透明付着テープ(幅25±1mm)を貼り、塗膜が透けて見えるように十分指でテープを擦った。次に、付着して5分以内に60°に近い角度で、0.5〜1.0秒の間に確実に引き離した。
評価基準は下記のとおりである。評価結果を下記表に示す。
A:塗膜の剥がれが見られなかった。
B:塗膜の剥がれが見られた。
JIS K−5600−5−6(ISO 2409)(塗料一般試験法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法))に準じて、PETフィルム(ルミラー125E20〔商品名〕、東レ社製)と、上記「硬化シワ」評価の項と同じ条件(印刷・硬化条件)のベタ印刷により形成された画像と、の密着性の評価を行った。ここで、上記クロスカット法について説明する。
切込み工具として単一刃切り込み工具(一般に市販されているカッター)と、単一刃切り込み工具を用いて等間隔に切り込むためのガイドと、を用意した。
まず、塗膜に対して垂直になるように切込み工具の刃を当てて、記録物に6本の切り込みを入れた。この6本の切込みを入れた後、90°方向を変え、既に入れた切り込みと直行するよう、さらに6本の切り込みを入れた。
次に、約75mmの長さになるよう透明付着テープ(幅25±1mm)を取り出し、塗膜に形成された格子状にカットした部分にテープを貼り、塗膜が透けて見えるように十分指でテープを擦った。次に、付着して5分以内に60°に近い角度で、0.5〜1.0秒で確実に引き離した。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表に示す。
A:格子の5%未満に剥がれが認められる。
B:格子の5%以上35%未満に剥がれが認められる。
C:格子の35%以上に剥がれが認められる。
JIS K5701(ISO 11628)(平版印刷に用いられるインク、展色試料、及び印刷物を試験する方法について規定。)に準じて、学振式摩擦堅牢度試験機(テスター産業社(TESTER SANGYO CO., LTD.)製)を用いて、耐擦性の評価を行った。評価方法は、上記「硬化シワ」評価の項と同じ条件(印刷・硬化条件)のベタ印刷により得られた記録物(ベタ印字物)の表面に金巾を乗せ、荷重500gをかけて擦り、擦った後の、上記記録物の硬化面の剥離を目視にて比較した。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表に示す。
A:金巾の汚れは無かった。印字面の剥離、キズも無かった。
B:金巾の汚れが見られた。印字面の剥離、キズは無かった。
C:金巾の汚れが見られた。印字面の剥離、キズも見られた。
30mL容のガラス瓶に上記の各インク組成物を24mLずつ投入し、60℃で1週間、遮光しながら放置した。放置前のインク粘度に対する放置後のインク粘度を測定することで、放置前後におけるインクの粘度上昇率を算出し、これによりインクの保存安定性を評価した。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表に示す。
A;粘度上昇率5%未満。
B;粘度上昇率5%以上10%未満。
C;粘度上昇率10%以上。
各例のインク組成物に対して、顔料及び分散剤を含む例については顔料及び分散剤を入れず、それ以外の成分で同様に顔料を含まないインク組成物を室温で調合し十分に攪拌した。その後、目視で光重合開始剤の溶け残りがあるか否かを評価した。
評価基準は以下のとおりである。評価結果を下記表に示す。
A;光重合開始剤の溶け残りは見られなかった。
B;光重合開始剤の溶け残りが見られた。
なお、例21、22は色材を含まないインク組成物の例であるが、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートと芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートの何れかを含まないインク組成物であるにもかかわらず、硬化性、硬化シワ低減が良好であったが、色材を含まないインク組成物であり被記録媒体への着色に用いることができないものであった。
なお、例23、24はそれぞれ、例20、11と同じインク組成物を用い、各評価で行ったべた画像への紫外線照射にメタルハライドランプ(オーク社製、SMX−3500/F−OS)をフィルターにより照射強度を60mW/cm2(照射強度の測定条件は前述の例と同じ)として光源に用いたこと以外は、例20、11と同様に評価を行ったものであるが、インク組成物がジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートと芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートの何れかを含まないインク組成物であるにもかかわらず、硬化性、硬化シワ低減が良好であったが、メタルハライドランプの発熱により、被記録媒体に変形が見られた。これに対し、上記一般式(I)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートと、芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートと色材を含む光硬化型インク組成物は、いかなる照射光源を用いても、特に硬化性、硬化シワ低減に優れるインク組成物であることがわかった。なお、例23、24の保存安定性、開始剤溶解性はそれぞれ、例20、11と同じであるため行わなかった。
なお、芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートを含みながらもその含有量が10%未満のインク組成物(例14)の場合、光重合開始剤の溶解に時間がかかることも分かった。
Claims (10)
- 光硬化型インク組成物をインクジェット方式により被記録媒体に付着させ、付着したインク組成物を、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にある紫外線発光ダイオードにより照射を行い硬化させ、
前記光硬化型インク組成物は、重合性化合物と、光重合開始剤と、色材と、を含有し、
前記重合性化合物は、下記一般式(I):
CH2=CR1−COOR2−O−CH=CH−R3 ・・・(I)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2〜20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1〜11の1価の有機残基である。)
で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類と、
ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートと、
芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートと、を含む、
インクジェット記録方法。 - 前記ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが、該インク組成物の総質量に対して5〜65質量%含まれる、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記芳香環骨格を有する単官能(メタ)アクリレートが、該インク組成物の総質量に対して10〜60質量%含まれる、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が、該インク組成物の総質量に対して10〜65質量%含まれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 光重合開始剤として、インク組成物の総質量に対して9〜15質量%のアシルフォスフィンオキサイド化合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 光重合開始剤として、インク組成物の総質量に対して7〜15質量%のアシルフォスフィンオキサイド化合物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にある紫外線発光ダイオードによる300mJ/cm2以下の照射エネルギーによる照射により硬化可能な、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が、該インク組成物の総質量に対して15〜65質量%含まれる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法により記録を行う、インクジェット記録装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011248281A JP5862215B2 (ja) | 2011-04-28 | 2011-11-14 | インクンクジェット記録方法及び記録装置 |
US13/458,184 US9738800B2 (en) | 2011-04-28 | 2012-04-27 | Photocurable ink composition, recording method, recording apparatus, photocurable ink jet recording ink composition, and ink jet recording method |
CN201210130015.0A CN102757693B (zh) | 2011-04-28 | 2012-04-27 | 光固化型油墨组合物、记录方法及装置、光固化型喷墨记录用油墨组合物及喷墨记录方法 |
CN201510640939.9A CN105273491B (zh) | 2011-04-28 | 2012-04-27 | 光固化型油墨组合物、记录方法及装置、光固化型喷墨记录用油墨组合物及喷墨记录方法 |
CN201510640014.4A CN105273498B (zh) | 2011-04-28 | 2012-04-27 | 光固化型油墨组合物、记录方法及装置、光固化型喷墨记录用油墨组合物及喷墨记录方法 |
US15/654,544 US10322589B2 (en) | 2011-04-28 | 2017-07-19 | Photocurable ink composition, recording method, recording apparatus, photocurable ink jet recording ink composition, and ink jet recording method |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011101154 | 2011-04-28 | ||
JP2011101154 | 2011-04-28 | ||
JP2011248281A JP5862215B2 (ja) | 2011-04-28 | 2011-11-14 | インクンクジェット記録方法及び記録装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015251067A Division JP6079862B2 (ja) | 2011-04-28 | 2015-12-24 | 光硬化型インク組成物、記録方法及び記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012236966A JP2012236966A (ja) | 2012-12-06 |
JP5862215B2 true JP5862215B2 (ja) | 2016-02-16 |
Family
ID=47460158
Family Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011248281A Active JP5862215B2 (ja) | 2011-04-28 | 2011-11-14 | インクンクジェット記録方法及び記録装置 |
JP2015251067A Active JP6079862B2 (ja) | 2011-04-28 | 2015-12-24 | 光硬化型インク組成物、記録方法及び記録装置 |
JP2017007314A Active JP6278133B2 (ja) | 2011-04-28 | 2017-01-19 | 光硬化型インク組成物、記録方法及び記録装置 |
Family Applications After (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015251067A Active JP6079862B2 (ja) | 2011-04-28 | 2015-12-24 | 光硬化型インク組成物、記録方法及び記録装置 |
JP2017007314A Active JP6278133B2 (ja) | 2011-04-28 | 2017-01-19 | 光硬化型インク組成物、記録方法及び記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (3) | JP5862215B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016053183A (ja) * | 2011-04-28 | 2016-04-14 | セイコーエプソン株式会社 | 光硬化型インク組成物、記録方法及び記録装置 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2876142B1 (en) * | 2012-07-18 | 2017-09-27 | Sakata Inx Corporation | Photocurable ink composition for inkjet printing and printed material |
JP5741984B2 (ja) | 2013-05-27 | 2015-07-01 | Dic株式会社 | 活性エネルギー線硬化性組成物及びそれを使用したインクジェット記録用インク組成物 |
JP6858507B2 (ja) * | 2016-08-09 | 2021-04-14 | サカタインクス株式会社 | 光硬化型インクジェット印刷用インク組成物、印刷物、及び成形品 |
TW201821555A (zh) * | 2016-11-09 | 2018-06-16 | 日商迪愛生股份有限公司 | 噴墨印墨組成物 |
JP2020050760A (ja) | 2018-09-27 | 2020-04-02 | セイコーエプソン株式会社 | 放射線硬化型インク |
JP7339059B2 (ja) * | 2019-08-07 | 2023-09-05 | マクセル株式会社 | 光硬化型インクジェット記録用インク組成物およびインクセット |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008507598A (ja) * | 2004-07-16 | 2008-03-13 | ヘキソン スペシャルティ ケミカルズ インコーポレーテッド | 放射線硬化性インクジェットインク、その製造方法及びその使用方法 |
JP4952045B2 (ja) * | 2006-04-28 | 2012-06-13 | Jsr株式会社 | エネルギー線硬化型インクジェット印刷用インク |
JP5267854B2 (ja) * | 2007-08-08 | 2013-08-21 | セイコーエプソン株式会社 | 光硬化型インク組成物、インクジェット記録方法及び記録物 |
JP5241349B2 (ja) * | 2007-09-26 | 2013-07-17 | 富士フイルム株式会社 | インク組成物、インクジェット記録方法及び印刷物 |
JP2009096910A (ja) * | 2007-10-18 | 2009-05-07 | Jsr Corp | インクジェット印刷用活性エネルギー線硬化型インク |
ATE483773T1 (de) * | 2007-10-24 | 2010-10-15 | Agfa Graphics Nv | Härtbare flüssigkeiten und tinten für spielzeuge und lebensmittelverpackungen |
JP5530141B2 (ja) * | 2009-09-29 | 2014-06-25 | 富士フイルム株式会社 | インク組成物及びインクジェット記録方法 |
WO2012133694A1 (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-04 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物 |
JP5862215B2 (ja) * | 2011-04-28 | 2016-02-16 | セイコーエプソン株式会社 | インクンクジェット記録方法及び記録装置 |
-
2011
- 2011-11-14 JP JP2011248281A patent/JP5862215B2/ja active Active
-
2015
- 2015-12-24 JP JP2015251067A patent/JP6079862B2/ja active Active
-
2017
- 2017-01-19 JP JP2017007314A patent/JP6278133B2/ja active Active
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016053183A (ja) * | 2011-04-28 | 2016-04-14 | セイコーエプソン株式会社 | 光硬化型インク組成物、記録方法及び記録装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016053183A (ja) | 2016-04-14 |
JP6278133B2 (ja) | 2018-02-14 |
JP6079862B2 (ja) | 2017-02-15 |
JP2012236966A (ja) | 2012-12-06 |
JP2017115153A (ja) | 2017-06-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11898042B2 (en) | Photocurable ink composition for ink jet recording and ink jet recording method | |
JP5927818B2 (ja) | 光硬化型インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法 | |
JP6083116B2 (ja) | 光硬化型インクジェットインクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP6278133B2 (ja) | 光硬化型インク組成物、記録方法及び記録装置 | |
JP5685965B2 (ja) | 光硬化インクジェットインク組成物 | |
JP6733697B2 (ja) | 光硬化型インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法 | |
JP2013001903A (ja) | 光硬化型インク組成物 | |
JP5895361B2 (ja) | 光硬化型インク組成物 | |
JP2013159615A (ja) | 光硬化型インクジェット記録用インク組成物及び記録方法 | |
JP2012140551A (ja) | 紫外線硬化型インクジェット用インク組成物 | |
JP5703981B2 (ja) | 光硬化型インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法 | |
JP6011600B2 (ja) | 光硬化インクジェットインク組成物 | |
JP2013018854A (ja) | 光硬化型インク組成物 | |
JP7491353B2 (ja) | 光硬化型インクジェットインクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP6197898B2 (ja) | インクジェット記録方法 | |
JP2012201847A (ja) | 紫外線硬化型インクジェット用インク組成物 | |
JP6897844B2 (ja) | 光硬化型インクジェットインクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP2018127635A (ja) | インクジェット記録方法、インクジェット記録装置 | |
JP6168180B2 (ja) | 光硬化型インク組成物、記録方法 | |
JP6311761B2 (ja) | 光硬化型インクジェットインクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141007 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150527 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150602 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150818 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151014 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20151201 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20151214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5862215 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |