JP5854906B2 - 4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ニトロベンゼン又はその塩の製造方法 - Google Patents
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本発明における反応工程においては、2−(5−エチル−2−ピリジル)エタノールと4−フルオロニトロベンゼンとを塩基存在下、N,N’−ジメチルホルムアミド中で反応させ、PI−03を生成させる。
分離工程では、上記反応工程において得られた反応混合物から、特定不純物を含むPI−03の粗体を分離する。当該分離工程では、溶媒や残存反応試剤と反応性生物であるPI−03をおおまかに分離できればよく、例えば、反応後の反応液に、有機溶媒及び水を加え、PI−03を有機溶媒に抽出し、次いで有機層と水層とを分液し、得られた有機層を濃縮して粗体を製造する方法や、反応後の反応液に、PI−03に対して溶解度が低い、水等の溶媒を添加し、PI−03を結晶化させる方法が好適に採用できる。前者の方法では、N,N’−ジメチルホルムアミドの影響により、エマルジョンが形成され易く、有機層と水層とを分液することが困難になる場合があるため、後者の方法を採用することがより好ましい。
逆抽出工程では、前記分離工程で分離された粗体を非水溶性又は難水溶性の有機溶媒に溶解して得られた溶液(以下、粗体溶液とも言う。)と酸水溶液とを接触させることにより4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ニトロベンゼンの塩を形成し、形成された当該塩を水相に抽出する。
得られたPI−03粗体又はその精製品をアセトニトリルに溶解させて試料溶液を調製し、当該試料溶液について高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定を行い、その結果に基づいてPI−03の純度および特定不純物濃度を決定した。具体的には、HPLC測定により得られたクロマトクラム(チャート)に基づき当該クロマトグラムに現れた測定試料に由来する全てのピークの総面積に対する、各物質に由来するピーク面積の百分率で表した割合(HPLC面積%)としてこれら値を決定した。HPLC測定に使用した装置および測定条件を以下に示す。
装置:ウォーターズ社製2695
検出器:紫外吸光光度計(ウォーターズ社製2489)
検出波長:269nm
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルが充填されたもの。
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相流量:毎分1.0mL
移動相および送液方法:以下の示す移動相A及びBを用い、試料注入後の経過時間に従い両者の混合比が下記表1に示す混合比となるように変化させることにより、移動相の濃度勾配制御して送液した。
移動相A:酢酸ナトリウム2.3gを水1500mLに添加し溶解させた後、アセトニトリル1500mL、酢酸60mLを加えた混合液。
移動相B:酢酸ナトリウム1.8gを水1200mLに添加し溶解させた後、アセトニトリル1800mL、酢酸60mLを加えた混合液。
PI−03の水層中への抽出効率は、分液したときに得られた水層全体に含まれるPI−03量と有機層全体に含まれるPI−03量との比(水層/有機層)として評価した。なお、水層/有機層は、水層及び有機層から同様にして調製した各試料溶液を、同様にしてHPLC測定し、得られたPI−03のHPLC面積値と下記式から算出した。ここで、下記式における「SO」および「Sw」は、それぞれ有機層および水層から調製した試料溶液についてHPLC測定を行った時に得られたクロマトグラムにおけるPIO−03のピーク面積を意味し、「VO」および「Vw」はは、それぞれ分液したときに得られた有機層全体の体積(mL)および水層全体の体積(mL)を意味する。
水層/有機層=(Sw×Vw)/(SO×VO) 。
PIOの純度及びN、N’−ジメチル−4−ニトロアニリン(特定不純物)に由来する不純物の量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。HPLC測定に使用した装置、測定の条件は、下記の装置、条件を採用した。なお、該条件によるHPLC分析では、PIOの保持時間は5.0分付近であり、特定不純物に由来する不純物の保持時間は4.5分付近である。
装置:ウォーターズ社製2695
検出器:紫外吸光光度計(ウォーターズ社製2489)
検出波長:269nm
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルが充填されたもの。
移動相:酢酸ナトリウム2.3gを水1500mLに添加し溶解させた後、アセトニトリル1500mL、酢酸60mLを加えた混合液。
流量:毎分1.0mL
カラム温度:25℃付近の一定温度
(4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ニトロベンゼンの粗体の製造)
攪拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、2−(5−エチル−2−ピリジル)エタノール30.0g(198.4mmol)、及び4−フルオロニトロベンゼン29.4g(208.4mmol)をN,N’−ジメチルホルムアミド100mLに溶解し、0℃に冷却した。次いで、反応液の温度が0〜5℃となるように、少しずつ水酸化ナトリウム11.9g(297.5mmol)を加えた後、0〜5℃で9時間反応させた。反応終了後、冷やした水360mLを加え、析出した結晶を濾別した。得られた黄褐色結晶を40℃で12時間、減圧下乾燥し、黄褐色結晶としてPI−03の粗体50.9g(186.9mmol)を得た。(収率:94.2%、HPLC純度:89.52%、特定不純物:2.33%)
攪拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、黄褐色結晶として得られた、特定不純物を2.33%含むPI−03の粗体5.0g(18.4mmol)とジイソプロピルエーテル20mLを加え攪拌し、40℃に加温し溶解させた。続いて、別途、水10mLと10%塩酸9.4g(25.7mmol、1.4当量)を混合し調製した酸水溶液を加えて1時間攪拌した。攪拌終了後、有機層と水層とを分液した。得られた水層をHPLCで測定したところ、PI−03の純度は97.03%で、特定不純物は0.43%であった。また、各層に含まれるPI−03の比率は、水層/有機層=1.0/0.0であった。
実施例1の酸の種類及びその量、有機溶媒の種類及びその量、並びに温度を表2に示すように変えた以外は実施例1と同様の方法で行った。その結果を表2に示した。
攪拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、実施例1において得られた、PI−03の塩酸塩を含む水層、ジイソプロピルエーテル20mLを加え攪拌し、40℃に加温した。続いて、10%水酸化ナトリウム11.0g(27.5mmol)を加えて、40℃で30分間攪拌した。攪拌終了後、有機層と水層を分液した。得られた有機層を減圧濃縮し、PI−034.8g(17.7mmol)を得た。
攪拌翼、温度計を取り付けた50mLの三つ口フラスコに、実施例1において得られた、特定不純物を2.33%含むPI−03の粗体5.0g(18.4mmol)とジエチルエーテル10mL、ヘキサン25mLを加え攪拌し、50℃に加温し溶解させた。4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ニトロベンゼンが全て溶解したのを確認した後、徐々に5℃以下まで冷却し、2時間保持した。析出した固体を濾別し、ケークをヘキサン5mLで2回洗浄した。得られた黄色結晶を40℃で12時間、減圧下乾燥し、黄色結晶としてPI−032.5g(9.2mmol)を得た。(回収率:50.0%、HPLC純度:96.57%、特定不純物:2.58%)
攪拌翼、温度計を取り付けた50mLの三つ口フラスコに、実施例1において得られた、特定不純物を2.33%含むPI−03の粗体5.0g(18.4mmol)とメタノール10mL、水10mLを加え攪拌し、50℃に加温し溶解させた。PI−03が全て溶解したのを確認した後、徐々に5℃以下まで冷却し、2時間保持した。析出した固体を濾別し、ケークを水5mLで2回洗浄した。得られた黄色結晶を40℃で12時間、減圧下乾燥し、黄色結晶としてPI−032.8g(10.3mmol)を得た。(回収率:56.0%、HPLC純度:96.77%、特定不純物:2.67%)
攪拌翼、温度計を取り付けた50mLの三つ口フラスコに、実施例1において得られた、特定不純物を2.33%含むPI−03の粗体10.0g(36.4mmol)とジイソプロピルエーテル20mLを加え攪拌し、50℃に加温し溶解させた。PI−03が全て溶解したのを確認した後、徐々に5℃以下まで冷却し、2時間保持した。析出した固体を濾別し、ケークをジイソプロピルエーテル10mLで2回洗浄した。得られた黄色結晶を40℃で12時間、減圧下乾燥し、黄色結晶としてPI−037.4g(27.2mmol)を得た。(回収率:73.9%、HPLC純度:97.00%、特定不純物:2.64%)
攪拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、実施例1において得られた、特定不純物を2.33%含むPI−03の粗体5.0g(18.4mmol)とジイソプロピルエーテル20mLを加え攪拌し、40℃に加温し溶解させた。続いて、別途、水10mLと10%塩酸13.2g(36.8mmol、2.0当量)を混合し調製した酸水溶液を加えて1時間攪拌した。攪拌終了後、有機層と水層を分液した。得られた水層をHPLCで測定したところ、4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ニトロベンゼンの純度は77.72%で、特定不純物は2.90%であった。また、水層と同様にして、有機層もHPLCで測定を行った。各層の測定において得られた、PI−03の面積値より、各層に含まれるPI−03の比率は、水層/有機層=1.0/0.0であった。
攪拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、実施例1において得られた、特定不純物を2.33%含むPI−03の粗体5.0g(18.4mmol)とジイソプロピルエーテル20mLを加え攪拌し、40℃に加温し溶解させた。続いて、別途、水10mLと10%塩酸2.0g(5.5mmol、0.3当量)を混合し調製した酸水溶液を加えて1時間攪拌した。攪拌終了後、有機層と水層を分液した。得られた水層をHPLCで測定したところ、PI−03の純度は94.11%で、特定不純物は2.48%であった。また、水層と同様にして、有機層もHPLCで測定を行った。各層の測定において得られた、PI−03の面積値より、各層に含まれるPI−03の比率は、水層/有機層=1.0/7.7であった。
PI−03の粗体4.8gを使用して、PI−03の塩酸塩をPI−03に戻す工程を除く、実施例14と同様の方法を行い、PIO1.1gを得た。得られたPIOをHPLCで測定したところ、PIOの純度は99.02%で、特定不純物に由来する不純物は0.21%であった。
Claims (3)
- 2−(5−エチル−2−ピリジル)エタノールと、4−フルオロニトロベンゼンと、をN,N’−ジメチルホルムアミドからなる反応溶媒中で塩基存在下に反応させて4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ニトロベンゼン生成する反応工程、該反応工程で得られた反応混合物からN、N’−ジメチル−4−ニトロアニリンを不純物として含む4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ニトロベンゼンの粗体を分離する分離工程、及び該粗体を非水溶性又は難水溶性の有機溶媒に溶解して得られた溶液と、酸水溶液と、を接触させることにより4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ニトロベンゼンの塩を形成し、形成された当該塩を水相に抽出する逆抽出工程を含むことを特徴とする4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ニトロベンゼン又はその塩の製造方法。
- 前記逆抽出工程において、酸水溶液として4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ニトロベンゼン1モルに対して0.5〜1.8当量の酸を含む酸水溶液を前記溶液と接触させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記逆抽出工程において、酸水溶液として塩酸、硫酸又は臭化水素酸の水溶液を使用することを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
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