JP5739347B2 - 吸入器 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１、３、５あるいは６のプレアンブルに記載の吸入器に関する。

本発明は、受動吸入器、すなわち患者あるいはユーザーが空気流(これは吸入製剤を流入させ、所望のエアロゾルを形成する)を生成するために吸い込む吸入器に関する。

本発明は、服用量の吸入製剤を含む複数のブリスターポケット(ブリスターとも呼ばれる)を備えたブリスターストリップからの粉末状吸入製剤の供給のための吸入器に関する。

特許文献１は、巻き上げ式ブリスターストリップを備えた吸入器を開示している。この吸入器は、手動式の回転アクチュエータを備え、これは、ブリスターストリップを段階的に移動させるためのコンベアを動作させる。アクチュエータは、穿孔体および関連付けられたマウスピースを支持する。アクチュエータを回転させることで、ブリスターストリップは前方に移動することができ、そしてブリスターストリップのブリスターポケットを次々に穿孔することができる。患者が息を吸い込むとき、空気流が既に穿孔されたブリスターポケットを通過し、この結果、ブリスターポケット内の吸入製剤は空気と混じり合い、患者に放出される。ブリスターストリップの長さに、そして伝達方式に依存して、アクチュエータの操作には無用に大きな力が必要となる。

英国特許出願公開第2 407 042号明細書

本発明の目的は、操作が容易なものとされた吸入器を提供することである。

上記目的は、請求項１、３、５あるいは６に記載の吸入器によって達成される。好ましい実施形態は従属請求項の対象である。

本発明の第１の態様によれば、吸入器は、好ましくはブリスターストリップなどのキャリアの接触面を案内するための案内面を好ましくは備えた案内要素を具備してなる。表面は、面接触を、したがって案内要素とキャリアとの間の摩擦を低減するために接触面に向かって表面から突出する少なくとも一つの突起を備える(すなわち滑り摩擦はキャリアが前方に移動させられるとき低減できる)。これによって、キャリアの動きが、したがって吸入器の操作が容易になる。

本発明の第２の態様によれば、吸入器は、リザーバ内の未使用キャリア用のフレキシブルな案内要素と、好ましくは受け取り部内の使用済みキャリア用の案内要素とを備える。これによって、未使用キャリアの巻き戻しが、そして特に使用済みキャリアの巻き取りが容易になり、かつ／または、吸入器内の未使用キャリアのロールおよび使用済みキャリアのロールの干渉が低減されるか阻止される。これによって、キャリアの動きが、したがって吸入器の操作が容易になる。

本発明の第３の態様によれば、吸入器は、一方ではリザーバ内のキャリアあるいはリザーバ内でキャリアを案内するフレキシブルなスパイラルと、他方では受け取り部内のキャリアあるいは受け取り部内でキャリアを案内するフレキシブルなスパイラルとの間の摩擦を低減するために、未使用キャリア用のリザーバと使用済みキャリア用の受け取り部との間に、固定されていない案内要素を備える。これによって、キャリアの動きが、したがって吸入器の操作が容易になる。

本発明の第４の態様によれば、吸入器は潤滑デバイスを備えかつ／またはキャリアは案内要素とキャリアとの間の摩擦を低減するために潤滑剤を備える。これによって、キャリアの動きが、したがって吸入器の操作が容易になる。

本発明のさらなる態様、特徴、特性および利点は、特許請求の範囲の記載、ならびに図面を参照した好ましい実施形態に関する以下の説明から明らかとなるであろう。

マウスピースカバーを省略した吸入器の概略断面図である。 マウスピースカバーが閉じた状態での吸入器の概略断面図である。 吸入器の案内要素の概略断面図である。 吸入器の別の案内要素の概略断面図である。 吸入器のさらなる案内要素の概略断面図である。

各図において、たとえ反復説明が省略されても、同じ参照数字は同一あるいは類似の部品に関して使用されている。特に、同一あるいは対応する利点および特性が、この場合にも、やはりもたらされ、あるいは実現可能である。

図１は、吸入器１を、大まかな断面で示している。

吸入器１は、ブリスターストリップ２などの、好ましくはバンド形状キャリアから粉末状の吸入製剤を供給する役割を果たす。ブリスターストリップ２は、有限であり、エンドレスなすなわち閉じたループを形成していない。それは多数のブリスターポケット３を有するが、そのそれぞれは、服用量の、さらさらした吸入製剤、特にパウダー１０を直に収容している。したがって、製剤は事前計量される。

吸入器１は、閉塞された(密封された)レセプタクル(ここではブリスターポケット３)を備えた、まだ使用されていないブリスターストリップ２のためのリザーバ４を有する。未使用のブリスターストリップ２は、好ましくは、丸められ、すなわち巻き取られ、すなわちリザーバ４内に格納される。

吸入器１は、好ましくは、ブリスターポケット３を、個々のブリスターポケット３が開封されかつ空にすることができる開封および／または取り出しポジション６まで連続的に供給するために、一つのブリスターポケット３ずつ段階的に、矢印５ａの方向に、ブリスターストリップ２を段階的に前進移動させるためのコンベア５を有する。

ブリスターポケット３は、好ましくは、取り出しデバイスすなわち穿孔部材７(これは、ポジション６において個々に整列させられたブリスターポケット３の蓋に孔をあけるかあるいは切り開く)によって、それぞれ開封可能である。穿孔部材７は、中空であり、かつ／または吸入器１の隣接マウスピース８と流体連通状態である。

吸入中あるいはその間、患者あるいはユーザー(図示せず)はマウスピース８を自身の口内に配置し、息を吸い込む。周囲の空気の空気流９が吸い込まれ、さらさらしたパウダー１０(吸入製剤を形成しかつマウスピース８の下方の実際に開封されたブリスターポケット３内にのみ図１では大まかに示されている)がマウスピース８を経てエアロゾル雲１１として吸い込まれた周囲の空気と共に供出されるように、開封されたブリスターポケット３を通過する。こうした状況は図１に大まかに示されている。したがって、個々に開封されたブリスターポケット３(その中に穿孔部材７が部分的に突出する)が空にされる。

吸入器１は、好ましくは手動で操作可能な、吸入器１のハウジング１２ａに対して回動可能に設けられたレバー状アクチュエータ１２を有する。穿孔部材７およびマウスピース８は、アクチュエータ１２に対して取り付けられ、かつ、それによって支持されている。

アクチュエータ１２は、穿孔部材７によって、マウスピース８の下方のポジション６において個々に整列させられたブリスターポケット３の蓋が穿孔されるように動作可能(回動可能)である。

アクチュエータ１２が、図１に示すポジションから、(ここでは反時計回りに)部分的に開封されたポジションへと回動するとき、穿孔部材７は、最後に穿孔されたブリスターポケット３から引抜かれる。

続いて、ブリスターストリップ２は、一つのブリスターポケット３だけ前方に移動させられ、この結果、次のブリスターポケット３がポジション６に移動する。これについては、以下で、さらに詳しく説明する。

アクチュエータ１２が、図１に示すポジションへと回動して戻るとき、すなわち手動で元の位置まで動かされるとき、ブリスターストリップ２の次の整列させられたブリスターポケット３は穿孔部材７によって穿孔され、これによって開封される。こうして、次の吸入を行うことが可能となり、すなわち吸入器１が作動させられる。

吸入器１は、好ましくは、ブリスターストリップ２の使用済みの部分を受け取るすなわち格納するための受け取りスペースすなわち受け取り部１３を有する。受け取りスペースすなわち受け取り部１３は、使用済み部分を巻き取ることができるように構成される。図１は、ほとんど充填されたリザーバ４および部分的に空の受け取りスペース１３による解決策を示している。

コンベア５は、好ましくは、搬送ホイール１４を備えるが、これは、ブリスターポケット３間に係合し、したがってブリスターストリップ２を、形状ロックあるいは形状嵌合様式で搬送することができる。これによって、望む限りかつ／または必要な限り、非常に確実なあるいは正確なブリスターストリップ２の移動すなわち割り出しが可能となる。

好ましくは、コンベア５すなわちその搬送ホイール１４は、好ましくはリザーバ４と受け取り部１３との間に、特に取り出しポジション６と受け取り部１３との間に、したがってブリスターポケット３が空になった後に、配置される。

アクチュエータすなわちレバー１２の回動軸線は、好ましくは、搬送コンベア１４の回転軸線と共軸である。特に、アクチュエータすなわちレバー１２は、搬送ホイール１４の軸によって支持されてもよい。

吸入器１はマウスピースカバー１５を備える。このマウスピースカバー１５は図１(これは吸入器１のある態様を示している)には示されていないが図２(これはよりリアルな、だが依然として非常に大まかな吸入器１の断面を示している)には示されている。図２は、閉じられたマウスピースカバー１５を備えた吸入器１を示しており、ここで、ブリスターストリップ２は説明のために部分的に省略されている。

マウスピースカバー１５はカバー軸線１５ａを中心として回動可能であるが、この軸線１５ａは図１および図２に示されており、かつ、これらの図の面と直交するように延在している。

アクチュエータ１２の回動軸線は、好ましくは、カバー軸線１５ａに対してあるいはそれと同軸状に延在する。搬送ホイール１４の回転軸線は、好ましくは、カバー軸線１５ａと、そしてアクチュエータ１２の回動軸線と同軸状に延在する。

コンベア５すなわちその搬送ホイール１４は、好ましくは、マウスピースカバー１５によって、すなわちマウスピースカバー１５の旋回動作によって駆動される。特に、ブリスターストリップ２は、マウスピースカバー１５が開けられるときに、前方に移動させられる。好ましくは、マウスピースカバー１５の開放動作の一部のみが、ブリスターストリップ２を前方に移動させるために、コンベア５を、すなわちその搬送ホイール１４を動作させ、すなわち機能させる。

図２に示す完全に閉じたポジションからマウスピースカバー１５が開けられるとき、開放動作の第１の段階においては、たとえば、約１０、２０あるいは３０度の第１の角度までは、ブリスターストリップ１２は、マウスピースカバー１５と搬送ホイール１４と間の個々のフリーホイール(図示せず)によって移動させられない。

まず、アクチュエータ１２は、予め穿孔されそして通常は既に空になったブリスターポケット３から穿孔部材７を引き抜くために移動すなわち開放される必要がある。アクチュエータ１２のこの開放動作は手動にて行える。だが、アクチュエータ１２は、好ましくは、マウスピースカバー１５を開放するとき自動で開く。特に、マウスピースカバー１５は、第１の角度まで開くことができる。マウスピースカバー１５がこの角度、たとえば２０度に達するとき、特に付勢すなわちスプリング手段(図示せず)などによって、アクチュエータ１２は自動的に跳ねて、この開ポジションとなるように開く。だが、アクチュエータ１２がその開ポジションすなわち第１の角度に達するまで、アクチュエータ１２は、(たとえばラチェット機構、スプリングなどによって)開放動作の第１の段階においてマウスピースカバー１５と協働で動作することもまた可能である。

アクチュエータ１２の開ポジションは、好ましくは、穿孔部材７が外界にさらされず、かつ／または吸入器１が、潜在的な外的影響を回避するか少なくともそれを最小限に抑えるために完全には開放されないように設定される。

アクチュエータ１２の開ポジションを制限するために、アクチュエータ１２の開放すなわち回動範囲は、マウスピースカバー１５のものよりも小さく、かつ／または、好ましくは、せいぜい２０度までに、特に約１０度以下に制限される。

だが、アクチュエータ１２をその開ポジションに関して制限せず、しかしながら、特にマウスピースカバー１５と協働で、マウスピースカバー１５に関する限り開放すなわち回動可能とすることもまた考えられる。

マウスピースカバー１５のさらなる開放(第２段階)の間、コンベア５すなわちその搬送ホイール１４は、一つのブリスターポケット３だけ、空にされる次のブリスターポケット３へと前方にブリスターストリップ２を移動させるすなわち割り出しするために作動させられる。このブリスター移動は、好ましくは、マウスピースカバー１５の完全開放まで生じる。

マウスピースカバー１５が完全に開放され、そして次のブリスターポケット３がポジション６に移動させられたとき、既に整列させられ、依然として密封されたブリスターポケット３を穿孔するために、アクチュエータ１２を元の位置まで回動させることが、すなわち閉じることが可能である。こうして吸入器１は吸入の準備が整い、すなわち既に説明したように作動させられる。

吸入の後、吸入器１は、その閉ポジションへとマウスピースカバー１５を再び回動させることによって閉じることができる。

好ましくは、吸入器１は、未使用のキャリア用の案内要素１６を備える。この案内要素１６は、図１に示すように、特にリザーバ４内に配置され、あるいはリザーバ４を形成する。

案内要素１６は、未使用のキャリアを格納しかつ／またはそれを案内する。だが、案内要素１６および／または他の案内要素１７は、キャリアの他の部分を案内するために使用でき、かつ／または吸入器１の別な部分内に配置することができる。

本実施形態では、吸入器は、好ましくは、別な案内要素１７を備える。特に、この別な案内要素１７は、受け取り部１３内に配置されるか、あるいは、この受け取り部１３を形成する。

これに加えて、あるいは、これに代えて、吸入器１は、図１に示すような、さらなる案内要素１８を備えていてもよい。このさらなる案内要素１８は、吸入器１あるいはそのハウジング１２ａ内に、固定されずに収容されている。このさらなる案内要素１８は、一方では、リザーバ４内のキャリアあるいはリザーバ４内のキャリアを案内するフレキシブルなスパイラル(案内要素１６)と、他方では、受け取り部１３内のキャリアあるいは受け取り部１３内のキャリアを案内するフレキシブルなスパイラル(案内要素１７)との間の摩擦を低減するために、リザーバ４と受け取り部１３との間に配置される。

好ましくは、案内要素１６,１７および／または１８は、フレキシブルであり、かつ／または、キャリアが、特にこのキャリアと交差する方向に移動させられ、すなわち搬送されるとき、可動であるか屈曲可能である。

好ましくは、案内要素１６,１７は、それぞれ、スパイラル部分を備え、あるいは少なくとも本質的にスパイラルを形成する。

特に、案内要素１６および／または１７は、好ましくはリザーバ４内の未使用キャリアのロールと受け取り部１３内の使用済みキャリアのロールとが直に接触しないように、キャリアを外側から取り囲んでもよい。これによって、これらロール間の摩擦の低減が可能となる。これは、案内要素１８によって代替的にあるいは付加的に達成可能である。

別な案内要素１６,１７および／または１８は、好ましくは、やはりストリップあるいはバンド状である。

好ましくは、案内要素１６,１７および／または１８は、スチールから、特にバネ鋼からなる。だが、案内要素１６,１７および／または１８はまた、それ以外の好適な素材、特にプラスチックから形成できる。

好ましくは、案内要素１６,１７および／または１８は、シート素材、特に金属シートからなる。

リザーバ４のスパイラル／案内要素１６は、ハウジング１２ａ内に、固定されずに収容されてもよい。この場合、案内要素１６の外側端部は、キャリアの前方移動５ａの間、キャリアがスパイラル／案内要素１６から引き出されるとき、案内要素１６を対向支持するために、好ましくは、ハウジング１２ａ、リセスなどと係合する。

スパイラル／案内要素１７は、一部あるいは一端において、好ましくは外側端部において、吸入器１のハウジング１２ａあるいは別な静止コンポーネントまで移動させられてもよい。これは、他の案内要素１６および１８にも同様に当てはまる。

好ましくは、吸入器１の非常にコンパクトな設計を可能とするために、リザーバ４および受け取り部１３は非常に接近しており、かつ、特に、吸入器１／ハウジング１２ａ内で共通スペースを共有する。特に、リザーバ４のスパイラルは吸入器１の最初の使用前に直径に関して大きなものである(この状態ではキャリアのほとんどはリザーバ４内に置かれている)。この状態では、受け取り部１３はほとんどスペースを要しない。なぜなら、キャリアは受け取り部１３内にまだ移動していないからである。したがって、受け取り部１３のスパイラルは、この状態では直径に関して最小となり得る。

吸入器１の使用中、未使用キャリアのロールおよび／またはスパイラルのサイズはリザーバ４内で減少し、そして受け取り部１３内で増大する。したがって、受け取り部１３は、吸入器１のさらなる使用の間、リザーバ４に向かってシフトさせられる。これに対応して、固定されていない案内要素１８は、吸入器１の使用中、さらに正確には受け取り部１３内へのリザーバ４からのキャリアの前進移動と共に、移動すなわちシフトさせられる。

摩擦を(さらに)低減するために、案内要素１６,１７,１８の一つは、キャリアあるいはスパイラルに向かって突出する、特に個々の案内要素１６,１７,１８の少なくとも本質的に平坦な表面すなわちその側からキャリアの好ましくは本質的に平坦な接触面(特に、ブリスターポケット３がフォイルなどによってシールされるキャリアの面)に向かって突出する、少なくとも一つの突起１９を備えることができる。したがって、一方では案内要素１６,１７,１８と、他方では関連付けられたキャリアあるいはスパイラルあるいは他の案内要素１６,１７,１８の一つとの間の面接触を低減することができる。言い換えれば、突起１９は、案内要素とキャリアとの間の、あるいは二つの案内要素間の摩擦を低減し得る。

図３は、一方側あるいは一面に複数の突起１９(ここでは二つの突起１９)を備えた一つの案内要素１６,１７あるいは１８の一部を部分的に断面で示している。だが、必要とあれば、ただ一つの突起１９が一面に設けられてもよい。

少なくとも一つの突起１９は、好ましくは、リブ状で、かつ／または、レール状であり、かつ／または案内要素あるいはキャリアの長さ方向に延在している。

二つの突起１９が設けられかつ長さ方向に延在するならば、突起１９間の距離および突起１９の位置は、関連するキャリアが、突起１９上で、あるいはその間で、確実に案内されるように選択される。

突起１９は、好ましくは、キャリアの平坦な接触面あるいは裏面を案内し、すなわちそれに接触する。だが、突起１９はまた、特に、レセプタクル／ブリスターポケット３が突起１９間に係合するように、その別の側において、キャリアを案内し、あるいは当接し、あるいは支持することができる。

案内要素１６,１７あるいは１８は、図４に示すように、対向する面上に突起１９を備えることができる。これは、特にキャリアがスパイラル形態で案内され、したがって個々の案内要素１６,１７あるいは１８の両面と接触し得る場合に、キャリアに対する摩擦を両面において低減する。だが、突起１９の二つの面を持つ部位は、その他の目的のために、たとえば、案内要素１６,１７あるいは１８の一面上でのキャリアとの、および案内要素１６,１７あるいは１８の他の面上での他の案内要素１６,１７あるいは１８の一つなどとの摩擦を低減するために、同様に使用可能である。

案内要素１６,１７あるいは１８は、好ましくは長さ方向に均等に割り当てられた複数の突起１９を、および／または図５に示すような本質的に半球形状を、あるいはその他の形状を備えた突起１９を備えていてもよい。

突起１９は、好ましくは、個々の案内要素１６,１７あるいは１８のコルゲーションによって、かつ／または深絞りなどによって形成される。だが、突起１９はまた、たとえば個々の案内要素１６,１７あるいは１８などのエッジの折り込みによって形成することもできる。

摩擦を低減するための上記可能性に加えて、あるいはそれに代えて、図１に大まかに示すように、案内要素１６,１７あるいは１８の少なくとも一つとキャリアとの間の摩擦を低減するために、吸入器１は潤滑デバイス２０を備えていてもよく、かつ／または、キャリアは潤滑剤２１を含んでいてもあるいはそれを備えていてもよい。潤滑デバイス２０は、フェルトなどの好適な素材から形成可能であり、それは潤滑剤２１を吸収させられ、そしてキャリアあるいはその他のコンポーネントに対して潤滑剤２１を移すためにキャリアあるいはその他のコンポーネントと接触状態とされる。

好ましくは、潤滑剤２１は、開放および／または取り出しポジション６の後に、かつ／または、キャリアの取り出し側の逆側においてキャリアに対して塗布される。

上述したように、潤滑剤２１は、好ましくは潤滑デバイス２０によって、特に吸入器１内で、キャリアに対して塗布できる。だが、キャリアが吸入器１内に挿入される前に潤滑剤をキャリアに対して塗布することも可能である。特に、潤滑剤２１はキャリアのコーティングあるいは案内要素あるいは吸入器１のその他のコンポーネントを形成してもよい。潤滑剤２１は、多かれ少なかれ、キャリアの一面に、かつ／または、キャリアの一部にのみ、たとえば最初に受け取り部１３内に挿入されるキャリアの端部領域に塗布されてもよい。

好ましくは、潤滑剤２１は粘性を有し、かつ／または、キャリアに対して付着する。

上記案内要素１６,１７および１８は、好ましくは、少なくとも部分的に、特に平坦な面および／または関連付けられたキャリアと交差する方向に、フレキシブルで、可動で、かつ／または弾性的に変形可能である。だが、吸入器１は、図１に大まかに示すように、キャリアを案内し、かつ／または、リザーバ４および受け取り部１３を互いに対して区切るための剛体であってかつ／または静止したガイド２２を付加的にあるいは代替的に備えることもできる。このガイド２２はまた、キャリアおよび／または一つの他の案内要素１６,１７あるいは１８、特にその形成されたスパイラルとの(滑り)摩擦を低減するために、上述したように、少なくとも一つの突起１９を備えることができる。

好ましくは、吸入器１は持ち運び可能であり、機械的にのみ動作し、かつ／または手持ち式である。

好ましくは、「ブリスターストリップ」および「ブリスターポケット」との用語は、レセプタクルをあるいは製剤のためのバルクストレージさえ備えた、その他の種類の貯蔵手段も包含するように、非常に広い意味で理解すべきである。

１ 吸入器
２ ブリスターストリップ
３ ブリスターポケット
４ リザーバ
５ コンベア
５ａ 前方移動
６ 開放および／または取り出しポジション
７ 穿孔部材
８ マウスピース
９ 空気流
１０ パウダー
１１ エアロゾル雲
１２ アクチュエータ
１２ａ ハウジング
１３ 受け取り部
１４ 搬送ホイール
１５ マウスピースカバー
１５ａ カバー軸線
１６ 案内要素
１７ 案内要素
１８ 案内要素
１９ 突起
２０ 潤滑デバイス
２１ 潤滑剤
２２ ガイド

Claims (13)

1. バンド形状のキャリア、特に、本質的に平坦な接触面と、服用量の製剤を含む、ブリスターポケット(３)などの複数のレセプタクルと、を備えたブリスターストリップ(２)から、粉末状の製剤を供給するための吸入器(１)であって、
   前記キャリアを前方へ移動させるためのコンベア(５)と、
   前記キャリアが移動するとき、前記キャリアを案内するための案内要素(１６,１７,１８)と、を具備してなり、
   前記案内要素(１６,１７,１８)は、面接触を、したがって前記案内要素(１６,１７,１８)と前記キャリアとの間の摩擦を低減するために、前記キャリアに向かって突出する少なくとも一つの突起(１９)を具備してなることを特徴とする吸入器(１)。
2. 吸入器(１)は、使用済みのキャリアを格納するための受け取り部（１３）を具備してなり、前記案内要素(１７)は、前記受け取り部(１３)内に配置されるか、あるいは前記受け取り部(１３)を形成していることを特徴とする請求項１に記載の吸入器。
3. 請求項１または請求項２に記載の吸入器(１)であって、
   未使用のキャリアを格納するためのリザーバ(４)を具備してなり、
   前記未使用のキャリアのための前記案内要素(１６)は前記リザーバ(４)内に存在することを特徴とする吸入器(１)。
4. 請求項２を引用した場合の請求項３に記載の吸入器(１)であって、
   前記吸入器(１)は、前記リザーバ(４)内の前記キャリアと、前記受け取り部(１３)内の前記キャリアとの間の摩擦を低減するために、前記リザーバ(４)と前記受け取り部(１３)との間に、固定されていない案内要素(１８)を具備してなることを特徴とする吸入器(１)。
5. 請求項１ないし請求項４のいずれか１項に記載の吸入器(１)であって、
   前記案内要素(１６,１７,１８)と前記キャリアとの間の摩擦を低減するために、前記吸入器(１)は潤滑デバイス(２０)を具備してなり、かつ／または、前記キャリアは潤滑剤(２１)を具備してなることを特徴とする吸入器(１)。
6. 前記突起(１９)は、前記案内要素(１６,１７,１８)あるいはキャリアの長さ方向に、あるいはそれに沿って延在していることを特徴とする請求項１ないし請求項５のいずれか１項に記載の吸入器。
7. 前記突起(１９)は、レールあるいはリブ状であることを特徴とする請求項１ないし請求項６のいずれか１項に記載の吸入器。
8. 前記突起(１９)は、前記案内要素(１６,１７,１８)のコルゲーションによって形成されることを特徴とする請求項１ないし請求項７のいずれか１項に記載の吸入器。
9. 前記案内要素(１６,１７,１８)は、長さ方向(５ａ)に平行に延在する一つあるいは二つの突起(１９)を具備してなり、かつ／または、前記案内要素(１６,１７,１８)は前記案内要素(１６,１７,１８)の長さ方向に割り当てられた複数の突起(１９)を具備してなることを特徴とする請求項１ないし請求項８のいずれか１項に記載の吸入器。
10. 前記案内要素(１６,１７,１８)は、この案内要素(１６,１７,１８)の対向する側に突起(１９)を具備してなることを特徴とする請求項１ないし請求項９のいずれか１項に記載の吸入器。
11. 前記案内要素(１６,１７,１８)はスチール、特にバネ鋼から形成され、かつ／または前記案内要素(１６,１７,１８)はシート素材、特に金属シートから形成され、かつ／または前記案内要素(１６,１７,１８)はフレキシブルであるか、弾性を有するか、前記キャリアと交差方向に可動であるか屈曲可能であることを特徴とする請求項１ないし請求項１０のいずれか１項に記載の吸入器。
12. 前記案内要素(１６,１７,１８)は前記キャリアを外側から取り囲んでいることを特徴とする請求項１ないし請求項１１のいずれか１項に記載の吸入器。
13. 前記案内要素(１６,１７)は、スパイラル部分を、あるいは少なくとも事実上、スパイラルの形態を備えることを特徴とする請求項１ないし請求項１２のいずれか１項に記載の吸入器。

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