JP5734032B2 - ヒドロキシシリルエーテル化合物の製造方法 - Google Patents
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ルイス酸触媒と有機塩基の存在下、
下記一般式(I)
下記一般式(II)
下記一般式(III)
R7は、アルキル基、ハロアルキル基、シアノアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基であり、
R7は、同一の基であっても、異なる基であってもよく、
Yは、ハロゲン原子である。 )
で示される化合物であることが好ましい。
本発明で使用するルイス酸は、特に制限されるものではなく、触媒として知られている公知の化合物を使用することができる。これらルイス酸を具体的に例示すると、ジメチルジクロロ錫、ジメチルジブロム錫、ジブチルジクロロ錫、ジトリフルオロメタンスルホン酸錫、ジトリフルオロメタンスルホン酸銅、ジトリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、ジトリフルオロメタンスルホン酸鉄、ジトリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム、2,2’−(2,2−ジブロモ−2−スタナプロパン−1,3−ジイル)−1,1’−ビナフタレン、2,2’−(2,2−ジブロモ−2−スタナプロパン−1,3−ジイル)− 3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン等を挙げることができる。これらのルイス酸の中でも、高収率が期待できる、ジメチルジクロロ錫、ジブチルジクロロ錫、ジトリフルオロメタンスルホン酸銅、ジトリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、2,2’−(2,2−ジブロモ−2−スタナプロパン−1,3−ジイル)−1,1’−ビナフタレン、2,2’−(2,2−ジブロモ−2−スタナプロパン−1,3−ジイル)− 3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレン等が好適に使用され、特に、ジメチルジクロロ錫、2,2’−(2,2−ジブロモ−2−スタナプロパン−1,3−ジイル)− 3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフタレンが好ましい。
本発明で使用する有機塩基は、公知のものを何等制限なく使用できる。これら有機塩基を具体的に例示すると、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、メチルモルホリン等の脂肪族アミン、ピリジン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルベンジルアミン等の芳香族アミン等を挙げることができる。これらの有機塩基の中でも、トリエチルアミン、トリブチルアミン、メチルモルホリン、ジイソプロピルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の脂肪族アミン、4−N,N−ジメチルアミノピリジン等の芳香族アミン等が、高い反応選択性と収率を示すため好適に採用でき、特に、トリエチルアミンが好適に採用できる。また、これら有機塩基は、単独でも、複数種類のもの、または複数のものを混合して使用することができる。
本発明で使用するジオール化合物は、前記一般式(I)、前記一般式(II)、及び前記一般式(III)で示されるジオール化合物から選ばれる1種の化合物である。これら特定の構造を有するジオール化合物を使用することにより、優れた効果を発揮することができる。先ず、前記一般式(I)で示される環状1,2−ジオール化合物について説明する。
本発明で使用する環状1,2−ジオール化合物は、下記一般式(I)
本発明で使用する鎖状1,2−ジオール化合物は、下記一般式(II)
本発明で使用する鎖状1,3−ジオール化合物は、下記一般式(III)
本発明で使用する有機ケイ素ハライド化合物は、試薬あるいは工業原料として入手可能なものが何等制限なく使用できる。この有機ケイ素ハライド化合物を例示すれば、下記一般式(IV)
R7は、アルキル基、ハロアルキル基、シアノアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアラルキル基であり、
R7は、同一の基であっても、異なる基であってもよく、
Yは、ハロゲン原子である。 )
で示される化合物である。
本発明の方法は、有機溶媒中で上記各成分を混合することにより、実施することができる。本発明で使用できる有機溶媒は、各成分が溶解し、反応を阻害しないものであれば、試薬、又は工業原料として入手可能な溶媒を使用することができる。具体的には、テトラハイドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルシクロペンチルエーテル等のエーテル類、tert−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール等のアルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルカーボネート等のカーボネート類、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。これらの有機溶媒の中でも、高い収率が期待できる、テトラハイドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、トルエン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類が好適に採用され、特に、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、塩化メチレンが好ましい。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、2種類以上の溶媒を混合して用いることもできる。
本発明においては、前記ルイス酸、有機塩基の存在下、前記ジオール化合物と前記有機ケイ素ハライド化合物とを有機溶媒中で反応させることができる。この反応(以下、シリルエーテル化反応と称す。)は、有機溶媒中でルイス酸、有機塩基、ジオール化合物、有機ケイ素ハライド化合物を混合してやればよい。そのため、これらの添加順序は、特に制限されるものではない。中でも、収率等を考慮すると、前記ジオール化合物、及びルイス酸が溶解した混合溶液(有機溶媒)を攪拌混合しながら、該混合溶液中に有機塩基を添加し、続いて、有機ケイ素ハライド化合物を添加することが好ましい。例えば、反応器にジオール化合物、ルイス酸、有機溶媒を仕込み、それらを攪拌しながら混合溶媒とし、該混合溶媒に有機塩基を添加し、続いて、有機ケイ素ハライド化合物を添加する方法を採用すればよい。なお、ジオール化合物、ルイス酸、有機塩基、有機ケイ素ハライド化合物は、有機溶媒で希釈したものを使用することもできるし、そのまま使用することもできる。
上記方法で得られたヒドロキシシリルエーテル化合物を分離し、精製する方法は、特に制限されるものではなく、反応混合物から、公知の単離精製方法によって、目的とするヒドロキシシリルエーテル化合物を分離することができる。具体的な分離精製方法を例示すれば以下の方法を挙げることができる。先ず、反応終了後の反応溶液に水を投入する。次いで、該水溶液と水に難溶な有機溶媒(例えば、酢酸エチル)と接触させ、該有機溶媒により目的物を抽出する。その後、得られた有機溶媒を乾燥剤(例えば、硫酸マグネシウム等)により乾燥し、該溶媒を留去し、残渣を公知の方法で精製、例えば、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製することにより、目的とするヒドロキシシリルエーテル化合物を分離精製できる。
10mlの茄子型フラスコに、大気雰囲気下、シス−1,2−シクロオクタンジオール72.1mg(0.5mmol)、ジメチルジクロロ錫11.0mg(0.05mmol)を加えて、次いで、塩化メチレン3mlを加え、攪拌混合し、シス−1,2−シクロオクタンジオール、ジメチルジクロロ錫が溶解した混合溶液を得た。次いで、該混合溶液中に、トリエチルアミン104.4μl(0.75mmol)、次いでトリエチルシリルクロライド125.9μl(0.75mmol)を室温(23℃)で順次添加し、1時間撹拌した。反応終了後、反応溶液に水を10ml投入し、酢酸エチル10mlを用いて抽出を行った。抽出操作を3回行った後、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、酢酸エチルを留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで分離精製(展開溶媒 n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)したところ、ラセミ体のシス−1−トリエチルシリルオキシ−2−シクロオクタノールを127.8mg(収率99%)取得した。
実施例1で使用したジメチルジクロロ錫の代わりに表1のルイス酸を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1に示す。
実施例6〜8
実施例1で使用したトリエチルアミンの代わりに表2の有機塩基を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表2に示す。
実施例31
実施例1で使用したトリエチルシリルクロライドの代わりにジメチルフェニルシリルクロライドを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、ラセミ−シス−1−ジメチルフェニルシリルオキシ−2−シクロオクタノールを130.5mg(収率89%)で取得した。
実施例1で使用したトリエチルシリルクロライドの代わりにジメチル(3−フェニルプロピル)シリルクロライドを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、ラセミ−シス−1−ジメチル(3−フェニルプロピル)シリルオキシ−2−シクロオクタノールを134.9mg(収率84%)で取得した。
実施例1で使用したトリエチルシリルクロライドの代わりに表6の有機ケイ素ハライド化合物を用い、使用量を0.6mmolにした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
その結果を表6に示す。
実施例39
実施例22で使用したトリエチルシリルクロライドの代わりにジメチルフェニルシリルクロライドを用いた以外は、実施例22と同様の操作を行った。その結果、(1R,2S)−1,2−ジフェニル−1−ジメチルフェニルシリルオキシ−2−エタノールと対応する(1S,2R)−体の1対1混合物を144.9mg(収率83%)で取得した。
実施例25で使用したトリエチルシリルクロライドの代わりにtert−ブチルジフェニルシリルクロライドを用いた以外は、実施例25と同様の操作を行った。その結果、2,2−ジメチル−1−tert−ブチルジフェニルシリルオキシ−3−プロパノールを137.3mg(収率80%)で取得した。
実施例1で使用したジメチルジクロロ錫を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、ラセミ体のシス−1−トリエチルシリルオキシ−2−シクロオクタノールの取得量は、83.9mg(収率65%)であった。
実施例1で使用したトリエチルアミンの代わりに炭酸カリウムを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、ラセミ体のシス−1−ベンゼンカルボニルオキシ−2−シクロオクタノールは全く取得できなかった。
Claims (2)
- ルイス酸触媒と有機塩基の存在下、
下記一般式(I)
下記一般式(II)
下記一般式(III)
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JP2011051602A JP5734032B2 (ja) | 2011-01-21 | 2011-03-09 | ヒドロキシシリルエーテル化合物の製造方法 |
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