JP5714661B2 - 絶縁防護カバー - Google Patents
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Description
本発明は、充電部又は充電部に近接した導電体を被覆することにより、感電事故や地絡事故を防止する絶縁防護カバーに関する。
電路の充電部に接近しての電気工事を行う場合に、充電部に接触することによる感電や、充電部と導電体(例えば電柱)との作業用工具を介した導通による地絡事故等を防止するため、充電部又は充電部に近接した導電体部分を絶縁素材により被覆して防護することが一般的に行われている。
防護部材の一例として特許文献1には、合成樹脂やゴム等の絶縁性素材から形成された折り曲げ、折り畳み自在な電線防護シートが記載されている。電線防護シートは、蛇腹状の折り込み部を有し、伸縮自在に構成されている。
また、特許文献2には、内部残留応力により電線に巻き付く帯状の電線防護部材が記載されている。電線防護部材は電線に装着されたとき、電線の長手方向に沿って伸びる筒状に変形する。
防護部材の一例として特許文献1には、合成樹脂やゴム等の絶縁性素材から形成された折り曲げ、折り畳み自在な電線防護シートが記載されている。電線防護シートは、蛇腹状の折り込み部を有し、伸縮自在に構成されている。
また、特許文献2には、内部残留応力により電線に巻き付く帯状の電線防護部材が記載されている。電線防護部材は電線に装着されたとき、電線の長手方向に沿って伸びる筒状に変形する。
特許文献1に採用されている絶縁シートは風呂敷状の柔軟な素材から構成されているため、絶縁シートを電柱など大径の防護対象物に対して巻き付けて固定することは困難である。電柱に巻き付ける場合は、絶縁シート又は絶縁シートを電柱に固定するためのゴム紐等を電柱周りに一周させる必要がある。しかし、高所作業車に乗り込んで行う作業では、作業位置に制約が発生するため、上記方法にて電柱を絶縁防護することは困難である。
また、特許文献2の電線防護部材は電線の防護に特化されており、電線以外を絶縁防護することができない。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、電柱等の防護対象物に対して容易に取り付けることを可能とするシート状の絶縁防護カバーを提供することを目的とする。
また、特許文献2の電線防護部材は電線の防護に特化されており、電線以外を絶縁防護することができない。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、電柱等の防護対象物に対して容易に取り付けることを可能とするシート状の絶縁防護カバーを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、伸張した第一の安定姿勢と、ゼンマイ状にカールした第二の安定姿勢と、の間で相互に変形する双安定バネと、前記双安定バネを装着するバネ装着部を備えた可撓性の絶縁シートと、を備えたことを特徴とする。
請求項1の発明において双安定バネは、伸張した第一の安定姿勢と、ゼンマイ状にカールした第二の安定姿勢との2つの安定姿勢を取ることができ、各安定姿勢の間で相互に変形する。絶縁シートは、双安定バネを装着するバネ装着部を備えている。絶縁シートは、可撓性を有しているため、装着された双安定バネの姿勢に応じて変形する。即ち、絶縁シートは、双安定バネが第一の安定姿勢をとるときに広がった展開姿勢を取り、双安定バネが第二の安定姿勢をとるときに防護対象物を被覆する防護姿勢を取る。
請求項2に記載の発明は、前記双安定バネが前記絶縁シートに対して着脱自在であることを特徴とする。
請求項2の発明では、双安定バネが装着された絶縁防護カバーを用いて防護対象物を防護することもできるし、双安定バネが装着されていない絶縁防護カバーを用いて防護対象物を防護することもできる。双安定バネが装着されていない絶縁防護カバーは、一般的な絶縁シートとして用いることができる。
請求項1の発明において双安定バネは、伸張した第一の安定姿勢と、ゼンマイ状にカールした第二の安定姿勢との2つの安定姿勢を取ることができ、各安定姿勢の間で相互に変形する。絶縁シートは、双安定バネを装着するバネ装着部を備えている。絶縁シートは、可撓性を有しているため、装着された双安定バネの姿勢に応じて変形する。即ち、絶縁シートは、双安定バネが第一の安定姿勢をとるときに広がった展開姿勢を取り、双安定バネが第二の安定姿勢をとるときに防護対象物を被覆する防護姿勢を取る。
請求項2に記載の発明は、前記双安定バネが前記絶縁シートに対して着脱自在であることを特徴とする。
請求項2の発明では、双安定バネが装着された絶縁防護カバーを用いて防護対象物を防護することもできるし、双安定バネが装着されていない絶縁防護カバーを用いて防護対象物を防護することもできる。双安定バネが装着されていない絶縁防護カバーは、一般的な絶縁シートとして用いることができる。
請求項3に記載の発明は、前記双安定バネがその伸張方向に沿って、前記絶縁シートに複数配置されていることを特徴とする。
請求項3の発明では、複数の双安定バネを備えたので、防護対象物に対する絶縁シートの密着度を高めることができる。また、複数の双安定バネが、伸張方向に沿って互いに並行に配置されているので、双安定バネが互いに第一又は第二の安定姿勢への変形を阻害せず、防護対象物を効果的に絶縁防護する。
請求項4に記載の発明は、前記双安定バネの伸張方向と交差する方向に沿って伸びる形状保持部材を備えたことを特徴とする。
絶縁シートとして一般的に使用されている風呂敷状のシート部材を採用する場合、双安定バネだけでは、絶縁シートの全体を広げた状態に維持することが困難な場合がある。本発明では、双安定バネの伸張方向と交差する方向に沿って伸びる形状保持部材を備えた。形状保持部材は双安定バネの第一又は第二の安定姿勢への変形を阻害せずに、絶縁シートの形状を広げた状態に保持することができる。
請求項3の発明では、複数の双安定バネを備えたので、防護対象物に対する絶縁シートの密着度を高めることができる。また、複数の双安定バネが、伸張方向に沿って互いに並行に配置されているので、双安定バネが互いに第一又は第二の安定姿勢への変形を阻害せず、防護対象物を効果的に絶縁防護する。
請求項4に記載の発明は、前記双安定バネの伸張方向と交差する方向に沿って伸びる形状保持部材を備えたことを特徴とする。
絶縁シートとして一般的に使用されている風呂敷状のシート部材を採用する場合、双安定バネだけでは、絶縁シートの全体を広げた状態に維持することが困難な場合がある。本発明では、双安定バネの伸張方向と交差する方向に沿って伸びる形状保持部材を備えた。形状保持部材は双安定バネの第一又は第二の安定姿勢への変形を阻害せずに、絶縁シートの形状を広げた状態に保持することができる。
請求項5に記載の発明は、防護対象物との対向面側に防滑部材を備えたことを特徴とする。
請求項5の発明では、防護対象物に対する絶縁シートの位置ずれを防止して、防護対象物を効果的に絶縁防護する。
請求項6に記載の発明は、防護対象物との非対向面側に、間接活線工法用工具にて把持可能な取手を備えたことを特徴とする。
請求項6の発明では、間接活線工法用工具にて取手を把持することで、防護対象物に対して絶縁防護カバーを着脱操作できる。
請求項5の発明では、防護対象物に対する絶縁シートの位置ずれを防止して、防護対象物を効果的に絶縁防護する。
請求項6に記載の発明は、防護対象物との非対向面側に、間接活線工法用工具にて把持可能な取手を備えたことを特徴とする。
請求項6の発明では、間接活線工法用工具にて取手を把持することで、防護対象物に対して絶縁防護カバーを着脱操作できる。
絶縁防護カバーは、双安定バネの姿勢に応じて変形し、双安定バネが第一の安定姿勢をとるときに広がった展開姿勢を取り、双安定バネが第二の安定姿勢をとるときに防護対象物を被覆する防護姿勢を取る。展開姿勢にある絶縁防護カバーを防護対象物に接近させ、双安定バネを第二の安定姿勢に変形させれば防護対象物を絶縁防護できるので、防護対象物に対する絶縁防護カバーの取り付けが容易である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
〔第一の実施形態〕
本発明の第一の実施形態に係る絶縁防護カバーについて図1及び図2に基づいて説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る絶縁防護カバーの裏面図である。図2は、双安定バネを示す斜視図であり、(a)は伸張した第一の安定姿勢を示す図であり、(b)はゼンマイ状にカールした第二の安定姿勢を示す図である。
本発明の第一の実施形態に係る絶縁防護カバーについて図1及び図2に基づいて説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る絶縁防護カバーの裏面図である。図2は、双安定バネを示す斜視図であり、(a)は伸張した第一の安定姿勢を示す図であり、(b)はゼンマイ状にカールした第二の安定姿勢を示す図である。
本実施形態に係る絶縁防護カバー1は、伸張した第一の安定姿勢と、ゼンマイ状にカールした第二の安定姿勢との間で相互に変形する複数の双安定バネ10と、複数の双安定バネ10を夫々着脱自在に装着する複数のバネ装着部21を備えた可撓性の絶縁シート20と、を備えている。
絶縁防護カバー1は、絶縁シート20の内部に装着した双安定バネ10の姿勢に応じて、平面状に広がった展開姿勢(図5(a)参照)と、防護対象物(電柱110)に巻き付いて被覆する防護姿勢(図5(b)参照)の2つの姿勢をとる。双安定バネ10が第一の安定姿勢をとるとき、絶縁防護カバー1は展開姿勢をとる。双安定バネ10が第二の安定姿勢をとるとき、又は第一の安定姿勢から第二の安定姿勢に移行する過程で、絶縁防護カバー1は防護姿勢をとる。このように本発明に係る絶縁防護カバー1は、双安定バネの力を利用することで2つの姿勢をとる点に特徴がある。
絶縁防護カバー1は、絶縁シート20の内部に装着した双安定バネ10の姿勢に応じて、平面状に広がった展開姿勢(図5(a)参照)と、防護対象物(電柱110)に巻き付いて被覆する防護姿勢(図5(b)参照)の2つの姿勢をとる。双安定バネ10が第一の安定姿勢をとるとき、絶縁防護カバー1は展開姿勢をとる。双安定バネ10が第二の安定姿勢をとるとき、又は第一の安定姿勢から第二の安定姿勢に移行する過程で、絶縁防護カバー1は防護姿勢をとる。このように本発明に係る絶縁防護カバー1は、双安定バネの力を利用することで2つの姿勢をとる点に特徴がある。
双安定バネ10は、2つの安定姿勢を有する板バネであり、長尺帯状に伸張した第一の安定姿勢(図2(a))と、ゼンマイ状にカールした第二の安定姿勢(図2(b))との間で相互に変形する。第二の安定姿勢は、双安定バネの短手方向に沿った軸線周りに巻き付いた姿勢である。また、双安定バネは各安定姿勢にあるとき、外力を加えなければその姿勢を安定的に保持する。
絶縁シート20は、合成樹脂やゴム等、可撓性或いは柔軟性のある絶縁性のシート部材から構成されている。双安定バネ10の姿勢に応じて変形可能であればよい。絶縁シート20としては、従来一般的に用いられている折り畳み自在な矩形・風呂敷状の絶縁シートを用いることができる。図1に示す絶縁シート20は矩形状であるが、円形状、多角形状、など、その他の形状としてもよい。
絶縁シート20の防護対象物との対向面(内側となる面、裏面)には、双安定バネ10を着脱自在に装着するバネ装着部21を備えている。また、絶縁シート20の防護対象物との非対向面側(外側となる面、表面)には、間接活線工法用工具(例えば絶縁ヤットコ)にて把持可能な取手27を備えている(図4、図5参照)。
絶縁シート20は、合成樹脂やゴム等、可撓性或いは柔軟性のある絶縁性のシート部材から構成されている。双安定バネ10の姿勢に応じて変形可能であればよい。絶縁シート20としては、従来一般的に用いられている折り畳み自在な矩形・風呂敷状の絶縁シートを用いることができる。図1に示す絶縁シート20は矩形状であるが、円形状、多角形状、など、その他の形状としてもよい。
絶縁シート20の防護対象物との対向面(内側となる面、裏面)には、双安定バネ10を着脱自在に装着するバネ装着部21を備えている。また、絶縁シート20の防護対象物との非対向面側(外側となる面、表面)には、間接活線工法用工具(例えば絶縁ヤットコ)にて把持可能な取手27を備えている(図4、図5参照)。
バネ装着部について説明する。
バネ装着部21は、絶縁シート20の裏面(防護対象物との対向面)側に複数配置されている。各バネ装着部21は、夫々双安定バネ10の長手方向一端側を収容する袋状のバネ収容部23と、バネ収容部23から露出した双安定バネ10の長手方向他端部を押さえる押さえ片25と、を備えている。バネ装着部21は、絶縁シート20の表面側に配置しても構わない。
なお、以下の説明では便宜上、双安定バネの長手方向に沿った絶縁シートの方向(図中左右方向)を「幅方向」と表現し、双安定バネの短手方向に沿った絶縁シートの方向(図中上下方向)を「高さ方向」と表現する。
バネ装着部21は、絶縁シート20の裏面(防護対象物との対向面)側に複数配置されている。各バネ装着部21は、夫々双安定バネ10の長手方向一端側を収容する袋状のバネ収容部23と、バネ収容部23から露出した双安定バネ10の長手方向他端部を押さえる押さえ片25と、を備えている。バネ装着部21は、絶縁シート20の表面側に配置しても構わない。
なお、以下の説明では便宜上、双安定バネの長手方向に沿った絶縁シートの方向(図中左右方向)を「幅方向」と表現し、双安定バネの短手方向に沿った絶縁シートの方向(図中上下方向)を「高さ方向」と表現する。
バネ収容部23は、平板帯状の双安定バネ10の長手方向一端側を絶縁シートとの間で包囲する。バネ収容部23の長手方向一端側が閉止されているのに対して、長手方向他端側には、開口23aが形成されている。開口23aは、双安定バネ10を長手方向一端からバネ収容部23内に挿入するためのものである。
バネ収容部23は、絶縁シート20と同材質の矩形状シート材の3辺を絶縁シート20に接合することにより形成したものである。接合方法としては、縫合、接着、溶着などを用いることができる。
バネ収容部23は、絶縁シート20と同材質の矩形状シート材の3辺を絶縁シート20に接合することにより形成したものである。接合方法としては、縫合、接着、溶着などを用いることができる。
押さえ片25は、バネ収容部23の開口23aに隣接して配置されている。押さえ片25は、双安定バネ10上をその短手方向に跨がって配置される。押さえ片25は、バネ収容部23に挿入された双安定バネ10の長手方向他端部を絶縁シート20裏面に押さえつけることにより、双安定バネ10の脱落を防止する。
押さえ片25は絶縁シート20と同材質シート材から構成されており、押さえ片25の一端部25aは絶縁シート20に接合されている。接合方法には、縫合、接着、溶着などを用いることができる。押さえ片25の他端部には、絶縁シート20に設けられた面ファスナー(不図示)に対して自在に着脱する面ファスナー25bを備えている。押さえ片25は、バネ収容部23の短手方向に沿って自在に開閉する。
なお、押さえ片25のうち双安定バネ10との接触面に、双安定バネ10の長手方向への移動を防止する滑り止め部材(例えばゴム)を設けて、双安定バネ10の脱落を防止するようにしてもよい。或いは押さえ片25を、双安定バネ10の長手方向他端部を収容する袋状に形成して、双安定バネ10の脱落を防止するようにしてもよい。
押さえ片25は絶縁シート20と同材質シート材から構成されており、押さえ片25の一端部25aは絶縁シート20に接合されている。接合方法には、縫合、接着、溶着などを用いることができる。押さえ片25の他端部には、絶縁シート20に設けられた面ファスナー(不図示)に対して自在に着脱する面ファスナー25bを備えている。押さえ片25は、バネ収容部23の短手方向に沿って自在に開閉する。
なお、押さえ片25のうち双安定バネ10との接触面に、双安定バネ10の長手方向への移動を防止する滑り止め部材(例えばゴム)を設けて、双安定バネ10の脱落を防止するようにしてもよい。或いは押さえ片25を、双安定バネ10の長手方向他端部を収容する袋状に形成して、双安定バネ10の脱落を防止するようにしてもよい。
バネ装着部の配置例について説明する。
図1に示す絶縁防護カバーにおいてバネ装着部21は、絶縁シート20の裏面に複数配置されている。各バネ装着部21はその長手方向を揃えて並行に配置されている。即ち、絶縁シート20に装着された双安定バネは、双安定バネの伸張方向(長手方向)に沿って並行に配置されている。
図1に示す絶縁防護カバー1では、2つのバネ装着部21を直列に配置し、さらに直列に配置されたバネ装着部21の組を並列に3組配置している。この絶縁防護カバー1は最大で6本の双安定バネを装着可能である。
バネ装着部21を直列に配置することで、絶縁シート20の幅方向長に比べて短尺の双安定バネ10を用いることが可能となる。例えば図5に示す電柱110を防護対象物とする場合、絶縁シート20の幅方向長は少なくとも電柱の半周以上を被覆しうる長さに設定する必要がある。双安定バネ10が絶縁シート20の幅方向長に比べて短尺である場合であっても、絶縁シート20の幅方向の全体に双安定バネ10を配置することができ、効果的に電柱を包囲することができる。
図1に示す絶縁防護カバーにおいてバネ装着部21は、絶縁シート20の裏面に複数配置されている。各バネ装着部21はその長手方向を揃えて並行に配置されている。即ち、絶縁シート20に装着された双安定バネは、双安定バネの伸張方向(長手方向)に沿って並行に配置されている。
図1に示す絶縁防護カバー1では、2つのバネ装着部21を直列に配置し、さらに直列に配置されたバネ装着部21の組を並列に3組配置している。この絶縁防護カバー1は最大で6本の双安定バネを装着可能である。
バネ装着部21を直列に配置することで、絶縁シート20の幅方向長に比べて短尺の双安定バネ10を用いることが可能となる。例えば図5に示す電柱110を防護対象物とする場合、絶縁シート20の幅方向長は少なくとも電柱の半周以上を被覆しうる長さに設定する必要がある。双安定バネ10が絶縁シート20の幅方向長に比べて短尺である場合であっても、絶縁シート20の幅方向の全体に双安定バネ10を配置することができ、効果的に電柱を包囲することができる。
また、バネ装着部21を並列に配置することで、例えば図5に示す電柱110を防護対象物とする場合、電柱の軸方向に沿った複数箇所において絶縁防護カバーを電柱に密着させることができる。従って、防護対象物に対する絶縁シートの密着度を高めることができ、効果的に絶縁防護できる。
また、双安定バネ10を絶縁シート20に対して着脱自在に構成することにより、絶縁防護カバー1を防護対象物に巻き付けるために必要な部位のみに、選択的に双安定バネを装着することができる。例えば、図1中、最上位のバネ装着部21に2本の双安定バネ10を装着し、その下位に位置する4つのバネ装着部21には双安定バネを装着せずに使用することも可能である。この場合、双安定バネの第二の安定姿勢への変形を利用して、絶縁防護カバー1を防護対象物に巻き付けることができる。さらに、双安定バネが装着されていない部位については、絶縁防護カバーを自由に変形させうるので、防護対象物から突出した部材(例えば電柱の腕金に装着されたピン碍子等)を、その形状に合わせて防護する、といった使用が可能となる。
さらに、双安定バネ10を絶縁シート20に対して着脱自在に構成することにより、双安定バネ10を装着しない絶縁防護カバー1を用いて防護対象物を絶縁防護こともできる。この場合、絶縁防護カバー1は、一般的な絶縁シートとして用いることができる。
なお、図示のようにバネ装着部21を直列に配置する場合、各バネ収容部23の開口23aを互いに対向させて配置することで、双安定バネ10の脱落を効果的に防止できる。
また、双安定バネ10を絶縁シート20に対して着脱自在に構成することにより、絶縁防護カバー1を防護対象物に巻き付けるために必要な部位のみに、選択的に双安定バネを装着することができる。例えば、図1中、最上位のバネ装着部21に2本の双安定バネ10を装着し、その下位に位置する4つのバネ装着部21には双安定バネを装着せずに使用することも可能である。この場合、双安定バネの第二の安定姿勢への変形を利用して、絶縁防護カバー1を防護対象物に巻き付けることができる。さらに、双安定バネが装着されていない部位については、絶縁防護カバーを自由に変形させうるので、防護対象物から突出した部材(例えば電柱の腕金に装着されたピン碍子等)を、その形状に合わせて防護する、といった使用が可能となる。
さらに、双安定バネ10を絶縁シート20に対して着脱自在に構成することにより、双安定バネ10を装着しない絶縁防護カバー1を用いて防護対象物を絶縁防護こともできる。この場合、絶縁防護カバー1は、一般的な絶縁シートとして用いることができる。
なお、図示のようにバネ装着部21を直列に配置する場合、各バネ収容部23の開口23aを互いに対向させて配置することで、双安定バネ10の脱落を効果的に防止できる。
図3(a)〜(c)は、バネ装着部の他の配置例を示す図である。図3(a)に示す絶縁防護カバー1では、複数のバネ装着部21を互い違いに(千鳥状に)配置している。図1に示す絶縁防護カバー1では、絶縁シート20の幅方向中央部に双安定バネ10が存在しない箇所が発生するため、絶縁シート20が幅方向中央部で2つ折りになる。本例では、絶縁シート20の幅方向において双安定バネ10が途切れる箇所ができない。従って、防護対象物として例えば図5に示す電柱110を防護する場合、展開姿勢(図5(a)参照)にある絶縁防護カバー1が幅方向中央部で折れ曲がらないため、防護対象物としての電柱110への装着が容易になる。
なお、バネ装着部21は必ずしも互いに平行に配置されている必要はない。例えば図3(b)に示すように、1のバネ装着部21に対して他のバネ装着部21を傾斜させて配置しても構わないし、図3(c)に示すように、バネ装着部21を十文字状に配置してもよい。バネ装着部21は、防護対象とする物の形状に応じて任意の位置に配置することができる。
なお、バネ装着部21は必ずしも互いに平行に配置されている必要はない。例えば図3(b)に示すように、1のバネ装着部21に対して他のバネ装着部21を傾斜させて配置しても構わないし、図3(c)に示すように、バネ装着部21を十文字状に配置してもよい。バネ装着部21は、防護対象とする物の形状に応じて任意の位置に配置することができる。
取手について図4に基づいて説明する。図4(a)は絶縁防護カバーの表面図であり、(b)は絶縁防護カバーを表側から観察した斜視図であり、(c)は絶縁防護カバーを(b)の矢印A方向から観察した図である。
絶縁シート20の防護対象物との非対向面側(外側となる面、表面)には、間接活線工法用工具(例えば絶縁ヤットコ)にて把持可能な取手27が形成されている。取手27は、絶縁シートと同材質のシート材から作成され、シート材を絶縁シート20に接合することにより、絶縁シート20と一体化されている。シート材の絶縁シートへの接合には、縫合、接着、溶着などを用いることができる。もちろん、取手27を絶縁シート20とは別の材料から構成してもよい。
取手27は、絶縁シート20の高さ方向に沿って複数形成されており、防護対象物への装着作業に応じて、任意の部位を把持することができる。もちろん、図示する取手の配置や形状、個数などは一例を示すものであって、これ以外の構成としても構わない。
絶縁シート20の防護対象物との非対向面側(外側となる面、表面)には、間接活線工法用工具(例えば絶縁ヤットコ)にて把持可能な取手27が形成されている。取手27は、絶縁シートと同材質のシート材から作成され、シート材を絶縁シート20に接合することにより、絶縁シート20と一体化されている。シート材の絶縁シートへの接合には、縫合、接着、溶着などを用いることができる。もちろん、取手27を絶縁シート20とは別の材料から構成してもよい。
取手27は、絶縁シート20の高さ方向に沿って複数形成されており、防護対象物への装着作業に応じて、任意の部位を把持することができる。もちろん、図示する取手の配置や形状、個数などは一例を示すものであって、これ以外の構成としても構わない。
本実施形態に係る絶縁防護カバーの使用方法について、図1、及び図5に基づいて説明する。図5は、絶縁防護カバーの使用状態を示した模式図であり、(a)は絶縁防護カバーの展開姿勢を示す図であり、(b)は絶縁防護カバーが電柱に巻き付いた防護姿勢を示す図である。
図1に示すように、絶縁防護カバー1のバネ装着部21に、双安定バネ10を装着する。第一の安定姿勢をとる双安定バネ10の長手方向一端部をバネ収容部23の開口23aからその内部に収容する(矢印B参照)。バネ収容部21から突出した双安定バネ10の長手方向他端部を押さえ片25にて押さえて、双安定バネ10の脱落を防止する。なお、防護対象物の形状に応じて双安定バネ10を装着するバネ装着部21を選択する。また、絶縁シート20の裏面側にカールする向きとなるように双安定バネ10を装着する。
図5(a)に示すように、間接活線工具としての絶縁ヤットコ100aにて、取手を把持し、絶縁防護カバー1を防護対象物の一例である電柱110に接近させる。絶縁防護カバー1は、第一の安定姿勢をとる双安定バネ10の姿勢に対応して、安定的に展開姿勢を取っているため、絶縁防護カバー1を広げたまま電柱110に接近させることができる。
図1に示すように、絶縁防護カバー1のバネ装着部21に、双安定バネ10を装着する。第一の安定姿勢をとる双安定バネ10の長手方向一端部をバネ収容部23の開口23aからその内部に収容する(矢印B参照)。バネ収容部21から突出した双安定バネ10の長手方向他端部を押さえ片25にて押さえて、双安定バネ10の脱落を防止する。なお、防護対象物の形状に応じて双安定バネ10を装着するバネ装着部21を選択する。また、絶縁シート20の裏面側にカールする向きとなるように双安定バネ10を装着する。
図5(a)に示すように、間接活線工具としての絶縁ヤットコ100aにて、取手を把持し、絶縁防護カバー1を防護対象物の一例である電柱110に接近させる。絶縁防護カバー1は、第一の安定姿勢をとる双安定バネ10の姿勢に対応して、安定的に展開姿勢を取っているため、絶縁防護カバー1を広げたまま電柱110に接近させることができる。
次に、他の絶縁ヤットコ100bにて双安定バネ10を第一の安定姿勢から第二の安定姿勢に変形させるように、外力を加える。具体的には、絶縁シート20の幅方向端部に対し、双安定バネ10のカール方向に向けた衝撃を加えて、双安定バネ10を第二の安定姿勢に向けて変形させる。
この衝撃により、図5(b)に示すように、絶縁防護カバー1は、電柱110に巻き付いて防護姿勢をとる。なお、双安定バネの第二の安定姿勢への変形力により、絶縁防護カバー1は電柱110の表面に密着する。
この衝撃により、図5(b)に示すように、絶縁防護カバー1は、電柱110に巻き付いて防護姿勢をとる。なお、双安定バネの第二の安定姿勢への変形力により、絶縁防護カバー1は電柱110の表面に密着する。
このように、絶縁防護カバー1は、防護対象物として充電されていない導電体を被覆することにより、充電された部材等が接触することによる地絡事故を防止することができる。本例では、バネ装着部21を絶縁シート20の裏面側に配置したので、双安定バネが金属である場合に、絶縁シート20の表面側に充電部等が接触しても地絡事故等を引き起こさない。
もちろん、防護対象として充電部を包囲してもよいが、双安定バネの材料に金属を用いる場合は、その表面に絶縁性の樹脂などを塗布しておくことが望ましい。充電部に接触した場合の事故を防止できる。
本絶縁防護カバーによる防護対象物としての導電体は、図5に示したような電柱110(コンクリート電柱、鋼管電柱等)が好適であるが、絶縁防護カバーを用いて他の防護対象物を防護してもよい。
もちろん、防護対象として充電部を包囲してもよいが、双安定バネの材料に金属を用いる場合は、その表面に絶縁性の樹脂などを塗布しておくことが望ましい。充電部に接触した場合の事故を防止できる。
本絶縁防護カバーによる防護対象物としての導電体は、図5に示したような電柱110(コンクリート電柱、鋼管電柱等)が好適であるが、絶縁防護カバーを用いて他の防護対象物を防護してもよい。
以上のように、双安定バネは、伸張した第一の安定姿勢と、ゼンマイ状にカールした第二の安定姿勢との2つの安定姿勢を取ることができ、各安定姿勢の間で相互に変形する。絶縁シートは、双安定バネを装着するバネ装着部を備えている。絶縁シートは、可撓性を有しているため、装着された双安定バネの姿勢に応じて変形する。即ち、絶縁防護カバーは、双安定バネの姿勢に応じて変形し、双安定バネが第一の安定姿勢をとるときに広がった展開姿勢を取り、双安定バネが第二の安定姿勢をとるときに防護対象物を被覆する防護姿勢を取る。展開姿勢にある絶縁防護カバーを防護対象物に接近させ、双安定バネを第二の安定姿勢に変形させれば防護対象物を絶縁防護できるので、防護対象物に対する絶縁防護カバーの取り付けが容易である。
また、双安定バネを絶縁シートに対して着脱自在に構成したので、双安定バネが装着された絶縁防護カバーを用いて防護対象物を防護することもできるし、双安定バネが装着されていない絶縁防護カバーを用いて防護対象物を防護することもできる。双安定バネが装着されていない絶縁防護カバーは、一般的な絶縁シートとして用いることができる。
また、双安定バネを、その伸張方向に沿って複数配置したので、防護対象物に対する絶縁シートの密着度を高めることができる。また、複数の双安定バネが、伸張方向に沿って互いに並行に配置されているので、互いに第一又は第二の安定姿勢への変形を阻害しないので、防護対象物を効果的に絶縁防護する。
また、防護対象物との非対向面側に取手を備えたので、間接活線工法用工具にて取手を把持することで、防護対象物に対して絶縁防護カバーを容易に着脱操作できる。
また、双安定バネを、その伸張方向に沿って複数配置したので、防護対象物に対する絶縁シートの密着度を高めることができる。また、複数の双安定バネが、伸張方向に沿って互いに並行に配置されているので、互いに第一又は第二の安定姿勢への変形を阻害しないので、防護対象物を効果的に絶縁防護する。
また、防護対象物との非対向面側に取手を備えたので、間接活線工法用工具にて取手を把持することで、防護対象物に対して絶縁防護カバーを容易に着脱操作できる。
〔第二の実施形態〕
本発明の第二の実施形態に係る絶縁防護カバーについて図6、及び図7に基づいて説明する。図6は、本発明の第二の実施形態に係る絶縁防護カバーの裏面図である。図7は、形状保持部材の一例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のC矢視図である。本実施形態に係る絶縁防護カバーは、双安定バネの長手方向と交差する方向に沿って形状保持部材を配置した点に特徴がある。なお、第一の実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
絶縁防護カバー2の絶縁シート20の裏面には、双安定バネ10の長手方向(双安定バネの伸張方向)と交差する方向に沿って伸びる形状保持部材30が配置されている。特に本例では、形状保持部材30を双安定バネ10と直交させている。
本発明の第二の実施形態に係る絶縁防護カバーについて図6、及び図7に基づいて説明する。図6は、本発明の第二の実施形態に係る絶縁防護カバーの裏面図である。図7は、形状保持部材の一例を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のC矢視図である。本実施形態に係る絶縁防護カバーは、双安定バネの長手方向と交差する方向に沿って形状保持部材を配置した点に特徴がある。なお、第一の実施形態と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
絶縁防護カバー2の絶縁シート20の裏面には、双安定バネ10の長手方向(双安定バネの伸張方向)と交差する方向に沿って伸びる形状保持部材30が配置されている。特に本例では、形状保持部材30を双安定バネ10と直交させている。
形状保持部材30は、特に展開姿勢をとる絶縁シート20の姿勢を安定させる役割を果たす。形状保持部材30は、絶縁シート20の上部が重力によって垂れ下がることを防止するため、形状保持部材30は絶縁シート20の上部が垂れ下がるときの力に耐えうる剛性を備えた長尺帯状の樹脂や金属などから構成されている。形状保持部材30の長手方向一端(図7中下端)には、形状保持部材30の挿入方向、及び形状保持部材の向き(表面、裏面)を示す矢印が記載されている。
なお、本例では、絶縁シート20の高さ方向のほぼ全域に渡って伸びる一本の形状保持部材30を配置する構成としたが、形状保持部材30を絶縁シート20の高さ方向に沿って複数直列に配置するようにしてもよい。
なお、本例では、絶縁シート20の高さ方向のほぼ全域に渡って伸びる一本の形状保持部材30を配置する構成としたが、形状保持部材30を絶縁シート20の高さ方向に沿って複数直列に配置するようにしてもよい。
絶縁シート20は、形状保持部材30を着脱自在に装着するための形状保持部材装着部40を備えている。図6において形状保持部材装着部40は、絶縁シート20の幅方向両端部に夫々配置されている。絶縁シート20の幅方向中間部にも形状保持部材装着部を配置してもよい。また、双安定バネ10と形状保持部材30が部分的に重なるように、例えば十文字状に重なるように配置してもよい。
各形状保持部材装着部40は、絶縁シート20の下端に配置されて、形状保持部材30の下端を支持する下部支持部材41と、絶縁シート20の高さ方向に沿って複数配置されて形状保持部材30の長手方向中間部を夫々支持する中間支持部材43とを備えている。
下部支持部材41は、上方が開放した袋状であり、形状保持部材30の落下を防止する。また、中間支持部材43は、形状保持部材30上を、形状保持部材30の短手方向に跨がって配置される。中間支持部材43は絶縁シート20と同材質シート材から構成されており、中間支持部材43の一端部43aは絶縁シート20に接合されている。接合方法には、縫合、接着、溶着などを用いることができる。押さえ片25の他端には、絶縁シート20裏面に設けられた面ファスナー(不図示)に対して着脱自在な面ファスナー43bを備えている。中間支持部材43は、形状保持部材30を絶縁シート20裏面に押さえつけることにより、形状保持部材30の絶縁シート20からの離間及び脱落を防止する。
各形状保持部材装着部40は、絶縁シート20の下端に配置されて、形状保持部材30の下端を支持する下部支持部材41と、絶縁シート20の高さ方向に沿って複数配置されて形状保持部材30の長手方向中間部を夫々支持する中間支持部材43とを備えている。
下部支持部材41は、上方が開放した袋状であり、形状保持部材30の落下を防止する。また、中間支持部材43は、形状保持部材30上を、形状保持部材30の短手方向に跨がって配置される。中間支持部材43は絶縁シート20と同材質シート材から構成されており、中間支持部材43の一端部43aは絶縁シート20に接合されている。接合方法には、縫合、接着、溶着などを用いることができる。押さえ片25の他端には、絶縁シート20裏面に設けられた面ファスナー(不図示)に対して着脱自在な面ファスナー43bを備えている。中間支持部材43は、形状保持部材30を絶縁シート20裏面に押さえつけることにより、形状保持部材30の絶縁シート20からの離間及び脱落を防止する。
形状保持部材30は、その長手方向中間部適所に、複数の防滑部材31(滑り止め)を備えている。防滑部材31は、形状保持部材30が形状保持部材装着部40に装着された場合に、中間支持部材43とは緩衝しない位置に配置されている。即ち、形状保持部材30が形状保持部材装着部40に装着された状態で防滑部材31は、防護対象物との対向面側に露出する。絶縁防護カバー2にて防護対象物を被覆したとき、防滑部材31は防護対象物の表面に密着することで、絶縁防護カバー2の防護対象物に対する相対的な移動を阻止する。
防滑部材31は、例えばゴム等の高摩擦力部材とすることができる。ゴム等を用いる場合は、図7(b)に示すように、防護対象物との密着面に凹凸をつけることにより、滑り止め効果を増大させる。特に下方に向くギザギザの凹凸とすることで、防滑部材31の弾性変形を利用して効果的に滑り止め効果を発揮させることができる。
防滑部材31は、例えばゴム等の高摩擦力部材とすることができる。ゴム等を用いる場合は、図7(b)に示すように、防護対象物との密着面に凹凸をつけることにより、滑り止め効果を増大させる。特に下方に向くギザギザの凹凸とすることで、防滑部材31の弾性変形を利用して効果的に滑り止め効果を発揮させることができる。
また、防滑部材31は、磁石(磁性体)とすることができる。磁石とした場合は、防護対象物が鋼管電柱である場合に、絶縁防護カバー2を効果的に鋼管電柱に密着させることができる。
なお、何れの場合も、防滑部材31の厚さを1cm以内程度に抑えることが望ましい。絶縁シート20と防護対象物との間にできる隙間から風が入り込み、絶縁防護カバー2を浮き上がらせたり、絶縁防護カバー2が防護対象物から離脱することを阻止する為である。
防滑部材を絶縁シート20の裏面に直接設けてもよいが、絶縁シート20に対し着脱自在な形状保持部材30に設けることにより、絶縁シート20の適用範囲を拡大することができる。
本実施形態に係る絶縁防護カバー2の使用方法については、第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
なお、何れの場合も、防滑部材31の厚さを1cm以内程度に抑えることが望ましい。絶縁シート20と防護対象物との間にできる隙間から風が入り込み、絶縁防護カバー2を浮き上がらせたり、絶縁防護カバー2が防護対象物から離脱することを阻止する為である。
防滑部材を絶縁シート20の裏面に直接設けてもよいが、絶縁シート20に対し着脱自在な形状保持部材30に設けることにより、絶縁シート20の適用範囲を拡大することができる。
本実施形態に係る絶縁防護カバー2の使用方法については、第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
以上のように本実施形態に係る絶縁防護カバーは、双安定バネの伸張方向と交差する方向に沿って伸びる形状保持部材を備えた。絶縁シートとして一般的に使用されている風呂敷状のシート部材を採用する場合、双安定バネだけでは、絶縁シートの全体を広げた状態に維持することが困難な場合がある。本発明では、形状保持部材を備えたので、絶縁防護カバーの姿勢を広げた状態に安定させることができる。また、形状保持部材を、双安定バネの伸張方向と交差する方向に沿って伸びるように配置したので、形状保持部材は双安定バネの第一又は第二の安定姿勢への変形を阻害しない。
また、形状保持部材を着脱自在に構成したので、防護対象物の形状に応じて、形状保持部材の使用、非使用を選択することができる。双安定バネと形状保持部材の双方を取り外した場合には、絶縁シートを通常の絶縁シートとして用いることができる。
なお、形状保持部材及び形状保持部材装着部を、絶縁シートの高さ方向に複数に分割し、絶縁シートの高さ方向に沿って直列に配置した構成としてもよい。この場合、防護対象物の形状に応じて任意の箇所に形状保持部材を装着することが可能となる。例えば、上方に位置する形状保持部材装着部、及びバネ装着部のみにそれぞれ形状保持部材と双安定バネを装着して使用する場合、絶縁防護カバーの下部を自由に変形させることができる。この場合、防護対象物としての電柱に対して、絶縁防護カバーを、その姿勢を安定させつつ巻き付けるとともに、絶縁防護カバーの下部を電柱に隣接して設置されたピン碍子の絶縁防護に用いる等の使用が可能となる。
また、防護対象物との対向面側に防滑部材を備えたので、防護対象物に対する絶縁シートの位置ずれを防止して、防護対象物を効果的に被覆することができる。
なお、形状保持部材及び形状保持部材装着部を、絶縁シートの高さ方向に複数に分割し、絶縁シートの高さ方向に沿って直列に配置した構成としてもよい。この場合、防護対象物の形状に応じて任意の箇所に形状保持部材を装着することが可能となる。例えば、上方に位置する形状保持部材装着部、及びバネ装着部のみにそれぞれ形状保持部材と双安定バネを装着して使用する場合、絶縁防護カバーの下部を自由に変形させることができる。この場合、防護対象物としての電柱に対して、絶縁防護カバーを、その姿勢を安定させつつ巻き付けるとともに、絶縁防護カバーの下部を電柱に隣接して設置されたピン碍子の絶縁防護に用いる等の使用が可能となる。
また、防護対象物との対向面側に防滑部材を備えたので、防護対象物に対する絶縁シートの位置ずれを防止して、防護対象物を効果的に被覆することができる。
1、2…絶縁防護カバー、10…双安定バネ、20…絶縁シート、21…バネ装着部、23…バネ収容部、23a…開口、25…押さえ片、25b…面ファスナー、27…取手、30…形状保持部材、31…防滑部材、40…形状保持部材装着部、41…下部支持部材、43…中間支持部材、43b…面ファスナー、100…絶縁ヤットコ、110…電柱(防護対象物)
Claims (6)
- 伸張した第一の安定姿勢と、ゼンマイ状にカールした第二の安定姿勢と、の間で相互に変形する双安定バネと、
前記双安定バネを装着するバネ装着部を備えた可撓性の絶縁シートと、を備えたことを特徴とする絶縁防護カバー。 - 前記双安定バネが前記絶縁シートに対して着脱自在であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁防護カバー。
- 前記双安定バネがその伸張方向に沿って、前記絶縁シートに複数配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の絶縁防護カバー。
- 前記双安定バネの伸張方向と交差する方向に沿って伸びる形状保持部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の絶縁防護カバー。
- 防護対象物との対向面側に防滑部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の絶縁防護カバー。
- 防護対象物との非対向面側に、間接活線工法用工具にて把持可能な取手を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の絶縁防護カバー。
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