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JP5786876B2 - サスペンションマウント - Google Patents

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Description

本発明は、車両のサスペンション機構を構成するサスペンション部材を車体に連結するサスペンションマウントに関する。
従来から、例えば、下記特許文献1に示すようなストラットマウントは知られている。この従来のストラットマウントは、ピストンロッドに取り付けられた内側金具と、内側金具に弾性部材を介して連結された外側金具とを備えている。ここで、この従来のストラットマウントに用いられる弾性部材は、第1ゴムと、静的荷重下バネ定数に対する動的荷重下バネ定数の比である動倍率及び減衰特性tanδが第1ゴムよりも大きい第2ゴムとから構成される。そして、これら第1ゴム及び第2ゴムは、少なくとも内側金具に一体的に取り付けられ、第1ゴムは無荷重を含む全荷重下で外側金具の面板部と当接し、第2ゴムは所定の値を超える荷重下でだけ外側金具の面板部と当接するようになっている。
又、従来から、下記特許文献2に示すようなストラットマウントも知られている。この従来のストラットマウントは、ショックアブソーバのピストンロッドの先端に固定される内筒と、この内筒に設けられたゴム状弾性体からなる防振基体と、この防振基体が収納される収納部を形成し、複数の取付け部材によって車体側に固定される上下一対のブラケットを備えるようになっている。
又、従来から、例えば、下記特許文献3に示すようなストラットマウントも知られている。この従来のストラットマウントは外側部材、内側取付部材及び弾性体を備えており、弾性体はゴム弾性部及び低密度部から構成されるようになっている。このゴム弾性部は、内側取付部材に加硫接着されており、上面及び下面がストラットマウントの軸方向に振幅を有する波形に形成されている。低密度部は、例えば、発泡性のウレタンや軟質ゴム等から形成されるようになっている。
更に、従来から、例えば、下記特許文献4に示すようなストラットマウントも知られている。この従来のストラットマウントは、車体に取り付けられた外側金具と、ショックアブソーバのピストンロッドに取り付けられた内側金具と、内側金具の外周に内側金具と一体的に形成された状態で、外側金具の収納部に圧入されることにより、外側金具と内側金具との間に介装されるゴム弾性体とを備えている。そして、この従来のストラットマウントは、外側金具とゴム弾性体との間に、ゴム弾性体より損失係数が高くかつ低密度の軟質層(ウレタン)を介装するようになっており、微小な高周波振動に対しては軟質層が吸収し、大きな外力に対してはゴム弾性体が吸収するようになっている。
特開2010−281412号公報 特開2006−219106号公報 特開2010−90995号公報 特開2007−100889号公報
ところで、上記特許文献1,2に示された従来のストラットマウントでは、ゴム材料を主体とする弾性部材や防振基材が採用される。ここで、ゴム材料は、通常、入力を伴う変形に対して速やかに弾性力を発揮することができる。このため、ゴム材料を主体とする弾性部材や防振基材を採用したストラットマウントがショックアブソーバ等のサスペンション部材を車体に連結する場合、弾性部材や防振基材は、ショックアブソーバ等の車両上下方向の変位及び車両左右前後方向の変位に対して速やかに(変位開始とともに)、これらの変位を制御する弾性力を発生することができる。従って、上記ゴム材料を主体とする弾性部材や防振基材を採用したストラットマウントでは、車両上下方向への変位に加えて車両前後左右方向の変位に対しても、サスペンション部材に適切な大きさの弾性力を付与する、言い換えれば、ストラットマウントが適切な特性(バネ定数)を発揮することができるようになっている。
ところが、ゴム材料を主体とする弾性部材や防振基材は、所謂、加硫接着を経て、所望の特性(バネ定数)を有した状態で内側金具や内筒(ストラットマウント)に組み付けられる。従って、弾性部材や防振基材を加硫接着するための工程が別途必要となる。この点に対して、上記特許文献3,4に示された従来のストラットマウントにおいて低密度部や軟質層として採用される発泡性のウレタン等のエラストマー材料は、加硫接着工程を必要とせず、例えば、予め所定の形状に成形しておいてストラットマウントに組み付けることができる。
ここで、エラストマー材料である発泡性のウレタン等においては、入力を伴う変形に対して速やかに弾性力を発揮する、言い換えれば、所望の特性(バネ定数)を有するために、図8に示すように、予め所定の圧縮率となるように圧縮された状態(予圧縮の状態)に維持されることが肝要である。すなわち、図8に示すように、予圧縮されていない(a):無荷重状態では、入力が開始された初期の変位(ストローク)の増加に対して弾性力が増加しない不要領域が生じ、その後、変位(ストローク)の増加に対して弾性力が増加する必要領域が生じる。従って、予圧縮されていない状態では、不要領域にて無駄な変位(ストローク)が発生するために、トータルの変位(ストローク)が大きくなって応答性良く弾性力を発生することができない。これに対し、予圧縮されている(b):予圧縮状態では、入力が開始された初期から変位(ストローク)の増加に対して弾性力が増加する必要領域が生じる。すなわち、予圧縮状態では、入力の初期から必要領域を発生させることができるため、トータルの変位(ストローク)を小さくして応答性良く弾性力を発生することができる。
このような特性に基づけば、上述した弾性部材や防振基材を、例えば、発泡性のウレタン等からなるエラストマー材料のみで形成し、内側金具と外側金具との間や内筒とブラケットとの間にて圧縮して(予圧縮して)保持する場合には、ストラットマウントに連結されるショックアブソーバ等の軸方向(例えば、車両上下方向)の変位に対して弾性部材や防振基材が応答性良く弾性力を付与することができる。言い換えれば、ストラットマウントが適切な特性(バネ定数)を発揮することができる。
一方で、エラストマー材料である発泡性のウレタン等においては、上述した予圧縮の有無に関わらず、図9に示すように、受圧面積を大きくすることによっても、弾性力を発生することができる。すなわち、図9に示すように、受圧面積A0の場合には入力が開始されてからの変位(ストローク)の増加に対して弾性力が増加しない状態が続くが、受圧面積A0よりも大きな受圧面積A1の場合には入力が開始されてからの変位(ストローク)の増加に対して弾性力が増加する状態となる。すなわち、受圧面積を大きくすることにより、入力の初期(ストロークの初期)から弾性力を発生することができる。
ここで、発泡性のウレタン等からなるエラストマー材料のみで形成した弾性部材や防振基材を内側金具と外側金具との間や内筒とブラケットとの間にて圧縮して(予圧縮して)保持する場合には、上述したように、ショックアブソーバ等の軸方向すなわち内側金具や内筒の軸方向にて弾性部材や防振基材が予圧縮された状態を確保することができる。しかし、内側金具や内筒の軸方向に直交する軸直方向では弾性部材や防振基材を予圧縮することができないために、ショックアブソーバ等の軸直方向(例えば、車両前後左右方向)の変位に対して応答性良く弾性力を付与することができない。従って、ショックアブソーバ等すなわち内側金具や内筒の軸直方向(車両前後左右方向)への変位に対して弾性力を付与するためには、上述した特性に基づいて、内側金具や内筒の軸方向における弾性部材や防振基材との接触部分の面積すなわち受圧面積を増大させる、より具体的には、弾性部材や防振基材をストラットマウント(ショックアブソーバ等)の軸方向に沿って円筒状に延長させることが考えられる。
しかしながら、図8及び図9からも明らかなように、受圧面積を大きくした場合であっても、弾性部材や防振基材が予圧縮されていない場合には、ストラットマウントに連結されるショックアブソーバ等の軸直方向(車両前後左右方向)の変位に対して応答性良くかつ適切な大きさの弾性力を付与することは難しい。従って、従来のストラットマウントにおいて、弾性部材や防振基材等をエラストマー材料のみで形成した場合には、特定の方向(ショックアブソーバ等の軸方向)にしか予圧縮することができないため、軸方向及び軸直方向において適切な特性(バネ定数)を発揮することが難しく、車両への採用が限定される可能性がある。又、軸直方向の変位に対する特性を発揮させるために、受圧面積を大きくしてストラットマウントの軸方向の寸法(高さ寸法)が拡大することは、特に、ストラットマウントを車両前部に配置する際に、例えば、歩行者保護を目的とする各種機構の配置に影響を与える可能性がある。
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的の一つは、弾性体として発泡性樹脂からなる発泡性樹脂弾性体を採用し、連結するサスペンション部材の変位に対して適切な弾性力を付与することができる小型のサスペンションマウントを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の特徴は、車両のサスペンション機構を構成するサスペンション部材を車体に連結するサスペンションマウントにおいて、前記サスペンション部材に連結される内側部材と、発泡性樹脂から形成されて前記内側部材に延設された延設部を挟持する発泡性樹脂弾性体と、前記内側部材及び前記発泡性樹脂弾性体とを一体的に収容する収容部を有するケース部材と、前記ケース部材の開口端部に一体的に固着されて、前記ケース部材の前記収容部内に前記内側部材の前記延設部を挟持した状態で収容された前記発泡性樹脂弾性体を前記ケース部材の底部内面とともに圧縮する圧縮面を有するプレート部材と、前記ケース部材の前記底部内面と前記プレート部材の前記圧縮面とによる前記発泡性樹脂弾性体の圧縮に伴い、前記内側部材の前記延設部の延出方向にて前記発泡性樹脂弾性体を圧縮する圧縮手段とを設けたことにある。この場合、前記サスペンション部材は、例えば、ショックアブソーバであり、このショックアブソーバのアブソーバロッドに前記内側部材が連結される。
又、これらの場合、前記圧縮手段を、前記内側部材の前記延設部の前記発泡性樹脂弾性体によって挟持される挟持面のうちの少なくとも一面側に形成した傾斜部を含んで構成することができる。そして、この場合、前記傾斜部は、前記延設部の延出方向に向けて厚みを減少させて形成することができる。
これらの場合、前記延設部の前記挟持面のうち、少なくとも、前記プレート部材の前記圧縮面に対向する側の面に前記傾斜部が形成されるとき、前記圧縮手段を、更に、前記プレート部材の前記圧縮面に形成したプレート部材側傾斜部を含んで構成することができる。この場合、前記プレート部材側傾斜部は、対向する前記延設部の延出方向に向けて厚みを増加させて形成することができる。
又、これらの場合、前記延設部の前記挟持面のうち、少なくとも、前記ケース部材の前記底部内面に対向する側の面に前記傾斜部が形成されるとき、前記圧縮手段を、更に、前記ケース部材の前記底部内面に形成したケース部材側傾斜部を含んで構成することができる。この場合、前記ケース部材側傾斜部は、対向する前記延設部の延出方向に向けて厚みを増加させて形成することができる。
更に、これらの場合、前記圧縮手段は、前記内側部材の周方向に沿って異なる圧縮状態により前記発泡性樹脂弾性体を圧縮することができる。この場合、具体的には、前記内側部材の前記延設部に形成される前記傾斜部の傾斜角度を前記内側部材の周方向に沿って変更して圧縮状態を異ならせて、前記発泡性樹脂弾性体を圧縮することができる。又、前記プレート部材の前記圧縮面に形成される前記プレート部材側傾斜部の傾斜角度を前記内側部材の周方向に沿って変更して圧縮状態を異ならせて、前記発泡性樹脂弾性体を圧縮することができる。更に、前記ケース部材の前記底部内面に形成される前記ケース部材側傾斜部の傾斜角度を前記内側部材の周方向に沿って変更して圧縮状態を異ならせて、前記発泡性樹脂弾性体を圧縮することができる。これらの場合、前記内側部材と連結される前記サスペンション部材の車両における前後左右方向への変位に対して要求される弾性力の大きさに応じて、前記圧縮手段は、前記内側部材の周方向に沿って前記圧縮状態を異ならせて前記発泡性樹脂弾性体を圧縮することができる。
これらによれば、発泡性樹脂弾性体を用いたサスペンションマウントにおいて、内側部材の延設部の延出方向にて発泡性樹脂弾性体を圧縮する圧縮手段、具体的には、傾斜部を設けることができる。これにより、ケース部材の底部内面とプレート部材の圧縮面とによる発泡性樹脂弾性体の圧縮に伴い(すなわち、圧縮荷重の発生に伴い)、内側部材の延設部の延出方向にも発泡性樹脂弾性体を圧縮して圧縮荷重を発生させることができる。従って、発泡性樹脂弾性体を、例えば、サスペンションマウントの軸方向及びこの軸方向に直交する軸直方向(内側部材の延設部の延出方向)にて予圧縮した状態で保持することができる。これにより、サスペンションマウントを介して車体に連結されるサスペンション部材であるショックアブソーバが車両の上下、左右、前後に変位した(振動した)場合には、予圧縮された状態にある発泡性樹脂弾性体が応答性良く所望の弾性力を付与することができ、その結果、サスペンションマウントは所望の特性を発揮してショックアブソーバの変位を適切に制御することができる。すなわち、サスペンションマウントは、車輪と車体との間の振動特性を、軸方向のみならず軸直方向(内側部材の延設部の延出方向)でも制御することが可能となる。
又、圧縮手段を設けることにより、軸直方向(内側部材の延設部の延出方向)にも発泡性樹脂弾性体に圧縮荷重を発生させて予圧縮することができる。このため、内側部材の軸方向における発泡性樹脂弾性体との受圧面積を増加させる必要がなく、サスペンションマウントの高さ方向寸法を増大させる必要がない。従って、所望の特性を確保しつつ、サスペンションマウントの小型化を達成することができる。
更に、発泡性樹脂として、例えば、エラストマー材料(ウレタンエラストマーの発泡体)を採用することができる。これにより、発泡性樹脂弾性体を所望の形状に容易に成形することができ、サスペンションマウントの組み立てにおいて、ゴム材料と異なり、加硫接着する工程を設定する必要がない。従って、製造コストを低減することができるととともに、加工容易性を確保することができる。
本発明の実施形態に係るサスペンションマウントの構成を詳細に示す断面図である。 図1のサスペンションマウントにおけるエラストマー部材の圧縮状態を説明するための拡大断面図である。 本発明の実施形態の第1変形例に係り、インナープレートにおける傾斜部における傾斜角度の変更に伴う圧縮荷重の変化を説明するための図である。 本発明の実施形態の第2変形例に係り、インナープレートにおける傾斜部の配置(傾斜部の有無)及び傾斜部の傾斜角度の連続的な変化を説明するための図である。 本発明の実施形態の第3変形例に係り、インナープレートにおける傾斜部の配置(片面配置)を説明するための図である。 本発明の実施形態の第3変形例に係り、ロアーケース及びアッパープレートにおけるロアケース側傾斜部及びアッパープレート側傾斜部の配置を説明するための図である。 本発明の実施形態の第3変形例に係り、ロアケース側傾斜部及びアッパープレート側傾斜部の配置(傾斜部の有無)及び傾斜部の傾斜角度の連続的な変化を説明するための図である。 エラストマー材料(ウレタン)における予圧縮の有無に応じた弾性力の発生状態の変化を説明するための図である。 エラストマー材料(ウレタン)における受圧面積の変化に応じた弾性力の発生状態の変化を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態に係るサスペンションマウントについて図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係り、車両のサスペンション機構を構成するサスペンション部材、具体的には、ストラッド型サスペンション機構を構成するショックアブソーバAを車両の車体Bに連結するサスペンションマウント10の構成を概略的に示す断面図である。ここで、本実施形態におけるサスペンションマウント10は、例えば、車体Bのフロント側フェンダエプロン等にボルトを介して取り付けられて、ショックアブソーバAを車体Bに連結するアッパーマウントとして用いられる。
サスペンションマウント10は、図1に示すように、内側部材としてのインナープレート11と、発泡性樹脂弾性体としてのエラストマー部材12と、ケース部材としてのロアーケース13と、プレート部材としてのアッパープレート14とから構成される。
インナープレート11は、ショックアブソーバAに連結されるものであり、金属製の円筒部11aと、円筒部11aの外周面から半径方向外方に向けて延出する円環状の延設部11bとを有する。円筒部11aは、ショックアブソーバAのアブソーバロッドRの先端部R1を挿通した状態で先端部R1に形成されたネジ部にナットが螺着されることにより、ショックアブソーバAと一体的に連結されるものである。尚、本実施形態においては、インナープレート11が円筒部11aを有するように実施するが、ショックアブソーバAのアブソーバロッドRと連結可能であれば円筒部11aを省略して実施することも可能である。
延設部11bは、エラストマー部材12によって挟持されるものである。そして、インナープレート11の延設部11bには、圧縮手段を構成する傾斜部11cが一体的に形成されている。具体的に、本実施形態における傾斜部11cは、延設部11bの全周に渡り、延設部11bの延出方向、すなわち、インナープレート11の中心から半径方向外方に向けて厚みが減少するテーパ状に形成される。従って、傾斜部11cとしては、例えば、延設部11bの板厚を延出方向に向けて減少させることによって一体的に形成することも可能である。
エラストマー部材12は、図1に示すように、第1エラストマー部材12aと第2エラストマー部材12bとから構成される。ここで、発泡性樹脂弾性体であるエラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)は、具体的に、発泡性樹脂としてウレタンエラストマーの発泡体(BASF INOACポリウレタン株式会社製のチェラスト(登録商標))を採用して成形することができる。尚、本実施形態では、例えば、組み付け性や所望する特性(組み付け後におけるバネ定数)等を考慮して、エラストマー部材12を、所定の厚さを確保した第1エラストマー部材12aと第2エラストマー部材12bとから構成して実施する。しかし、エラストマー部材12を分割することなく実施可能であることは言うまでもない。
ロアーケース13は、金属製であり、図1に示すように、その断面形状が略コの字状となる有底円筒状に形成されて収容部13aを形成している。収容部13aは、第1エラストマー部材12a、インナープレート11及び第2エラストマー部材12bを順に収容する。又、収容部13aを形成する底部内面13bには、インナープレート11に連結されるショックアブソーバAのアブソーバロッドRを挿通させるための貫通孔13cが形成されている。
アッパープレート14は、金属製の薄板であり、図1に示すように、ロアーケース13の収容部13a内にて第1エラストマー部材12a、インナープレート11及び第2エラストマー部材12bが順に収容された状態で、ロアーケース13の開口端部に一体的に固着される。このようにアッパープレート14がロアーケース13に対して一体的に固着されることにより、アッパープレート14の第2エラストマー部材12bに接触する部分すなわち圧縮面14aとロアーケース13の底部内面13bとが、収容部13a内にてインナープレート11の延設部11bに設けられた傾斜部11cを挟持して収容されている第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bを所定の圧縮率となるように圧縮する。
このアッパープレート14のロアーケース13への組み付けに伴う第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bの圧縮について、図2を用いて以下に具体的に説明する。第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bは、組み付け後、すなわち、予圧縮状態になったときに所望される特性(バネ定数)に基づいて、無荷重状態により所定の厚みとなるように成形されている。このため、図2(a)に示すように、圧縮開始時点では、第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bの厚みが大きく、アッパープレート14の変位(図2においては紙面下方に降下)に伴って徐々に圧縮される。
このとき、第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bは、インナープレート11の延設部11bに一体的に設けられた傾斜部11cを挟持した状態で圧縮される。このため、アッパープレート14における圧縮面14aの変位(降下)に伴って第2エラストマー部材12bに作用する下向きの入力は、第2エラストマー部材12bに接触している傾斜部11cにより、サスペンションマウント10の軸方向(図2にて紙面上方)に向けた圧縮荷重と、軸方向に直交する軸直方向(図2にて紙面左右方向であり、本実施形態においてはインナープレート11の延設部11bの延出方向に一致)の圧縮荷重とに分解される。
一方、第1エラストマー部材12aには、アッパープレート14における圧縮面14aの変位(降下)に伴う反力として、ロアーケース13の底部内面13bから上向きの入力が作用する。このため、第1エラストマー部材12aに作用する上向きの入力は、第1エラストマー部材12aに接触している傾斜部11cにより、サスペンションマウント10の軸方向(図2にて紙面下方)に向けた圧縮荷重と、軸方向に直交する軸直方向(図2にて紙面左右方向であり、本実施形態においてはインナープレート11の延設部11bの延出方向に一致)の圧縮荷重とに分解される。
そして、アッパープレート14における圧縮面14aの変位(降下)により、(b)に示すように、圧縮が完了すると、第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bの軸方向にて適切な圧縮率が確保される。これにより、第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bには、それぞれ、上下の軸方向に圧縮荷重が作用するとともに、左右の軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)に圧縮荷重が作用する。従って、このサスペンションマウント10を介してショックアブソーバAを車体Bに連結した場合、例えば、車両の走行に伴ってショックアブソーバA、言い換えれば、一体的に連結されるインナープレート11が車両の上下、左右、前後方向に変位する(振動する)と、予圧縮された状態にある第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b(エラストマー部材12)は、インナープレート11(ショックアブソーバA)の上記変位に対して適切な弾性力を応答性良く付与することができる。すなわち、サスペンションマウント10は、ショックアブソーバAの車両上下、左右、前後への変位に対して、適切な特性(バネ定数)を発揮することができる。
ここで、参考までに、インナープレート11に傾斜部11cが設けられていない従来型のサスペンションマウント10を参考品として想定し、この想定したサスペンションマウント10(参考品)における第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bの予圧縮状態を説明しておく。従来型のように、インナープレート11に傾斜部11cが設けられていないサスペンションマウント10の場合には、図2(c)に示すように、アッパープレート14における圧縮面14aの変位(降下)に伴って、第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bに上下の軸方向の圧縮荷重のみが作用する。すなわち、このようなサスペンションマウント10では、第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bが軸方向にのみ予圧縮された状態であり、軸直方向には何ら圧縮されていない状態である。このため、例えば、車両上下方向へのインナープレート11(ショックアブソーバA)の変位に対してのみ適切な弾性力を応答性良く付与することができるものの、車両左右、前後方向へのインナープレート11(ショックアブソーバA)の変位に対しては弾性力を発揮することができない。
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、発泡性樹脂弾性体としてエラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)を用いたサスペンションマウント10において、インナープレート11の延設部11bに圧縮手段を構成する傾斜部11cを設けることができる。これにより、サスペンションマウント10(ショックアブソーバA)の軸方向にてエラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)に圧縮荷重を発生させることに伴い、軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)にも圧縮荷重を発生させることができる。従って、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)を軸方向及び軸直方向にて予圧縮した状態で保持することができる。これにより、サスペンションマウント10を介して車体Bに連結されるショックアブソーバAが車両の上下、左右、前後に変位した(振動した)場合には、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)が応答性良く所望の弾性力を付与することができ、その結果、サスペンションマウント10は所望の特性を発揮してショックアブソーバAの変位を適切に制御することができる。すなわち、サスペンションマウント10は、車輪と車体Bとの間の振動特性を、軸方向のみならず軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)でも制御することが可能となる。
又、圧縮手段として傾斜部11cを設けることにより、軸直方向にも圧縮荷重を発生させて予圧縮することができる。このため、インナープレート11の軸方向におけるエラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)との受圧面積を増加させる必要がなく、サスペンションマウント10の高さ方向寸法を増大させる必要がない。従って、所望の特性を確保しつつ、サスペンションマウント10の小型化を達成することができる。
更に、発泡性樹脂として、エラストマー材料(ウレタンエラストマーの発泡体)を採用することができる。これにより、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)を所望の形状に容易に成形することができ、サスペンションマウント10の組み立てにおいて、ゴム材料と異なり、加硫接着する工程を設定する必要がない。従って、製造コストを低減することができるととともに、加工容易性を確保することができる。
<第1変形例>
上記実施形態において説明したように、インナープレート11の延設部11bに一体的に設けられる傾斜部11cは、第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bに対して、ロアーケース13の底部内面13bとアッパープレート14の圧縮面14aとが軸方向にて圧縮荷重を発生させることに伴って軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)にも圧縮荷重を発生させることができる。ところで、インナープレート11に一体的に連結されるショックアブソーバAの車両前後、左右方向への変位(振動)の制御にあたっては、例えば、サスペンション機構の性能確保の観点からの要求に応じて、第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bが発生する弾性力(バネ定数)が任意に変更できることが好ましい。
この場合、上述したように、第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bが発生する弾性力(バネ定数)は、予圧縮の状態、すなわち、インナープレート11の延設部11bに設けられる傾斜部11cが軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)にて作用させる圧縮荷重の大きさに依存する。ここで、第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bに作用する軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)の圧縮荷重の大きさは、傾斜部11cの傾斜角度の大きさに応じて変化する。
すなわち、図3に示すように、傾斜部11cの傾斜角度が小さいほど、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a)に接触して圧縮する領域が大きくなるとともに軸方向への入力を軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)に大きな圧縮荷重として作用させることができる。そして、傾斜部11cの傾斜角度が大きくなるほど、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a)に接触して圧縮する領域が小さくなるとともに軸方向への入力を軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)に小さな圧縮荷重として作用させることができる。
従って、傾斜部11cの傾斜角度を適宜変更することにより、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)に作用させる軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)への圧縮荷重の大きさを変更することができる。これにより、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)における予圧縮状態を適切に変更することができて、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)が発生する弾性力(バネ定数)を任意に変更することができる。
<第2変形例>
上記実施形態及び上記第1変形例においては、インナープレート11の円環状の延設部11bに対してその全周に渡り傾斜部11cが設けられるように実施した。この場合、図4(a)に示すように、円環状の延設部11bに対して、周上の任意の位置に傾斜部11cを設けるように実施することも可能である。
すなわち、傾斜部11cが設けられた位置においては、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)が傾斜部11cを挟持した状態で圧縮される。これにより、上述したように、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)には傾斜部11cによって軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)に圧縮荷重が作用する。一方、傾斜部11cが設けられない位置、言い換えれば、傾斜角度が「0」とされる位置においては、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)が延設部11bを挟持した状態で圧縮される。これにより、上述した参考品と同様に、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)には軸方向にのみ圧縮荷重が作用する。すなわち、この場合には、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)に対して、軸方向及び軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)に圧縮荷重を作用させる位置(方向)と、軸方向のみに圧縮荷重を作用させる位置(方向)とを区別することができる。
又、上記第1変形例のように、傾斜部11cの傾斜角度は変更することができる。この場合、図4(b)に示すように、円環状の延設部11bに対して、周上の任意の位置(全周に渡り配置する場合を含む)に傾斜部11cを設け、この傾斜部11cの傾斜角度を周方向にて連続的に変化させるように実施することとも可能である。
すなわち、傾斜部11cが設けられた位置においては、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)は傾斜角度が連続的に変化する傾斜部11cを挟持した状態で圧縮される。このため、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)には、傾斜部11cによって、軸方向及び軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)にて、それぞれ、周方向に連続的に大きさが変化する圧縮荷重が作用する。一方、傾斜部11cが設けられない位置、言い換えれば、傾斜角度が「0」とされる位置においては、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)が延設部11bを挟持した状態で圧縮される。このため、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)には軸方向にのみ圧縮荷重が作用する。すなわち、この場合には、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)に対して、軸方向及び軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)にて連続的に変化する圧縮荷重を作用させることができる。
従って、これらによっても、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)における予圧縮状態を位置ごとに(方向ごとに)適切に変更することができて、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)が発生する弾性力(バネ定数)を任意に変更することができる。その他の効果は、上記実施形態及び上記第1変形例と同様である。
<第3変形例>
上記実施形態及び上記第1,2変形例においては、インナープレート11の延設部11bの第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bの両方に対向する表裏両面に対して圧縮手段を構成する傾斜部11cを設けるように実施した。この場合、要求される特性によっては、例えば、図5(a)に示すように、インナープレート11の延設部11bにおいて、第1エラストマー部材12aに対向する一面にだけ傾斜部11cを設けて実施することも可能である。すなわち、この場合においては、第1エラストマー部材12aに対してのみ、軸方向及び軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)の圧縮荷重を作用させることができる。或いは、図5(b)に示すように、インナープレート11の延設部11bにおいて、第2エラストマー部材12bに対向する一面にだけ傾斜部11cを設けて実施することも可能である。すなわち、この場合においては、第2エラストマー部材12bに対してのみ、軸方向及び軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)の圧縮荷重を作用させることができる。
ところで、このように、インナープレート11の延設部11bに対して設ける傾斜部11cを第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12bのうちの一方にのみ対向するように実施する場合には、インナープレート11(より詳しくは、連結されるショックアブソーバA)の軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)に発生する弾性力(バネ定数)が上記実施形態及び第1,2変形例の場合に比して小さくなる可能性がある。従って、この場合には、ロアーケース13の底部内面13b又はアッパープレート14の圧縮面14aに対して、ケース部材側傾斜部としてのロアーケース側傾斜部13d又はプレート部材側傾斜部としてのアッパーケース側傾斜部14bを設け、これらのロアーケース側傾斜部13d又は(及び)アッパーケース側傾斜部14bを含んで圧縮手段を構成することも可能である。
具体的に説明すると、インナープレート11の延設部11bにおいて、第1エラストマー部材12aに対向する一面にだけ、言い換えれば、ロアーケース13の底部内面13bに対向する一面にだけ傾斜部11cを設ける場合には、図6(a)に示すように、ロアーケース13の底部内面13bに対して、ロアーケース側傾斜部13dを設けることができる。このロアーケース側傾斜部13dは、ロアーケース13の底部内面13bの全周に渡り、インナープレート11の延設部11bの延出方向、すなわち、本変形例においてはロアーケース13の底部内面13bの中心から半径方向外方に向けて厚みが増加するテーパ状に形成される。このように、第1エラストマー部材12aに対向するように延設部11bに傾斜部11cを設けることに加えて、ロアーケース側傾斜部13dを設けることにより、軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)に発生する弾性力(バネ定数)を効果的に増加させることができる。
又、インナープレート11の延設部11bにおいて、第2エラストマー部材12bに対向する一面にだけ、言い換えれば、アッパープレート14の圧縮面14aに対向する一面にだけ傾斜部11cを設ける場合には、図6(b)に示すように、アッパープレート14の圧縮面14aに対して、アッパープレート側傾斜部14bを設けることができる。このアッパープレート側傾斜部14bは、アッパープレート14の圧縮面14aの全周に渡り、インナープレート11の延設部11bの延出方向、すなわち、本変形例においてはアッパープレート14の圧縮部14aの中心から半径方向外方に向けて厚みが増加するテーパ状に形成される。このように、第2エラストマー部材12bに対向するように延設部11bに傾斜部11cを設けることに加えて、アッパープレート側傾斜部14bを設けることにより、軸直方向(インナープレート11の延設部11bの延出方向)に発生する弾性力(バネ定数)を効果的に増加させることができる。
従って、この第3変形例においても、上記実施形態及び上記第1,2変形例と同様の効果が期待できる。尚、この第3変形例のように設けられるロアーケース側傾斜部13d又はアッパープレート側傾斜部14bについても、上記第2変形例と同様に、例えば、図7(a)に示すように、ロアーケース13の円形の底部内面13b又はアッパープレート14の円形の圧縮面14bに対して、周上の任意の位置にロアーケース側傾斜部13d又はアッパープレート側傾斜部14bを設けるように実施することも可能である。又、ロアーケース側傾斜部13d又はアッパープレート側傾斜部14bの傾斜角度についても、上記第1,2変形例と同様に、例えば、図7(b)に示すように、ロアーケース13の円形の底部内面13b又はアッパープレート14の円形の圧縮面14bに対して、周上の任意の位置にロアーケース側傾斜部13d又はアッパープレート側傾斜部14bを設け、これらのロアーケース側傾斜部13d又はアッパープレート側傾斜部14bの傾斜角度を周方向にて連続的に変化させるように実施することも可能である。
これらによっても、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a又は第2エラストマー部材12b)における予圧縮状態を位置ごとに(方向ごとに)適切に変更することができる。従って、エラストマー部材12(第1エラストマー部材12a又は第2エラストマー部材12b)が発生する弾性力(バネ定数)を任意に変更することができる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、インナープレート11の延設部11bの表裏両面に傾斜部11cを設けて実施した。この場合、更に、ロアーケース13の底部内面13bにロアーケース側傾斜部13dを設けて実施したり、アッパープレート14の圧縮面14aにアッパープレート側傾斜部14bを設けて実施することも可能である。又、上記第3変形例においては、インナープレート11の延設部11bに設けられた傾斜部11cに対応して、ロアーケース側傾斜部13d又はアッパープレート側傾斜部14bを設けるように実施した。この場合、傾斜部11cの設けられていない側においてもアッパープレート側傾斜部14b又はロアーケース側傾斜部13dを設けるように実施することも可能である。
これらの場合においても、軸方向に圧縮荷重を発生させることに伴って軸直方向にも圧縮荷重を発生させてエラストマー部材12(第1エラストマー部材12a及び第2エラストマー部材12b)を予圧縮することができる。これにより、サスペンションマウント10を介して車体Bに連結されるショックアブソーバAが車両の上下、左右、前後に変位した場合には、応答性良く所望の弾性力を付与することができ、ショックアブソーバAの変位を適切に制御することができて所望の特性を発揮することができる。
10…サスペンションマウント、11…インナープレート、11a…円筒部、11b…延設部、11c…傾斜部、12…エラストマー部材、12a…第1エラストマー部材、12b…第2エラストマー部材、13…ロアーケース、13a…収容部、13b…底部内面、13c…貫通孔、13d…ロアーケース側傾斜部、14…アッパープレート、14a…圧縮面、14b…アッパープレート側傾斜部、A…ショックアブソーバ、R…アブソーバロッド、R1…先端部、B…車体

Claims (8)

  1. 車両のサスペンション機構を構成するサスペンション部材を車体に連結するサスペンションマウントにおいて、
    前記サスペンション部材に連結される内側部材と、
    発泡性樹脂から形成されて前記内側部材に延設された延設部を挟持する発泡性樹脂弾性体と、
    前記内側部材及び前記発泡性樹脂弾性体を一体的に収容する収容部を有するケース部材と、
    前記ケース部材の開口端部に一体的に固着されて、前記ケース部材の前記収容部内に前記内側部材の前記延設部を挟持した状態で収容された前記発泡性樹脂弾性体を前記ケース部材の底部内面とともに圧縮する圧縮面を有するプレート部材と、
    前記ケース部材の前記底部内面と前記プレート部材の前記圧縮面とによる前記発泡性樹脂弾性体の圧縮に伴い、前記内側部材の前記延設部の延出方向にて前記発泡性樹脂弾性体を圧縮する圧縮手段とを設けたこと、及び
    前記圧縮手段を、
    前記内側部材の前記延設部の前記発泡性樹脂弾性体によって挟持される挟持面のうちの少なくとも一面側に形成した傾斜部を含んで構成したこと、
    を特徴とするサスペンションマウント。
  2. 請求項に記載したサスペンションマウントにおいて、
    前記傾斜部は、
    前記延設部の延出方向に向けて厚みを減少させて形成されることを特徴とするサスペンションマウント。
  3. 請求項又は請求項に記載したサスペンションマウントにおいて、
    前記延設部の前記挟持面のうち、少なくとも、前記プレート部材の前記圧縮面に対向する側の面に前記傾斜部が形成されるとき、
    前記圧縮手段を、更に、
    前記プレート部材の前記圧縮面に形成したプレート部材側傾斜部を含んで構成したことを特徴とするサスペンションマウント。
  4. 請求項に記載したサスペンションマウントにおいて、
    前記プレート部材側傾斜部は、
    対向する前記延設部の延出方向に向けて厚みを増加させて形成されることを特徴とするサスペンションマウント。
  5. 請求項ないし請求項のうちのいずれか一つに記載したサスペンションマウントにおいて、
    前記延設部の前記挟持面のうち、少なくとも、前記ケース部材の前記底部内面に対向する側の面に前記傾斜部が形成されるとき、
    前記圧縮手段を、更に、
    前記ケース部材の前記底部内面に形成したケース部材側傾斜部を含んで構成したことを特徴とするサスペンションマウント。
  6. 請求項に記載したサスペンションマウントにおいて、
    前記ケース部材側傾斜部は、
    対向する前記延設部の延出方向に向けて厚みを増加させて形成されることを特徴とするサスペンションマウント。
  7. 請求項1ないし請求項のうちのいずれか一つに記載したサスペンションマウントにおいて、
    前記圧縮手段は、
    前記内側部材の周方向に沿って異なる圧縮状態により前記発泡性樹脂弾性体を圧縮することを特徴とするサスペンションマウント。
  8. 請求項1ないし請求項のうちのいずれか一つに記載したサスペンションマウントにおいて、
    前記サスペンション部材は、
    ショックアブソーバであり、このショックアブソーバのアブソーバロッドに前記内側部材が連結されることを特徴とするサスペンションマウント。
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