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JP5772608B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、車両のエンジン冷却システムに用いられるラジエータ、あるいは、空調用の冷媒凝縮器、冷媒蒸発器、ヒータコア等に好適な熱交換器に関する。
従来技術として、特許文献1に開示された熱交換器がある。
この熱交換器は、例えば、自動車に搭載される暖房用のヒータコアであり、図9に示す様に、断面形状が偏平なチューブ100と、このチューブ100の偏平な表面(偏平面と呼ぶ)に接合されるフィン110とで構成される放熱コア部を有し、チューブ100の内部を流れるエンジン冷却水との熱交換によって放熱コア部を通過する空気、すなわち、車室内へ送風される空気を加熱している。
フィン110は、図10に示す様に、一定のフィンピッチFPを有して波状に折り曲げ形成されたコルゲートフィンであり、フィン表面にルーバ120(図9参照)が形成されている。このルーバ120は、フィン表面を流れる空気の流れを乱すことで空気側の伝熱性能を高める働きを有するが、ルーバ120が形成されていない部分(非ルーバ部と呼ぶ)を空気が通過すると、伝熱性能の向上効果が小さくなる。
そこで、特許文献1では、チューブ100の一方の偏平面にチューブ100の外側へ向かって突出する凸部130を設けることで、非ルーバ部を流れる空気の通風抵抗を増大させて、ルーバ120が形成されている領域を流れる空気流量を増大させる技術が開示されている。
また、チューブ100の他方の偏平面には、チューブ100の内側へ向かって窪む凹部140が設けられている。この凹部140を設けることにより、エンジン冷却水側の放熱面積が増大すると共に、チューブ100内の流路が蛇行した形状となるため、チューブ100の内部を流れるエンジン冷却水を攪拌させる効果が得られる。その結果、エンジン冷却水側の伝熱性能を向上させることができる。なお、凸部130と凹部140は、チューブ100の長手方向(図10の左右方向)、つまり、エンジン冷却水が流れる方向にフィンピッチFPと同ピッチで複数段に形成されている。
特開2011−43322号公報
ところが、特許文献1に開示された熱交換器は、チューブ100の他方の偏平面に凹部140が形成され、その凹部140が形成された部位にフィン110の屈曲部(チューブ100との接合部)が配置される。この場合、図10に示す様に、凹部140が形成されている部分では、フィン110の屈曲部と凹部140との間に隙間が生じるため、フィン110とチューブ100とを接合できない箇所が生じる。その結果、フィン効率が低下して、熱交換器の性能向上が目減りするという問題がある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、フィン効率を高めることにより性能を向上できる熱交換器を提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明は、所定の間隔を空けて並列に配置される複数本のチューブと、隣り合うチューブ同士の間に配置されてチューブの表面に接合されるフィンと、チューブの長手方向の両端部が挿入される一対のヘッダタンクとを有し、チューブの内部を流れる流体とチューブの外側を流れる流体との間で熱交換を行う熱交換器において、フィンは、一定のフィンピッチを有して波状に折り曲げ成形されたコルゲートフィンであり、チューブは、長手方向と直交する断面形状が長径と短径とを有する偏平管形状に形成され、且つ、短径方向に対向する一方の偏平面にチューブの外側へ向かって突出する凸部が設けられ、他方の偏平面にチューブの内側に向かって窪む凹部が設けられている。
凸部と凹部は、チューブの長手方向にフィンピッチと同ピッチで複数段に配置され、フィンを挟んで隣り合う一方のチューブを第1のチューブ、他方のチューブを第2のチューブと呼び、チューブの長手方向に隣り合う凸部同士および凹部同士の間隔をディンプルピッチと呼ぶ時に、第1のチューブと第2のチューブは、第1のチューブの一方の偏平面と第2のチューブの他方の偏平面とがフィンを挟んで対向して配置され、且つ、第1のチューブに設けられる凸部と第2のチューブに設けられる凹部は、チューブの長手方向に対する互いの位置がディンプルピッチの半ピッチ分ずれて配置されることを特徴とする。
本発明の熱交換器は、第1のチューブの一方の偏平面に設けられる凸部と、第2のチューブの他方の偏平面に設けられる凹部とが、チューブの長手方向で同一位置に配置されることはなく、ディンプルピッチの半ピッチ毎に凸部と凹部とが交互に配置される。
また、本発明のフィンは、波状に連続して折り曲げられる屈曲部を有し、この屈曲部がチューブの表面に接合される。ここで、第1のチューブに接合される屈曲部を第1屈曲部、第2のチューブに接合される屈曲部を第2屈曲部と呼ぶ時に、第1屈曲部と第2屈曲部は、半ピッチ毎に交互に繰り返し設けられる。
よって、第1のチューブの長手方向で隣り合う凸部同士の間、つまり、凸部が設けられていない第1のチューブの一方の偏平面に第1屈曲部を接合することで、必然的に、第2のチューブの長手方向で隣り合う凹部同士の間、つまり、凹部が設けられていない第2のチューブの他方の偏平面に第2屈曲部が接合される。
これにより、第2のチューブの他方の偏平面に凹部を設けた構成であっても、その凹部が設けられている部位にフィンの第2屈曲部が配置されることはない。言い換えると、フィンの第2屈曲部は、第2のチューブに設けられる凹部の数に関係なく、第2のチューブの長径方向に対してフィンの全幅に渡って接合できる。
さらに、本発明の熱交換器において、チューブは、一方の偏平面に設けられる凸部と、他方の偏平面に設けられる凹部とが長手方向に対して互いに同位置に配置されており、チューブの端部がヘッダタンクの内部に挿入される長さを挿入代と定義した時に、一対のヘッダタンクの内、一方のヘッダタンクに対する第1のチューブの挿入代の方が第2のチューブの挿入代よりディンプルピッチの半ピッチ分だけ小さく、且つ、他方のヘッダタンクに対する第1のチューブの挿入代の方が第2のチューブの挿入代よりディンプルピッチの半ピッチ分だけ大きく設定されていることを特徴とする。
上記の構成では、第1のチューブと第2のチューブを同一形状とし、且つ、一対のヘッダタンクに対する第1のチューブと第2のチューブの挿入代をディンプルピッチの半ピッチ分ずらすことにより、第1のチューブの一方の偏平面に設けられる凸部と、第2のチューブの他方の偏平面に設けられる凹部とを、チューブの長手方向にディンプルピッチの半ピッチ分ずらして配置することができる。これにより、第1のチューブと第2のチューブを1種類のチューブで構成できる。
(請求項の発明)
本発明の熱交換器では、チューブは、一方の偏平面に設けられる凸部と、他方の偏平面に設けられる凹部とが、長手方向に対して互いに同位置に配置され、且つ、長手方向の一端から最も近い凸部および凹部までの距離より、長手方向の他端から最も
近い凸部および凹部までの距離の方がディンプルピッチの半ピッチ分だけ大きく設定され、第1のチューブと第2のチューブは、互いの一端と他端とが長手方向に反転した状態で配置されていることを特徴とする。
上記の構成では、第1のチューブと第2のチューブを同一形状とし、且つ、一対のヘッダタンクに対して第1のチューブと第2のチューブを長手方向に反転して組み付ける、つまり、第1のチューブの一端と第2のチューブの他端、および、第1のチューブの他端と第2のチューブの一端をそれぞれ同一方向に向けて組み付けることにより、第1のチューブの一方の偏平面に設けられる凸部と、第2のチューブの他方の偏平面に設けられる凹部とを、チューブの長手方向にディンプルピッチの半ピッチ分ずらして配置することができる。これにより、第1のチューブと第2のチューブを1種類のチューブで構成できる。
(請求項の発明)
請求項1または請求項2に記載した熱交換器において、フィンは、第1のチューブと第2のチューブとの間で交互に連続して折れ曲がる屈曲部と、連続する二つの屈曲部同士の間に形成されるフィン平面部とを有し、このフィン平面部にルーバが形成されていることを特徴とする。
フィン平面部にルーバを形成することにより、チューブの外側を流れる流体とフィンとの熱伝達率を増大できるので、熱交換器の性能向上に寄与する。また、本発明の熱交換器は、チューブの一方の偏平面に凸部を設けているので、フィン表面にルーバが形成されていない非ルーバ部を流れる流体の流れ抵抗が増大する。その結果、非ルーバ部を流れる流体流量が低減する分、ルーバが形成されている領域を流れる流体流量が増大するため、熱交換器の性能が向上する。
放熱コアの一部を示す斜視図である。 フィンの斜視図である。 フィンを挟んで対向する第1のチューブと第2のチューブの断面図である。 ヒータコアの正面図である。 (a)実施例2に係るチューブの断面図、(b)フィンを挟んで対向する第1のチューブと第2のチューブの断面図である。 (a)実施例3に係るチューブの断面図、(b)フィンを挟んで対向する第1のチューブと第2のチューブの断面図である。 (a)実施例4に係るチューブの断面図、(b)フィンを挟んで対向する第1のチューブと第2のチューブの断面図である。 フィンの斜視図である(実施例5)。 従来技術に係るチューブの長手方向と直交する断面図である。 従来技術に係るチューブの長手方向に沿った断面図である。
本発明を実施するための最良の形態を、以下の5つの実施例と変形例により詳細に説明する。なお、5つの実施例のうち、実施例2は、本発明が適用されていない例を示す参考例である。
(実施例1)
実施例1では、本発明の熱交換器を自動車に搭載される暖房用のヒータコアに適用した一例を説明する。
ヒータコア1は、図4に示す様に、エンジンを冷却して暖められたエンジン冷却水と車室内に送風される空気とを熱交換する熱交換コア部(以下に説明する)と、この熱交換コア部の両端に配置される一対のヘッダタンク2とを備える。
熱交換コア部は、所定の間隔を空けて並列に配置される複数本のチューブ3と、隣り合うチューブ3同士の間に配置されてチューブ3の表面に接合されるフィン4と、熱交換コア部の両サイド(図4の上下両側)に配置される補強プレート5とで構成される。
チューブ3は、図1に示す様に、自身の長手方向と直交する断面形状が長径と短径とを有する偏平管形状に形成され、内部にエンジン冷却水が流れる冷却水路を形成している。 フィン4は、図2に示す様に、一定のフィンピッチFPを有して波状に連続して折り曲げ成形されたコルゲートフィンである。このフィン4は、隣り合うチューブ3同士の間で交互に連続して円弧状に折れ曲がる屈曲部40と、連続する二つの屈曲部40同士の間に形成される平板状のフィン平面部41とを有し、屈曲部40の頂点でチューブ3の偏平面に接合されている。また、フィン平面部41には、フィン平面部41の一部をコの字状に切り起こして形成されたルーバ42が設けられている。
ヘッダタンク2は、図4に示す様に、チューブ3の一端側の端部が挿入される一方のヘッダタンク2aと、チューブ3の他端側の端部が挿入される他方のヘッダタンク2bとを有し、チューブ3を通じて一方のヘッダタンク2aと他方のヘッダタンク2bとが連通している。また、ヘッダタンク2には、温水配管(図示せず)を介してエンジンの冷却水回路に接続される接続ポート6が設けられている。
本実施例のヒータコア1は、チューブ3、フィン4、補強プレート5、および、ヘッダタンク2がいずれも同一種類の金属(例えば、熱伝導性が高いアルミニウム)を使用して形成され、放熱コア部を組み立ててヘッダタンク2を組み付けた状態で、例えば、炉中ろう付け、あるいは半田付けによって一体に接合されている。
次に、本発明に係るチューブ3の構成およびフィン4の配置について詳述する。
実施例1に係るチューブ3は、図1に示す様に、短径方向に対向する一方の偏平面にチューブ3の外側へ向かって半球状に突出する凸部7が設けられ、他方の偏平面にチューブ3の内側に向かって半球状に窪む凹部8が設けられている。この凸部7および凹部8は、それぞれ、チューブ3の長径方向に一定の間隔を有して複数個設けられ、且つ、チューブ3の長手方向にフィンピッチFPと同ピッチで複数段に配置されている。なお、同一チューブ3に設けられる凸部7と凹部8は、チューブ3の長手方向に対して互いに同位置に配置されている。以下、チューブ3の長手方向に隣り合う凸部7同士および凹部8同士の間隔をディンプルピッチDPと呼ぶ。
また、図3に示す様に、フィン4を挟んで隣り合う一方のチューブ3を第1のチューブ3a、他方のチューブ3を第2のチューブ3bと呼ぶ時に、その第1のチューブ3aと第2のチューブ3bは、第1のチューブ3aの一方の偏平面(凸部7が設けられている偏平面)と第2のチューブの他方の偏平面(凹部8が設けられている偏平面)とがフィン4を挟んで対向して配置され、且つ、第1のチューブ3aに設けられる凸部7と、第2のチューブ3bに設けられる凹部8は、互いの位置が長手方向にディンプルピッチDPの半ピッチ分ずれて配置されている。
ここで、第1のチューブ3aに接合されるフィン4の屈曲部40を第1屈曲部40a、第2のチューブ3bに接合されるフィン4の屈曲部40を第2屈曲部40bと呼ぶ時に、第1屈曲部40aは、第1のチューブ3aの長手方向で隣り合う凸部7同士の間、つまり、凸部7と凸部7との間に形成される偏平面に接合され、第2屈曲部40bは、第2のチューブ3bの長手方向で隣り合う凹部8同士の間、つまり、凹部8と凹部8との間に形成される偏平面に接合される。
(実施例1の作用および効果)
本実施例のヒータコア1は、第1のチューブ3aの一方の偏平面と、第2のチューブ3bの他方の偏平面とがフィン4を挟んで対向して配置され、且つ、第1のチューブ3aの一方の偏平面に設けられる凸部7と、第2のチューブ3bの他方の偏平面に設けられる凹部8とが、チューブ3の長手方向でディンプルピッチDPの半ピッチ分ずれて配置されている。
一方、波状に折り曲げ成形されるフィン4は、1/2・FP毎に屈曲部40が設けられている。つまり、第1のチューブ3aに接合される第1屈曲部40aと、第2のチューブ3bに接合される第2屈曲部40bとが1/2・FP毎に交互に設けられる。なお、本実施例のヒータコア1は、FP=DPである。
よって、図3に示す様に、第1のチューブ3aの長手方向で隣り合う凸部7同士の間、つまり、凸部7が設けられていない第1のチューブ3aの一方の偏平面にフィン4の第1屈曲部40aを接合することで、必然的に、第2のチューブ3bの長手方向で隣り合う凹部8同士の間、つまり、凹部8が設けられていない第2のチューブ3bの他方の偏平面にフィン4の第2屈曲部40bが接合される。
上記の構成によれば、第2のチューブ3bの他方の偏平面に凹部8を設けた構成であっても、その凹部8が設けられている部位にフィン4の第2屈曲部40bが配置されることはなく、凹部8が設けられていない偏平面に第2屈曲部40bを配置できるので、凹部8の数に関係なく、第2のチューブ3bの長径方向に対してフィン4の全幅に渡って第2屈曲部40bを接合できる。これにより、チューブ3とフィン4とが接合できない箇所を無くすことができるので、特許文献1に開示された従来技術と比較して、フィン効率を高めることができ、ヒータコア1の性能向上を図ることができる。
(実施例2)
この実施例2に示すチューブ3は、図5(a)に示す様に、一方の偏平面に設けられる凸部7と、他方の偏平面に設けられる凹部8とが、チューブ3の長手方向にディンプルピッチDPの半ピッチ分だけ互いにずれた位置に配置されている。
上記の構成によれば、実施例1に記載した第1のチューブ3aと第2のチューブ3bとを同一形状にできる。つまり、図5(b)に示す様に、フィン4を挟んで第1のチューブ3aの一方の偏平面と第2のチューブ3bの他方の偏平面とを対向して配置することにより、第1のチューブ3aの一方の偏平面に設けられる凸部7と、第2のチューブ3bの他方の偏平面に設けられる凹部8とをチューブ3の長手方向に1/2・DP分ずらして配置することができ、実施例1と同様の効果を得ることが出来る。
(実施例3)
この実施例3は、第1のチューブ3aと第2のチューブ3bとでヘッダタンク2の内部に挿入される挿入長さを変更した一例である。
使用されるチューブ3は、図6(a)に示す様に、一方の偏平面に設けられる凸部7と、他方の偏平面に設けられる凹部8とが長手方向に対して互いに同位置に配置される。
ここで、チューブ3の端部がヘッダタンク2の内部に挿入される長さを挿入代と定義した時に、図6(b)に示す様に、一対のヘッダタンク2の内、一方のヘッダタンク2aに対する第1のチューブ3aの挿入代の方が第2のチューブ3bの挿入代より1/2・DP分だけ小さく、且つ、他方のヘッダタンク2bに対する第1のチューブ3aの挿入代の方が第2のチューブ3bの挿入代より1/2・DP分だけ大きく設定されている。
上記の構成では、一対のヘッダタンク2に対する第1のチューブ3aと第2のチューブ3bの挿入代を1/2・DP分ずらすことにより、第1のチューブ3aの一方の偏平面に設けられる凸部7と、第2のチューブ3bの他方の偏平面に設けられる凹部8とを、チューブ3の長手方向に1/2・DP分ずらして配置することができる。これにより、第1のチューブ3aと第2のチューブ3bの形状を変更することなく、両者に共通する1種類のチューブ3を用いて実施例1と同様の効果を得ることができる。
(実施例4)
この実施例4は、第1のチューブ3aと第2のチューブ3bとを長手方向に反転して配置した一例である。
第1のチューブ3aと第2のチューブ3bには、同一形状を有する1種類のチューブ3が使用される。このチューブ3は、図7(a)に示す様に、一方の偏平面に設けられる凸部7と、他方の偏平面に設けられる凹部8とが、長手方向に対して互いに同位置に配置され、且つ、長手方向の一端(図示左端)から最も近い凸部7および凹部8までの距離Aより、長手方向の他端(図示右端)から最も近い凸部7および凹部8までの距離Bの方が1/2・DP分だけ大きく設定されている。
第1のチューブ3aと第2のチューブ3bは、図7(b)に示す様に、チューブ3の一端と他端とを長手方向に反転した状態で使用される。つまり、第1のチューブ3aの一端と第2のチューブ3bの他端、および、第1のチューブ3aの他端と第2のチューブ3bの一端をそれぞれ同一方向に向けて配置することにより、第1のチューブ3aの一方の偏平面に設けられる凸部7と、第2のチューブ3bの他方の偏平面に設けられる凹部8とを、チューブ3の長手方向に1/2・DP分ずらして配置することができる。これにより、第1のチューブ3aと第2のチューブ3bの形状を変更することなく、両者に共通する1種類のチューブ3を用いて実施例1と同様の効果を得ることができる。
(実施例5)
実施例1に記載したフィン4は、図2に示す様に、屈曲部40が円弧状に湾曲した形状であるが、この実施例5に示すフィン4は、図8に示す様に、屈曲部40に平坦面を残した状態で折り曲げられている。
この実施例5に示すフィン形状によれば、実施例1と同様の効果を得られる上に、チューブ3との接合面積をより多く確保できるため、伝熱性能が向上すると共に、チューブ3とフィン4との接合強度を向上できる。
(変形例)
実施例1では、本発明の熱交換器を暖房用のヒータコア1に適用した一例を説明したが、ヒータコア1以外の熱交換器、例えば、冷凍サイクルに使用される冷媒凝縮器、冷媒蒸発器、エンジン冷却システムに用いられるラジエータ、エンジンやギヤボックスなどの潤滑油を冷却するオイルクーラー、過給機で圧縮された空気を冷却するインタークーラ、排気の一部を吸気に戻すEGR装置に使用されるEGRクーラ等にも適用できる。
1 ヒータコア(熱交換器)
2 ヘッダタンク
3 チューブ
3a 第1のチューブ
3b 第2のチューブ
4 フィン
7 チューブの一方の偏平面に設けられた凸部
8 チューブの他方の偏平面に設けられた凹部
40 フィンの屈曲部
41 フィン平面部
42 ルーバ
DP ディンプルピッチ
FP フィンピッチ

Claims (3)

  1. 所定の間隔を空けて並列に配置される複数本のチューブと、
    隣り合う前記チューブ同士の間に配置されて前記チューブの表面に接合されるフィンと、
    前記チューブの長手方向の両端部が挿入される一対のヘッダタンクとを有し、
    前記チューブの内部を流れる流体と前記チューブの外側を流れる流体との間で熱交換を行う熱交換器において、
    前記フィンは、一定のフィンピッチを有して波状に折り曲げ成形されたコルゲートフィンであり、
    前記チューブは、前記長手方向と直交する断面形状が長径と短径とを有する偏平管形状に形成され、且つ、短径方向に対向する一方の偏平面に前記チューブの外側へ向かって突出する凸部が設けられ、他方の偏平面に前記チューブの内側に向かって窪む凹部が設けられて、前記凸部および前記凹部が前記長手方向に前記フィンピッチと同ピッチで複数段に配置され、
    前記フィンを挟んで隣り合う一方の前記チューブを第1のチューブ、他方の前記チューブを第2のチューブと呼び、前記チューブの長手方向に隣り合う前記凸部同士および前記凹部同士の間隔をディンプルピッチと呼ぶ時に、
    前記第1のチューブと前記第2のチューブは、前記第1のチューブの一方の偏平面と前記第2のチューブの他方の偏平面とが前記フィンを挟んで対向して配置され、且つ、前記第1のチューブに設けられる前記凸部と前記第2のチューブに設けられる前記凹部は、前記チューブの長手方向に対する互いの位置が前記ディンプルピッチの半ピッチ分ずれて配置され、
    さらに、前記チューブは、前記一方の偏平面に設けられる前記凸部と、前記他方の偏平面に設けられる前記凹部とが前記長手方向に対して互いに同位置に配置されており、
    前記チューブの端部が前記ヘッダタンクの内部に挿入される長さを挿入代と定義した時に、一対の前記ヘッダタンクの内、一方の前記ヘッダタンクに対する前記第1のチューブの挿入代の方が前記第2のチューブの挿入代より前記ディンプルピッチの半ピッチ分だけ小さく、且つ、他方の前記ヘッダタンクに対する前記第1のチューブの挿入代の方が前記第2のチューブの挿入代より前記ディンプルピッチの半ピッチ分だけ大きく設定されていることを特徴とする熱交換器。
  2. 所定の間隔を空けて並列に配置される複数本のチューブと、
    隣り合う前記チューブ同士の間に配置されて前記チューブの表面に接合されるフィンと、
    前記チューブの長手方向の両端部が挿入される一対のヘッダタンクとを有し、
    前記チューブの内部を流れる流体と前記チューブの外側を流れる流体との間で熱交換を行う熱交換器において、
    前記フィンは、一定のフィンピッチを有して波状に折り曲げ成形されたコルゲートフィンであり、
    前記チューブは、前記長手方向と直交する断面形状が長径と短径とを有する偏平管形状に形成され、且つ、短径方向に対向する一方の偏平面に前記チューブの外側へ向かって突出する凸部が設けられ、他方の偏平面に前記チューブの内側に向かって窪む凹部が設けられて、前記凸部および前記凹部が前記長手方向に前記フィンピッチと同ピッチで複数段に配置され、
    前記フィンを挟んで隣り合う一方の前記チューブを第1のチューブ、他方の前記チューブを第2のチューブと呼び、前記チューブの長手方向に隣り合う前記凸部同士および前記凹部同士の間隔をディンプルピッチと呼ぶ時に、
    前記第1のチューブと前記第2のチューブは、前記第1のチューブの一方の偏平面と前記第2のチューブの他方の偏平面とが前記フィンを挟んで対向して配置され、且つ、前記第1のチューブに設けられる前記凸部と前記第2のチューブに設けられる前記凹部は、前記チューブの長手方向に対する互いの位置が前記ディンプルピッチの半ピッチ分ずれて配置され、
    さらに、前記チューブは、前記一方の偏平面に設けられる前記凸部と、前記他方の偏平面に設けられる前記凹部とが、前記長手方向に対して互いに同位置に配置され、且つ、前記長手方向の一端から最も近い前記凸部および前記凹部までの距離より、前記長手方向の他端から最も近い前記凸部および前記凹部までの距離の方が前記ディンプルピッチの半ピッチ分だけ大きく設定され、
    前記第1のチューブと前記第2のチューブは、互いの一端と他端とが前記長手方向に反転した状態で配置されていることを特徴とする熱交換器。
  3. 請求項1または請求項2に記載した熱交換器において、
    前記フィンは、前記第1のチューブと前記第2のチューブとの間で交互に連続して折れ曲がる屈曲部と、連続する二つの前記屈曲部同士の間に形成されるフィン平面部とを有し、このフィン平面部にルーバが形成されていることを特徴とする熱交換器。
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