JP5762447B2 - 衝撃吸収材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
収材の製造方法により製造されたものである。
、衝撃吸収材の全体を一度の発泡成形工程にて成形する場合に比べて、第1〜第nの各部
分における衝撃受け面側と裏面側との発泡合成樹脂の密度差、及び、表層側と内部側との
発泡合成樹脂の密度差を小さくすることができる。これにより、衝撃吸収材の各部におけ
る発泡合成樹脂の均質性を向上させることができる。また、その結果、製造された衝撃吸
収材の性能のバラつきを防止ないし抑制することができる。
また、第1部分の第2部分との境界面に、衝撃受け面側に向かって凹陥する凹部を設けることが好ましい。このように構成した場合、第2部分成形工程において第1部分の該境界面上に散布された第2部分用合成樹脂原料は、この凹部内に溜まるようになり、第1部分の側周面と金型のキャビティ内面との間に第2部分用合成樹脂原料が入り込むことが防止ないし抑制され、より精度よく衝撃吸収材を成形することができる。
材は、衝撃吸収材の各部における発泡合成樹脂の均質性が良好である。これにより、この
衝撃吸収材は、より確実に、要求された特性を備えたものとなり、且つ、より性能のバラ
つきのないものとなる。
第1図は、第1の実施の形態に係るEA材1の斜視図であり、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図である。第3図はこのEA材1の第1部分の斜視図である。第4,5図は、それぞれ、このEA材1の製造方法を示す第2部分成形用金型20(以下、単に金型20ということがある。)の断面図である。なお、第4,5図は、それぞれ、この金型20の第2図に対応する部分の断面を示している。
EA材1は、硬質ポリウレタン等の合成樹脂原料を発泡成形してなる。この実施の形態では、EA材1を自動車のドアトリム(図示略)に取り付けたときに、第1,2図におけるEA材1の下面がドアトリムに対向し、第1,2図におけるEA材1の上面が車体外側を向く。このEA材1が取り付けられた自動車の側突時には、第1,2図におけるEA材1の上面が衝突物からの衝撃を受ける。即ち、この実施の形態では、EA材1の第1,2図における上面が衝撃受け面となっており、第1,2図における下面が裏面となっている。以下、このEA材1の衝撃受け面側から裏面側に向かう方向(又はそれと逆方向)を厚さ方向という。
第2部分成形工程で用いられる金型20は、キャビティの内部形状がEA材1の全体の外形に対応する形状となっている。第4,5図の通り、この実施の形態では、金型20は下型21及び上型22を有している。なお、金型20は、必要に応じ、中子等を有していてもよい。この実施の形態では、金型20のキャビティ内において、EA材1は、その衝撃受け面を下向きにして成形される。即ち、下型21のキャビティ底面によりEA材1の衝撃受け面が成形され、下型21のキャビティ側周面によりEA材1の側周面が成形され、上型22のキャビティ天井面によりEA材1の裏面が成形される。下型21のキャビティ内には、EA材1の大厚部2に対応する、比較的深さが大きい大深度部23と、EA材1の小厚部3に対応する、該大深度部23よりも深さが小さい小深度部24とが形成されている。なお、金型20の構成はこれに限定されず、EA材1は、その裏面(衝撃受け面と反対側の面)を下向きにして成形されてもよい。
EA材1を成形するに当たっては、第1部分11を発泡成形する第1部分成形工程と、第2部分12を発泡成形して該第1部分11と一体化させる第2部分成形工程とを順次に行う。第1部分11を構成するための第1部分用合成樹脂原料U1と、第2部分12を構成するための第2部分用合成樹脂原料U2とは、同一配合のものであってもよく、配合が異なるものであってもよい。例えば、第2部分用合成樹脂原料U2を、第1部分用合成樹脂原料U1よりも低硬度の発泡合成樹脂が構成される配合とすることにより、衝撃受け面側よりも裏面側が低硬度となっているEA材1を容易に製造することができる。
第1部分成形工程では、第1部分11を単体で成形する。この第1部分11の成形は、一般的な単一の発泡成形体の成形と同様の方法により行うことができる。即ち、この第1部分11の成形は、例えば、キャビティの内部形状が第1部分11の外形に対応する形状となっている金型(図示略)を用い、該キャビティ内で第1部分用合成樹脂原料U1を発泡させることにより行うことができる。なお、第1部分11の成形方法はこれに限定されない。
第2部分成形工程においては、まず、金型20のキャビティ内の大深度部23の奥側(第1部分対応空間)に、第1部分成形工程により予め準備しておいた第1部分11を挿入配置する。次に、第4図の通り、金型20のキャビティ内の第2部分対応空間(小深度部24の底面上、及び、第1部分対応空間に配置された第1部分11の境界面11a上)に第2部分用合成樹脂原料U2を供給し、下型21の上に上型22を被せて型締めした後、該第2部分用合成樹脂原料U2を発泡させる。第5図の通り、第2部分用合成樹脂原料U2が発泡してなる発泡合成樹脂が第2部分対応空間に充満することにより、第2部分12が成形され、EA材1の全体の成形が完了する。この第2部分用合成樹脂原料U2は第1部分11の境界面11aに接触しているので、この第2部分用合成樹脂原料U2が発泡してなる第2部分12は、第1部分11に対し接着一体化したものとなる。
第7図は、第2の実施の形態に係るEA材1Bの断面図であり、第8,9図は、それぞれ、このEA材1Bの製造方法を示す第2部分成形用金型20B(以下、単に金型20Bという。)の断面図である。なお、第7図は、このEA材1Bの長手方向及び厚さ方向に沿う断面図であり、第8,9図は、それぞれ、金型20Bの第7図に対応する部分の断面を示している。
第7図の通り、EA材1Bは、全体として厚さが略一様な断面略台形状となっている。この実施の形態では、EA材1Bの厚さ方向の途中部から衝撃受け面側が全体として第1部分11Bにより構成され、それよりも裏面側が全体として第2部分12Bにより構成されている。この第1部分11Bと第2部分12Bとの境界部14Bは、該EA材1Bの衝撃受け面及び裏面と略平行に延在している。第1部分11Bの構成は、該第1部分11BがEA材1Bの衝撃受け面側の全体を構成していること以外は、実質的に、前述の第1の実施の形態におけるEA材1の第1部分11と同様となっている。なお、第1部分11Bと第2部分12Bとの分画構造はこれに限定されない。
このEA材1Bの第2部分成形工程で用いられる金型20Bは、キャビティの内部形状がEA材1Bの全体の外形に対応する形状となっている。第8,9図の通り、この実施の形態では、金型20Bの下型21Bのキャビティ内は、全体として深さが略一様となっている。この下型21Bのキャビティ内の深さ方向の途中部から底面までの空間が、EA材1Bの第1部分11Bに対応する第1部分対応空間となっており、それよりも上側が、EA材1Bの第2部分12Bに対応する第2部分対応空間となっている。
EA材1Bを成形するに当たっては、第1部分11Bを発泡成形する第1部分成形工程と、第2部分12Bを発泡成形して該第1部分11Bと一体化させる第2部分成形工程を順次に行う。第1部分11Bは、単体で成形される。第1部分11Bの成形方法は、第1の実施の形態における第1部分11の成形方法と実質的に同様であり、説明を省略する。
第2部分成形工程においては、まず、下型21Bのキャビティ内の奥側(第1部分対応空間)に、第1部分成形工程により予め準備しておいた第1部分11Bを挿入配置する。次に、第8図の通り、下型21Bのキャビティ内の第2部分対応空間(第1部分対応空間に配置された第1部分11Bの境界面11a上)に第2部分用合成樹脂原料U2を供給し、下型21Bの上に上型22Bを被せて型締めした後、該第2部分用合成樹脂原料U2を発泡させる。第9図の通り、この第2部分用合成樹脂原料U2が発泡してなる発泡合成樹脂が第2部分対応空間に充満することにより、第2部分12Bが成形され、EA材1Bの全体の成形が完了する。この第2部分用合成樹脂原料U2は第1部分11Bの境界面11aに接触しているので、この第2部分用合成樹脂原料U2が発泡してなる第2部分12Bは、第1部分11Bに対し接着一体化したものとなる。
2,2A,2A’ 大厚部
3,3A 小厚部
4,4A,4A’ 張出部
11,11A,11A’,11B 第1部分
11a 境界面
11b 凹部
11c 土手状部
12,12A,12B 第2部分
12a 境界面
12b 凹部
12c 土手状部
20,20B 金型
21,21B 下型
22,22B 上型
Claims (7)
- 金型により合成樹脂原料を発泡成形して衝撃吸収材を製造する方法であって、
該衝撃吸収材は、衝突物からの衝撃を受ける衝撃受け面、及び、該衝撃受け面と反対側の裏面を有しており、
該衝撃吸収材の製造方法は、該衝撃吸収材を該衝撃受け面側から該裏面側まで、又は該裏面側から該衝撃受け面側まで、順に第1〜第n(nは2以上の整数)のn個の部分に分画し、該第1〜第n部分を順次に発泡成形する第1〜第n部分成形工程を有しており、
該第1部分成形工程では、該第1部分を単体で成形し、
第m(mは2以上n以下の整数)部分成形工程では、第(m−1)部分成形工程により成形された成形体を金型のキャビティ内に配置した状態にて、該第m部分を構成するための第m部分用合成樹脂原料を該キャビティ内に供給して発泡させ、
前記第1部分の第2部分との境界面に、前記衝撃受け面側に向かって凹陥する凹部を設け、前記境界面の外周延に沿って前記凹部を全周にわたって取り囲む土手状部を有することを特徴とする衝撃吸収材の製造方法。 - 請求項1において、前記第1〜第n部分を同一配合の合成樹脂原料により構成することを特徴とする衝撃吸収材の製造方法。
- 請求項1において、前記第1〜第n部分のうち少なくとも1個の部分を、他の部分を構成する合成樹脂原料と異なる配合の合成樹脂原料により構成することを特徴とする衝撃吸収材の製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記衝撃吸収材は、前記衝撃受け面と前記裏面との間の厚さが比較的大きい大厚部と、該衝撃受け面と該裏面との間の厚さが該大厚部よりも小さい小厚部とを有しており、
該大厚部と小厚部とは、該厚さ方向と直交方向に互いに隣接しており、該大厚部の厚さ方向の途中部から該衝撃受け面側の部分は、該小厚部の該衝撃受け面よりも該裏面側と反対側に張り出した張出部となっており、
該衝撃吸収材のうち、該張出部を前記第1部分により構成し、該張出部よりも該裏面側の部分を第2〜第n部分により構成することを特徴とする衝撃吸収材の製造方法。 - 請求項1ないし4のいずれか1項において、n=2であることを特徴とする衝撃吸収材の製造方法。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記衝撃吸収材は、車体内装用衝撃吸収材であることを特徴とする衝撃吸収材の製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の衝撃吸収材の製造方法により製造された衝撃吸収材。
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