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JP5762447B2 - 衝撃吸収材及びその製造方法 - Google Patents

衝撃吸収材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金型により合成樹脂原料を発泡成形して衝撃吸収材を製造する方法と、この衝撃吸収材の製造方法により製造された衝撃吸収材とに関する。
自動車のドアトリムには、側面衝突(側突)時の衝撃エネルギー吸収(Energy Absorption:EA)のために、硬質ポリウレタンフォーム等の発泡合成樹脂よりなる衝撃吸収材が取り付けられている。
この衝撃吸収材は、金型のキャビティ内において合成樹脂原料を発泡成形することにより製造される。特許文献1では、衝撃吸収材は、金型のキャビティ内において、その衝撃受け面を下向きにして成形される。
特開2011−225165
通常、金型のキャビティ内に供給された合成樹脂原料は、キャビティ底面に付着し、発泡反応中は、このキャビティ底面からキャビティ天井面及びキャビティ側面に向かって膨張する。そのため、発泡反応中の合成樹脂原料は、キャビティ天井面及びキャビティ側面に近づくほど、反応が進んで粘度が高くなり、その発泡反応が鈍化する傾向がある。
そのため、このようにして製造された衝撃吸収材にあっては、その衝撃受け面側と裏面側との間、あるいは、その表層側と内部側との間で、発泡合成樹脂の密度に差が生じるおそれがある。その場合、衝撃吸収材の各部における発泡合成樹脂の均質性が低下し、性能にバラつきが生じるおそれがある。これは、衝撃吸収材が大型化するほど顕著になる。
本発明は、このような問題点を解決し、衝撃吸収材の各部における発泡合成樹脂の均質性を向上させることが可能な衝撃吸収材の製造方法、及び、この製造方法により製造された衝撃吸収材を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の衝撃吸収材の製造方法は、金型により合成樹脂原料を発泡成形して衝撃吸収材を製造する方法であって、該衝撃吸収材は、衝突物からの衝撃を受ける衝撃受け面、及び、該衝撃受け面と反対側の裏面を有しており、該衝撃吸収材の製造方法は、該衝撃吸収材を該衝撃受け面側から該裏面側まで、又は該裏面側から該衝撃受け面側まで、順に第1〜第n(nは2以上の整数)のn個の部分に分画し、該第1〜第n部分を順次に発泡成形する第1〜第n部分成形工程を有しており、該第1部分成形工程では、該第1部分を単体で成形し、第m(mは2以上n以下の整数)部分成形工程では、第(m−1)部分成形工程により成形された成形体を金型のキャビティ内に配置した状態にて、該第m部分を構成するための第m部分用合成樹脂原料を該キャビティ内に供給して発泡させ、前記第1部分の第2部分との境界面に、前記衝撃受け面側に向かって凹陥する凹部を設け、前記境界面の外周延に沿って前記凹部を全周にわたって取り囲む土手状部を有することを特徴とするものである。
請求項2の衝撃吸収材の製造方法は、請求項1において、前記第1〜第n部分を同一配合の合成樹脂原料により構成することを特徴とするものである。
請求項3の衝撃吸収材の製造方法は、請求項1において、前記第1〜第n部分のうち少なくとも1個の部分を、他の部分を構成する合成樹脂原料と異なる配合の合成樹脂原料により構成することを特徴とするものである。
請求項4の衝撃吸収材の製造方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記衝撃吸収材は、前記衝撃受け面と前記裏面との間の厚さが比較的大きい大厚部と、該衝撃受け面と該裏面との間の厚さが該大厚部よりも小さい小厚部とを有しており、該大厚部と小厚部とは、該厚さ方向と直交方向に互いに隣接しており、該大厚部の厚さ方向の途中部から該衝撃受け面側の部分は、該小厚部の該衝撃受け面よりも該裏面側と反対側に張り出した張出部となっており、該衝撃吸収材のうち、該張出部を前記第1部分により構成し、該張出部よりも該裏面側の部分を第2〜第n部分により構成することを特徴とするものである。
請求項5の衝撃吸収材の製造方法は、請求項1ないし4のいずれか1項において、n=2であることを特徴とするものである。
請求項6の衝撃吸収材の製造方法は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記衝撃吸収材は、車体内装用衝撃吸収材であることを特徴とするものである。
本発明(請求項7)の衝撃吸収材は、請求項1ないしのいずれか1項に記載の衝撃吸
収材の製造方法により製造されたものである。
本発明にあっては、衝撃吸収材を第1〜第nの各部分に分けて発泡成形する。そのため
、衝撃吸収材の全体を一度の発泡成形工程にて成形する場合に比べて、第1〜第nの各部
分における衝撃受け面側と裏面側との発泡合成樹脂の密度差、及び、表層側と内部側との
発泡合成樹脂の密度差を小さくすることができる。これにより、衝撃吸収材の各部におけ
る発泡合成樹脂の均質性を向上させることができる。また、その結果、製造された衝撃吸
収材の性能のバラつきを防止ないし抑制することができる。
また、第1部分の第2部分との境界面に、衝撃受け面側に向かって凹陥する凹部を設けることが好ましい。このように構成した場合、第2部分成形工程において第1部分の該境界面上に散布された第2部分用合成樹脂原料は、この凹部内に溜まるようになり、第1部分の側周面と金型のキャビティ内面との間に第2部分用合成樹脂原料が入り込むことが防止ないし抑制され、より精度よく衝撃吸収材を成形することができる。
請求項2の通り、衝撃吸収材の第1〜第n部分を同一配合の合成樹脂原料により構成してもよい。この場合、衝撃吸収材の全体がより均質な発泡合成樹脂により構成された衝撃吸収材を製造することができる。
請求項3の通り、衝撃吸収材の第1〜第n部分のうち少なくとも1個の部分を、他の部分を構成する合成樹脂原料と異なる配合の合成樹脂原料により構成してもよい。これにより、各部分で要求特性の異なる衝撃吸収材(例えば衝撃受け面側よりも裏面側の方が低硬度となっている衝撃吸収材など)を容易に製造することができる。
衝撃吸収材が請求項4のような形状となっている場合、衝撃吸収材の張出部とそれ以外の部分とを一度の発泡成形工程にて成形すると、金型のキャビティ内における発泡合成樹脂の流れが複雑になったり、該キャビティ内に発泡合成樹脂が充満するまでに該発泡合成樹脂が移動すべき距離が長くなったりするため、衝撃吸収材の全体を均質な発泡合成樹脂により構成するのは容易ではない。そのため、この場合、請求項4の通り、衝撃吸収材のうち、張出部を第1部分により構成し、該張出部よりも裏面側の部分を第2〜第n部分により構成することにより、衝撃吸収材の張出部とそれ以外の部分とにおける発泡合成樹脂の均質性をより良好なものとすることができる。
請求項5の通り、衝撃吸収材は、第1部分及び第2部分の2個の部分からなるものであることが好ましい。このように構成することにより、衝撃吸収材の量産性を確保しつつ、衝撃吸収材の各部における発泡合成樹脂の均質性を十分に向上させることができる。
請求項6の通り、本発明は、車体内装用衝撃吸収材の製造方法に好適である。
かかる本発明の衝撃吸収材の製造方法により製造された本発明(請求項)の衝撃吸収
材は、衝撃吸収材の各部における発泡合成樹脂の均質性が良好である。これにより、この
衝撃吸収材は、より確実に、要求された特性を備えたものとなり、且つ、より性能のバラ
つきのないものとなる。
第1の実施の形態に係る衝撃吸収材の斜視図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図1の衝撃吸収材の第1部分の斜視図である。 図1の衝撃吸収材の製造方法を示す金型の断面図である。 図1の衝撃吸収材の製造方法を示す金型の断面図である。 衝撃吸収材の変形例を示す断面図である。 第2の実施の形態に係る衝撃吸収材の断面図である。 図7の衝撃吸収材の製造方法を示す金型の断面図である。 図7の衝撃吸収材の製造方法を示す金型の断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態では、衝撃吸収材(以下、EA材と略すことがある。)として、自動車のドアトリムに取り付けられる車体内装用EA材を例示しているが、本発明は、これ以外のEA材及びその製造方法にも適用可能である。
[第1の実施の形態]
第1図は、第1の実施の形態に係るEA材1の斜視図であり、第2図は第1図のII−II線に沿う断面図である。第3図はこのEA材1の第1部分の斜視図である。第4,5図は、それぞれ、このEA材1の製造方法を示す第2部分成形用金型20(以下、単に金型20ということがある。)の断面図である。なお、第4,5図は、それぞれ、この金型20の第2図に対応する部分の断面を示している。
<EA材1の構成について>
EA材1は、硬質ポリウレタン等の合成樹脂原料を発泡成形してなる。この実施の形態では、EA材1を自動車のドアトリム(図示略)に取り付けたときに、第1,2図におけるEA材1の下面がドアトリムに対向し、第1,2図におけるEA材1の上面が車体外側を向く。このEA材1が取り付けられた自動車の側突時には、第1,2図におけるEA材1の上面が衝突物からの衝撃を受ける。即ち、この実施の形態では、EA材1の第1,2図における上面が衝撃受け面となっており、第1,2図における下面が裏面となっている。以下、このEA材1の衝撃受け面側から裏面側に向かう方向(又はそれと逆方向)を厚さ方向という。
EA材1は、この実施の形態では、厚さが比較的大きい大厚部2と、該大厚部2よりも厚さが小さい小厚部3とを有している。第1,2図の通り、大厚部2と小厚部3とは、各々の厚さ方向と直交方向に互いに隣接して配置されている。以下、便宜上、大厚部2と小厚部3との隣接方向をEA材1の長手方向といい、該長手方向及び厚さ方向の双方に直交する方向をEA材1の幅方向という。また、EA材1の長手方向の両端側の側面及び幅方向の両端側の側面を総称してEA材1の側周面という。
第1,2図の通り、大厚部2の裏面と小厚部3の裏面とは互いに略面一状に連なっており、小厚部3の衝撃受け面は大厚部2の衝撃受け面よりも該裏面側に後退している。即ち、大厚部2の厚さ方向の途中部から衝撃受け面側は、EA材1がドアトリムに取り付けられたときに小厚部3の衝撃受け面よりも車体外側へ張り出す張出部4となっている。なお、EA材1の形状はこれに限定されない。例えば、第6図の通り、小厚部3Aが、2個の大厚部2A,2A’同士の間に配置されている形状でもよい。
この実施の形態では、EA材1は、衝撃受け面側の第1部分11と裏面側の第2部分との2個の部分に分画され、後述の第1部分成形工程及び第2部分成形工程により該第1部分11及び第2部分12が順次に発泡成形されることにより製造されたものとなっている。
この実施の形態では、EA材1のうち、大厚部2の厚さ方向の途中部から衝撃受け面側の部分が第1部分11により構成され、大厚部2の該厚さ方向の途中部よりも裏面側の部分と小厚部3とが一体として第2部分12により構成されている。第1部分11と第2部分12とは互いに隣接しており、第2部分成形工程において第2部分用合成樹脂原料Uが第1部分11に接触することにより、接着一体化したものとなっている。第1,2図の符号14は、第1部分11と第2部分12との境界部を示している。この実施の形態では、該境界部14は、小厚部3の衝撃受け面と略同レベルに位置している。即ち、この実施の形態では、第1部分11は、実質的に張出部4のみを構成したものとなっている。なお、第1部分11と第2部分12との分画構造はこれに限定されない。
第3図は、第2部分12と一体化される前の第1部分11を示している。第3図においては、第1部分11は、その第2部分12との境界面(以下、単に境界面ということがある。)11aを上向きにして描かれている。
この実施の形態では、第1部分11の境界面11aには、大厚部2の衝撃受け面側に向かって凹陥した凹部11bが設けられている。この凹部11bは、境界面11aの外周縁から該境界面11aの中央側に離隔した位置に設けられており、この凹部11bよりも境界面11aの外周側は、大厚部2の裏面側へ一段高くなった土手状部11cとなっている。土手状部11cは、境界面11aの外周縁に沿って凹部11bを全周にわたって取り囲むように形成されている。
第2部分成形工程において、金型20のキャビティ内に供給された第2部分用合成樹脂原料Uは、一部が第1部分11の境界面11a上に散布される。その際、境界面11aの外周縁に沿って形成された土手状部11cにより、この第2部分用合成樹脂原料Uが第1部分11の側周面と金型20のキャビティ内面との間に入り込むことが防止ないし抑制され、凹部11b内に溜まるようになる。なお、第1部分11の境界面11aの形状はこれに限定されない。
<金型20の構成について>
第2部分成形工程で用いられる金型20は、キャビティの内部形状がEA材1の全体の外形に対応する形状となっている。第4,5図の通り、この実施の形態では、金型20は下型21及び上型22を有している。なお、金型20は、必要に応じ、中子等を有していてもよい。この実施の形態では、金型20のキャビティ内において、EA材1は、その衝撃受け面を下向きにして成形される。即ち、下型21のキャビティ底面によりEA材1の衝撃受け面が成形され、下型21のキャビティ側周面によりEA材1の側周面が成形され、上型22のキャビティ天井面によりEA材1の裏面が成形される。下型21のキャビティ内には、EA材1の大厚部2に対応する、比較的深さが大きい大深度部23と、EA材1の小厚部3に対応する、該大深度部23よりも深さが小さい小深度部24とが形成されている。なお、金型20の構成はこれに限定されず、EA材1は、その裏面(衝撃受け面と反対側の面)を下向きにして成形されてもよい。
この金型20のキャビティ内のうち、大深度部23の深さ方向の途中部(小深度部24の底面と略同レベルとなる位置)から該大深度部23の底面までの空間が、EA材1の第1部分11に対応する第1部分対応空間となっており、該キャビティ内の残りの空間は、EA材1の第2部分12に対応する第2部分対応空間となっている。
<EA材1の成形方法について>
EA材1を成形するに当たっては、第1部分11を発泡成形する第1部分成形工程と、第2部分12を発泡成形して該第1部分11と一体化させる第2部分成形工程とを順次に行う。第1部分11を構成するための第1部分用合成樹脂原料Uと、第2部分12を構成するための第2部分用合成樹脂原料Uとは、同一配合のものであってもよく、配合が異なるものであってもよい。例えば、第2部分用合成樹脂原料Uを、第1部分用合成樹脂原料Uよりも低硬度の発泡合成樹脂が構成される配合とすることにより、衝撃受け面側よりも裏面側が低硬度となっているEA材1を容易に製造することができる。
(1) 第1部分成形工程について
第1部分成形工程では、第1部分11を単体で成形する。この第1部分11の成形は、一般的な単一の発泡成形体の成形と同様の方法により行うことができる。即ち、この第1部分11の成形は、例えば、キャビティの内部形状が第1部分11の外形に対応する形状となっている金型(図示略)を用い、該キャビティ内で第1部分用合成樹脂原料Uを発泡させることにより行うことができる。なお、第1部分11の成形方法はこれに限定されない。
(2) 第2部分成形工程について
第2部分成形工程においては、まず、金型20のキャビティ内の大深度部23の奥側(第1部分対応空間)に、第1部分成形工程により予め準備しておいた第1部分11を挿入配置する。次に、第4図の通り、金型20のキャビティ内の第2部分対応空間(小深度部24の底面上、及び、第1部分対応空間に配置された第1部分11の境界面11a上)に第2部分用合成樹脂原料Uを供給し、下型21の上に上型22を被せて型締めした後、該第2部分用合成樹脂原料Uを発泡させる。第5図の通り、第2部分用合成樹脂原料Uが発泡してなる発泡合成樹脂が第2部分対応空間に充満することにより、第2部分12が成形され、EA材1の全体の成形が完了する。この第2部分用合成樹脂原料Uは第1部分11の境界面11aに接触しているので、この第2部分用合成樹脂原料Uが発泡してなる第2部分12は、第1部分11に対し接着一体化したものとなる。
この発泡合成樹脂が硬化した後、下型21と上型22とを型開きしてEA材1を脱型し、その後、必要に応じてEA材1の表面仕上げを行うことにより、EA材1が完成する。
なお、第1部分11を予め量産しておき、実際のEA材製造ラインでは第2部分成形工程のみを行うようにしてもよく、1回のEA材製造サイクルにおいて逐次、第1部分11の発泡成形と、第2部分12の発泡成形とを順次に行うようにしてもよい。
本発明は、衝撃吸収材の全体を一度の発泡成形工程では均質な発泡合成樹脂により構成するのは容易ではない厚さ、例えば、最大厚さ(この実施の形態のEA材1においては大厚部2の厚さ)が150mm以上、特に200mm以上のEA材の製造に好適である。
[第2の実施の形態]
第7図は、第2の実施の形態に係るEA材1Bの断面図であり、第8,9図は、それぞれ、このEA材1Bの製造方法を示す第2部分成形用金型20B(以下、単に金型20Bという。)の断面図である。なお、第7図は、このEA材1Bの長手方向及び厚さ方向に沿う断面図であり、第8,9図は、それぞれ、金型20Bの第7図に対応する部分の断面を示している。
<EA材1Bの構成について>
第7図の通り、EA材1Bは、全体として厚さが略一様な断面略台形状となっている。この実施の形態では、EA材1Bの厚さ方向の途中部から衝撃受け面側が全体として第1部分11Bにより構成され、それよりも裏面側が全体として第2部分12Bにより構成されている。この第1部分11Bと第2部分12Bとの境界部14Bは、該EA材1Bの衝撃受け面及び裏面と略平行に延在している。第1部分11Bの構成は、該第1部分11BがEA材1Bの衝撃受け面側の全体を構成していること以外は、実質的に、前述の第1の実施の形態におけるEA材1の第1部分11と同様となっている。なお、第1部分11Bと第2部分12Bとの分画構造はこれに限定されない。
EA材1Bのその他の構成も、実質的に、第1の実施の形態におけるEA材1と同様であり、第7〜9図において第1〜5図と同一符号は同一部分を示している。
<金型20Bの構成について>
このEA材1Bの第2部分成形工程で用いられる金型20Bは、キャビティの内部形状がEA材1Bの全体の外形に対応する形状となっている。第8,9図の通り、この実施の形態では、金型20Bの下型21Bのキャビティ内は、全体として深さが略一様となっている。この下型21Bのキャビティ内の深さ方向の途中部から底面までの空間が、EA材1Bの第1部分11Bに対応する第1部分対応空間となっており、それよりも上側が、EA材1Bの第2部分12Bに対応する第2部分対応空間となっている。
金型20Bのその他の構成は、実質的に、第1の実施の形態における金型20と同様である。
<EA材1Bの成形方法について>
EA材1Bを成形するに当たっては、第1部分11Bを発泡成形する第1部分成形工程と、第2部分12Bを発泡成形して該第1部分11Bと一体化させる第2部分成形工程を順次に行う。第1部分11Bは、単体で成形される。第1部分11Bの成形方法は、第1の実施の形態における第1部分11の成形方法と実質的に同様であり、説明を省略する。
(第2部分成形工程について)
第2部分成形工程においては、まず、下型21Bのキャビティ内の奥側(第1部分対応空間)に、第1部分成形工程により予め準備しておいた第1部分11Bを挿入配置する。次に、第8図の通り、下型21Bのキャビティ内の第2部分対応空間(第1部分対応空間に配置された第1部分11Bの境界面11a上)に第2部分用合成樹脂原料Uを供給し、下型21Bの上に上型22Bを被せて型締めした後、該第2部分用合成樹脂原料Uを発泡させる。第9図の通り、この第2部分用合成樹脂原料Uが発泡してなる発泡合成樹脂が第2部分対応空間に充満することにより、第2部分12Bが成形され、EA材1Bの全体の成形が完了する。この第2部分用合成樹脂原料Uは第1部分11Bの境界面11aに接触しているので、この第2部分用合成樹脂原料Uが発泡してなる第2部分12Bは、第1部分11Bに対し接着一体化したものとなる。
上記の各実施の形態は、いずれも本発明の一例であり、本発明は上記以外の構成をもとりうる。
例えば、上記の実施の形態は、自動車内装用のEA材及びその製造方法への本発明の適用例を示しているが、本発明は、これ以外のEA材及びその製造方法にも適用可能である。
1,1A,1B EA材
2,2A,2A’ 大厚部
3,3A 小厚部
4,4A,4A’ 張出部
11,11A,11A’,11B 第1部分
11a 境界面
11b 凹部
11c 土手状部
12,12A,12B 第2部分
12a 境界面
12b 凹部
12c 土手状部
20,20B 金型
21,21B 下型
22,22B 上型

Claims (7)

  1. 金型により合成樹脂原料を発泡成形して衝撃吸収材を製造する方法であって、
    該衝撃吸収材は、衝突物からの衝撃を受ける衝撃受け面、及び、該衝撃受け面と反対側の裏面を有しており、
    該衝撃吸収材の製造方法は、該衝撃吸収材を該衝撃受け面側から該裏面側まで、又は該裏面側から該衝撃受け面側まで、順に第1〜第n(nは2以上の整数)のn個の部分に分画し、該第1〜第n部分を順次に発泡成形する第1〜第n部分成形工程を有しており、
    該第1部分成形工程では、該第1部分を単体で成形し、
    第m(mは2以上n以下の整数)部分成形工程では、第(m−1)部分成形工程により成形された成形体を金型のキャビティ内に配置した状態にて、該第m部分を構成するための第m部分用合成樹脂原料を該キャビティ内に供給して発泡させ、
    前記第1部分の第2部分との境界面に、前記衝撃受け面側に向かって凹陥する凹部を設け、前記境界面の外周延に沿って前記凹部を全周にわたって取り囲む土手状部を有することを特徴とする衝撃吸収材の製造方法。
  2. 請求項1において、前記第1〜第n部分を同一配合の合成樹脂原料により構成することを特徴とする衝撃吸収材の製造方法。
  3. 請求項1において、前記第1〜第n部分のうち少なくとも1個の部分を、他の部分を構成する合成樹脂原料と異なる配合の合成樹脂原料により構成することを特徴とする衝撃吸収材の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記衝撃吸収材は、前記衝撃受け面と前記裏面との間の厚さが比較的大きい大厚部と、該衝撃受け面と該裏面との間の厚さが該大厚部よりも小さい小厚部とを有しており、
    該大厚部と小厚部とは、該厚さ方向と直交方向に互いに隣接しており、該大厚部の厚さ方向の途中部から該衝撃受け面側の部分は、該小厚部の該衝撃受け面よりも該裏面側と反対側に張り出した張出部となっており、
    該衝撃吸収材のうち、該張出部を前記第1部分により構成し、該張出部よりも該裏面側の部分を第2〜第n部分により構成することを特徴とする衝撃吸収材の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、n=2であることを特徴とする衝撃吸収材の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記衝撃吸収材は、車体内装用衝撃吸収材であることを特徴とする衝撃吸収材の製造方法。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の衝撃吸収材の製造方法により製造された衝撃吸収材。
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